JPS601968Y2 - 刃物研ぎ器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、包丁および鋏のように刃先部の異なる数種
の刃物を全く熟練を要すことなく容易に且つ正確に研ぐ
ことの出来る刃物研ぎ器を提供することを目的とするも
のである。

一般家庭に於いては、生活必需品である包丁や鋏等の刃
物を研ぐことが殆んどない。

この理由は、研ぐ時に誤って指に切傷を負うと云った危
惧があるためだけでなく、刃物に手を添えてその刃先部
を砥石に摺動させる際に、刃先部が砥石に確実に接合す
る状態に刃物を傾斜させ、この傾斜状態を保ちながら往
復動させなければならないのであるが、この作業は極め
て困難であって、刃物の傾斜角度を一定させて作業しな
いと、刃先が丸くなって逆に切れが悪くなる致命的な問
題があるためであると思われる。

そこで、近年では電動式の包丁研ぎ器が市販されている
が、高価であり、また包丁以外の例えば鋏等の刃物は研
ぐことが出来ない欠点がある。

この考案は、上記従来の欠点に鑑みなされたもので、砥
石の取付く保持板を回動自在とし、保持板を両方向の回
動終端に位置させた時に砥石に対し刃物の刃先角度に応
じた角度で当接するガイド板および当板をそれぞれ設け
る構成とすることにより、包丁および鋏の何れをも容易
に且つ正確に研げるようにしたものであり、次にこの考
案の刃物研ぎ器を、その一実施例を示した図面に基いて
詳説する。

１は支持体、２は砥石保持板を示し、支持体１は４枚の
板ｌａｗ ｌｂ、ＩＣ？ ｌｄを角筒状に貼着して
威り、この支持体１の前板１ａと背板１ｂに、保持板２
の基端部が枢ピン３によって回動自在に取付けられてい
ると共に、蝶棒４が上記前板１ａと背板１ｂに穿設され
た弧状孔１ｅ＊１ｆをそれぞれ挿通して保持板２の自由
端部の両側面に螺着され、且つ蝶棒４に外部から螺合さ
れた蝶ナツト５を締結することによって、保持板２が任
意の傾斜角度で支持体１に固定されている。

６は砥石で、実施例では第２図のように荒研ぎ用砥石６
ａど仕上用砥石６ｂとを重着してあり、断面コ字状の保
持枠７に嵌合され且つ蝶ボルト８で固定され、さらに保
持枠７から突出されたボルト９を保持板２に穿設された
長孔状取付孔２ａに挿通させて該ボルト９に蝶ナツト５
を螺合締結することによって、保持板２に固着されてい
る。

１０はガイド板を示し、このガイド板１０は合戒樹脂製
の偏平な板体であって、合成樹脂製の２本の取付用丸棒
１１がガイド板１０に対し直角に且つ互いに平行に嵌合
接着されて突設されている。

上記ガイド板１０が取付けられる取付板１２は、所要厚
みのスペーサ１３を介在させてボルト９と蝶ナツト５に
より支持体１の左側板ＩＣに突出形態で取付けられるこ
とによって、支持体１の前板１ａおよび背板１ｂの各上
部にそれぞれ形成された刃物遊挿用の切欠きＩｇ、ｌｈ
に対向する位置に設けられている。

そして、前述のガイド板１０は、丸棒１１にコイルスプ
リングから成る弾性体１４を遊挿してこの丸棒１１を取
付板１２のガイド孔１２ａに摺動自在に貫装し且つ止止
めピン１５で抜は止めすることによって、左右方向に可
動自在に取付板１２に取着されている。

一方、支持体１の前板１ａおよび背板１ｂの各下部にも
刃物の逃げとなる切欠きｌｉ、ｌｊが形成されており、
第３図に示すように、支持体１を上下反転させた時に、
前板１ａ、背板１ｂおよび右側板１ｄ間に嵌合する合板
１６と、この台板１６に固着され該合板１６の支持体１
への取付は時に上記切欠き１１，１ｊに対向して位置す
る当板１７とを具備している。

尚、ガイド板１０は、左側板１ｃの長孔１ｋによって高
さ位置を調整できるようになっている。

上記構成とした実施例の研ぎ器で刃物を研ぐ動作につい
て説明する。

この研ぎ器は、第１図および第２図に示すように、刃先
の角度が比較的小さくその角度が種類によって若干異な
る包丁Ａと、第２図および第３図に示すように、刃先の
角度が約６４°〜７０’程度と比較的大きく且つほぼ一
定である鋏Ｂの何れをも研げるようになっており、先ず
、包丁Ａを研ぐ場合、蝶ナツト５を緩めて保持板２をガ
イド板１０側に回動させ、砥石６がガイド板１０に当接
した位置で蝶ナツト５を締めて保持板２を固定すると、
ガイド板１０と砥石６とのなす角度θ１が包丁Ａの刃先
角度にほぼ合致する。

もし、包丁Ａを砥石６とガイド板１０間に挿入して角度
θ１が包丁Ａの刃先角度と明らかに異なるような場合は
、蝶ナツト５を緩めてガイド板１０を上下させ、上記角
度θ１を適当に調整すればよい。

然る後に、包丁Ａを砥石６とガイド板１０間に挿入する
と共に、包丁Ａをガイド板１０に沿わせて第１図の矢印
で示す前後方向に往復動させると、包丁Ａの刃先部が砥
石６に正確に摺接して正しく研摩される。

しかも、包丁Ａの刃先角度が小さいために包丁Ａが砥石
６とガイド板１０間に楔状に入り込むにも拘わらず、ガ
イド板１０が左右方向に可動することによって包丁Ａを
円滑に往復動させることができる。

従って、素人でもこの研ぎ器を使用することによって包
丁Ａを容易に且つ正確に研ぐことができ、従来において
生じていた包丁Ａを使用不能なものにすると云った失敗
を解消できる。

また、蝶ボルト８を緩めて砥石６を取り出した後に反転
させて再度固定することにより、荒研ぎ及び仕上げ研ぎ
の何れをも行うことが可能である。

次に、鋏Ｂを研ぐ場合、第２図に１点鎖線で示すように
、蝶ナツト５を外して保持枠７を保持板２の反対側の面
に付は換えた後に、保持板２を回動させて弧状孔１ｅ、
Ｉｆの端縁近傍に固定させると共に、第３図に示すよう
に支持体１を上下反転させて納置し、合板１６を支持体
１に嵌入して当板１７を砥石６上に載置させると、当板
１７と砥石６とのなす角度０２が鋏Ｂの刃先角度にほぼ
合致するようになっているから、鋏Ｂを当板１７に沿わ
せて往復動させることにより、包丁Ａと同様に容易に且
つ正確に研ぎ作業を行な得る。

以上説明したように、この考案の刃物研ぎ器によると、
何ら熟練を要することなく包丁と鋏の何れをも正確に研
ぐことができ、しかも、可動自在にガイド板または当板
に沿わせて往復動させるだけであるから、取扱いも極め
て容易なものであって、指に切傷を負ったりすることの
全くない安全なものであり、また、構成も簡易であるか
ら安価に製作出来る利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の刃物研ぎ器の一実施例を示し、第１図
は包丁を研ぐ状態の斜視図、第２図は第１図の切断正面
図、第３図は鋏を研ぐ状態の一部の斜視図である。 １・・・・・・支持体、ｌｅ、Ｉｆ・・・・・・弧状孔
、２・・・・・・保持板、４・・・・・・蝶棒、５・・
・・・・蝶ナツト、６・・・・・・砥石、１０・・・・
・・ガイド板、１４・・・・・・弾性体、１７・・・・
・・当板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状の支持体の前板および背板に砥石保持板の基端部を
   回動自在に取付け、該保持板の側部に突設した蝶棒を上
   記支持体に穿設した弧状孔に挿通させると共に蝶棒に蝶
   ナツトを螺合して保持板を支持体に固定し、支持体の一
   方の側板にガイド板を弾性体により可動自在に装着し、
   該支持体の他方の側板に当板を設け、保持板を弧状孔の
   両端縁に択一的に係止させることにより、保持板の自由
   端部に着脱自在に取付いた砥石がガイド板もしくは当板
   に対し所定角度で当接するようにしたことを特徴とする
   刃物研ぎ器。