JPS597154Y2 - コンテナ緊締装置の出没機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はコンテナを輸送するトレーラやトラック、鉄
道車両、船舶、航空機等に取り付けられるコンテナ緊締
装置を不使用時に荷台上面から突出しないように格納で
きるようにした出没機構に関するものである。

一般にコンテナ輸送車に設けられるコンテナ緊締装置は
、緊締金具が荷台上面に固定されているため、コンテナ
以外の他の輸送貨物の運搬に使用する場合に、コンテナ
緊締金具が荷積みや荷卸し作業の邪魔になり、作業効率
や輸送効率の低下を招来している。

また一部でコンテナ緊締装置を荷台上面から没入させる
機構が採用されているが、手動操作式であるため、作業
能率上、又は安全面及び労力負担面で問題のあるもので
あった。

この考案は上記装置の欠点、問題点を解消し、ワンタッ
チ方式で確実かつ安全に荷台上面に対するコンテナ緊締
装置の出没を行いうるようにしたものである。

以下図面に示す実施例についてこの考案を説明する。

第１図はこの考案を採用したコンテナ緊締装置の側面図
であり、コンテナ緊締金具が荷台上面から突出した状態
を示す。

トラック等の荷台枠１の荷台上面より下方に一対の支持
板２，２が固着されており、各々の支持板２，２の両側
部には、上下に切欠係合溝３Ａ，３Ｂを有する案内板３
，３が互いに平行に対設されている。

前記支持板２，２の間には中央部上面にコンテナ緊締用
の緊締金具４を締着した座枠５が組み込まれている。

座枠５は案内板３，３の外側面に重ねられ、上下方向に
摺動する一対の脚板６，６と、両方の脚板６，６の上部
を連結する座板７とから戊り （第３図参照）、この座
板７の中央部上面に前記コンテナ緊締用の緊締金具４を
固着させている。

図において、１９は締付けボルト、２０は締付けナット
である。

座枠５の各脚板６，６の両端部には横長保合孔６Ａ，６
Ａが設けられ、各横長係合孔６Ａ，６Ａにはピン１０．
１０が係合される。

左右の脚板６，６に関連する各構或部品は左右対称の構
造になっているので、以下の説明では原則として一方の
みの説明を行い図面上同等個所に同一符号を付すること
にする。

脚板６と側面で重なり合う案内板３の上部切欠係合溝３
Ａに前記ピン１０が係合しており、案内板３の中央部に
は上下方向に延長するガイド棒８が、また上部にはスト
ツパ９がそれぞれ取り付けられている。

ガイド棒８とストツパ９は、脚板６の両側部及び上部に
つき当てられるようになっている。

脚板６の横長係合孔６Ａの下部には左右の脚板６，６間
にわたって挿通されるレバー支持ピン１１が設けられ、
各支持ピン１１は両端すなわち脚板６の外側面でロツク
レバー１２を回動可能に支持し、かつ中央部にはコイル
ばねレバーを回動可能に支持している。

ロツクレバー１２の一端には、縦長切欠溝１２Ａが設け
られ、この縦長切欠溝１２Ａは両脚板６，６間に延長す
るピン１０の両端部を支えており、ロックレバー１２の
他端１２Ｂは中央部付近まで延長されている。

また脚板６の中央上部には軸受１５が設けられており、
この軸受１５は操作棒１４を支えている。

操作棒１４は垂直方向に作動され、その全高はコンテナ
緊締金具４の全高より低くなるように寸法を定められて
おり、かつ下端には押え板１６が固着され、この押え板
１６は前記ロツクレバー１２Ｂに押し着けられている。

レバー支持ピン１１の中央部に回動可能に支えられるコ
イルばねレバー１３と、座板７の下面に取り付けたばね
掛け１８との間に引張りコイルばね１７が設けられる。

また支持板２の最下部には、双方の支持板２，２間を連
結するばね受けブラケット２２が設けられ、ばね受けブ
ラケット２２の中央部にはばね受け２１が固着されてい
る。

このばね受け２１と座板７の下面との間には圧縮コイル
ばね２３が組み込まれている。

なお２４は締付けボルト、２５は締付けナットである。

案内板３の切欠係合溝３Ａ，３Ｂは脚板６，６間のピン
１０が切欠係合溝３Ａに係合したときすなわち第１図に
示すようにコンテナ緊締装置が持ち上げられるときは、
緊締金具４が荷台上面に完全に突出し、反対にピン１０
が下部の切欠係合溝３Ｂに係合したとき、すなわち第２
図に示すようにコンテナ緊締装置が引下げられるときは
、緊締金具４は荷台上面より下に完全に没入するように
位置決めされる。

次に上記構造を有するこの考案の機構を説明する。

コンテナを輸送する場合、コンテナ緊締装置は第１図の
状態にある。

コンテナ緊締金具４は荷台上面から突出しており、この
緊締金具４を取り付けた座枠５は、ピン１０が上部切欠
係合溝３Ａに係合し、かつ脚板６の両側部及び上部がそ
れぞれガイド棒８、ストツパ９によって拘束されている
ため、座枠５に固着された緊締金具４は固定されたと同
じ状態で荷台に対して強固にその位置を維持する。

前記ピン１０を扶持しているロツクレバー１２は支持ピ
ン１１に設けた引張りコイルばね１７の作用により拘束
されているため、ピン１０の保合は外れるおそれはない
。

したがって荷台上面に固定したコンテナ緊締金具と同様
の取り扱いを行っても、強度面、信頼性及び作業性で問
題が起ることはない コンテナ以外の輸送貨物を運搬する場合でコンテナ緊締
装置が邪魔になるときは、まず例えば作業者が脚で操作
棒１４を押し下げると、操作軸１４の下端の押え板１６
を介してロツクレバー１２はレバー支持ピン１１を中心
に引張りコイルばね１７の作用に抗して回動する。

ロツクレバー１２の先端の縦長切欠溝１２Ａに挾持され
たピン１０は、ロツクレバー１２の回動により中心方向
に移動を始め、やがてピン１０は案内板３の上部切欠係
合溝３Ａから外れる。

次に操作棒１４を押し下げたまま緊締金具４を同時に押
し下げると、ピン１０が案内板３の内側端面３Ｃを摺動
しながら圧縮コイルばね２３の作用に反して緊締金具４
及び座枠５は下降を始める。

作業者が脚を操作棒１４から外し、緊締金具４だけを押
し下げると第２図に示すような緊締装置の没入状態かえ
られる。

この際案内板３の内側端面３Ｃを摺動し、下降するピン
１０は案内板３の下部切欠係合溝３Ｂまで下降すると、
引張りコイルばね１７の引張り作用によりロツクレバー
１２を介して自動的に切欠係合溝３Ｂに係合される。

ロツクレバー１２は引張りばね１７の作用によって常に
ピン１０の切欠係合溝３Ｃとの係合状態を保持するため
、操作棒１４を押し下げない限り、ピン１０と切欠係合
溝３Ｂとの保合が外れることはない。

第２図に示すようにコンテナ緊締装置が荷台上面から完
全に没入したとき、コンテナ緊締金具４をはじめとして
すべての装置が荷台上面より下方に位置するようになる
ので、荷台上面開口部に蓋２６をすれば通常の荷台と何
ら変わらなくなる。

したがってコンテナ以外の輸送貨物の運搬も問題なく行
うことができるのである。

コンテナ緊締装置を使用する必要が生じたときは、作業
者が脚で操作棒１４を踏み込み、ロツクレバー１２を介
してピン１０を案内板３の下部切欠係合溝３Ｂから外し
た後、脚を操作棒１４から離すとばね受２１と座枠５と
の間に組み込んだ圧縮コイルばね２３の復元力により、
座枠５は押し上げられる。

脚板６が案内板３の上部に設けたストツパ９に当ると同
時に、ピン１０は引張りコイルばね１７の作用で自動的
に案内板３の上部切欠係合溝３Ａに係合し、第１図に示
す突出状態となる。

この考案は上述したように従来その例を見なかったワン
タッチ式のコンテナ緊締装置の出没機構を提供するもの
であって、作業性、経済性、安全性にすぐれ、車両をコ
ンテナ運搬専用車とする必要がなく、広汎な用途に供す
ることができるので車両の利用効率を著しく高めること
ができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を採用したコンテナ緊締装置が荷台上
面から突出した状態を示す断面図、第２図は上記装置が
荷台上面から没入した状態を示す状態図で、第３図は第
２図のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う断面図である。 なお図において、１・・・・・・荷台枠、２・・・・・
・支持板、３・・・・・・案内板、３Ａ・・・・・・上
部切欠係合溝、３Ｂ・・・・・・下部切欠係合溝、３Ｃ
・・・・・・内部断面、４・・・・・・緊締金具、５・
・・・・・座枠、６・・・・・・脚板、６Ａ・・・・・
・横長係合溝、７・・・・・・座板、８・・・・・・ガ
イド棒、９・・・・・・ストツパ、１０・・・・・・ピ
ン、１１・・・・・・支持ピン、１２・・・・・・ロツ
クレバー、１２Ａ・・・・・・縦長切欠溝、１２Ｂ・・
・・・・レバー片、１３・・・・・・コイルばねレバー
、１４・・・・・・操作棒、１５・・・・・・軸受、１
６・・・・・・押え板、１７・・・・・・引張りコイル
ばね、１８・・・・・・ばね掛け、２１・・・・・・ば
ね受け、２２・・・・・・ばね受けブラケット、２３・
・・・・・圧縮コイルばねである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方の面が相対向するように他面を荷台枠１に固着した
   一対の支持板２，２と、この支持板２，２の各々の両側
   部に固着され、上下に切欠係合溝３Ａ，・・・， ３
   Ａ， ３Ｂ，・・・ ３Ｂを有する二対の上下方向の
   案内板３，・・・，３と、前記二対の案内板で囲まれる
   空間を水平に維持した状態で上下に移動可能な座板７の
   下面両側部にこの下面と直角となりかつ互いに平行にな
   るように取り付けられ、前記案内板３，・・・，３の外
   側面をその各々の両端部付近の内側面が摺動して上下移
   動可能なように各々の両端部が前記座板７から突出しか
   つその各々の上部両端部付近に横長係合孔６Ａ，・・・
   ，６Ａを有する一対の脚板６，６によって形或される座
   枠５と、前記座枠５の座板７の上面に固着されたコンテ
   ナ緊締金具４と、前記横長係合孔の相対向する対の各々
   に挿通され、前記横長係合孔を横方向に移動可能でかつ
   前記切欠係合溝３Ａ，３Ｂに係脱自在な一対のピン１０
   ．１０と、相対向する脚板６，６間に回転自在に支承さ
   れた支持ピン１１，１１の両端に固着され、その一端に
   前記ピン１０，１０を挾持する縦長切欠溝１２Ａ，・・
   ・ １２Ａを有する二対のＬ形状ロツクレバー１２，・
   ・・，１２と、前記支持ピン１１，１１の中央部にその
   一端を固着した一対のコイルばねレバー１３， １３と
   、前記コイルばねレバー１３， １３の他端と前記座板
   ７との間に設けられ、このレバー１３， １３を外側方
   向に回動させる力を加える一対の引張りコイルばね１７
   ， １７と、前記Ｌ形状ロツクレバー１２，・・・，１
   ２の他端にその先端が当接されてその基端を外部から下
   方に押圧することにより前記レバー１２，・・・，１２
   を上記コイルばね１７， １７に抗して内側方向に回動
   させ、前記ピン１０， １０を内側に移動させて前記切
   欠係合溝３Ａ，・・・， ３Ａ， ３Ｂ，・・・，
   ３Ｂから離脱させる操作棒１４と、前記支持板２，２間
   の下部を連結固定するばね受けブラケット２２に固定さ
   れたばね受け２１と前記座板７の下面との間に組み込ま
   れて前記座枠５を常時上方に押し上げる力を加える圧縮
   コイルばね２３と、前記ピン１０． １０が前記案内板
   ３，・・・，３の上部切欠係合溝３Ａ，・・・，３Ａに
   係合してロックされた位置よりも前記座枠５が上方に突
   出することがないように前記案内板３の上部位置に固着
   した前記脚板６，６のストツパ９とからなるコンテナ緊
   締装置の出没機構。