JPS5936826Y2 - 回路しや断器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は回路しゃ断器に係り、特に周囲温度に影響さ
れない（周囲温度補償された）、常に安定した熱動列外
し特性を得ることの出来る熱動列外し装置に関するもの
である。

一般に、熱動列外し装置を備えた回路しゃ断器は熱によ
り湾曲する金属であるバイメタル製の熱動部材の先端に
設けられた調整ねじが、回路しゃ新機構を作動する引外
し杆に設けられたトリップバーアームに当接することに
より回路をしゃ断する。

そして、熱動列外し装置の時限を調整するには前記調整
ねじをドライバー等により回動して、調整ねじとトリッ
プバーアームとの間の間隙を調整している。

こうした構成による一般的な呼び方のサーマル式回路し
ｍ器では通常例えばＪＩＳ等によれば周囲温度４０℃の
場合、定格電流１００優負荷による使用により、その回
路しゃ断器独自のｉ−ｔカーブで保証している。

この時、もし使用周囲温度が例えば４０℃以外３０℃、
５０℃になった場合は一般的には周囲温度変化による補
償弁として使用負荷率（負荷電流）を補正して使用する
訳であるが、使用環境によっては、１日周期、時間周期
、又は季節周期により、周囲温度が大巾に基準温度より
異なる場所で使用される場合がある。

この場合、その機種の過負荷特性（ｉ−を特性）は各々
の周囲温度全てを補償することは出来ず、ひいては負荷
機器の保護あるいは配線の保護も出来ス、時にははなは
だしい高温度周囲の場合はミストリップ（１００％負荷
電施以内で）して、連続使用（給電）が出来ない場合さ
えある。

このような周囲温度変化の激しい環境使用においては、
回路しゃ断器は、回路しゃ断器として役目を充分果たす
ことが出来ず、場合によっては存在するが為にかえって
悪状況（給電出来ない。

）を作ることになる。

この考案はこのような従来品による実情に鑑みてなされ
たもので、周囲温度に影響されない常に安定した熱動（
過負荷）特性を得て、給電の連続性、負荷配線保護の信
頼性を充分に発揮することが出来、しかも一度に各極毎
の周囲温度補償が出来るようにした回路しゃ断器を提供
しようとするものである。

以下、図面に従ってこの考案の一実施例について説明す
る。

第１図及び第２図において、１は回路しｆ器の外枠を構
成する絶縁物からなるベース、１ａはこのベースに設け
られた溝、１ｂは同様に周囲温度補償用第２熱動部材１
１を固定する為のねじ１２取付用貫通穴、２は熱により
矢印Ａの方向に湾曲するバイメタル３と、熱発生のヒー
タ４、このバイメタル３に螺合され止めナツト５により
係止された調整ねじ６とからなる第１熱動部材、７は前
記第１熱動部材２の変位に応動する応動部材で、この応
動部材は後述する駆動部材８と補正材９とから構成され
ている。

上記バイメタル３は一端が固定され、可動端には雌ねじ
が加工されている。

この雌ねじに調整ねじ６が螺合され、止めナツト５によ
り係止されている。

なおバイメタル３の固定部ニはバイメタル３の熱源であ
るヒータ４が固定されており、異常電流が流れた場合は
この異常電流によりヒータ４は発熱し、バイメタル３は
矢印Ａ方向に湾曲し、調整ねじ６の先端が後述する補正
材９０当接面９１ａに当接し、機構部（図示せず）をト
リップさせる。

１０は図示しない回路しゃ新機構のトグルリンク機構の
軸が貫通する貫通孔１０ａを備えたラッチである。

先ず、前記駆動部材８の構成を詳述する。

すなわち、８１は絶縁物からなる杆部、８２はこの杆部
に固着され前記溝１ａに遊嵌された金属製のピンで、杆
部８１はこのピン８２を枢軸として回動可能に構成され
ている。

８３は前記ラッチ１０と係合し、杆部８１にインサート
固着された係合であり、駆動部材８が回動するときラッ
チ１０との係合面をスライドする。

８４はトリップバーアームで、後述する補正材９を移動
自在に保持する突出部９１ｂを貫通するピン８２の軸方
向に沿った長溝状の案内孔８４ａと図示しない電磁列外
し装置の可動鉄片に係合する係合部８４ｂを備え、杆部
８１に固着部Ｂでかしめ固着されている。

次に補正材９の構成を述べる。

第１熱動部材２は異常電流による発熱と周囲温度をプラ
スした熱により湾曲するが、補正材９は後述する周囲温
度により駆動する周囲温度補償用第２熱動部材１１の動
きをうけて、周囲温度の影響を受けないように補正する
補正材である。

９１は第１図に示すように前記第１熱動部材２に対向す
る側に前記調整ねじ６が当接する傾斜面（以下当接面と
記す）９１ａと、第１熱動部材２０反対側に前記トリッ
プバーアーム８４０案内孔８４ａを貫通する突出部９１
ｂとを備えた当接面で、この突出部９１ｂは後述する周
囲温度補償用第２熱動部材１１の動きにより案内孔８４
ａに沿って矢印Ｃ方向に移動自在に周知のＥリング９２
によって嵌着保持されている。

９３は当接片９１を一体に連結する連結杆で、９４は図
示するように当接片９１の移動方向に対し垂直な方向に
長溝状の案内孔９４ａを備え、前記杆部８１に対し湾曲
した円弧状の案内片で、後述する周囲温度補償用第２熱
動部材１１に設けられた係合ねじ１３が前記案内孔９４
ａに垂直方向移動自在に嵌合されて周囲温度補償用第２
熱動部材１１が周囲温度に応じて湾曲した場合、補正材
９を矢印Ｃ方向に動かし、また第１熱動部材２が発熱に
より湾曲し調整ねじ６が当接面９１ａを押し、補正材９
、駆動部材８をピン８２を枢軸として回動しても、後述
する係合ねじ１３が外れないよう案内孔９４ａは長溝状
となっている。

なお当接面９１ａ、連結杆９３、案内片９４は一体形成
されている。

１１は周囲温度補償用第２熱動部材で、周囲の温度によ
り湾曲するバイメタル１１ａの一方に固定片１１ｃが固
定されており、ベース１に設げられたねじ取付用貫通穴
１ｂに合わせてねじ１２により固定する構成となってい
る。

バイメタル１１ａの他の一端に調整片１１ｂが固定され
ており、この調整片１１ｂに設けられた穴に、案内孔９
４ａに垂直方向に移動自在に嵌合される係合ねじ１３が
嵌合され、止めナツト１４により係止されている。

第１図ではバイメタル１１ａは周囲温度が高くなった場
合、下方向に低くなった場合は上方向に動き、ひいては
係合ねじ１３の先端が調整片１１ｂを経由して円弧状の
案内孔９４ａに垂直方向自在に貫合係合されており、補
正材９が上下方向に動き、当接面９１ａの作用により調
整ねじ６と当接面９１ａ間のギャップが変更出来るよう
組立てられている。

一方、周囲温度補償用第２熱動部材は固定片１１ｃをベ
ース１の内側にあて、取付ねじ１２によりベースのねじ
取付用貫通穴１ｂを介して固定されている。

この時、固定片１１Ｃはベース１の内側面とバイメタル
部１１ａ間のギャツ、プを造る役目も果している。

このように構成されたものの動作について説明する。

今、何らかの原因で回路に異常電流が流れたとすると、
この異常電流による発生熱により前記第１熱動部材２の
バイメタル３が矢印入方向に湾曲し、前記応動部材７を
構成する補正材９０当接面９１ａに調整ねじ６の先端が
当接し補正材９を押圧する。

このため、駆動部材８の杆部８１はピン８２を枢軸とし
て回転する。

そして、杆部８１の係合８３とラッチ１０との係合が解
かれラッチ１０に連結された図示しないトグルリンク機
構が作動し回路し’ｌされる。

定常は回路電流が１００％以内連続通電され、しかも基
準温度（例えば４０℃）のとき、調整ねじ６の先端と当
接面９１ａは規定のギャップを保持して、３極とも設定
されて（・る。

今、もし周囲温度が高くなったり、〔バイメタル３がＡ
方向に湾曲し、調整ねじ６と当接面９１ａ間のギャップ
が小さい方向に動（〕、あるいは低くなったり〔バイメ
タル３がＡの逆方向に湾曲し調整ねじ６と当接面９１ａ
間のギャップが大きい方向に動（コすると、規定のギャ
ップ（前記）が保持出来ない。

すなわち、規定のｉ −を特性を保持して負荷及び配線
を保護出来ない。

場合によっては高温度１００優負荷電流内でも□ストリ
ップすることさえある。

この場合、この考案では周囲温度補償用第２熱動部材１
１のバイメタル部１１ａが第１熱動部材２と同一の周囲
温度よりの感温を受け、バイメタル３が周囲温度例えば
基準周囲温度より高温度になったとき、当接面９１ａと
調整ねじ６間のギャップが少なくなった分だけ、バイメ
タル部１１ａが第１図において下方向に動き、基準値ギ
ャップよりせまく（小さく）なった分だけ当接面９１ａ
が動くことによりギャップ補正を３極間時にやってくれ
るので、常にいかなる周囲温度においても１００％負荷
で使用していれば一定のギャップ、すなわち安定した過
負荷（ｉ−ｔ ）特性を得ることが出来、負荷機器、配
線の保護に対して周囲温度に影響されない信頼性のより
高い回路しゃ断器を得ることが出来る。

なお、補正部材９０円弧状の案内孔９４ａと係合ねじ１
３の先端間にはわづかの摩擦があるが、この摩擦は駆動
部材８０回転には伺ら影響を与えず、図示しないトグル
リンク機構の引外し荷重に何ら関与することはないもの
である。

以上のように、この考案は単に標準回路しゃ断器（温度
補正小町の回路しゃ断器）に補正材と周囲温度補償用第
２熱動部材を付加することで、極めて安定した周囲温度
補償用回路しゃ断器を得ることが出来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の主要部を示す一部断面か
らなる正面図、第２図は要部の組合せ関連状態を分り易
くした斜視図、第３図は第２図の■−■線における断面
図、第４図は周囲温度補償用第２熱動部材の側面図であ
る。 図において、１はベース、２は熱動部材、３はバイメタ
ル、４はヒータ、５は止メナット、６は調整ねじ、７は
応動部材、８は駆動部材、９は補正材、１０はラッチ、
１１は周囲温度補償用第２熱動部材、１２はねじ、１３
は係合ねじである。 なお、図中同一符号は同一部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. Ｘ・動引外し装置を構成し、各極毎に設けられた複数個
   のバイメタルと、これらバイメタルに対向して固定部に
   枢着され回動自在に設けられた駆動部材とを備え、上記
   バイメタルの熱変形時、これらバイメタル先端に突設さ
   れた調整ねじに押されて上記駆動部材が回動することに
   より回路し剣析機構を作動させるようにしたものにおい
   て、上記バイメタルと駆動部材との間には、上記駆動部
   材にその軸方向に移動可能なように係合され、上記バイ
   メタルの調整ねじとの当接面が駆動部材の軸方向に傾斜
   する傾斜面をなす各極共通の一個の補正材を設け、さら
   にこの補正材を上記駆動部材の軸方向に動かす周囲温度
   補正用バイメタルを上記補正材に係合して設けたことを
   特徴とする回路しゃ断器。