JPS5936122Y2 - 回転電機の回転子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は同期発電機や同期調相機のような同期機形の回
転電機の回転子に係り特に制動巻線を具えた円筒形回転
子に関し、その目的とするところはうず電流積の低減効
果が大きく逆相電流耐量に優れた円筒形回転子を提供す
ることにある。

周知のととく２極タ一ビン発電機のように円筒形回転子
を具えた回転電機は一般に電機子巻線が分布巻きとなる
ため電機子反作用起磁力が正弦波形にならず高調波成分
を含みこれが回転子速度と同期しないので、あるいはオ
た不平衡負荷運転時や事故時に流れる逆相電流による起
磁力も回転子速度と同期しないため夫々回転子表面にう
ず電流が発生し、このうず電流による損失で回転子の温
度が著しく高くなる。

そのため従来の回転電機はこのような電流積を低減する
ためには第１図に示すごとく回転子表面に制動巻線を埋
設したものがある。

すなわち、１１は円筒形回転子の回転磁極でこの磁極１
１の図示上下の周面部が磁極面Ｎ。

Ｓを形成し、この磁極面Ｎ、Ｓに対し左右周面部に設け
た数個のスロット１２内に分布巻き界磁巻線１４と制動
巻線１５が収納されこれら巻線はスロット入口部１２ａ
に挿入された楔１６により固定される。

磁極面Ｎ、Ｓには数個の夫々浅いスロット１３が設けら
れこのスロット内に制動巻線１５が挿入されかつスロッ
ト入口部１３ａに挿入された楔１６により固定される。

各制動巻線１５は鋼重たはアル□ニウム合金等の導電材
料から成りその両端部は夫々図示しない短絡環等を介し
て一体に接続されて巻線回路を構成している。

ところで制動巻線１５が回転子表面のうず電流積を低減
するためにはできるだけ回転子表面に近い方が有効であ
るが、各制動巻線１５を固定する楔１６が遠心力をうげ
る界磁巻線１４を固定するために厚内構造に形成された
楔と同一寸法形状のものを用いているので、各制動巻線
が回転子表面よりかなう内側に埋設されることになり、
うず電流積の低減効果が充分に得られない欠点があった
。

本考案は上記の欠点を無くしたもので、第２図に示すよ
うに回転磁極１１の磁極面Ｎ、Ｓに設けた制動巻線１５
が収納されるスロット１３′のスロット入口部１３′
ａの高さｈ２を、界磁巻線１２および制動巻線１５が収
納されるスロット１２のスロット入口部１２ａの高さｈ
ｌより低く形威し、このスロット入口部１３′ａに界磁
巻線固定用楔１６より薄い楔１６′を挿入して制動巻線
１５を固定するようにしたものである。

これであると、磁極面の制動巻線１５が従来より回転子
表面に近接して配設されるので回転子表面に発生するう
ず電流損の低減効果が大きく回転子の過熱が防止され逆
相電流耐量も増大できる。

この場合楔１６′は界磁巻線１４に比較して重量が軽い
制動巻線１５のみを固定するものであり従って遠心力も
小さいので厚さを薄くしても機械的強度が不足すること
はない。

勿論材質強度の高いものを使用することによりさらに薄
くすることもできる。

以上のように本考案によれば磁極面の制動巻線用スロッ
トの入口部の高さを界磁巻線用スロットの入口部の高さ
より低くしかつこの入口部に夫々対応する楔を用いたと
いう簡単な構成で回転子の機械的強度を合理的に保持し
ながら回転子表面のうず電流損が低減され逆相電流耐量
も向上できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の円筒形回転子の横断面図、第２図は本考
案による円筒形回転子の横断面図である。 １１・・・・・・円筒形回転磁極、１２・・・・・・界
磁巻線用スロット、１２ａ・・・・・・界磁巻線用スロ
ットの入口部、１３′・・・・・・制動巻線用スロット
、１３′ ａ・・・・・・制動巻線用スロットの入口部
、１４・・・・・・界磁巻線、１５・・・・・・制動巻
線、１６・・・・・・界磁巻線固定用楔、１６′・・・
・・・制動巻線固定用楔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 界磁巻線と制動巻線を一緒に納めたスロットを有する円
   筒形回転磁極の磁極面に制動巻線のみを納めたスロット
   を有し、かつ上記各スロットの入口部に夫々巻線押え用
   楔が挿入されるものにおいて、上記制動巻線のみを納め
   たスロットの入口部高さが上記界磁巻線と制動巻線を一
   緒に納めたスロットの入口部高さより低く形威されてい
   ることを特徴とする回転電機の回転子。