JPS5935578B2 - 液体油を使用する冷菓の製造方法 - Google Patents

液体油を使用する冷菓の製造方法

Info

Publication number
JPS5935578B2
JPS5935578B2 JP55102404A JP10240480A JPS5935578B2 JP S5935578 B2 JPS5935578 B2 JP S5935578B2 JP 55102404 A JP55102404 A JP 55102404A JP 10240480 A JP10240480 A JP 10240480A JP S5935578 B2 JPS5935578 B2 JP S5935578B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
fatty acid
acid ester
liquid
frozen desserts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP55102404A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5736944A (en
Inventor
照夫 松本
亨 伊達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ROTSUTE KK
Original Assignee
ROTSUTE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ROTSUTE KK filed Critical ROTSUTE KK
Priority to JP55102404A priority Critical patent/JPS5935578B2/ja
Publication of JPS5736944A publication Critical patent/JPS5736944A/ja
Publication of JPS5935578B2 publication Critical patent/JPS5935578B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、液体油を使用する冷菓の製造方法に関し、さ
らに詳細にはリノール酸、リルン酸、オレイン酸など不
飽和の脂肪酸成分を多量に含有する常温にて液体の油を
使用しかつ乳化剤として蔗糖脂肪酸エステルを使用する
冷菓の製造方法に関するものである。
従来の通常の冷菓はその油脂分として精製ヤシ油、ヤシ
硬化油、精製パーム油、パーム分別油、綿実油、ナタネ
油、コーン油などを使用しているが、精製された綿実油
、ナタネ油、コーン油など或いはサフラワー油はリノー
ル酸成分を多量に含有するため融点が低く常温で液体で
あり、これらを油脂分として使用した冷菓はフリージン
グ工程において空気の入りが極度に悪くなり、その結果
オーバーランも極めて低くなる。
したがって、実際上、これらの液体油は冷菓製造用とし
て使用されていないのが現状である。
一方、近年、食品分野においては健康増進など栄養的意
義が重要視されるようになり、この意味でリノール酸は
、たとえば、高血圧症を防止する効果など種々の利点が
認められ、このリノール酸成分を多量に含むサフラワー
油などが油脂食品に多用されるようになった。
しかしながら、冷菓においては、リノール酸、リルン酸
、オレイン酸など不飽和の脂肪酸成分を多量に含有する
液体油を使用すると、上記したように冷菓の致命的欠点
が現出するため、比較的融点の高いヤシ油、パーム油な
どを使用するのが実情である。
たとえば、通常の冷菓の製造方法において、通常の原料
、すなわち乳製品、甘味料、安定剤および乳化剤として
のグリセリン脂肪酸エステルなどを、たとえばサフラワ
ー油のような液体油と共に使用すると、ミキシング−均
質化−殺菌一冷却一エージングーフリージングー充填−
硬化からなる製造工程、特にフリージング工程において
空気の入りが異常に低くなり、30%程度のオーバーラ
ンしか得られない。
これに対し、油脂分としてヤシ油、パーム油など比較的
融点の高いものを使用すれば、冷菓は70〜100%の
オーバーランが容易に得られる。
このような、冷菓にとって致命的な欠点があるため、通
常、液体油は製造原料として使用されないことが判るで
あろう。
今回、上記したリノール酸など不飽和脂肪酸の栄養的意
義に鑑み、このリノール酸成分を本来的に多量に含有す
るか或いはエステル交換などにより添加された常温にて
液体の油脂を冷菓製造に使用すべく、鋭意研究を重ねた
結果、通常の冷菓では殆んど使用されていない或いは使
用する必要のない蔗糖脂肪酸エステルを乳化剤として使
用すれば、従来の通常の冷菓と同程度の、すなわち70
%以上のオーバーランが得られることを突き止めた。
したがって、本発明の一般的な目的は、栄養的意義の高
い不飽和脂肪酸、特にリノール酸、リルン酸を多量に含
有する液体油を使用し、しかも従来の冷菓と比較して遜
色のないオーバーランを冷菓に与えることにある。
本発明の主たる目的は、リノール酸、リルン酸、オレイ
ン酸など不飽和の脂肪酸成分を多量に含有する常温にお
いて液体の油を油脂源として使用すると共に、乳化剤と
して蔗糖脂肪酸エステルを添加することからなる液体油
を使用する冷菓の製造方法を提供するにある。
本発明の方法において使用される液体油は、特にリノー
ル酸、リルン酸を多量に含有し、したがって融点が低く
常温にて液状のものが好適である。
この種の液体油には、通常40%以上のリノール酸を含
有する精製された綿実油、ゴマ油、コーン油、ナタネ油
、落花生油などおよびサフラワー油などの沃素価が80
以上の油が好適に包含され、特にサフラワー油はリノー
ル酸含量が70%以上を占めるので好適である。
なお、リノール酸の含有量が比較的少ない液体油、例え
げコメ油や小麦油であってもエステル交換などの方法に
よってリノール酸を添加するこ爽により好適に使用され
る。
これに反し、たとえばヤシ油、パーム油、カカオ脂など
のようにリノール酸含量が数パーセント以下という極め
て低いものは、融点が比較的高く、たとえばヤシ油では
22〜28℃、パーム油では35〜40℃、カカオ脂で
は30〜36℃であり、常温下にて液状でなく、したが
って本発明の範囲外である。
上記したように、リノール酸など不飽和脂肪酸成分を多
量に含有する液体油を使用すると、従来の通常の冷菓製
造方法ではオーバーランが30%以下という極度に低い
値を示す。
この低いオーバーランを従来の冷菓におけると同等の7
0%以上という高い値に向上させるため、本発明におい
ては乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステルの代りに蔗
糖脂肪酸エステルを使用する。
蔗糖脂肪酸エステルは、蔗糖における反応し易い3個の
OH基に対し、たとえばステアリン酸、ミリスチン酸、
バルミチン酸、オレイン酸のような脂肪酸がエステル結
合したものであるが、その結合する数に応じてモノエス
テル、ジエステルおよびトリエステルが存在する。
乳化剤の親水性と親油性とのバランスを示す尺度HLB
は、蔗糖のモノ脂肪酸エステルにおいて最も高い値を示
しくたとえばモノステアレー):HLB17)、したが
って最も親水性が大であり、モノエステル→ジエステル
→トリエステルとエステル化が進むにつれて高級脂肪酸
部分の影響が大きくなり、したがって親油性が犬となる
(たとえばジステアレー):HLB4)。
本発明によっては、HLBが11より犬、特に13以上
という親水性の高い蔗糖脂肪酸エステルを使用するのが
好ましい。
これに対し、従来使用されている乳化剤、たとえばモノ
グリセライドはHLBが一般に3〜5の範囲であり、親
油性の高いものである。
本発明において蔗糖脂肪酸エステルの使用量は、冷菓に
対し通常0.05〜5重量%、好ましくは0.15〜0
.5重量%であり、この範囲内での使用により、従来の
冷菓に匹敵する70%以上のオーバーランを達成するこ
とができる。
使用量を2%以上にすると、オーバーランの最高値も増
大するが、ミックス粘度が高くなり過ぎることもある。
上記のように、本発明においては、液体油の使用による
オーバーラン低下という致命的欠点を乳化剤として蔗糖
脂肪酸エステルの使用により克服するが、このオーバー
ランを向上させる蔗糖脂肪酸エステルの効果はグリセリ
ン脂肪酸エステルの併用によりさらに助長しうろことが
判明した。
使用しうるグリセリン脂肪酸エステルは、たとえばモノ
グリのように冷菓部分で常用されているものとすること
ができ、その使用量は冷菓に対し通常0.05〜1重量
%、好ましくは0.2〜0.5重量%である。
本発明による冷菓の製造方法において、油脂源としての
液体油ならびに乳化剤としての蔗糖脂肪酸エステルおよ
び必要に応じグリセリン脂肪酸エステルの他、使用すべ
き原料、たとえば乳製品、甘味料、安定剤、着色料、香
料などは従来使用されている種類のものを通常の量で使
用することができ、さらに製造工程は上記したように、
ミキシング−均質化−殺菌一冷却一エージングーフリー
ジングー充填−硬化からなる通常の工程を採用すること
ができる。
本発明の方法によれば、乳化剤として蔗糖脂肪酸エステ
ルを使用することにより、好ましくはこれとグリセリン
脂肪酸エステルとを併用することにより、オーバーラン
を低下させることなく、液体油、すなわち栄養的価値の
高いリノール酸成分を多量に含有する油を油脂源として
使用することが可能となる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれ
らのみに限定されるものでなく、たとえば他の液体油脂
を使用することもできる。
使用量パーセントは、特記しない限り重量%とする。
実施例 1 油脂源としてサフラワー油を使用し、乳化剤として蔗糖
脂肪酸エステルを使用した冷菓(本発明)およびグリセ
リン脂肪酸エステルを使用した冷菓(比較)を、それぞ
れ下記の配合例により常法に従って製造し、各試料につ
きミックス粘度とオーバーラン最高値とを測定した。
その結果を下記第1表に示す。
なお、フリージングは、バッチ式フリーザー(三菱重工
社製5F−2型)を使用してテストミックスをフリージ
ングした。
粘度は、ミックスの冷却後、B型粘度計(ロータ/16
.2.60r、p、m、)を用いてミックス温度10℃
で測定した。
オーバーラン最高値は、1分間毎にアイスクリームミッ
クスを2007711のカップに取り、オーバーランテ
スターを用いて常法により測定した。
この結果から、従来の乳化剤、すなわちグリセリン脂肪
酸エステルの代りに、蔗糖脂肪酸エステルを同量使用す
れば、サフラワー油のようなリノ−ル酸含有量の極めて
高い液体油を油脂源として使用しても、従来の冷菓に遜
色のないオーバーランが得られることが判るであろう。
実施例 2 油脂源としてサフラワー油を使用し、乳化剤としては蔗
糖脂肪酸エステルを単独でおよびグリセリン脂肪酸エス
テルとの併用で使用して下記の配合例によりそれぞれ冷
菓を常法で製造し、各試料につきミックス粘度とオーバ
ーラン最高値とを測定してグリセリン脂肪酸エステルの
併用による効果を調べた。
その結果を下記第2表に示す。ミックス粘度とオーバー
ラン最高値とは、実施例1と同様にして測定した。
第2表の結果に明確に示される通り、本発明による蔗糖
脂肪酸エステルのオーバーラン向上の効果は、グリセリ
ン脂肪酸エステルの併用により著しく助長される。
実施例 3 油脂源としてサフラワー油を使用し、乳化剤としては蔗
糖脂肪酸エステルとグリセリン脂肪酸エステルとを併用
することにより、下記第3表に示す配合例に従ってそれ
ぞれ冷菓を製造したが、この実施例においては使用した
蔗糖脂肪酸エステルのHLBを変化させてオーバーラン
に対するその・効果を測定した。
ミックス粘度とオーバーラン最高値との測定は、実施例
1におけると同様にして行なった。
上記第3表の結果から、本発明における蔗糖脂肪酸エス
テルの効果はそのHLBが13以上であるとき著しく増
大されることが判るであろう。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 リノール酸、リルン酸、オレイン酸など不飽和の脂
    肪酸成分を多量に含有する常温において液体の油を油脂
    源として使用すると共に、乳化剤として蔗糖脂肪酸エス
    テルを添加することを特徴とする液体油を使用する冷菓
    の製造方法。 2 不飽和の脂肪酸成分がリノール酸およびリルン酸で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の方法
    。 3 常温において液体の油が、エステル交換などにより
    リノール酸、リルン酸を多量に含有せしめた油であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の方法。 4 常温において液体である油をナタネ油、エゴマ油、
    スイカ種油、ゴマ油、コメ油、綿実油、小麦油、落花生
    油、コーン油、大豆油、ヒマワリ油、サフラワー油など
    の精製油および部分硬化油から選択することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。 5 乳化剤として蔗糖脂肪酸エステルとグリセリン脂肪
    酸エステルとの組合せ物を使用することを特徴とする特
    許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれかに記載の方法
    。 6 蔗糖脂肪酸エステルな冷菓に対し0.05〜5重量
    %の量で添加することを特徴とする特許請求の範囲第1
    項乃至第5項のいずれかに記載の方法。 7 蔗糖脂肪酸エステルを冷菓に対し0.15〜0.5
    重量%の量で添加することを特徴とする特許請求の範囲
    第6項記載の方法。 8 グリセリン脂肪酸エステルな冷菓に対し0.05〜
    1重量%の量で添加することを特徴とする特許請求の範
    囲第5項記載の方法。 9 グリセリン脂肪酸エステルな冷菓に対し0.2〜0
    .5重量%の量で添加することを特徴とする特許請求の
    範囲第8項記載の方法。 10 HLB値が13以上の蔗糖脂肪酸エステルを使
    用することを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第9
    項のいずれかに記載の方法。
JP55102404A 1980-07-28 1980-07-28 液体油を使用する冷菓の製造方法 Expired JPS5935578B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP55102404A JPS5935578B2 (ja) 1980-07-28 1980-07-28 液体油を使用する冷菓の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP55102404A JPS5935578B2 (ja) 1980-07-28 1980-07-28 液体油を使用する冷菓の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5736944A JPS5736944A (en) 1982-02-27
JPS5935578B2 true JPS5935578B2 (ja) 1984-08-29

Family

ID=14326498

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP55102404A Expired JPS5935578B2 (ja) 1980-07-28 1980-07-28 液体油を使用する冷菓の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5935578B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0385316U (ja) * 1989-12-15 1991-08-29

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1597976B1 (en) * 2004-05-21 2013-01-30 Nestec S.A. Use of polyol esters of fatty acids in aerated frozen confection with improved nutritional attributes
WO2006042608A1 (en) * 2004-10-18 2006-04-27 Unilever Plc Ice confection
WO2006066979A1 (en) * 2004-12-23 2006-06-29 Unilever Plc Frozen aerated confections
DE602005007692D1 (de) 2004-12-23 2008-08-07 Unilever Nv Eiskonfekt
EP1716762B1 (en) 2005-04-19 2011-05-25 Unilever PLC Methods for production of frozen aerated confections
EP1716761B1 (en) * 2005-04-19 2010-12-01 Unilever PLC Frozen aerated confections and methods for production thereof
EP1894471A1 (en) * 2006-08-28 2008-03-05 Unimills B.V. Aerated food product comprising a specific fat blend, and method for the manufacture of such product
ATE490689T1 (de) 2006-10-19 2010-12-15 Unilever Nv TIEFGEKÜHLTE BELÜFTETE SÜßWAREN UND HERSTELLUNGSVERFAHREN DAFÜR
CN109673807B (zh) * 2018-12-27 2021-11-09 内蒙古蒙牛乳业(集团)股份有限公司 冰淇淋基料及其制备方法和冰淇淋

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0385316U (ja) * 1989-12-15 1991-08-29

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5736944A (en) 1982-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2569479C2 (ru) Пригодный к употреблению в пищу продукт
CN101083913B (zh) 冷冻充气甜食
EP0758199B1 (en) Ice-cream coating fats
BRPI0615257A2 (pt) emulsÕes para aplicaÇÕes de confeitaria
MX2011006644A (es) Composicion de recubrimiento para confiterias congeladas.
US6410078B1 (en) Triglycerides, rich in polyunsaturated fatty acids
US4568556A (en) Margarine product and process
JPS5935578B2 (ja) 液体油を使用する冷菓の製造方法
EP1971210B2 (en) Non-hydrogenated vegetable oil based margarine for puff pastry containing an elevated diglyceride emulsifier
JP2013201907A (ja) 焼成用チョコレート様食品素材およびその製造法
US20030180433A1 (en) Cold-resistant fat composition and process for producing the same
US5908654A (en) Triglycerides rich in polyunsaturated fatty acids
JPS61181339A (ja) ハ−ドバタ−及びチヨコレ−ト
US4652458A (en) Silica gel-lipid composition
US3194666A (en) Storage-stable aerated icings
CN113692228A (zh) 含水晶脂肪的起酥油
JP6606992B2 (ja) 焼菓子練り込み用油脂組成物
EP0410507A2 (en) Aerated fat-continuous compositions
JPWO2007091529A1 (ja) チョコレート用油脂組成物ならびに該油脂組成物を用いた複合食品
US2821480A (en) Process of making frozen desserts and the product thereof
US3900503A (en) Randomly interesterified sunflower and tobaccoseed oils
CN110392530B (zh) 冷冻点心用混合物及使用其的冷冻点心
US20150223487A1 (en) Low density frostings and methods
EP0739589B1 (en) Triglycerides, rich in Polyunsaturated fatty acids
EP0739591B1 (en) Triglycerides rich in polyunsaturated fatty acids