JPS5934852B2 - 燃料点火器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は燃焼室用燃料点火器に関し、特にその冷却方法
の改良に関する。

航空機と関連するガスタービンエンジンに用いる燃焼装
置は最近ますます厳しい排気噴射規制を受けるようにな
った。

このようなエンジンからの排気は比較的無煙でなければ
ならず、またそれに含まれる未燃焼燃料は極めて小量で
なければならない。

これらの要件を満たすため、燃焼装置はほとんど完全な
燃焼をなす必要がある。

他方、燃焼装置は、残りのエンジン機素と同様に、長期
の使用に対する信頼性と高い作動効率を有するよう設計
されねばならない。

残念ながら、後者の特性は前記の排気噴射要件と実質的
に相反するものである。

燃料の完全燃焼のため、流入燃料を微細な液滴寸法に霧
化する様々な手段が案出された。

ある点火器は噴霧器を出る霧化燃料に比較的近接して配
置される。

この配置の結果、点火器は噴霧器下流の１次燃焼域を画
成する区域内に突出する。

この場合、点火器のある部分の周囲に燃料濃密空気が存
在するので、その燃焼によって点火器へ高率の熱伝達が
生じる。

さらに、激烈な火炎がしばしば点火器下流面上に直接定
着する。

このようにして点火器に熱が伝わる結果、点火器の過早
誤動作が生じ、点火器支持用フェルール（はめ輪）が燃
焼によって破壊し、さらに上記のように定着した火炎の
後方に存する燃焼室ライナ部分にひどい損傷が生じる。

こちらの問題を解決するために従来試みられたことは、
たとえば、点火器を流入霧化燃料から一層離れた位置に
退けること、点火器の構造材料の改良、点火器の変形、
冷却空気を燃焼域内に半径方向に放出するため複数のみ
ぞを点火器に設けること等である。

これらの試みの各々は部分的に成功を収めたが、その意
図した目的を達することにある点で失敗している。

いくつかの試みはまたエンジンの燃焼点火性能の低下を
もたらした。

特に点火器を退ける場合は、点火器の点火先端部におけ
る燃料の欠除によって燃焼開始が困難になる。

点火器先端部の変形は幾分後に立ったが、しかしその面
上に定着する火炎を離す役には立たず、また点火器の構
造を弱くした。

点火器の構造材料の改良は常に点火器の寿命の延長に役
立つが、しかし補足作用はさらに燃焼装置の働きを良く
するであろう。

空気を燃焼域内に半径方向に放出するため点火器に外側
のみそを設けることは、点火器の温度の低下には効果的
であるが、しかし残念なことに、流れの場を乱しそして
点火能力を低下させる。

それゆえ本発明の目的は、点火器の温度を下げ、加熱さ
れた点火器先端部の近接域における炎頭の定着を防ぐに
役立ち、しかも点火器の燃焼効率または構造一体性に悪
影響を与えることなしにこれらのことを達成するに役立
改良点火器冷却手段を提供することである。

上記の目的および以下の説明から明らかとなる他の目的
を達成するため、本発明は次のような点火器を提供する
。

すなわち、その点火器は概して筒形のハウジングを有し
、このハウジングは燃焼室内に半径方向に突出し、そし
て加熱される先端部または半径方向内端部を有する。

この加熱先端部の近くの区域のハウジング部分は概して
筒形および環状のフェルールを貫通する。

上記点火器ハウジングの外面に複数のチャネル（みそ形
通路）を形成することによって複数の軸方向空気通路が
上記フェルールの内側に形成される。

ハウジング表面には一つの周方向のチャネルが形成され
、このチャネルは上記のフェルールと共に空気通路を画
成する。

この空気通路は上記の軸方向通路から冷却用空気を受入
れるに適する。

上記フェルールはその下流端に開口を有する。

この開口は冷却空気を点火器ハウジングに垂直な流れと
して燃焼室内に排出するに適する。

本発明を一層間らかにするため、次に添付の図面に関し
て詳述する。

本発明の詳細な説明はガスタービンエンジン用燃焼室に
関するものであるが、もちろん、その点火器構造は、高
効率、高温および長寿命を必要とする他の多くの場合に
ただちに適用しうる。

第１図は本発明の点火器をその通常の環境に設置した場
合を示す。

符号１０で総括的に示す燃焼室は外殻１２と燃焼室ライ
ナ１４を含む。

ライナ１４は同様のライナ１６と共に燃焼域１８を画成
する。

半径方向内殻２０は燃焼室１０をその内側から画成する
。

ライナ１４の上流延長部２２はライナ１６の同様の延長
部２４と共に燃焼室の１ドーム」を画成する。

このように画成されたドームは入口２６を有し、圧縮空
気はこの入口を通って燃焼に役立つ。

加えて、燃料供給源２８がドームを貫通し、その終端部
は燃料を噴霧するに適するノズル３０となっている。

周囲カップ形構造体３２は燃料をさらに霧化し、そして
その霧化燃料を入口２６に流入する空気と混ぜるに役立
つ。

その結果霧化燃料と空気流の混合気は円すい状に噴射さ
れる。

燃料と、空気の混合気の燃焼を始めるため点火器３６を
設ける。

この点火器は概して筒形のハウジング３８を有する。

このハウジングは外殻１２の貫通孔４０と壁体２２の貫
通孔４２によって燃焼室に突入している。

ハウジング３８は燃焼室１０の外側の点からカップ構造
体３２のド流端部に近接する点まで延在する。

（本明細書の全体にわたって、「上流」および「下流」
という用語は燃焼室内の流れの方向に関係し、それぞれ
第１図における左方と右方に相当する。

）点火器３６を固定するため、典型的な形状の取付は用
構造体４４を用いて点火器３６を外殻１２に結合する。

点火器３６が適正位置にある時、その加熱先端部４６は
カップ３２の出口に近接する位置に存する。

先端部４６は放電またはその他の類似した典型的な燃料
点火現象によって加熱されうる。

先端部４６を保持するため、環状断面を有する概して筒
形のフェルール４８が存し、摩擦係合によって先端部４
６を内側に保持する。

フェルール４８の支持は、ライナ１４から半径方向内向
きに延在する構造部材５０とカップ３２から半径方向外
向きに延在する第２構造部材５２とによってなされる。

第２図では第１図における点火器とその周辺部を拡大し
て示す。

長い筒形ハウジング３８は主として構造上の配慮によっ
て幾段かの半径変化を与えられる。

図示のように、フェルール４８はフレア（じょうご形張
り開き）部分６０を有する。

この部分は、後述のごとく、フェルール４８に空気を通
す助けとなるばかりでなく点火器３６の設置を容易にす
る。

第２図に明示のごとく、点火器ハウジング３８は燃焼室
内に概して半径方向に突出し、そして加熱先端部４６を
有する。

この先端部はカップ３２に直接隣接する点で終る半径方
向最内端部からなる。

図かられかるように、フェルール４８は加熱先端部４６
に近接するハウジング３８の所定部分を囲む。

点火器３６のカップ３２への接近の程度は切取り部６２
によって一層高まる。

この切取り部によって、加熱先端部４６はカップ３２の
内部における燃料と空気の混合気に直接さらされる。

したがって、本発明の点火器の配置の仕方は、ハウジン
グとフェルールからなる構造体に高率の熱伝達をもたら
し且つその構造体に炎頭を定着させる可能性のある仕方
である。

（この熱伝達と炎頭の定着は前述の問題点である。

）このように点火器３６は、なんらかの手段を用いなけ
れば、前述の先行技術に関連した破損および不利益を受
けるおそれがあるので、本発明によれば、点火器３６の
加熱先端部４６の近くで点火器を冷却し且つ点火器とフ
ェルールからなる構造体に火炎が定着することを防止す
る手段を設ける。

この手段はまた点火器後方のライナ部分の破損を防止す
るに役立つ。

第２．３，４．５図に詳細に示すように、点火器３６は
複数の内側空気通路７２を備える。

これらの通路は開ロア４から点火器先端部自体の出口ア
ロまで延在する。

通路７２は冷却用空気が先端構造体の内部を通ってそわ
を冷却するためのルートを画成する。

ここまでは、上記の点火器先端部は先行技術の語形状の
先端部と同様である。

点火器構造体の内部を上述のように通る冷却空気の作用
を補足するため、本発明では筒形ハウジング３８の外面
に複数のチャネル８０を設ける。

これらのチャネルは、フェルール４８と共に、筒形ハウ
ジング３８の軸方向に延在する複数の空気通路を画成す
る。

チャネル８０は筒形ハウジング表面内のみそとして形成
されても、あるいは各チャネルの両側に配設された直立
リプによって形成されてもよい。

本実施例では、後者の構造が例示されており、リブは符
号８２で示される。

チャネル８０とフェルール４８によって形成される空気
通路は８４で示される。

本実施例において、チャネル８０はハウジング３８に対
しＣ概して軸方向に延在し且つ点火器ハウジング構造体
の周方向に離隔する。

加えて、チャネル８０は互いに実質的に平行である。

チャネル８０はフェルール４８の外端部（フレア部分６
０）の近くの一点からフェルール内の一点まで延在する
。

（チャネル８０の外側開口は入口８６となる。

）フェルール４８内において、加熱先端部４６のすぐ近
くに一つの周方向のチャネル８８が形成される。

このチャネルは軸方向のチャネル８０の各々と和文わる
。

周方向のチャネル８８はフェルール４８と共に概してト
ロイド形の空気通路を画成する。

この通路は軸方向チャネル８０によって形成される通路
８４に連通ずる複数の点を有する。

換言すれば、軸方向通路８４の各々はその人口８６から
燃焼室の半径方向内方へ延在して周方向チャネル８８に
達しそれと連通ずる。

フェルール４８はその半径方向内端において概して平坦
であるが、しかしその下流側において周面に中断部７０
を有する。

この中断部は燃焼室内に向いた開口からなる。

本発明によれば、開ロア０はハウジング３８に対して概
して半径方向を向く。

フェルール４８の開口またはへこみ７０はチャネル８８
の一部分と軸方向チャネル８０のうちの予選チャネルの
成る部分を燃焼域１８内のふんい気にきらす働きをする
。

これらの個所以外の所では、フェルール４８は残りのチ
ャネルおよび関連通路を燃焼域から隔離し且つ実質的に
密封するに役立つ。

エンジンの運転中、本発明の点火器冷却装置は次のよう
に働く。

燃料がノズル３０に流入しそしてカップ３２内で空気に
よって霧化され且つそれと混合するにつれ、点火器先端
部４６は燃焼点まで燃料を加熱し且つ炎頭を発生する。

点火器先端部４６を冷却するため、入口２６にはいる冷
却空気の一部分がカップ３２内の１次空気入口の周囲に
バイパスされて、壁体２２によって画成されるドーム内
の点火器構造体に達する。

このバイパス空気の一部分はフェルール４８のフレア６
０にはいり、そしてフェルール内のチャネル８０によっ
て画成された軸方向空気通路８４に流入する。

この空気はこれらの通路の全長にわたって流れ、ハウジ
ング３８からの対流熱伝達によって点火器３６から熱を
吸収する。

通路８４の軸方向終端に達した空気は周方向チャネル８
８内に集められる。

フェルール４８は、へこみ７０によって形成される概し
て半径方向の開口を除けば、諸通路を外部環境から隔離
するので、チャネル８８内に集められた空気は上記の開
口を通って燃焼域１８内に点火器３６の下流方向および
ハウジング３８に対して概して垂直な方向に流入する。

フェルール４８の内側から他の空気が逃けることは、フ
ェルールとリプ８２との摩擦係合によって防止される。

かくて、本発明は点火器外面の対流冷却と、点火器３６
の下流側から点火器に概して垂直な方向への冷却空気流
の排出とを達成する。

本発明による冷却は、上述のごとく内部空気通路を通る
空気による内部冷却を補うものである。

さらに本発明は、冷却空気を点火器の下流方向および点
火器に概して垂直な方向に放出することによって、点火
特性と空燃混合気の流れに悪影響を与えないという有益
な結果をもたらすよう冷却を達成する。

加えて、冷却空気の垂直方向の放出は、点火器とフェル
ール周辺のベース圧力域を除去することによって、点火
器とフェルールからなる構造体に炎頭が定着することを
防止する。

さらに、これらの有益な結果は、点火器の全形を変える
ことによってその機械的安定性を低下させるという必要
なしに得られる。

要約すれば、本発明は動作効率と構造特性のいずれも低
下させることなく有効な点火器冷却を達成することによ
って溝造一体性を高めるものである。

以上、本発明の特定実施例を説明したが、もちろんその
様々の変更が本発明の範囲内で可能である。

例えば、既述のごとく、点火器ハウジングの表面に画成
したチャンネルは、該表面にみそを形成するかまたは間
隔をおいてリプを配設することによって形成しうる。

同様に、冷却空気排出開口の重要特性はその形ではなく
その機能、すなわち、点火器の実質的に半径方向および
下流方向に冷却空気を向け、かくて空燃混合気との相互
作用を防ぐとともに火炎の定着を防止することである。

この開口の性状も本発明の概念を逸脱することなく様々
に改変しうる。

さらに、本発明の実施にあたってフェルールを必ずしも
別設する必要はなく、一体に設計されたフェルール状構
造体も同様に好適である。

他のこのような諸変更が可能なことは当業者には明らか
であろう。

次に本発明の実施態様を列記する。

（１）特許請求の範囲第１項に記載の改良構造において
、第１チヤネル８０のうちの予選チャネルは該フェルー
ル４８の半径方向最外端に近接する該ハウジング３８の
一点から始まり、第２チヤネル８８は実質的に上記フェ
ルール内に設けられ、第１および第２チヤネルはそれぞ
れ上記フェルールと共に空気通路を画成する。

（２）上記の実施態様第（１）項の改良構造において、
該第３手段は空気通路のうちの予選通路と該燃焼室との
間の連通をもたらすよう該フェルールに形成された開ロ
ア０からなる。

（３）実施態様第（２）項の改良構造において、該開ロ
ア０は該ハウジングに対して概して半径方向に向きそし
て該燃焼室内において上記ハウジングの下流側に存する
。

（４）特許請求の範囲第２項に記載の点火器において、
該第１手段は該フェルールの半径方向外端に近接する一
点から該ハウジングの軸方向に延在するよう該ハウジン
グに形成された少なくとも一つのチャネル８０からなり
、また該第２手段は上記ハウジング外周の周方向チャネ
ル８８からなる。

（５）上記第（４）項の点火器において、該第３手段は
該フェルールの下流側に向き且つ該ハウジングに概して
垂直な方向に向くよう上記フェルールに形成された開ロ
ア０からなる。

（６）上記第（５）項の点火器において、該第１手段は
互いに概して平行であり且つ該ハウジングの周方向に離
隔した複数の軸方向チャネル８０を含む。

【図面の簡単な説明】

第１図はガスタービンエンジンの燃焼室内で働くよう設
置された本発明の点火器を示す。 第２図は第１図の点火器構造体の一部分の拡大図、第３
図は第２図の線３−３にそう点火器先端部およびその周
辺の断面図、第４図は第３図の線４−４にそう断面図で
、本発明の主要構造を示す。 第５図は本発明のフェルールの拡大斜視図である。 図において、３８は点火器の筒形ハウジング、４６は点
火器の加熱される先端部、４８はフェルール、６０はフ
ェルールの導流用フレア部分、７０はフェルール空気排
出用開口、８０は軸方向の第１チヤネル、８８は周方向
の第２チヤネルを表わす。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ガスタービン装置の燃焼室用の燃料点火器であって
   、燃焼室１８内に突出していて、加熱可能な内側端部を
   持つ長い筒形ハウジング３８と、該ハウジングを囲み、
   該ハウジングと共同して、軸方向の流れが生じる冷却空
   気通路を形成する筒形フェルール４８と、該フェルール
   の、上記ハウジングの加熱可能な内側端部に近接し、か
   つ上記燃焼室を通る全体的な流れの方向で見て下流側の
   部分に設けられた出口間ロア０とを有し、 上記ハウジング３８の内の上記燃焼室内に突出している
   部分が、周方向に間隔をおいて設けられた複数の軸方向
   の冷却空気チャネル８０、並びに該複数の軸方向の冷却
   空気チャネルと連通ずる、上記ハウジングの加熱可能な
   内側端部に設けられた１つの周方向チャネル８８を持ち
   、そして、上記フェルール４８が上記複数の軸方向の冷
   却空気チャネル８０と上記周方向チャネル８８の上に重
   なっており、上記出口間ロア０が上記周方向チャネル８
   ８に近接して配置されていることを特徴とする燃料点火
   器。