JPS5934846Y2 - 新規な太陽熱集熱器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は新規な太陽熱集熱器に関するものである。

太陽光線照射下に水の如き液体を平面状集熱板上を流下
させる形式の太陽熱集熱器として、現在様々のものが市
販されている。

しかしながら、現在市販中のものよりも一層効率の良い
太陽熱集熱器の開発のために、現在も盛んに研究が行わ
れている。

今回本考案者は、水の如き被加熱液の流下通路を構成す
る集熱材またはその一部として人工芝を使用することに
より、集熱効率が非常に大きくしかも安価である太陽熱
集熱器の開発に成功した。

したがって本考案は、太陽光線照射下に水の如き液体を
流下させる形式の太陽熱集熱器において、液体流下通路
を構成する集熱材またはその一部が人工芝であり、前記
の液体流下通路を構成する集熱材の上流側および下流側
の各周縁部にそれぞれ給液管および集液溝を設け、前記
の集熱材、給液管および集液溝の上を透明なフィルムま
たはシートで覆ってこれらの部材の周縁部を該フィルム
またはシートと密着したことを特徴とする太陽熱集熱器
に関するものである。

次に、本考案の若干の具体例についで添付図面参照下に
詳細に説明する。

第１図は本考案に係る太陽熱集熱器の１例の平面図であ
る。

第２図は、第１図における線Ａ −Ａ’に沿った部分の
拡大断面図である。

ただしこの断面図は、内部構造を明瞭に示すために、全
長に比して厚みを実物の場合よりも非常に大きく記載し
た略式断面図である。

第１図および第２図に示されているように、この太陽熱
集熱器１１は、液体流下通路を構成する集熱材として人
工芝１３を使用したものであって、その上流側の周縁部
には給液管１７を設け、下流側の周縁部には集液溝２３
を設ける。

この太陽熱集熱器１１の上面全体（すなわち人工芝１３
、給液管１７および集液溝２３の上）を透明なフィルム
（またはシートもしくはその類似物）２５で覆い、かつ
その周縁部を該フィルム２５と密着させる。

熱媒質すなわち被加熱液である水は給液口３１から給液
管１７に入り、そして鉄管の出口（孔）２１から出て、
太陽熱で加熱された人工芝１３からなる流路を流下し、
この流下中に加熱されて集液溝２３に入り、その出口３
３から外部に出て適当な受器（図示せず）に集められる
。

給液管１７は金属製、プラスチック製またはゴム製の管
であって、その一端は給液源（図示せずに接続し、他端
２２は密閉しておく。

給液管１７の下部には適当な間隔をおいて複数の出口（
孔）２１（または長く連続せる裂目状開口）を設け、管
内に入った水がこの出口または開口から出て人工芝１３
上を流下し得るようにする。

集液溝２３は、たとえば上方が開放状態になっている断
面半円形またはＵ字形の樋状部材を使用するのがよい。

太陽熱で加熱された人工芝１３の上を流下中に加熱され
た水は集液溝２３に入り、そしてその１端に存在する出
口３３から出て受器（図示せず）に入る。

集液溝２３の他端３５は密閉しておく。

集液溝２３を経て前記受器に集められた温水は、そのま
ま所望用途に使用でき、または当該集熱器の給液口３１
に入れて再循環を行ってもよく、または別の集熱器（図
示せず）を通してもよい。

流体流下通路を構成する集熱材である人工芝１３として
、任意の市販人工芝が使用できる。

一般に人工芝は第３Ａ図および第３Ｂ図に記載の如く起
立した葉部（模造葉部または起ち上がり部とも称する）
１３ａと、その下側に存在する基部１３ｂとからなる。

葉部１３ａは断面が薄板状、円形、楕円形、三角形、四
角形、多角形等であって高さが数ミリメートルないし十
数ミリメートルまたはそれ以上の可撓性プラスチックま
たはゴム材料からなる。

基部１３ｂは一般に軟質プラスチック板状体、または合
成繊維の錯綜せる繊維集合体からなる。

基部１３ｂが透水性のものである場合には、その下側に
不透水性フィルムまたはシート、好ましくは断熱性を有
する可撓性シートを接着して、液漏れを防止しなげれば
ならない。

第３Ａ図は、人工芝１３０１例において基部１３ｂに取
付げられた薄板状葉部１３ａの配列状態を示す略式平面
図であり、しかして矢印は水の流下方向を表わす。

第３Ｂ図は、第３Ａ図の区域Ｘの中の薄板状葉部１３ａ
の側面の形を示すために記載された略式断面図である。

本考案では人工芝１３は集熱材として使用されるのであ
るから、人工芝１３特にその葉部１３ａは黒色であるの
が好ましいけれども、美麗な濃緑色を有する人工芝もま
た有用である。

濃緑色の人工芝は非常に美しく、シかも実用上充分な集
熱効果を有する。

第１図および第２図に示された太陽熱集熱器１１は、液
体流下通路を構成する集熱材として人工芝１３を使用し
たものであるから、従来の平面状液体通路を有する太陽
熱集熱器の場合に比して表面積が非常に大きく、シたが
って水と集熱材との接触面積（すなわち熱交換面の面積
）も非常に大きく、また流下速度も非常にゆるやかにな
るので水の加熱効率が非常に良好である。

しかも、この人工芝型集熱板は、まずその葉部において
太陽光線を吸収し、これを通過したものは基部にて吸収
する。

そして、葉部が林立している構造であるため、太陽の移
動による太陽光線照射方向の変化とか集熱器の取付は角
度（流路の勾配）の変化にもかかわらず、太陽熱を充分
吸収できることが大きな特長の１つである。

さらに、注目すべき特徴として、一般に太陽熱温水器は
、吸熱中においても外界中に放熱を行うものであるが、
本考案に従って人工芝から構成された集熱板を使用した
場合には、起立した葉部が横方向に放熱するため隣接葉
部に熱が吸収され、そしてそれが繰返されるため外部（
すなわち集熱器の外部）への放熱は非常に減少する。

したがって集熱器全体としては外部からの吸熱は非常に
大きいにもかかわらず外部への放熱は非常に少いという
効果を発揮するのである。

さらに、本考案に係る太陽熱集熱器は構造が簡単で量産
性であるため、非常に安価であるのも１つの大きな特長
である。

この太陽熱集熱器１１は、その保管、収納または輸送時
には給液管１７または集液溝２３を巻取軸として巻取っ
て倉庫内や車両内の狭い場所に置くことができるように
するために、そしてその使用所望時にこれをひろげてす
ぐ使用できるようにするために、人工芝１３や透明なフ
ィルムまたはシート２５の如き板状ないし薄板状部材の
各々を可撓性材料で作るのが有利である。

前記の如くしてこの太陽熱集熱器１１を可撓性材料から
製造した場合には、これは、その保管、輸送時には巻取
って倉庫内や車両内の狭い場所に簡単に置くことができ
、そしてその使用時にはこれをひろげてすぐに使用でき
る。

なお、使用時には、この太陽熱集熱器１１は傾斜地、屋
根または他の適当な斜面上に載置して使用できる。

また、場合によっては本集熱器１１を着脱自在の剛性板
状体５１にて補強することもできる。

たとえば、本集熱器１１を第１図記載の如く凹凸のある
傾斜地５３等において使用する場合には、この集熱器１
１を、着脱自在の剛性板状体５１にて補強することがで
きる。

本考案に係る太陽熱集熱器１１を平坦地６９において使
用する場合には、第４図記載の如く脚付支持台６３の上
に載置するのが便利である。

脚付支持台６３は集熱器支持板６５と脚６７および脚６
８とからなるものであって、脚は、ちゃぶ台の場合のよ
うに折り曲げ自在および／または写真用三脚の場合のよ
うに伸縮自在に形成しておくのが便利である。

あるいは、第５図記載の如き簡単な脚付支持台７１を使
用することもできる。

このよ５な脚付支持台６３および７１は保管、輸送時に
は脚を折り曲げて、あるいは縮めて狭い場所に簡単に置
くことができ、使用時には脚を立て、または伸して簡単
に使用できる。

本明細書には本考案の若干の具体例について詳細な説明
が記載されているが、当業者には明らかなように本考案
は種々の態様で実施できるものであり、たとえば、定置
型太陽熱集熱器が所望される場合には、剛性材料を用い
て作ることができる。

また、液体流下通路を構成する集熱材の一部のみが人工
芝である太陽熱集熱器も製造できる。

さらにまた、もし所望ならば、液体流下通路を構成する
人工芝の下側に、可撓性または剛性を有する断熱材補強
板等を取付けることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の１具体例に従って作られた太陽熱集
熱器の略式平面図である（ただし、この図には、人工芝
の葉部、および上部を覆う透明なフィルムまたはシート
は省略しである）。 第２図は、第１図記載の太陽熱集熱器の線Ａ−Ａ′に沿
った部分の略式拡大断面図である。 第３Ａ図は人工芝の１例における葉部の配列状態を示す
略式平面図であり、第３Ｂ図は、第３Ａ図中の区域Ｘ内
の葉部の側面の形を示す略式断面図である。 第４図および第５図の各々は、本考案に係る太陽熱集熱
器を脚付支持台上に載置して使用するときの状態を示す
説明図である。 １１・・・・・・太陽熱集熱器；１３・・・・・・人工
芝：１３ａ・・・・・・人工芝の葉部；１３ｂ・・・・
・・人工芝の基部：１７・・・・・・給液管；１９・・
・・・・水；２１・・・・・・水の出口；２３・・・・
・・集液溝；２５・・・・・・透明なフィルムまたはシ
ート：２９・・・・・・太陽光線；５１・・・・・・剛
性板状体：５３・・・・・・傾斜地の地面；６３および
７１・・・・・・脚付支持台；６５・・・・・・集熱器
支持板；６７および６８・・・・・・脚；６９・・・・
・・平坦地の地面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．太陽光線照射下に水の如き液体を流下させる形式の
   太陽熱集熱器において、液体流下通路を構成する集熱材
   またはその一部が人工芝であり、前記の液体流下通路を
   構成する集熱材の上流側および下流側の各周縁部にそれ
   ぞれ給液管および集液溝を設け、前記の集熱材、給液管
   および集液溝の上を透明なフィルムまたはシートで覆っ
   てこれらの部材の周縁部を該フィルムまたはシートと密
   着したことを特徴とする太陽熱集熱器。 ２、実用新案登録請求の範囲第１項記載の太陽熱集熱器
   において、この集熱器の収納時や輸送時にはこれを巻取
   り収納または輸送できるように、そしてこの集熱器の使
   用時にはこれをひろげて使用できるようにするために、
   前記の集熱材や透明なフィルムまたはシートの如き板状
   ないし薄板状部材の各々を可撓性材料から作成したこと
   を特徴とする太陽熱集熱器。