JPS5930681Y2 - ウニ養殖用採苗器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はウニ養殖に際しての採苗器に関するものである
。

ウニは高い嗜好性と高栄養価を具備する海産物であると
ころから、ウニ養殖は最も収益性の高い養殖事業と考え
られているものの、ウニ養殖の根幹となる採苗に関して
は全く技術的に未解の状況にある。

そこで考案者等は自然環境下において交配解化され海中
を浮遊するウニ幼稚子を効率的に付着せしめ、且その健
苗育成を図る採苗器を開発することによりウニ養殖の実
現化に着目し鋭意研究の結果、ウニ幼稚子を効率的に付
着せしめるためには、採苗器付近の海流が攪乱化され海
中を浮遊するつ二幼稚子に流水刺激が付加されること、
採菌器表面が付着しやすい形状を有していること及び一
旦付着したウニ幼稚子が攪乱潮流或いは波浪等の外力で
脱落流失せぬよう着床部分が形成されていること、並び
に潮流に対する投影面積より大きな表面積を有すること
等を解明し、且付着したウニ幼稚子を健苗育成化せしむ
るためには潮通しが十分であること並びにウニ幼稚子の
餌料たる珪藻類の付着繁殖が要件となることを把渥し本
考案に至ったものである。

即ち本考案の目的とするところは、自然環境下で交配解
化され海中を浮遊するウニ幼稚子を効率的に付仰せしめ
るとともに健岳育成し、以って収益性の高いウニ養殖を
可能ならしめるつ二養殖用採苗器を提供することにある
。

以下に本考李実施例をＰに基づき詳述すれば、第１図は
本考案奪構成する採苗基板の正面図、第２図は同左側面
図、第３図をま同中央部横断面部分拡大図であって採苗
基板１は透明な合成樹脂製板材を用いて真空成形法或い
は圧縮成形法等により成形されるもので、該採苗基板１
の横、方向には、波浪等上下方向に流動する潮流を攪乱
化させるためその前傾辺１０Ａと後傾辺１０Ｂとを互に
直角に交差させることにより形成される畝頂部１１Ａ及
び畝底部１１Ｂとが、等間隔且平行に任意数形成されて
なり、それぞれの畝頂部１１Ａを挾む前傾辺１０Ａ及び
後傾辺１０Ｂの対称的位置には、該畝頂部１１Ａと平行
に着床溝１２が任意数形成されている。

そして最上端及び最下端に位置する玖頂部１１ Ａ’、
１１ Ａ”には、それぞれの対称的位置に上面が垂直
平面状で且その中央部に連結孔１３が穿孔されてなる連
結保持部１４が形成されている。

他方該按苗基板１の縦方向には、その断面が■形状で且
それぞれの前傾辺１０Ａ及び後傾辺１０Ｂを連通して、
而も畝底部１１ｋにおいては後傾辺１０Ｂ及び前傾辺１
０Ａのそれぞれ略中間部Ｘ。

Ｙから垂直状に連通させて補強部１５が形成されるよう
に突出形成させてなる撹乱励起リプ１６が、等間隔且平
行に任意数形成されてなるものである。

この採苗基板１は通常−辺が３０〜５０ｃｍ程度で且正
方形状のものが使用上杵ｔＬ＜、而も着床溝の巾及び深
さは３〜６肋程度が各多の実験から最も良好な結果を示
している。

そして該採苗基板１は、少なくとも２乃至数枚が積層連
結されて使用されるものであって、積層連結の方法及び
連結具が第５図に例示されている。

即ち一方側端に係止縁部２０を有し且他測端にはネジ用
２１が形成されてなる連結ボルト２と、該連結ボルト２
に形成されたネジ用２１と螺合固着される連結ナツト３
及び、中央部に連結ボルト２を挿通できるような挿通孔
４１を形成してなる積層間隔保持のためのセパレーター
４を用い、任意数枚の採苗基板ＩＡ、ＩＢ、ＩＣ・・・
と、セパレーター４Ａ、４Ｂ。

・・・とを交互に積層したろうえ連結ボルト２な採苗基
板ＩＡに形成された連結孔１３Ａ、セパレーター４Ａの
挿通孔４１Ａ１採苗基板ＩＢ形成された連結孔１３Ｂ、
セパレーター４Ｂの挿通孔４１Ｂ・・・と順次挿通させ
たる後、該連結ボルト２に形成されたネジ用２１と連結
ナツト３とを螺合固着することにより、採苗基板ＩＡ、
ＩＢ、ＩＣ・・・は所要の間隔を保持しつつ積層連結さ
れた本考案品が完成される。

この場合のセパレーター４は積層連結された各採苗基板
１に、十分な潮流を流通させるためのものであるから、
湾内等潮流の緩かな海域で使用する場合には、より積層
間隔が広い所謂セパレーター４の長い物を選択すること
が望１れる。

かくして積層連結された本考案は第６図に例示する如く
海面上の浮子５より垂下される垂下綱６に所要の間隔毎
に連結吊下げられて使用される。

本考案は上述の如き構成よりなるものであって、波浪等
上下方向の潮流に対しては前後に直角に交差し凸凹する
多数の畝頂部及び畝底部により、筐た左右方向の潮流に
対しては垂直方向に突出形成された多数の撹乱励起リプ
により、該採苗器付近の潮流が複雑に撹乱化される浮遊
するウニ幼稚子に流水刺激を附与せしめてその付着化を
促進し、且着床溝の形成により付着したウニ幼稚子が撹
乱流水圧等により流失されたり脱落することを防止する
とともに、透明な合成樹脂製板材を用いることにより積
層連結されたそれぞれの採苗基板の表裏全体に亘って太
陽光線を透過させ、珪藻類を全体く筐なく繁殖させるこ
とができるため付着育成中のウニ幼稚子には十分な供餌
効果が附与されるため、付着ウニ幼稚子が全体的に略平
均化して育成されるとともに、セパレーターの介在によ
りそれぞれの採苗基板には十分潮流が流通されるためウ
ニ幼稚子な健苗育成できると共に該採苗基板が合成樹脂
製板材を真空成型或いは圧縮成型等により複雑多形状に
形成してなるため、投影面に対し極めて大きな表面積を
有する結果ウニ幼稚子の付着効率が極めて高い。

更に本考案は育成後の採取に際しても連結ボルト及び連
結ナツトを螺解することによりそれぞれの採苗基板が簡
単に亦離され採取作業が簡便に実施できるばかりか、必
要に応じての積層数の増加も簡単になしえる等取扱性も
極めて良く且、横方向に多数形成された畝頂部、畝底部
或いは着床溝及び、縦方向に多数形成された撹乱励起リ
プ等が共に横、縦方向に構造的補強効果を発揮するため
、実質的に使用される合成樹脂製板材は０．２〜０．３
肋厚程度の物で十分長期使用に耐えることとなり、価格
的にも極めて安価に提供できる等利点の多いウニ養殖用
採苗器と言える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を構成する採苗基板の正面図、第２図は
同左側面図、第３図は同中央部縦断面部分拡大図、第４
図は同中央部縦断面部分拡大図、第５図は積層連絡方法
の説明図、第６図は使用態様図である。 符号の説明、１・・・採苗基板、ＩＯＡ・・・前傾辺、
１０Ｂ・・・後傾辺、１１Ａ・・・畝頂部、１１Ｂ・・
・畝底部、１２・・・着床溝、１３・・・連結孔、Ｘ・
・・前傾道中間部、Ｙ・・・後傾辺中間部、１４・・・
連結保持部、１５・・・補強部、１６・・・撹乱励起リ
ブ、２・・・連結ボルト、２０・・・係止縁部、２１・
・・ネジ山、３・・・連結ナツト、４・・・セパレータ
ー、４１・・・挿通孔、５・・・浮子、６・・・垂下綱
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透明な合成樹脂製板材を用いて、横方向には前傾辺と後
   傾辺と４互に直角に交差させて形成される畝頂部及び畝
   底部とが等間隔且平行に任意数形成されており、且それ
   ぞれの畝頂部を挾む前傾辺及び後傾辺の対称的位置には
   、該畝頂部と平行に着床溝が任意数形成されており１．
   而も最上端及び最下端に位置する畝頂部には、それぞれ
   の対称的位置に上面が垂直平面状で且その中央部に連結
   孔が穿孔されてなる連結保持部が形成されており、他方
   縦方向にはその断面がし形状で且それぞれの前傾辺及び
   後傾辺を連通して而も畝底部分においては後傾辺及び前
   傾辺のそれぞれ略中間部から垂直状に連通させて補強部
   を形威せしむるように突出形成させてなる撹乱励起リブ
   が、等間隔且平行に任意数形成されるよう成形してなる
   付着基板を任意数枚セパレーターを交互に介して積層し
   、連結ボルトをそれぞれの連結子し挿通孔を挿通させた
   ろうえ連結ナツトで螺合固定し、以ってそれぞれの付着
   基板が所要の間隔を保持しつつ積層連結されてなること
   を特徴とするウニ養殖用採苗器。