JPS5925084B2 - ロ−タ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はガスタービン エンジンの動翼の支持と駆動に
関するものであり、特に動翼の質量が不平衡となった時
にこれらの動翼を支持し駆動するようにしたガスタービ
ンエンジン用ロータニ関スる。

ガスタービン エンジンの大型コンプレッサファンの様
なロータの１枚のファン羽根の一部または全部がエンジ
ンの運転中にファン ディスクから切離された時に、こ
のロータの不平衡状態が生じる。

１枚の羽根が失われた時、ロータは大きな不平衡負荷を
受け、その結果、ロータは全体としてその基準回転軸線
回りに軌道を描く。

この様な本質的に不安定な状態における一定数の旋回の
のちに、ロータはインバージョン状態となる。

ここで「インバージョン」とは、ロータが危険速度以上
で回転しており、上記不平衡状態となったときにその回
転モードが変更し、新しい回転軸線がその新しい重心を
通り、その結果安定された回転をなす状態をいう。

ロータがその自然周波数より十分に高い周波数で運転し
ている場合にのみ、インバージョンが生じる。

正常運転中、ロータの自然周波数は最大エンジン速度よ
り十分に高くなる様に（代表的には３０％高くなる様に
）設計されている。

故に、１枚の羽根が脱落した時に、ロータのインバージ
ョンを生じるためには、ロータの自然周波数をなんらか
の方法で低下させる必要がある。

ロータの不平衡運転とインバージョンを処理するための
多くの提案が過去において成されている。

これらの提案の第１カテゴリーは、放射方向において比
較的不動であって正常平衡運転に際して経験される通常
の負荷に対してのみ対応する様に設計された軸受の中に
ロータ駆動軸を装着する必要を認めるものである。

この提案によれば、駆動軸を支持する軸受の数を通常の
三個でなく二個に減少する事によって、エンジン構造を
簡略化できる。

不平衡運転とロータのインバージョンは、脆性連結部材
を使用した可撓性支持体上にロータを装着する事によっ
て補償され、駆動軸の軸受に対して過度の負荷が加えら
れる事はない。

このような装置においては、ロータは、その不平衡とな
った時に破断する脆性連結部材を介して軸受中に直接に
支持されている。

この連結部材が破断した時、ロータばもはや軸受中に直
接に支持されていない。

しかしこの脆性連結部材は設計者に対して種々の拘束条
件を課する。

なぜかなら、前記の一部の設計においては、脆性連結部
材はねじり駆動力を伝達する程度に強くなければならな
いが、ロータが平衡を失った時に破断する程度に弱くな
ければならないからである。

本発明は、ロータとその軸受の間の連結を破る別個の脆
性連結部の使用を避けるものである。

従来提案の第２カテゴリーは、駆動軸を三個の主軸受中
に装着し、その少くとも１個の軸受はロータの不平衡と
インバージョンの生じる場合にのみ浮上しまたは永久変
形される様に成す方式を含む。

これらの実施例の構造においては、駆動軸全体が片寄ら
され７てインバージョン運転を成しうる様に成されてい
る。

三個の軸受中に動翼駆動軸を支持したエンジンにおいて
は、動翼の不平衡が生じた時に動翼に最も近い軸受が浮
上または永久変形する様にする事ができる。

なぜかなら、駆動軸は他の二個の軸受中に十分に支持さ
れうるからである。

英国特許第１３１８６２９号に記載の様にロータに二番
目に近い軸受はインバージョン運転の節点またはその近
傍に配置され、駆動軸の片寄りを吸収する様に構成され
る。

しかしながら、このようなものにおいては節点部におけ
る軸受を球面支持部等によって支持しなければならない
ので、当該部分の構成をきわめて複雑なものとしなけれ
ばならない等の不都合がある。

本発明の目的は、放射方向において実質不動の主軸受中
にロータ駆動軸を支持し、またロータが不平衡となった
時に全体として放射方向に片寄る事のできるロータ個有
の軸受の中にロータが支持されるガスタービン エンジ
ンを提供するにある。

本発明によれば、互いに離間する２個所において、放射
方向に全体として実質不動の第１軸受および第２軸受中
に軸支されたねじり剛性、駆動軸を含むロータ装置にお
いて、上記駆動軸内に配設され、前記第１軸受と前記第
２軸受との間において基端が上記駆動軸に固着され、先
端部が上記第１軸受を越えて突出された可撓性の第２軸
と、上記第２軸の先端部に装着されて１駆動軸によって
駆動されると々もに、第３軸受によって回動自在に軸支
された支持装置を有するロータとを有し、前記第３軸受
は、ロータが不平衡となった時に前記支持装置の放射方
向片寄りを吸収することができるようにしたロータ装置
が提供され、これによって主たる駆動軸の両端をごく普
通の軸受によって支持せしめることができ、全体構成を
簡単なものとすることができる。

好ましくは、第１軸受と第３軸受は共通組立体を成す様
に１箇所に組立てられる。

第３軸受は、圧潰性または他の方式で変形性の装着部材
によって装着された通常のこるレースまたは玉レースス
ラスト軸受を含む事ができる。

装着部材は、可塑的に、または弾性的に、または剪断破
壊によって変形可能の装着部材とすることができる。

また第３軸受は、絞りフィルムによって支持される事が
できる。

この種の軸受の１例は英国特許第９５７３１７号に記載
されている。

好ましくは、駆動軸は中空円筒体とし、また駆動軸の可
撓端部はねじり剛性第２軸を含み、この軸は、駆動軸の
孔の中に配置され、またその一端において、駆動軸に対
して、第１軸受と第２軸受の中間箇所に固着される。

以下、本発明を図面に示す実施例について詳細に説明す
る。

今、付図について説明すれば、第１図は、ダクト１２の
内部に回動自在に取付けられたフロントファンロータ１
１を有するダクテッド ファンエンジン１０を示す。

このファン動翼は、通常の羽根固定法によって動翼ディ
スク１４の外周に固着された複数のファン羽根１３を含
む。

動翼ディスク１４は駆動軸１６の可撓端部１５上に取付
けられ、この駆動軸１６はタービン１７によって駆動さ
れる。

タービン１７そのものは、ガス発生器またはコアエンジ
ンから排出されるガス流によって駆動される。

ガス発生器は任意通常型式のものとし、１個または複数
のコンプレッサ１８、燃焼室１９、およびタービン２０
を有する。

ガス発生器から出るガス流はエンジン後部のジェットパ
イプ２１を通して排出される。

第２図について述べれば、駆動軸１６は２個の主軸受２
２．２３の中に軸支され、これらの軸受はエンジンケー
シングの固定構造２４によって担持されている。

前軸受２３は玉レース スラスト軸受であり、後軸受２
２はこるレース ジャーナル軸受である。

ターピング１７（第２図において図示されず）は、後軸
受２２の後側位置において、駆動軸１６上に通常の方法
で装着されている。

駆動軸１６の可撓端部１５は前軸受２３を超えて前方に
突出する可撓性からなる第２軸２５によって構成される
。

第２軸２５はねじり剛性である。即ち、タービン１７に
よって発生されたトルクは第２軸１５によってフロント
ファンロータ１１に伝達される事ができる。

軸２５は駆動軸１６の孔の中に配置され、前軸受２２と
後軸受２３との中間において駆動軸１６に対して固着さ
れている。

第２軸２５はその前端にフランジ２６を有し、このフラ
ンジに対してファンディスク１４がボルト締めされてい
る。

ディスク１４は後向に突出した中空円筒形延長部２７を
有し、エンジンケーシングの固定構造２４によって担持
された軸受２８の内側レースに対して、この円筒部２７
を介してロータ１１が固着されている。

軸受２８は、ディスク１４の延長部２７上に取付けられ
た内側レース２９と、固定構造２４によって担持された
外側スリーブ３１から離間された外側レース３０と、前
記内側レース２９と外側レース３０との中間に配置され
たころ３２とを含む。

外側レース３０と外側スリーブ３１との間のギャップ３
３に給油して絞り油膜を形成するための手段が備えられ
ている。

適当な動液圧絞り油膜軸受の形式は英国特許第９５７３
１５号に記載されている。

油を保持するためにラビリンス型オイル シール３４が
備えられている。

両方の軸受２３と２８が封油機能と給油機能とを簡単化
する単一組立体を成す事は理解されよう。

もし所望なら、衝撃の吸収と減衰のためディスク延長部
２７と第２軸２５との中間、および軸１６と軸２５との
中間に可撓性弾性ゴムパッド３５を備える事ができる。

第３図は第２図の第１軸受２３と第３軸受２８の変形を
示す。

この第３図において、固定構造２４とスリーブ３１との
中間にチャンバ３７の中に、圧潰性または脆性支持体３
６が配置されている。

スリーブ３１は、軸受２８の軸方向長のみをカバーする
様に短縮されている。

圧潰性支持体３６は、減衰作用を生じる様、フォームド
メタルまたはエクスパンデッドメタルまたは蜂の巣状材
料等の可塑的変形可能材料とし、またはゴム等の弾性材
料とする事ができる。

第２図について述べたのと同様にして、ギャップ３３の
中に通常の絞り油膜軸受が形成される。

更に、不平衡負荷が軸受２８を固定構造２４に対して放
射方向に片寄らせる際に減衰作用を生じるため、チャン
バ３７も油を含む事ができる。

軸受２８の外澗ル−ス３０を固定構造２４に対しで取付
ける他の方法も可能であるっ例えば、スリーブ３１と固
定構造２４との中間にスペースを形成し、固定構造２４
に対して固着された脆性ピンによってスリーブ３１を定
置保持する。

固定構造２４とスリーブ３１との間の他の減衰手段は、
英国特許第１２８４６０２号に記載の様にスリーブ３１
と固定構造２４を協働波形に形成し、これら協働波形面
の中間に圧縮油膜を形成するにある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるガスタービン エアロエンジンの
概略図、第２図は第１図のエンジンのフロントファン組
立体の部分拡大図、また第３図は第１図のエンジンのフ
ロントファンを支持するだめの軸受組立体の断面図であ
る。 １１・・・ロータ、１４・・・ロータディスク、１５・
・・可撓端部、１６・・・駆動軸、２２・・・第２軸受
、２３・・・第１軸受、２５・・・第２駆動軸、２７・
・・支持手段（ファンディスク延長部）、２８・・・第
３軸受、３６・・・変形性装着部材（脆性支持体）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 互いに離間する２個所において、放射方向に全体と
   して実質不動の第１軸受および第２軸受中に軸支された
   ねじり剛性駆動軸を含むロータ装置において、上記駆動
   軸１６内に配設され、前記第１軸受２３と前記第２軸受
   ２２との間において基端が上記駆動軸に固着され、先端
   部が上記第１軸受２３を越えて突出された可撓性の第２
   軸と、上記第２軸の先端部に装着されて駆動軸１６によ
   って駆動されるとともに、第３軸受２８によって回動自
   在に軸支された支持装置を有するロータ１４とを有し、
   上記第３軸受は、上記支持装置に増付けられた第１のレ
   ースと、半径方向変形可能材を介して固定構造２４に担
   持された第２のレースとを有することを特徴とするロー
   タ装置。 ２ 前記第１軸受２３と前記第３軸受２８は共通組立体
   を限定する様に共通個所に組立てられることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載のロータ装置。 ３ 前記第３軸受２８は、変形性装着部材の中に装着さ
   れた通常のこるレースまたは玉レーススラスト軸受を含
   むことを特徴とする特許請求の範囲第１項または第２項
   記載のロータ装置。