JPS5923114Y2 - シヤツタ開閉式サンドサンプラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシャツタ開閉式サンドサンプラに関するもので
ある。

従来より、土木建設関係をはじめとして各種の目的で地
盤調査が行なわれているが、この地盤調査において最も
大切なことは粘性上及び砂質土などのサンプルを地中に
ある状態をそのまま保持させながら採取することである
。

特に、建設関係では地盤の力学的特性を求める必要上地
盤そのままの乱れのない試料の採取が是非とも必要で、
そのために自然の状態そのままの地盤試料を採取する方
法として各種の提案が行われている。

しかし、水で飽和した砂質土については試料を常に安定
的に脱落させないで採取することそれ自体が極めて困難
な問題であり、まして、地盤の間隙比を変化させない乱
さない状態で採取することは至難のわさ゛である。

従って、完全に乱さない状態で採取することが不可能だ
としても、甘めて層厚をかえたり、粒度組成を変えたし
ない程度の不撹乱試料（砂質土の場合にはこの程度が不
撹乱の限度である）でも、それが確実に採取できればそ
れだけで砂質土のサンプ１ング分野では画期的な技術と
評価できる。

本考案によるサンドサンプルは以上のような要望に応え
たものであり、採取時に地盤層をでき得る限り静態状態
に保持するようにし、且つサンプリング試料の脱落及び
資料の乱れを防止することができる新規な構造を備え、
且つ従来から土のサンプリングに用いられているサンプ
ラ、例えばピストン式シンウオールサンプラやデニソン
サンプラ、或はコアチューブなどにも広く使用できるサ
ンドラサンプラを提供するものである。

以下、図面に示す実施例とともに本考案の詳細を説明す
る。

第１図ａ−ｃは本考案の一実施例を示すもので、図にお
いて符号１で示すものはボーリングロッドで、中空に形
成されており、その先端にはサンプラヘッド２が取付け
られている。

サンプラヘッド２の先端にはサンプリングチリーブ３が
固定されるとともに、サンプラヘッド２を気密を保った
状態でピストンロッド４が摺動自在に嵌合しており、こ
のロッドの先端にはサンプリングチューブ３と密に嵌合
しているピストン５が取付けられている。

一方、ボーリングロッド１の基部にはサンプラヘッド２
及びサンプリングチューブ３を囲み、これらと同心の外
管を形成するサンプラ閉塞用アダプタ６が取付けられて
いる。

このアダプタ６は頂部にストッパ７を有し、このストッ
パ７は例えば電磁石などを用いて形成されており、通電
時にはボーリングロッド１とアダプタ６との間を固定し
、非通電時には両者間を解放するように構成されている
。

また、アダプタ６の下縁近傍にはサンプリングチューブ
３との間の空間を遮断する弾性体の環状カバー１１が設
けられである。

環状カバー１１はサンプリングチューブ３とアダプタ６
の間に土砂等の進入を防止する。

環状リングの上側にはシャッタリング８が取付けられで
ある。

シャッタリング８は第２図に拡大して示するようにアダ
プタ６の先端部を形成する２つの螺着筒状体９，１０に
挟持されている。

シャッタ８は第３図に示すように、２つの螺着筒状体９
，１０に挾持され、アダプタ６に内装されている環状リ
ング１４（第１図及び第２図におけるシャッタ８の位置
。

）と、該リング１４に張設された、その弦部を弾性体の
係止ひも１３とした約２４０°の角度の欠円形状の弾性
体の膜１２よりなる。

第３図すに示すように、このシャッタ８の欠円形膜１２
の欠円空間を拡張せしめてサンプリングチューブ３を挿
通しである。

また、前述のピストンロッド４のサンプラヘッド２との
嵌合状態を更に説明すれば次のとおりである。

即ち、ヘッド２内にはピストンロッド４の貫通孔を取巻
き弁座（実施例においては逆円錐形弁座）２Ａ及び該弁
座２Ａ上に外部に連通ずる空間が設けられ、該空間部に
、ピストンロッド４を取囲み、ロッド４に密着摺動し、
重力により降下し弁座２Ａに密着する弁２Ｂが嵌装され
ている。

従ってピストン５の上昇等によりサンプリングチューブ
３内の圧力が高くなると、該圧力はピストンロッド４と
弁座２Ａの間を通り外部に逃がされ、常圧となると、弁
座２Ａ面に弁２Ｂが密着し、サンプリングチューブ３内
への外部よりの空気の侵入を防止し、チューブ３内を気
密に保つ。

尚、前記アダプタ６は第１図ａに示すようなサンプラヘ
ッド２及びサンプリングチューブ３全体を余裕をもって
収容できる程度の大きさであることが望ましい。

次に、以上のように構成された本実施例の動作につき説
明する。

先ず地上において第１図に示すようにサンプリングチュ
ーブ３の下端がサンプリングアダプタ６に僅かに突出す
る様にボーリングロッド１をストッパ７で個定する。

一方ピストン５はサンプリングチューブ３の下端よりも
突出した状態（サンプリングチューブ３の最下端部）に
なっている。

このようにセットした状態でポーリング孔１５に挿入す
る。

このように挿入されたサンプリング装置は１、ポーリン
グ孔１５の底において先ずサンプリングアダプタ６の下
端部が接地し、更に強く押し付けてピストン５の端面を
接地させる。

このようにして地層に対し垂直にセットする。

次にピストンロッド４によってピストン５をボーリンク
孔１５の底部に押し付けた状態でストッパ７を解除する
。

この状態でボーリングロッド凹を下降させ、サンプリン
グチューブ３を土中に挿入する。

このようにサンプリングチューブ３を土中に挿入するに
際して、ポーリング孔１５の底に押圧され固定されてい
るピストン５にガイドされ乍らサンプリングチューブ３
は揺れることなく垂直に土中に挿入される。

サンプリングチューブ３内の空気はサンプラヘッド２の
ピストンロッド貫通孔を通り、弁座２Ａ面より外部へ排
出される。

所定量のサンプリングを終了しサンプリングロッド１の
下降を停止し、次にサンプリングロッド１を引上げ、サ
ンプリングチューブ３を土層より引抜く。

このとき弁座２Ａと弁２Ｂとは密着するのでサンプリン
グチューブ３内には上部より空気が進入することがない
。

次に、サンプリングチューブ３がシャッタリング８を過
ぎる点まで来ると係止ひも１３の弾性によって膜１２が
展張され、第３図ａで示すようにサンプリングチューブ
３の先端部を閉塞する。

この時点では余り真空作用がなく、サンプリングチュー
ブ３内の試料は膜１２によって支えられた状態になって
いる。

即ち、膜１２の弾性力で以って圧縮され乍らサンプリン
グチューブ３内にサンプルが捕えられている。

次に、この状態でポーリング孔１５内を地上まで持ち上
げる。

このポーリング孔１５内の持ち上げ作業中若しくは地上
においてポーリング孔１５の壁面への接触とが地上での
衝撃がサンプリングアダプタ６にあったような場合、膜
１２の弾性によって緩和され、サンプリングチューブ３
にはその衝撃は伝わらない。

以上の説明がら明らがなように、本考案によればサンプ
ラヘッド及び゛サンプリングチューブを囲むようにして
サンプリングアダプタを設け、このサンプリングアダプ
タにサンプリングチューブの先端を閉塞することができ
るシャッタリングを取付け、このシャッタリングを伸縮
自在な膜及び弾性ヒモニより弾性的に形成し、サンプリ
ングチューブを引上げたとき自動的にサンプリングチュ
ーブの先端を閉塞できるように構成されているため、サ
ンプリングチューブのみを土中に挿入して採取すること
が可能となり、従って地盤層を乱すことなく採取するこ
とができ、且つサンプリングチューブがシャッタリング
を過ぎる時点で水平方向に然かも弾性的に素早くサンプ
リングチューブの下端を閉塞するので、サンプリングチ
ューブの下端部とその部分を閉（鎖）塞している膜との
間の資料の脱落を少くしてサンプリングチューブ内テノ
試料のがさつきを防止すると共に、閉塞時の機械的衝撃
力をなくすることができ、更には弾性体がら成る膜の弾
性力によって試料に圧力を与えサンプリングチューブ内
での試料の捕まえ状態を安定にすると共に、外部がらの
衝撃を緩和し、地盤層とほぼ同じ状態でサンプリングを
達威し得る等優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ−ｃは本考案の一実施例を説明する縦断側面図
、第２図はシャッタリングの取付状態を説明する拡大断
面図、第３図ａ、ｌ）はシャッタリングの取付方法を説
明する説明図である。 １・・・・・・ボーリングロッド、２・・・・・・サン
プラヘッド、３・・・・・・サンプリングチューブ、４
・・曲ピストンロッド、５・・・・・・ピストン、６・
・・・・・サンプリングアダプタ、７・・・・・・スト
ッパ、８・・・・・・シャッタリング、９，１ｏ・・曲
部状体、１１・・・・・・環状リング、１２・・・・・
・膜、１３・・曲弾性係止ひも、１４・・・・・・リン
グ、１５・・・・・・ポーリング孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 （ａ）中空のボーリングロッドと、該ボーリングロッド
   の先端にサンプラヘッドを介して取付けられたサンプリ
   ングチューブと、該サンプリングチューブ内に摺動自在
   に嵌合されたピストンと、該ピストンの上部中央にその
   一端が固着され、サンプラヘッドを貫通してボーリング
   ロッドの中空部内に延伸するピストンロッドと、下縁が
   サンプリングチューブ先端より僅かに突出し、サンプラ
   ヘッド及びチューブを囲みこれらと同心の外管を形成す
   るサンプリングアダプタとを有し、 （ｂ）前記サンプラヘッド内には、前記ピストンロッド
   の貫通孔を取巻く弁座及び該弁座上に外部に連通ずる空
   間部が設けられ、該空間部内に前記ピストンロッドを取
   囲み、該ロッドに密接摺動し、重力により降下し前記弁
   座に密着する弁が嵌装され、 （Ｃ）前記サンプリングアダプタはボーリングロッド及
   びサンプリングチューブに対して摺動可能で、その上縁
   にボーリングロッドとの係止手段を有し、その下縁近傍
   にサンプリングチューブとの間の空間を遮断する弾性体
   の環状カバーを有し、（ｄ）更に、前記サンプリングア
   ダプタには前記環状カバーの上側に金属製リングが内装
   され、該金属製リングに、その弦部を弾性体の係止ひも
   とした欠円形状の弾性体の膜が張設され、その欠円空間
   を拡張してサンプリングチューブが挿通され、（ｅ）サ
   ンプリング地盤にサンプリングアダプタ端を接地せしめ
   て、該サンプリングアダプタとボーリングロッドの保合
   を解除して、該ロッドを下降することにより、サンプリ
   ングチューブがピストンに案内されて土中に推進せしめ
   られ、該チューブ内に試料を充満せしめた後、ボーリン
   グロッドを引上げると前記弁が弁座に密着し、ポーリン
   グチューブ内の気密が保たれ、サンプリングチューブの
   先端が前記サンプリングアダプタの金属製ノングを過ぎ
   ると、該リングの膜が拡がり、サンプリングチューブの
   先端面を覆い、引続くサンプリングチューブの引上げに
   よる該チューブ内の試料の落下が防止されるようにしで
   ある、 ことを特徴とするシャツタ開閉式サンドサンプラ。