JPS5921390B2 - アルミニウム電解槽の制御方法 - Google Patents
アルミニウム電解槽の制御方法Info
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- JPS5921390B2 JPS5921390B2 JP997677A JP997677A JPS5921390B2 JP S5921390 B2 JPS5921390 B2 JP S5921390B2 JP 997677 A JP997677 A JP 997677A JP 997677 A JP997677 A JP 997677A JP S5921390 B2 JPS5921390 B2 JP S5921390B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明はアルミニウム電解槽の制御方法に関する。
詳しくは本発明はアルミニウム電解槽におけるサイドク
ラストの厚さを一定に保持するための運転管理方法に関
する。25氷晶石を主体とする電解浴に溶解したアルミ
ナを電解還元してアルミニウムを製造することは工業的
に広く行なわれている。
ラストの厚さを一定に保持するための運転管理方法に関
する。25氷晶石を主体とする電解浴に溶解したアルミ
ナを電解還元してアルミニウムを製造することは工業的
に広く行なわれている。
この際に用いられる工業的なアルミニウム電解槽は、通
常、炭素材料製の内張りを有する。しかるに正常状態に
おける30電解運転を行なう場合には、電解浴の一部が
上記内張りの側壁上に析出固化してそれ自体が電解槽の
内張り(ライニング)として作用することとなる。固化
した電解浴は通常サイドクラストと呼ばれる。氷晶石電
解浴によるアルミナの電解におい35ては、この電解浴
のセルフライニング作用が1つの特徴となつているが、
これは即ち、1つの容器内に液体の氷晶石(電解浴)と
固体の氷晶石(サー3゜0−イドクラスト)とが共存す
ることを意味しており、アルミニウム電解槽の運転管理
を困難にする一因となつている。
常、炭素材料製の内張りを有する。しかるに正常状態に
おける30電解運転を行なう場合には、電解浴の一部が
上記内張りの側壁上に析出固化してそれ自体が電解槽の
内張り(ライニング)として作用することとなる。固化
した電解浴は通常サイドクラストと呼ばれる。氷晶石電
解浴によるアルミナの電解におい35ては、この電解浴
のセルフライニング作用が1つの特徴となつているが、
これは即ち、1つの容器内に液体の氷晶石(電解浴)と
固体の氷晶石(サー3゜0−イドクラスト)とが共存す
ることを意味しており、アルミニウム電解槽の運転管理
を困難にする一因となつている。
サイドクラストについて考慮すべき主な事項は次の通り
である。
である。
1サイドクラストは電解浴容器の側壁となつており、サ
イドクラストによつて該容器の形状が定められる。
イドクラストによつて該容器の形状が定められる。
2サイドクラストが薄過ぎる場合には、電解浴あるいは
液体アルミニウムの漏洩の危険がある。
液体アルミニウムの漏洩の危険がある。
3サイドクラストが厚過ぎる場合には、容器の形状が電
解条件に不適当となり、電流効率、電力効率等が低下す
る。
解条件に不適当となり、電流効率、電力効率等が低下す
る。
4サイドクラストはアルミナ投入口の大きさを定める。
即ち、サイドクラストが薄過ぎる場合にはアルミナ投入
過多の危険があり、厚過ぎる場合にはアルミナ投入不足
となつて、アルミナ投入作業の頻度が増大する。従つて
電解槽毎にサイドクラストの適当な厚さというものがあ
り、サイドクラストの厚さをほぼ二ー定に保持すること
は重要な運転管理項目である。
過多の危険があり、厚過ぎる場合にはアルミナ投入不足
となつて、アルミナ投入作業の頻度が増大する。従つて
電解槽毎にサイドクラストの適当な厚さというものがあ
り、サイドクラストの厚さをほぼ二ー定に保持すること
は重要な運転管理項目である。
サイドクラストの厚さに影響を与える因子としては、摺
電圧、電流(摺電流または系電流)、電解浴組成、電解
浴量、メタル量、陽極構造、陰極構造等があるが、調節
の容易さの点から、通常、 2摺電圧または電流を変化
させてサイドクラストの厚さが一定となるように管理す
るのが便利である。しかしこのためにはサイドクラスト
の厚さについて十分な頻度の測定値が必要である。サイ
ドクラストの厚さを測定するのに通常用いSられている
方法は、鉄製の棒を上部から差し入れてサイドクラスト
の形状を手探りで判定する方法である。
電圧、電流(摺電流または系電流)、電解浴組成、電解
浴量、メタル量、陽極構造、陰極構造等があるが、調節
の容易さの点から、通常、 2摺電圧または電流を変化
させてサイドクラストの厚さが一定となるように管理す
るのが便利である。しかしこのためにはサイドクラスト
の厚さについて十分な頻度の測定値が必要である。サイ
ドクラストの厚さを測定するのに通常用いSられている
方法は、鉄製の棒を上部から差し入れてサイドクラスト
の形状を手探りで判定する方法である。
しかしながらこの方法は高温下での作業であるので困難
を伴なうほか、通常1作業者の管理する電解槽がかなり
多数であることにより、測こ定頻度が不十分となり易く
、従つて十分な精度の管理を行なうのは困難であつた。
本発明者はかかる従来法の欠点のない容易かつ高精度の
サイドクラスト管理法を見出すべく鋭意検討を重ねた結
果、陽極効果に随伴する現象のう 4ちにその鍵を見出
した。
を伴なうほか、通常1作業者の管理する電解槽がかなり
多数であることにより、測こ定頻度が不十分となり易く
、従つて十分な精度の管理を行なうのは困難であつた。
本発明者はかかる従来法の欠点のない容易かつ高精度の
サイドクラスト管理法を見出すべく鋭意検討を重ねた結
果、陽極効果に随伴する現象のう 4ちにその鍵を見出
した。
周知のように陽極効果とは電解浴のアルミナ濃度の過度
の低下に際して生起する現象である。
の低下に際して生起する現象である。
即ち、正常の運転状態において電解浴のアルミナ濃度は
一定の範囲内、通常約2〜8重量?、に維持される。ア
ルミナ濃度がその上限よりも高くなると陰極上にアルミ
ナが沈積し、電流効率を減じる。他方、アルミナ濃度が
その下限よりも低下すると、電解浴それ自身が電解され
て陽極上にガス膜が形成される。このガス膜による抵抗
の増加に伴う摺電圧の急激な増加が陽極効果として知ら
れるものである。陽極効果の際には、正常時において約
4〜5の摺電圧が約30〜40Vにまで増大する。アル
ミナの過剰供給によつて生ずるアルミナの沈積が電解槽
の運転にとつて重大な障害となるのに対し、陽極効果は
それほど大きな問題ではないし、また陽極効果には電解
浴の清浄化という有益な作用もある。従つて通常電解槽
は、陽極効果の過度の生起を抑えるようにアルミナを供
給しながら、上記したアルミナ濃度の範囲のうちの低い
部分で運転される。アルミナの供給は連続的または不連
続的に行なわれる。アルミナの供給を制御するための有
効な手段の1つは陽極効果の予知であつて、既に種々の
手法が提案されている。代表的な手法は例えば特公昭4
7−1865、特公昭48−37642、特公昭50−
15724、特公昭50−25410、特公昭51−4
0005等に記載されている。さて本発明者は陽極効果
に随伴する諸現象ならびにそれらの相関関係について詳
細な解析を行なつた結果、陽極効果に先行する槽抵抗の
増加傾向とサイドクラストの厚さとの間には相関関係が
あることを見出した。
一定の範囲内、通常約2〜8重量?、に維持される。ア
ルミナ濃度がその上限よりも高くなると陰極上にアルミ
ナが沈積し、電流効率を減じる。他方、アルミナ濃度が
その下限よりも低下すると、電解浴それ自身が電解され
て陽極上にガス膜が形成される。このガス膜による抵抗
の増加に伴う摺電圧の急激な増加が陽極効果として知ら
れるものである。陽極効果の際には、正常時において約
4〜5の摺電圧が約30〜40Vにまで増大する。アル
ミナの過剰供給によつて生ずるアルミナの沈積が電解槽
の運転にとつて重大な障害となるのに対し、陽極効果は
それほど大きな問題ではないし、また陽極効果には電解
浴の清浄化という有益な作用もある。従つて通常電解槽
は、陽極効果の過度の生起を抑えるようにアルミナを供
給しながら、上記したアルミナ濃度の範囲のうちの低い
部分で運転される。アルミナの供給は連続的または不連
続的に行なわれる。アルミナの供給を制御するための有
効な手段の1つは陽極効果の予知であつて、既に種々の
手法が提案されている。代表的な手法は例えば特公昭4
7−1865、特公昭48−37642、特公昭50−
15724、特公昭50−25410、特公昭51−4
0005等に記載されている。さて本発明者は陽極効果
に随伴する諸現象ならびにそれらの相関関係について詳
細な解析を行なつた結果、陽極効果に先行する槽抵抗の
増加傾向とサイドクラストの厚さとの間には相関関係が
あることを見出した。
即ち、一般に槽抵抗の増加が急速である場合にはサイド
クラストの厚みが増大しており、逆に槽抵抗の増加が緩
慢である場合にはサイドクラストの厚みが減少している
という傾向が認められたのである。本発明者はこの新規
な知見に基づいてサイドクラストの厚さを管理し得るこ
とに注目して本発明を完成するに到つたのである。
クラストの厚みが増大しており、逆に槽抵抗の増加が緩
慢である場合にはサイドクラストの厚みが減少している
という傾向が認められたのである。本発明者はこの新規
な知見に基づいてサイドクラストの厚さを管理し得るこ
とに注目して本発明を完成するに到つたのである。
本発明の目的は容易かつ高精度のサイドクラスト管理法
を提供することにあり、この目的は、電解槽中でアルミ
ナを電気分解することによつてアルミニウムを製造する
に当り、(a)周期的に槽亀圧(7)及び摺電流(1)
を測定し、従つて槽抵抗(代)を算出すること、(b)
槽抵抗の単位時間における変化量を表わす槽抵抗変化率
を算出すること、(c)槽抵抗変化率を監視し、その値
が予め設定した値を越えた時点から、陽極効果発生の時
点または陽極効果予知の時点までの時間(以下これらを
「移行時間」という。
を提供することにあり、この目的は、電解槽中でアルミ
ナを電気分解することによつてアルミニウムを製造する
に当り、(a)周期的に槽亀圧(7)及び摺電流(1)
を測定し、従つて槽抵抗(代)を算出すること、(b)
槽抵抗の単位時間における変化量を表わす槽抵抗変化率
を算出すること、(c)槽抵抗変化率を監視し、その値
が予め設定した値を越えた時点から、陽極効果発生の時
点または陽極効果予知の時点までの時間(以下これらを
「移行時間」という。
)を測定すること、(d)移行時間の各値を予め設定し
た値と比較し、それとの大小により分類して、一定の長
い時間内における移行時間の分類状態を算出すること、
並びに(e)上記分類状態の値に基づいて摺電圧または
/及び摺電流を変化させること、の各操作を含むことを
特徴とするアルミニウム電解槽の制御方法、によつて容
易に達成される。
た値と比較し、それとの大小により分類して、一定の長
い時間内における移行時間の分類状態を算出すること、
並びに(e)上記分類状態の値に基づいて摺電圧または
/及び摺電流を変化させること、の各操作を含むことを
特徴とするアルミニウム電解槽の制御方法、によつて容
易に達成される。
また典型的な電解工場においては、通常100槽以上の
多数の電解槽を直列に接続し、その両端に電圧を印加し
、それらを一系列として運転を行なうようになつている
。
多数の電解槽を直列に接続し、その両端に電圧を印加し
、それらを一系列として運転を行なうようになつている
。
この場合には、その系列内の各槽毎に、摺電圧(m;本
明細書中において下付き符号mは槽mについての値であ
ることを表わす。)及び分解電圧(Em)並びに系電流
(Is)に基づき、式:に従つて槽抵抗(Rm)を周期
的に算出し、上記と同様にして移行時間を測定し、移行
時間の各値を予め設定した値と比較し、それとの大小に
より分類して、系列全体について一定の長い時間内にお
ける移行時間の分類状態を算出し、得られた分類状態の
値に基づいて摺電圧または/及び系電流を変化させるこ
とにより、その系列全体のサイドクラストの管理を容易
に行なうことができる。
明細書中において下付き符号mは槽mについての値であ
ることを表わす。)及び分解電圧(Em)並びに系電流
(Is)に基づき、式:に従つて槽抵抗(Rm)を周期
的に算出し、上記と同様にして移行時間を測定し、移行
時間の各値を予め設定した値と比較し、それとの大小に
より分類して、系列全体について一定の長い時間内にお
ける移行時間の分類状態を算出し、得られた分類状態の
値に基づいて摺電圧または/及び系電流を変化させるこ
とにより、その系列全体のサイドクラストの管理を容易
に行なうことができる。
次に本発明について詳細に説明する。摺電圧(またはV
m)及び摺電流(1)もしくは系電流(Is)は、常法
により、例えば電解槽に対して接続された磁気増幅器、
シヤント式電流計測器等の計器によつて、周期的に測定
される。
m)及び摺電流(1)もしくは系電流(Is)は、常法
により、例えば電解槽に対して接続された磁気増幅器、
シヤント式電流計測器等の計器によつて、周期的に測定
される。
測定の周期は、対象電解槽の特性、必要とする制御の精
度等にも依存するが、通常5秒〜30分の範囲から任意
に選択される〇測定された摺電圧及び摺電流もしくは系
電流の値から、前記(1)式または(言)式に従つて槽
抵抗(RまたはRm)が算出される。
度等にも依存するが、通常5秒〜30分の範囲から任意
に選択される〇測定された摺電圧及び摺電流もしくは系
電流の値から、前記(1)式または(言)式に従つて槽
抵抗(RまたはRm)が算出される。
槽の分解電圧(EまたはEm)は槽の逆起電力としても
知られる電解槽に固有の値であつて通常約1.6の値を
有する。かくして周期的に得られる槽抵抗の値から、槽
抵抗の単位時間当りの変化量を表わす槽抵抗変化率が算
出される。
知られる電解槽に固有の値であつて通常約1.6の値を
有する。かくして周期的に得られる槽抵抗の値から、槽
抵抗の単位時間当りの変化量を表わす槽抵抗変化率が算
出される。
周知のように槽抵抗は電解槽内のガス、メタル、浴の動
揺等の種々の原因により、不規則な小刻みの変化をする
。
揺等の種々の原因により、不規則な小刻みの変化をする
。
従つてこれらによるノイズを低減させるために、予め槽
抵抗を指数平滑化法等によつて平滑化したのちに槽抵抗
変化率を算出するのが好ましい。なおノイズを低減させ
る処理は上記に限られるものではなく、前記周期よりも
さらに短い時間間隔で測定した複数個の槽抵抗値の平均
値を各槽抵抗(RまたはRm)として用いることもでき
るし、これにさらに上記平滑化処理を組み合せることも
好ましい方法である。さて槽抵抗が周期的に得られるの
に対応して槽抵抗変化率も周期的に得られる。
抵抗を指数平滑化法等によつて平滑化したのちに槽抵抗
変化率を算出するのが好ましい。なおノイズを低減させ
る処理は上記に限られるものではなく、前記周期よりも
さらに短い時間間隔で測定した複数個の槽抵抗値の平均
値を各槽抵抗(RまたはRm)として用いることもでき
るし、これにさらに上記平滑化処理を組み合せることも
好ましい方法である。さて槽抵抗が周期的に得られるの
に対応して槽抵抗変化率も周期的に得られる。
本発明においてはこの値の監視を続けることが必要であ
る。正常の運転状態、即ち適正なアルミナ濃度における
運転状態、においても槽抵抗変化率の値は必らずしも一
定ではないが、通常その値は例えば±1.0μΩ/Hr
といつた小さな値を示す。しかるにアルミナ濃度が低下
して陽極効果が接近するとこの値は増大して、例えば1
.5μΩ/Hrを越える値を継続して示すようになる。
このような状態が数10分続いた後に陽極効果が発生す
る。本発明においては槽抵抗変化率を継続的に監視し、
この値がある設定値(以下「槽抵抗変化率設定値」とい
う。
る。正常の運転状態、即ち適正なアルミナ濃度における
運転状態、においても槽抵抗変化率の値は必らずしも一
定ではないが、通常その値は例えば±1.0μΩ/Hr
といつた小さな値を示す。しかるにアルミナ濃度が低下
して陽極効果が接近するとこの値は増大して、例えば1
.5μΩ/Hrを越える値を継続して示すようになる。
このような状態が数10分続いた後に陽極効果が発生す
る。本発明においては槽抵抗変化率を継続的に監視し、
この値がある設定値(以下「槽抵抗変化率設定値」とい
う。
)を越えた時間から計時を開始し、陽極効果発生または
陽極効果予知の時点までの時間(即ち「移行時間」)を
測定する。槽抵抗変化率設定値は対象電解槽について正
常の運転状態及び陽極効果接近時における槽抵抗変化率
の値を者慮して適宜決定される。
陽極効果予知の時点までの時間(即ち「移行時間」)を
測定する。槽抵抗変化率設定値は対象電解槽について正
常の運転状態及び陽極効果接近時における槽抵抗変化率
の値を者慮して適宜決定される。
該設定値を余りに低く定めると正常の運転状態における
陽極効果に到らない槽抵抗の変化を誤つて計時する可能
性が大きく、他方、該設定値を余りに高く定めると陽極
効果を見逃したり、移行時間が短くなり過ぎて本発明の
実施が困難になつたりする。しかし通常この設定値は本
発明の実施を大きく左右するものではなく、例えば正常
時における槽抵抗変化率が約±1、0μΩ/Hrである
ような電解槽において1.2〜2.5μΩ/Hrの範囲
内の適当な値を選ぶことにより十分な結果を得ることが
できる。移行時間の値は対象電解槽の特性、計時開始条
件(即ち、槽抵抗変化率設定値)及び計時終了条件(即
ち、陽極効果の判定法)に依存する。陽極効果の判定に
は、大きく分けて陽極効果発生の判定と陽極効果予知の
判定とがある。陽極効果発生の判定は例えば摺電圧が8
〜40の範囲内の適当な設定値に達したことを検知する
ことにより行なうことができる。陽極効果予知の方法は
前述したように種々提案されており、これらはそれぞれ
その判定の時点を異にしている。本発明方法においては
陽極効果の判定法としてこれらのうちから1つの方法を
選定して採用することができる。かくして得られた移行
時間の各値は予め設定した値(以下「移行時間設定値」
という。)と比較され、それとの大小により分類される
。移行時間設定値は1個でもよく、2個以上であつても
よい。移行時間設定値が1個の場合には移行時間は2つ
のグループに分類され、また該設定値が2個の場合には
移行時間は3つのグループに分類される。移行時間設定
値は、対象電解槽について計時開始条件及び計時終了条
件を含めた移行時間測定法を決定して移行時間の分布状
態を調べたのちにそれらを分類するための適当な値を選
ぶことによつて、決定されるoこのような分類の操作は
継続して実施され、記録され、しかして一定の長い時間
内における移行時間の分類状態が算出される。
陽極効果に到らない槽抵抗の変化を誤つて計時する可能
性が大きく、他方、該設定値を余りに高く定めると陽極
効果を見逃したり、移行時間が短くなり過ぎて本発明の
実施が困難になつたりする。しかし通常この設定値は本
発明の実施を大きく左右するものではなく、例えば正常
時における槽抵抗変化率が約±1、0μΩ/Hrである
ような電解槽において1.2〜2.5μΩ/Hrの範囲
内の適当な値を選ぶことにより十分な結果を得ることが
できる。移行時間の値は対象電解槽の特性、計時開始条
件(即ち、槽抵抗変化率設定値)及び計時終了条件(即
ち、陽極効果の判定法)に依存する。陽極効果の判定に
は、大きく分けて陽極効果発生の判定と陽極効果予知の
判定とがある。陽極効果発生の判定は例えば摺電圧が8
〜40の範囲内の適当な設定値に達したことを検知する
ことにより行なうことができる。陽極効果予知の方法は
前述したように種々提案されており、これらはそれぞれ
その判定の時点を異にしている。本発明方法においては
陽極効果の判定法としてこれらのうちから1つの方法を
選定して採用することができる。かくして得られた移行
時間の各値は予め設定した値(以下「移行時間設定値」
という。)と比較され、それとの大小により分類される
。移行時間設定値は1個でもよく、2個以上であつても
よい。移行時間設定値が1個の場合には移行時間は2つ
のグループに分類され、また該設定値が2個の場合には
移行時間は3つのグループに分類される。移行時間設定
値は、対象電解槽について計時開始条件及び計時終了条
件を含めた移行時間測定法を決定して移行時間の分布状
態を調べたのちにそれらを分類するための適当な値を選
ぶことによつて、決定されるoこのような分類の操作は
継続して実施され、記録され、しかして一定の長い時間
内における移行時間の分類状態が算出される。
対象電解槽が1個の場合はその電解槽についての分類状
態が算出される。また前述したように直列に接続された
複数の電解槽を一系列として管理する場合には、その系
列内の各電解槽から得られる移行時間を全体として分類
することにより、その系列についての分類状態が算出さ
れる。分類状態の算出法としては種々の方法が採用され
るが、いずれも移行時間の大きいもの及び小さいものの
割合を反映するものであることが必要である。
態が算出される。また前述したように直列に接続された
複数の電解槽を一系列として管理する場合には、その系
列内の各電解槽から得られる移行時間を全体として分類
することにより、その系列についての分類状態が算出さ
れる。分類状態の算出法としては種々の方法が採用され
るが、いずれも移行時間の大きいもの及び小さいものの
割合を反映するものであることが必要である。
例えば移行時間を大きいもの(A群)及び小さいもの(
B群)の2群に分類した場合には、A群の割合あるいは
A群とB群との比率をもつて分類状態の値とすることが
できる。また移行時間を大きいもの(A群)、中間のも
の(B群)及び小さいもの(C群)の3群に分類した場
合には、例えばA群とC群との比率をもつて分類状態の
値とすることができる。かくして得られた分類状態の値
に基づいて摺電圧または/及び摺電流もしくは系電流(
以下これらを「電気的入力水準」と総称する。
B群)の2群に分類した場合には、A群の割合あるいは
A群とB群との比率をもつて分類状態の値とすることが
できる。また移行時間を大きいもの(A群)、中間のも
の(B群)及び小さいもの(C群)の3群に分類した場
合には、例えばA群とC群との比率をもつて分類状態の
値とすることができる。かくして得られた分類状態の値
に基づいて摺電圧または/及び摺電流もしくは系電流(
以下これらを「電気的入力水準」と総称する。
)を変化させることによつてサイドクラストが管理され
る。即ちサイドクラストが適当な厚みを持続する安定し
た運転状態においては分類状態の値はある一定範囲の値
を示す。これを分類状態の標準値とよぶことにすると、
分類状態の値がこの標準値から外れた場合、あるいは外
れる傾向を示した場合に電気的入力水準を次の(4)ま
たは(8)に従つて変化させるのである。(4)移行時
間の大きい群の割合の増大を示す方向に分類状態の値が
変化する場合には、電気的入力水準を下降させる。
る。即ちサイドクラストが適当な厚みを持続する安定し
た運転状態においては分類状態の値はある一定範囲の値
を示す。これを分類状態の標準値とよぶことにすると、
分類状態の値がこの標準値から外れた場合、あるいは外
れる傾向を示した場合に電気的入力水準を次の(4)ま
たは(8)に従つて変化させるのである。(4)移行時
間の大きい群の割合の増大を示す方向に分類状態の値が
変化する場合には、電気的入力水準を下降させる。
(8)移行時間の小さい群の割合の増大を示す方向に分
類状態の値が変化する場合には、電気的入力水準を上昇
させる。
類状態の値が変化する場合には、電気的入力水準を上昇
させる。
必要な電気的入力水準の変化量、即ち制御量は、電気的
入力水準の単位変化量当りの分類状態の値の変化量(い
わば制御効率)に依存するが、これは実験的に容易に求
めることができる。
入力水準の単位変化量当りの分類状態の値の変化量(い
わば制御効率)に依存するが、これは実験的に容易に求
めることができる。
一般的には分類状態の値の変化に応じて電気的入力水準
を小刻みに変化させていくことにより、分類状態の値を
標準値に保つようにすれば十分な匍脚を行なうことがで
きる。本発明方法はプログラムを内蔵したデイジタル計
算機の助けを借りて実施するのが有利である。
を小刻みに変化させていくことにより、分類状態の値を
標準値に保つようにすれば十分な匍脚を行なうことがで
きる。本発明方法はプログラムを内蔵したデイジタル計
算機の助けを借りて実施するのが有利である。
なぜならプロセス変数の周期的な読取り(入力)、デイ
ジタル数値の演算、数値の比較及び分類、さらには制御
信号の発信といつた操作はいずれもデイジタル計算機に
適した操作だからである。しかしながら本発明方法はデ
イジタル計算機を使用する場合に限られるわけではなく
、より限られた機能を有する自動計算機あるいは手動計
算機によつても本発明方法を達成することができるのは
もちろんである。前述したように本発明は電解槽中のサ
イドクラストが厚い場合には陽極効釆に先行する槽抵抗
の増加が急速(即ち移行時間が短い。
ジタル数値の演算、数値の比較及び分類、さらには制御
信号の発信といつた操作はいずれもデイジタル計算機に
適した操作だからである。しかしながら本発明方法はデ
イジタル計算機を使用する場合に限られるわけではなく
、より限られた機能を有する自動計算機あるいは手動計
算機によつても本発明方法を達成することができるのは
もちろんである。前述したように本発明は電解槽中のサ
イドクラストが厚い場合には陽極効釆に先行する槽抵抗
の増加が急速(即ち移行時間が短い。
)であり、反対にサイドクラストが薄い場合には槽抵抗
の増加が緩慢(即ち移行時間が長い。)であるという知
見に基づいている。この現象の理由は十分に明らかでは
ないが恐らく次のようなものであると推定される。即ち
電解槽内の氷晶石の量はほぼ一定に保持されているので
、サイドクラスト(即ち固体氷晶石)量が増加すると、
電解浴(即ち液体氷晶石)量が減少する。電解の進行に
伴つて電解浴中のアルミナが消費されるが、アルミナの
消費速度は電流と電流効率とによつて定まつているので
ほぼ一定である。従つて電解浴量が少ない場合には電解
浴中のアルミナ濃度は急速に減少する。このアルミナ濃
度の減少速度が、陽極効果接近といういわば過渡状態に
おいて槽抵抗の増加速度に鋭敏に反映されると考えられ
るのである。本発明によりサイドクラストの厚さを手探
りで判定するという困難な作業を行なうことなく、極め
て容易かつ高精度でサイドクラストの管理を行なうこと
ができるので、工業上益するところ多大である。
の増加が緩慢(即ち移行時間が長い。)であるという知
見に基づいている。この現象の理由は十分に明らかでは
ないが恐らく次のようなものであると推定される。即ち
電解槽内の氷晶石の量はほぼ一定に保持されているので
、サイドクラスト(即ち固体氷晶石)量が増加すると、
電解浴(即ち液体氷晶石)量が減少する。電解の進行に
伴つて電解浴中のアルミナが消費されるが、アルミナの
消費速度は電流と電流効率とによつて定まつているので
ほぼ一定である。従つて電解浴量が少ない場合には電解
浴中のアルミナ濃度は急速に減少する。このアルミナ濃
度の減少速度が、陽極効果接近といういわば過渡状態に
おいて槽抵抗の増加速度に鋭敏に反映されると考えられ
るのである。本発明によりサイドクラストの厚さを手探
りで判定するという困難な作業を行なうことなく、極め
て容易かつ高精度でサイドクラストの管理を行なうこと
ができるので、工業上益するところ多大である。
次に本発明の具体的態様を実施例により更に詳細に説明
する力ζ本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実
施例によつて限定されるものではない。
する力ζ本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実
施例によつて限定されるものではない。
実施例 1
直列に接続された130槽からなる1系列の100KA
ゼーダーベルグ電解槽に対して本発明を適用した。
ゼーダーベルグ電解槽に対して本発明を適用した。
本発明方法の導入前はサイドクラストの厚さを手探りで
判定する方法によりサイドクラストの管理を行なつてい
たが、十分なデータを得ることができず、サイドクラス
トの厚さ(130槽の平均)は第1表に示すように大き
く変動した。
判定する方法によりサイドクラストの管理を行なつてい
たが、十分なデータを得ることができず、サイドクラス
トの厚さ(130槽の平均)は第1表に示すように大き
く変動した。
(表中の「年」は仮の数字である。またこの2年半にお
けるサイドクラストの厚さの平均値は24.6cmであ
り、標準偏差は7.0CTnである。)この系列におい
て正常の運転状態における槽抵抗変化率は約±1.0μ
Ω/Hrの範囲内であつた。
けるサイドクラストの厚さの平均値は24.6cmであ
り、標準偏差は7.0CTnである。)この系列におい
て正常の運転状態における槽抵抗変化率は約±1.0μ
Ω/Hrの範囲内であつた。
槽抵抗変化率設定値を1.5μΩ/Hrとし、また陽極
効果の判定法としては摺電圧が10に達した時点を検知
した。摺電圧及び系電流の測定は72秒毎に行なつた。
予備的な移行時間の測定において移行時間の分布は約1
0分〜1時間であつた。移行時間設定値を30分とし、
移行時間を30分より短い群(S群)と30分より長い
群(L群)に分類した。分類状態の値は次式によつて1
日(24時間)を単位として算出した。さらに予備的な
データの蓄積によりサイドクラストの変動の少ない安定
した運転状態においてC.D.の値は1.0〜1.5の
範囲内にあることが判明した。
効果の判定法としては摺電圧が10に達した時点を検知
した。摺電圧及び系電流の測定は72秒毎に行なつた。
予備的な移行時間の測定において移行時間の分布は約1
0分〜1時間であつた。移行時間設定値を30分とし、
移行時間を30分より短い群(S群)と30分より長い
群(L群)に分類した。分類状態の値は次式によつて1
日(24時間)を単位として算出した。さらに予備的な
データの蓄積によりサイドクラストの変動の少ない安定
した運転状態においてC.D.の値は1.0〜1.5の
範囲内にあることが判明した。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 電解槽中でアルミナを電気分解することによつてア
ルミニウムを製造するに当り、(a)周期的に槽電圧(
V)及び槽電流(I)を測定し、次式:R=(V−E)
/I(但し、Eは槽の分解電圧を表わす。 )に従つて槽抵抗(R)を算出すること、(b)槽抵抗
の単位時間における変化量を表わす槽抵抗変化率を算出
すること、(c)槽抵抗変化率を監視し、その値が予め
設定した値を越えた時点から、陽極効果発生または陽極
効果予知の時点までの時間(以下「移行時間」という。 )を測定すること、(d)移行時間の各値を予め設定し
た値と比較し、それとの大小により分類して、一定の長
い時間内における移行時間の分類状態を算出すること、
並びに(e)上記分類状態の値に基づいて槽電圧または
/及び槽電流を変化させること、の各操作を含むことを
特徴とするアルミニウム電解層の制御方法。 2 直列に接続された複数の電解層中でアルミナを電気
分解することによつてアルミニウムを製造するに当り、
(a)周期的に各槽についての槽電圧(Vm)並びに系
電流(Is)を測定し、次式:Rm=(Vm−Em)/
Is(但し、Emは槽mについての分解電圧を表わす。 )に従つて各槽についての槽抵抗(Rm)を算出するこ
と、(b)各槽について槽抵抗の単位時間における変化
量を表わす槽抵抗変化率を算出すること、(c)各槽に
ついて槽抵抗変化率を監視し、その値が予め設定した値
を越えた時点から、陽極効果発生または陽極効果予知の
時点までの時間(以下「移行時間」という。 )を測定すること、(d)移行時間の各値を予め設定し
た値と比較し、それとの大小により分類して、系列全体
について一定の長い時間内における移行時間の分類状態
を算出すること、並びに(e)上記分類状態の値に基づ
いて槽電圧または/及び系電流を変化させること、の各
操作を含むことを特徴とするアルミニウム電解槽の制御
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP997677A JPS5921390B2 (ja) | 1977-02-01 | 1977-02-01 | アルミニウム電解槽の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP997677A JPS5921390B2 (ja) | 1977-02-01 | 1977-02-01 | アルミニウム電解槽の制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5395812A JPS5395812A (en) | 1978-08-22 |
JPS5921390B2 true JPS5921390B2 (ja) | 1984-05-19 |
Family
ID=11734932
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP997677A Expired JPS5921390B2 (ja) | 1977-02-01 | 1977-02-01 | アルミニウム電解槽の制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5921390B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102808198A (zh) * | 2012-07-27 | 2012-12-05 | 中国铝业股份有限公司 | 一种实现铝电解槽氧化铝浓度稳定控制的方法 |
-
1977
- 1977-02-01 JP JP997677A patent/JPS5921390B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5395812A (en) | 1978-08-22 |
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