JPS5919740Y2 - フランジボビン用二重撚糸装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は二重撚糸装置に関し、特にフランジボビンに巻
かれたフィラメント糸に適した二重撚糸装置に関する。

一般に二重撚糸装置においては給糸ボビンから解舒され
る糸はボビン上端からボビン中心孔に導入され、テンシ
ョン装置を経て回転盤中心から半径方向にのびる導糸孔
を通過し、回転盤の外周に一定角度巻回した後上方へ向
かいバルーニングしながら加熱されてヤーンガイド、巻
取張力調整装置等を経て巻取パッケージに巻取られる。

このような装置において、加熱される糸がアセテートの
如き腰の硬い、せ撚状のフィラメント糸である場合、鉄
系は上下につばを有するフランジボビンに巻取られてお
り、従って該ボビンの糸層が減小して来ると解舒される
糸はボビン上端のフランジに接触しながら走行し、糸の
走行速度が大きい場合は特にフランジとの接触部におい
て毛羽が発生し易くせ撚であるため、発生した毛羽が撚
り込まれることがなく、巻取られる糸に毛羽が存在する
ことが生していた。

さらに、解舒された糸がボビン上端部に設けられるテン
ションリングの内周面を通って該テンションリングを支
持する中空軸上端からボビン中心孔へ導入される場合、
上述の如きフィラメント糸はテンションリングの内周面
に接触しつつ上昇するため解舒張力の変動に従ってテン
ションリングが上下動したり、上記フィラメント糸とテ
ンションリングの内周面との接触により毛羽が発生する
ことがある。

本考案は上記欠点を解消するためになされたもので、給
糸ボビンの上端に回転自在なフライヤを設け、該フライ
ヤ先端の糸ガイドを少くともフランジボビンのフランジ
外周より外側に位置させると共に、ボビン上端部に中心
孔を有する円板状のトップガイド上に円板状のウェイト
皿を載置し、解舒された糸を上記トップガイド板とウェ
イト別間に通し、ボビン中心孔へ導入するようにしたも
ので、以下本考案装置の実施例を図面に従って説明する
。

第１図において回転スピンドル１には回転盤２が嵌合固
定され、ベアリング３，４を介して静止盤５が軸１回り
には自由に支持される。

上記静止盤５上には給糸ポット６が載置固定され、給糸
ボビン６を収容する。

７は静止盤５に固着したマグネットで外部のマグネット
と共に静止盤５を位置固定する。

上記スピンドル軸１中心には糸通過孔８が形成され、回
転盤２中心に接続し、回転盤２の中心からは半径方向に
糸導孔９が形成され、給糸ボビン１０から引出される糸
Ｙはボビン上部のテンション装置Ｔを経てボビンの中心
孔１１へ導入され、該中心孔１１からスピンドル軸１の
糸通過孔８を経て回転盤２の糸導孔９を通って回転盤外
部へ出た後、上記回転盤２の外周面に一定角度巻付き、
テンション変動を吸収し一定のバルーン張力の下でバル
ーニングＹ２Ｌながら上方へ走行する。

１０は上記静止盤５上に支持された給糸でフランジボビ
ン１２に巻かれている。

ボビン１２の上端にはテンション装置Ｔおよびフライヤ
１３が載置される。

即ち第２図において、フランジボビン１２上に載置され
る支持部材１４には中心孔１５を有する中空軸１６が固
定され、該軸１６の上端部に中心孔１７を有するテンサ
一本体１８が螺合または嵌着固定される。

上記テンサ一本体１８上面にはチタン等の硬質材料で形
成され、突部１９に中心孔２０を有する円板状のトップ
ガイド２１が固着され、該トップガイド２１の上面は平
面として形成され通過する糸と線接触を行う。

さらに上記トップガイド２１上にはピン２２に固定した
円板状のウェイト皿２３が載置される。

ウェイト皿２３にはウェイトケース２４、ウェイト２５
等が固定され、ウェイト皿２３とトップガイド２１間を
通過する糸に適当な押圧力が作用するようになっている
。

上記ウェイト皿２３はトップガイド２１と同材質で形成
され、糸の種類、太さによって直径を異にするウェイト
皿と任意に交換可能である。

また、上記軸１６にはベアリング２６を介して軸回りに
回転自在な一対のフライヤ１３．１３が支持され、該フ
ライヤ１３．１３の先端の糸ガイド部２７．２７が少く
ともボビン１２の上部フランジ２８外周面２８ ａより
寸法１を有して外側に位置する如くフライヤの長さが決
定される。

上記フライヤ１３はボビンから糸が解舒される際、糸の
解舒方向に回転し、従って引出された糸は給糸側糸層外
周に沿って上昇することなく、即ち糸層表面から離れた
糸は直ちに糸層に接することなくフライヤの糸ガイド部
２７方向へ走行する。

従って、第１図において、給糸ボビン１０から解舒され
る糸Ｙはフライヤ１３を経てトップガイド２１とウェイ
ト皿２３間に導入され、ボビン中心孔１７を下降し、ス
ピンドル軸１、回転盤２の糸導孔９を経て一定のバルー
ンテンションの下で上方へ向かう。

給糸ボビンの糸層が減少し、糸層の最外層か゛上部フラ
ンジ２８の外周面２８ ａより内側になった場合におい
ても解舒される糸はフライヤ１３によって糸走行路が規
制され、上部フランジ２８に接触することなく、ウェイ
ト皿へ導入され、またトップガイド２１とウェイト皿２
３間を通過する糸は両平面によって線接触しながら通過
し、トップガイド２１の中心孔２１ ａより下方の糸通
過孔へ導入される。

従ってせ撚状のアセテートの如く腰が硬く滑り易いフィ
ラメント糸をフランジボビンに巻付けた給糸を静止盤上
に垂直に保持した状態から糸を解舒する際、上記糸はフ
ライヤ１３によって糸層表面からはく離する如く解舒さ
れ、従来のフィラメント糸の如き糸層外周面を伝って上
方へ移動することがなく、従ってボビン１周分の糸が一
度に糸層から離反するいわゆる輪抜は現象を生じること
なく整然と解舒される。

またフライヤの糸ガイド部はボビンの上部フランジ２８
の外周面より外方に位置してボビン回りを旋回するため
解舒された糸は上部フランジに接触することなく、従っ
てせ撚状の上記フィラメント糸を給糸として使用しても
毛羽が発生する恐れがない。

さらに上記フライヤ１３の糸ガイド部２７を通過した糸
はボビン上方のテンサ一本体上面に固着したトップガイ
ド２１と該トップガイド２１上に載置したウェイト皿２
３間に導入されトップガイド２１の中心孔２１ ａから
直ちに下方向へ、即ちボビン中心孔に挿入された軸１６
の中心孔へ向かう。

従って上記ウェイト皿２３には該ウェイト皿を押上げる
方向の力は働かず解舒張力が変動したとしても常にウェ
イト皿２３の下面が糸に線接触しているため、ウェイト
皿と糸が点接触することがなく、従って毛羽の発生が防
止される。

なお、上述のテンション装置Ｔ、フライヤ１３を設けた
二重撚糸装置はアセテートの如きフィラメント糸の場合
、特に効果的であるが、他のフィラメント糸に使用する
ことも可能である。

以上のように本考案では、二重撚糸装置の静止盤上に載
置されたフランジボビン上部に、該フランジボビンの上
部フランジの外周より少くとも外方に位置する糸ガイド
を形成したフライヤをボビン中心孔に挿入した中空軸上
部に回転自在に設け、上記中空軸上端部には中心孔を有
する円板状トップガイドを固着したテンサ一本体を固定
し、上記トップガイド上面に円板状のウェイト皿を載置
し、上記トップガイドとウェイト別間の平面を通過した
糸は直ちに下方向へ向い中空軸中を下降するようにした
ので、フランジボビンの糸層最外層が上部フランジ外周
より内側に至った時も解舒される糸は上部フランジに接
触することなく走行し、かつテンション装置においても
ウェイト皿の下面のみに接するので、せ撚状で腰の硬い
アセテートの如きフィラメント糸も毛羽を発生すること
なく良質の撚糸を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の実施例を示す一部断面正面図、第
２図は同要部の断面正面図である。 １・・・・・・回転スピンドル、２・・・・・・回転盤
、５・・・・・・静止盤、１０・・・・・・給糸、１２
・・・・・・フランジボビン、１３・・・・・・フライ
ヤ、１６・・・・・・中空軸、２１・・・・・・トップ
ガイド、２３・・・・・・ウェイト皿、２７・・・・・
・糸ガイド、２８・・・・・・フランジ、２８ ａ・・
・・・・フランジ外周面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 二重撚糸装置の静止盤上に載置されたフランジボビン上
   部に、該フランジボビンの上部フランジの外周面より外
   方に糸ガイド部を有するフライヤをボビン中心孔に挿入
   した中空軸に回転自在に設け、上記中空軸上端部には中
   心孔を有し該中心孔が上記中空軸に連続する円板状トッ
   プガイドと、該トップガイド上面に載置した円板状のウ
   ェイト皿を有するテンション装置を設け、トップガイド
   上面とウェイト皿下面を通過した糸は直ちにトップガイ
   ドの中心孔から上記中空軸中を下方向に走行するように
   したことを特徴とするフランジボビン用二重撚糸装置。