JPS588230B2 - カンジヨウチヨクセンガタユウドウデンジポンプ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は環状直線形誘導電磁ポンプに係り、特に磁路を
なす一次固定鉄心の使用条件を適正にし、かつ誘導コイ
ルの冷却を図ることのできる還状直線形誘導電磁ポンプ
に関する。

環状直線形誘導電磁ポンプ（以下単に電磁ポンプという
）は、第１図および第２図に示すように、管状の外側ダ
クト１と、リブ２を介して上記外側ダクト１内に設けら
れ、内部鉄心３を内蔵した内側ダクト４とを有している
。

そして、上記外側ダクト１の外側には、断熱筒５を介し
て、櫛状の硅素鋼板を円周方向に積層した一次固定子鉄
心６の複数個が放射状に配列され、この一次固定子鉄心
６の櫛歯の間に形成される各スリットの内に誘導コイル
７が組込まれている。

このように構成された電磁ポンプは、作動の際、上記誘
導コイル７，７を多相交流で励磁してダクトの軸線方向
に直線的に進行する移動磁界を作り、外側ダクト１と内
側ダクト４との間に形成される環状の流路８を流れる、
例えば原子炉冷却用の流体ナトリウムのような導電性の
流体を二次導体とし、誘導電磁作用により午れを一方向
に、かつ連続的に移送する。

ところで、誘導コイル７により発生する磁束９は、第１
図に点線で示すように、外側および内側ダクト１，４の
軸線を含む平面内で閉ループを形成する。

したがって、電年ポンプの電気的特色として、一般の誘
導電動機などと比べ、一次固定子鉄心の内側端縁と内部
鉄心３との間の磁気的間隙部分、すなわち比透磁率の小
さい（比透磁率＝１〕部分の寸法が大きく、誘導コイル
７による起磁力のほとんどがこの磁気的間隙部分で消費
される。

そのため磁気回路中の磁束密度は比較的小さく、特に寸
法を大きくとれる一次固定子鉄心６は、誘導電動機など
と比較して磁気的に余裕がある。

一方誘導コイル７は、流路８に近接して配置されている
ため、流路８を流れる液体ナトリウムなどの高温（数百
゜Ｃ）流体から輻射、伝導により内周面から加熱される
と共に、電流による抵抗損発熱によって自己発熱し高温
になる。

この誘導コイルを冷却しようとしても、従来の電磁ポン
プは、第２図に示すように、冷却媒体を流通させる隙間
がないので、冷却しに《いばかりでなく放熱しに《い構
造である。

そのため誘導コイル７は一般の誘導電動機の巻線などと
比較して使用条件が厳しく、特に耐熱性が要求される。

本発明の目的は、前記一次固定子鉄心６および誘導コイ
ル７の使用条件のアンバランスを改善し、電気機械とし
て合理的な電磁ポンプを提供することにある。

本発明によれば、上記目的は、誘導コイルの内周面が一
次固定子鉄心の流路対向端縁より外周側になるようにそ
の内径を定めると共に、一次固定子鉄心の磁路断面積を
小さくし、ダクトと誘導コイルとの間に冷却媒体を流通
させる冷却間隙を設けることによって達成される。

以下本発明の実施例を第３図および第４図を参照して説
明する。

第３図において符号７は誘導コイルを示し、この誘導コ
イル７は、その内周面１１が一次固定子鉄心６の流路対
向端縁（図示のものは断熱筒５に接している）より外周
側になるように、すなわち誘導コイル７の内径が断熱筒
５の外径より太き《なるように、その寸法が定められて
いる。

また流路８の外側に放射状に配置された一次固定子鉄心
６，６の内一部（図示のものは等間隔に４個に１個）は
省略され、電磁ポンプ全体として一次固定子鉄心の磁路
断面積が減少している。

上記のように構成された結果、誘導コイル７と断熱筒５
との間に、断面ほぼ矩形の複数個（図示のものは４個）
の冷却間隙１２．１２が形成される。

このような本発明による電磁ポンプにおいては、誘導コ
イル７の内周面１１が断熱筒５に接していないので加熱
されにく《、温度上昇を小さくすることができるばかり
でなく、上記冷却間隙１２に冷却媒体を流通させれば、
誘導コイル７の温度上昇をさらに小さくすることができ
る。

また多少一次固定子鉄心６，６の磁路断面積の和が減少
したとしても、もともとこの一次固定子鉄心は磁気的に
余裕があるので、起磁力に対する悪影響は皆無である。

第４図に示すものは本発明の変形実施例で、第３図に示
す電磁ポンプの一次固定子鉄心６，６の相互の間隔を円
周方向に沿って等しくしたものである。

この変形実施例の作用効果は第３図に示すものと同じで
あるのでその詳細な説明は省略するが、一次固定子鉄心
６，６を等間隔に配置することにより、誘導コイルの冷
却が円周方向に沿って均一に行われるという別の利点が
生ずる。

なお図示はしないが一次固定子鉄心６，６０個数はその
ままで、その長さ（円周方向の寸法）を減ずることによ
って磁路断面積を減少させても本発明の目的を達成する
ことができるのは勿論である。

以上の説明から明らかなように、本発明は、もともと磁
気的に余裕のある一次固定子鉄心の磁路断面積を減少さ
せ、かつ誘導コイル７と断熱筒５との間に冷却間隙を設
けて誘導コイルの温度上昇を低く押えることができるの
で、一次固定子鉄心および誘導コイル使用条件のアンバ
ランスが改善され、電気機械として合理的な電磁ポンプ
を提供することができる。

また重量の大きい一次固定子鉄心の断面積を小さくした
ので、その分電磁ポンプの重量が減少する。

さらにまた、電磁ポンプ内に隙間が多くなるので、電磁
ポンプの組立が容易になり、かつ誘導コイル相互の結線
および誘導コイルの固定が容易になるなど種々の効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電磁ポンプの一例を示す縦断面図、第２
図は第１図Ｉ−Ｉ線による横断面図、第３図は本発明に
よる電磁ポンプの一実施例を示す横断面図、第４図は本
発明の別の実施例を示す上半分のみの横断面図である。 １・・・・・・外側ダクト、４・・・・・・内側ダクト
、６・・・・・・一次固定子鉄心、７・・・・・・誘導
コイル、８・・・・・・流路、１１・・・・・・誘導コ
イル内周面、１２・・・・・・冷却間隙。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内側ダクトと、この内側ダクトの間に環状の流路を
   形成して配置された管状の外側ダクトと、この外側ダク
   トの外周上の軸方向にある面積を残して放射状に配設さ
   れ櫛状の硅素鋼板を積層してなる複数個の一次固定子鉄
   心と、この一次固定子鉄心の櫛歯の間に組み込まれその
   内周面が前記外側ダクトの外周面に接触していない誘導
   コイルと、前記外側ダクトの外周面と前記誘導コイルの
   内周面との間で外側ダクトの軸線方向に形成された冷却
   間隙とから構成された環状直線形誘導電磁ポンプ。