JPS585999Y2 - 核燃料要素 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は被覆管内にタグガスを封入した核燃料要素に係
る。

原子炉内に多数本の核燃料集合体がハニカム状に配列さ
れた炉心において、どの位置の核燃料集合体から核分裂
生成物が放出している゛かを早期に検知することは炉の
安全性、運転状態の監視および周辺が放射能で汚染され
ることの防止などのために重要である。

核分裂生成物の放出は主とじて核燃料集合体内の核燃料
要素の被覆管が破損するものであって、この破損検出を
早期に行う手段はサンプリング法や冷却材、カバーガス
などを検査する方法などが知られている。

なかでも核燃料集合体内に組込まれた核燃料要素内にタ
グガスを封入して被覆管が破損した際に放出するタグガ
スの組成ないしは成分を検出して、どの位置の核燃料集
合体から核分裂生成物が放出しているのかを検知するタ
グガス法による燃料破損検出手段が提唱されている。

本考案はこのタグガス法に使用される核燃料要素を改良
することにある。

前記タグガスとしては原子炉構造材、核燃料物質、冷却
材、減速材などに対して不活性のたとえばアルゴン、キ
セノン、ネオンなどの希ガスが１種または混合されて使
用されている。

従来、このタグガス封入の核燃料要素はたとえばアルミ
ニウム、ステンレス鋼などのカプセル内にあらかじめ組
成比などのわかったタグガスを封入し、このカプセルを
被覆管の端栓に連通し、その端栓な密封する際にカプセ
ル内のタグガスを被覆管内に放出させてカプセルを切り
はなしてチップオフしたものが知られている。

この核燃料要素は規格化された大量生産ラインで製造さ
れるため、各々の核燃料要素毎に組成の異なるタグガス
を被覆管の密封時に所定量づづを封入することが困難で
あり、また多くの工程を必要とし好ましいものとは云え
ない。

また、タグガスを封入するカプセルの１部に窓を設け、
その窓を低融点金属のシール材でシールし、そのシール
材をその融点以上の温度に加熱して溶融し前記窓からタ
グガスを被覆管内に放出させ得るカプセルを内蔵した核
燃料要素も知られている。

この核燃料要素はタグガスをカプセルから放出する構造
が簡単でしかも製造が容易で、与えられた温度条件で確
実にシール材を開放でき、そのうえプレナムの有効体積
の減少が少なく機械的強度上も有利である。

しかしながら、低融点金属をシール材に使用すると被覆
管に上記金属が付着して被覆管の腐食性を招き破損する
原因になる。

とくに被覆管にオーステナイト系ステンレス鋼を使用し
た場合、ｃｄ、Ａｌ、Ｇａ、Ｓｎ、Ｂ１−Ｐｂ などの
低融点金属は腐食性が大きいので、被覆管と直接接触す
ることは好ましくない。

本考案は上記欠点を除去するためになされたもので、構
造が簡単で確実□タグガスを被覆管内に・放出すること
ができしかも被覆管の腐食性を考慮する必要がないタグ
ガス封入の゛核燃料要素を提供することにある。

すなわち１本考案は核燃料物質を装てんした長尺被覆管
内のプレナム部にタグガスを封入してなる、核燃料要素
□おいて、前記タグガスを充てんしたカプセルの１端面
に設けられた隔膜と、この隔膜に近接して設けられた突
刺部を有しかつ圧縮状態に保持される弾性体と、この弾
性体の圧縮状態を保持する低融点金属とを具備したこと
を特徴とする・核燃料要素である。

以下第１図から第３図を参照しながら本考案に係る核燃
料要素の１実施例を説明する。

第１図において１図中符号１は、たとえばステンレス鋼
からなる長尺の被覆管で、この被覆管１内には二酸化ウ
ラン粉末が円桂状に圧粉成形され焼結された燃料ペレッ
ト２が複数個装てんされている。

燃料ペレット２は上部にプレナム室３を残３ してほぼ／３〜／４位装てんされ、被覆管１０両端は端
栓４，５で封止される。

プレナム室３には燃料ペレット２の位置づれを防止する
とともに固定するためのプレナムスプリング６が挿着さ
れており、また第２図に拡大して示したタグガス封入部
材７がコイルバネ８によって軸方向の位置づれを制止し
た状態で挿着固定されている。

タグガス封入部材７は円筒状本体７ａの１端を封止板９
で閉塞し、他端を中心部に薄肉の隔膜１０を張設した区
劃板１１からなるカプセル１２・と、区側販１１、から
突出したスリーブト３内□順次配置された低融点金属か
らなる環状体１４、圧縮状態に保持されたコイルバネ１
５および通気性を有する多孔質プラグ１６からなってい
る。

コイルバネ１５の先端部には前記隔膜１０に接して針状
突出部１７が形成されている。

なお、本体７ａ、スリーブ・１３および多孔性プラグ１
６は端部１８で溶接されて１体的に固定されており、ま
た封止板９の中心部にはタグガス導入用パイプ１９が接
続され、タグガスをカプセル１２内に封入したのちはパ
イプ１９の途中２０を押し潰してシールする。

しかして１本考案に係る核燃料要素において低融点金属
の環状体１４が溶融する高温度に保持すると第３図に示
したように環状体１４ａが溶融してスリーブの下面に流
動しその形状が消失するとコイルバネ１３はその弾発力
によって軸方向の圧縮力が緩んで弾発し針状突出部１７
が隔膜１０を突キ刺す。

その結果プレナム部３とカプセル１２内とが多孔質プラ
グ１６を介して連通してカプセル１２内のタグガスがプ
レナム部に放出し拡散されタグガス封入された核燃料要
素を得ることができる。

以上説明したように本考案によれば構造が簡単で製造が
容易でしかもタグガスを被覆管内に確実に放出できると
ともに、環状体が溶融した低融点金属は多孔質プラグ１
６を通過できないので、噴出するタグガスと共にカプセ
ル外に漏出することはなく、スリーブおよびカプセル内
に溜って被覆管と接触することがないので被覆管の腐食
性を考慮する必要がない。

なお、上記実施例において環状体１４の形状は圧縮され
たコイルバネ１５の軸方向の弾発力を制止するような性
能であればとくに限定されるものでない。

またコイルバネ１５を圧縮した状態で低融点金属により
固定しても艮い。

その金属はコイルバネ１５の圧縮力に対する機械的強度
を満足するものであるならば良いので、その材質は被覆
管との共存性を考慮して決めれば選択の自由度が太ぎく
なる。

なお低融点金属としてはとくに金５９条−インジウム４
１％合金を使用すれば融点？Ｌ９４℃で、ステンレス鋼
被覆管との６００℃程度の高温環境下において共存性が
すぐれるので好適する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る核燃料要素の１実施例を１部欠切
して示す縦断面図、第２図は第１図におけるタグガス封
入部材を拡大して示す縦断面図。 第３図は第２図匝おけるカプセルの開封状態を示す縦断
面図である。 １・・・・・・被覆管、２・・・・・・核燃料ペレット
、７・・・・・・タグガス封入部材、１２・・・・・・
カプセル、１０・・・・・・隔膜、１７・・・・・・突
刺部、１５・・・・・・コイルバネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 核燃料物質を装填した長尺被覆管内のブレナム部に、一
   端を密封され他端に多孔質プラグな゛そなえ中間ｆｃ環
   状の区画板およびその開口を閉鎖する隔膜を有し、密封
   端および区画板間にはタグガスが充填され１区画板多孔
   質プラグ間には区画板に接する低融点金属の環状体およ
   びこれと多孔質プラグに前記隔膜・に対向する針状突出
   部をそなえたコイルばねとを有するタグガスのカプセル
   を配置し、加熱して前記環状体な溶融させ、前記コイル
   ばねの伸長により前記隔膜に穿孔し、封入されたタグガ
   スを前記多孔質プラグを介して被覆管内ニ放出させて成
   ることを特徴とする核燃料要素。