JPS5858539B2 - 摺動し合う２つの弁部分を備えた弁装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、互いに摺動し合い相対運動可能な２つの弁部
分つまりケーシングとスプールを備え、両弁部分の摺動
面に夫々制御縁を設けてあり、これら制御縁の相互制御
動作によって、いかなる位置においても規定の相互関係
にある少なくとも２つの開弁横断面を解放する形式の弁
装置に関するものである。

第１図に関連して詳説したこの形式の公知の弁装置は、
一方の弁部分と他方の弁部分とにむける制御縁の距離を
互いに全く等しくすることがきわめて困難であるがゆえ
に、２つ又はそれ以上の開弁横断面が同時に正確に開か
ないという欠点を有している。

それゆえに本発明の課題は、冒頭で述べた形式の弁装置
を改良して、すべての開弁横断面を同時に開くという必
須条件を一層容易に満たすことである。

この課題を解決する本発明は、・一方の弁部分であるス
プールの個別制御縁が複数の個別弁ポートに形成されて
おり、これらの個別弁ポートが、前記スプールの運動方
向に対して直角方向で互いにずらして設けられていて該
スプール内に穿設した通路を介して、スプール軸方向で
ずらされた接続用弁室と連通しており、かつ他方の弁部
分であるケーシングには、共通の弁ポートに形成された
ただ１つの共通の制御縁が設けられている点にある。

共通の制御縁を使用することによって一方の弁部分では
製作誤差を全く考慮する必要がなくなる。

この場合は他方の弁部分における複数の個別弁ポートの
個別制御縁を互いに正確に整合させることだけが肝要で
あるにすぎない。

これによって製作誤差の問題はただ１つの弁構成部分に
減少する。

従って複数の開弁横断面の同時開放を一層高い精度で達
成することが可能になる。

本発明の実施態様では、個別弁ポートの個別側（ｆＲ，
縁は、スプール運動方向に対して垂直に延びる共通の仮
想線上に位置しかつ共通の弁ポートの共通制御縁は前記
仮想線に対して平行に延びているのが特に有利である。

つまり、このようにすれば弁ポートは慣用の加工機械に
かけて大きな精度で製作することができる。

有利な実施態様ではプランジャ型スプールは、１つの鍔
の１本の周方向線上に設けた複数の個別弁ポートを有し
かつ前記鍔は、ケーシングに設けた１つの環状溝を覆っ
ていて、該環状溝は共通の弁ポートを形成している。

個別弁ポートを中ぐりによって製作する場合には、釜中
ぐり操作毎に工作物を所定角度だけ回動することによっ
て、関係個別制御縁をきわめて正確に同一線上に整合さ
せることが可能である。

異なった形状のアキシャルスプール弁又は回転弁の場合
にも類似の形式で個別弁ポートを製作することができる
。

また、鍔が、プランジャ型スプールに設けた２つの環状
溝を仕切ってお一層、円環状溝が夫々１つの接続用弁室
を形成している場合には弁装置の構造がきわめて短くな
る。

個別弁ポートは、中ぐり又はフライス切削によりスプー
ル表面に形成された円形孔から成ることができ、また、
スプール表面にフライス切削又は研削された方形凹設部
によって形成されていてもよい。

あるいは又、スプール外周を形成する鑞接されたスリー
ブ内に打抜かれた孔によって個別弁ポートを形成するこ
とも可能である。

次に図面につき本発明の実施例を詳説する。

第１図に示した公知の弁装置は、第１の鍔２と第２の鍔
３とを有するプランジャ型スプール１を備えている。

第１の鍔２と第２の鍔３との間には１つの環状溝４が設
けられている。

該環状溝４と、前記プランジャ型スプール１の右側の室
５は、供給導管６と連通している。

弁装置のケーシング内には２つの環状溝８，９が設けら
れてネーリ、各環状溝は夫々１本の排出路１０又は１１
と連通してむりかつ前記鍔２又は３によってカバーされ
る。

この公知の弁装置ではプランジャ型スプール１に２つの
制御縁１２，１３が、またケーシング７に２つの制御縁
１４，１５が生じる。

これらの制御縁が１対ずつ互いに制御し合う場合、制御
縁１２と１４との間の開弁横断面及び制御縁１３と１５
との間の開弁横断面が変化する。

プランジャ型スプール１が矢印１６の方向に移動すると
、これに比例して両開弁横断面は増大する。

制御縁１２と１３との距離をＸ、制御縁１４と１５との
距離をｙとすれば、Ｘ−ｙの場合にしか両開弁横断面の
同時開放は生じない。

距離Ｘは１つの絶対値であるが、往々にして、それぞれ
公差を有する２つの絶対値間の差である場合がある。

同様のことは距離ｙについても当て嵌まる。

これは取りも直さず、両開弁横断面の同時開放が少なく
とも２つの絶対値の公差によって条件づけられているこ
とを意味している。

２つよりも多くの開弁横断面を同時に開放しようとする
場合、前記の難点は一層増大する。

第２図に示した本発明の実施例では、プランジャ型スプ
ール１７は４つの鍔１Ｂ、１９，２０゜２１と、これら
の鍔間に設けられた３つの環状溝２２．２３．２４を有
し、これらの環状溝は夫々、排出通路２５．２６．２７
と連通した接続用弁室を成している。

ケーシング２８には唯１つ−の環状溝２９が設けられて
いて、該環状溝は供給導管３０と連通している。

鍔２０には３つの個別弁ポート３１，３２゜３３が設け
られて耘り、これらの個別弁ポートはプランジャ型スプ
ール１７の周方向に互いにずらされている。

個別弁ポー）３１．３２．３３は夫夫、２つの半径方向
孔と１つの軸方向孔とから成る通路３４，３５又は３６
を介して、接続用弁室としての環状溝の１つ２２，２３
又は２４と連通している。

ケーシング２８の環状溝２９は、ケーシング孔の周壁に
共通の弁ポート３７を形成してトリ、該弁ポートは共通
の制御縁３８によって制限されている。

３つの個別弁ポート３１，３２，３３は夫夫１つの個別
制御縁３９，４０，４１を有し、これらの個別制御縁は
、プランジャ型スプール１７の運動方向４３に対して垂
直にかつ共通制御縁３８に対して平行に延びる共通の仮
想線４２上に位置している。

従ってプランジャ型スプール１７が図示位置から矢印４
３の方向に左手に向ってシフトされると：制御線対３Ｂ
−３９．３８−４０及び３８−４１によって形成される
すべての開弁横断面は同時に開放することになる。

本発明の弁構造ではケーシング２８に関して全く公差上
の問題がない。

それというのは、ケーシング２８の制御縁３８が共通で
あるため制御縁間の距離を勘酌する必要がないからであ
る。

プランジャ型スプール１７では、共通の仮想線４２から
の制御縁３９，４０．４１の偏倚に関する製作誤差の問
題は低減する。

またこの場合肝要なことは距離（乃至間隔）の誤差では
なくて、個別弁ポー）３１．３２．３３を１つの円周線
上にいかにして正確に維持できるかということだけであ
る。

これらの個別弁ポートは順次製作され、しかもポート間
では単にプランジャ型スプール１７を所定の角度回転す
ればよいので、前記の製作誤差は著しく小さくなり、事
実上無視することができる。

第２図では円形の孔を中ぐり又はフライス切削すること
によって個別弁ポートが製作されているのに対して、第
３図では方形の凹設部３１’、３２’及び３３′が設け
られており、該方形凹設部の個別制御縁３９’、 ４０
’、 ４１’は方形凹設部の周方向全長にわたって共通
の仮想線４２と合致している。

このような方形凹設部は、その都度プランジャ型スプー
ル１７′を回動させたのち鍔の表面に側フライスカッタ
又は研削砥石車の外周を係合させることによって製作さ
れる。

第４図に示した実施例ではプランジャ型スプール１７１
ｉ鑞接されたスリーブ４４を有し、該スリーブには鑞接
前に四角形の孔３１“、３２“、３３“が打抜かれてい
る。

この場合の個別制御縁３９“。４０“、４１“は前記四
角形孔の角隅に減少されている。

このような孔が別の形状例えば三角形状を有することが
できるのは勿論である。

第２図に示した実施例では、供給導管３０を介して流入
する液体は、それぞれ１つの絞りを介して排出通路２５
．２６．２７へ均等に分配される。

しかしこの原理は２つの開弁横断面にも、あるいは又４
つ以上の開弁横断面にも応用することができる。

逆にまた、かかる弁装置を種々異なった流れを混合する
ために使用することも可能である。

供給導管３０を閉じかつ通路２７を介して液体を供給す
る場合には弁装置に共通の流入路内に１つの絞りを、か
つ又、各流出路内に夫々１つの絞りを有することになる
。

ただ１つの通路２７だけを流入路として、またいま１つ
の通路２６を流出路として使用する場合には、かかる弁
装置はただ１つの液体流を比較的強く絞るために使用さ
れる。

図示の実施例はプランジャ型の直動スプールを有する弁
装置を示しているにすぎないが、一方の端面に弁ポート
を設けた円板型回転滑り弁であれ、周面に弁ポートを設
けた円筒形回転スプール弁であれ、回転弁にも同じ原理
を適用することが可能である。

両方の弁部分（ケーシングとスプール）の一方が定置で
ある必要はない。

むしろ、相対的に摺動運動可能な両弁部分が固定ノ・ウ
ジングに対して相対運動可能であってもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は公知の弁装置の略本断面図、第２図は本発明に
よる弁装置の実施例の略本断面図、第３図は第２図とは
異なった態様の個別弁ポートの部分的側面図、第４図は
更に異なった態様の個別弁ポートの部分的測面図である
。 １・・・プランジャ型スプール、２・・・第１の鍔、３
・・・第２の鍔、４・・・環状溝、５・・・室、６・・
・供給導管、７・・・ケーシング、８，９・・・環状溝
、１０．１１・・・３７・・・共通の弁ポート、３８・
・・共通制御縁、３９゜４０，４１・・・個別制御縁、
４２・・・共通の仮想線、４３・・・スプール運動方向
、３１’、 ３２’、 ３３’・・・個別弁ポートとし
ての方形凹設部、３９’、４０’。 ４１′・・・個別制御縁、３１“、３２“、３３“・・
・個別弁ポートとしての四角形孔、３９“、４０“、４
１“・・・個別制御縁、４４・・・スリーブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 互いに摺動し合い相対運動可能な２つの弁部分つま
   りケーシングとスプールを備え、両弁部分の摺動面に夫
   々制御縁を設けてあり、これら制御縁の相互制御動作に
   よって、いかなる位置においても規定の相互関係にある
   少なくとも２つの開弁横断面を解放する形式の弁装置に
   おいて、一方の弁部分であるスプール１７ ； １７’
   ； １７”Ｏ個別制御縁３９，４０，４１；３９’、
   ４０’、４１’；３９“。 ４０“、４Ｖが複数の個別弁ポート３１，３２゜３３；
   ３１’、３７，３３’；３１”、３２“、 ３３”Ｖ形
   成されており、これらの個別弁ポートが、前記スプール
   の運動方向に対して直角方向で互いにずらして設けられ
   ていて該スプール内に穿設した通路３４．３５，３６を
   介して、スプール軸方向でずらされた接続用弁室２２，
   ２３，２４と連通しており、かつ他方の弁部分であるケ
   ーシング２８には、共通の弁ポート３７に形成されたた
   だ１つの共通の制御縁３８が設けられていることを特徴
   とする摺動し合う２つの弁部分を備えた弁装置。 ２ 個別弁ポート３１ 、３２ 、３３ ；３１’、３
   ２’。 ３３’；３１“、３２“、３３′め個別制御縁３９．４
   ０４１ ； ３９’、 ４０’、 ４１’； ３９“、
   ４０“、４１“が、スプール運動方向に対して垂直に延
   びる共通の仮想線４２上に位置しかつ共通の弁ポート３
   ７の共通制御縁３８が前記仮想線４２に対して平行に延
   びている特許請求の範囲第１項記載の弁装置。 ３ プランジャ型スプール１７が、１つの鍔２００１本
   の周方向線上に設けた複数の個別弁ポート３９．４０，
   ４１を有しかつ前記鍔２０が、ケーシング２８に設けた
   １つの環状溝２９を覆っていて、該環状溝が共通の弁ポ
   ート３７を形成している特許請求の範囲第１項記載の弁
   装置。 ４ 鍔２０が、プランジャ型スプール１７に設ケた２つ
   の環状溝２３．２４を仕切っており、両環状溝が夫々１
   つの接続用弁室を形成している特許請求の範囲第３項記
   載の弁装置。 ５ 個別弁ポー）３１．３２，３３が中ぐり又はフライ
   ス切削によりスプール表面に形成された円形孔から成っ
   ている特許請求の範囲第４項記載の弁装置。 ６ 個別弁ポート３１’、３２’、３３’がスプール表
   面にフライス切削又は研削された方形凹設部によって形
   成されている特許請求の範囲第４項記載の弁装置。 ７ 個別弁ポート３１“、３２“、３３″／ｌ；、スプ
   ール外周を形成する鑞接されたスリーブ４４内に打抜か
   れた孔によって形成されている特許請求の範囲第４項記
   載の弁装置。