JPS5853070Y2 - 時計バンド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、時計バンドの改良に関し、詳しくは、矩形表
鈑の下面において全幅にわたって凹設した上向凹溝に平
面はぼ扇形連結鈑を取付け、その連結鈑は円弧状凸縁側
を矩形表鈑から突出せしめ、かつその円弧凸縁側に貫通
孔を開穿し、矩形表鈑の上向凹溝に嵌着する表鈑に開穿
したねし孔及び上記貫通孔に連結用のねじを螺合し、長
辺側両側縁を伺い合せに多数配列した矩形表鈑の上向凹
溝内に扇形連結鈑の円弧状凸縁側を嵌合して矩形表鈑を
相互に連結構成した時計バンドの改良に関する。

この周知のバンドは、連結板が平面はぼ扇形に構成され
ているため、円弧状凸縁側を矩形表鈑の上向凹溝内に嵌
合して矩形表鈑を連結してバンドを構成すると、連結鈑
の円弧状曲縁が隣の連結鈑の円弧状凹縁に対向し、連結
用のねじを中心にして矩形表鈑の短辺側両側端部を往復
回動せしめ、使用中にガタつき、体毛、衣服などが矩形
表鈑間の拡がった隙間に挾まれ、けがをしたり、衣服を
切裂したりするなどの危険や不利があって改良が望まれ
ている。

本考案は、このような要望に対して提案するもので、周
知の扇形連結鈑を角形に構成せしめ、■本の連結用ねし
及び連結鈑で矩形の表鈑を連結して時計バンドを構成し
ても、該表鈑の短辺側両側端部が、上記ねじを中心にし
て往復回動せず、従って、使用中にガタつかず、けがや
衣服の切裂などを惹起す惧れの少ない有益な時計バンド
の提供を目的とすると共に、矩形の表鈑の長辺側片側縁
に構成した傾斜縁、及び連結鈑の突出側上面に構成した
傾斜面によって彎曲性に富み、手首によくなじんで使用
しやすい時計バンドの提供を目的とする。

本考案の一実施例を図面について説明すれば、駒Ａは、
矩形の表鈑１、角形に構成された連結鈑２、矩形の表鈑
３などの主要部材で構成し、得られた駒を連結用のねじ
４で連結して製品を得る。

上記主要部材をまず説明すると、矩形の表鈑１は、下面
における全幅にわたって上向凹溝１０１を凹設し、かつ
上面幅よりも下面幅が狭くなるように長辺側の片側縁を
上方から下方に向って傾斜縁１０２に形成しこの傾斜縁
と反対側の長辺側は垂直縁１０３に形成して構成する。

矩形の表鈑１は、横長形状に構成されると共に、第４図
に示す如く断面逆回字形に構成され、第２図及び第５図
などに示す如く長辺側の片側縁が傾斜縁１０２に形成さ
れると共に、長辺側の反対側縁が垂直縁１０３に形成さ
れて全体が構成される。

連結鈑２は、表鈑１の上向凹溝１０１内に嵌合して固着
する嵌合側端縁を平面山形状の角形凹縁２０１に構成し
、表鈑１の垂直縁１０３から突出する突出側端縁を角形
凹縁２０１と相似形の角形曲縁２０２に構成し、さらに
、表鈑１の垂直縁１０３から突出する突出側の上面を表
鈑１側か角形曲縁２０２側へ向って傾斜面２０３に構成
すると共に、その突出側に上向連結孔２０４を貫通開穿
し、横に長い平面はぼ山形の角形に構成すると共に、表
鈑１の上向凹溝１０１の長さに適合する長さに構成して
全体を形づくる。

しかして、連結鈑２の角形凹縁２０１及び角形曲縁２０
２の形状は、図示例に限定されるものではなく、たとえ
ば、角形凹縁２０１を平面逆回字形に構成し、かつ角形
曲縁２０２を平面凸字形に構成してもよく、その他バン
ド構成後において駒Ａが連結用ねじ４を中心にして回動
せず、ガタつかない安定した連結形態が得られる縁形状
に構成されていればよい。

底版３は、表鈑１の上向凹溝１０１の長さに適合する長
さ、及び表鈑１の下面幅よりも若干狭い幅をもった横長
の矩形に構成され、かつ表鈑１の傾斜縁１０２側に配さ
れる長辺側の片側縁が、該傾斜縁と同じ勾配の傾斜縁３
０２に構成され、さらに連結用のねじ４を螺合するため
の上向ねじ孔３０１を貫通開穿して全体を構成する。

連結用のねじ４は、螺旋溝のない小径先部４０１及び螺
旋溝をもった大径基部４０２で構成すると共に、大径基
部の端面に一文字溝又は十文字溝４０３を凹設して全体
を構成したヘッドのない小ねじである。

次に、上記主要部材で駒Ａ及びバンドを構成する場合を
説明する。

駒Ａは、表鈑１の上向凹溝１０１に連結鈑２の角型凹縁
２０１側を嵌合し連結鈑２の角型突縁２０２側を表鈑１
の垂直縁１０３から突出せしめ、連結鈑２の傾斜面２０
３の表鈑側終端を表鈑１の垂直縁１０３の端面に揃え、
底版３の表鈑１の上向凹溝１０１に嵌装し、底版３の傾
斜縁３０２を表鈑１の傾斜縁１０２に揃えた後、表鈑１
、連結鈑２の角型凹縁２０１側、底版３をスポット溶接
５で相互に固着して構成する。

かくして得られた駒Ａは、第３図、第５図等に示す如く
連結鈑２の角型曲縁１０２、傾斜面２０３、上向連結孔
２０４などが、表鈑１の垂直縁１０３から突出した形態
に構成され、かつ底版３の上向ねじ孔３０１が、表鈑１
の上向凹溝１０１内に臨んで構成される。

バンドを構成する時は、表鈑１の傾斜縁１０２と垂直縁
１０３とを向合せにして多数の駒Ａを配置し、連結鈑２
の角形曲縁２０２を隣の駒Ａの表鈑１の上向凹溝１０１
内に嵌合すると共に、該隣の駒Ａの連結鈑２の角型凹縁
２０１に係合せしめ、連結鈑２の上向連結孔２０４及び
底版３の上向ねじ孔３０１に連結用のねじ４を螺合し、
かくして多数の駒Ａを配置した順に従って相互に連結し
て第１図、第２図、第５図等に示す如くバンドを構成す
る。

構成されたバンドは、第５図に程す如く、駒Ａの表鈑１
の上向凹溝１０１の上向面と、この凹溝内に嵌合されて
いる連結鈑２の傾斜面２０３との間にほぼ直角三角形の
空隙が形成され、かつ相互に連結された駒Ａの表鈑１の
傾斜縁１０２と、隣の駒Ａにおける表鈑１の垂直縁１０
３との間にもほぼ直角三角形の空隙が形成されるので、
底版３が配された表側へ頗る彎曲性に富んだ構造になり
、手首によくなじむ構造になると共に、連結鈑２の上記
した角形構造により、連結用のねじ４を中心にして各駒
Ａの表鈑１における短辺側両端部が往復回動してガタつ
くような惧れはなく、安定した連結形態を保持し、隣合
う駒Ａ間のほぼ直角三角形状空隙が拡がる心配が解消し
、体毛や衣服が拡がった該空隙に挾まる惧れが減少し、
けがする危険や衣服切裂を生じる不利などを減少せしめ
得る利点がある。

本考案は、斜上のように構成したから、各駒における表
鈑の上向凹溝の上向面と、この凹溝内に嵌合されている
連結鈑の傾斜面との間にほぼ直角三角形の空隙が形成さ
れ、かつ相互に連結された各駒の表鈑の傾斜縁と、隣の
駒における表鈑の垂直縁との間にもほぼ直角三角形の僅
かな空隙が形成されるので、底版が備えられた裏側へ頗
る彎曲性に富んだ構造になる。

従って、手首に巻いたときは、手首によくなじみ、違和
感が少なくて使用心地が良くなる利点がある。

そして、連結鈑の前記角形構造により、各駒の表鈑にお
ける短辺側両端部が、連結用のねじを中心にして往復回
動することはない。

従って、使用中にガタつく惧れが解消して安定した連結
状態を保持し、隣合う駒間のほぼ直角形の空隙が拡がる
惧れが解消し、体毛や衣服が、拡がった該空隙に挾まる
ことに起因するけがの危険や衣服の切裂発生などの不利
を解消せしめ得る効果がある。

よって、周知の前記バンドを著しく改良しえて、所期の
目的を達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案バンドを時計に取付けた状態を示す一部
平面図、第２図はバンドの一部を切欠して要部を表わし
た一部斜視図、第３図は駒の平面図、第４図は第３図の
１−１線による断面図、第５図は第３図の２−２線によ
る断面図で、バンドの構成を説明した図である。 図中、Ａは駒、１は表鈑、１０１は上向凹溝、１０２は
傾斜縁、１０３は垂直縁、２は連結鈑、２０１は角形凹
縁、２０２は角形突縁、２０３は傾斜面、２０４は上向
連結孔、３は底版、３０１は上向ねし孔、４は連結用ね
じである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下面における全幅にわたって上向凹溝１０１が凹設され
   、かつ上面幅よりも下面幅が狭くなるように長辺側の片
   側縁が上方から下方に向って傾斜縁１０２に構成された
   矩形の表鈑１と、上記上向凹溝１０１内に嵌合固着され
   る嵌合側端縁を角形凹縁２０１に構成すると共に、表鈑
   １の傾斜縁１０２と反対側の長辺側垂直縁１０３から突
   出する突出側端縁を角形凹縁２０１と相似形の角形曲縁
   ２０２に構成し、さらに上記長辺側垂直縁１０３から突
   出する突出側上面を表鈑１側から角形曲縁２０２側へ向
   って傾斜面２０３に構成すると共に、その突出側に上向
   連結孔２０４を開穿して構成した連結鈑２と、上向ねじ
   孔３０１を貫通開穿して表鈑１の上向凹溝１０１に嵌合
   し、かつ連結鈑２と共に表鈑１に固着する矩形の表鈑３
   とで構成した駒Ａを連結することによって構成する時計
   バンドであって、駒Ａは表鈑１の長辺側傾斜縁１０２と
   長辺側垂直縁１０３とを向合せに多数配列せしめ、連結
   鈑２の前記角形曲縁２０２を隣の駒Ａの表鈑１の上向凹
   溝１０１内に嵌合すると共に、該隣の駒の連結鈑２の角
   形凹縁２０１に係合せしめ、連結鈑２の上向連結孔２０
   ４及び表鈑３の上向ねじ孔３０１に連結用ねじ４を螺合
   して駒Ａを相互に連結した構造。