JPS5851747Y2 - ロ−プ表面付着物の除去装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は定置網や養殖装置のごとき水中施設を敷設す
るために使用されるロープの表面付着物を除去する装置
に関するものである。

上記のような施設を水中に張設するために使用されるロ
ープには海藻や貝類などが着生し易いが、特にこれらを
水中定位置に保持するためのメインロープとして使用さ
れる錨綱や繋鋼などは、長期間水中に延出し張り立てら
れているため、着生した海藻や貝類が増殖しロープ自体
の流体抵抗を著しく増大させる。

このため潮流などにふかれて装置の一部が沈降しその張
り立て形状が大きく損われたり、あるいは又ロープが切
断した場合には施設の破壊や流失事故にもつながるとい
う問題があり、この種ロープにおける表面付着物の除去
は漁期中庸、必要とされている。

しかしこの除去作業を行うにしても上記のような敷設用
メインロープの場合にはこれを完全に水面上に引揚げて
清掃することも出来ないため、精々水面近傍の部分を引
揚げて処理する程度にとどめざるを得す、したがって通
常はダイパーを使用しその水中手作業により清掃処理が
行われるという極めて非能率的な手段が講じられている
に過ぎない。

しかし一方、施設が大型化し、又これに加えて合成繊維
ロープのように一漁期にとどまらず長期間水中での使用
に耐え得るものがこの種ロープに使用されるようになっ
た現在、漁期終了とともに施設本体は引揚げても敷設用
ロープの方は次期までそのまま水中に残して置くという
方法がとられるようになっている。

このため海藻や貝類の着生もより著しく、これら付着物
の除去に対する負担も益々増大するという傾向の下にあ
って、より簡単で確実かつ能率のよい除去作業を行い得
る装置の開発が望まれている。

この考案は上述のようなことに着目してなされたもので
、その目的とするところは例えば船上など水面上から離
間操作可能な除去装置を水中に延出するロープに装着し
、これをロープに沿って前後に移動させることにより、
表面付着物゛を剥離粉砕し、゛ダイパーなどの人力に頼
ることなく極めて能率的に除去することができるように
したロープ表面付着物の除去゛装置を提供することにあ
る。

すなわち上記除去装置は装置本体の一端に船上などから
延出される格上用ロープを装着するとともに、本体の一
側にはＶ字状溝を有する複数個の回転ローラ、すなわち
３個以上の回転ローラがそれぞれ離間して同一軸線上あ
るいは千鳥状に配置され、本体の他側には上記ローラの
少なくとも１個を回転駆動させるための油圧もしくは電
動駆動モータが取り付けられている。

そして付着物を除去すべきロープを上記ローラ間に蛇行
状に掛は金わせるとともに各ローラのＶ字状溝内に嵌入
した後、上記駆動ローラを正転もしくは逆転させて装置
本体をロープ沿いに前進、後退させることにより、ロー
プの表面付着物を上記ローラ溝内で強制的に粉砕、剥離
し除去して行くものでこれによって水面下に延出するロ
ープを殆んど張立て状態のままで清掃することができる
ように構成したものである。

以下この考案を図示の一実施例について説明する。

第１図に示されるように、１は定置網などの外枠に一端
を装着し、他端部を水中に延出して水底の土俵に接続固
定した繋鋼、すなわち保持用ロープで、ｌａ、ｌｂはそ
れぞれロープ表面に付着した海藻や貝類である。

２は船体、３は船上に装備されたサイドウィンチで、４
は後述する除去装置本体５の一端に取付けられた持上用
ロープ６を捲上げるためのウィンチである。

さらにこの除去装置は、第２図ないし第４図に示すごと
く、本体５の一側にＶ字状の溝付き回転ローラ７・・・
・・・が同一軸線上に互いに離間して軸支されており、
がっこれらローラ７・・・・・・の少なくともＶ字状溝
底部には第５図に示すごとく溝層面方向に直交する多数
の突条７′・・・・・・が設けられている。

また８は装置本体５の他側に取付けられた上記回転ロー
ラの駆動用モーターであって、このモーターは例えば船
上の油圧装置から油圧パイプ８′を介して連結され正逆
回転自在に操作される油圧駆動モーターであり、又上記
油圧にかえ、船上から延出される電源ケーブルによって
接続される電動モーターのいずれでもよく、このモータ
ー軸に回転軸を連結した先端側ローラ７□が同じく正逆
方向に回転するようになっている。

又この実施例においては上記先端側ローラ７□および゛
中間ローラ７□の回転軸にそれぞれ固定された歯車７、
′、７２′が中間歯車を介して歯合し、中間ローラ７□
も又先端側ローラ７□と同方向に回転駆動されるように
構成されている。

さらに装置本体５には第３図、第４図に示すように、各
ローラ７・・・・・・に対応して突設されたブラケット
５′・・・・・・に基端部が枢支された鉤型の開閉アー
ム９・・・・・・が装着されていて、後述するように各
ローラ７・・・・・・に対するロープ１の掛は合わせ時
には開放し、掛は合わせ後には、閉塞し、例えば図示の
ごとくブラケット５′・・・・・・にストッパーピン５
″・・・・・・を貫挿して固定するようになっている。

以上のように構成される除去装置を使用するには、先ず
ロープ１の一端を把持して船上のウィンチ３で舷側ごし
に捲きあげ、装置本体の開閉アーム９・・・・・・を開
いて各ローラ７・・・・・・にロープ１を第３図に示す
ごとく、順次蛇行状に掛は合わせるとともに各、ローラ
７・・・・・・のＶ字状溝内に嵌入させた後、各開閉ア
ーム９・・・・・・を閉塞固定する。

ついで船上の油圧装置を操作して駆動モーター８を作動
させ駆動側のローラ７□、７２を図示の矢印方向に回転
させると、ローラの溝底部に設けられた突条７′・・・
・・・が緊張状態にあるロープ１の表面に食いこんで前
進し、装置本体５をロープ沿いに水深方向へと走行させ
る。

そしてこの本体５の走行移動に伴いロープ１は蛇行状に
屈曲しながらローラ７・・・・・・を通過し、ロープ表
面の付着物は、ローラ７・・・・・・のＶ字状溝底部に
押しつけられるとともに回転する突条７′・・・・・・
によって順次破壊、粉砕あるいは剥離してロープから除
去される。

又この前進についで駆動モータ８を逆転操作することに
より装置本体を後進させれば、上記同様の作用によって
付着物の除去がおこなわれる。

さらにこのような前進後退によってもなお海藻などの付
着物がロープ表面に残るような場合は駆動モーター８を
停止してローラ７□、７□の回転を止めたまま前記持上
用ロープ６をウィンチ４にかけて捲上げ、ローラ溝底部
の突条７′・・・・・・を介して強制的にロープ１表面
をしごくことにより剥離除去することができる。

なお、上記実施例ではローラ溝底部のみに突条７′・・
・・・・を設けたが、これらをＶ字状溝の側壁面にも設
けるようにすれば、ローラの回転に伴い付着物の破砕、
剥離をより効果的に行うことができる。

以上、実施例において示したようにこの考案の除去装置
によれば、駆動モーター８を船上から正逆転自在に操作
し、ローラ７・・・・・・を回転させてロープ上を前進
、後退させ、あるいは回転を停止させた状態で装置本体
を引きあげロープ上を強制的に摺動させることにより、
殆んど完全に表面付着物を除去することができるから、
従来の潜水手作業によるものに比し極めて能率的であり
、又ロープ１を引揚げることなく水中に張設した状態の
まま船上からの操作によって作業できるので、この種施
設において、ロープ表面付着物の除去作業の負担を大幅
に軽減することができるという実用的効果を有するもの
である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は除去装置を
使用した作業の概略図で、第２図は除去装置の一部を切
欠した平面図、第３図は同装置の正面図、第４図は同じ
くその側面図であり、第５図は第１図■−Ｖ線部のロー
ラ断面図である。 １・・・・・・敷設用ロープ、３・・・・・・サイドウ
ィンチ、４・・・・・・持上用ロープのウィンチ、５・
・・・・・除去装置本体、６・・・・・・持上用ロープ
、７・・・・・・Ｖ字状溝付きローラ、７′・・・・・
・突条、８・・・・・・駆動モーター、９・・・・・・
開閉アーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ■字状溝部の周方向に直交する多数の突条を設けた３個
   以上の回転ローラを離間させ℃装置本体の一側に配設し
   、これらローラの少くとも１個を駆動させるため水面上
   から正逆回転自在に離隔操作可能な駆動モーターを本体
   の他側に設け、水中に敷設したロープの一端部を上記ロ
   ーラに蛇行状に掛は合わせて、上記ロープ上を前後に走
   行させることによりロープの表面付着物を破砕剥離する
   ようにしたロープ表面付着物の除去装置。