JPS5838714B2 - 太陽光集光装置の誤差修正方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、太陽光集光装置の誤差修正方法に係り、特に
太陽の位置に応じて平面鏡を追従し、太陽光を集熱体に
集める太陽光集光装置の誤差修正方法に関する。

第１図では曲面集光方式の太陽熱発電集光装置の概略構
造が示されている。

太陽１からの太陽光線２は平面鏡３で反射し、放物面鏡
５で再び反射して、水平に設置した集熱管６に入射する
。

集熱管６内の冷却材は太陽熱によって蒸発し、これをタ
ービンに導き発電する。

平面鏡３は、平面鏡３の反射光を固定された放物面鏡５
に入射させるために太陽に追従させている。

この場合平面鏡３からの反射光を正確に放物面鏡５に集
光させるため、平面鏡３の据付精度及び平面鏡３の太陽
追尾精度に厳しい条件が要求される。

しかしながら現実には、太陽熱発電装置建設の際に個々
の平面鏡を据付けること並びに個々の平面鏡の太陽追尾
を精度良く調整することは、平面鏡の数が多数のため、
これらの調整に要する時間が長時間にわたり、作業量が
膨大となる欠点がある。

第２図はタワー集光方式の発電集光装置の概略構造を示
している。

第２図に於いて平面鏡３で反射した光は、タワー８の上
部に設置された集熱器９に入射し、一方タワー下部から
上昇した冷却材は集熱器９で蒸発しタワーを下降してタ
ービンに入る。

このタワー集光方式の太陽光集光装置でも平面鏡３を太
陽追尾させて常時集熱器９に正確に入射する必要があり
、多数の平面鏡３の据付調整及び正確な太陽追尾が必要
となる。

しかしながら従来の太陽熱発電装置では、平面鏡据付調
整誤差並びに太陽追尾誤差を簡単に発電することは困難
であった。

本発明は、前記従来の太陽熱発電装置の欠点を排除する
ために成されたもので、平面鏡据付調整誤差並びに太陽
追尾誤差を簡単に修正することができる太陽光集光装置
の誤差修正方法を提案することを目的としている。

本発明は、太陽の位置に応じて平面鏡を追従し、太陽光
を集熱体に集める太陽光集光装置の誤差修正方法に於い
て、平面鏡据付誤差（平面鏡の法線棒の東西方向の回り
の角度誤差、南北方向の回りの角度誤差、赤緯角度誤差
）並びに平面鏡の太陽追尾誤差の理論値による太陽像軌
跡を求め、平面鏡を太陽に実際に追従させたどきの太陽
像軌跡を求め、両者の軌跡を比較することにより太陽光
集光装置の平面鏡据付誤差並びに太陽追尾誤差を修正す
ることを特徴としている。

以下添付図面に従って本発明に係る太陽光集光装置の誤
差修正方法の好ましい実施例を詳説する。

第３図は、平面鏡３の太陽像の観測例が示されている。

第３図に於いて、実線で示す円がある時刻に於ける太陽
像であり、破線で示す円が平面鏡中央に於ける太陽像で
ある。

本来、平面鏡３の集光点から平面鏡の太陽像を見れば、
平面鏡３が正確にセットされていると、太陽像は第３図
ａないしｅに於いて破線の円で示すように鏡の中心にあ
り移動しない。

ところが第３図の観測例のように、太陽像が時刻によっ
て移動するのは、太陽光集光装置に於いて据付誤差又は
太陽追尾誤差が生じていると判断ができる。

第４図では、誤差の理論値を求めるための平面鏡３の据
付構造が示されている。

平面鏡３０法線棒１１を太陽指向棒１２で回転すること
によって平面鏡３を常に太陽に向ける構造を有している
。

図に於いて１３は平面鏡の支持棒であり、１４は太陽光
線２０反射光であり、１５は据付誤差が生じた場合の太
陽光線２０反射光である。

この平面鏡３の法線枠１１の東西方向回りに持つ角度誤
差をα、南北方向の回りに持つ角度誤差をβ、赤緯角誤
差εとし、第４図に示されている。

平面鏡３の据付の際にα、β、εが生じた場合並びに時
角追尾誤差γが生じた場合第４図から太陽像の時間変化
に伴う太陽像軌跡を求め、これが第５図ａないしｄに示
されている。

すなわち第４図の観測点は、平面鏡３の集光点であるか
ら、誤差の無い場合の太陽像は平面鏡中央に来る。

第５図ａに於いては、αの誤差を持つ太陽像軌跡が示さ
れ、Ａは東方向の誤差を示し、Ｂは西方向の誤差を示し
ている。

第５図すではβの誤差を持つ太陽像軌跡が示すし、Ａは
北方向の誤差を示し、Ｂは南方向の誤差を示している。

第５図Ｃではεの誤差を持つ太陽像軌跡が示され、Ａは
北方向の誤差を示し、Ｂは南方向の誤差を示している。

又第５図ｄは時角尾誤差γを持つ太陽像軌跡が示されて
いる。

このように第５図ａないしｄに示された太陽像の時間変
化の軌跡から、平面鏡据付誤差および太陽追尾誤差の種
類が判別できる。

第６図は実測に於ける太陽像軌跡を求めるための実験装
置が示されている。

すなわち太陽像撮影の場合には、平面鏡からの反射光強
度が強過ぎて既存のフィルタ等は使用できないため、ピ
ンホールカメラを応用した実験装置が示されている。

放物面鏡５が取付けられたスタンド７上にはピンホール
カメラ１６が設置され、このピンホールカメラ１６には
ピンホール１７とスクリーン１８が設けられている。

第７図は第６図に示す実験装置で求めた太陽像の軌跡で
ある。

すなわち黒丸印は１０時に測定した場合の太陽像の位置
であり、×印は１２時に測定した太陽位置であり、Δ印
は１４時に測定した太陽像の観測位置である。

この第７図かられかるように、１０時には一列に設置さ
れた平面鏡からの反射光による太陽像は各平面鏡の中央
に位置しているが、時間の経過と共に左の方向へ移動し
ている。

これは第５図に示した計算結果からの太陽像軌跡によれ
ば、第５図ｄに該当し、平面鏡の時角変化が大きすぎる
ことに原因がある。

このためこのような場合には時角駆動用モータ回転数を
減少させ時間変化を小さくする。

実験結果によれば、モータ回転数を修正後浴太陽像は平
面鏡中央位置に映り、時刻が変化しても移動せず、太陽
追尾が正常に戻ったことが判断される。

これは本発明による平面鏡の太陽後尾の調整例である。

又このようにして第６図に示す測定法によって得た太陽
像の時間変化と、第５図に示した計算結果からの太陽像
軌跡により、据付調整誤差を発見し再調整することが可
能である。

第８図並びに第９図では本発明に係る他の実施例が示さ
れている。

すなわち第８図並びに第９図に示す装置は、太陽像を電
気信号に変換し、これを計算機に入力し、太陽像の時間
変化の解析から据付調整誤差及び太陽追尾誤差を指摘す
るために作られたものである。

第８図に於いて平面鏡からノ反射光は反射鏡２２で反射
してピンホール２３を通り、レンズ２４でフォー力シン
グスタリーン２５上に太陽像を映す。

これをレンズ２６で中継シテ再び反射鏡２７で反射させ
て、テレビカメラ２８で撮影する。

第９図は太陽像のテータ処理法を示すブロック図である
。

第９図に示す装置はテレビカメラからの信号を計算機に
入力し、平面鏡の調節すべき個所を指摘する装置である
。

すなわち第８図で示した装置によって得られたテレビヵ
メラの信号をアナログ−デジタルコンバータ３０に入力
し、３０からのテジタル信号を計算機３１に入れる。

計算機３１内で太陽像の時間変化を記録し、予め計算機
内に記録しておいた平面鏡据付誤差、および太陽追尾誤
差によって生じる太陽像の時間変化の計算結果と比較す
る。

観測結果と計算結果を比較することによって平面鏡の調
整すべき個所をタイプライタ３２によって表示する。

又、太陽像の時間変化に関してはモニタテレビ２９およ
びタイプライタで表示することによってオペレータにも
容易に観測できる構成とする。

以上説明したように本発明に係る太陽光集光装置の誤差
修正方法によれば、多数の平面鏡を使用する太陽熱発電
装置に於いて、平面鏡の据付調整および太陽追尾調整を
簡単に実行することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は曲面集光方式の太陽熱発電集光装置の概略構造
を示す説明図、第２図はタワー集光方式の太陽熱発電集
光装置の概略構造を示す説明図、第３図は平面鏡の太陽
像の観測例を示す説明図、第４図は平面鏡の据付構造に
於いて据付誤差が生じる場合を説明するための説明図、
第５図は据付誤差と太陽追尾誤差とを計算により求めた
太陽像軌跡を示す説明図、第６図は実測の太陽像軌跡を
求めるための実験装置の説明図、第７図は第６図に示し
た実験装置により太陽像軌跡を求めた太陽像を示す説明
図、第８図は他の実施例の構造を示す説明図、第９図は
他の実施例を示すプロッタ図である。 １・・・太陽、２・・・太陽光、３・・・平面鏡、５・
・・放物面鏡、６・・・集熱管、１１・・・法線枠、α
・・・平面鏡の法線枠の東西方向回りの角度差、β・・
・南北方向回りの角度差、ε・・・赤緯角度差、γ・・
・太陽追尾誤差。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 太陽の位置に応じて平面鏡を追従し、太陽光を平面
   鏡を用いて集熱体に集める太陽光集光装置の誤差修正方
   法に於いて、平面鏡据付誤差並びに平面鏡の太陽追尾誤
   差の理論値による太陽像軌跡を求め、平面鏡を太陽に実
   際に追従させたときの太陽像軌跡を求め、両者の軌跡を
   比較することにより太陽光集光装置の平面鏡据付誤差並
   びに太陽追尾誤差を修正することを特徴とする太陽光集
   光装置の誤差修正方法。