JPS5824655Y2 - 衝撃エネルギ吸収装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、衝撃時のエネルギを吸収する衝撃エネルギ吸
収装置、例えばエネルギ吸収式ステアリング装置に関す
る。

従来のエネルギ吸収式ステアリング装置では、中空の管
状部材内に衝撃吸収材料が収容され、衝撃時に、中空管
状部材の軸方向上端から棒状部材が中空管状部材内へ押
し込１れるとともに、衝撃吸収材料が圧縮、変形、およ
び破壊し、中空管状部材の軸方向下端のブラケットのオ
リフィスから衝撃吸収材料が粉末として放出し、これに
より衝撃が吸収されている。

このような従来のエネルギ吸収式ステアリング装置では
、衝撃吸収材料が均一に配置されている場合、ステアリ
ング装置の衝撃荷重が、棒状部材の変位計全範囲に渡っ
て一定になってしまい、変位量に応じて衝撃荷重を変更
することが困難である。

本考案の目的は、棒状部材の変位量に応じて衝撃荷重が
変化する衝撃エネルギ吸収装置を提供することである。

この目的を達成するために本考案によれば、下部のブラ
ケットのオリフィスの他に、衝撃吸収材料が通過可能で
ある通路が棒状部材にも形成され、棒状部材の全移動範
囲のうちの特定の部分範囲においてはこの通路を経て衝
撃吸収材料が管状部材外へ導かれる。

次に図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図にかいて、棒状部材１は、上端に釦いてステアリ
ングホイール（図示せず）に固定され、他端において中
空管状部材２の上端開口１０内へ挿入されている。

衝撃吸収材料としてのシリコン樹脂３は中空管状部材２
内に収容されており、中空管状部材２の下端にはブラケ
ット４が取り付けられている。

ブラケット４には、軸方向へ貫通するオリフィス５が設
けられ、オリフィス５は栓６によってふさがれている。

ブラケット４は、ギヤボックス（図示せず）に連結され
ており、ギヤボックスにおいて軸方向下方への移動を阻
止されている。

棒状部材１には、その下端７から所定長さだけ上方へ延
びかつ軸方向所定位置８において局面へ連通する第２の
通路としての放出通路９が設けられている。

実施例では放出通路９の軸方向長さはシリコン樹脂３の
軸方向長さより短い。

第２図のグラフを参照して実施例の作用を説明する。

第２図において、横軸は棒状部材１の変位ｉＡ、縦軸は
衝撃荷重Ｂを表わし、Ｃｔ（実線）は従来のステアリン
グ装置、すなわちオリフィス５を有するが棒状部材１に
通路９を有しないステアリング装置における特性を示し
、Ｃ２（一点鎖線）は第１図のステアリング装置におけ
る特性を示す。

従来の特性Ｃ１において、小さい傾斜の領域Ｃ１１は、
シリコン樹脂３が弾性変形してシリコン樹脂３と管状部
材２との間の隙間を充てんする領域を示し、大きい傾斜
の領域Ｃ１゜は、完全に隙間なく充てんされたシリコン
樹脂３が圧縮変形する領域を示し、フラットな領域ｅ１
３ は、シリコン樹脂３が破壊されかつ栓６が外れて
、粉末となったシリコン樹脂がオリフィス５を介して放
出する領域を示す。

変位ｔａ１は、加えられた衝撃エネルギが完全に吸収さ
れて棒状部材１と管状部材２との間の相対移動が阻止さ
れる時の値を表わす。

実施例の特性Ｃ２において、Ｃ２１？０２２はそれぞれ
ｃ１□＞ｅｌ。

に対応し、Ｃ２３は、シリコン樹脂３が破壊しかつ栓６
が外れ、シリコン樹脂３が粉末となってオリフィス５お
よび通路９を介して放出される領域を示す。

棒状部材１の変位量が所定値ａ２に達すると、個所８が
管状部材２内に入り込み、放出通路９は外部へ連通しな
いので、領域Ｃ２４ではシリコン樹脂３の粉末はオリフ
ィス５のみから放出され、これにより領域ｅ２４ は
領域ｃ２３ より高い衝撃荷重に維持される。

第３図、第４図はそれぞれ本考案の他の実施例を示し、
第１図に対応する部分は同符号で指示してその説明を省
略する。

第３図にむいて棒状部材１に設けられる第２の通路とし
ての放出通路１３は、棒状部材１の周面上の軸方向の所
定個所１４と１５とを連通ずる。

下側の個所１４は棒状部材１の下端Ｉから所定距離だけ
離れている。

第４図においては棒状部材１の外周上に形成された溝１
８が第２の通路としての放出通路の役目を果たす。

溝１８は、第３図の通路１３と同じく、棒状部材１の軸
方向へ個所１４から個所１５へ延びている。

溝１８は、トンネル状の通路９，１３に比べて作製が容
易である利点をもつ。

第３図および第４図のステアリング装置に関する変位量
−衝撃荷重特性は第２図のＣ３（破線）により表わされ
ている。

すなわちＣ３１）Ｃ３゜は特性Ｃ１のＣ□１．ｃ１□
に一致する。

変位量が８３以上に達すると、シリコン樹脂３が粉末と
なってオリフィス５から放出し、他方棒状部材１の個所
１４はなお管状部材２の外部に位置するので、シリコン
樹脂３の粉末は通路１３を介しては放出されず、こうし
て領域ｃ３３が生じる。

変位量が値ａ４に達すると、個所１４は管状部材２内に
、個所１５は管状部材２の外部にそれぞれ位置し、通路
１３あるいは溝１８が管状部材２の内部と外部とを連通
ずるので１、シリコン樹脂３の破壊に伴う粉末はオリフ
ィス５とともに通路１３あるいは溝１８を介して外部へ
放出され、これにより衝撃荷重Ｂは減少し、領域ｅ３４
が生じる。

このように本考案によれば、破壊したシリコン樹脂３を
棒状部材１の全移動範囲９からの特定の部分範囲におい
ては管状部材２の外部へ放出する放出手段として、ブラ
ケット４のオリフィス５の他に、棒状部材１に放出通路
９，１３，１８が設けられる。

こうしてステアリング装置、すなわち衝撃エネルギ吸収
装置の変位置−衝撃荷重特性を変位量に関係して変更す
ることが可能となる。

また棒状部材１における放出通路の軸方向位置および長
さ、あるいは通路面積を適当に選択することにより、任
意の変位駿−衝撃荷重特性を得ることができる。

なお実施例は本考案を車両のステアリング装置に適用し
た例を示しているが、本考案の衝撃エネルギ吸収装置は
実施例に限定されないことはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の縦断痛図、第２図は本考案の
実施例における変位置−衝撃荷重特性を示すグラフ、第
３図および第４図はそれぞれ本考案の他の実施例の縦断
面図である。 １・・・・・・棒状部材、２・・・・・・中空管状部材
、３・・・・・・シリコン樹脂１，４・・・・・・ブラ
ケット、５・・・・・・オリフィス、９，１３，１８・
・・・・・放出通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 衝撃吸収材料を収容する管状部材１．この管状部材の一
   端に固定され衝撃時に管状部材内の衝撃吸収材料を管状
   部材外へ導くオリフィスを有するブラケット、および管
   状部材の他端に嵌合し、衝撃時にブラケットの方へ管状
   部材内を移動する棒状部材を備え、管状部材の全移動範
   囲のうちの特定の部分範囲においてのみ管状部材内の衝
   撃吸収材料を管状部材外へ導く第２の通路が棒状部材に
   形成されていることを特徴とする、衝撃エネルギ吸収装
   置。