JPS5819091Y2 - 懸垂車両のロ−リング静定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は高所に架設されたロープまたはレールからな
る架空軌道上を走行する懸垂車両のローリング静定装置
に関する。

第１図に示すように、架設された索道からなる架空軌道
１に懸垂されて走行する懸垂車両２では、走行振動や横
風等が原因して揺動（ローリング）が生じ易い。

このようなローリングが生じると、架空軌道を支持する
支柱に車両車体が接触したり、ステーションのホームに
車体が衝突する等の不具合が発生する。

このため、従来では車両２の下面にアレスタローラ３を
形成する一方、ローリング状態を抑制する必要のある例
えばステーションの直前位置にアレスタラッパ４を配設
しておき、ステーションに近づいてきた車両はアレスタ
ローラ３がアレスタラッパ４内においてこれに案内され
ることにより徐々にローリングが抑制され、最終的には
アレスタローラ３がガイドレール５に係合されることに
よって車両のローリングを確実に防止する装置が提案さ
れるに到っている。

即ち、この装置は本願出願人が先に提案しているもので
あり、特にその主要部を構成するアレスタラッパ４は、
車両進行側に支点７，７を有する一対のアレスタバー６
．６を、連両の進行に対して末広がり状となるように離
間配置し、更にこれら各アレスタバー６．６に夫々スプ
リング８とダンパー９からなる減衰器１０．１０を連結
した構成となっている。

しかしながら、このローリング静定装置では、この１ま
でも充分なる効果を奏し得るものの、未だに不充分な点
もある。

つ渣り、車両のローリング抑制のためのローリングエネ
ルギ吸収は、アレスタローラが１ず一方のアレスタバー
に衝突したときに行なわれるが、それだけではローリン
グを抑えることができず、次に反対側に車両がローリン
グすると、アレスタローラは一旦一方のアレスタバーか
ら離へ次に他方のアレスタノ・−に衝突して再びエネル
ギ吸収が行なわへ これを数回繰返してローリングが抑
制される。

このため、アレスタローラがアレスタバーから離れてい
る間はエネルギ吸収が行なわれず、ローリング静定時間
が長くなると共に、アレスタローラとアレスタラッパと
の衝撃反カカ状きく、車両への反力が大きくなるという
問題がある。

この考案はこのような従来の問題点に着目してなされた
もので、一対のアレスタバーを一体化してアレスタラッ
パを構成することにより、アレスタローラとアレスタラ
ッパとの接触時間を長いものにし、これによってエネル
ギ吸収作用の効率を高めてローリング静定時間の短縮及
び車両に生じる反力の低減を図ることができるローリン
グ静定装置を提供することを目的としている。

以下、この考案を図面に基づいて説明する。

第２図及び第３図はこの考案の一実施例を示す図であり
、特にアレスタラッパを示す図である。

図示のように、この考案のローリング静定装置における
アレスタラッパ１１は、懸垂車両の走行軌道の左右に配
置する一対のアレスタバー１２ 、１３を連結棒１４，
１５にて一体に連結し、一方の連結棒１５に設けた回転
軸１６を中心として各アレスタバー１２．１３は水平方
向に一体的に揺動できる。

前記連結棒１４，１５はアレスタバー１２１３に較べて
下方位置に設けら札アレスタバー１２．１３間へのアレ
スタローラ３の進入を可能とする。

また、前記各アレスタバー１２．１３にはスプリングＩ
Ｔとダンパ１８とからなる減衰器１９．１９を装置固定
部との間に介装し、各アレスタバー１２．１３の揺動に
低抗を与えて減衰力を生じさせるようになっている。

ここで、各アレスタバー１２．１３における車両進行側
の間隔寸法は、アレスタローラ３の外側寸法より若干大
きい程度の寸法となっており、しかもこの部分はアレス
タバー１２．１３全長に対し比較的大きな部分を占める
ようになっている。

尚、前記アレスタローラ３は、第１図と同様に、懸垂車
両の下面に固設したものであることは言う１でもなへ−
ｊた、第２図中、２０はガイドレールである。

以上の構成によれば、ローリング状態にある懸垂車両が
アレスタラッパ１１内に進入してくると、第２図に破線
で示すように、アレスタローラ３は先ず一方のアレスタ
バー（この例ではアレスタバー１２）に衝突する。

このため、アレスタバー１２はアレスタローラ３と共に
外方に揺動し、このとき減衰器１９０作用によってロー
リングのエネルギを吸収し、ローリングを減衰させる。

次いで、ローリングが完全に静定されない車両が今度は
逆方向にローリングすると、それまで他方のアレスタバ
ー１３は一方のアレスタバー１２と一体に同一方向に揺
動されているため、アレスタローラ３ハ逆方向へのロー
リングによって一方のアレスタバー１２から離れるや否
や今度は他方のアレスタバー１３に衝突し、とのアレス
タバー１３に連結した減衰器１９にてエネルギ吸収が行
なわれる。

その後、再び逆方向へのローリングにより再度一方のア
レスタバー１２に衝突してエネルギ吸収が行なわ札以後
アレスタローラ３はアレスタラッパ１１に挾持されてア
レスタラッパ１１と一体的に揺動し、減衰力によって静
定される。

静定された車両は、アレスタラッパ１１を通過した後、
アレスタローラ３がガイドレール２０に係合することに
より、ガイドレール２０が延設されている区間でのロー
リングは確実に防止される。

従って、アレスタローラ３はアレスタラッパ１１との接
触時間が長く、しかも比較的早い時間の内にアレスタラ
ッパ１１と一体的に揺動されることになるので、車両の
ローリングエネルギを短時間の内に有効に吸収すること
ができる。

尚、減衰器に複動式のものを用いるようにすれば減衰器
を一つ設けるだけでも充分に目的を達成できる。

以上説明してきたように、この考案によれば懸垂車両の
走行軌道の左右に配置した一対の揺動可能なアレスタバ
ーを一体的に連結すると共に、このアレスタバーに減衰
器を連結してアレスタラッパを構成したので、車両のロ
ーリング静定作用時には殆んど連続的に車両側のアレス
タローラとアレスタラッパとを接触させてエネルギ吸収
を行なうことができるので、ローリング静定を短時間で
完了できると共に車両への反力を軽減できるという効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は懸垂車両及び従来のローリング静定装置の斜視
図、第２図はこの考案のローリング静定装置の平面図、
第３図はその側面図である。 １・・・・・・架空軌道、２・・・・・・懸垂車両、３
・・・・・・アレスタローラ、１１・・・・・・アレス
タラッパ、１２，１３・・・・・・アレスタバー １４
．１５・・・・・・連結棒、１９・・・・・・減衰器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 架設軌道を懸垂状態で走行する車両に設けたアレスタロ
   ーラに係合するようにステーション等の直前位置の固定
   部に移動可能なアレスタラッパを設けてなるローリング
   静定装置において、前記アレスタラッパは、車両軌道の
   左右に配置したアレスタローラと保合する一対のアレス
   タバーを一体的に連結して左右方向に揺動できるよう構
   成すると共に、アレスタバーと前記固定部との間にはこ
   のアレスタバーの揺動を減衰させる減衰器を配設したこ
   とを特徴とする懸垂車両のローリング静定装態