JPS5812702Y2 - 繰出し替え刃ナイフ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、繰出し替え刃ナイフに関し、とくに替え刃
カッタの刃先繰出し位置における確実な固定を簡便かつ
有利に実現しようとするものである。

繰出しナイフ、なかでも折割り刻みノツチを付した替え
刃カッタのごときを、リップ付きチャンネルよりなるシ
ースすなわちガイド・ホルダの溝内に、替え刃カッタの
尾端を係止するスライダとともに摺動可能に納め、この
スライダに仕組んだ板ばねをガイド・ホルダのリップに
設けた鋸刃状凹凸と係合させてクリック止め保持する形
式のもめは、家庭での工作、手工の分野のみに止らず、
一般的な切断加工用刃具として工場、作業場などでも普
及しつつあるが、かような応用において加工をしようと
する材料の切断抵抗が大きいときにしばしばクリック止
めが外れて刃先が引込むおそれがあり、たとえば各板や
硬いプラスチックスシートなどの工作に不便であり、刃
先の繰出し位置における確実な保持固定が望まれている
。

この点スライダまたは替え刃自体の楔止めについて実公
昭４９−４２４０号、実開昭５２−１０８１００号もし
くは実公昭５１−２４６４０号各公報に、そして回動式
操作杆によるストッパ係止についても実公昭４９−３６
３１９号、同５２−３２０号各公報などに開示されたよ
うな改良提案もみられるが、楔止めは緊めすぎたときに
緩めにくくなったり、また回動式の操作杆は嵩張って、
何れも実際の使用面での難点があみ、撫作性阻害が実用
の域への発展を妨げている。

この考案は、かよ゛うな不便を有利に解決して、コンパ
クトで取扱い易く、シかも確実な刃先固定を実現できる
ように主夫を凝らした繰出しナイフを提案しようとする
ものである。

この考案では、スライダにストッパ・ノブを巧妙に仕組
んで、替え刃カッタの繰出し位置を確実にしかも操作性
に何らの不便を伴うことなく、抑止固定で゛きるように
したもので゛ある。

さて第１図にこの考案による繰出しナイフの外観を、第
２図ａ、ｌ）に第１図（７）Ａ−Ａ断面、Ｂ−Ｂ断面ま
た第２図Ｃに第２図ａのＣ−Ｃ断面を示した。

図中１は合成樹脂よりなるを可とするグリップ、２は薄
肉のリップ付きチャンネルよりなるガイド・ホルダ、３
はまた合成樹脂成形体よりなるを可とするスライダで゛
あり、４は同じくストッパ・ノブ、そして５はストッパ
・ノブ４の保持を司るＵ字形板ばね、また６はスライダ
３に組込んだ板ばね、７が替え刃カッタで゛ある。

グリップ１は、予め成形したガイド・ホルダ２を包んで
一体に被覆成形するとつかみ易くなるので都合がよいが
、ときに省略してもよい。

ガイド・ホルダ２は普通板金細工でつくり、リップ間の
溝内に部分露出するように組込むスライダ３の摺動を導
き、リップの縁に設けた鋸刃状凹凸に対する板ばね６の
係合によりスライダ３をクリック止めする。

なおこの考案では板ばね６は省略してもよくその理由は
あとで述べる。

スライダ３は、ガイド・ホルダ２の溝内に適合するよう
に概括的に厚肉の■字形断面においてモールド成形によ
りつくるのが通例であり、ガイド・ホルダ２に対する摺
動方向の前端下面に、ガイド・ホルダ２のウェブ底面と
の間で挾持する替え刃カッタ７の尾端にあけたほぞ孔に
はまり合うほぞ３′を有する。

替え刃７は、第１図のように片刃研削仕上げした刃縁を
有し、この刃縁に向って斜めにのび゛る多数の折割り刻
みノツチ７′を有するものとして、刃先の更新を容易に
図ることができる。

スライダ３は第２図ａｃのように、はぞ３′に後続して
底面に開口する方形のばね室８を有し、このばね室８は
さらにスライダ３の両側溝９の一方からガイド・ホルダ
２のリップにのぞむ横孔８′から部分露出してガイド・
ホルダ２のリップと係合する板ばね６をばね室８に納め
る。

以上の構成は、一般的な繰出しナイフとほぼ同様であり
、上に触れたように板ばね６を省略したときばね室８は
もちろん不要であるが、とくにこの考案では、スライダ
３にストッパ・ノブ４を次のように組合わせることがそ
の特色である。

すなわちばね室８を設けたときの例を図に示したように
ばね室８に後続してスライダ３の上下にわたり、かつ後
端にも開口する切欠き１０を設け、この切欠き１０の向
いあった壁面に、スライダ３の両側溝９に達するくぼみ
１１を設ける。

（第３図ａ、ｌ）参照）このくぼみ１１はその一方につ
いて１１′のように拡大する。

そいてくぼみ１１の底面開口を覆ってのびる第４図に示
したＵ字形板ばね５で閉ざしてその下面がスライダ３の
底面と同一平面となるように、Ｕ字形板ばね５の厚みに
対応する段面部１３をスライダ３の底面に形成し、この
段面部の前端には両側溝９に達するスリット１４を切り
、このスリット１４に至る間に両側溝９の下面にも段面
部１５を形成し、さらに段面部１３の後端にはスライダ
３の幅方向に走るもう一つのスリット１６を切る。

従って第４図に示したＵ字形板ばね５の二叉をなす屈折
端１２ ａ 、１２ ｂをそれぞれスリット１４、段面
部１５にはめ込み、さらに後縁の折曲げ縁１２ Ｃをス
リット１６に押込んで、切欠き１１を底から囲うことが
できる。

なお図中１７はスライダ３の底面に設けたすべり座、１
８は指かけである。

次に第５図ａ、ｌ）に異なる視点で示したストッパ・ノ
ブ４は、スライダ３の上記くばみ１１に納まって枢支さ
れるトラニオン１９を、スライダ３の幅方向に突設して
なるものとし、トラニオン１９の軸心と直角にのびる転
向指かけ２０を、スライダ３の切欠き１０の内部で操作
できるように設ける。

このストッパ・ノブ４には、さまにトラニオン１９の軸
心のまわりにおける回動により、ガイド・ホルダ２のリ
ップに設けられて板ばね６との間でクリック止めに利用
されたような凹凸２１（第２図Ｃ９第６図参照）に対し
て係脱可能な係止爪２２を設ける。

この係止爪２２は、スライダ３の切欠き１０に設けたく
ぼみ１１の拡大部１１′内において回動ができる。

この係止爪２２は第２図Ｃに示した係止位置でガイド・
ホルダ２のリップに設けた凹凸２１にはまり合い、これ
によってスライダ３を矢αの方向に押圧する反力を生じ
る勾配２３を有することが好ましく、図示例でガイド・
ホルダ３のもう一つのリップとスライダ３との間の接触
点Ｐを支点として前端のほぞ３′に矢βで示した向きの
モーメントを生じ、このモーメントは、替え刃カッタ７
をその刃縁の反対の背峰がガイドホルダに圧接する向き
に働くので、尖鋭な刃先の保護が有利に遠戚される。

係止爪２２の上述係合位置でガイド・ホルダ２のウェブ
との間に摩擦係合を生じる突起２３をストッパ・ノブ４
に設けることにより、上記係合位置をより的確に保持す
ることができ、またさらに、ストッパ・ノブ４のトラニ
オン１９に、その周面上で■字形をなす平面削落し面２
４．２５を設けて、ストッパ・ノブ４の転向両極端位置
で、上述Ｕ字形板ばね５によるクリック止めができるよ
うにすることがよりのぞましい。

かくしてこの考案によれば、スライダについてその事実
上の大きさを変えることなくストッパ・ノブを組込むこ
とができ、これにより替え刃カッタ刃先の繰出し操作に
何らの影響を伴わずに、その繰出し位置の適切な確保と
有利な抑止が締めすぎのおそれなしに可能となるので、
繰出し替え刃ナイフの使途が有利に拡大される。

【図面の簡単な説明】

第１図は繰出し替え刃ナイフの正面図、第２図ａ、ｂ、
ｃは要部断面図、第３図ａ、ｂはスライダの斜視図、第
４図はＵ字形板ばねの斜視図、第５図ａ、ｌ）はストッ
パ・ノブの斜視図、第６図はガイド・ホルダの斜視図で
ある。 ２・・・・・・ガイド・ホルダ、３・・・・・・スライ
ダ、４・・・・・・ストッパ・ノブ、７・・・・・・替
え刃カッタ、１９・・・・・・トラニオン、２１・・・
・・・リップの凹凸、２２・・・・・・係止爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．リップ付きチャンネルよりなり替え刃カッタのシー
   スとして役立つガイド・オルグの溝内に、替え刃カッタ
   とともにその尾端を係止するスライダを摺動可能に保持
   した繰出しナイフであって、スライダの後部中央で後向
   きに開口する切欠きと、その下方底面側で左右に張り出
   す一対のくぼみを設け、該スライダの摺動の方向と交差
   する向きで突出するトラニオンをもったストッパ・ノブ
   を、切欠き内に収容しかつトラニオンをくぼみに納めて
   転向可能に枢架し、このストツ）く・ノブにはガイド・
   ホルダのリップに設けた凹凸と係脱可能な係止爪を設け
   た繰出し替え刃ナイフ。 ２、実用新案登録請求の範囲第１瑣において、ストッパ
   ・ノブの係止爪が、その保合によりスライダのガイド・
   ホルダとの間の交点に関して、スライダに替え刃ナイフ
   の背峰とガイド・ホルダとの圧接を強いる向きのモーメ
   ントを生ずる位置を占める繰出し替え刃ナイフ。 ３、実用新案登録請求の範囲第１項にお
   いて、ストッパ・ノブが、その転向極端位置を保持する
   クリック止めを有する繰出し替え刃ナイフ。