JPS5811972Y2 - 回転機械用軸封装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は遠心式圧縮機、ブロワ−等の回転機械用軸封装
置に関する。

一般に、遠心式圧縮機等に用いられているフローティン
グリングシールでは、圧縮機内のガスが圧縮機の外部へ
漏れることを防止するために、圧縮機内のシール部の圧
力よりわずかに高い圧力の流体（水、油、ガス等）をシ
ールリング部に供給し、シールリングと軸との隙間から
圧縮機内部に漏入させている。

しかしこの漏入する流体（シール流体）の量はできるだ
け少ない方が望ましいので、シール間隙を小さくしたり
、又摺動部に種々の工夫を施している。

その一つとして第１図に示すように、シールボックスａ
内に機内シールリングｂ及び機外シールリングＣを回転
方向の動きだけを制限して浮上支持させ（ｄ 、 ｅは
回り止めピンを示す）、且つ前記各リングｂ、Ｃの端面
に、ｌをシールボックスａに密接させ、圧縮機内のシー
ル部の圧力よりわずかに高い圧力の流体（水、油、ガス
等）をシール流体人口ｆより矢印の経路でシール流体室
ｇに導し、軸りの回転時における機内シールリング内壁
ねじ部ｉのポンプ作用により、シール流体室ｇから機内
シールリング内壁のフラット部ｊを通過したシール流体
を上流側へ押戻すようにしてシール流体室ｇ側と圧縮機
内のシール部の圧力との均衡を図り圧縮機のガス側ｎへ
漏れるシール流体の減少を図るようにしたビスコシール
が開発され公知となっている。

しかしながら斯る公知のビスコシールでは、軸りの高速
回転時に前記ねじ部ｉのポンプ作用によりシール流体と
圧縮機内のガスの混合流体が機内シールリング内壁の溝
部ｍに押戻され溝部ｍ内の圧力がシール流体室ｇ側の圧
力より高くなるため、前記混合流体が機内シールリング
ｂのフラット部ｊを通過しシール流体室ｇに流入する現
象が生じ、シール流体室ｇに流入したガスはシール流体
と共に機外シールリングＣと軸りとの間隙を通って大気
側Ｏへ流出し、ガス漏れが生じる不都合がある。

本考案は回転機械を高速運転した場合のビスコシールの
課題を解決するためになしたもので、機内シールリング
及び機外シールリングを回転方向の動きだけを制限して
浮上支持させ且つ前記各リングの端面をシールボックス
に密接させ、前記各ノングの内壁面と軸との間隙に連通
ずるシール流体室を前記各リングの間に設け、溝部とね
じ部をシール流体の流れ方向に従い前記機内シールリン
グの内壁面に形威した軸封装置において、一端を前記溝
部に又他端を前記ねし部の中間部に夫々開口する戻り流
路を前記機内シールリングに形成したことを特徴とする
回転機械用軸封装置を要旨とするものである。

以下本考案の実施例を第２図により説明する。

スタフイングボックス４と機内側壁５と機外側壁６から
成るシールボックス■内には機内シールリング２及び機
外シールリング３が回り止めピン７．８により回転のみ
を制限されて取付けてあり、機内シールリング２及び機
外シールリング３は機内側壁５及び機外側壁６に対して
リング端面Ｓｌ。

Ｓｏで密接し、又機内シールリングの内壁面２ａ及び機
外シールリングの内壁面３ａの各面と軸１との間には間
隙Ａ、Ｂが設けである。

機外シールリング外周側にはスカート状の内筒部（機外
シールリングスカート部９）が形威してあり、該スカー
ト部９は機内シールリング２の外周部に遊嵌し、上記機
外シールリングスカート部９の存在によりシール流体が
直接シール流体室１０に入らないように構成しである。

機内シールリング２には流体流通路１１と流体流通孔１
２が設けてあり、機内シールリング２と機外シールリン
グ３の間に設けた前記シール流体室１０に、シール流体
を送給できるようにしている。

１３はシール流体入口である。

機内シールリングの内壁２ａには、溝部１４とねじ部１
５が、前記機内シールリング側の間隙Ａにおけるシール
流体の流れ方向に従い前記した順で形威してあり、一端
を前記溝部１４に又他端を前記ねじ部１５の中間部に夫
々開口する１つ又は複数の戻−り流路１６が機内シール
リング２に形成しである。

戻り流路１６のねじ部１５側開口は戻り孔１７となって
いる。

尚図中１８は圧縮機のガス側、１９は大気側を示し、又
２０はシール流体、２１は機内漏れシール流体、２２は
機外漏れシール流体を示している。

圧縮機のガス側圧力より少し高い圧力のシール流体２０
は流体人口１３から矢印のように回り止めピン７側へ流
れ流体流通路１１を通り流体流通孔１２を経てシール流
体室１０内に達し、ここがら一部のシール流体は機内シ
ールリング内壁のフラット部２３を通過し溝部１４に達
し、ここでねじ部１５を通るものと戻り流路１６を通る
ものとに分岐し、ねじ部１５の中間部で合流し、機内漏
れシール流体２１となる。

この状態で軸１が回転すると、ねじ部１５内のシール流
体はねじ部のポンプ作用によりガス側１８からシール流
体室１０の側へ押戻され機内漏れシール流体２１は減少
する。

以上がビスコシールの通常の状態での動作であるが、い
ま、軸１が高速で回転するとねじ部１５内のシール流体
は圧縮機内のガスとの混合流体となり、更に高速になれ
ばポンプ作用も大きく働らき）混合流体は溝部１４に押
込まれるが、この溝部１４に入った混合流体は戻り流路
１６、戻り孔１７を経てねじ部１５の中間部に導かれ再
度ねじ部１５のポンプ作用を受けて溝部１４の方へ押込
まれる。

即ち、軸１の高速回転によってねじ部１５に発生した１
混合流体は、溝部１４→戻り流路１６→戻り孔１７→ね
じ部１５→溝部１４と循環するので、フラット部２３を
通ってシール流体室１０に至ることがない。

このため混合流体中のガス（圧縮機内のガス）が大気側
へ流出する虞れは全くない。

又混合流体は戻り流路１６を通る間に流体流通路１１を
通るシール流体により冷却され、粘度低下が防止される
。

このためねじ部１５のポンプ作用が向上する。

尚戻り孔１７の位置がねじ部１５の中間に位置されるの
で機内漏れシール流体２丁が増加する虞れはない。

本考案は以上の実施例に示したもののみに限られず、例
えば戻り流路１６を螺旋状の通路にしてもよく、このよ
うに実施した場合は戻り流路内の混合流体の滞留時間を
長くでき、従って外側を流れるシール流体による冷却効
果で混合流体の粘度低下をより効果的に防止でき機内漏
れシール流体の減少をより確実に実現できる。

前記したように本考案は回転機械の高速運転時における
ビスコシールよりのガス漏れを防止するところに特徴が
あり、従って前記実施例のように機内シールリング２に
流体流通路１１を形威し軸１の高速回転時に機内シール
リングの内壁２ａに発生した熱量を流体流通路１１を流
れるシール流体により吸収する構成を不可欠のものとす
るものではなく他の構成のビスコシールにも適用できる
。

本考案は前記した構成であるから、回転機械を高速運転
した場合でもシール流体の漏洩量を少くでき且つ斯る場
合の回転機械よりのガス漏れを無くせる、等の優れた効
果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のビスコシールの軸断面図、第２図は本考
案の回転機械用軸封装置の軸断面図である。 ■・・・・・・シールボックス、１・・・・・・軸、２
・・・・・・機内シールリング、２ａ・・・・・・機内
シールリングの内壁、３・・・・・・機外シールリング
、３ａ・・・・・・機外シールリングの内壁、１０・・
・・・・シール流体室、１４・・・・・・溝部、１５・
・・・・・ねじ部、１６・・・・・・戻り流路、１７・
・・・・・戻り孔、１８・・・・・・圧縮機のガス側、
１９・・・・・・大気側、２１・・・・・・機内漏れシ
ール流体、２２・・・・・・機外漏れシール流体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機内シールリング及び機外シールリングを回転方向の動
   きだけを制限して浮上支持させ且つ前記各リングの端面
   をシールボックスに密接させ、前記各リングの内壁面と
   軸との間隙に連通ずるシール流体室を前記各リングの間
   に設け、溝部とねじ部をシール流体の流れ方向に従い前
   記機内シールリングの内壁面に形成した軸封装置におい
   て、一端を前記溝部に又他端を前記ねし部の中間部に夫
   々開口する戻り流路を前記機内シールリングに形成し・
   たことを特徴とする回転機械用軸封装置。