JPS5811261Y2 - 仏壇用幕巻上機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として仏壇に用いる幕の自動および手動にて
も上げ下げ自在な幕巻上機に関するものである。

従来、仏壇に内蔵される厨子において、仏壇の大型化と
ともに厨子の前扉を自動的に、つまり電動式としてスイ
ッチ操作により開閉させるものが多くなっている。

このような自動開閉前扉を有する厨子は通常円筒形状を
なすものが多く、その前半分に仏像、舎利、または経巻
等を収納する収納部とし、後半部に前扉の開閉装置を収
納している。

厨子に安置される仏像、舎利、経巻等は人手に触れる機
会は殆んどなく、かつ、それら安置物件の前面に幕を下
ろし、通常の厨子の前扉の開扉だけでは拝むことができ
ず、幕の引き上げによって始めて御本尊を拝むようにし
、さらに一層の尊厳さを持たせるものも出現して来てい
る。

これら現存の幕の昇降機構は厨子の前扉同様に電動式に
より幕を巻き上げあるいは巻き降ろす形式のもので、停
電等の事故の場合は幕の昇降は中途半端な位置で停止す
るため、厨子の内部に人手をさし延べて幕を巻き上げる
などの所作を必要とし、場合によっては御本尊に対する
礼を失するなどの不都合も生じ、甚だしく尊厳を損う懸
念のある構造のものであった。

本考案の目的は上述した従来技術における仏壇の幕巻上
機の欠点をなくし、自動、手動自在に幕の昇降が可能な
巻上機を提供するにある。

要するに本考案は、幕巻上機の主動軸に相対する従動軸
を変位自在とし、幕の巻上げを電動機にだけよることな
く、非常の際には巻取巻バネの勢力のみで行うようにさ
せたことを特徴とする。

本考案を実施例に基き図面に従って説明する。

第１図は本考案の実施例の要部斜視図である。

固視の装置ぼ通常厨子の天板の上部に設けられるもので
、幕１は天板に穿設される幕用のスリットを通って厨子
内に引き降ろされるものである。

幕１を巻き取る巻取軸２の一端にはそれ自体の勢力で幕
を巻き上げるだけの力をもつ巻取巻バネ３が装着され厨
子の天板に平行に軸支されている（図示省略）。

この巻取軸の鉛直接線方向に幕１は昇降させられるもの
で、この幕１に接して主動軸４が設けられ、幕１を挾ん
で従動軸５が設けられ、主動軸４はモータ（図示せず）
の回転方向に従って回り、従動軸５は幕１を挾んで軽く
幕１を抑えるように構成されており、主動軸４に追随し
て回転する。

これら主動軸４、従動軸５は巻取軸２と平行を保って軸
支されていることはいうまでもない。

さて、第２図および第３図は本考案の要部とその作動を
説明するものである。

第２図は通常の状態で幕１の昇降を行う場合の図であっ
て、前述のように幕１は主動軸４と加圧板バネ６にて軽
く幕１を圧迫している従動軸５とにより、電動機で駆動
される主動軸１の回転方向に従って巻取軸２は巻取巻バ
ネ３の勢力によって、あるいは勢力に打ち勝って回転し
、その結果幕１は自動的にすなわち電動機の力によって
昇降する。

停電その他の故障のあったときは第３図に示すように押
しピン７を押し上げて加圧板バネ６を外方にそらすよう
にし、従って従動軸５は幕１から離れ、幕１に対する従
動軸５のための圧力はゼロになる。

従って幕１の上昇は巻取巻バネ３の勢力だけに依ること
となり、手動にて幕の巻き上げが可能となる。

本考案は上述のように従動軸５に幕１に対する圧迫力を
与える加圧板バネ６の付勢力を押しピン７により、解消
あるいは付属をさせるもので、第２図、第３図のように
加圧板バネ６の先端に従動軸５を軸支する形式のもので
もよく、更には従動軸５に軸支されてバネ、鐘などの作
用により通常には主動軸４とは離れる傾向をもたせる構
造とし、それを加圧板バネ６にて主動軸４に圧着させ、
電動機によらないで幕１の上昇を行うときには押しピン
７にて加゛圧板バネ７の圧迫力を解消させる構造とする
などの方法は多々であろう。

本考案によるときは、電動式の開閉扉機構をもつ仏壇、
厨子に併設して厨子に内蔵される御本尊をさらに幕にて
覆うようにすることができ、しかも常時には電動式によ
り幕の昇降を行ない、停電その他の故障に基く非常時に
おいても、加圧板バネの圧迫力を解消させる押しピンの
操作だけで手動にて幕を上昇させることができ、仏壇の
尊厳を保ち御本尊の安置を確保することができ、効果の
大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の要部斜視図、第２図は電動機
により幕の昇降をする場合、第３図は電動機とはフリー
にして手動にて幕を上昇させる場合の説明図である。 １・・・・・・幕、２・・・・・・巻取軸、３・・・・
・・巻取巻バネ、４・・・・・・主動軸、５・・・・・
・従動軸、６・・・・・・加圧板バネ、７・・・・・・
押しピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 厨子の天板の上部に設置し、それ自体の勢力で幕を巻き
   上げるだけの力をもつ巻取巻バネを一端に有する幕の巻
   取軸は平板に平行に軸支され、巻取軸から鉛直方向に下
   がる幕に接し電動機をもって正逆回転可能な主動軸とこ
   の主動軸と幕を挾んで対向する従動軸を有し、従動軸は
   加圧板バネにて主動軸に圧着され、加圧板バネは加圧排
   除手段により従動軸の主動軸への圧着を解消するよう構
   成されたことを特徴とする仏壇用幕巻上機。