JPS5811051Y2 - 方向性結合器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、構成が簡単で方向性が良く、密結合が可能
な方向性結合器に関するものである。

従来の方向性結合器は、構成を複雑にしなければ方向性
の向上及び密結合化が実現出来なかった。

その従来の方向性結合器の中にあって、簡単な構成で方
向性の向上及び密結合化を計った方向性結合器としては
、次に示す構成のものが考案されている。

第１図ａは従来の方向性の向上及び密結合化を計った方
向性結合器の一例を示す構成平面図であり、第１図すは
第１図ａのＡ−Ａ’断面図であり、第１図Ｃは第１図ａ
のＢ−Ｂ’断面図である。

この方向性結合器の主な構成としては、誘電体基板１の
一面に主線路２と結合線路３とから成る内部導体を形威
し、他面には地導体４を形成し、結合線路部下の地導体
４にスロット５を設けて戊っている。

このように構成する事により、スロット５が主に結合線
路３の偶モードに作用するため、結合線路３の偶、奇モ
ードに対する実効比誘電率及びインピーダンスをそれぞ
れＥｅｖｅｎ 、Ｅｏｄｄ及びＺｅｖｅｎ 、Ｚｏｄｄ
とした時、ＥｅｖｅｎとＥｏｄｄを近づけ、Ｚｅｖｅｎ
／Ｚｏｄｄを大きくする事が出来、結果として方向性が
良く、密結合の方向性結合器が実現出来ている。

しかし、この方向性結合器において、スロット５が、結
合線路３の偶モードインピーダンスを大きくするのに効
果はあるが、奇モードには影響を及ぼさないため奇モー
ドインピーダンスを小さくすることはできない。

そのため、設計の自由度が無く、また、密結合化に対し
ては結合線路間隔を狭くする必要があり、工作上の困難
があった。

この考案は、これらの欠点を除去するため、地導体３に
設けたスロット５の中に結合補助導体を装荷したもので
、以下、図面について説明する。

第２図ａはこの考案の実施例による方向性結合器の構成
平面図であり、第２図すは第２図ａのＡＡ′断面図であ
り、第２図Ｃは第２図ａのＢ−Ｂ’断面図である。

この方向性結合器の主な構成としては、誘電体基板１の
一面に主線路２と結合線路３とから成る内部導体を形威
し、他面には地導体４を形威し、結合線路部下の地導体
４にスロット５を設け、さらにスロット５の中に結合補
助導体６を装荷して戒っている。

結合補助導体６は、偶モードに対しては、電気力線と直
交しかつ同電位となるため影響を及ぼさず、奇モードに
対しては電気力線と平行になるためあたかも結合線路３
間の間隙を狭くする効果があり、奇モードインピーダン
スを下げることができる。

以上のように、この考案による方向性結合器では、結合
補助導体が奇モードにのみ作用しそのインピーダンスを
下げることに寄与し、スロットは従来どおり偶モードに
のみ作用し、そのインピーダンスを上げることに寄与す
る。

したがって、設計の自由度が増し、かつ容易に ＺＯｄｄ（ＺｅＶｅｎ の条件を満足させることができるようになり、方向性結
合器の密結合化を有効となる。

なお、以上は方向性結合器について説明したがこの考案
はこれに限らず結合線路を用いたマイクロ波の各種機器
に使用しても良い。

以上のようにこの考案に係る方向性結合器では、スロッ
ト５の中に装荷した結合補助導体６によって結合線路３
の奇モードに与えるスロット５の悪影響を除去し、設計
の自由度の増加から、方向性も良く密結合化を可能にし
た方向性結合器が実現出来、実用化の点でも有利である
。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは従来の方向性結合器の一例を示す構成平面図
、第１図すは第１図ａのＡ−Ａ’断面図、第１図Ｃは第
１図ａのＢ−Ｂ’断面図、第２図ａはこの考案の実施例
を示す構成平面図、第２図すは第２図ａのＡ−Ａ’断面
図、第２図Ｃは第２図ａのＢ−Ｂ’断面図である。 図中１は誘電体基板、２は主線路、３は結合線路、４は
地導体、５はスロット、６は結合補助導体である。 なお、図中、同一あるいは相当部分には同一符号を付し
て示しである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 誘電体基板の一方の面には主線路と結合線路とから成る
   内部導体を形威し、他方の面には地導体を形威し、結合
   線路部下の地導体にスロットを設けて戊る方向性結合器
   において、前記スロット内に結合補助導体を装荷した事
   を特徴とする方向性結合器。