JPH1194738A - ガス測定装置及び同位体濃度比測定装置 - Google Patents

ガス測定装置及び同位体濃度比測定装置

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JPH1194738A
JPH1194738A JP25046997A JP25046997A JPH1194738A JP H1194738 A JPH1194738 A JP H1194738A JP 25046997 A JP25046997 A JP 25046997A JP 25046997 A JP25046997 A JP 25046997A JP H1194738 A JPH1194738 A JP H1194738A
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朋史 松島
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昌平 細美
Hiroshi Maekawa
寛 前川
Junichi Kawanabe
純一 川那辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザー光の吸収を利用して同位体濃度比の
測定を感度良く行う。 【解決手段】 12CO213CO2の同位体濃度比を測定
するために、13CO2を利用したレーザー装置10と12
CO2を利用したレーザー装置12が利用される。それ
らのレーザー光が、検体ガス(試薬投与後の被検者の呼
気)が封入された外部共振器20と規準ガス(通常のC
2ガス又は試薬投与前の呼気)が封入された外部共振
器22とに導入される。規準ガスの同位体濃度比と検体
ガスの同位体濃度比の相違が差動増幅器の出力レベルと
して観測される。外部共振器20、22ではレーザー光
の共振を利用してガスによる光吸収を感度良く検出でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガス測定装置及び同
位体濃度比測定装置に関し、特に、被測定ガス中の複数
の同位体の濃度比をレーザー光の吸収を利用して分析す
る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】化学や医療の分野などにおいて、同位体
をトレーサーとして利用する分析法が知られている。そ
のトレーサーとしては従来から放射性同位体が多く用い
られている。これは放射線検出によってトレーサーの挙
動を簡単に検出できるからである。しかし、放射性同位
体には被曝や管理面での問題があるため、近年では、非
放射性同位体がトレーサーとして利用されている。
【0003】ところで、最近、胃壁に存在可能な細菌で
ある「ヘリコバクター・ピロリ」が胃潰瘍や胃癌などを
発現させる原因体であるという報告が出されている。ヘ
リコバクター・ピロリは尿素を分解して二酸化炭素(C
2)を発生する性質を有する。それゆえ、その性質を
利用し、ヘリコバクター・ピロリの有無や存在量を検査
する手法が提案されている。具体的には、被検者に尿素
系試薬を経口投与してから一定時間後、当該被検者の呼
気を採取し、その呼気中にヘリコバクター・ピロリが生
成した二酸化炭素が含まれるか否かに基づいて、その存
在の有無が判定される。
【0004】この場合、上記の尿素系試薬を非放射性同
位元素である13Cでラベリングし、呼気中の13CO2
12CO2の比とその自然界における存在比(1:99)
との間における僅かなずれを測定すれば、ヘリコバクタ
ー・ピロリを定量できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】同位体の濃度比を測定
する手法として、質量分析による方法、スペクトル分析
による方法など各種の方法が知られている。しかし、従
来のいずれの手法でも、簡単かつ高感度に同位体濃度比
の分析を行うことは困難である。特に、従来のヘリコバ
クター・ピロリの検査法では、分解能を確保するために
多量の呼気が必要とされ、その取扱の不便さや被検者の
負担が指摘されている。
【0006】なお、上記のような細菌の分析に限られ
ず、一般のガス分析においても、簡単かつ高感度に特定
物質の定量を行える装置が要望されている。
【0007】米国特許4,684,805号公報にはサンプルガ
ス中にレーザー光を通過させ、その際の光ガルバノ効果
による光吸収を検出することによって、同位体比の測定
を行う装置が記載されている。しかしながら、ガス中を
レーザー光が1回通過する際におけるレーザー光の吸収
はほんの僅かなものであり、検出感度を高めることは困
難である。
【0008】米国特許5,394,236号公報(特開平7-20054
号公報)、特開平4-364442号公報、特開平6-18411号公
報には、同位体比の測定装置が開示されているが、簡単
な構成でありながら高精度に同位体比の分析を行える装
置は実現されていない。
【0009】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、レーザー光の吸収を利用して
被測定ガスの分析・測定を高感度かつ低コストで行える
装置を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、呼気分析を行う場合
に少量の呼気で十分な感度を得られる装置を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、レーザー
光を出力するレーザー発振器と、被測定ガスが導入され
る吸収セルとその両端部に設けられた一対のミラーとを
有し、入射されるレーザー光を共振させる測定用共振器
と、前記被測定ガスによるレーザー光の吸収を検出する
ための光吸収検出手段と、を含むことを特徴とする。
【0012】上記構成によれば、レーザー発振器からの
レーザー光が測定用共振器に入射されると、その共振器
内でレーザー光が多数回往復反射しつつ共振することに
なる。レーザー光はその反射ごとに被測定ガスによる光
吸収を受けるので、本発明によれば、結果として、光吸
収度合いを従来よりも増大でき、高い検出感度を得られ
る。
【0013】以上のように、本発明によれば、レーザー
装置などに設けられる共振器と同様の共振器が測定用の
外部共振器として利用され、その測定用共振器を利用し
て特定原子又は分子の高感度検出を達成でき、またセル
内に導入するガスの必要量を従来よりも削減できる。
【0014】上記の一対のミラーは望ましくは互いに対
向配置され、例えば、一方が入射ミラーで他方が出射ミ
ラーとなる。その場合、入射ミラーはセル内部からのレ
ーザー光を完全反射するように構成するのが望ましく、
出射ミラーはほとんどレーザー光を反射し、一部(例え
ば数%)のみの光を透過するように構成するのが望まし
い。一対のミラー間の距離は基本的に共振条件に基づい
て設定される。
【0015】本発明の望ましい態様では、前記測定用共
振器における一対のミラー間の光路長を周期的に可変す
る光路長掃引手段が設けられる。ここで、望ましくは、
前記光路長掃引手段は圧電素子である。このような光路
長の掃引によればミラー間の距離に多少誤差(製造誤
差、経年変化など)があっても、掃引中のいずれかの時
点で、レーザー光を同調できる。すなわち、ミラー間で
定在波を形成でき、その時の光吸収を利用して高感度で
ガス分析等を行える。なお、光路長掃引手段として圧電
素子を利用すれば、簡単な構成で掃引を実現でき、また
その圧電素子に供給する電気信号の周波数等を調整すれ
ば自在に掃引周期を調整できる。
【0016】本発明の望ましい態様では、前記吸収セル
内でガス放電を行わせる放電手段を含む。この場合、例
えば、高周波(RF)を利用して放電が行われ、あるい
は断続的な直流高電圧の印加によって放電が行われる。
【0017】本発明の望ましい態様では、前記光吸収検
出手段は、前記測定用共振器から出射するレーザー光を
検出する光検出器を含む。
【0018】(2)上記目的を達成するために、本発明
は、第1の同位体に対応する波長をもった第1のレーザ
ー光を出力する第1のレーザー発振器と、第2の同位体
に対応する波長をもった第2のレーザー光を出力する第
2のレーザー発振器と、サンプルガスが入れられる吸収
セルとその両端部に設けられた一対のミラーとを有し、
同時又は別個に入射される前記第1及び第2のレーザー
光を共振させる第1の測定用共振器と、規準ガスが入れ
られる吸収セルとその両端部に設けられた一対のミラー
とを有し、同時又は別個に入射される前記第1及び第2
のレーザー光を共振させる第2の測定用共振器と、前記
サンプルガス及び前記規準ガスによる各レーザー光の吸
収を検出するための光吸収検出手段と、前記サンプルガ
ス及び前記規準ガスによる各レーザー光の吸収に基づい
て同位体濃度比の演算を行う濃度比演算手段と、を含む
ことを特徴とする。
【0019】上記構成によれば、第1の測定用共振器及
び第2の測定用共振器には、それぞれサンプルガス及び
規準ガスが導入され、それらのガスによるレーザー光の
吸収を利用して原子又は分子の同位体の濃度比が演算さ
れる。
【0020】第1の測定用共振器においては、サンプル
ガス中の第1の同位体によって第1のレーザー光に対す
る光吸収が観測され、一方、サンプルガス中の第2の同
位体成分によって第2のレーザー光に対する光吸収が観
測される。その光吸収の差あるいは比から濃度比が演算
される。その際、第2の測定用共振器はいわゆる基準値
校正用あるいは基準値参照用に利用される。例えば、第
2の測定用共振器における規準ガス中の第1の同位体に
よる第1のレーザー光の光吸収と規準ガス中の第2の同
位体による第2のレーザー光の光吸収の差がゼロになる
ように感度調整が行われ、あるいは、それらの比が濃度
比演算に当たってのリファレンスとして利用される。
【0021】なお、第1のレーザー光及び第2のレーザ
光はそれぞれ測定しようとする同位体の共鳴吸収線にそ
れぞれ一致する波長を有するように生成され、例えば第
1の同位体第2の同位体の濃度比を測定する場合、第1
のレーザー発振器ではレーザー媒質として第1の同位体
が利用され、第2のレーザー発振器ではレーザー媒質と
して第2の同位体が使用される。
【0022】本発明によれば、測定用共振器内でレーザ
ー光が往復多重反射するので、これによって高い光吸収
効果を得られる。すなわち、少ないガスの量で高感度の
検出を行える。
【0023】本発明の望ましい態様では、前記光吸収検
出手段は、前記第1のレーザー光及び前記第2のレーザ
ー光に対応して設けられた第1及び第2の光検出器を含
み、前記第1及び第2のレーザー発振器から出射された
第1及び第2のレーザー光を前記第1又は第2の測定用
共振器に導く第1の光路切替器と、前記第1又は第2の
測定用共振器から出射された第1及び第2のレーザー光
を前記第1及び前記第2の光検出器に導く第2の光路切
替器と、が設けられたことを特徴とする。
【0024】本発明の望ましい態様では、前記第1及び
第2の光検出器からの出力信号の差分を演算する差分演
算器を含み、前記濃度比演算手段は、前記差分演算器の
出力に基づいて濃度比を演算する。
【0025】本発明の望ましい態様では、前記第1及び
第2の光路切替器の切替周期に従って、前記差分演算器
の出力を同期検波するロックインアンプを含む。また、
本発明の望ましい態様では、前記第1の同位体は13CO
2であり、前記第2の同位体は12CO2である。また、本
発明の望ましい態様では、前記サンプルガスは呼気であ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。
【0027】図1には、本実施形態に係るガス測定装置
である同位体濃度比測定装置の全体構成がブロック図と
して示されている。この装置は、レーザー光の吸収を利
用して同位体の濃度比を測定する装置であり、特に、上
述したヘリコバクター・ピロリの検査のために、試薬投
与後における被検者の呼気中の同位体の濃度比(12CO
213CO2)を分析する呼気分析装置である。
【0028】図1において、レーザー装置10及びレー
ザー装置12は、いわゆる炭酸ガスレーザー装置であ
り、それぞれ一般の炭酸ガスレーザーと同様のガス組成
(例えばCO2、N2、He)及び分圧比を有する。ただ
し、レーザー装置12では、CO2ガスとして通常のC
2ガスが利用されている。これは、同位体の存在比が
自然の同位体存在比(12CO213CO2が99:1)で
あるガスである。一方、レーザー装置10では、13CO
2が主体となったCO2ガスが利用されている。従って、
レーザー装置12では、10.6μmを中心とした波長のレ
ーザー光が生成され、レーザー装置10では、11.0μm
を中心とした波長のレーザー光が生成される。
【0029】本実施形態の装置は、呼気中における12
213CO2の濃度比を測定するものであるため、上記
のように12CO2レーザー装置と13CO2レーザー装置と
が利用される。もちろん、他の同位体濃度比を測定する
場合には、その測定を行う同位体ごとに光吸収を生じる
固有の波長をもったレーザー光を生成するレーザー装置
を用意する。
【0030】レーザー装置10、12は、一般の炭酸ガ
スレーザー装置と同様の構造を有する。レーザー装置1
0は、13CO2ガスが封入されるレーザー媒質セル14
aと、その両端部に設けられたミラー14b及び14c
と、からなるレーザー共振器14を有する。レーザー装
置12は、12CO2ガスが封入されるレーザー媒質セル
16aと、その両端部に設けられたミラー16b及び1
6cと、からなるレーザー共振器16を有する。それぞ
れのレーザー共振器(内部共振器)14、16では、光
共振によってレーザー光が増強・生成される。ミラー1
4b及びミラー16bは完全反射を生ずるミラーであ
り、ミラー14c及びミラー16cは一部(例えば1%
の光量)を透過させるミラーである。すなわち、ミラー
14c及び16cを介してレーザー光が出射される。
【0031】なお、各レーザー共振器14、16にはそ
の内部ガスを電離させるための放電電極(又は放電コイ
ル)などが設けられているが、図示省略されている。ち
なみに、それらの放電装置には放電用電源72からの交
流又は直流の高圧電力が供給される。
【0032】本実施形態の装置において、外部共振器
(測定用共振器)20及び22は、ガスによる光吸収を
測定するための機構である。検体ガス用の外部共振器2
0には、被検者の呼気として検体ガス(サンプルガス)
が封入される。その呼気は、13Cによってラベリングさ
れた尿素系試薬を被検者に経口投与してから一定時間
後、当該被検者から採取されたものである。一方、規準
ガス用の外部共振器22は、リファレンスとして用いら
れるものであり、その外部共振器22には自然界の同位
体存在比をもったCO2ガスか、あるいは上記の尿素系
試薬投与前の被検者の呼気が封入される。
【0033】外部共振器20及び22は、基本的には、
レーザー装置における内部共振器と同様の構成を有して
いる。具体的に説明すると、外部共振器20は、空洞容
器で内部にガスが充填される吸収セル20aと、その両
端部に設けられレーザー光を反射する一対のミラー20
b、20cと、で構成される。これと同様に、測定用共
振器22は、吸収セル22aと一対のミラー22b、2
2cとで構成される。ちなみに、ミラー20b及び22
bは入射ミラーであって、レーザー光のセル内への入射
を許容するとともにセル内からのレーザー光を反射する
ものである。ミラー20c及び22cは出射ミラーであ
って、セル内からのレーザー光をほとんど反射し一部の
レーザー光を通過させるものである。これらのミラーは
光軸に対して垂直に配置され、例えば公知の誘電体多層
膜や金蒸着膜で構成される。各ミラーの表面は平面であ
ってもよいが、集光性を高めるために湾曲していてもよ
い。なお、各吸収セル20a及び22aは、例えば円柱
状や各柱状のガラスバルブとして形成され、その内部ガ
ス圧は例えば数Torr−100Torrである。
【0034】上記の外部共振器20、22は、入射され
るレーザー光に共振するようにその光路長等が設定され
ている。入射したレーザー光は、2つのミラー間で往復
反射を繰り返し、その際に例えば放電によって励起され
たガス分子によって吸収を受ける。このため、長い測定
セルを構成した場合と同様に高い感度を得られる。ま
た、装置を小型化でき、かつ使用するガスの量を低減で
きるという利点がある。外部共振器20、22において
は、観測対象となる光吸収を多重に観測することが必要
になるので、いずれのレーザー光に対しても高反射係数
を有するミラーを利用して、外部共振器20、22にお
ける損失を十分に低減することが望ましい。なお、高反
射のミラーを使用すると、外部共振器からの出射光のパ
ワーが低下してしまうが、一般にCO2レーザーは他の
レーザー装置に比べて出力が大きいため問題とならな
い。
【0035】なお、図1においては、外部共振器20、
22に設けられるガス電離用の電極が図示省略されてい
る。そのような電極には、放電用電源72からの電力が
供給され、これによってセル内で放電が生じる。外部共
振器20、22の具体例については後に図2を用いて説
明する。
【0036】外部共振器20、22の前段には光路切替
器24が設けられ、測定用共振器20、22の後段には
光路切替器26が設けられている。光路切替器24は、
固定ミラー30、32、34、36と切替ミラー38、
40とで構成されるものである。光路切替器26は、固
定ミラー42、44、46、48と切替ミラー50、5
2とで構成されるものである。図示されていない連動機
構によって、切替ミラー38、40、50、52が図に
おいてA側にある場合、光路L1及びL2が形成され
て、レーザー装置10及び12からの2つのレーザー光
(第1のレーザー光、第2のレーザー光)がいずれも検
体ガス用の外部共振器20に導かれる。また、その外部
共振器20からの2つのレーザー光がそれぞれ光検出器
54、56に導かれる。一方、切替ミラー38、40、
50、52が図においてB側にある場合、光路L3及び
L4が形成されて、レーザー装置10及び12からの2
つのレーザー光がいずれも規準ガス用の外部共振器22
に導かれる。また、その外部共振器22からの2つのレ
ーザー光がそれぞれ光検出器54、56に導かれる。
【0037】上記の各切替ミラー38、40、50、5
2は、同期信号生成器70によって生成された同期信号
に従って動作する。この同期信号は例えば10Hzの信
号であり、そのようなタイミングで光路が交互に切り換
えられる。同期信号は、同期検波のために後述のロック
インアンプ64にも供給されている。
【0038】光検出器54、56は、光量に従ったレベ
ルの信号を出力する光センサであり、それらの出力信号
は、可変抵抗器などからなるレベル調整器58、60を
介して差動増幅器62に入力される。その差動増幅器6
2は、両信号の差分を表す差分信号を出力する。その差
分信号はロックインアンプ64において上記の光路切替
(外部共振器の選択)のタイミングで同期検波される。
その結果、2つの同位体間における光吸収の差に依存し
た信号が得られることになる。その信号は、信号処理回
路66に入力されて、その信号の大きさに基づいて同位
体の濃度比が演算される。そして、表示器68にその濃
度比が数値で表示される。この場合、その数値からヘリ
コバクター・ピロリの有無の判定及び定量を行って、そ
の判定結果を表示してもよい。
【0039】本実施形態の装置によって濃度比を測定す
る場合、まず最初に、レーザー装置10及び12からの
レーザー光が規準ガス用の外部共振器22に導入され、
その際に、差動増幅器62の出力がゼロになるように、
レベル調整器58及び60が調整される。その上で、検
体ガス用の測定用外部共振器20に2つのレーザー光が
導入される。この場合、検体ガス用の外部共振器20内
において、12CO21 3CO2の濃度比が規準ガスにおけ
る濃度比と異なれば、差動増幅器62の出力に信号が現
れることになり、その信号のレベルによって検体ガスに
おける12CO213CO2の濃度比を判定できる。なお、
上記実施形態では、測定用外部共振器20、22に同時
に2つのレーザー光が入射されていたが、別々に入射さ
れるように構成してもよい。しかしながら、同時入射に
よれば、測定条件を一致でき、また測定時間を短縮でき
る。
【0040】次に、図2を用いて、図1に示した外部共
振器20、22に好適な外部共振器74の一例について
説明する。
【0041】図2において、吸収セル76は円柱状の形
態を有している。吸収セル76の長さは、例えば10〜
20cm程度である。セル76の両端には両端を封止す
るようにミラー板78及び80が設けられ、そのミラー
板78及び80の一方面には光軸に対して垂直にミラー
78A及び80Aが形成されている。セル76には、ポ
ート76A及び76Bが形成されており、ポート76A
を介してガスが導入され、ポート76Bを介してガスが
排出される。各ポート76A及び76Bにはコック82
及び84が設けられている。ガス導入及び排出は自動化
してもよい。
【0042】吸収セル76の両端近傍には、リング状の
電極86、88が設けられ、それらの間にはガス放電用
として例えば高周波電圧、例えば直流電圧、例えばパル
ス電圧が印加される。放電用電極としてはこれ以外であ
ってもよく、例えばセル76の全体を取り囲むようにし
て放電用コイルを設けてもよい。また、放電用電極をセ
ル76の内部に電極を設けてもよい。この例では、各ミ
ラー78A、80Aがセル76の端壁を構成していた
が、セル76外部にそのようなミラーを設けてもよい。
【0043】ミラー板80と吸収セル76との間には、
本実施形態において、掃引手段としてPZTなどからな
る圧電素子90が設けられている。圧電素子90はリン
グ状の形態を有し、その両面間に電気的信号を供給する
と超音波振動が生じ、圧電素子90が伸縮する。その伸
縮運動によってミラー78A及び80A間の光路長を周
期的に掃引可能である。もちろん、圧電素子90以外の
部材を利用して掃引を行わせてもいい。なお、この例で
は、ミラー80A側に圧電素子90を設けたが、それを
ミラー78A側に設けてもよい。
【0044】圧電素子90に供給する信号の周波数は、
上記の光路切替器24、26の切替周波数(例えば10
Hz)と干渉しないように、それよりも十分に高くかつ
切替周波数と整数倍の関係にならないように設定するこ
とが望ましい。例えば、20KHz付近で10Hzの整
数倍とならない周波数が設定される。
【0045】このような掃引手段によれば、外部共振器
の共振周波数を繰り返し掃引できるので、2つのレーザ
ー光の周波数に繰り返し同調できる。よって、ミラー間
における光路長がレーザー光の共振長よりもずれていて
も、掃引の際に繰り返し自動的に同調結果を得ることが
でき、共振器の極めて厳密な加工・組立を不要にできる
という利点がある。なお、これと同様の光路長掃引手段
をレーザー装置内に組み込むこともできる。
【0046】次に、図3及び図4に基づいて、本実施形
態の装置の動作について説明する。図3(A)には、図
1に示した切替ミラー38、40、50、52がA側に
切り換えられ、これによってレーザー装置10及び12
からの2つのレーザー光が共に検体ガス用の外部共振器
20に導入されている状態が示されている。この状態で
は、2つのレーザー光は外部共振器20を介して2つの
光検出器54及び56にて検出される。図3(B)に
は、図1に示した切替ミラー38、40、50、52が
B側に切り換えられ、これによってレーザー装置10及
び12からの2つのレーザー光が共に規準ガス用の外部
共振器22に導入されている状態が示されている。この
状態では、2つのレーザー光は外部共振器22を介して
2つの光検出器54及び56にて検出される。
【0047】上述のように、最初に図3(B)の状態
で、レベル調整器58、60を利用して差動増幅器62
の出力がゼロになるように感度調整される。その後、同
期信号の周期で切替ミラー38、40、50、52が交
互に切り替えられる。
【0048】図4には、その切替時における各信号の波
形が示されている。なお、図4は上記圧電素子90によ
る掃引による変動については図示省略されており、信号
の包絡線が示されている。ここで、(A)は検出器54
の出力を示しており、(B)は検出器56の出力を示し
ており、(C)は差動増幅器62の出力を示しており、
(D)はロックインアンプ64の出力を示している。
【0049】図示のように、切替ミラーがB側に切り換
えられ、すなわち2つのレーザー光がいずれも規準ガス
用の外部共振器22に導入された場合には、検出器54
の出力及び検出器56の出力は基本的に同じとなる。と
ころが、切替ミラーがA側に切り換えられ、2つのレー
ザー光が検体ガス用の外部共振器20に導入された場合
であって、その検体ガスの12CO213CO2の濃度比が
規準ガスの濃度比と異なれば(すなわち13CO2の濃度
が高まれば)、その違いに応じて差増増幅器62の出力
レベルが上がることになる。この差動増幅器62の出力
信号は切替ミラーの切替周波数でロックインアンプ64
において同期検波されており、そのロックインアンプ6
4の出力は13CO2の濃度上昇分に相当することにな
る。すなわち、規準ガス中の12CO213CO2の濃度比
に基づいて、ロックインアンプ64の出力レベルから、
検体ガス中の12CO213CO2の濃度比を換算できる。
ひいては、その濃度比から患者の胃壁に存在するヘリコ
バクター・ピロリの有無の判定や定量を行える。
【0050】ちなみに、レーザー装置10、12や外部
共振器20、22の熱的な特性変動による誤差を低減す
るためには、それらを一体構造とし、更にそれらを熱的
に共通の冷却系で冷却するのが望ましい。
【0051】上記実施形態では、規準ガスの測定時に差
動アンプ62の出力がゼロになるように感度調整が行わ
れたが、必ずしもそのような感度調整を行わなくても、
信号の比などを利用して検体ガスの同位体の濃度比を演
算可能である。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
レーザー光の吸収を利用して被測定ガスの分析・測定を
高感度かつ低コストで行える。また、呼気分析を行う場
合に少量の呼気で十分な感度を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る同位体濃度比測定装置の実施形
態を示す図である。
【図2】 外部共振器の具体例を示す図である。
【図3】 本発明に係る同位体濃度比測定装置の動作を
示す図である。
【図4】 各信号の波形を示す図である。
【符号の説明】
10 13CO2レーザー装置、12 12CO2レーザー装
置、14,16 レーザー共振器(内部共振器)、20
検体ガス用外部共振器、22 規準ガス用外部共振
器、24,26 光路切替器、54,56 光検出器、5
8,60 レベル調整器、62 差動増幅器、64 ロ
ックインアンプ、70 同期信号生成器、72 放電用
電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前川 寛 東京都三鷹市牟礼6丁目22番1号 アロカ 株式会社内 (72)発明者 川那辺 純一 東京都三鷹市牟礼6丁目22番1号 アロカ 株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザー光を出力するレーザー発振器
    と、 被測定ガスが導入される吸収セルとその両端部に設けら
    れた一対のミラーとを有し、入射されるレーザー光を共
    振させる測定用共振器と、 前記被測定ガスによるレーザー光の吸収を検出するため
    の光吸収検出手段と、 を含むことを特徴とするガス測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、 前記測定用共振器における一対のミラー間の光路長を周
    期的に可変する光路長掃引手段が設けられたことを特徴
    とするガス測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の装置において、 前記光路長掃引手段は圧電素子であることを特徴とする
    ガス測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の装置において、 前記吸収セル内でガス放電を行わせる放電手段を含むこ
    とを特徴とするガス測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の装置において、 前記光吸収検出手段は、前記測定用共振器から出射する
    レーザー光を検出する光検出器を含むことを特徴とする
    ガス測定装置。
  6. 【請求項6】 第1の同位体に対応する波長をもった第
    1のレーザー光を出力する第1のレーザー発振器と、 第2の同位体に対応する波長をもった第2のレーザー光
    を出力する第2のレーザー発振器と、 サンプルガスが入れられる吸収セルとその両端部に設け
    られた一対のミラーとを有し、同時又は別個に入射され
    る前記第1及び第2のレーザー光を共振させる第1の測
    定用共振器と、 規準ガスが入れられる吸収セルとその両端部に設けられ
    た一対のミラーとを有し、同時又は別個に入射される前
    記第1及び第2のレーザー光を共振させる第2の測定用
    共振器と、 前記サンプルガス及び前記規準ガスによる各レーザー光
    の吸収を検出するための光吸収検出手段と、 前記サンプルガス及び前記規準ガスによる各レーザー光
    の吸収に基づいて同位体濃度比の演算を行う濃度比演算
    手段と、 を含むことを特徴とする同位体濃度比測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の装置において、 前記光吸収検出手段は、前記第1のレーザー光及び前記
    第2のレーザー光に対応して設けられた第1及び第2の
    光検出器を含み、 前記第1及び第2のレーザー発振器から出射された第1
    及び第2のレーザー光を前記第1又は第2の測定用共振
    器に導く第1の光路切替器と、 前記第1又は第2の測定用共振器から出射された第1及
    び第2のレーザー光を前記第1及び前記第2の光検出器
    に導く第2の光路切替器と、 が設けられたことを特徴とする同位体濃度比測定装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の装置において、 前記第1及び第2の光検出器からの出力信号の差分を演
    算する差分演算器を含み、 前記濃度比演算手段は、前記差分演算器の出力に基づい
    て濃度比を演算することを特徴とする同位体濃度比測定
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の装置において、 前記第1及び第2の光路切替器の切替周期に従って、前
    記差分演算器の出力に対して同期検波を行うロックイン
    アンプを含むことを特徴とする同位体濃度比測定装置。
  10. 【請求項10】 請求項6記載の装置において、 前記第1の同位体は13CO2であり、前記第2の同位体
    12CO2であることを特徴とする同位体濃度比測定装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項6記載の装置において、 前記サンプルガスは呼気であることを特徴とする同位体
    濃度比測定装置。
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