JPH1190109A - 石油類から水溶性無機塩類及び/又は非水溶性無機粒子を分離するための分離促進剤及び該分離促進剤を用いた分離方法 - Google Patents

石油類から水溶性無機塩類及び/又は非水溶性無機粒子を分離するための分離促進剤及び該分離促進剤を用いた分離方法

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JPH1190109A
JPH1190109A JP9273316A JP27331697A JPH1190109A JP H1190109 A JPH1190109 A JP H1190109A JP 9273316 A JP9273316 A JP 9273316A JP 27331697 A JP27331697 A JP 27331697A JP H1190109 A JPH1190109 A JP H1190109A
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oil
water
petroleum
separation
general formula
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JP9273316A
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Risa Uchida
理砂 内田
Akira Ota
晃 太田
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Minebea Co Ltd
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Minebea Co Ltd
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Cleaning Or Clearing Of The Surface Of Open Water (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 漂着油、オイルレイク、オイルサン
ド、油汚染土砂類、汚泥油、原油、流出油、廃油等に含
まれる不純物を分離する。 【 解決手段】 一般式(I)で示される化合物を含有
する、石油類中の水溶性無機塩類及び/又は非水溶性無
機粒子を分離する分離促進剤、及び該分離促進剤を用い
た石油類の分離方法。 R−O−(AO)n−R’ (I) [式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基を、AOは炭素
数2〜3のアルキレンオキサイドを、R’は水素原子又
は炭素数1〜2の炭化水素基を、nは1〜4の数を示
す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石油類が含有する
不純物を分離するための分離促進剤並びに該分離促進剤
を用いた分離方法に関する。詳しくは、本発明は、原
油、流出油、漂着油、オイルレイク、オイルサンド、油
汚染土砂類、廃油、泥油、汚泥油などの石油類から水溶
性無機塩類や非水溶性無機粒子を分離するのに用いられ
る分離促進剤並びに該分離促進剤を用いた分離方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】不純物を含む前記の種々の石油類のう
ち、まず、オイルタンカーや石油基地の流出油事故等に
よって海岸や河川岸等に打ち揚げられる多量の漂着油
は、海岸線等の環境を破壊するため、その処理が社会的
な問題となっている。
【0003】現在、流出油事故等の際の処理方法として
は、オイルフェンスの展張、油処理剤の散布、油吸着材
による回収、さらに漂着油が付着した砂利、岩石及び消
波ブロックなどに対しては、人海戦術による付着物の掻
き落としなどの方法が挙げられる。しかし流出油は、風
波の働きと油中に含まれている天然の乳化剤により非常
に安定化し、数日の内に水分を70〜80%含む安定な
エマルジョン、ムースとなり、油吸着材もまったく使用
できない程に粘度が高くなって、その処理は極めて困難
である。また砂浜に打ち上げられた漂着油は、砂に含浸
した状態で回収されてはいるが、それら回収物から油と
砂を効果的に分離する方法は知られていない。
【0004】特公昭64−5631号公報には、回収し
たムースを処理するムース処理剤組成物が提案されてい
るが、これは土砂類等の非水溶性無機粒子を含有する石
油類に適用することは難しい。
【0005】特開平3−114521号公報には、漂着
油によって汚染された海岸線に芳香族又はナフテン系炭
化水素溶媒を含む化学洗剤をスプレー法によって散布し
て洗い流す方法が提案されているが、この方法は、漂着
油を自然界に再分散させるものであり、また、有機溶剤
を使用することから、自然環境に対する二次破壊への影
響が解決されていない。
【0006】一方、湾岸戦争によって破壊された油田や
油田事故により流出した原油によって発生したオイルレ
イクは、アスファルト状のオイルスラッジを形成して生
物分解を困難なものにし、砂漠などの原油掘削地帯を大
規模に汚染しており、これもまた大きな社会問題となっ
ている。現在、このオイルスラッジの処理方法として、
加熱して油で友油洗浄した後に、洗剤で洗浄する方法が
提案されているが、この方法で処理した処理土中には油
分が5%程度、塩分が3%程度残留し、分離技術として
十分とはいえない。また、油分が4%程度の汚染土を過
酸化水素水で処理した後に微生物を利用して処理する方
法が研究されてはいるが、この方法では、油分を多く含
有する汚染土を処理することができず、かつ長い処理時
間がかかるという欠点がある。
【0007】原油については、一般的に塩水及びガスと
ともに埋蔵しているため、ほとんどの石油掘削現場で
は、塩分を含んだ多量の水とともに原油がくみ上げら
れ、通常は静置タンクやガンバレル(Gun Barr
el)により原油を脱水処理している。しかし、前記の
方法により脱水処理した原油中には、微細な水粒子とし
て安定な油中水型エマルションを形成して原油中に分散
している。このエマルションは、水滴のまわりにアスフ
ァルト、アスファルテン、レジン、窒素化合物、硫黄化
合物、硫化鉄、泥、粘土及びバラフィンなどの固形物が
強固な膜を構成してエマルションをさらに安定化してお
り、静置分離などの簡単な処理では除去することができ
ないことが多い。
【0008】一般的に、このエマルションは、微細な水
粒子の中に塩分等の水溶性無機塩類が溶解した状態で存
在し、その濃度が10%程度含まれていることもある。
水溶性無機塩類の主な成分は、塩化ナトリウムである
が、その他に、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等で
ある。これらの塩化物や塩類は、パイプライン、蒸留装
置等を腐食し、蒸留塔へ導かれる途中の加熱工程で析出
して伝熱を阻害したり、熱交換器チューブを閉塞させる
ために、ほとんどの原油は、新鮮な水又は低塩度の水相
で洗浄し、塩類を除去している。
【0009】特開昭59−152991号公報には、原
油にW/O型エマルジョンブレーカーを、O/W型エマ
ルジョンブレーカーを洗浄水にそれぞれ添加して原油を
洗浄し、塩化物を含んだ水層を油層から分離する方法が
提案されているが、この方法は、流動性を付与するため
に120℃程度の高温で処理しなければならず、また2
種類の処理剤を原油と洗浄水にそれぞれ添加しなければ
ならないので処理剤の管理に手間がかかり、また電気脱
塩方法を前提にした方法であるため経済性においても問
題がある。
【0010】特開平6−33361号公報には、重質原
油をエトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化第
2級アルコール、エトキシル化ソルビタンエステル、エ
トキシル化アミン等の乳化用表面活性剤もしくはアルカ
リ水溶液と混合し、低せん断速度の条件下で、100〜
160℃に加熱処理して原油層と塩を含んだ水層とに分
離する方法が提案されているが、この方法も加熱処理温
度を高くする必要があり経済的ではない。
【0011】さらに汚泥油は、石油タンクや石油備蓄タ
ンク底部、オイルセパレータ及びタンカー船底に蓄積さ
れた油と無機物粒子、有機物及び水からなる汚泥との混
合物であり、高い粘性を有するペースト状物質で、遠心
分離器による処理が不可能であった。特開昭59−11
2808号公報には、汚泥油に凝集剤としてナトリウム
ジアルキルサルホサクシネートとカチオン界面活性剤を
添加、攪拌しながら加熱して凝集フロックを形成し、次
いで分離剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル
を添加した後、三相遠心分離機によりスラッジケーキ、
油、分離水の3相に分離する方法が提案されている。こ
の方法は、凝集剤を添加する工程、分離剤を添加する工
程と、2工程を必要とする処理方法が採用されており合
理的ではない。
【0012】オイルサンドについては、重質油を砂や砂
岩で、その埋蔵量は膨大ではあるが、その含油量が5〜
10%と低く、流動性がないため採油法に問題があり、
効果的かつ経済的に油を分離する方法の開発が望まれて
いる。
【0013】廃油は、機械を使用するほとんどの生産現
場や工場から発生するもので、潤滑油などの油類に各種
の水溶性無機塩類や非水溶性無機粒子、水分等の夾雑物
が混ざったものであり、その合理的な処理方法は知られ
ていない。また、油汚染土砂類は、油類を使用する各種
の工場から漏出した油により汚染された土壌・土砂類で
あり、その多くは工場跡地に存在して油臭や油膜を発生
し、そのままでは埋め立て処分することはできないた
め、その経済的な処理方法の開発が望まれている。以上
のとおり、漂着油、オイルレイク、オイルサンド、油汚
染土砂類、汚泥油、原油、流出油、廃油等の様々な石油
類に含まれる水溶性塩類や非水溶性無機粒子などの不純
物を効率よく分離する方法は未だ見出されていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、漂着油、オイルレイク、オイルサンド、油汚染土砂
類、汚泥油、原油、流出油、廃油等の石油類から、水溶
性塩類や非水溶性無機粒子などの不純物を簡便に効率よ
く分離する技術を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の化合物を
含有する分離促進剤を添加した洗浄水が、石油類中の水
溶性無機塩類及び/又は非水溶性無機粒子を分離するの
に極めて優れていることを見出し、前記の種々の問題を
一挙に解決することができる本発明を完成するに至っ
た。
【0016】すなわち、本発明は、下記一般式(I)で
示される化合物を含有することを特徴とする、石油類中
の水溶性無機塩類及び/又は非水溶性無機粒子を分離す
る分離促進剤及び該分離促進剤を用いた石油類の分離方
法に係る。 R−O−(AO)n−R’ (I) [式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基を、AOは炭素
数2〜3のアルキレンオキサイドを、R’は水素原子又
は炭素数1〜2の炭化水素基を、nは1〜4の数を示
す。]
【0017】漂着油、オイルレイク、オイルサンド、油
汚染土砂類、汚泥油、原油、流出油、廃油等の石油類を
洗浄液で処理する際に、本発明の分離促進剤を添加して
用いることにより、水溶性無機塩類や非水溶性無機粒子
などの不純物が極めて容易に分離できるばかりでなく、
洗浄液の混合状態での流動性が付与されるため、低温に
おいても容易に撹拌混合が可能となり、作業性において
も極めて優れた、効率的な分離が可能となるものであ
る。
【0018】本発明の分離促進剤に含有される前記一般
式の化合物は、具体的には、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノエチルエーテル等が例示でき、中でもジエチレングリ
コールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノメチルエーテルが特に好ましい。
【0019】本発明の分離促進剤は、さらに下記一般式
(II)で示される化合物を含むことができる。 Cn2n+1O(CH2CH2O)mSO3M (II) [式中、nが8〜16のアルキル基、mが8〜16のオ
キシエチレン基、Mがナトリウム、カリウムのアルカリ
金属、アンモニウム又は低級アルカノールアミンを示
す]。
【0020】本発明の分離促進剤は、さらに下記一般式
(III)で示される高級アルコール及び下記一般式
(IV)で示される高級アルキル硫酸エステルを含むこ
とができる。 Cn2n+1OH (III) [式中、nが8〜17の数を示す]。 Cn2n+1OSO3M (IV) [式中、nが8〜16の数を、Mはナトリウム、カリウ
ム等のアルカリ金属、アンモニウム又は低級アルカノー
ルアミンを示す]。
【0021】さらに、本発明は、石油類に上記分離促進
剤を含む洗浄水を加えて攪拌混合し、石油類中の水溶性
無機塩類及び/又は非水溶性無機粒子を分離し、分離し
た水相部を冷却して過飽和な水溶性無機塩類を晶析分離
した後、水相部を洗浄水として再使用する方法に係る。
【0022】本発明における石油類としては、原油、回
収した流出油、漂着油、オイルレイク、オイルサンド、
油汚染土砂類、廃油、泥油、汚泥油等であり、一方、こ
れらの石油類に含まれる水溶性無機塩類としては、金
属、アルカリ金属、アルカリ土類金属などとハロゲン元
素、硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸との水溶性化合物であ
り、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウ
ム等の塩化物、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム等の硫
酸塩等を例示することができ、また非水溶性無機粒子と
しては、砂、土、粘土、シルト、砂礫、天然石膏などを
例示することができる。
【0023】本発明の分離促進剤は、一般式(I)で示
される化合物を含有するものである。また、本発明の分
離促進剤は、一般式(I)及び一般式(II)で示され
る化合物を含有するものであり、これら化合物の混合割
合としては、一般式(I)で示される化合物が10〜9
0重量%、一般式(II)で示される化合物が90〜1
0重量%を含有するものが望ましい。さらに、本発明の
分離促進剤は、一般式(I)、一般式(II)、一般式
(III)及び一般式(IV)を含有するものであり、
これら化合物の混合割合としては、一般式(I)で示さ
れる化合物が10〜90重量%、一般式(II)で示さ
れる化合物が10〜90重量%、一般式(III)で示
される化合物が1〜30重量%、一般式(IV)で示さ
れる化合物が1〜30重量%を含有するものが望まし
い。
【0024】本発明の分離促進剤は、通常は洗浄水の中
に添加して使用するのがよく、その使用量は、対象とな
る石油類により最適な添加量を選定すればよく、通常は
洗浄水中に純分換算で0.01〜10%の濃度で添加す
るのがよい。
【0025】図1は、本発明の方法を図示したものであ
る。すなわち、本発明の方法は、具体的には、 1)洗浄水に本発明の分離促進剤を0.01〜10%の
濃度となる量を添加し、 2)加熱器と攪拌機の付いた処理槽に、石油類70〜9
0容積%と洗浄水10〜30容積%を仕込み、 3)石油類と洗浄水とを処理槽中で100℃以下の温度
に加熱して、所望の時間攪拌・混合し、 4)次いで、得られた混合液を遠心分離機に送って遠心
分離して、 5)油分−水溶性無機塩類が溶解した洗浄水分−非水溶
性無機粒子分に分離する。さらに、洗浄水分を再使用す
る場合には、 6)洗浄水分を晶析装置あるいは洗浄水タンクに導い
て、洗浄水を冷却し、過飽和な水溶性無機塩類を晶析分
離し、晶析後の洗浄水を再利用する。なお、洗浄水を再
利用したり、補給水を追加した場合は、洗浄水中の分離
促進剤の濃度が減少するので、分離促進剤の不足量を添
加して濃度を調整すればよい。
【0026】
【実施例】
【実施例1】 1.使用材料と使用器具 1)試料石油類 海岸に漂着したナホトカ号事故時に流出した重油と海岸
砂との混合物(以下、試料Aと略す。) 2)分離促進剤 表1に示す成分組成及び濃度の水溶液を使用した。
【0027】
【表1】
【0028】3)使用機器 国産遠心機(株)製の遠心分離器(半径25cm)を使
用した。
【0029】2.試験方法 1)流動性試験 試料Aを3つのビーカー、、に各々50ccづつ
分取し、ビーカーは純水のみを10cc添加、ビーカ
ーは鈍水5ccと分離促進剤Aの20倍希釈水5cc
添加、ビーカーは純水5ccと分離促進剤Bの20倍
希釈水5ccを添加して、ウォーターバス40℃中に浸
し、スパチュラーにて攪拌した後に流動性の変化を確認
し、その後ウォーターバスの温度を50、60、70、
80℃に上げて、温度による影響も確認した。なお、試
験は、試料Aが砂をかなり含んでおり回転粘度計が使用
できなかったため、目視で確認した。
【0030】2)分離性試験 1)の流動性試験を終了した後、ビーカーに純水20
ccをさらに添加、ビーカーに分離促進剤Aの20倍
希釈水20ccをさらに添加、ビーカーに分離促進剤
Bの20倍希釈水20ccをさらに添加し、60℃に加
温して3分間攪拌した後、遠心分離器(60℃セット)
1000rpm(279G)10分で分離試験を、さら
に温度を70、80℃に加温してた場合の分離試験を実
施した。 3)洗浄水の再生 2)の分離性試験を終了した後、分離した水層分を抜き
取り、この水を洗浄水として再使用して、新しい試料A
に混合し、2)と同一条件で分離性試験を実施し、分離
状況を観察した。
【0031】3.試験結果 1)流動性試験 流動性試験の結果、ビーカーはかなり抵抗があり、ビ
ーカー及びはよく混合でき流動性が顕著に改善され
た。温度を50、60、70、80℃に上げたところ、
ビーカー及びは温度の上昇に伴い粘度が低下し、流
動性が向上した。
【0032】2)分離性試験 分離性試験の結果、ビーカーは、何ら変化が見られな
かった。ビーカー及びは、油層−水層−砂混じりの
泥分層の3層に分離した。ビーカー及びの油層は、
常温で流動化している均一な油が採取でき、水分を分析
したところ不検出であった。ビーカー及びの水層
は、僅かに茶色がかった透明な水であった。ビーカー
及びの泥分層は、分離促進剤Aが完全に分離できてお
り、分離促進剤Bは若干混濁していた。ビーカー及び
は、温度を70、80℃に上げたところ、分離状態が
温度とともに向上した。
【0033】3)洗浄水の再生 2)の遠心分離試験で分離したビーカーの水層を分取
し、これを洗浄水に再使用して、1)流動性試験、2)
分離性試験を行った。その結果、純水と分離促進剤Aを
使用した場合とほとんど同様に良好な流動性向上と分離
性能を示した。分離促進剤Aは、水層に存在してその機
能が落ちていない事が確認された。従って、実運用では
水層に消費された分離促進剤Aを補充して、水層中の塩
類が飽和にならなければ何回でも水層を洗浄水として使
用することが可能である。
【0034】
【実施例2】 1.使用材料及び使用機器 1)供試石油類 原油の流出により発生した中東オイルレイクより採取し
た、表2に示す性状のものを使用した。(以下、試料B
と略す。)
【0035】
【表2】
【0036】2)分離促進剤 実施例1で使用した分離促進剤Aを使用した。
【0037】2.試験方法 1)試料Bを3つのビーカー、、に各々150c
cづつ分取し、ビーカーは、試料Bのみ、ビーカー
は、純水のみ110cc添加し、ビーカーは、純水1
00cc及び20倍に希釈した分離促進剤Aを10cc
加え、70℃にセットしたウォーターバス上で3分攪拌
して試料調整し、併せて粘性の低下も確認した。 2)次に、ビーカーの調整試料100ccを遠心分離
器の検水管に分取し70℃で1000rpm(279
G)で10分セットした後分離状況を観察するととも
に、分離した各層の分析用試料を採取し測定した。 3)遠心分離した上層部の油層を分取し、更に上記
1)、2)と同じ操作を繰り返し油層のClを測定し
た。
【0038】3.試験結果 1)70℃でスパチュラーにて攪拌すると試料Bのみの
ビーカー、及び純水のみ添加のビーカーと比較し
て、ビーカーは、粘度がかなり低下して常温で軟化流
動化して、油分のビーカー壁面への付着も減少した。 2)遠心分離したビーカーの検水管は、油層と水層と
の2層にきれいに分離した。この検水管を室温に静置し
たところ検水管下部に白い結晶が析出していた。油層中
の水分は、水層に移行して油層上部では検出されなかっ
た。検水管より油層、水層、白い結晶体を採取して分析
した結果を、それぞれ表3、4、5に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】3)以上の結果から、分離促進剤Aを添加
して、加温−攪拌−混合−遠心分離することで高粘度石
油の流動性を向上し、油中に混じった塩類を除去するこ
とができた。この操作を2回繰り返した場合、Clはほ
とんど除去できた。また、塩類を除去し、水分を完全に
分離することで油の発熱量が増加した。
【0043】
【発明の効果】本発明の分離促進剤は、水溶性無機塩類
及び/又は非水溶性無機粒子を不純物として含有する石
油類の粘性を低下させる性能、及びこれら不純物を分離
させる性能を有するために、本発明の分離促進剤を使用
した本発明の方法は、比較的低い温度での攪拌混合処理
を可能にし、かつ石油類よりこれら不純物を経済的に分
離することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の一態様を模式的に示すものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10G 17/02 E02B 15/04 17/09 B09B 3/00 ZAB 29/00 304K E02B 15/04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石油類中の水溶性無機塩類及び/又は非
    水溶性無機粒子を分離する分離促進剤であって、一般式
    (I)で示される化合物を含有することを特徴とする、
    前記分離促進剤。 R−O−(AO)n−R’ (I) [式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基を、AOは炭素
    数2〜3のアルキレンオキサイドを、R’は水素原子又
    は炭素数1〜2の炭化水素基を、nは1〜4の数を示
    す。]
  2. 【請求項2】 一般式(II)で示される化合物を更に
    含有することを特徴とする、請求項1に記載の分離促進
    剤。 Cn2n+1O(CH2CH2O)mSO3M (II) [式中、nは8〜16の数を、mは8〜16の数を、M
    はアルカリ金属、アンモニウム又は低級アルカノールア
    ミンを示す。]
  3. 【請求項3】 一般式(I)で示される化合物が10〜
    90重量%、一般式(II)で示される化合物が90〜
    10重量%含有することを特徴とする、請求項2に記載
    の分離促進剤。
  4. 【請求項4】 一般式(III)及び一般式(IV)で
    示される化合物を更に含有することを特徴とする、請求
    項2に記載の分離促進剤。 Cn2n+1OH (III) [式中、nは8〜17の数を示す。] Cn2n+1OSO3M (IV) [式中、nは8〜16の数を、Mはアルカリ金属、アン
    モニウム又は低級アルカノールアミンを示す。]
  5. 【請求項5】 一般式(I)で示される化合物が10〜
    90重量%、一般式(II)で示される化合物が10〜
    90重量%、一般式(III)で示される化合物が1〜
    30重量%、一般式(IV)で示される化合物が1〜3
    0重量%含有することを特徴とする、請求項4に記載の
    分離促進剤。
  6. 【請求項6】 一般式(I)で示される化合物がジエチ
    レングリコールモノブチルエーテル及び/又はジプロピ
    レングリコールモノメチルエーテルであることを特徴と
    する、請求項1〜5のいずれかに記載の分離促進剤。
  7. 【請求項7】 石油類に洗浄水を加えて攪拌混合し、石
    油類中の水溶性無機塩類及び/又は非水溶性無機粒子を
    分離する方法において、洗浄水中に、請求項1〜6のい
    ずれかに記載の分離促進剤を添加して使用することを特
    徴とする、前記方法。
  8. 【請求項8】 石油類に洗浄水を加えて攪拌混合し、石
    油類中の水溶性無機塩類及び/又は非水溶性無機粒子を
    分離し、分離した水相部を冷却して過飽和な水溶性無機
    塩類を晶析分離した後、水相部を洗浄水として再使用す
    ることからなる方法において、洗浄水中に請求項1〜6
    のいずれかに記載の分離促進剤を添加して使用すること
    を特徴とする、前記方法。
  9. 【請求項9】 石油類が漂着油、オイルレイク、オイル
    サンド、油汚染土砂類、汚泥油であることを特徴とす
    る、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 石油類が原油、流出油、廃油であるこ
    とを特徴とする、請求項7又は8に記載の方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114590869A (zh) * 2022-05-11 2022-06-07 山东柏源技术有限公司 一种含油污水的离心分离处理装置

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