JPH1188032A - マルチバンドアンテナ装置及びそれを用いた携帯無線機 - Google Patents

マルチバンドアンテナ装置及びそれを用いた携帯無線機

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JPH1188032A
JPH1188032A JP9241130A JP24113097A JPH1188032A JP H1188032 A JPH1188032 A JP H1188032A JP 9241130 A JP9241130 A JP 9241130A JP 24113097 A JP24113097 A JP 24113097A JP H1188032 A JPH1188032 A JP H1188032A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一つのアンテナ装置で異なる周波数帯の送受
信が可能な小型のマルチバンドアンテナ装置を提供する
こと。 【解決手段】 第1のアンテナ装置100と第2のアン
テナ装置200とを非導電性の接続部材を介して接続し
てなるアンテナ部分を有するアンテナ装置において、第
1のアンテナ装置100は二つの螺旋形状アンテナとL
C並列共振回路からなり、第2のアンテナ装置200は
二つの線状アンテナとLC並列共振回路、または一つの
螺旋アンテナと一つの線状アンテナとLC並列共振回路
とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体無線機等に
用いられるアンテナ装置に属し、特に一つのアンテナ装
置で異なる複数の周波数帯の送受信を実現するマルチバ
ンドアンテナ装置及びそれを用いたマルチバンド携帯無
線機に属する。
【0002】
【従来の技術】異なる周波数帯域で無線機を使用する場
合、アンテナ装置としては、複数あるのが一般的であ
り、典型的な例としてはFM/AMラジオがあげられ
る。これに対して、一つのアンテナ装置で離れた周波数
帯域を共用出来るものとしてトラップアンテナがある。
このトラップアンテナはマルチバンドアンテナとしてア
マチュア無線用に広く使用されている。
【0003】従来、この種のトラップアンテナの従来技
術1としては、例えば、特開平5−121924号公報
があげられる。この従来技術では、線状アンテナ素子
と、インダクタンス素子、及びキャパシタンス素子とか
らなる共振回路とから構成されているものであり、その
原理を2周波の場合を例にとって図1を参酌して説明す
る。
【0004】共振させた高い方の周波数がf HIGH であ
るとき、線状アンテナ素子の共振させたい高い方の周波
数f HIGH のλ/2のところに、その周波数で反共振を
起こすトラップ回路(LC並列共振回路)を入れると、
ほぼその周波数の付近でアンテナは共振する。
【0005】一方、共振させたい低い方の周波数f LOW
に関しては、前述の周波数f HIGHで共振させるために
装荷されたトラップがリアクタンスとして働くためアン
テナロッドの全長を調節して、共振をとるようにする。
これによって異なる2つの周波数で共振するアンテナを
構成することが出来るとしている。
【0006】また、従来の携帯無線機用アンテナは、携
帯時には本体に収納し、通話時には本体から引き出して
使用し得るホイップアンテナが使われている。これらの
アンテナは、本体から引き出した状態では、モノポール
アンテナとして動作するが、アンテナを本体に収納した
状態では十分な利得が得られず、収納時の利得を向上さ
せるため線状アンテナの上端部分にヘリカルアンテナを
接続したアンテナ装置(米国特許5,204,687号
公報;従来技術2)が使われている。
【0007】このようなアンテナ装置は、図18及び図
19に示すように、携帯電話用アンテナとして用いられ
ている。図18及び図19において、2はヘリカルアン
テナエレメントであり、3は線状アンテナエレメントで
ある。
【0008】図18は、シングルバンドアンテナ(非絶
縁型の一例)を示しており、線状アンテナエレメント3
とヘリカルアンテナエレメント2が接続されているタイ
プであり、ヘリカルアンテナエレメント2を有すること
で線状アンテナエレメント3の長さを短くしたものであ
る。
【0009】また、図19は、シングルバンドアンテナ
(絶縁型の一例)を示しており、ヘリカルアンテナエレ
メント2と線状エレメント3を絶縁し、それぞれアンテ
ナを電話機本体に収納した待機状態ではヘリカルアンテ
ナエレメント2のヘリカル部のみが、またアンテナを電
話機本体から引き出した通話状態では線状アンテナエレ
メント3の線状部が、おのおの独立して機能するように
設定された一組みの割り当て周波数用のアンテナであ
る。
【0010】図18び図19において、4は線状アンテ
ナエレメント3を被覆しているチューブ、5はホルダ
ー、6はスリーブ(図2におけるアンテナの電極)、7
はストッパー、8はモールド部、22は上部ヘリカルエ
レメントである。
【0011】ここで一組の割り当て周波数とはそのなか
には受信周波数と送信周波数の2周波数があり、図18
及び図19の割り当て周波数用従来アンテナでも、ヘリ
カルアンテナエレメント2を受信周波数に同調し、線状
アンテナエレメント3を受信及び送信周波数の中間に同
調するといった2周波アンテナは使われている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術1によるマルチバンドアンテナは、電話機内蔵型のア
ンテナであるために、アンテナを本体から外部に引き出
すことができず、利得が小さいことから、特に携帯機か
らから送信する際の伝送特性が確保できないという問題
がある。
【0013】また、従来技術2によるアンテナはシング
ルバンド(一つの割り当て周波数帯)に対応するもの
で、マルチバンド(二つの割り当て周波数帯)には対応
できないという問題がある。
【0014】そこで、本発明の課題は上記の問題を解決
するために、アンテナ収納時には第1のアンテナ装置
(螺旋形状マルチバンドアンテナ)が動作し、アンテナ
引き出し時には第2のアンテナ装置(線状マルチバンド
アンテナまたは線状エレメントと螺旋状エレメントの組
合せによるマルチバンドアンテナ)が動作することによ
り、収納時及び引き出し時のいずれにおいても、必要な
伝送特性が確保でき、一つのアンテナ装置で異なる周波
数帯の送受信が可能な小型のマルチバンドアンテナ装置
及びそれを用いたマルチバンド携帯無線機を提供するこ
とにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第1の
アンテナ装置と第2のアンテナ装置とを非導電性の接続
部材を介して接続してなるアンテナ部分を有するアンテ
ナ装置において、前記第1のアンテナ装置は螺旋形状ア
ンテナとLC並列共振回路とからなり、前記第2のアン
テナ装置は二つの線状アンテナとLC並列共振回路とか
らなることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置が得
られる。
【0016】
【発明の実施の形態】最近の携帯電話の普及により、例
えば当初割り当ての800MHz帯の混雑により、2つ
めの割り当て1.5GHz帯の使用が増えている。本発
明のマルチバンドアンテナは、これらの2組の割り当て
周波数(送信、受信という意味では4周波数)に対応す
ることで、800MHz帯が混雑して、通話できないと
きには1.5GHz帯を使用し、逆に1.5GHz帯の
サービスがされていない地域では800MHz帯を使用
できるマルチバンドアンテナ装置である。
【0017】なお、日本国では800MHz帯と1.5
GHz帯のPDC方式、または800MHz帯PDC
と、1.9GHz帯PHS。米国は800MHz帯と
1.9GHz帯。欧州は900MHz帯と1.8GHz
帯。で同様の要求がある。
【0018】このように2つの異なる割り当て周波数に
おいて各々の送信、受信の周波数をカバーするために、
本発明では例えば800MHz帯および1.9GHz帯
の両割り当て周波数においての送信、受信の中間周波数
に同調をとり、そのおのおのの周波数にて、送信、受信
両周波数をカバーできるバンド幅を得るためには、例え
ば周波数帯域のVSWR値は2.3以下が必要である。
【0019】本発明者等は、シミュレーション及び実験
によりLC並列共振回路の条件を調べたところ、例えば
インダクタンス値Lが7nHより大きいところで(この
例ではキャパシタンス値1pF以下)が得られやすいこ
とがわかった。
【0020】定数;LC並列共振器のインダクターのイ
ンダクタンス値L L≧7nH、LC並列共振器のキャ
パシターのキャパシタンス値C C≦1pF。
【0021】よって、本発明の特徴は,これらの定数に
よるトラップ回路を使用した第1のアンテナ装置(螺旋
形状マルチバンドアンテナ)および第2のアンテナ装置
(線状マルチバンドアンテナ,または線状エレメントと
螺旋状エレメントの組合せによるマルチバンド)を構成
することで、アンテナを電話機本体に収納した待機状態
では第1のアンテナ装置が、またアンテナを電話機本体
から引き出した通話状態では第2のアンテナ装置がおの
おの独立して機能し、それぞれの状態で例えば800M
Hz帯と1.9GHz帯の二つの割り当て周波数に対応
可能なマルチバンドアンテナ装置を構成している。
【0022】線状エレメントは、超弾性金属からなり、
可撓性を有するポリマー、もしくはエストラマーからな
る絶縁性樹脂材料によってモールドされている。
【0023】本発明の実施の形態において、第1のアン
テナ装置に螺旋形状アンテナを用い、第2のアンテナ装
置に線状アンテナを用いたものと、第1のアンテナ装置
に螺旋形状アンテナを用い、第2のアンテナ装置に螺旋
形状アンテナと線状アンテナをもちいたものの二つのタ
イプについて説明する。
【0024】以下、図面を用いて具体的に本発明の実施
の形態例について説明する。ここでは一つの例として周
波数は800MHz帯と1.9GHz帯の二つの割り当
て周波数に対応するマルチバンドアンテナ装置について
述べる。
【0025】図1は、トラップアンテナの原理を示して
おり、おもに第2のアンテナ装置に使われる二つの線状
アンテナの組合せの一例を示している。ここではアンテ
ナエレメントにNiTi合金からなる超弾性の線状エレ
メントを用い、トラップ回路(共振回路)1には100
5サイズ(1.0mm×0.5mm)のチップ積層イン
ダクタンス素子Lを用いた例である。チップ積層インダ
クタンス素子Lは、これ自身の自己共振周波数による並
列共振を有する。
【0026】線状エレメントの長さは一般にはλ/2の
波長やλ/4,または3λ/8の波長がよく使われてい
るが、ここではλ/4の波長について例として述べる。
図1の場合においては、電話機側エメント(下部ロッド
エレメント)31の長さを3.9cmとし、開放端側エ
レメント(上部ロッドエレメント)32の長さを2.9
cmそれぞれの線径Φ0.8mmのNiTi合金を使用
し、共振回路(チップインダクター)1の値を39n
H、インダクタのもつ浮遊容量を0.18pFを用いた
ところ、図2に示すような、第2のアンテナ装置のマル
チバンド特性(50Ω系ネットワークアナライザによる
リターンロス特性にて示す)が得られた。
【0027】図3は、マルチバンドアンテナ装置の第1
のアンテナ装置に使われる螺旋アンテナ(ヘリカルコイ
ル)の一例を示している。第1のアンテナ装置は、螺旋
形状アンテナと、この螺旋形状アンテナ自身の自己共振
によるLC並列共振回路とからなる。LC並列共振回路
のL,Cは、プリント基板に実装されている。
【0028】次に、第1のアンテナ装置に使われる螺旋
状アンテナの一例を示すと、図3において、線径Φ0.
45mmの銅線を外径2.2mmになるような形状に二
つの螺旋アンテナ(ヘリカルコイル)を巻線する。一つ
目の上部ヘリカルエレメント22は、巻数15Turn
s、長さ16mmとなるように形成し、二つめの下部ヘ
リカルエレメント23は巻数6Turns、長さ20m
mとなるように形成する。この二つのヘリカルエレメン
ト22,23を直列に接続しただけでも、マルチバンド
特性は得られる。
【0029】図4は、マルチバンドアンテナ装置の第1
のアンテナ装置に使われる螺旋形状アンテナ(二つのヘ
リカルコイル22,23と、その間にトラップ回路であ
るチップインダクター自己共振型共振回路1A)の一例
を示しており、図5は第1のアンテナ装置の特性例(リ
ターンロス特性)を示している。
【0030】図4に示したように、さらに、これら二つ
のヘリカルコイル22,23の間にトラップ回路1Aを
挿入・接続することで、図5に示すような、良好なマル
チバンド特性(50Ω系リターンロス特性)が得られ
た。
【0031】図6は、図4に示した螺旋形状アンテナを
用いる第1のアンテナ装置100と図1に示した線状ア
ンテナを用いる第2のアンテナ装置200を電気的に絶
縁して組合せ、第1のアンテナ装置100は、電話機本
体の反対側の第2のアンテナ装置200の上端面側に配
置構成した例を示している。
【0032】図6における3はロッドアンテナエレメン
ト、4はロッドアンテナエレメント3を被覆しているチ
ューブ、5はチューブ4を保持しているホルダー、6は
第1のアンテナ装置100の電極となるスリーブ、7は
ストッパー、8は第1のアンテナ装置100をモールド
しているモールド部である。
【0033】また、図7は、第1のアンテナ装置100
に使われるミャンダーパターンエレメントを有するミャ
ンダーパターンプリント基板を備えているマルチバンド
アンテナ装置の一例を示している。この例では、図4に
示した螺旋アンテナの代わりに、図8に示すミャンダー
パターンプリント基板1Cを第1のアンテナ装置100
としている。
【0034】第1のアンテナ装置100は、図6と同様
の図1に示した線状アンテナを図6と同様第2のアンテ
ナ装置の上端面側に配置構成した例である。
【0035】ここでミャンダーパターンプリント基板を
説明すると、図8及び図9において、パターン導体幅
0.5mm、57Turns(ターン)、パターン導体
幅4mm×24mmにて形成されたミャンダーパターン
プリント基板(トラップ回路付き)1Dを用いること
で、マルチバンド特性を得ることができる。
【0036】ミャンダーパターンプリント基板1Cは、
その一部に自己共振を有しており、その自己共振によっ
てLC並列共振回路を形成したもので、ミャンダーパタ
ーンプリント基板1Dは、LC並列共振回路1Aをプリ
ント基板1D上に実装されている。このプリント基板1
Dは、ポリマー、もしくはエストラーマからなる可撓性
を有する絶縁性樹脂材料によってモールドされている。
【0037】図9は、第1のアンテナ装置100に使わ
れるミャンダーパターンプリント基板(二つのミャンダ
ーパターンとその間にトラップ用並列共振回路)の一例
を示している。図9に示したように、例えば,チップイ
ンダクター自己共振型共振回路(トラップ回路)1Aを
用いることで、図5と同等の特性を得ることができた。
【0038】図10は、図6及び図7と同様に第1のア
ンテナ装置100に螺旋マルチバンドアンテナを使用
し、第2のアンテナ装置200に線状マルチバンドアン
テナを使用した例であるが、図6及び図7と異なる点
は、第1の螺旋アンテナ装置100を電話機本体側(線
状アンテナの下端側)に配置構成したことにある。
【0039】この例のような構成でも、図6及び図7の
ような線状アンテナ上端部に螺旋アンテナを配置した構
成と同等のマルチバンド伝送特性を確認できたが、特
に、図10に示した螺旋アンテナ(ヘリカルアンテナエ
レメント)2が線状アンテナ(ロッドアンテナエレメン
ト)3の下端に位置する構成では、線状アンテナ3と電
話機本体側の回路基板(図示せず)をつなぐ同軸信号線
9−1を第1の螺旋アンテナ側面を通過配線する必要が
あるのでこの部分にはプラスチック型の電波吸収体チュ
ーブ9を使用することで、信号線9−1と螺旋アンテナ
2との相互干渉を抑制している。
【0040】図11乃至図14は、第1のアンテナ装置
には2つの螺旋アンテナを組合せ、第2のアンテナ装置
200に螺旋アンテナ2と線状アンテナ(下部ロッドア
ンテナ)3を組合せ配置した例である。
【0041】図11は、図10と同様電話機本体側(線
状アンテナ31の下端側)に第1のアンテナ装置100
を配置構成したもので、第2のアンテナ装置200は線
状アンテナ3と螺旋形状アンテナ2とからなり、線状ア
ンテナ3の上端側に第2のアンテナ装置200の一部を
構成するヘリカルエレメント24を構成した例である。
【0042】例えば、本実施例では第2のアンテナ装置
200のヘリカルエレメント24は図15に示すように
線径Φ0.45mmの銅線を外径2.0mmになるよう
に10Turns、長さ13mmとなるように巻線し、
引き続き同じ銅線で同じ外径寸法で6Turns、長さ
5mmとなるように巻線して形成した。線状ロッド31
は上記のとおり線径Φ0.8mmのNiTi、超弾性合
金を長さ3.9cmにて形成したものである。
【0043】これらヘリカルエレメント24と下部ロッ
ドエレメント31の間には、例えばチップインダクター
自己共振型共振回路(トラップ回路)1Aを挿入・配置
している。また、第1のアンテナ装置100においても
2つのヘリカルエレメント22,23の間トラップ回路
1Aを挿入している。
【0044】図12は、第1のアンテナ装置100を第
2のアンテナ装置200の上端側に配置構成した例であ
る。第1のアンテナ装置100は、2つのヘリカルエレ
メント22,23をトラップ回路1Aを間に介して配置
し、その下に第1のアンテナ装置100の電極端子部2
5を設け、さらにその電極端子25の下に第1のアンテ
ナ装置100とは電気的に絶縁を施している絶縁部材2
6が設けられ、第2のアンテナ装置200が配置されて
いる。
【0045】第2のアンテナ装置200は、第1のアン
テナ装置100側に下部ロッドエレメント32を配置
し、電話機本体側に第2のアンテナ装置200の一部を
構成するヘリカルエレメント24を配置し、ヘリカルエ
レメント24とロッドエレメント32との間はトラップ
回路1Aで接続している。
【0046】図13は、二つのヘリカルエレメント(螺
旋アンテナ)22,23からなる第1のアンテナ装置1
00と,第2のアンテナ装置200の一部を構成するヘ
リカルエレメント24を第2のアンテナ装置200の下
部ロッドエレメント31の上端側に配置した例である。
ここで第1のアンテナ装置100と第2のアンテナ装置
200は、電気的に絶縁材料26によって絶縁されてい
る。
【0047】図14の構成では、ヘリカルエレメント2
2,23からなる第1のアンテナ装置100と第2のア
ンテナ装置200の一部をなすヘリカルエレメント24
を電話機本体側に配置し、その上端側(電話機本体と反
対側)に第2のアンテナ装置200の一部を構成するロ
ッドエレメント32を配置構成した例である。
【0048】ここでは第2のアンテナ装置100のロッ
ドエレメント32だけが可動し電話機本体に収納及び引
き出しされ、第2のアンテナ装置200のチップインダ
クター自己共振型共振回路(トラップ回路)1A及び第
2のアンテナ装置200のヘリカルエレメント24と、
また、第1のアンテナ装置100は一体化されて電話機
本体側に固定される。
【0049】図14の例においては、図10の例と同
様、第2アンテナ装置200と電話機本体側の回路をつ
なぐ信号線9−1が第1のアンテナ装置100を通過配
線される付近では電波吸収体チューブ9を使用すること
が、信号線9−1と、各ヘリカルアンテナの相互干渉を
効果的抑制することは言うまでもない。
【0050】また、図10乃至図14の実施例におい
て、使用されるロッドヘレメント(線状ロッド)31,
32、ヘリカルエレメント22,23、及びトラップ回
路1Aについての詳細は、図1、図15,図16の実施
例に説明したとおりである。
【0051】図16は、本発明によるマルチバンドアン
テナ装置の共振回路に使われるチップインダクタ−型共
振回路の一例を示しており、アンテナの構成に用いられ
る例でチップインダクター自己共振型共振回路1Aで、
トラップ回路を構成した例である。
【0052】図17は、本発明によるマルチバンドアン
テナ装置の共振回路に使われるLC共振回路1Bの一例
を示しており、チップインダクター自己共振型共振回路
(トラップ回路)1Aをインダクタンス素子1B−1
(34nH)とキャパシタンス素子1B−2(0.2p
F)にて置き換えて構成した例である。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、第1のアンテナ装置と
第2のアンテナ装置とを非導電性の接続部材を介して接
続してなるアンテナ部分を有するアンテナ装置であり、
第1のアンテナ装置は、二つの螺旋形状アンテナと、L
C並列共振回路からなり、第2のアンテナ装置は、二つ
の線状アンテナとLC並列共振回路、または一つの螺旋
アンテナと一つの線状アンテナとLC並列共振回路とか
らなり、アンテナ収納時には、第1のアンテナ装置(螺
旋形状マルチバンドアンテナ)が動作し、アンテナ引き
出し時には第2のアンテナ装置(線状マルチバンドアン
テナまたは線状エレメントと螺旋状エレメントの組合せ
によるマルチバンドアンテナ)が動作することにより、
収納時及び引き出し時のいずれにおいても、必要な伝送
特性が確保できる。
【0054】また、一つのアンテナ装置で異なる周波数
帯の送受信が可能な小型のマルチバンドアンテナ装置を
提供するものであり、例えば、800MHz帯と1.9
GHz帯の異なった周波数で実施されている通信サービ
スを一つのアンテナで送受信する場合には、各サービス
周波数での送信、受信周波数をカバーできるようバンド
幅を大きくとる必要がある。
【0055】このための、トラップ回路の定数LCは例
えば1.9GHzでは7nH以上、1pF以下におい
て、または、例えば1.8GHzでは8nH以上、1p
F以下で構成されることで各周波数帯域でのVSWRの
値は第1のアンテナ装置においては3.0以下に第2の
アンテナ装置においては2.3以下にすることがでる。
【0056】従って、本発明によれば、1組のアンテナ
装置でアンテナを引き出したとき、及びアンテナを収納
したときの、各々の状態でことなる周波数帯の送受信が
可能な小型で軽量で携帯性に優れたマルチバンドアンテ
ナを供給することができる。
【0057】更に、本発明は移動体通信等の分野で、例
えば800MHz帯と1.9GHz帯のように異なった
周波数で実施されている通信サービスを一つの無線機で
送受信する場合の無線機のアンテナ部分に用いられ、一
つのアンテナ装置で送受信する場合の無線信号を送受信
する小型のアンテナ装置として適用することで、マルチ
バンドの携帯無線機などの小型化に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラップアンテナの原理を示す図である。
【図2】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の第2
のアンテナ装置の特性例(リターンロス特性)である。
【図3】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の第1
のアンテナ装置に使われる螺旋アンテナの一例を示す正
面図である。
【図4】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の第1
のアンテナ装置に使われる螺旋アンテナの一例を示す正
面図である。
【図5】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の第1
のアンテナ装置の特性例(リターンロス特性)である。
【図6】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の一実
施の形態例を示す断面図である。
【図7】本発明によるマルチバンドアンテナ装置(第1
のアンテナ装置はミャンダーパターンの基板を使い第2
のアンテナ装置は2つの線状ロッドで第1のアンテナ装
置は第2のアンテナ装置の上端側に配置構成した一例)
を示す断面図である。
【図8】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の第1
のアンテナ装置の一部に使われるミャンダーパターンを
有するプリント基板の一例を示す正面図である。
【図9】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の第1
のアンテナ装置に使われるミャンダーパターンプリント
基板(2つのミャンダーパターンとその間にトラップ用
並列共振回路)の一例を示す正面図である。
【図10】本発明によるマルチバンドアンテナ装置(第
1のアンテナ装置はヘリカルコイルを使い第2のアンテ
ナ装置は2つの線状ロッドで第1のアンテナ装置は第2
のアンテナ装置の下端側に配置構成した一例)を示す断
面図である。
【図11】本発明によるマルチバンドアンテナ装置(第
1のアンテナ装置はヘリカルコイルを使い第2のアンテ
ナ装置は2つの線状ロッドと1つのヘリカルロッドを使
って線状ロッドの上端側に第2のアンテナ装置のヘリカ
ルロッドを配置し、第1のアンテナ装置は第2のアンテ
ナ装置の下端側に配置構成した一例)を示す断面図であ
る。
【図12】本発明によるマルチバンドアンテナ装置(第
1のアンテナ装置はヘリカルコイルを使い第2のアンテ
ナ装置は1つの線状ロッドと1つのヘリカルロッドを使
って第2のアンテナ装置のヘリカルロッドは線状アンテ
ナの下端側に配置し、第1のアンテナ装置は第2のアン
テナ装置の上端側に配置構成した一例)を示す断面図で
ある。
【図13】本発明によるマルチバンドアンテナ装置(第
1のアンテナ装置はヘリカルコイルを使い第2のアンテ
ナ装置は1つの線状ロッドと1つのヘリカルロッドを使
って第2のアンテナ装置のヘリカルロッドは線状アンテ
ナの上端側に配置し、第1のアンテナ装置は第2のアン
テナ装置のヘリカルロッドの更に上端側に配置構成した
一例)を示す断面図である。
【図14】本発明によるマルチバンドアンテナ装置(第
1のアンテナ装置はヘリカルコイルを使い第2のアンテ
ナ装置は1つの線状ロッドと1つのヘリカルロッドを使
って第2のアンテナ装置のヘリカルロッドは線状アンテ
ナの下端側に配置し、第1のアンテナ装置は第2のアン
テナ装置のヘリカルロッドの更に下端側に配置構成した
一例)を示す断面図である。
【図15】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の第
2のアンテナ装置の一部として使われる螺旋アンテナ
(ヘリカルコイル)の一例を示す正面図である。
【図16】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の共
振回路に使われるチップインダクター型共振回路の一例
を示す斜視図である。
【図17】本発明によるマルチバンドアンテナ装置の共
振回路に使われるLC共振回路の一例を示す斜視図であ
る。
【図18】従来のシングルバンドアンテナ(非絶縁型の
一例)を示す断面図である。
【図19】従来のシングルバンドアンテナ(絶縁型の一
例)を示す断面図である。
【符号の説明】
1 共振回路 1A チップインダクター自己共振型共振回路 1B LC共振回路 1B−1 インダクタンス素子 1B−2 キャパシタンス素子 1C ミャンダーパターンプリント基板 1D ミャンダーパターンプリント基板(トラップ回
路付き) 2 ヘリカルアンテナエレメント 22 第1のアンテナ装置の上部ヘリカルエレメント 23 第1のアンテナ装置の下部ヘリカルエレメント 24 第2のアンテナ装置の一部を構成するヘリカル
エレメント 25 第1のアンテナ装置の電極端子部 26 絶縁材料 3 ロッドアンテナエレメント 31 下部ロッドエレメント 32 上部ロッドエレメント 4 チューブ 5 ホルダー 6 スリーブ(第1のアンテナの電極) 7 ストッパー 8 モールド部 9 プラスチック型電波吸収体チューブ 9−1 同軸信号線

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のアンテナ装置と第2のアンテナ装
    置とを非導電性の接続部材を介して接続してなるアンテ
    ナ部分を有するアンテナ装置において、前記第1のアン
    テナ装置は螺旋形状アンテナとLC並列共振回路とから
    なり、前記第2のアンテナ装置は二つの線状アンテナと
    LC並列共振回路とからなることを特徴とするマルチバ
    ンドアンテナ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のマルチバンドアンテナ装
    置において、前記第1のアンテナ装置は前記螺旋形状ア
    ンテナと、前記螺旋形状アンテナ自身の自己共振周波数
    による並列共振回路からなることを特徴とするマルチバ
    ンドアンテナ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のマルチバンドアンテナ装
    置において、前記第1のアンテナ装置は前記螺旋形状ア
    ンテナと、自身の自己共振周波数による並列共振を有す
    るチップインダクター素子とからなることを特徴とする
    マルチバンドアンテナ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のマルチバンドアンテナ装
    置において、前記第2のアンテナ装置は二つの線状アン
    テナ素子と、自身の自己共振周波数による並列共振を有
    するチップインダクター素子とからなることを特徴とす
    るマルチバンドアンテナ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のマルチバンドアンテナ装
    置において、前記LC並列共振回路のインダクター及び
    キャパシターはプリント基板に実装されていることを特
    徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のマルチバンドアンテナ装
    置において、前記インダクターのインダクタンス値Lは
    L≧7nHであることを特徴とするマルチバンドアンテ
    ナ装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のマルチバンドアンテナ装
    置において、前記キャパシターのキャパシタンス値Cは
    C≦1pFであることを特徴とするマルチバンドアンテ
    ナ装置。
  8. 【請求項8】 第1のアンテナ装置と第2のアンテナ装
    置とを非導電性の接続部材を介して接続してなるアンテ
    ナ部分を有するアンテナ装置において、前記第1のアン
    テナ装置は螺旋形状アンテナ素子とLC共振回路からな
    り、前記第2のアンテナ装置は線状アンテナとLC並列
    共振回路と螺旋形状アンテナとからなることを特徴とす
    るマルチバンドアンテナ装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のマルチバンドアンテナ装
    置において、前記第1のアンテナ装置は前記螺旋形状ア
    ンテナ素子と、前記螺旋アンテナ素子自身の自己共振に
    よる並列共振回路とからなることを特徴とするマルチバ
    ンドアンテナ装置。
  10. 【請求項10】 請求項8記載のマルチバンドアンテナ
    装置において、前記第1のアンテナ装置は前記螺旋形状
    アンテナ素子と、自身の自己共振周波数による並列共振
    を有するチップインダクター素子とからなることを特徴
    とするマルチバンドアンテナ装置。
  11. 【請求項11】 請求項8記載のマルチバンドアンテナ
    装置において、前記第2のアンテナ装置は、線状アンテ
    ナと、前記螺旋形状アンテナ素子と、自身の自己共振周
    波数による並列共振を有するチップインダクター素子と
    からなることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  12. 【請求項12】 請求項8記載のマルチバンドアンテナ
    装置において、前記並列共振器のインダクターのインダ
    クタンス値はL≧7nHであることを特徴とするマルチ
    バンドアンテナ装置。
  13. 【請求項13】 請求項8記載のマルチバンドアンテナ
    装置において、前記キャパシターのキャパシタンス値C
    はC≦1pFであることを特徴とするマルチバンドアン
    テナ装置。
  14. 【請求項14】 請求項1又は8記載のマルチバンドア
    ンテナ装置において、前記第1及び第2のアンテナ装置
    は二つの放射エレメントとして、線状エレメントと線状
    エレメント、または螺旋エレメントと螺旋エレメント、
    または螺旋エレメントと線状エレメントの各放射エレメ
    ント素子の間に前記並列共振回路を有することを特徴と
    するマルチバンドアンテナ装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載のマルチバンドアンテ
    ナ装置において、前記線状エレメントは超弾性金属から
    なる線状素子であることを特徴とするマルチバンドアン
    テナ装置。
  16. 【請求項16】 請求項14記載のマルチバンドアンテ
    ナ装置において、前記線状エレメントは可撓性を有する
    ポリマー又はエストラマーからなる絶縁性材料にてモー
    ルドされていることを特徴とするマルチバンドアンテナ
    装置。
  17. 【請求項17】 請求項1又は8記載のマルチバンドア
    ンテナ装置において、前記LC並列共振回路部は、前記
    螺旋形状エレメントとともに絶縁性材料でモールドされ
    ていることを特徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  18. 【請求項18】 請求項17記載のマルチバンドアンテ
    ナ装置において、前記絶縁性材料は可撓性を有するポリ
    マー又はエストラーマからなることを特徴とするマルチ
    バンドアンテナ装置。
  19. 【請求項19】 請求項1又は8記載のマルチバンドア
    ンテナ装置において、前記螺旋形状エレメントは、ミャ
    ンダーパターンを有するミャンダーパターンプリント基
    板で形成されていることを特徴とするマルチバンドアン
    テナ装置。
  20. 【請求項20】 請求項19記載のマルチバンドアンテ
    ナ装置において、前記ミャンダーパターンプリント基板
    はその一部に自己共振を有しており、その自己共振にて
    前記LC並列共振回路を形成することを特徴とするマル
    チバンドアンテナ装置。
  21. 【請求項21】 請求項19記載のマルチバンドアンテ
    ナ装置において、前記LC並列共振回路は、前記ミャン
    ダーパターンプリント基板上に実装されていることを特
    徴とするマルチバンドアンテナ装置。
  22. 【請求項22】 請求項19記載のマルチバンドアンテ
    ナ装置において、前記ミャンダーパターンプリント基板
    は、ポリマー又はエストラーマからなる可撓性を有する
    絶縁性樹脂でモールドされていることを特徴とするマル
    チバンドアンテナ装置。
  23. 【請求項23】 請求項1乃至請求項22記載のいずれ
    かのマルチバンドアンテナ装置を用いることを特徴とす
    るマルチバンド携帯無線機。
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