JPH1187447A - シリコンウエーハ表層の重金属汚染評価方法 - Google Patents
シリコンウエーハ表層の重金属汚染評価方法Info
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Abstract
といった従来の重金属汚染評価方法とは原理的に異なる
評価方法であって、Cu汚染も評価可能でありかつ非破
壊で簡便な新しい重金属汚染評価方法を提供する。 【解決手段】 シリコンウエーハ表面に前処理を施し、
非接触式でC−V測定を行い、得られたC−V曲線より
シリコンウエーハ表層の重金属汚染の評価を行う評価方
法、もしくはシリコンウエーハ表面に前処理を施し、非
接触式でシリコンウエーハ表層におけるキャリア濃度の
測定を行い、このキャリア濃度からシリコンウエーハ表
層の重金属汚染の評価を行う評価方法である。
Description
表層の重金属汚染についての定性・定量的な評価を行う
ための評価方法に関するものである。
汚染を評価するための方法としては、μ−PCD法、
SPV法、およびMOS C−t法の3つの方法が
挙げられ、これらの方法による少数キャリアライフタイ
ム測定により評価が行われてきた。ここで、この3つの
方法を簡単に説明する。
toconductive Decay Method 、マイクロ波検知光導電減
衰法) この方法は、ウエーハ内部に照射された光により発生し
た過剰キャリアの減衰状態、言い換えれば再結合ライフ
タイムをマイクロ波の反射で検出する方法である。一般
には表面再結合速度を低減させるため熱酸化膜を形成し
たり、あるいは化学的表面パッシベーションを行った
後、測定を行う。分析能力としては、汚染元素がFeで
ある場合のみに同定可能である。
d、表面光電圧法) この方法は、ウエーハ内部に照射された光により発生し
た過剰少数キャリアを表面近傍の空乏層または反転層に
より電圧として検出する方法である。測定によって少数
キャリアの拡散長が得られるが、測定可能な拡散長の値
はウエーハの厚さで制限される。汚染元素がFe、Cr
の場合のみ定量評価が可能である。
e 法) この方法は、シリコンウエーハ上に形成したMOSキャ
パシタに深い空乏(deep depletion)状態になるようにパ
ルス電圧を印加した時、空乏層中でのキャリアの熱的発
生により強い反転(strong inversion)状態へ緩和する
が、この際の容量の過渡変化を解析することにより発生
ライフタイムを求める方法である。
法やSPV法による評価は、非接触でありかつ簡便に重
金属汚染の評価を行うことができることから、現在広く
使用されている。また、MOS C−t法は、空乏層中
での少数キャリアの発生ライフタイムを測定しているた
め、ウエーハ表面の重金属汚染評価に有効な手段であ
る。
のFe、Cr汚染評価以外は汚染元素の特定ができない
という問題がある。また、MOS C−t法はMOS形
成が必要であるため簡便ではない。さらに、デバイス特
性に悪影響を与えると考えられているCu汚染は、P型
シリコンウエーハ中のライフタイムを低下させない為、
上述したような従来技術では評価できない。このため、
シリコンウエーハ表層のCu汚染評価には化学分析を用
いているが、化学分析は破壊検査である上、前処理に時
間がかかるため簡便ではない。
法は、少数キャリアライフタイムを利用する評価方法
と、化学的に分析する評価方法との2種類の方法がある
が、上述したように、前者にはCu汚染を評価できない
という問題点があり、後者には破壊検査であり簡便でな
いという問題点があった。
たもので、少数キャリアライフタイムの測定や化学分析
といった従来の重金属汚染評価方法とは原理的に異なる
評価方法であって、Cu汚染も評価可能でありかつ非破
壊で簡便な新しい重金属汚染評価方法を提供することを
主目的とするものである。
の重金属不純物が表層のキャリア濃度に影響を与えるこ
とが知られていた。P型半導体シリコンウエーハにおい
ては、加工時やエッチング時に表層に侵入した水素によ
りドーパントであるボロンが不活性化され、表層のキャ
リア濃度が低下することが知られているが(A.Schnegg.
et al., Proceeding of the 5th International Sympo
sium on Silicon Materials Science and Technology
(1986)198を参照)、例えば、研磨中にCuのように水
素がボロンを不活性化することを妨げるような重金属不
純物が存在した場合、表層のキャリア濃度は回復するこ
とが、ヘレン・プリッジ等の文献(Helene Prigge et a
l., J. Electrochem. Soc., 138(1991)1385) に示され
ている。
層に侵入した水素により、例えばボロン等のドーパント
を不活性化する量が、不純物である重金属の有無、もし
くはその量により変化する点から重金属汚染を評価する
ことができるのではないかという発想に基づいて研究を
重ねた結果、本発明を完成させるに至ったものである。
たもので、本発明の請求項1に記載した発明は、シリコ
ンウエーハ表面に前処理を施し、非接触式でC−V(Cap
acitance-Voltage) 測定を行い、得られたC−V曲線よ
りシリコンウエーハ表層の重金属汚染の評価を行うこと
を特徴とするシリコンウエーハ表層の重金属汚染評価方
法である。
い、得られたC−V曲線に注目すると、重金属で汚染さ
れたシリコンウエーハのC−V曲線と重金属で汚染され
ていないシリコンウエーハのC−V曲線とは、例えば図
1に示すようにその形状が異なるものとなる。したがっ
て、C−V曲線の形状に注目することによりシリコンウ
エーハが重金属汚染されているか否かを定性的に評価す
ることができる。
記C−V曲線よりΔCを求め、このΔCの値によりシリ
コンウエーハ表層の重金属汚染の評価を行うことが好ま
しい。このように、後述する算出方法によりC−V曲線
から高印加電圧側での容量の違いであるΔCを求め、こ
の値により重金属汚染の評価を行うことにより、C−V
曲線の形状を数値化することができる。これにより、よ
り正確に重金属汚染の評価を行うことができる。また、
予め既知の濃度の重金属で汚染された複数のシリコンウ
エーハのΔCを測定しておき、重金属の濃度とΔCの値
との関係(例えば検量線等)を求めておくことにより、
重金属汚染の定量的な評価を行うことが可能となる。
は、シリコンウエーハ表面に前処理を施し、非接触式で
シリコンウエーハ表層におけるキャリア濃度の測定を行
い、このキャリア濃度からシリコンウエーハ表層の重金
属汚染の評価を行うことを特徴とするシリコンウエーハ
表層の重金属汚染評価方法である。本発明においては、
C−V曲線からのみではなくキャリア濃度からもシリコ
ンウエーハ表層の重金属汚染の評価を行うことができ
る。このキャリア濃度は、C−V測定の値から算出する
ことも可能であり、また他の方法、例えばSPV法の原
理による測定器による測定等により得ることができる。
コンウエーハ表層におけるキャリア濃度の深さ方向の分
布を測定することにより重金属汚染の評価を行ってもよ
いし、また請求項5に記載するようにシリコンウエーハ
表層における所定の深さにおけるキャリア濃度を測定す
ることにより重金属汚染の評価を行ってもよい。前者、
すなわちキャリア濃度のシリコンウエーハ表層における
深さ方向の分布を求めて評価する場合は、例えば図6に
示すような分布の違いにより汚染の有無を評価すること
ができる。また、重金属汚染の有無によりどの深さにお
けるキャリア濃度が異なるかが予め分かっている場合
は、後者のようにその深さにおけるキャリア濃度を測定
することにより簡便に重金属汚染の評価を行うことがで
きる。
るいはキャリア濃度により評価する場合のいずれの場合
であっても、まずシリコンウエーハの表面の前処理が行
われる。この前処理は、シリコン表面の自然酸化膜がな
い状態のシリコンウエーハ(以下、ベアウエーハとする
ことがある。)を得るために行われるものである。本発
明においてはこの前処理が、請求項6に記載するよう
に、HF洗浄であることが好ましい。HF洗浄により前
処理を行うことにより、簡便に上述した目的の前処理が
行えるからである。
−V曲線により評価する場合、キャリア濃度により評価
する場合のいずれの場合であっても、評価される重金属
汚染がCu汚染であることが本発明にとって特に有効で
ある。Cu汚染は、上述したように従来の評価方法では
評価することが困難であった重金属汚染であり、しかも
デバイス特性に悪影響を与えるCu汚染を簡便に評価す
ることができることが本発明の利点の一つでもあるから
である。
も、請求項8に記載するように評価するシリコンウエー
ハがP型半導体シリコンウエーハである場合に、本発明
は特に有効である。これは、明確ではないが、本発明の
重金属汚染の評価方法が、シリコンウエーハ表層におけ
る水素、ボロン、およびCu等の重金属の相互作用を利
用するものであると考えられていることから、P型半導
体シリコンウエーハの重金属汚染の評価を行う際に用い
た場合に、本発明は特に有効であると考えられるためで
ある。
ンウエーハ表面に前処理を施してから20〜30時間放
置した後、C−V測定もしくはキャリア濃度測定を行う
ことが好ましい。これは、シリコンウエーハ表面は、前
処理を施した後の表面状態が不安定であることから経時
的に変化するためであり、前処理後20〜30時間放置
した後が、重金属汚染の有無を確認するのに好ましい状
態となるためである。
て説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。本発明のシリコンウエーハ表層の重金属汚染評価方
法は、上述したようにC−V曲線から評価する方法(以
下、第1の方法とすることがある。)とキャリア濃度の
測定値より評価する方法(以下、第2の方法とすること
がある。)との二つの方法に分けることができる。
本発明の第1の方法は、シリコンウエーハ表面に前処理
を施し、非接触式でC−V測定を行い、得られたC−V
曲線よりシリコンウエーハ表層の重金属汚染の評価を行
うシリコンウエーハ表層の重金属汚染評価方法である。
このように、本発明の第1の方法においては、まずシリ
コンウエーハの表面に前処理を施し、次いで、前処理が
行われたシリコンウエーハの表面を、非接触式でC−V
測定を行う。この非接触式のC−V法を用いる測定は、
一般的な接触式のC−V法を用いた測定と原理的には同
じである。
意した測定電極をサンプル表面にサブミクロン距離まで
近づけ、非接触状態を保ってC−V測定やC−t測定を
行い、従来通りのMIS理論で解析するものである。こ
のような非接触式で行ったC−V測定から得られる結果
は、図1に示すように印加電圧Vに対する容量C、つま
りC−V曲線である。ここで 図1は、各印加電圧に対
する容量Cを、印加電圧−80Vでの容量C(=Cacc
)で割って、縦軸をC/Cacc の形でグラフにしたも
のである。
汚染有りのP型半導体シリコンのベアウエーハを、非接
触式でC−V測定を行った場合、C−V曲線に差がみら
れる。図1のAは汚染がない場合の典型的なC−V曲線
であり、Bは汚染がある場合の典型的なC−V曲線であ
る。このような重金属汚染の有無によるC−V曲線の形
の相違が起こるのは、明確ではないが以下の理由による
ものと考えられている。
した水素がドーパントであるボロンを不活性化する量に
よりその形に変化が生ずるものと考えられる。ここで、
例えばCuのような重金属不純物が存在した場合、水素
によるボロンの不活性化が阻害され、表層のキャリア濃
度が回復する。その結果、図1中のBに示すように、重
金属不純物が存在する場合は、重金属不純物が存在しな
い場合のC−V曲線の形とは異なる形のC−V曲線とな
るのである。このように、C−V曲線の形の違いから、
汚染の定性的な評価を行うことができる。
し、これを評価することにより、定性的な評価のみなら
ず定量的な評価も可能となる。このΔCは、以下のよう
な式より算出される。 ΔC=(Cat10V −Cat80V )/Cat10V ・・・・・(1) ここで、 Cat10V :印加電圧10Vでの容量C Cat80V :印加電圧80Vでの容量C
0Vでの容量Cの値を用いて算出しているが、本発明に
おいてはこれに限定されるものではなく、印加電圧50
V以上での容量Cの値であれば上記式(1) に用いること
ができ、このような値を用いて算出したΔCの値を本発
明に用いることができる。
量をΔCという値に数値化した場合には、上述したC−
V曲線の形状で重金属汚染の評価を行う場合に比較し
て、正確な評価が下せる。
金属汚染の定量的な評価を行うことができる。すなわ
ち、上記ΔCは、例えば図2に示すようにウエーハ表層
のCuの汚染濃度との間に正の相関がある。したがっ
て、既知の濃度で重金属汚染、例えばCu汚染されてい
るシリコンウエーハを測定し、図2に示すような検量線
を予め作成しておくことにより、未知の汚染されている
シリコンウエーハの表層における重金属の濃度、すなわ
ち汚染の程度を定量的に測定することができるのであ
る。なお、汚染がない場合にはこのΔCはほぼ零もしく
は負の値になる。
ようにC−V測定を行う前に、前処理を行う必要があ
る。これは、次にシリコンウエーハ表層のC−V測定を
行う関係上、表面の自然酸化膜を取り除く必要があるた
めである。したがって、この前処理は、自然酸化膜が除
去できる前処理であれば特に限定されるものではない
が、簡便である等の理由によりHF洗浄が好ましい。
理後、C−V測定を行う前に所定の時間シリコンウエー
ハを放置することが好ましい。これは、前処理方法にも
よるが、前処理直後にC−V測定したのでは、重金属汚
染の評価が安定しないことがあるためである。
3は、前処理であるHF洗浄直後に測定したC−V曲線
を示し、図4はHF洗浄後1日経過後に測定したC−V
曲線を示し、図5はHF洗浄後2日経過後に測定したC
−V曲線を示すものである。図より明らかなように、H
F洗浄直後(図3)、およびHF洗浄から2日経過した
場合(図5)は、重金属汚染されたシリコンウエーハの
C−V曲線と、汚染されていないシリコンウエーハのC
−V曲線とは、ほとんど形状に差がない状態となってい
る。
は、図3に示すように、重金属汚染が無い状態のシリコ
ンウエーハであっても、場合によっては重金属汚染があ
る時と同じ傾向を示すことから、間違った評価を行う可
能性がある。これは、HF洗浄後のシリコンウエーハの
表面状態が不安定であるためと思われる。しかし、この
状態は経時的に変化し、重金属汚染のないシリコンウエ
ーハのC−V曲線は、すぐに図1のAに示す形状に回復
する。それに対し、重金属汚染されたシリコンウエーハ
のC−V曲線は、汚染されていないものと比較して、回
復するのに所定の時間を必要とする場合がある。
を前処理後長く放置しすぎると、例えば図5に示すよう
に、重金属汚染のあるシリコンウエーハのC−V曲線も
回復してしまい、重金属汚染の無い状態のC−V曲線と
して評価される可能性がある。この原因ははっきりしな
いが、自然酸化膜や界面準位の影響が強すぎて、汚染の
影響が現れにくいためと思われる。
的に変化することから、実際に非接触C−V法で測定す
るのは、前処理が行われてから所定の時間が経過して重
金属汚染のないものが回復した状態(定常状態、図1中
のAの状態)になり、かつ重金属汚染のあるもののC−
V曲線の形状が変化していない状態(図1中のBの状
態)、すなわち図4に示す状態で評価することが、正確
な測定を行う見地から望ましい。
非接触C−V測定を行う前に所定の時間シリコンウエー
ハを放置することが好ましいのである。実際にはウエー
ハの表面状態、HF洗浄の条件、汚染の度合いなどでこ
の所定の時間、すなわち放置時間を適宜決め、なるべく
最短の時間に決定することが望ましい。このためには、
各種条件毎に予め重金属汚染されたものと汚染されてい
ないもののシリコンウエーハを用意し、予備実験を行い
この時間を決定しておけばよい。
たところ、前処理後、約1日程度、すなわち20時間〜
30時間放置した後C−V測定を行えば、種々の条件の
違いによる影響を受けずに本発明の評価を行えることが
わかった。このように、上述した理由により、第1の方
法においては前処理を施してから20〜30時間放置後
C−V測定を行うことが好ましく、特に好ましくは22
〜26時間放置した後測定する場合である。このとき、
外部からの汚染がないようにクリーンルーム(あるいは
クリーンベンチ)、ポリプロピレンボックス中に保管す
ることが好ましい。
る。本発明の第2の方法は、シリコンウエーハ表面に前
処理を施し、非接触式でシリコンウエーハ表層における
キャリア濃度の測定を行い、このキャリア濃度からシリ
コンウエーハ表層の重金属汚染の評価を行うシリコンウ
エーハ表層の重金属汚染評価方法である。
−V曲線からシリコンウエーハ表層の重金属汚染を評価
したのに対し、シリコンウエーハ表層におけるキャリア
濃度によりシリコンウエーハ表層の重金属汚染を評価す
るところにある。このシリコンウエーハ表層のキャリア
濃度を測定する方法は、上記第1の方法で用いた非接触
のC−V測定から算出することも可能であるが、これに
限定されるものではなく、他の方法であってもよい。
を求めるには、以下の式(2) を用いることができる。 N=[2/(εs・q・S2 )]×[dV/((1/Cn 2)−(1/Cn+1 2))] ・・・・・(2) 式中、Nはキャリア濃度、εsは半導体の誘電率、qは
単位電荷量、Sは電極面積を示す。また、dVはバイア
スイープ時の電圧刻み幅、Cn ,Cn+1 はn,n+1番
目の印加電圧における容量である。
度を求めることができるが、この方法により得た、キャ
リア濃度のシリコンウエーハ表層深さ方向の分布を図6
に示す。なお、この場合のC−V測定は、通常のC−V
曲線を得るために測定するモードとは異なり、直接キャ
リア濃度を求めるためのモードで測定しているが、C−
V測定の原理自体は同じである。
ハ表層におけるキャリア濃度の深さ方向の分布は、重金
属汚染がない場合(A)と重金属汚染がある場合(B)
とで異なる。重金属汚染がある場合は、シリコンウエー
ハ表層のキャリア濃度の低下領域の幅が異なる。すなわ
ち、金属汚染が有る場合(図6中のB)は金属汚染が無
い場合(図6中のA)と比較して、キャリア濃度の低下
領域の分布の幅が狭く、また、キャリア濃度の深さ方向
の分布を示す曲線の変位点が、浅い位置となる。
るキャリア濃度の深さ方向の分布を求め、その分布の形
を調べることにより、重金属汚染の有無を評価すること
ができる。
の深さにおけるキャリア濃度を求めることによっても、
シリコンウエーハ表層の重金属汚染を評価することがで
きる。これは、図6からも明らかなように、ある特定の
深さでは(図6では、約1μm〜約2μm)重金属汚染
がある場合と無い場合でキャリア濃度が異なる。したが
って、予めこのキャリア濃度が異なる深さを調べておく
ことにより、その深さにおけるキャリア濃度の測定値か
ら重金属汚染の評価をすることができる。
ャリア濃度が異なるようになるシリコンウエーハ表面か
らの特定の深さは、ウエーハの表面状態、前処理の条
件、汚染の度合い等の諸条件により異なるものである
が、シリコンウエーハ表層から1〜3μmの深さの範囲
内でキャリア濃度を測定すれば重金属汚染の評価を行う
ことができる。この方法は、キャリア濃度の深さ方向の
分布を測定し、この分布の形から重金属汚染を評価する
方法に比較して、所定の深さのみのキャリア濃度を測定
すれば重金属汚染を評価できるので、より簡便に評価で
きるという利点を有するものである。
る場合は、上述した第1の方法と同様の理由から前処理
を施してから20〜30時間放置後C−V測定を行うこ
とが好ましく、特に好ましくは22〜26時間放置した
後測定する場合である。
リア濃度の測定は、C−V測定以外の非接触式の方法で
シリコンウエーハ表層のキャリア濃度を測定した場合で
も、得られるキャリア濃度の深さ方向の分布の違い、も
しくは特定深さにおけるキャリア濃度の違いにより、重
金属汚染を評価することができる。
定した結果を用いたものであってもよい。このSPV方
法では、例えばHF洗浄等の前処理によりシリコンウエ
ーハ表層を空乏化させ、レーザーで空乏層内を励起し、
その時に発生する表面光電圧から、まず空乏層幅を算出
する。この空乏層幅(最大空乏層幅と仮定する。)から
キャリア濃度を求めるものである。この方法では、シリ
コンウエーハ表層の深さ方向としては空乏層内(およそ
1μm)の平均化したキャリア濃度を評価しており、非
接触式のC−V測定がシリコンウエーハ表層より2〜3
μmの領域を評価しているものとは異なるものである。
法では経時変化の影響は少ないと考えられる。特に長時
間放置したもの、例えばHF洗浄後、2週間程度経過し
てから測定を行っても汚染の有無は確認できる。これ
は、評価している領域が異なるためと思われる。
リコンウエーハ表層の重金属汚染を評価する場合でも、
定性的な評価のみならず定量的な評価をも行うことがで
きる。すなわち、予め既知の濃度で重金属汚染、例えば
Cu汚染されているシリコンウエーハの表層のキャリア
濃度を測定し、検量線を予め作成しておくことにより、
未知の汚染されているシリコンウエーハの表層における
重金属の濃度、すなわち汚染の程度を定量的に測定する
ことができるのである。このような定量的な評価は、測
定領域の関係からSPV法によりキャリア濃度を測定し
た場合に、特に有効であるが、これに限定されるもので
はない。
評価する場合は、シリコンウエーハの抵抗率を揃えて置
くことが必要となる。これはこの評価方法がキャリア濃
度を評価するものであるためであり、シリコンウエーハ
の抵抗率が異なれば当然キャリア濃度も異なるためであ
る。
除去の必要性より前処理を行う必要がある。この場合
も、自然酸化膜除去と同時にウエーハ表層を十分に空乏
化させるため、HF洗浄を用いることが好ましい。
ずれにおいても、シリコンウエーハ表層のC−V測定及
び他の方法でのキャリア濃度の測定は、非接触式である
ことが好ましい。これは、接触式、例えば水銀プローブ
等のショットキー構造を有する測定機等によるC−V測
定では、表層から数μmの浅い部分での測定に問題があ
るのに対し、非接触式の測定法の方が、表層の極めて浅
いところから測定が可能で有り、本発明の評価法に用い
るのに好ましいためである。
P型半導体シリコンウエーハの重金属汚染を評価する場
合に用いることが有効である。これは、明確ではない
が、本発明を導いた原理が重金属汚染によるキャリア濃
度及びΔCの違いが表層での水素、ボロン、Cu等の重
金属の相互作用によるものと考えられ、これはP型特有
の現象であるからである。
る重金属としては、Cuが特に有効である。Cuは従来
の評価方法では評価することができなかった重金属であ
り、評価方法の確立が待ち望まれていた点、またシリコ
ンウエーハ中での拡散スピードが早く、かつデバイス特
性に悪影響を与えていると考えられているCu汚染の非
破壊で簡便な評価法が必要とされている点等から、Cu
汚染の評価を行えることは本発明の大きな利点の一つだ
からである。
ンウエーハ表層の重金属汚染の評価とは、シリコンウエ
ーハ表層に重金属が存在するかどうかの定性分析、及び
例えばΔCまたはキャリア濃度等を利用した定量分析を
意味するものである。
染の有無により差を生じ、この差がΔCに反映されてい
ることを考慮すると、本発明の第1の方法及び第2の方
法とも同様に評価できることは言うまでもないが、第2
の方法のようにキャリア濃度の低下領域の幅の違い(キ
ャリア濃度の深さ方向分布の違い)から評価するより
も、第1の方法で用いるΔCで評価したほうが数値化で
きることから感度的に優れていると思われる。
説明する。 実施例1.C−V曲線(ΔC)による重金属汚染評価 ウエーハ加工時に故意にCu汚染を施したP型半導体シ
リコンウエーハと汚染を施さなかったP型半導体シリコ
ンウエーハとを評価した。前処理としてHF洗浄(濃度
2%、洗浄時間1分)、純水リンス10分、IPA(イ
ソプロピルアルコール)乾燥を行い、P.P.Box
(ポリプロピレンボックス)内にて保存し、クリーンル
ーム(あるいはクリーンベンチ)に24時間放置した
後、非接触でC−V測定を行った。
000(大日本スクリーン製造社製、商品名)を用い
た。得られたこのC−V曲線よりΔCを評価した。その
結果を図7に示す。これより、Cu汚染を施したサンプ
ル2〜4ではΔCが10〜20%であり、汚染を施さなかっ
たサンプル1はΔCが0以下であった。この結果から明
らかなように、Cuに汚染されたシリコンウエーハの場
合、ΔCがある正の値をとることから、このΔCを測定
することによりCu汚染の有無を評価することができ
る。
評価 ウエーハ加工時に故意にCu汚染を施したP型半導体シ
リコンウエーハを、汚染の濃度を変化させて複数枚準備
し、これらをHF洗浄を施した後、放置した(条件は実
施例1と同様である。)。これらのシリコンウエーハ表
層のキャリア濃度を非接触法で評価した。非接触式のキ
ャリア濃度測定には、サーフェスチャージプロファイラ
ー("Surface Charge Profiler" QC Solutions社製) を
用いた。この装置の測定原理はSPV法であり、C−V
法とは異なるキャリア濃度測定原理で測定したものであ
る。
表層のキャリア濃度との相関を示す。図8から明らかな
ように、Cu汚染濃度はシリコンウエーハ表層のキャリ
ア濃度に影響を及ぼすことがわかる。したがって、この
ように基準となるキャリア濃度とCu汚染濃度との検量
線があれば、キャリア濃度からも定量分析が可能であ
る。
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
理を施し、非接触式でC−V測定を行い、得られたC−
V曲線よりシリコンウエーハ表層の重金属汚染の評価を
行うシリコンウエーハ表層の重金属汚染評価方法、もし
くはシリコンウエーハ表面に前処理を施し、非接触式で
シリコンウエーハ表層におけるキャリア濃度の測定を行
い、このキャリア濃度からシリコンウエーハ表層の重金
属汚染の評価を行うシリコンウエーハ表層の重金属汚染
評価方法であるので、非破壊かつ簡便にシリコンウエー
ハ表層の重金属汚染評価を行うことができる。特に、P
型半導体シリコンウエーハのCu汚染の評価に用いると
有効である。
る場合と無い場合の典型的なC−V曲線を示すグラフで
ある。
量との関係を示すグラフである。
る。
すグラフである。
すグラフである。
る場合と無い場合の典型的なキャリア濃度の深さ方向の
分布を示すグラフである。
果を示すグラフである。
染量との関係を測定した結果を示すグラフである。
Claims (9)
- 【請求項1】 シリコンウエーハ表面に前処理を施し、
非接触式でC−V測定を行い、得られたC−V曲線より
シリコンウエーハ表層の重金属汚染の評価を行うことを
特徴とするシリコンウエーハ表層の重金属汚染評価方
法。 - 【請求項2】 前記C−V曲線よりΔCを求め、このΔ
Cの値によりシリコンウエーハ表層の重金属汚染の評価
を行うことを特徴とする請求項1記載のシリコンウエー
ハ表層の重金属汚染評価方法。 - 【請求項3】 シリコンウエーハ表面に前処理を施し、
非接触式でシリコンウエーハ表層におけるキャリア濃度
の測定を行い、このキャリア濃度からシリコンウエーハ
表層の重金属汚染の評価を行うことを特徴とするシリコ
ンウエーハ表層の重金属汚染評価方法。 - 【請求項4】 前記シリコンウエーハ表層におけるキャ
リア濃度の測定が、シリコンウエーハ表層におけるキャ
リア濃度の深さ方向の分布の測定であることを特徴とす
る請求項3記載のシリコンウエーハ表層の重金属汚染評
価方法。 - 【請求項5】 前記シリコンウエーハ表層におけるキャ
リア濃度の測定が、前記シリコンウエーハ表層の所定の
深さにおけるキャリア濃度の測定であることを特徴とす
る請求項3記載のシリコンウエーハ表層の重金属汚染評
価方法。 - 【請求項6】 前記前処理が、HF洗浄であることを特
徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記
載のシリコンウエーハ表層の重金属汚染評価方法。 - 【請求項7】 評価される重金属汚染がCu汚染である
ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか
一項に記載の重金属汚染評価方法。 - 【請求項8】 前記シリコンウエーハが、P型半導体シ
リコンウエーハであることを特徴とする請求項1から請
求項7までのいずれか一項に記載の重金属汚染評価方
法。 - 【請求項9】 前記シリコンウエーハ表面に前処理を施
してから20〜30時間放置した後、C−V測定もしく
はキャリア濃度測定を行うことを特徴とする請求項1か
ら請求項8までのいずれかの一項に記載の重金属汚染評
価方法。
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JP26803597A JP3767116B2 (ja) | 1997-09-12 | 1997-09-12 | シリコンウエーハ表層の重金属汚染評価方法 |
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JPH1187447A true JPH1187447A (ja) | 1999-03-30 |
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---|---|
JP (1) | JP3767116B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003045926A (ja) * | 2001-07-27 | 2003-02-14 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | シリコンエピタキシャル層のキャリア濃度測定方法 |
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JP2011054691A (ja) * | 2009-08-31 | 2011-03-17 | Sumco Corp | 半導体ウェーハの表面または表層評価方法 |
CN112908876A (zh) * | 2021-01-18 | 2021-06-04 | 上海新昇半导体科技有限公司 | 硅片金属污染测试方法及装置 |
-
1997
- 1997-09-12 JP JP26803597A patent/JP3767116B2/ja not_active Expired - Fee Related
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