JPH1179850A - セラミックハニカム焼成体の製造方法 - Google Patents

セラミックハニカム焼成体の製造方法

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JPH1179850A
JPH1179850A JP9234313A JP23431397A JPH1179850A JP H1179850 A JPH1179850 A JP H1179850A JP 9234313 A JP9234313 A JP 9234313A JP 23431397 A JP23431397 A JP 23431397A JP H1179850 A JPH1179850 A JP H1179850A
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JP
Japan
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ceramic
ceramic honeycomb
formed body
honeycomb formed
crucible
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Application number
JP9234313A
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English (en)
Inventor
Shinji Wada
信二 和田
Nobuaki Nagai
伸明 永井
Yuichi Murano
雄一 村野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックハニカム焼成体の製造にて、クラ
ックや変形を防止することを目的とする。 【解決手段】 セラミックハニカム成形体1aの直径φ
1aとセラミックハニカム焼成体の直径φ1bとがφ1
b/φ1a=0.83〜0.94、セラミックハニカム
成形体1aの高さH1aとセラミックハニカム焼成体の
高さH1bとがH1b/H1a=0.82〜0.93の
セラミックハニカム成形体1aを用意し、セラミック坩
堝3の内側の高さH3とセラミックハニカム成形体1a
の高さH1aとがH3>H1a、セラミック坩堝3の内
側の半径r3とセラミックハニカム成形体1aの半径r
1aとがr3/r1a=1.4〜2.2のセラミック坩
堝3を用意し、貫通孔を鉛直方向にしてセラミック坩堝
3の中央へセラミックハニカム成形体1aをセットし、
両者の隙間に、セラミックハニカム成形体1aの上部端
面の高さまでセラミック粒子4を充填し、焼成を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関から排出
される浄化触媒用担体やディーゼルパティキュレートフ
ィルタ,脱臭触媒用担体,熱交換用構造体などに使用さ
れるセラミックハニカム焼成体の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等の内燃機関から排出され
る物質の中で環境や人体に悪影響を及ぼす有害物質を除
去する排ガス浄化触媒やディーゼルパティキュレートフ
ィルタ、トイレや生ゴミなどの悪臭物質を除去する脱臭
触媒などの開発が行われている。また、それに伴って、
前記排ガス浄化触媒,ディーゼルパティキュレートフィ
ルタ,脱臭触媒の基材となるセラミックハニカム焼成体
の研究開発も行われてきている。
【0003】ここで、セラミックハニカム焼成体のベー
スになるセラミックハニカム成形体の製造には、押出成
形,抄造・コルゲート成形などがある。ここで、後者の
抄造・コルゲート成形に関しては、大抵は原料にセラミ
ックファイバを含有させるので、成形から完成を通じて
良好な保形性を維持できる。これは、セラミックファイ
バが内部で均一に分散し絡み合って、セラミックハニカ
ム成形体の保形力を高めているためである。一方、前者
の押出成形に関しては、スリット幅の小さいハニカムダ
イスを使用するためセラミックファイバは使用できな
い。この場合、押出成形,乾燥後に焼成する際、有機結
合剤(メチルセルロースなど)が分解消失する温度から
焼結する温度域において保形力を必要とする。従って、
セラミックハニカム成形体を押出成形にて製造する場合
には、セラミックファイバ以外の原料にて保形力を高め
る必要がある。
【0004】押出成形の場合、前述の温度域において保
形力を高めるために、ウィスカ,粘土などを多量に添加
する方法もあるが、化学組成比のずれにより特性を維持
できないなどの問題を生じることが多い。このように、
材料特性に基づく化学組成比をずらしたくない場合に
は、添加以外の方法によって、成形体を維持しながら焼
成する必要がある。
【0005】ここで、特開昭57−100973号公報
には、セラミック素体を該素体のセラミック成分と脱脂
過程中において反応しない耐熱材料の粉粒体に埋めて加
熱するセラミック素体の脱脂方法が開示されている。こ
の技術は、キレ及び歪みなく脱脂することを目的として
いる。
【0006】また、特開平3−150269号公報に
は、セラミックスからなる成形体を脱脂する脱脂工程か
ら脱脂された成形体を焼結する焼結工程まで同一治具に
て成形体を保持させるセラミックス部品の製造方法が開
示されている。この技術は、敷板,係止体,囲い枠,蓋
体などの治具を使用して成形体を保持するもので、焼結
段取時間の短縮と成形体の表面損傷を防ぐことを目的と
している。
【0007】さらに、特開平3−252370号公報に
は、被焼成品をセラミック製の無数の中空粒体の中に埋
めた状態で焼成するセラミック製品の焼成方法が開示さ
れている。この技術は、商品名アルミナバブルなどの中
空粒体を使用し、被焼成品の変形を防止することや被焼
成品を均一焼成することや焼成時間を短縮することなど
を目的としている。
【0008】特開平4−50176号公報には、埋込用
セラミック粒子が成形体用セラミック粒子と脱脂中に反
応せず、中空体である、埋込用セラミック粒子を用いた
セラミック成形体の脱脂方法が開示されている。この技
術は、埋込材として充填嵩密度の小さな流動性の良い中
空体を使用し、脱脂中における成形体の変形を小さくす
ること、均一に成形体を加熱することを目的としてい
る。
【0009】そして、特開平6−135773号公報に
は、セラミック成形体を多孔性セラミック粒中に埋設し
て加熱するセラミック成形体の脱脂方法が開示されてい
る。この技術は、モレキュラシーブを多孔性セラミック
粒として使用し、クラックを発生させることなく脱脂す
ること、比較的肉厚のセラミック成形体であっても有機
バインダーを比較的多く含む成形体であっても確実に脱
脂を行うことを目的としている。
【0010】これら5件の技術は、それぞれ主たる目的
は異なるものの、その内容は、セラミック成形体をセラ
ミック粒子またはセラミック治具によって支えながら熱
処理するものである。これらの技術によると、セラミッ
ク成形体を維持しながら焼成できるので、セラミックハ
ニカム形成体を焼成する場合においても、保形力を高め
るためには有効である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平3−150269号公報による技術では、セラミッ
クハニカム成形体と治具とが接触していない部分でこの
セラミックハニカム成形体が崩れるため、実用的でな
い。
【0012】一方、前記他4件に記載の技術は、このよ
うな問題が生じない点においてセラミックハニカム成形
体に対してより実用的ではある。しかし、セラミック格
子の中までセラミック粒子を充填して焼成する場合、セ
ラミック粒子がセラミックハニカム成形体の収縮を妨害
するため、結果として焼成されたセラミックハニカム焼
成体の全体にクラックを生じる。また、セラミック中空
粒子によってセラミックハニカム成形体全体を覆うよう
にし、セラミック格子の中にはセラミック中空粒子を充
填しないで焼成する場合には、セラミックハニカム成形
体が収縮してセラミック中空粒子が下方に移動する際に
セラミックハニカム成形体の上部端面とセラミック中空
粒子が接触摩擦するため、結果としてセラミックハニカ
ム焼成体の上部端面が広がり、その近辺にクラックを生
じる。
【0013】また、セラミックハニカム成形体の上部端
面の高さまでセラミック粒子を充填して焼成する場合に
おいても、使用するセラミック坩堝の内側半径が小さす
ぎると、セラミックハニカム成形体が収縮したあとセラ
ミック粒子が焼成体上部端面よりもかなり下方へ移動し
てしまい、焼成過程を通じてセラミックハニカム成形体
の上部を十分に支えられない。これにより、結果とし
て、セラミックハニカム焼成体の上部に崩れやクラック
を生じる。
【0014】以上のようにセラミックハニカム焼成体を
製造するに際しての問題は、セラミックハニカム焼成体
の全体または上部に生じるクラックや変形である。
【0015】そこで、本発明は、クラックや変形が発生
することのないセラミックハニカム焼成体の製造方法を
提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明によるセラミックハニカム焼成体の製造方法
は、セラミックハニカム成形体の直径φ1aとこれを焼
成してなるセラミックハニカム焼成体の直径φ1bとの
間にφ1b/φ1a=0.83〜0.94の関係があ
り、且つセラミックハニカム成形体の高さH1aとセラ
ミックハニカム焼成体の高さH1bとの間にH1b/H
1a=0.82〜0.93の関係があるセラミックハニ
カム成形体を用意する工程と、セラミックハニカム成形
体を焼成するセラミック坩堝の内側の高さH3とセラミ
ックハニカム成形体の高さH1aとの間にH3>H1a
の関係が成り立ち、セラミック坩堝の内側の半径r3と
セラミックハニカム成形体の半径r1aとの間にr3/
r1a=1.4〜2.2の関係が成り立つセラミック坩
堝を用意する工程と、セラミックハニカム成形体の貫通
孔の向きが鉛直方向となるようにしてセラミック坩堝の
中央へセラミックハニカム成形体をセットする工程と、
セラミック坩堝とセラミックハニカム成形体との隙間
に、セラミックハニカム成形体の上部端面と同じ高さま
でセラミック粒子を充填する工程と、セラミック粒子の
充填されたセラミック坩堝内のセラミックハニカム成形
体を焼成する工程とを有するものである。
【0017】また、本発明によるセラミックハニカム焼
成体の製造方法は、セラミックハニカム成形体の直径φ
1aとこれを焼成してなるセラミックハニカム焼成体の
直径φ1bとの間にφ1b/φ1a=0.83〜0.9
4の関係があり、且つセラミックハニカム成形体の高さ
H1aとセラミックハニカム焼成体の高さH1bとの間
にH1b/H1a=0.82〜0.93の関係があるセ
ラミックハニカム成形体を用意する工程と、セラミック
ハニカム成形体を焼成するセラミック坩堝の内側の高さ
H3とセラミックハニカム成形体の高さH1aとの間に
H3>H1aの関係が成り立つセラミック坩堝を用意す
る工程と、セラミックハニカム成形体の貫通孔の向きが
鉛直方向となるようにしてセラミック坩堝の中央へセラ
ミックハニカム成形体をセットする工程と、セラミック
坩堝とセラミックハニカム成形体との隙間に、セラミッ
クハニカム焼成体の高さH1bとセラミック粒子の焼成
後の充填高さH4bとの間にH4b/H1b=0.91
〜0.98の関係が成り立つセラミック粒子をセラミッ
クハニカム成形体の上部端面と同じ高さまで充填する工
程と、セラミック粒子の充填されたセラミック坩堝内の
セラミックハニカム成形体を焼成する工程とを有するも
のである。
【0018】これにより、セラミックハニカム焼成体の
製造過程を通じてセラミック粒子によりセラミックハニ
カム成形体をほぼ均一に保持することが可能になるの
で、全体または上部にクラックや変形のないセラミック
ハニカム焼成体を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、セラミック格子によって仕切られガス流路方向に貫
通孔が多数設けられたセラミックハニカム焼成体の製造
方法であって、セラミックハニカム成形体の直径φ1a
とこれを焼成してなるセラミックハニカム焼成体の直径
φ1bとの間にφ1b/φ1a=0.83〜0.94の
関係があり、且つセラミックハニカム成形体の高さH1
aとセラミックハニカム焼成体の高さH1bとの間にH
1b/H1a=0.82〜0.93の関係があるセラミ
ックハニカム成形体を用意する工程と、セラミックハニ
カム成形体を焼成するセラミック坩堝の内側の高さH3
とセラミックハニカム成形体の高さH1aとの間にH3
>H1aの関係が成り立ち、セラミック坩堝の内側の半
径r3とセラミックハニカム成形体の半径r1aとの間
にr3/r1a=1.4〜2.2の関係が成り立つセラ
ミック坩堝を用意する工程と、セラミックハニカム成形
体の貫通孔の向きが鉛直方向となるようにしてセラミッ
ク坩堝の中央へセラミックハニカム成形体をセットする
工程と、セラミック坩堝とセラミックハニカム成形体と
の隙間に、セラミックハニカム成形体の上部端面と同じ
高さまでセラミック粒子を充填する工程と、セラミック
粒子の充填されたセラミック坩堝内のセラミックハニカ
ム成形体を焼成する工程とを有するものであり、クラッ
クや変形のないセラミックハニカム焼成体を得ることが
できるという作用を有する。
【0020】また、本発明の請求項2に記載の発明は、
セラミック格子によって仕切られガス流路方向に貫通孔
が多数設けられたセラミックハニカム焼成体の製造方法
であって、セラミックハニカム成形体の直径φ1aとこ
れを焼成してなるセラミックハニカム焼成体の直径φ1
bとの間にφ1b/φ1a=0.83〜0.94の関係
があり、且つセラミックハニカム成形体の高さH1aと
セラミックハニカム焼成体の高さH1bとの間にH1b
/H1a=0.82〜0.93の関係があるセラミック
ハニカム成形体を用意する工程と、セラミックハニカム
成形体を焼成するセラミック坩堝の内側の高さH3とセ
ラミックハニカム成形体の高さH1aとの間にH3>H
1aの関係が成り立つセラミック坩堝を用意する工程
と、セラミックハニカム成形体の貫通孔の向きが鉛直方
向となるようにしてセラミック坩堝の中央へセラミック
ハニカム成形体をセットする工程と、セラミック坩堝と
セラミックハニカム成形体との隙間に、セラミックハニ
カム焼成体の高さH1bとセラミック粒子の焼成後の充
填高さH4bとの間にH4b/H1b=0.91〜0.
98の関係が成り立つセラミック粒子をセラミックハニ
カム成形体の上部端面と同じ高さまで充填する工程と、
セラミック粒子の充填されたセラミック坩堝内のセラミ
ックハニカム成形体を焼成する工程とを有するものであ
り、クラックや変形のないセラミックハニカム焼成体を
得ることができるという作用を有する。
【0021】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1または2記載の発明において、セラミック坩堝を、ム
ライト,コージェライト,アルミナ,ジルコニア,炭化
珪素,窒化珪素のうちの少なくとも一種類から構成した
セラミックハニカム焼成体の製造方法であり、焼成が高
温度で行われてもセラミック坩堝が熱によって変形する
ことが防止されるという作用を有する。
【0022】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
1、2または3記載の発明において、セラミック粒子
を、ムライト,コージェライト,アルミナ,ジルコニ
ア,炭化珪素,窒化珪素のうちの少なくとも一種類から
構成したセラミックハニカム焼成体の製造方法であり、
焼成が高温度で行われてもセラミック粒子が熱によって
変形することが防止されるという作用を有する。
【0023】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
1〜4の何れか一項に記載の発明において、セラミック
粒子を中空の球状としたセラミックハニカム焼成体の製
造方法であり、有機結合剤等の分解消失がスムーズに行
われて、急激な燃焼によるクラックのないセラミックハ
ニカム焼成体を製造することができるという作用を有す
る。
【0024】そして、本発明の請求項6に記載の発明
は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、
セラミック粒子の平均粒子径を500〜3000μmと
したセラミックハニカム焼成体の製造方法であり、セラ
ミックハニカム成形体とセラミック粒子が反応し難くな
り、またセラミックハニカム焼成体の外周部表面の変形
が防止されるという作用を有する。
【0025】以下、本発明の実施の形態について、図
1,図2,図3,図4,図5及び図6を用いて説明す
る。なお、これらの図面において同一の部材には同一の
符号を付しており、また、重複した説明は省略されてい
る。
【0026】図1は本発明の一実施の形態によるセラミ
ックハニカム焼成体を示す斜視図、図2はセラミック坩
堝に収容された焼成前のセラミックハニカム成形体を示
す断面図、図3はセラミック坩堝に収容された焼成後の
セラミックハニカム焼成体を示す断面図、図4は比較例
としてのセラミック坩堝に収容された焼成前のセラミッ
クハニカム成形体を示す断面図、図5は比較例としての
セラミック坩堝に収容された焼成後のセラミックハニカ
ム焼成体を示す断面図、図6は図4および図5に示す工
程により製造されたセラミックハニカム焼成体を示す斜
視図である。
【0027】図1において、円柱状のセラミックハニカ
ム焼成体1には、その長さ方向であるガス流路方向に、
セラミック格子状の多数の貫通孔2が形成されている。
【0028】次に、このセラミックハニカム焼成体1の
製造方法について説明する。本実施の形態において、ベ
ースとなるセラミックハニカム成形体は前記したような
抄造・コルゲート成形ではなく、押出成形により製造さ
れる。押出成形は、一般にセラミック粉末の基材に結合
剤,可塑剤,水などを混合・混練して予め坏土状にした
ものをハニカムダイスに通すことにより得られる。
【0029】押出成形されたセラミックハニカム成形体
は、乾燥後、設定した条件によって焼成される。
【0030】ここで、本実施の形態におけるセラミック
ハニカム成形体の焼成について、図2,図3,図4及び
図5を用いて説明する。
【0031】図2において、セラミックハニカム成形体
1aとセラミック坩堝3との隙間にはセラミック粒子4
が充填されている。
【0032】焼成にあたって、まず、図2で示すよう
に、セラミック坩堝3の中央にセラミックハニカム成形
体1aをセットする。その際、セラミックハニカム成形
体1aのガス流路方向に相当する貫通孔2(図1)が鉛
直向きになるようにする。次に、セラミック坩堝3とセ
ラミックハニカム成形体1aとの隙間にセラミック粒子
4を充填する。その際、セラミック粒子4の充填量はセ
ラミックハニカム成形体1aの上部端面に達するまでと
する。
【0033】ここで、図示する場合において、セラミッ
ク坩堝3には底があるが、底のないものを用いてもよ
い。また、セラミックハニカム成形体1aの下にセラミ
ック粒子4を敷いた状態で焼成を行ってもよい。
【0034】セラミック坩堝3やセラミック粒子4は、
ムライト,コージェライト,アルミナ,ジルコニア,炭
化珪素,窒化珪素のうちの少なくとも一種類から構成さ
れることが好ましい。なぜならば、これらの材料系は比
較的高耐熱性であるため、セラミックハニカム成形体1
aの焼成が比較的高温度で行われても、セラミック坩堝
3やセラミック粒子4が急激な寸法変化(クリープ)を
示さないため、焼成が安定して行えるからである。
【0035】また、セラミック粒子4は、中空の球状で
あることが好ましい。つまり、ここに示す場合では、通
常の方法と異なりセラミックハニカム成形体1aの外周
部分を覆って焼成するので、通常よりも脱脂され難い。
このとき、セラミック粒子4が中空の球状であると、セ
ラミック粒子4そのものや粒子間に空間が形成されるた
めに有機結合剤等の分解消失がスムーズに行われ、急激
な燃焼によるクラックが生じ難くなるからである。
【0036】さらに、セラミック粒子4の平均粒子径
は、500〜3000μmが好ましい。平均粒子径が5
00μm以下であると、セラミックハニカム成形体1a
とセラミック粒子4とが反応して、図1に示すセラミッ
クハニカム焼成体1の外周部分に穴が開いたり表面が削
れたりするからである。また、平均粒子径が3000μ
m以上であると、セラミックハニカム焼成体1の外周部
分にセラミック粒子4の凸部がくい込み、外周部表面が
変形しやすくなるからである。
【0037】以上の条件の下でセラミックハニカム成形
体1aを所定の温度のもとで所定時間焼成すると、図3
に示すセラミックハニカム焼成体1bがセラミック坩堝
3内に得られる。
【0038】図4および図5において、セラミックハニ
カム成形体1aの半径r1aと、セラミック坩堝3の内
側の半径r3との関係がr3/r1a<1.4である場
合が示されている。
【0039】前述した図2および図3に示す場合と比較
すると、この比較例では、焼成収縮後にセラミック粒子
4がセラミックハニカム焼成体1bの上部端面よりも下
方へ大幅に落ち込む傾向にある。従って、セラミック粒
子4がセラミックハニカム成形体1aの上部外周面を支
えることができないため、セラミックハニカム成形体1
aの全体を同じ状態で焼成することができない。
【0040】図6に示すように、セラミックハニカム焼
成体1の上部にはクラック5が発生している。これは、
セラミックハニカム成形体1aのセラミック粒子4で支
えられている部分と支えられていない部分との間に焼成
収縮差ができるためであり、また、セラミックハニカム
成形体1aの上部がセラミック粒子4で支えられていな
いことから崩れやすくなっているためである。
【0041】これに対し、図2および図3に示す場合に
おいては、焼成工程を通じてセラミック粒子4がセラミ
ックハニカム成形体1aの外周面のほぼ全体を支えてい
るので、セラミックハニカム成形体1aの全体が同じ状
態で焼成される。したがって、図1に示すように、得ら
れたセラミックハニカム焼成体1にはクラックは存在せ
ず、また、変形も発生していない。
【0042】なお、比較例において、セラミックハニカ
ム成形体1aの半径r1aとセラミック坩堝3の内側の
半径r3との関係をr3/r1a>2.2として焼成後
のセラミック粒子4の落ち込みを抑制することも考えら
れるが、今度は、セラミック坩堝3、セラミック粒子
4、燃料などのコストが高くなり、また、有機結合剤な
どの脱脂がスムーズに行われなくなるので、好ましくな
い。
【0043】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。
【0044】まず、セラミック基材100重量部に対し
て、結合剤10〜15重量部を添加し、乾燥状態でミキ
サーを用いて混合した。これに、可塑剤2〜4重量部,
水24〜28重量部を添加し、ミキサー・混練機を用い
てセラミック坏土を作製した。ここで、セラミック基材
は主成分がチタン酸アルミニウムである粉末3種類(平
均粒子径5μm,14μm,32μm)である。また、
結合剤はメチルセルロース(高粘性タイプ)、可塑剤は
グリセリンである。
【0045】次に、作製したセラミック坏土を押出成形
機に投入し、真空脱気後、ハニカムダイスを通してセラ
ミックハニカム成形体1aを成形した。ハニカムダイス
は2種類で、セラミックハニカム成形体1aの外径がそ
れぞれ155mm,177mm、セラミックハニカム成
形体1aのセラミック格子3のセル数が約100個/in
ch2、になるように加工した。そして、セラミックハニ
カム成形体1aに含まれている水分を、マイクロ波や温
風などを用いて十分除去した。
【0046】次に、図2に示すように、円筒状のセラミ
ック坩堝3の中央にセラミックハニカム成形体1aをセ
ットし、セラミック坩堝3とセラミックハニカム成形体
1aの隙間にセラミック粒子4を充填した。充填量は図
2に示すようにセラミックハニカム成形体1aの上部端
面までとした。なお、セラミック坩堝3は、主成分がア
ルミナで、円筒状のもの2種類(内径φ196mm−厚
み10mm−内側高さ320mm,内径φ360mm−
厚み20mm−内側高さ440mm)を使用した。ま
た、セラミック粒子4は、主成分がアルミナで、平均粒
子径は約1000μmのものを使用した。そして、焼成
炉は電気炉で、昇温は結合剤および可塑剤が分解酸化す
る温度範囲でゆっくりと(<20℃/時間)行い、約1
550℃で焼結させた。
【0047】このようにして得られたセラミックハニカ
ム焼成体1についてのデータを(表1)〜(表3)に示
す。ここで、セラミックハニカム成形体1aの半径をr
1a、セラミック坩堝3の内側の半径をr3、セラミッ
クハニカム成形体1aの直径をφ1a、セラミックハニ
カム成形体1aの高さをH1a、セラミック坩堝3の内
側の高さをH3(以上、図2参照)とし、セラミックハ
ニカム焼成体1bの直径をφ1b、セラミックハニカム
焼成体1bの高さをH1b、セラミック粒子4の焼成後
の充填高さをH4b(以上、図3参照)としたとき、r
3/r1a,φ1b/φ1a,H1b/H1a,H4b
/H1bについてのデータを採取した。なお、表1はセ
ラミック粒子径5μmのデータ、(表2)はセラミック
粒子径14μmのデータ、(表3)はセラミック粒子径
32μmのデータである。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】試料No1,5,9のセラミックハニカム
焼成体1bには上部にクラックが生じた。これは、前述
のように、焼成後においてセラミック粒子4が落ち込ん
だからである。また、試料No4,8,12のセラミッ
クハニカム焼成体1bにはクラックはないものの、r3
/r1a>2.2となるために製造コストが高くなった
り、有機結合材などの脱脂がスムーズに行われなくなる
ので、好ましくない。
【0052】これに対し、r3/r1a=1.4〜2.
2またはH4b/H1b=0.91〜0.98の範囲に
ある試料No2,3,6,7,10,11のセラミック
ハニカム焼成体1bについては、クラックもなく、また
製造コスト上の問題もない。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、クラッ
クや変形のないセラミックハニカム焼成体を得ることが
できるという有効な効果が得られる。
【0054】また、セラミック坩堝を、ムライト,コー
ジェライト,アルミナ,ジルコニア,炭化珪素,窒化珪
素のうちの少なくとも一種類で構成することにより、焼
成が高温度で行われてもセラミック坩堝が熱によって変
形することが防止されるという有効な効果が得られる。
【0055】セラミック粒子を、ムライト,コージェラ
イト,アルミナ,ジルコニア,炭化珪素,窒化珪素のう
ちの少なくとも一種類で構成することにより、焼成が高
温度で行われてもセラミック粒子が熱によって変形する
ことが防止されるという有効な効果が得られる。
【0056】セラミック粒子を中空の球状とすることに
より、有機結合剤等の分解消失がスムーズに行われて、
急激な燃焼によるクラックのないセラミックハニカム焼
成体を製造することができるという有効な効果が得られ
る。
【0057】そして、セラミック粒子の平均粒子径を5
00〜3000μmとすることにより、セラミックハニ
カム成形体とセラミック粒子が反応し難くなり、またセ
ラミックハニカム焼成体の外周部表面の変形が防止され
るという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるセラミックハニカ
ム焼成体を示す斜視図
【図2】セラミック坩堝に収容された焼成前のセラミッ
クハニカム成形体を示す断面図
【図3】セラミック坩堝に収容された焼成後のセラミッ
クハニカム焼成体を示す断面図
【図4】比較例としてのセラミック坩堝に収容された焼
成前のセラミックハニカム成形体を示す断面図
【図5】比較例としてのセラミック坩堝に収容された焼
成後のセラミックハニカム焼成体を示す断面図
【図6】図4および図5に示す工程により製造されたセ
ラミックハニカム焼成体を示す斜視図
【符号の説明】
1 セラミックハニカム焼成体 1a セラミックハニカム成形体 1b セラミックハニカム焼成体 2 貫通孔 3 セラミック格子 4 セラミック粒子 5 クラック

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック格子によって仕切られガス流路
    方向に貫通孔が多数設けられたセラミックハニカム焼成
    体の製造方法であって、 セラミックハニカム成形体の直径φ1aとこれを焼成し
    てなるセラミックハニカム焼成体の直径φ1bとの間に
    φ1b/φ1a=0.83〜0.94の関係があり、且
    つ前記セラミックハニカム成形体の高さH1aと前記セ
    ラミックハニカム焼成体の高さH1bとの間にH1b/
    H1a=0.82〜0.93の関係がある前記セラミッ
    クハニカム成形体を用意する工程と、 前記セラミックハニカム成形体を焼成するセラミック坩
    堝の内側の高さH3と前記セラミックハニカム成形体の
    高さH1aとの間にH3>H1aの関係が成り立ち、前
    記セラミック坩堝の内側の半径r3と前記セラミックハ
    ニカム成形体の半径r1aとの間にr3/r1a=1.
    4〜2.2の関係が成り立つ前記セラミック坩堝を用意
    する工程と、 前記セラミックハニカム成形体の前記貫通孔の向きが鉛
    直方向となるようにして前記セラミック坩堝の中央へ前
    記セラミックハニカム成形体をセットする工程と、 前記セラミック坩堝と前記セラミックハニカム成形体と
    の隙間に、前記セラミックハニカム成形体の上部端面と
    同じ高さまでセラミック粒子を充填する工程と、 前記セラミック粒子の充填された前記セラミック坩堝内
    の前記セラミックハニカム成形体を焼成する工程と、を
    有することを特徴とするセラミックハニカム焼成体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】セラミック格子によって仕切られガス流路
    方向に貫通孔が多数設けられたセラミックハニカム焼成
    体の製造方法であって、 セラミックハニカム成形体の直径φ1aとこれを焼成し
    てなるセラミックハニカム焼成体の直径φ1bとの間に
    φ1b/φ1a=0.83〜0.94の関係があり、且
    つ前記セラミックハニカム成形体の高さH1aと前記セ
    ラミックハニカム焼成体の高さH1bとの間にH1b/
    H1a=0.82〜0.93の関係がある前記セラミッ
    クハニカム成形体を用意する工程と、 前記セラミックハニカム成形体を焼成するセラミック坩
    堝の内側の高さH3と前記セラミックハニカム成形体の
    高さH1aとの間にH3>H1aの関係が成り立つ前記
    セラミック坩堝を用意する工程と、 前記セラミックハニカム成形体の前記貫通孔の向きが鉛
    直方向となるようにして前記セラミック坩堝の中央へ前
    記セラミックハニカム成形体をセットする工程と、 前記セラミック坩堝と前記セラミックハニカム成形体と
    の隙間に、前記セラミックハニカム焼成体の高さH1b
    とセラミック粒子の焼成後の充填高さH4bとの間にH
    4b/H1b=0.91〜0.98の関係が成り立つ前
    記セラミック粒子を前記セラミックハニカム成形体の上
    部端面と同じ高さまで充填する工程と、 前記セラミック粒子の充填された前記セラミック坩堝内
    の前記セラミックハニカム成形体を焼成する工程と、を
    有することを特徴とするセラミックハニカム焼成体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記セラミック坩堝は、ムライト,コージ
    ェライト,アルミナ,ジルコニア,炭化珪素,窒化珪素
    のうちの少なくとも一種類からなることを特徴とする請
    求項1または2記載のセラミックハニカム焼成体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】前記セラミック粒子は、ムライト,コージ
    ェライト,アルミナ,ジルコニア,炭化珪素,窒化珪素
    のうちの少なくとも一種類からなることを特徴とする請
    求項1、2または3記載のセラミックハニカム焼成体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】前記セラミック粒子は、中空の球状である
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のセ
    ラミックハニカム焼成体の製造方法。
  6. 【請求項6】前記セラミック粒子の平均粒子径は、50
    0〜3000μmであることを特徴とする請求項1〜5
    の何れか一項に記載のセラミックハニカム焼成体の製造
    方法。
JP9234313A 1997-08-29 1997-08-29 セラミックハニカム焼成体の製造方法 Pending JPH1179850A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7335019B2 (en) 2003-08-01 2008-02-26 Asahi Glass Company, Limited Firing container for silicon nitride ceramics

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US7335019B2 (en) 2003-08-01 2008-02-26 Asahi Glass Company, Limited Firing container for silicon nitride ceramics

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