JPH11511680A - ビスホスホネートをイオン電気導入投与するための装置 - Google Patents

ビスホスホネートをイオン電気導入投与するための装置

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JPH11511680A
JPH11511680A JP10501890A JP50189098A JPH11511680A JP H11511680 A JPH11511680 A JP H11511680A JP 10501890 A JP10501890 A JP 10501890A JP 50189098 A JP50189098 A JP 50189098A JP H11511680 A JPH11511680 A JP H11511680A
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セイジ,バートン,エイチ.
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、デリバリーされるべき患者に治療上の用量範囲のビスホスホネートをイオン電気導入によりデリバリーするための方法および装置に関するものであり、このデリバリーは選択された時期に骨祖しょう症および他の代謝上の骨の病気の開始および進展を防ぐために一定の期間行われる。

Description

【発明の詳細な説明】 ビスホスホネートをイオン電気導入投与するための装置 この出願は1996年6月14日に出願された一連番号08/665,181の部分継続 出願である。発明の分野 本発明は、ビスホスホネートを間欠的にイオン電気導入投与することによって 骨粗鬆症(オステオポローシス)の発症および進行を防ぐための非侵襲的方法お よび装置に関する。発明の背景 イオン電気導入による薬物送達システムは、近年において重要性が高まってい る薬物投与手段である。 現在、経皮薬物送達システムには2種類、すなわち受動的なものとイオン電気 導入(iontophoretic)によるものとがある。受動的パッチ・システムは、少量か つ相対的に親油性の薬物を拡散によって患者の皮膚経由で送達するもので、一例 として痛みを緩和させる麻薬性鎮痛薬パッチの塗布が挙げられよう。一方、イオ ン電気導入システムは、患者の皮膚の中へイオン性物質(薬剤)を動かす起電力 を与えること(イオン電気導入)で該皮膚に隣接する組織および血管による薬物 の吸収がなされるように薬物の経皮送達を行う。したがって、イオン電気導入法 は、受動的拡散では送達性が乏しい荷電および親水性薬物の経皮投与を可能とす る。経皮システムは、患者に対して痛み、感染の危険性、および外傷を与える問 題を抱えた皮下注射等の他の投与方法によっては明らかに達成困難な長所を持っ ている。また、イオン電気導入法は、消化管を介した薬物導入が薬物の不活性化 、食物相互作用、第1経路肝代謝、および消化管副作用を引き起こす可能性があ るという点で経口投与よりも優れている。 従来のイオン電気導入装置、例えば米国特許第4,820,263 号(Spevakら)、第4, 927,408 号(Haakら)、および第5,094,008 号(Phippsら)に記載されたも のは、イオン電気導入法を介した薬物または薬剤の経皮送達を行うためのもので ある。基本的に、従来のイオン電気導入装置は、該イオン電気導入装置による処 置が施される皮膚に接触した電解質リザーバまたは薬物リザーバに対して個別に イオン接触している2つの電極(陽極および陰極)からなる。電流がオンになる と、電気エネルギーはイオン伝導により皮膚を介してイオン分子を体内へ送る手 助けに利用される。 骨粗鬆症は、骨の代謝疾患であり、骨長が減少するとともに骨折の危険性が高 まる。骨長は骨吸収および骨再生の連続的プロセスによって保たれている。骨粗 鬆症は骨吸収の速度が骨再生の速度よりも高い場合に発症する。人生の初めの3 0年間は、骨の吸収よりも骨の再生が上回り、40代で骨の強度が最大限に達す る。40代を過ぎると、特に女性の場合、更年期後、骨吸収が骨再生を上回り、 加齢に伴って骨折の危険性が高まり続ける。骨粗鬆症は副腎皮質ホルモンによる 治療を長期間受けている患者、坐位の生活スタイルを送る患者、慢性腎疾患の患 者、および栄養障害の患者に認められることもある。人口の約10%が少なくと も1回の骨折の危険性が高い。骨粗鬆症は重要な保健問題であり、米国では2, 500人もの人が骨粗鬆症を患い、毎年1,300件の骨折が発生している。こ れらの骨折の内訳は、腰椎骨折が500,000件以上、股関節骨折が約250 ,000件以上、および手関節骨折が約240,000件以上であり、国家の出 費は1,000億を上回る。 この疾患は無症状なものであることから、危険にさらされている個人は異常に 気づかない。女性は男性よりも大ざっぱにいって4倍かかりやすい。人口の約2 5%が1回以上の骨折または激しい骨の痛みのいずれかとして骨粗鬆症の影響を 受けることであろう。このあまりにも多い患者人口は、重要な製薬上のチャンス と保健財源上の悪夢との両方を同時にもたらす。 骨粗鬆症の予防および治療にはいくつかの強要されるものがある。その一つは 、骨粗鬆症の発症を防ぐ分野にあり、他のものは骨粗鬆症の進行を防ぐ分野にあ る。これら両方の強要されるものにとって、カルシウムおよびビタミン補給は骨 の強度低下を遅らせるのに有効であるけれども、結末は症候性疾患の発症を遅ら せるだけである。エストロゲンおよびカルシトニンによる治療は、ビタミンD およびカルシウムによる治療よりも有効であることが主張されている。しかし、 コンプライアンスが乏しく、またそれらの医薬品は高価である。 代わりの薬剤はビスホスホネートである。このクラスの薬物は、骨に直接作用 し、骨の再吸収を著しく抑え、それによって骨の鉱物密度を安定させる。しかし 、ビスホスホネートは、用量を高度に変えることが可能な口腔生物学的利用能が たいへん低い。また、低い口腔生物学的利用能は食物、カルシウム濃度、プラス 他の因子の数によって変動する。ビスホスホネート経口投与による養生もまた、 薬物を毎日取らなければならないという点で複雑なものである。例えばフォサマ ックス(Fosamax(登録商標))(アレンドロネート(Alendronate))の場合、朝食 の30分ないし1時間前に大量の水とともに投与し、また投与後30分間、患者 は横たわってはならない。この薬物は、食道に異常が認められる患者および(あ るいは)少なくとも30分間立位あるいは坐位を保つことができない患者に対し ては処方することができない。そのような問題はある種の患者を除外することに なり、また骨粗鬆症等の慢性無症状疾患の低のコンプライアンスをもたらすであ ろう。 ビスホスホネートはカルシウムに対して高い親和性を呈し、そのため長期間( 年)にわたって骨に対して強固に結合する。したがって、骨粗鬆症および他の骨 関連疾患の治療のために、患者に対して通常の日用量よりも大量に1日を越える 間隔(例えば、週2回、週1回、月1回、2ヶ月ごと、3ヶ月ごと、あるいは6 ヶ月ごとに1回)ビスホスホネートを投与することができよう。ビスホスホネー トパミドロネート(アレジア(Aredia)登録商標)およびエンドロネート(ジドロ ネル(Didronel)登録商標)の静注を短間隔で行うことが、悪性腫瘍に伴うカルシ ウム過剰血症およびページェット病の患者において有効であることが示されてい る。静脈内注射によって数時間以上にわたって投与を行う場合もビスホスホネー トの薬効が患者に対して数週間にわたって付与されることが第3回国際シンポジ ウム骨粗鬆症(Third International Symposium Osteoporosis)においてシーバウ ド(D.Thiebaud)らによって「閉経期の骨粗鬆症における経口フッ化物対静脈内パ ミドロネート(APD)の2年有効性」(“2 Years Effectiveness of Intrave nous Pamidronate(APD)versus Oral Fluoride in Post menopausal Osteoporsis”)と題されて報告されている。本明細書ではこの報告の内容を援 用する。最近では、フィリッポニ(P.Fillipponi)らが雑誌「骨および無機質研 究」(Journal of Bone and Mineral Research, vol. 10, November 5, 1995)に おいて「周期的クロドロネートは閉経後の骨損失防止に有効である:経皮ホルモ ン置換治療との比較研究」(“A Comparative Study with Transcutaneous Horm one Replacement Therapy”)と題された論文で報告している。この論文では、 200mgのクロドロネートを一ヶ月に一度4時間周期で間欠投与したところ、 比較例の変化は7%を上回るものであったが、本願では骨全体の無機質密度の減 少が0.67%±0.84であった。しかし、数週間ごとに数時間にわたって静 注を受けることに関した患者のコンプライアンスは低くなりやすく、副作用を招 く恐れがある。また、この方法は不便であり、かつ高価である。受動的経皮送達 は、ある種の薬物を送達するのに有用ではあるけれども、ビスホスホネートには 適用できそうもない。なぜなら、ビスホスホネートは帯電し、かつ高親水性を示 すからである。皮膚のもっとも外側の層を横切る親水性分子の通路は、たいへん 低く非常に変わりやすい。もし、受動的パッチが可能であるならば、大きくして 毎日装着する必要があろう。 本発明は、それらの問題を解決するものである。本発明は、種々の用量間隔で 、数時間にわたるビスホスホネート化合物のイオン電気導入投与を用いることで 、骨粗鬆症あるいは他の骨疾患の発症および進行を防ぐための方法および装置に 関する。このことは、経口投与の副作用や、数時間に及ぶ静注投与に関連した費 用、副作用、および不快感を避ける。 ビスホスホネートのイオン電気導入法は実証されている。1988年、「イオ ン電気導入法を介したブタへのエチドロネートの経皮送達(EHDP)」("Tra nsdermal Delivery of Etidronate(EHDP)in the pig viaiontophoresis",Jou rnal of Membrane Science,35(1988)161-165)と題された論文の中で、分子 が皮膚を通して送達され、大部分が骨の周囲に位置して生物学的活性を保つこと が示されている。しかし、著者はEHDPの選択はモデル薬物としてであることをは っきりと述べてはいるが、疾患の状態を処置するのにそれを使用することについ ては記載されていない。その論文は、EHDPを経皮的に送達す ることの実現可能性を目的とするものであり、長期間にわたる予防を提供する延 長されたイオン電気導入送達については何ら提案も示唆もない。さらに、研究さ れた送達エピソード(delivery episode)はたいへん短く(90分)、本発明でク レームされた投与時間よりもかなり短いもので、さらに本願の目的である搬送エ ピソードを長くすることで搬送エピソードの間隔を広げられるかもしれないこと は示唆されていない。また、このクラスの薬物の長期投与をより長期間にわたっ て行うためにイオン電気導入法を用いることを遠ざける皮膚の炎症はブタにおい て顕著である。 上記特許あるいは本発明者が気付いたいずれの従来技術も、臨床上有益な結果 、すなわち予防を達成するために長期間にわたってビスホスホネートのイオン電 気導入送達のためのシステムまたは方法を記述してはいない。 本発明は、骨粗鬆症の危険にさらされている集団に対する予防策を提供する。 イオン電気導入パッチは、医者または患者によって等間隔で施すことができる。 このパッチを一定の時間患者に付け、その後規則正しい間隔(例えば、週ごと、 月ごと、あるいは3ヶ月ごと)で後投与する。ビスホスホネートの予防効果は長 期間にわたって継続する。発明の概要 本発明の一つの具体例は、患者の骨粗しょう症または他の骨の病気の開始また は進展を防ぐ方法を提供する。この方法は、イオン電気導入後の一定期間内に骨 粗しょう症の開始または進展を防ぐのに有効量のビスホスホネートを患者にイオ ン導電的にデリバリーすることを含む。 本発明の他の具体例は、骨粗しょう症または他の骨の病気の開始または進展を 防ぐためのイオン電気導入装置を提供する。このイオン電気導入装置は、次の( a)〜(d)のものを有している。すなわち、 (a)電流分配器、 (b)イオン化された物質の受容器、この受容器はイオン化されたまたはイオ ン化可能な物質を含んでおり、電流分配器と電気的に接続しており、および上皮 面とイオン的に接続するようにしてあり、ここでイオン化されたまたはイオン化 可能な物質とはビスホスホネートであり、 (c)電解質受容器、この電解質受容器は電解質を含んでおり、普通の電極と 電気的に接続されており、および上皮面とイオン的に接続されており、 (d)電源、この電源は電流分配器および電解質受容器とともに配電接続器中 にある。 この装置は、骨粗しょう症の開始または進展を防ぐのに有効量のビスホスホネ ートを数時間にわたってデリバリーすることができる。図面の説明 図1は、切開したブタの皮膚をとおして18時間にわたってビスホスホネート Aをイオン電気導入によりデリバリーしたときの、ビスホスホネートの蓄積投与 量についての電流密度の効果を示す。 図2は、2つのパッチ濃度(patch concentrations)における切開したブタの皮 膚をとおして4時間にわたってビスホスホネートAをイオン電気導入によりデリ バリーしたときの、ビスホスホネートAの蓄積投与量を示す。 図3は、本発明の装置の具体例を示す。発明の詳細な説明 好ましくは、本発明は、患者が骨粗しょう症の危険性が疑われており少し骨折 の危険があるとき、パジャーの病気(Pager's disease)、代謝上の骨の病気およ び悪性腫瘍と結びついた過カルシュウム症のような他の骨の病気にかかっている ときと同様に、患者が閉経期に達しているが閉経期の治療をしていないときに使 用されるべきである。 本発明は、一定期間にわたってイオン電気導入によりデリバリーされるビスホ スホネートの治療上の用量範囲を提供するものであり、このことは選択された期 間について骨粗しょう症または他の骨の病気の開始または進展を防ぐのに効果的 であるべきである。いくつかのビスホスホネート化合物に対する治療上の用量範 囲は骨粗しょう症を治療している当業者には知られているか、あるいは有効であ る。 実例によるビスホスホネート化合物は、これらに限定されないが 、次のもの を含んでいる。すなわち、エチドロネート(Etidronate)、クロドロネート(clodr onate)、パミドロネート(pamidronate)、アレンドロネート(alendronate)、(6 −アミノ−1−ヒドロキシヘキシルインデン)ビス−ホスホネート、チルドロネ ート(tildronate)、リセドロネート(risedronate)、(3−(ヂメチルアミノ) −1−ヒドロキシプロピリデン)ビス−ホスホネート、(1−ヒドロキシ−3− (メチルペンチルアミノ)プロピリデン)ビス−ホスホネート(BM21.09 55)、(1−ヒドロキシ−3−(1−ピロリジニル)プロピリデン)ビス−ホ スホネート(EB−1053)、その他の当業者に知られているビス−ホスホネ ート、およびこれらの混合物である。種々のビス−ホスホネート化合物に対する 公知の治療上の用量範囲に基づいて、当業者はビス−ホスホネートを指定するこ とができ、同様にイオン電気導入デリバリーの後延長された期間骨粗しょう症の 開始または進展を防ぐためにイオン電気導入法により投与されるべきそのビス− ホスホネートの治療上の量を指定することができる。それによって、主治医また は患者自身が、患者に適用されて約4時間から約48時間の範囲の期間活性であ るイオン電気導入法によりパッチ投与することができ、これを1週間に1回から 約1年に2回の間隔の範囲で行うことにより骨粗しょう症の開始または進展を防 ぐのに有効である。 本発明の一つの具体例は、患者の骨粗しょう症の開始または進展を防ぐ方法を 提供する。この方法は、延長された期間骨粗しょう症の開始または進展を防ぐた めに有効であるビスホスホネートの量で患者を治療することを含む。 本発明の他の具体例は、骨粗しょう症の開始または進展を防ぐためのイオン電 気導入装置を提供する。このイオン電気導入装置は、次の(a)〜(d)のもの を有している。 (a)電流分配器。 (b)イオン化された物質の受容器、この受容器はイオン化されたまたはイオ ン化可能な物質を含んでおり、電流分配器と電気的に接続しており、および上皮 面とイオン的に接続するようにしてあり、ここでイオン化されたまたはイオン化 可能な物質とはビスホスホネートである。この装置は、選択された期間にわたっ て骨粗しょう症の開始または進展を防ぐために有効であるビスホスホネートの量 をデリバリーすることができる。 (c)電解質受容器、この電解質受容器は電解質を含んでおり、普通の電極と 電気的に接続されており、および上皮面とイオン的に接続されている。 (d)電源、この電源は電流分配器および電解質受容器とともに配電接続器中 にある。 本発明のイオン電気導入装置は以下に示す要素および材料を含んでいるが、こ れらの実例により限定されるものではない。 好ましくは、この方法は、骨粗しょう症または他の骨の病気の開始または進展 を防ぐために、少なくとも4時間にわたって選ばれたビスホスホネート化合物を 、患者にイオン電気導入法によりデリバリーすることを含む。 A.電流分布部材(活性電極) 本発明のイオン電気導入電極は電流をイオン電気導入リザーバに伝導して被イ オン化物質を搬送するための電流分布部材を含む。電流分布部材は不活性および 犠牲的材料を含む、広範囲の導電性材料の任意のものから構成される。 不活性導電性材料は本発明のイオン電気導入装置で用いた場合、それ自体は電 気化学反応を受けないかあるいはそれらの反応に関与しない導電性材料である。 従って、不活性材料は電流の分布により腐食されたり消耗されたりせずに電流を 分布し、そして水の還元または酸化により発生するイオンを介して電流を導く。 不活性導電性材料は、典型的には、例えばステンレス鋼、白金、金、および炭素 またはグラファイトを含む。 あるいは、電流分布材料は犠牲的導電性材料から構成してもよい。ある材料が 犠牲的であると考えられるのは、本発明のイオン電気導入装置において電極とし て用いた場合、その材料が酸化または還元により腐食もしくは消耗される場合で ある。そのような腐食または消耗はイオン電気導入装置の用いられる材料および 配合物が特定の電気化学的反応を起こし得るとき、例えば銀電極を塩素イオンを 含有する配合物とともに用いたときである。この場合、電流分布部材は水の電気 分解を引き起こさないが、それ自体が酸化または還元される。 典型的には、アノードについては、犠牲的材料は銀、亜鉛、銅等のような酸化 性金属を含む。不活性材料により電気化学的に発生されたヒドロキシルおよびヒ ドロニウムイオンとは対照的に、犠牲的材料により電気化学的に発生されたイオ ンは金属の酸化により得られる金属陽イオンが含まれる。金属/金属塩アノード も用いることができる。そのような場合、金属は酸化されて金属イオンとなり、 ついで不溶性の塩として沈殿される。 カソードについては、電流分布部材は任意の導電性材料および適当な電解質配 合物から構成してもよい。例えば、カソード電流分布部材は金属/金属塩材料か ら構成してもよい。好適なカソード材料は銀/ハロゲン化銀材料である。そのよ うな実施形態では、金属ハライド塩を電解質として用いるのが好ましい。この場 合、装置は金属が還元されるにつれて装置は電極から電気化学的にハライドイオ ンを発生する。また、配合物中の付随する銀イオンは還元されて金属銀となり、 電極上に堆積(電極をメッキ)する。他の実施形態では、カソード材料は、水の 還元電位未満で溶液からナトリウムのような電解質陽イオンを取り出すことがで きる、インタカレーション材料、アマルガムその他の材料であってもよい。さら に、適当な電解質溶液から金属をメッキさせることができる他の材料を用いても よい。このように、硝酸銀または硫酸亜鉛のような適当な金属塩が電解質リザー バ内で溶液状態であるときは、銀、銅、亜鉛およびニッケルのような金属ならび に炭素のような他の材料を用いてもよい。そのような材料は使用中に金属がメッ キされるにつれて抵抗を増大させるが、それらはカソード電流分布部材として使 用中に腐食されたり消耗されたりはしない。従って、それらは厳密には本発明で いう「犠牲的」ではない。 本発明に従う電流分布部材として有用な材料の追加のタイプは同時係属の米国 特許出願第08/536,029号(発明の名称「イオン電気導入装置用の低コスト電極」 、1995年9月29日出願(代理人整理番号P−3006))明細書に詳細に 記載されており、その開示内容は引用によりここに導入される。 電流分布部材はプレート、フォイル層、スクリーン、ワイヤまたは導電性マト リックスに導電性粒子を埋め込んだディスパージョンなどの任意の公知の形状を とることができる。 B.電解質リザーバ 1.電解質 本発明のイオン浸透療法装置では、電解質リザーバは電流分布部材に電気的に 導通して配置される。典型的には、電流を適用した際に電流分布部材からの電子 が電解質リザーバ内のイオンと交換されることが必要である。そのような電気的 連絡はイオン電気導入装置を構成するのに用いられる介在材料のいずれによって もすこしでも過剰に妨げられることがないようにするのが望ましい。換言すれば 、界面の抵抗が低いことが好ましい。 電解質リザーバは少なくとも1種の電解質、すなわち電流分布部材に対して電 流を導入・導出するよう作用するイオンまたはイオン化し得る成分を含んで成る 。典型的には、電解質は1種または2種以上の可動性イオンを含んで成り、その 選択は所望の用途によって決まる。好適な電解質の例としては、塩類の水溶液が 挙げられるが、これらに限定されない。好ましい電解質はNaClの水溶液であ り、濃度が1モル/リットル未満(<1M)、さらに好ましくはほぼ生理学的濃 度のものである。他の電解質としては生理学的イオンの塩があり、これらにはカ リウム(K+)、クロライド(Cl-)およびフォスフェート(PO4 -)がある。 塩およびその濃度は特定の用途に対して所望により選択することができる。他の 化学種を選択して電解質リザーバに含めてもよい。そのような他のリザーバ化学 種としては、制限的ではなく、キレート剤(例えば、クエン酸イオン、EDTA )、界面活性剤(例えば、非イオン性、陽イオン性、または陰イオン性)、緩衝 液、イオン性賦形剤、浸透圧調節剤(例えば、ポリエチレングリコール、糖類) 、イオン性抗生物質、浸透向上剤(例えばアルカノール)、安定剤、酵素阻害剤 、保存剤、濃厚剤(例えば、アクリル酸、セルロース樹脂、粘度、ポリオキシエ チレン)等が含まれる。 あるいは、電解質は、電界が存在しないとそれ自体は比較的に不動性であるが 、電界が存在すると可動性イオンを搬送するように作用する材料を含んで成るも のでもよい。後者の場合、電解質は「イオン源」と呼ぶのがより適切であるかも しれない。本発明に従うイオン源の例としては、ポリ電解質、イオン交換膜およ び樹脂、pH変化の際にイオン性となる非イオン性緩衝液および他の公知のイ オン源が挙げられる。 あるいは、電解質リザーバは電気化学的に発生されたイオンと可溶性塩を形成 する対イオンを含有していてもよい。例えば、銀製アノード電流分布部材を用い た装置では、適当な対イオンはアセテート(酢酸根)またはナイトレート(硝酸 根)でもよいであろう。そのような対イオンは電気化学的に発生されたイオンを 封鎖する他の手段が提供されているときに有用である。 このように、電解質リザーバは電気化学的に発生されたイオンと同じ電荷の少 なくとも1種のイオン(電流を導くことができる)と、少なくとも1種の反対に 荷電されたイオンとを提供することができる。 C.被イオン化物質(薬剤)リザーバ 本発明のイオン電気導入装置のリザーバ構造はさらに被イオン化物質リザーバ を含む。被イオン化物質は上皮表面とイオン的に連絡している必要がある。 被イオン化物質リザーバの構造は上皮表面とイオン的に連絡していることおよ び電流分布部材と電気的に連絡していることの要件と矛盾していてはならない。 従って、被イオン化物質リザーバの構造は所望の用途によって変わる。被イオン 化物質リザーバは液体状、半液体状、半固体状または固体状材料であってもよい 。流動性材料を用いると、被イオン化物質リザーバは好ましくはリザーバから内 容物が流出するのを少なくとも実質的に防止する手段をさらに備えている。その ような場合、内容物の流動は装置が貯蔵状態にあるときは最低限であるのが望ま しい。例えば、膜を配置して被イオン化物質リザーバの内容物を包囲してもよい 。一定の場合には、リザーバの内容物の流動は貯蔵時に最低限となり、使用時に 増加するようにしてもよい。例えば、膜の両端間に電界を印加した際に包囲膜の 多孔度、透過性または導電性が増加するものであってもよい。そのような膜の例 としては米国特許第5,080,546 号公報、同第5,169,382 号公報および同第5,232, 438 号公報に開示されており、それらの開示内容は引用によりここに導入される 。 好適な実施形態では、被イオン化物質リザーバはその物理的統合性保持すると ともにマイグレーションと被イオン化物質の損失に本来的に抵抗する。そのよう な実施形態には、被イオン化物質リザーバが、ゲルその他のポリマー材料のよう な固体状もしくは半固体状材料を含むものがある。特に好適な実施形態では、被 イオン化物質リザーバはイオン浸透により導入される物質が分散されているポリ マーフィルムを含んでいる。搬送される物質の移動度は電界を印加すると実質的 に増加し、目的の上皮表面を貫く効果的な搬送を可能とする。そのようなフィル ムは有意量の水和剤を含有している必要はない。好適な実施形態では、電解質リ ザーバ内の架橋ヒドロゲルは、有意量の水を含有する故に、イオン浸透療法中に 水リザーバとして働く。 活性成分の緩衝液溶液を提供するのが望ましいことがある。薬剤イオンと同じ 電荷の緩衝液のイオンはイオン移動度が低いはずである。このイオンの限界イオ ン移動度は好ましくは1×10-4cm2/ボルト−秒以下である。 ビスホスホネートはカルシウムに対する親和性が強いため、配合工程を設けて 薬剤とリザーバ中のカルシウムの残量との相互作用を排除する必要がある。これ はクエン酸塩、EDTAその他の薬品のようなカルシウムをキレート化することがで きる剤を添加することにより達成することができる。 D.イオン導入分配用のイオン化可能な物質(薬) イオン性の薬物は、アノード、カソード、または両者同時のいずれかから送達 される。例えば、身体に運搬されるイオン性物質が正に電荷されるならば、その とき正電極またはアノードは活性電極になり、負電極またはカソードは電気化学 回路を完成させる。あるいはまた、運搬されるイオン性物質が負に電荷すると、 そのとき負電極は活性電極になり、正電極は不関電極になる。すべてのビスホス ホネートは通常、皮膚pHで全負電荷を有するので、本発明の好ましい態様はイ オン導入装置のカソードから押し出されるイオン性薬物を指向する。しかしなが ら、アノードの外形は、本発明の精神から離れない限り、ビスホスホネートの化 学修飾に正電荷を運搬してもよい、と理解される。 この発明は、ビスホスホネートの化学修飾と同様、ビスホスホネートの広い範 囲内で活性成分の送達と関連して有効である、と信じられている。 E.保護用裏あて 本発明のイオン導入装置は、電解質タンクの頂部に位置する適当な裏あてフィ ルムも含んでもよい。装置の電解質タンクが存在するならば、裏あてフィルムは 現在寄与している部材への汚染および損害から保護する。 F.剥離ライナー 本発明のイオン導入装置は、接着剤によりイオン化物質のタンクの裏面に固定 されてもよい剥離ライナーを任意に含む。剥離ライナーは、装置が使用されてな いときに、汚染および損害から、上皮表面と接触するイオン化物質のタンクの表 面を保護する。装置が使用される場合、剥離ライナーをはがして、患者に装置を 適用するためイオン化物質のタンクの上皮接触表面を露出する。 G.不関電極 イオン導入装置には、患者の皮膚に薬剤イオンを運ぶためのポテンシャルをあ たえるために、少なくとも2つの電極が必要である。両電極は、皮膚と直接、電 気的に接触するように配置されていて、これによりイオン導入装置のアノードパ ッドおよびカソードパッドによって形成される電気化学回路を完成する。電極パ ッドは、さらに活性電極として限定されてもよく、この活性電極からイオン性薬 剤を身体に送達する。不関電極または外側電極は、電気化学回路を完成するのに 役立つ。1995年、9月29日に出願されたレッディーら(Reddy et al.)によ る、イオン導入装置のための低コスト電極という表題の、米国出願番号08/536,0 29 号に開示されているように、様々なタイプの電極を用いてもよい。 以下のビスホスホネートが人骨の病気に使用するために研究されている。すな わち、エチドロネート、クロドロネート、パミドロネート、アレンドロネート、 (6−アミノ−1−ヒドロキシヘキシルインデン)ビス−ホスホネート、ティル ドロネオート、リセドロネート、(3−(ジメチルアミノ)−1ヒドロキシプロ ピリデン)ビス−ホスホネート、(1−ヒドロキシ−3(メチルペンチルアミノ )プロピリデン)ビス−ホスホネート(BM21.0955)および(1−ヒド ロキシ−3−(1−ピロリジニル)プロピリデン)ビス−ホスホネート(EB− 1053)である。H.Fleish らによって、第3回骨粗しょう症の国際シンポジ ウムにおいて「骨祖しょう症の処理におけるビスホスホネートの使用」という表 題で報告されたように、その開示がここに参照のため挿入されている。他のビス ホスホネートも、臨床改良の種々の段階で存在することが報告されている。これ らには、ゾレドロニックアシッド、NE−10244、オルパドロニックアシッ ド、インカドロニックアシッドおよびYH−529が含まれる。 図3に描かれているように、本発明のイオン導入装置40の一態様は以下のよ うな外観を呈している。すなわち、アノードパッチ10は、皮膚接触コンパート メント13とイオンで伝達するアノード電極コンパートメント11を有する。皮 膚接触コンパートメント13およびアノード電極コンパートメント11は、コン パートメント分離手段(部材)17で分離されていてもよい。アノード電極コン パートメント11は、アノード14および電解質(アノライト)15も含む。皮 膚接触コンパートメントを患者の皮膚36に取り付ける。カソードパッチ20は 、皮膚接触コンパートメント23とイオンで伝達するカソード電極コンパートメ ント21を有する。皮膚接触コンパートメント23およびカソード電極コンパー トメント21は、コンパートメント分離手段(部材)27で分離されていてもよ い。カソード電極コンパートメント21はカソード24および電解質(カソレー ト)25も含む。皮膚接触コンパートメントを患者の皮膚36に取り付ける。 本発明がイオン電気導入に結び付けて記載されている一方、例えばモチーブフ ォース(motive force)のような他の積極的な導入(active introduction)の原理 に結びつけて使用されることが評価されべきである。したがって、この発明はイ オン電気導入療法(これはは電場における一つのあるいは他の電極(アノードま たはカソード)への粒子の動きを含んでいる)、および電気浸透療法(これは電 場により誘起された水のバルク移動による不変化の化合物の輸送を含んでいる) に結びつけて操作できるものと理解されている。また、患者または対象として人 間と動物が含まれるべきである。実施例 実施例1 負の電荷および約300ドルトンの分子量を有し、および以下で“ビスホスホ ネートA”と呼ぶビスホスホネート化合物のイオン電気導入送達(Iontophoritic delivery)は、18時間を超えて実施された。切り取ったブタの皮を用いおよび C−14の放射性同位体で識別したビスホスホネートAに関して陰極イオン電気 導入送達を準備したインビトロ(in-vitro)のモデルをデータ(かかる実施例で示 される)を集めるために使用した。パッチ中のビスホスホネートAの濃度は、0 .64mg/mlであり18時間にわたってイオン電気導入的に送達された。標 準的なイオン電気導入装置は、切り取られた皮と接触した不活性なまたは帰路電 極とイオン伝達する電解質を含む陽極部分、活性な電極とイオンで伝達するイオ ン化したまたはイオン化できるビスホスホネートAを含む陰極部分(陽極部分に 電気的に接続された)を備えており、かかる陰極部分は切り取られた皮ともイオ ンで伝達されている。双方の部分は電源との電気的な伝達である。0.02また は0.04mAの電流を装置に流した。陰極部分は2cm2であり、および25 6μgのビスホスホネートAで充填された。この系はpH6.8に保持した。全 部で6つのセルで実施し、3つは10μA/cm2および3つは20μA/cm2 であった。 結果を図1に示す、ここでは24時間にわたって作用するように送達されたm g単位のビスホスホネートの累積投与量を表している。図1に記載したように、 このデーターは一貫して再現可能であり、相対直線のカーブの勾配によって表さ れるように、およびほとんど24時間を超えて送達されたビスホスホネートAの 累積投与量が、10および20mgの間に維持されたという事実によって証明さ れたように投与量は安定している。すなわち、これはビスホスホネートAに対し て有効な治療学上の週単位の投与レベル(7から19μg)の範囲内である。実施例2 ビスホスホネートAを用いたさらなる4時間のイン・ビトロ(in-vitro)実験が 、0.08および0.16mg/mlの低濃度で、100μAおよび2.5cm2 を用いて実施された。結果は、図2に示され、ビスホスホネートAの送達され た用量は、ビスホスホネートAのパッチ濃度に比例することを示す。再び、ビス ホスホネート化合物の週間投与量が、より高い電流および大きなパッチを用いて 得ることができた。表1は、イオン電気導入送達による投与における変動の低さ を強調している。 実施例3 イン・ビボ(in Vivo)炎症試験−方法 炎症試験は、種々のパッチおよび処方を伴った。いづれのケースにおいても、 パッチは動物の皮膚に適用する直前に薬物溶液が負荷された。動物の使用される 部位は、毛皮を取り除くために使用の直前に刈り込んだ。ウサギの実験では、パ ッチは接着性と伸縮性のある覆いで覆われ、パッチを適所に保持した。別の一定 電流電源が各イオン電気導入パッチシステムのために提供された。ウサギの実験 では、1または2つのパッチシステムが各個体に適用された。ブタでは、1個体 の背に10までの独立したパッチシステムが適用された。ウサギは、ステンレス スチール拘束器で拘束され、ブタは投与中イソフルランで麻酔された。投与後毎 日、ドレーズ視覚判定法(Visual scoring(Draize))を用いて、急性皮膚反応評 価された。 ブタの研究 一個体の麻酔された豚の背中に、10組のイオン電気導入パッチおよび3個の 受動パッチを用いて4時間にわたって投薬した。全ての活性面積は、2.5cm2 であった。要因は、ビスホスホネートAの濃度(0.08、0.16、および 0.32mg/ml)、電流(50または100μA)、およびpH(4.3ま たは6.8)を含んだ。0.08および0.16mg/mlで、紅斑および水腫 の評価は、多くて1であった。ビスホスホネートAの濃度が0.32mg/ml では、かさぶたの発生(紅斑=4)を、3/4操作で観察した。pHの効果は、 認識されなかった。 ウサギの研究 要因配置実験を、ビスホスホネートAの濃度(0.04、0.08、および0 .24mg/ml)、電流(100または400μA)、および時間(2または 4時間)の12通りの可能な組み合わせの要因設定に対して4回の反復試験実施 で採用した。pHは6.8で一定に保った。全ての活性面積は2.5cm2であ った。炎症は、ビスホスホネートAの濃度が増加するにつれ、および電流が高く なるにつれて増加した。しかし、時間の効果は認識されなかった。炎症レベルは 、全ての日々の平均評価が1より小さいという軽度から、紅斑および水腫の 日々の平均がそれぞれ2.5〜3および1.5である中程度まであった。かさぶ たも、より過酷な治療により生じる。 この送達データより、変化する操作条件で、ビスホスホネートAの経皮的なイ オン電気導入が、非常に効果的であるとわかる。送達の調節は、薬物の濃度、電 流およびイオン電気導入の持続時間を含む種々の要因によって可能である。ビス ホスホネートAの治療投与量は、低電流密度および低濃度のビスホスホネートA で、許容可能な活性パッチ領域に4時間挿入によって容易に与えられる。 炎症の研究によって、ウサギおよびブタにビスホスホネートAのイオン電気導 入の送達に関連する皮膚反応が、発生頻度および薬物濃度と電流密度の両方が過 酷になるほど増加することがわかった。これらの二つの要素は、薬物の流れ(μ g/cm2/h)および設定時間を決定するのに重要な役割をしており、投与量 密度(μg/cm2)を決定する。従って、炎症は、流れまたは投与量密度依存 性であるようだ。 一日一回、2.5μgの投与量ターゲットを、薬物濃度0.16mg/mlを 用いて、電流密度40μA/cm2でイオン電気導入治療を4時間にわたって2 .5cm2という狭い活性領域に送達する。8cm2という広い活性領域では、0 .16mg/mlを用いて同じ電流密度および持続時間で、投与量が、より小さ なパッチのときの3倍に近い7.5μgであり、そして、一週間に一回の7〜1 9μgの投与量ターゲット範囲内であると期待される。 これらの一週間に一回および一日一回の投与条件下でのウサギおよびブタに観 察された炎症は、軽度から中程度の症状であると考えられる。同じ条件で、ブタ における炎症は、ウサギにみられる炎症より軽度である。 この研究より、ビスホスホネートAの治療投与量が、経皮的のイオン電気導入 で容易に送達されることがわかった。低い電流密度および低い薬物濃度で、一週 間に一回の投与は、8cm2という広い領域の活性表面の皮膚パッチを用いて達 成可能となる。軽度または中程度の急性皮膚炎症は、これらの条件で、ウサギお よびブタのビスホスホネートAのイオン電気導入投与に関連している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,CA,JP (72)発明者 グリーン,フィリップ,ジー. アメリカ合衆国 07010 ニュージャージ ー州 クリフサイド パーク ウィンスト ン ドライブ 100 カーライル タワー ズ アパートメント 176

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.骨粗しょう症の開始または進展を防ぐためのイオン電気導入装置であって、 (a)電流分配器、 (b)イオン化された物質の受容器、この受容器はイオン化されたまたはイオ ン化可能な物質を含んでおり、電流分配器と電気的に接続しており、および上皮 面とイオン的に接続するようにしてあり、ここでイオン化されたまたはイオン化 可能な物質とはビスホスホネートであり、 (c)電解質受容器、この電解質受容器は電解質を含んでおり、普通の電極と 電気的に接続されており、および上皮面とイオン的に接続するように配置されて おり、ここで前記装置は延長された期間にわたって骨粗しょう症の開始または進 展を防ぐために有効であるビスホスホネートの量をデリバリーすることができ、 (d)電源、この電源は電流分配器および電解質受容器とともに配電接続器中 にある、 を含むことを特徴とするイオン電気導入装置。 2.有効量のビスホスホネートが、1週間に約1度から1年に約2度までの間隔 で、約4時間から約48時間の期間にわたってデリバリーされることを特徴とす る請求項1に記載の装置。 3.イオン電気導入により投与されるビスホスホネートが、 エチドロネート、クロドロネート、パミドロネート、アレンドロネート、(6− アミノ−1−ヒドロキシヘキシルインデン)ビス−ホスホネート、チルドロネー ト、リセドロネート、(3−(ヂメチルアミノ)−1−ヒドロキシプロピリデン )ビス−ホスホネート、(1−ヒドロキシ−3−(メチルペンチルアミノ)プロ ピリデン)ビス−ホスホネート(BM21.0955)、(1−ヒドロキシ−3 −(1−ピロリジニル)プロピリデン)ビス−ホスホネート(EB− 1053)、ゾレドロニックアッシド、オルパドロニックアッシド、インカドロ ニックアッシド、NE−10244、YH−529およびこれらの混合物、 からなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の装置。 4.イオン化された物質の受容器がさらにEDTAおよびクエン酸を含むことを 特徴とする請求項3に記載の装置。 5.患者の骨粗しょう症または代謝上の骨の病気の開始または進展を防ぐための 方法であって、患者に骨粗しょう症または他の骨の病気の開始または進展を防ぐ ために効果があるビスホスホネートの有効量をイオン電気導入により投与するこ とを含むことを特徴とする方法。 6.有効量のビスホスホネートが、1週間に約1度から1年に約2度の間隔で、 約4時間から約48時間の期間にわたってデリバリーされることを特徴とする請 求項5に記載の方法。 7.イオン電気導入により投与されるビスホスホネートが、エチドロネート、ク ロドロネート、パミドロネート、アレンドロネート、(6−アミノ−1−ヒドロ キシヘキシルインデン)ビス−ホスホネート、チルドロネート、リセドロネート 、(3−(ヂメチルアミノ)−1−ヒドロキシプロピリデン)ビス−ホスホネー ト、(1−ヒドロキシ−3−(メチルペンチルアミノ)プロピリデン)ビス−ホ スホネート(BM21.0955)、(1−ヒドロキシ−3−(1−ピロリジニ ル)プロピリデン)ビス−ホスホネート(EB−1053)、ゾレドロニックア ッシド、オルパドロニックアッシド、インカドロニックアッシド、NE−102 44、YH−529およびこれらの混合物、 からなる群から選択されることを特徴とする請求項6に記載の方法。 8.有効量のビスホスホネートが、さらにEDTAおよびクエン酸を含むことを 特徴とする請求項7に記載の方法。
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