【発明の詳細な説明】
安定な遊離ラジカル存在下での1,3-ジエンの制御されたラジカル重合による
テレケリックな1,3-ジエンオリゴマーの合成方法
本発明は、安定な遊離ラジカルの存在下で1,3-ジエンをラジカル重合すること
によってテレケリックな1,3-ジエンオリゴマーを合成する方法に関するものであ
る。
本発明はさらに、新規物質としてのテレケリックな1,3-ジエンオリゴマーと、
そのオリゴマーのジブロックまたはマルチブロック共重合体製造における使用に
関するものである。
「テレケリック(telechelic)な1,3-ジエンオリゴマー」という用語は一方の端
部(あるいは両端)に他の分子と反応可能な官能基を有するオリゴマーを意味す
る。そのような官能基の例としてはヒドロキシル基(-OH)、シアノ基(-CN)、
アミノ基(-NH2)およびカルボキシル基(-COOH)を挙げることができる。
そのようなオリゴマー合成の一般的な方法は、感熱性のラジカル重合開始剤、
例えば過酸化水素(H2O2)またはアゾジニトリル化合物を用いて重合を開始させ
て1,3-ジエンをラジカル重合を行うものである。官能価は開始剤(H2O2)によっ
て与えられるか、後の反応(アゾジニトリルによるニトリル基の-CN2NH2基
への還元)によって生じる。ジヒドロキシテレケリックな1,3-ブタジエンオリゴ
マーは、アルコール媒体中で過酸化水素を用いて開始させるブタジエンのラジカ
ル重合によって工業的に得ることができる(米国特許第3,392,118号、第3,427,3
66号)。
この方法で得られるオリゴマーは多分散度が高く、平均官能価が高い。従って
、このオリゴマーを配合したポリウレタン製品は過剰な水酸基の存在によって多
かれ少なかれ架橋した材料になる。
安定な遊離ラジカルは、ラジカル重合における最初の付加段階を研究するため
に広く使用されている化合物である。換言すれば、開始段階:
I-+M→ IM-
(ここで、Iは開始剤に由来するラジカル、Mはモノマー)
でラジカルIM-の生長を即座にブロックするものと理解される。
(メタ)アクリレートおよびスチレン(E.Rizzardo et al.,Aust.J.Chem.
,Vol.35,pp.2013-2024,1982)などのモノマーやビニルモノマー(G.Moad et al
.,Polymer Bulletin,Vol.6,pp.589-593,1982)を用いた研究例が多数の文献に
報告されている。
化合物の具体例としては2,2-ジフェニルピクリルヒドラジル(DPPH)、特に
ニトロキシドを挙げることができる。
ニトロキシドはラジカル重合において生長反応段階をより適切に制御して標準
的な停止反応を抑制するためにも使用されてきた。
一般に下記の機構が提案されている:
(ここで、Iは開始剤由来のラジカルであり、Mはモノマー、Tはニトロキシ
ドである)
活性化学種/トラップされた化学種の平衡によって重合時間を大幅に延すこと
ができる。この平衡はTの種類、溶媒および温度によって変るが、停止反応を制
限するためには活性化学種の濃度を低く抑えなければならない。
ニトロキシド存在下におけるラジカル重合は特にスチレン重合に関して広く研
究されている。
国際特許出願第WO94/11412号には安定な遊離ラジカルと重合開始剤としての
ベンゾイルパーオキシドとの存在下で行うスチレンのラジカル重合方法が記載さ
れている。この方法で得られるポリスチレンは狭い多分散度(1,1〜2)と高い分子
量(約100,000)を有する。
ラジカル重合に関する他の参考文献としてはニトロキシド存在下におけるモノ
マー、例えばポリオレフィン(米国特許第5,449,724号)およびアルキル(メタ
)アクリレート(米国特許第5,412,047号)のラジカル重合がある。
本発明者は、制御されたラジカル重合によるテレケリックな1,3-ジエンオリゴ
マーの合成方法が見い出した。この方法は過酸化水素水溶液やアゾジニトリルな
どの感熱性開始剤を用いて分散媒体中で少なくとも一種の1,3-ジエンをラジカル
重合するもので、本発明の特徴は安定な遊離ラジカルの存在下で行う点にある。
本発明で使用可能な1,3-ジエンの具体例としては1,3-ブタジエン、2,3-ジメチ
ル-1,3-ブタジエン、イソプレンおよび2-クロロ-1,3-ブタジエンを挙げることが
できる。本発明は特に1,3-ブタジエンのラジカル重合に関するものである。
本発明で重合開始剤として使用可能なアゾジニトリルの具体例としては以下の
ものを挙げることができる:
2,2'-アゾビスイソブチロニトリル
2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)
2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)
1,1'-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)
2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBN)を使用するのが好まし
い。
本発明で使用可能な安定な遊離ラジカルの具体例としては=N-O・基を含む安
定なニトロキシドラジカルを挙げることができる。安定なニトロキシドラジカル
は下記一般式で表される化合物の中から選択される:
(ここで、
R1、R2、R3、R4、R'1およびR'2は塩素、臭素などのハロゲン原子、直鎖
、分岐鎖または環状の炭素数1〜10の飽和または不飽和炭化水素基、例えばアル
キル基、シクロアルキル基またはフェニル基もしくはエステル基-COOR、ア
ルコキシ基-ORまたはホスフェート基-P(O)(OR)2を表し(Rは炭素数1〜3
の飽和脂肪族基)であり、互いに同一でも異なっていてもよく、
R5、R6、R7、R8、R9、およびR10はR1、R2、R3、R4、R'1およびR'
2と同じものを意味するか、水素原子、水酸基-OHまたは酸基、例えば-COO
H、-P(O)(OH)2または-SO3Hなどを表し、互いに同一でも異なっていても
よい。
このようなニトロキシドの例としては以下のものを挙げることができる:
2,2,5,5-テトラメチル-1-ピロリディニロキシ(PROXYL)、
2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジロキシ(TEMPOの名称で一般に市販)
N-ターシャルブチル-1-フェニル-2-メチルプロピルニトロキシド
N-ターシャルブチル-1-(2-ナフチル)-2-メチルプロピルニトロキシド、
N-ターシャルブチル-1-ジエチルホスホノ-2,2-ジメチルプロピルニトロキシ
ド、
N-ターシャルブチル-1-ジベンジルホスホノ-2,2-ジメチルプロピルニトロキ
シド
N-フェニル-1-ジエチルホスホノ-2,2-ジメチルプロピルニトロキシド、
N-フェニル-1-ジエチルホスホノ-1-メチルエチルニトロキシド、
N-1-(1-フェニル-2-メチルプロピル)ジエチルホスホノ-1-メチルエチルニト
ロキシド。
TEMPOを使用するのが好ましい。
本発明の好ましい態様では、開始剤と安定な遊離ラジカルとを溶媒中で混合し
た後、予めパージおよび脱気した反応媒体に1,3-ジエンを導入することによって
分散媒体中で重合する。
反応は5〜50bar、好ましくは10〜30barの圧力下で行う。
1,3-ジエン導入後、反応媒体を100℃〜150℃、好ましくは110℃〜135℃で少な
くとも1時間、好ましくは1時間30分〜6時間加熱する。
本発明で使用する開始剤のモル数は使用する1,3-ジエンに対して0.1%〜10%
、好ましくは0.2%〜4%にする。
本発明では、安定な遊離ラジカルの使用モル数は安定な遊離ラジカル/開始剤
のモル比が0.05〜5、好ましくは0.1〜2.5になるように選択する。
本発明で使用可能な溶媒の具体例としてはアルカン類、芳香族溶媒、例えばベ
ンゼンまたはトルエン、アルコール類、例えばエタノール、プロパノール、イソ
プロパノールまたはシクロヘキサノール、ケトン類、例えばアセトンまたはメチ
ルエチルケトン、エーテル類、例えばジオキサン、グリコールおよびグリコール
エーテル類、例えばエチレングリコールジメチルエーテル(グリム)、上記化合
物の少なくとも2種類の混合物を挙げることができる。
開始剤が過酸化水素(通常は水溶液)の場合はイソプロパノールなどのアルコ
ールまたはメチルエチルケトンなどのケトンを溶媒として用いるのが好ましい。
開始剤がアゾジニトリルの場合はベンゼンまたはトルエンなどの芳香族溶媒を
使用するのが好ましい。
重合条件、特に重合時間、温度および反応物の量(特に開始剤と安定な遊離ラ
ジカルの量)に応じて種々の数平均分子量および変換率を得ることができる。
すなわち、重合時間を一定にした場合、開始剤のモル濃度および安定な遊離ラ
ジカルのモル濃度が一定の場合、数平均分子量および収量は温度の上昇とともに
増加する。
本発明で得られるテレケリックな1,3-ジエンオリゴマーは下記一般式(I)で表
される:
(ここで、
xは1〜2、nは1〜500であり、
Iは、開始剤がH2O2の場合には水酸基-OHを表し、開始剤がアゾジニトリ
ルの場合にはニトリル基-CNを含む一価の有機残基を表す。従って、開始剤が
AIBNの場合、IはNC-C(CH3)2-である。
Mは2価の1,3-ジエン残基を表す。
従って、ブタジエンの場合、1,3-ジエンが1,4-または1,2-重合されるので、1,
4-重
合の場合にはシス及びトランス構造が生じる:
トランス構造
シス構造:
1,2-重合の場合にはビニル型側基の二重結合が生成することになる:
これら3種類の構造がランダムに分散し、ビニル型二重結合のモル比は20%付
近である。
従って、ブタジエンを用いた場合、オリゴマーの一般式(I)は下記で表される
:
本発明方法では数平均分子量が30,000を超えない、好ましくは500〜10,000で
あるテレケリックな1,3-ジエンオリゴマーを合成することができる。多分散度(
重量平均分子量/数平均分子量)は2以下、好ましくは1.1〜1.9である。
この多分散度は、他の全ての条件を同じにした場合、安定な遊離ラジカルを用
いずに得られる値よりも小さい。
本発明では(I)の構造を有するテレケリックな1,3-ジエンオリゴマーは亜鉛/
酢酸システムによって還元することができる。これはアルコキシアミンR-O-N
<の還元に用いられる標準的な方法であり、これによって下記一般式(II)で表さ
れるテレケリックな二価の1,3-ジエンオリゴマーがほぼ定量的に得られる:
生成したアミンH-N<はニトロキシドへと再酸化し,安定な遊離ラジカルと
して再利用することができる。
しかし、この方法にはいくつかの欠点がある。特にアセトリシスの危険がある
。さらに、この方法にはコストの高い操作すなわちニトロキシドの生成反応が含
まれる。
本発明者は、一般式(I)で表されるテレケリックな1,3-ジエンオリゴマーを熱
処できるということを見い出した。式(I)で表されるオリゴマーをそのままの状
態または不活性溶媒を用いた溶液状態で減圧下で4〜24時間、少なくとも150℃、
好ましくは160℃〜180℃の温度に加熱することによって、純度80%以上のニトロ
キシドが定量的に出され、下記式で表されるテレケリックな1,3-ジエンオリゴマ
ーが得られる:
I-Mm-X (III)
(ここで、Iは開始剤の残基、例えば開始剤が過酸化水素の場合には-OHを
表し、Xは開始剤またはビスミューテーション反応の残基を表し、mは新しい数
平均重合度を表し、この値は1〜1000である)
式(III)で表されるオリゴマーは一般にアルコキシアミンの還元によって得ら
れる式(II)のオリゴマーよりも高い数平均分子量を有し、式(II)のオリゴマーよ
りも高い多分散度を有する。
従って、溶媒を用いずに熱処理を行うか、熱処理を溶媒中で行った場合には選
択溶媒を用いた抽出を行うことによって、ニトロキシドを昇華または蒸留によっ
て容易に回収することができる。
式(I)で表されるテレケリックな1,3-ジエンオリゴマーはジブロック共重合体
またはマルチブロック共重合体の合成で使用することができ、有利である。
安定な遊離ラジカルの存在下で1,3-ジエンのラジカル重合を行うと、末端にア
ルコキシアミンを有するブロックが得られる。これはマクロ開始剤として振る舞
う。
式(I)で表されるブロックは重合可能なモノマーB、例えばスチレン、α-メ
チルスチレン、パラ-クロロメチルスチレン、ビニルトルエンまたは別の1,3-ジ
エンと混合することができ、このモノマーの重合は式(I)で表されるオリゴマー
の存在下で行うことができ、下記式で表されるブロック共重合体が得られる:
(ここで、開始剤がH2O2の場合、Iは-OHである)
アルコキシアミンの還元をZn/酢酸の組み合わせを用いて行うと、下記式で
表されるテレケリックなジブロック共重合体MBが得られる:
このブロック共重合体は、式(I)のオリゴマーを重合可能なモノマーBと一諸
に好ましくは不活性雰囲気下で少なくとも100℃、好ましくは110℃〜150℃の温
度に加熱することによってバルクの状態で合成することができる。
この操作は大気圧下または加圧で行うことができる。
重合パラメータ、例えば式(I)で表されるオリゴマーブロックの濃度、温度お
よび重合時間によってブロックBの長さおよび重合度pを調節することができる
。
以下、本発明を実施例を説明する。
多分散度指数Ipはゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で求めた重量平均分
子量と数平均分子量との比率(重量平均分子量/数平均分子量)である。標準品
はポリブタジエン均等物としてポリスチレンを使用した。
水酸基指数IOH(meq/g)はピリジン媒体中で無水酢酸を用いたアセチル化を行
って決定した。
(NMR)で行った。
プロトン周波数は250MHzである。
溶媒としてCDCl3を使用した。実施例1
撹拌装置、導入管、熱交換液が循環するジャケットおよび温度・圧力の測定器
具を備えた300ml容のステンレス反応器に下記(a)および(b)を導入する:
(a) 30%過酸化水素水溶液9.07g、すなわち100%のH2O2を0.08モル
(b) 2,2,6,6-テトラメチルピペリジロキシ(以下、TEMPO)1.88g(0.012
モル)と、イソプロパノール33.7g(0.56モル)
反応器を閉じ、15分間窒素パージする。その後、反応器に-40℃で54g(すなわ
ち1モル)のブタジエンを導入する。反応媒体を130℃に加熱し、4時間この温度
に保つ。この間圧力は26barから19barに変る。反応媒体を室温に冷却し、その後
、脱気する。24時間沈降させて未精製の反応混合物を分離する。濃いの有機層を
回収し、ロータリーエバポレーターを用いて40℃で溶媒を留去した後、0.01bar
の圧力下、約25℃で、27gの2,2,6,6-テトラメチルピペリジロキシヒドロキシテ
レケリックな1,3-ブタジエンオリゴマーが得られる。この生成物は下記物理化学
的特性を有する:
数平均分子量(GPC) =1700
Ip=1.7
*1HNMR
δ=1.15ppm(二重線) TEMPOのCH3基の12H
δ=3.55〜4.32ppm(多重線) -CH 2O-
δ=4.8〜5.1ppm(多重線) -CH=CH 2
δ=5.25〜5.7ppm(分解されない多重線)-CH=CH-(シスおよびトランス)
と-CH=CH2
オリゴマーには下記一般式が割り当てられる:
(ここで、n=30である)
IOH=0.61meq/gであり、これはGPCで得られた数平均分子量をもとに計算さ
れる水酸基にして平均官能価1.03に相当する。実施例2
温度計、凝縮器および撹拌機を有する100ml容の三つ首フラスコに20mlの酢酸
を入れ、実施例1で得られた2,2,6,6-テトラメチルピペリジロキシヒドロキシテ
レケリックな1,3-ブタジエンオリゴマー5gを導入する。
混合物を80℃に加熱し、亜鉛粉末1gを1回で導入する。2時間反応後、反応
媒体を濾過する。濾液を減圧下で重量一定となるまで濃縮する。残留物をヘキサ
ンに溶解し、続いて10%塩酸を用いて抽出する。サルフェートを用いて有機層を
乾燥した後、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、40℃で溶媒を蒸発させ
る。
4.8gのジヒドロキシテレケリックな1.3-ブタジエンオリゴマーを得る。
プロトンNMR分析の結果、ピペリジル環の消失が示される。オリゴマーには
下記一般式が割り当てられる:
(ここで、n=30である)
IOH=1.18meq/g
数平均分子量(GPC)=1700
Ip=1.7
数平均分子量(GPC)から算出されたOH基に関する平均官能価は2である。実施例3
(比較例)
TEMPOなしで実施例1と同様に操作を行う。
実施例1の反応器に下記(a)および(b)を導入する:
(a) 30%過酸化水素水溶液9.07gすなわち100%のH2O2を0.08モル
(b) イソプロパノール33.7g(0.56モル)
反応器を閉じ、15分間窒素パージを行う。
その後、-40℃で54g(1モル)のブタジエンを反応器に導入する。
反応媒体を130℃に加熱し、1時間30分この温度に保つ。この間圧力は26barか
ら16barに変化する。反応媒体を室温に冷却た後、脱気する。24時間沈降させた
後、未精製の反応混合物を分離する。濃い高い有機層を回収し、ロータリーエバ
ポレーターを用いて減圧下40℃で溶媒を留去した後、0.01barの圧力下、約25℃
で35gのジロキシヒドロキシテレケリックな1,3-ブタジエンオリゴマーが得られ
る。この生成物は下記物理化学的特性を有する:
数平均分子量(GPC)=2800
Ip=2.8
*1HNMR
δ=3.55〜4.2ppm(多重線) -CH2O-
δ=4.8〜5.1ppm(多重線) -CH=CH 2
δ=5.25〜5.7ppm(分解されない多重線)-CH=CH-(シスおよびトランス)
と、-CH=CH2
オリゴマーには下記一般式が割り当てられる:
(ここで、n=52である)
IOH=0.84meq/g
数平均分子量(GPC)から算出されたOH基に関する平均官能価は2.35である
。実施例4
本発明によるTEMPOの回収
実施例1に従って合成された同じの物理化学的特性を有する2,2,6,6-テトラメ
チ
ルピペリジロキシヒドロキシテレケリックな1,3-ブタジエンオリゴマー250gを、
5mbarの減圧下、165℃で、薄層エバポレーターを用いて5時間処理する。
ほぼ定量的に回収された生成物は下記物理化学的特性を有する:
数平均分子量(GPC) =2200
Ip=3.4
IOH=0.59
1HNMR分析の結果、ピペリジル環の完仝な消失が示唆される。
数平均分子量(GPC)から算出されたOH基に関する平均官能価は1.29である
。
TEMPOはエバポレーター頭部で全量が回収され、クロマシル(Kromasil)
C18カラムを用いた液体クロマトグロフィーで求めた純度は80%である。実施例5
実施例1で用いた反応器に下記(a)〜(c)を導入する:
(a)アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBN)1.64g(0.01モル)
(b)TEMPO2.93g(0.019モル)
(c)ベンゼン43.7g(0.56モル)
反応器を閉じ、15分間窒素パージを行う。その後、反応器に-40℃で54g(1モ
ル)のブタジエンを導入する。反応媒体を130℃に加熱し、4時間この温度に保つ
。この間、圧力は27barで一定である。反応媒体を室温に冷却した後脱気する。
未精製の反応混合物をロータリーエバポレーターを用いて減圧下40℃で溶媒を留
去し、その後、0.01barの減圧下、約25℃で13.5gの2,2,6,6-テトラメチルピペリ
ジロキシテレケリックな1,3-ブタジエンオリゴマーが得られる。この生成物は下
記物理化学的特性を有する:
数平均分子量(GPC)=850
Ip=1.3
*1HNMR
δ=1.15ppm(二重線) TEMPOのCH3基の12H
δ=1.30ppm(多重線) AIBNのCH3基の6H
δ=4.8〜5.1ppm(多重線) -CH=CH 2
δ=5.25〜5.7ppm(分解されない多重線) -CH=CH-(シスおよびトランス
)と-CH=CH2
δ=4.20〜4.30ppm(分解されない多重線) アミノキシル末端
オリゴマーには下記一般式が割り当てられる:
(ここで、n=10である)実施例6
実施例2の操作条件に従て、酢酸媒体中で亜鉛を用いて実施例5の生成物を還
元する。シアノヒドロキシテレケリックな1,3-ブタジエンオリゴマーを得る。プ
ロトンNMR分析の結果、ピペリジル環の消失が示唆される。オリゴマーには下
記一般式が割り当てられる:
実施例7(比較例)
TEMPOを使用せずに実施例5と同様の操作を行う。
反応器に下記(a)および(b)を導入する:
(a)AIBN1.64g(0.01モル)
(b)ベンゼン43.7g
反応器を閉鎖し、15分間窒素パージを行う。その後、反応器に-40℃で54g(1
モル)のブタジエンを導入する。反応媒体を130℃に加熱し、1時間30分この温度
に保つ。この間圧力は27barで一定である。反応媒体を室温に冷却した後脱気す
る。未精製の反応混合物をロータリーエバポレーターを用いて減圧下40℃で溶媒
を留
去し、その後、0.01barの減圧下に約25℃で行う。15gのジシアノテレケリックな
1,3-ブタジエンオリゴマーが得られ、この生成物は下記物理化学的特性を有する
:
数平均分子量(GPC)=1000
Ip=2.3
*1HNMR
δ=1.30ppm(多重線) AIBNのCH3基の12H
δ=4.8〜5.1ppm(多重線) -CH=CH 2
δ=5.25〜5.7ppm(分解されない多重線) -CH=CH-(シスおよびトランス
)と-CH=CH2
オリゴマーには下記一般式が割り当てられる:
(ここで、n=18である)実施例8および9
実施例1と同様に(同量の反応物を使用)操作するが、操作条件を変えた。
条件と得られた結果とを表1に示す。
実施例10
実施例1で得られた2.2.6.6-テトラメチルピペリジロキシヒ
ドロキシテレケリックな1,3-ブタジエンオリゴマーの、ブ
タジエン/スチレンジブロック共重合体合成への利用
凝縮器、撹拌装置および窒素入口を備えた100ml容の三つ首フラスコに、実施
例1で得られたオリゴマーを10g導入し、続いてスチレン30gを導入する。
系を窒素でパージする。反応媒体を130℃に加熱し、その後、7時間30分この温
度に保つ。冷却後、反応媒体を500mlのメタノール中に注ぐ。沈殿物を洗浄した
後乾燥させる。17.5gの生成物が得られる。生成物は下記物理化学的特性を有す
る:
数平均分子量(GPC)= 4000
Ip=1.7
開始オリゴマーは完全に消失した(GPC分折)。
*1HNMR
1HNMR分析で、6.9ppm(スチレンの芳香族環のプロトン)のピークと5.4pp
mおよび5ppm(ポリブタジエンブロックのエチレン性プロトン)のピークからブ
タジエンとスチレンとの正確な割合が計算される。
モルおよび重量パーセンテージは以下のとおり:
ブタジエンのモル%:31.5%
ブタジエンの重量%:19.3%
すなわち、下記ブロック共重合体の組成である:
ポリブタジエンブロックの数平均分子量:1700
ポリスチレンブロックの数平均分子量:7100
このブロック共重合体は下記式で表すことができる:
実施例2および4で得られたジヒドロキシテレケリックな
1.3- ブタジエンオリゴマーを用いて得られるポリウレタンの
機械特性に関する評価
下記原料からポリウレタンを調製した:
(a) PB2:実施例2のジヒドロキシテレケリックな1,3-ブタジエンオリゴマ
ー
(b) PB4:実施例4のジヒドロキシテレケリックな1,3-ブタジエンオリゴマー
(c) ポリビドR45HT(Poly Bd(登録商標)R45HT)およびポリビドR20
TLM(Poly Bd(登録商標)R20TLM):エルフアトケム社(Elf Atochem
S.A.)より市販のジヒドロキシテレケリックな1,3-ブタジエンオリゴマー)
-NCO基/-OH基のモル比を1.05にし、これら4種類のオリゴマーをメチレ
ンジイソシアネート(以下、MDI)と重縮合する。
各種開始オリゴマーおよび各試験で用いたMDIの量を表2に示す。表で、
MnはGPCによって測定した数平均分子量であり、
Ipは重量平均分子量/数平均分子量であり、
IOHはアセチル化によって決定される水酸基指数(meq/g)であり、
MDIの重量(g)は使用したオリゴマー50gについて算出した。
ポリウレタンの合成
撹拌機と熱電対と真空管路とを備えたガラス製反応器に50gのジヒドロキシテ
レケリックな1,3-ジエンオリゴマーを導入する。10mbarの減圧下、80℃で1時間
オリゴマーを脱気した後、50℃にする。次いで、表2に記載のMDIの必要量を
1回で添加する。MDIは約50℃に予熱し、重量測定に用いる容器も同様に加熱
する(MDIの融点は約45℃である)。減圧下で4〜5分間反応媒体を撹拌し、気
泡を含まない均質な混合物を得る。
反応器を放圧し、予め離型剤を塗布した100×100×2mmのステンレス鋼鋳型に
混合物を注ぐ。
生成物を24時間室温に放置した後、換気された80℃のオーブンで24時間処理し
、続いて室温で48時間処理する。その後、サンプルパンチを用いて標準化ダンベ
ルを切り出し、各サンプルについてISO規格527:1993タイプ1BA(1kN測定
セルおよび牽引速度5mm/min)で破断点伸びε(%)および破断歪σ(MPa)を測
定した。
得られた結果を表3にまとめて示す。
表3には不溶物質(insoluble material)CIの含有率(%)も示す。不溶物質
の含有率は下記方法で得た:
上記の方法で合成した板から約1gのポリウレタンを取り、重量を測定してか
ら100mlのDMFと一諸に丸底フラスコに導入する。混合物を24時間還流させる
。得られた溶液を濾過し、溶解しなかったポリウレタン画分を80℃の減圧オーブ
ン内で6時間処理する。その後、乾燥した不溶性残留物の重量を測定し、初めに
導入したポリウレタン重量で割って不溶性物質の含有率を決定する。
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
By controlled radical polymerization of 1,3-dienes in the presence of stable free radicals
Synthetic method of telechelic 1,3-diene oligomer
The present invention relates to radical polymerization of 1,3-diene in the presence of a stable free radical.
The synthesis of telechelic 1,3-diene oligomers by
You.
The present invention further provides a telechelic 1,3-diene oligomer as a novel substance,
Use of the oligomer in the production of diblock or multiblock copolymers
It is about.
The term "telechelic 1,3-diene oligomer" has one end
Oligomer that has a functional group capable of reacting with other molecules at the part (or both ends)
You. Examples of such functional groups are hydroxyl (-OH), cyano (-CN),
Amino group (-NHTwo) And a carboxyl group (—COOH).
Common methods for such oligomer synthesis include thermosensitive radical polymerization initiators,
For example, hydrogen peroxide (HTwoOTwo) Or polymerization using an azodinitrile compound
To perform radical polymerization of 1,3-diene. The functionality depends on the initiator (HTwoOTwoBy)
Or the subsequent reaction (-CN of the nitrile group with azodinitrileTwoNHTwoBase
To reduction). Dihydroxy telechelic 1,3-butadiene oligo
Is a radioactive butadiene radiopolymer initiated with hydrogen peroxide in an alcoholic medium.
Can be obtained industrially by polymerization (US Pat. Nos. 3,392,118 and 3,427,3).
No. 66).
The oligomer obtained by this method has a high polydispersity and a high average functionality. Therefore
However, polyurethane products containing this oligomer are often susceptible to excessive hydroxyl groups.
It becomes a more or less cross-linked material.
Stable free radicals are used to study the first addition step in radical polymerization
It is a compound widely used in In other words, the starting phase:
I-+ M → IM-
(Where I is a radical derived from the initiator, M is a monomer)
Radical IM-It is understood that it will immediately block the growth of the plant.
(Meth) acrylate and styrene (E. Rizzardo et al., Aust. J. Chem.
, Vol. 35, pp. 2013-2024, 1982) and vinyl monomers (G. Moad et al.).
, Polymer Bulletin, Vol. 6, pp. 589-593, 1982).
It has been reported.
Specific examples of the compound include 2,2-diphenylpicrylhydrazyl (DPPH), particularly
Nitroxides can be mentioned.
Nitroxide is the standard for better control of the growth reaction step in radical polymerization
It has also been used to suppress a typical termination reaction.
In general, the following mechanisms have been proposed:
(Where I is a radical derived from the initiator, M is a monomer, T is nitroxy
Is)
Significantly extend polymerization time by active / trapped species equilibrium
Can be. This equilibrium depends on the type of T, solvent and temperature, but it controls the termination reaction.
To limit this, the concentration of the active species must be kept low.
Radical polymerization in the presence of nitroxides is widely studied, especially for styrene polymerization.
Is being studied.
International Patent Application No. WO 94/11412 discloses that stable free radicals and
A method for radical polymerization of styrene in the presence of benzoyl peroxide is described.
Have been. Polystyrene obtained by this method has narrow polydispersity (1, 1-2) and high molecular weight.
Quantity (about 100,000).
Another reference on radical polymerization is monolith in the presence of nitroxide.
Polymers such as polyolefins (US Pat. No. 5,449,724) and alkyl (meth
) There is radical polymerization of acrylates (US Patent No. 5,412,047).
The present inventors have developed a telechelic 1,3-diene oligo by controlled radical polymerization.
A method for synthesizing a mer has been found. This method can be used with aqueous hydrogen peroxide or azodinitrile.
Which thermosensitive initiator radically disperses at least one 1,3-diene in a dispersion medium
The present invention is characterized in that the polymerization is performed in the presence of a stable free radical.
Specific examples of 1,3-diene that can be used in the present invention include 1,3-butadiene and 2,3-dimethyi.
1,3-butadiene, isoprene and 2-chloro-1,3-butadiene
it can. The invention particularly relates to the radical polymerization of 1,3-butadiene.
Specific examples of azodinitrile that can be used as a polymerization initiator in the present invention are as follows:
The following can be mentioned:
2,2'-azobisisobutyronitrile
2,2'-azobis (2-methylbutyronitrile)
2,2'-azobis (2,4-dimethylvaleronitrile)
1,1'-azobis (1-cyclohexanecarbonitrile)
It is preferable to use 2,2'-azobisisobutyronitrile (hereinafter, AIBN)
No.
A specific example of a stable free radical that can be used in the present invention is = N-O・Base containing
Specific nitroxide radicals can be mentioned. Stable nitroxide radical
Is selected from the compounds represented by the general formula:
(here,
R1, R2, R3, R4, R'1 and R'2 each represent a halogen atom such as chlorine or bromine;
A branched or cyclic saturated or unsaturated hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, such as
A kill group, a cycloalkyl group or a phenyl group or an ester group -COOR,
Lucoxy group -OR or phosphate group -P (O) (OR)Two(R represents 1 to 3 carbon atoms)
A saturated aliphatic group), which may be the same or different from each other,
R5, R6, R7, R8, R9 and R10 are R1, R2, R3, R4, R'1 and R '
Means the same as 2 or a hydrogen atom, a hydroxyl group -OH or an acid group such as -COO
H, -P (O) (OH)TwoOr -SOThreeH, etc., even if they are the same or different
Good.
Examples of such nitroxides include:
2,2,5,5-tetramethyl-1-pyrrolidinyloxy (PROXYL),
2,2,6,6-tetramethyl-1-piperidyloxy (commercially available under the name TEMPO)
N-tert-butyl-1-phenyl-2-methylpropyl nitroxide
N-tert-butyl-1- (2-naphthyl) -2-methylpropyl nitroxide,
N-tert-butyl-1-diethylphosphono-2,2-dimethylpropyl nitroxy
Do
N-tert-butyl-1-dibenzylphosphono-2,2-dimethylpropyl nitroxy
Sid
N-phenyl-1-diethylphosphono-2,2-dimethylpropyl nitroxide,
N-phenyl-1-diethylphosphono-1-methylethyl nitroxide,
N-1- (1-phenyl-2-methylpropyl) diethylphosphono-1-methylethylnit
Roxide.
Preferably, TEMPO is used.
In a preferred embodiment of the present invention, the initiator and the stable free radical are mixed in a solvent.
By introducing 1,3-diene into the previously purged and degassed reaction medium.
Polymerizes in the dispersion medium.
The reaction is carried out under a pressure of 5 to 50 bar, preferably 10 to 30 bar.
After the introduction of the 1,3-diene, the reaction medium is kept at 100 ° C. to 150 ° C., preferably at 110 ° C. to 135 ° C.
Heat for at least 1 hour, preferably 1 hour 30 minutes to 6 hours.
The number of moles of the initiator used in the present invention is 0.1% to 10% based on 1,3-diene used.
, Preferably between 0.2% and 4%.
In the present invention, the number of moles of the stable free radical used is the stable free radical / initiator
Are selected such that the molar ratio of is between 0.05 and 5, preferably between 0.1 and 2.5.
Specific examples of solvents that can be used in the present invention include alkanes, aromatic solvents such as
Benzene or toluene, alcohols such as ethanol, propanol, iso-
Propanol or cyclohexanol, ketones such as acetone or methyl
Ethyl ketone, ethers such as dioxane, glycol and glycol
Ethers such as ethylene glycol dimethyl ether (glyme);
At least two types of mixtures can be mentioned.
If the initiator is hydrogen peroxide (usually an aqueous solution), an alcohol such as isopropanol
It is preferred to use ketones such as methyl or methyl ethyl ketone as the solvent.
If the initiator is azodinitrile, use an aromatic solvent such as benzene or toluene.
It is preferred to use.
Polymerization conditions, especially polymerization time, temperature and amount of reactants (particularly initiator and stable free radicals)
Depending on the amount of dical), various number average molecular weights and conversions can be obtained.
That is, when the polymerization time is fixed, the molar concentration of the initiator and the stable free
For a given molar concentration of dikar, the number average molecular weight and yield increase with increasing temperature.
To increase.
The telechelic 1,3-diene oligomer obtained in the present invention is represented by the following general formula (I).
Will be:
(here,
x is 1-2, n is 1-500,
I means that the initiator is HTwoOTwoRepresents hydroxyl group -OH, and the initiator is azodinitrile
In the case of R, it represents a monovalent organic residue containing a nitrile group —CN. Therefore, if the initiator
In the case of AIBN, I is NC-C (CHThree)Two-Yes.
M represents a divalent 1,3-diene residue.
Therefore, in the case of butadiene, 1,3-diene is polymerized in 1,4- or 1,2-
4-heavy
In such cases, the cis and trans structures result:
Transformer structure
Cis structure:
In the case of 1,2-polymerization, a double bond of a vinyl-type side group will be formed:
These three types of structures are randomly dispersed, and the molar ratio of vinyl double bonds is 20%
Is close.
Therefore, when butadiene is used, the general formula (I) of the oligomer is represented by the following:
:
In the method of the present invention, the number average molecular weight does not exceed 30,000, preferably 500 to 10,000.
Certain telechelic 1,3-diene oligomers can be synthesized. Polydispersity (
(Weight average molecular weight / number average molecular weight) is 2 or less, preferably 1.1 to 1.9.
This polydispersity, under all other conditions, uses stable free radicals.
It is smaller than the value obtained without any means.
In the present invention, the telechelic 1,3-diene oligomer having the structure (I) is zinc /
It can be reduced by an acetic acid system. This is an alkoxyamine R-O-N
<Is a standard method used for the reduction of the compound represented by the following general formula (II).
The resulting telechelic divalent 1,3-diene oligomer can be obtained almost quantitatively:
The generated amine HN <is reoxidized to nitroxide, and a stable free radical is generated.
And can be reused.
However, this method has several disadvantages. Especially risk of acetolysis
. In addition, this method involves a costly operation, namely the nitroxide formation reaction.
I will.
The present inventor has reported that the telechelic 1,3-diene oligomer represented by the general formula (I)
Found that it can be treated. The oligomer represented by the formula (I)
4 to 24 hours under reduced pressure in a solution state using an inert solvent or an inert solvent, at least 150 ° C.,
Nitrogen having a purity of 80% or more is preferably heated to a temperature of 160 ° C to 180 ° C.
Oxide is produced quantitatively and telechelic 1,3-diene oligomer represented by the following formula
You get:
IMm-X (III)
(Where I is the residue of the initiator, eg -OH when the initiator is hydrogen peroxide
Where X represents the initiator or the residue of the bismutation reaction and m is the new number
Represents the average degree of polymerization, this value is from 1 to 1000)
Oligomers of formula (III) are generally obtained by reduction of an alkoxyamine.
Having a higher number average molecular weight than the oligomer of formula (II)
High polydispersity.
Therefore, heat treatment is performed without using a solvent, or when heat treatment is performed in a solvent, selection is made.
The extraction with a selective solvent allows the nitroxide to be sublimated or distilled.
And can be easily collected.
The telechelic 1,3-diene oligomer represented by the formula (I) is a diblock copolymer
Alternatively, it can be advantageously used in the synthesis of a multi-block copolymer.
When radical polymerization of 1,3-diene is carried out in the presence of stable free radicals,
A block with lucoxyamine is obtained. This acts as a macroinitiator
U.
The block represented by the formula (I) is a polymerizable monomer B, for example, styrene, α-meth
Styrene, para-chloromethylstyrene, vinyltoluene or another 1,3-diamine
And the polymerization of this monomer can be carried out with an oligomer of formula (I)
To give a block copolymer of the formula:
(Where the initiator is HTwoOTwoWhere I is -OH)
When the reduction of the alkoxyamine is performed using a Zn / acetic acid combination, the following formula is obtained.
The telechelic diblock copolymer MB represented is obtained:
This block copolymer comprises one kind of monomer B capable of polymerizing the oligomer of the formula (I).
Preferably at a temperature of at least 100 ° C, preferably 110 ° C to 150 ° C under an inert atmosphere.
By heating each time, it can be synthesized in a bulk state.
This operation can be performed under atmospheric pressure or under pressure.
Polymerization parameters such as the concentration of the oligomer block of formula (I), temperature and
The length of the block B and the degree of polymerization p can be adjusted by the polymerization time and the polymerization time.
.
Hereinafter, examples of the present invention will be described.
Polydispersity indexIp is the weight average content determined by gel permeation chromatography (GPC).
It is the ratio between the molecular weight and the number average molecular weight (weight average molecular weight / number average molecular weight). Standard goods
Used polystyrene as the polybutadiene equivalent.
Hydroxyl indexIOH(meq / g) was acetylated using acetic anhydride in pyridine medium.
Was decided.
(NMR).
The proton frequency is 250 MHz.
CDCl as solventThreeIt was used.Example 1
Stirrer, inlet tube, jacket for circulating heat exchange liquid, and temperature / pressure measuring instrument
Introduce the following (a) and (b) into a 300 ml stainless steel reactor equipped with:
(a) 9.07 g of a 30% aqueous hydrogen peroxide solution, that is, 100% HTwoOTwo0.08 mol
(b) 2,88,6-tetramethylpiperidyloxy (hereinafter referred to as TEMPO) 1.88 g (0.012
Mol) and 33.7 g (0.56 mol) of isopropanol
Close the reactor and purge with nitrogen for 15 minutes. Thereafter, 54 g of the reactor was
(1 mol) of butadiene. The reaction medium is heated to 130 ° C and kept at this temperature for 4 hours.
To keep. During this time the pressure changes from 26 bar to 19 bar. Cool the reaction medium to room temperature, then
Degas. Separate the crude reaction mixture by settling for 24 hours. A dark organic layer
After collecting and distilling off the solvent at 40 ° C. using a rotary evaporator, 0.01 bar
27 g of 2,2,6,6-tetramethylpiperidyloxyhydroxy
A rechelic 1,3-butadiene oligomer is obtained. This product has the following physical chemistry
Has characteristic properties:
Number average molecular weight (GPC) = 1700
Ip = 1.7
* 1HNMR
δ = 1.15ppm (double line) TEMPO CHThreeBase 12H
δ = 3.55-4.32ppm (multiple line) -CH TwoO-
δ = 4.8-5.1ppm (multiple line) -CH = CH Two
δ = 5.25 to 5.7 ppm (multiple lines not resolved) -CH= CH-(Cis and trans)
And -CH= CHTwo
Oligomers are assigned the following general formula:
(Where n = 30)
IOH= 0.61 meq / g, which is calculated based on the number average molecular weight obtained by GPC.
This corresponds to an average functionality of 1.03.Example 2
20 ml of acetic acid in a 100 ml three-necked flask with thermometer, condenser and stirrer
And the 2,2,6,6-tetramethylpiperidyloxyhydroxyte obtained in Example 1
5 g of rechelic 1,3-butadiene oligomer are introduced.
The mixture is heated to 80 ° C. and 1 g of zinc powder is introduced in one portion. After 2 hours reaction
Filter the medium. The filtrate is concentrated under reduced pressure until constant weight. Hex residue
And then extracted with 10% hydrochloric acid. Organic layer using sulfate
After drying, the solvent was evaporated at 40 ° C. under reduced pressure using a rotary evaporator.
You.
4.8 g of dihydroxy telechelic 1.3-butadiene oligomer are obtained.
Proton NMR analysis shows disappearance of the piperidyl ring. Oligomers
The following general formula is assigned:
(Where n = 30)
IOH= 1.18meq / g
Number average molecular weight (GPC) = 1700
Ip = 1.7
The average functionality for the OH groups calculated from the number average molecular weight (GPC) is 2.Example 3
(Comparative example)
The same operation as in Example 1 is performed without TEMPO.
The following (a) and (b) are introduced into the reactor of Example 1:
(a) 9.07 g of a 30% hydrogen peroxide aqueous solution, that is, 100% HTwoOTwo0.08 mol
(b) 33.7 g (0.56 mol) of isopropanol
Close the reactor and purge with nitrogen for 15 minutes.
Thereafter, at -40 ° C., 54 g (1 mol) of butadiene are introduced into the reactor.
The reaction medium is heated to 130 ° C. and kept at this temperature for 1 hour 30 minutes. During this time the pressure is 26bar
Change to 16bar. After cooling the reaction medium to room temperature, it is degassed. Settled for 24 hours
Thereafter, the crude reaction mixture is separated. Collect the high organic layer,
After distilling off the solvent at 40 ° C under reduced pressure using a porator, under a pressure of 0.01 bar, about 25 ° C
Yields 35 g of a dioxyhydroxy telechelic 1,3-butadiene oligomer.
You. This product has the following physicochemical properties:
Number average molecular weight (GPC) = 2800
Ip = 2.8
*1HNMR
δ = 3.55-4.2ppm (multiple line) -CHTwoO-
δ = 4.8-5.1ppm (multiple line) -CH = CH Two
δ = 5.25 to 5.7 ppm (multiple lines not resolved) -CH= CH-(Cis and trans)
And -CH = CHTwo
Oligomers are assigned the following general formula:
(Where n = 52)
IOH= 0.84meq / g
The average functionality for the OH groups calculated from the number average molecular weight (GPC) is 2.35
.Example 4
Recovery of TEMPO according to the present invention
2,2,6,6-tetrame having the same physicochemical properties synthesized according to Example 1
H
250 g of 1,3-butadiene oligomer of lupiperidyloxyhydroxy telechelic,
Treat at 165 ° C. under a reduced pressure of 5 mbar using a thin-layer evaporator for 5 hours.
The almost quantitatively recovered product has the following physicochemical properties:
Number average molecular weight (GPC) = 2200
Ip = 3.4
IOH= 0.59
1HNMR analysis indicates complete disappearance of the piperidyl ring.
The average functionality for the OH groups calculated from the number average molecular weight (GPC) is 1.29
.
The entire amount of TEMPO is collected at the evaporator head, and Kromasil
The purity determined by liquid chromatography using a C18 column is 80%.Example 5
The following (a) to (c) are introduced into the reactor used in Example 1:
(a) 1.64 g (0.01 mol) of azobisisobutyronitrile (hereinafter, AIBN)
(b) TEMPO 2.93 g (0.019 mol)
(c) 43.7 g (0.56 mol) of benzene
Close the reactor and purge with nitrogen for 15 minutes. Thereafter, 54 g (1 m
B) Butadiene is introduced. Heat the reaction medium to 130 ° C and keep it at this temperature for 4 hours
. During this time, the pressure is constant at 27 bar. The reaction medium is degassed after cooling to room temperature.
The crude reaction mixture is distilled under reduced pressure at 40 ° C using a rotary evaporator.
And then 13.5 g of 2,2,6,6-tetramethylpiperidine at about 25 ° C. under reduced pressure of 0.01 bar.
Diloxy telechelic 1,3-butadiene oligomer is obtained. This product is
It has the following physicochemical properties:
Number average molecular weight (GPC) = 850
Ip = 1.3
*1HNMR
δ = 1.15ppm (double line) TEMPO CHThreeBase 12H
δ = 1.30ppm (multiple line) CH of AIBNThree6H of the group
δ = 4.8-5.1ppm (multiple line) -CH = CH Two
δ = 5.25 to 5.7 ppm (unresolved multiplet) -CH = CH- (cis and trans
) And -CH= CHTwo
δ = 4.20-4.30ppm (multiplet not decomposed) aminoxyl terminal
Oligomers are assigned the following general formula:
(Where n = 10)Example 6
According to the operating conditions of Example 2, the product of Example 5 is recovered using zinc in an acetic acid medium.
I will. A cyanohydroxy telechelic 1,3-butadiene oligomer is obtained. Step
Roton NMR analysis suggests disappearance of the piperidyl ring. For oligomers
The general expression is assigned:
Example 7(Comparative example)
The same operation as in Example 5 is performed without using TEMPO.
The following (a) and (b) are introduced into the reactor:
(a) AIBN 1.64 g (0.01 mol)
(b) Benzene 43.7g
Close the reactor and purge with nitrogen for 15 minutes. Then, 54g (1
Mol) of butadiene. The reaction medium is heated to 130 ° C.,
To keep. During this time the pressure is constant at 27 bar. Degas after cooling the reaction medium to room temperature
You. The crude reaction mixture is evaporated at 40 ° C under reduced pressure using a rotary evaporator.
Stay
And then at about 25 ° C. under a reduced pressure of 0.01 bar. 15g dicyano telechelic
A 1,3-butadiene oligomer is obtained, and the product has the following physicochemical properties
:
Number average molecular weight (GPC) = 1000
Ip = 2.3
*1HNMR
δ = 1.30ppm (multiple line) CH of AIBNThreeBase 12H
δ = 4.8-5.1ppm (multiple line) -CH = CH Two
δ = 5.25 to 5.7 ppm (multiple lines not resolved) -CH= CH-(Cis and trans
) And -CH= CHTwo
Oligomers are assigned the following general formula:
(Where n = 18)Examples 8 and 9
The procedure is the same as in Example 1 (using the same amount of reactants), but the operating conditions are changed.
Table 1 shows the conditions and the results obtained.
Example 10
2.2.6.6-Tetramethylpiperidyloxy obtained in Example 1Hi
Of hydroxy-1,3-butadiene oligomers
Application to synthesis of tadiene / styrene diblock copolymer
Performed in a 100 ml three-necked flask equipped with a condenser, stirrer and nitrogen inlet
10 g of the oligomer obtained in Example 1 are introduced, followed by 30 g of styrene.
Purge the system with nitrogen. The reaction medium is heated to 130 ° C., and then this
Keep in time. After cooling, the reaction medium is poured into 500 ml of methanol. Washed the precipitate
After drying. 17.5 g of product are obtained. The product has the following physicochemical properties
RU:
Number average molecular weight (GPC) = 4000
Ip = 1.7
The starting oligomer completely disappeared (GPC analysis).
*1HNMR
1In HNMR analysis, a peak of 6.9 ppm (proton of aromatic ring of styrene) and 5.4 pp
m and 5 ppm (ethylenic protons of the polybutadiene block)
The exact ratio of tadiene to styrene is calculated.
The molar and weight percentages are as follows:
Butadiene mole%: 31.5%
Butadiene weight%: 19.3%
That is, the composition of the following block copolymer:
Number average molecular weight of polybutadiene block: 1700
Number average molecular weight of polystyrene block: 7100
This block copolymer can be represented by the following formula:
The dihydroxy telechelic obtained in Examples 2 and 4
1.3- Polyurethane obtained using butadiene oligomer
Evaluation on mechanical properties
A polyurethane was prepared from the following ingredients:
(a) PB2: dihydroxy telechelic 1,3-butadiene oligomer of Example 2
ー
(b) PB4: dihydroxy telechelic 1,3-butadiene oligomer of Example 4
(c) Polybid R45HT (Poly Bd® R45HT) and Polybid R20
TLM (Poly Bd® R20 TLM): Elf Atochem
Dihydroxy telechelic 1,3-butadiene oligomer commercially available from SA)
The molar ratio of -NCO group / -OH group was set to 1.05, and these four kinds of oligomers were
With polyisocyanate (hereinafter MDI).
Table 2 shows the various starting oligomers and the amounts of MDI used in each test. In the table,
Mn is the number average molecular weight measured by GPC;
Ip is weight average molecular weight / number average molecular weight,
IOHIs the hydroxyl index (meq / g) determined by acetylation,
The weight (g) of MDI was calculated for 50 g of the oligomer used.
Polyurethane synthesis
Add 50 g of dihydroxyte to a glass reactor equipped with a stirrer, thermocouple and vacuum line.
Introduce a rechelic 1,3-diene oligomer. 1 hour at 80 ° C under reduced pressure of 10mbar
After degassing the oligomers, bring to 50 ° C. Then, the required amount of MDI shown in Table 2 was
Add once. MDI is preheated to about 50 ° C, and the container used for weighing is also heated.
(MDI has a melting point of about 45 ° C.). Stir the reaction medium under reduced pressure for 4-5 minutes,
A homogeneous mixture without foam is obtained.
Depressurize the reactor and place it in a 100 x 100 x 2 mm stainless steel mold pre-coated with a release agent.
Pour the mixture.
The product was left at room temperature for 24 hours and then treated in a ventilated 80 ° C oven for 24 hours.
Followed by 48 hours at room temperature. After that, use a sample punch to standardize
Of each sample and ISO standard 527: 1993 type 1BA (1 kN measurement
The elongation at break ε (%) and the strain at break σ (MPa) were measured using a cell and a pulling speed of 5 mm / min).
Specified.
Table 3 summarizes the obtained results.
Table 3 also shows the content (%) of insoluble material CI. Insoluble substance
Was obtained by the following method:
Take about 1 g of polyurethane from the board synthesized by the above method and measure the weight.
And 100 ml of DMF are introduced into a round bottom flask. Allow the mixture to reflux for 24 hours
. The resulting solution was filtered, and the undissolved polyurethane fraction was removed under reduced pressure at 80 ° C.
Process for 6 hours. After that, the weight of the dried insoluble residue was measured and
The content of insolubles is determined by dividing by the weight of polyurethane introduced.
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O, RU, SD, SE, SG, SI, SK, TJ, TM
, TR, TT, UA, UG, US, UZ, VN
(72) Inventors Pradel, Jean-Laurent
France 27300 Bernay Ryugi
Rome de la Tremblay
)