JPH11509095A - 薬物の化学療法の有効性を評価するためのアッセイ - Google Patents

薬物の化学療法の有効性を評価するためのアッセイ

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JPH11509095A JP9505308A JP50530897A JPH11509095A JP H11509095 A JPH11509095 A JP H11509095A JP 9505308 A JP9505308 A JP 9505308A JP 50530897 A JP50530897 A JP 50530897A JP H11509095 A JPH11509095 A JP H11509095A
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ディー. ロッドランド,カリン
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Abstract

(57)【要約】 形質転換された細胞において、化合物を調節するシグナル経路に応答するインビトロアッセイが記載される。特定のキナーゼ標的に対する候補薬物の効果を測定することによって、首尾良い候補がスクリーニングされ得る。腫瘍生検が、同様のアッセイを用いて、特定の薬物での処置に対する感受性についてアッセイされ得る。レポーター遺伝子のVL30制御発現がまた、細胞増殖のインヒビターまたは刺激因子の両方についてのスクリーニングアッセイにおいて用いられ得る。

Description

【発明の詳細な説明】 薬物の化学療法の有効性を評価するためのアッセイ政府の援助への謝辞 本発明において行われた研究は、その一部が米国国立衛生研究所の援助を受け た。米国政府は所定の権利を本発明において所有する。発明の分野 本発明は、CAIのような化学療法剤の有効性を予測し、そしてモニターするた めの、インビトロでの方法に関する。このような化学療法剤は、増殖に関与する 細胞内シグナル経路を調節する。CAIは、いくつかの癌に関してのみ有効である 公知の化学療法剤である。背景技術 DNAの複製を直接妨害し、それゆえ正常細胞および癌細胞の両方の増殖を妨害 することによって作用する、多くの化学療法剤とは対照的に、化学療法剤の別の グループは、増殖に関連する特定のシグナル経路を標的にする。正常細胞は、一 般に、増殖のための並列のシグナル経路を有し、その結果、このクラスの薬物が 標的とする個々のシグナル経路の阻害は、ほとんどの場合、正常細胞によって克 服され得るようである。しかし、腫瘍細胞は、しばしば1つの特定の過剰発現し た経路に限定され、その結果、この経路を首尾良く阻害することは、癌細胞に対 して特に有効である。このことはきわめて有利である。なぜなら、正常細胞(特 に、血液骨髄(blood marrow)、GI管の内層、および毛包内の正常細胞)の複製 の阻害は、化学療法のひどい副作用をもたらす。 このクラスのシグナル経路調節剤の例示的メンバーは、Merck & Co.の米国特 許第4,847,257号および同第5,045,543号に記載されており、それらの内容は参考 として本明細書中に援用される。これらの特許は、乾癬および癌の処置における 既知のクラスの化合物(5-アミノまたは置換されたアミノ、1,2,3-トリアゾー ル)の使用について記載している。上記の参照した特許の開示内容に従って、化 合物はまた、抗増殖剤であることに加えて、幅広いアラキドン酸代謝物の産生を 阻害する。この化合物の好ましいメンバーは、5-アミノ-1-(4-[4-クロロベンゾ イル]-3,5-ジクロロベンゾイル)-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキサミド(CAI) である。この化合物は、現在、化学療法剤として第I相臨床治験中である。 CAIは上記の理由のために非毒性であるが、一般に化学療法剤として広範に有 効であるというわけではないことが最近報告されている。どのような癌がCAIに 応答し、そしてどのような癌が応答しないかを決定するためのスクリーニングア ッセイを発明することは明らかに有益である。これにより、CAI処置に感受性で ある腫瘍を有する被験体が他の薬物の有害な副作用から免れる一方、腫瘍が応答 性でない被験体が無効な処置による時間の無駄から保護される。本発明はそのよ うなスクリーニング試験に関し、CAIのみならず、シグナル経路阻害剤に一般に 適用可能である。腫瘍に対する薬物の有効性を予測するための技術において現在 利用可能なアッセイは、それほど首尾良くいくものではなく、そして取り扱いも 困難である。これらの全てが、腫瘍細胞の培養を必要とし、このプロセスは時間 がかかるだけではなく、信頼できない。なぜなら、培養条件自体がアッセイの結 果を変更し得るからである。本発明に記載のシグナル伝達系に基づくアッセイは 、腫瘍細胞の培養を必要としない。 特定の腫瘍に対する薬物の有効性を予測するために用いられるアッセイのタイ プはまた、シグナル伝達を妨害することによって増殖を阻害する能力について、 候補薬物をスクリーニングするための手段を提供する。それゆえ、標的の発現系 を含むように改変された細胞に基づく、これらのアッセイおよび類似のアッセイ もまた、候補薬物をスクリーニングするために用いられ得る。発明の開示 本発明は、細胞内シグナル経路を妨害するCAIのような薬物による処置に応答 する被験体および応答しない被験体を決定し、そしてプロトコルの持続的有効性 のための処置下で被験体をモニターするための、インビトロで行われ得るアッセ イに関する。 本アッセイは、試験すべき細胞を培養する必要はなく、そして直接的な評価技 術を利用してこのような薬物の効果を決定する。本アッセイには、2つの一般的 なタイプがある:1つのタイプは、増殖を導く細胞のシグナル経路の終点にある アッセイ系、具体的には、p34cdc2キナーゼ系に依存する。これらの成分は、多 数のシグナル経路が収束しているところに本質的に存在するため、直接的な調節 または薬物によるそれらの上流のシグナル反応の調節のいずれかにより、これら の成分自身の調節が生じる。 あるいは、特異的な抗治療因子について、上流の標的が一旦同定されれば、こ れらのアッセイの基礎として使用し得る。本発明者らは、CAIによって影響され る、特定の上流の指標(srcキナーゼの活性の阻害およびGAP関連タンパク質p62 のリン酸化状態を包含する)を同定した。p62のリン酸化は、ras依存性シグナル 経路の活性化の上昇に関連する。 一方、p34cdc2は、細胞周期に関連するキナーゼであり、細胞増殖の標識キナ ーゼ(checkpoint kinase)として、具体的にはG2/M推移で重要な役割を果たす 。任意の増殖に関連するシグナル経路に影響する薬物は、このような終点に影響 する。 1つの局面において、本発明は、標的細胞中の細胞内シグナル経路と相互作用 することによって細胞増殖を阻害する能力について、候補薬物をスクリーニング するための方法に関する。本方法は、候補の存在下で細胞の試験サンプルをイン キュベートする工程、および候補の非存在下で細胞のコントロールサンプルをイ ンキュベートする工程を包含する。次いで、細胞サンプルのそれぞれにおけるp3 4cdc2キナーゼの活性を測定し、そしてp34cdc2キナーゼの活性を比較する。候補 が存在しない場合と比較したときの候補が存在する場合のキナーゼの活性の減少 は、増殖を阻害する候補の能力を示す。 さらに別の局面において、本発明は、標的細胞において細胞増殖を刺激または 阻害する能力について候補薬物をスクリーニングする別の方法に関する。本方法 はまた、候補の存在下で細胞の試験サンプルをインキュベートする工程、および 候補の非存在下で細胞のコントロールサンプルをインキュベートする工程、なら びに少なくとも1つの公知のアゴニストで細胞を刺激する工程、を包含する。VL 30エンハンサーによって仲介される遺伝子発現(細胞サンプルのそれぞれにおけ るVL30制御レポーター系によって明らかにされる)を測定し、そして比較する。 候補が存在しない場合と比較したときの候補が存在する場合の発現の変化は、シ グナル伝達に影響する候補の能力を示す。次いで、この能力は、同じVL30エンハ ンサー制御レポーター系を用いる種々のアゴニストでのさらなる研究により分析 され得る。以下に示すように、特定の候補は、アゴニストの添加前または同時に 、細胞を候補で処置するかどうかに依存して、異なる効果を有し得る。特定の候 補薬物の全プロフィールについて、長期的条件(前処理)および急激な条件(同 時処理)での療法の下での効果を測定するのに有用である。 別の局面において、本発明は、薬物が標的腫瘍細胞に関する抗腫瘍剤として機 能するかどうかを決定するための方法に関する。本方法は、候補の存在下でこれ らの細胞を含む生検の試験サンプルをインキュベートする工程、および薬物の非 存在下でこれらの細胞を含む生検のコントロールサンプルをインキュベートする 工程を包含する。細胞サンプルのそれぞれにおけるp34cdc2キナーゼの活性を測 定し、そしてp34cdc2キナーゼの活性を比較する。薬物が存在しない場合と比較 したときの薬物が存在する場合のキナーゼの活性の減少は、薬物が腫瘍の処置に おいて有効であることを示す。 特定の薬物がシグナル伝達経路の成分を生じることが既知である場合、この特 定の成分はまた、この薬物の存在下または非存在下で生検の腫瘍細胞をインキュ ベーションした後にアッセイの対象として用いられ得る。このアッセイは、特定 の薬物によって直接生じる(またはシグナル経路において薬物の直接の標的から 下流である)シグナル経路の成分に関する事前の情報を必要とするが、このアプ ローチは、操作が単純であるという利点をなお持ち続けており、そして培養物中 の細胞を増殖する必要性がない。図面の簡単な説明 図1は、CAI処置のv-srcキナーゼ活性に対する効果を示す。 図2は、srcキナーゼを阻害するSKF96365の濃度依存性能力を示すヒストグラ ムである。 図3は、CAIおよびSKF96365のp34cdc2のキナーゼ活性に対する効果を示す。 図4は、急激な暴露条件下でVL30エンハンサー制御発現系を含むように改変し たRatl細胞におけるCATの発現に対するCAIの効果を示す。 図5は、アゴニスト刺激前の種々の時間でのCAIでの前処理の、VL30系を含む ように改変した細胞におけるCATの発現に対する効果を示す。 図6Aおよび6Bは、CAIおよびSKFでの24時間前処理の、刺激因子として使用され る種々のアゴニストに対する応答におけるCAT発現のレベルに対する効果を示す 。発明を実施するための様式 本発明は、増殖を促進するために細胞が用いるシグナル経路の複雑な配置、お よびこれらの経路の操作の結果として調節される転写制御エレメントに注目する 。本発明の方法においては、2つの終点系および少なくとも1つの上流成分を用 いる。 1つの終点系は、指標としてp34cdc2活性を用いる。サイクリン依存性キナー ゼであるp34cdc2は、細胞が有糸分裂を受けるためには、活性型で存在しなけれ ばならない(Pines,J.ら、New Biol(1990)2:389-401;Solomon,M.J.ら、Cel l (1990)63:1013-1024)。キナーゼとしてのp34の活性は、サイクリンBとの物 理的な会合に依存する。p34タンパク質のキナーゼ活性は、チロシン-15およびト レオニン-14でのリン酸化によって不活化されるが、これらの部位が脱リン酸化 され、そしてトレオニンが161位でリン酸化されれば活性化される。それゆえ、p 34の不活性型および活性型の両方に対する抗体を調製することが可能であり、こ こで、抗体は、適切なリン酸化状態を含むエピトープと特異的に免疫反応する。 p34cdc2は、多様な細胞内シグナル経路の終点を示す。この経路は収束してこ のキナーゼを活性化または不活性化する。従って、上流の増殖に関連するシグナ ル伝達事象を調節する細胞増殖インヒビター、ならびにp34cdc2の活性を直接調 節するインヒビターは、p34cdc2の見かけの調節をもたらす。このことは、この キナーゼの活性を、任意のレベルで細胞増殖シグナル経路に作用する候補薬物の スクリーニングのための、および特定の腫瘍が提唱される治療プロトコルによっ て破壊され得る重要なシグナル経路を含むかどうかを決定するための診断法とし ての両方について、適切な標的にする。現存のシグナル経路の阻害の首尾良い結 果は、p34cdc2キナーゼ成分の上流であるにもかかわらず、このキナーゼの活性 レベルに反映される。 p34cdc2キナーゼは有糸分裂に重要であるため、このキナーゼ活性の阻害は形 質転換された細胞の増殖の阻害をもたらす。このことは、例えば、標識したチミ ジンの取り込みの減少、軟寒天中で増殖する能力の減少、およびヌードマウスの 腫瘍形成性の減少に反映される。p34キナーゼ活性の減少に相関するこれらの効 果についてのアッセイにより、腫瘍および他の形質転換された細胞の細胞増殖に おけるp34cdc2の重要な役割が確認される。 本出願の実施例5に示されるように、本発明のアッセイは、従来のアッセイと の優れた相関を与え、そして細胞増殖を刺激する薬物および細胞増殖を阻害する 薬物を含む、さまざまな候補薬物を評価するのに有効である。 第2の終点アッセイは、増殖関連転写因子に応答性であるVL30エンハンサーの 使用を包含する。このエンハンサーは、レポーター遺伝子を含むモデル発現系に 取り込まれ得る。この系は、細胞増殖のアゴニストによるVL30エンハンサーの活 性化についての測定、または増殖アンタゴニストによる不活化についての測定を 提供する。このような構築物は、VL30エンハンサー、チミジンキナーゼプロモー ター、およびクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)のよう なレポーター遺伝子を利用する。β-ガラクトシダーゼまたはルシフェラーゼの ような他のレポーター遺伝子もまた使用され得る。レポーター遺伝子は、発現レ ベルの指標として使用され、次いで、これはエンハンサーの刺激(または阻害) の指標である。エンハンサーは細胞増殖に関連するシグナルによって活性化され る転写因子に応答するため、この系は、候補薬物がこのような転写因子を含む細 胞内で増殖を生じる能力を評価する手段を提供する。この系は、Rodland,K.D. ら、Mol Endocrinol(1993)7:787-796によって詳述されており、本明細書にお いて参考として援用される。 本アッセイは、エンハンサーの少なくとも1つの公知のアゴニストによって刺 激されるレポーター遺伝子の発現に対する候補化合物の効果を測定することによ って、行われる。例えば、このようなアゴニストとして、タプシガルジン(thap sigargin)(thapsiまたはTG)、表皮増殖因子(EGF)、およびホルボールアセ テート(TPA)が挙げられる。候補化合物は、アゴニストによる発現の刺激に関 して適切な時間に添加され、これは「急激な」または「長期的な」効果のいずれ が測定されようとするかに依存する。このレポーター系におけるVL30エンハンサ ーの仲介による検出可能なレベルでのレポータータンパク質の合成は、約4時間 かかるため、候補とエンハンサーに影響する因子との間で相互作用が生じ得るよ うに、細胞を候補で前処理することによって、候補の「長期的な」効果が試験さ れる。適切な前処理時間は、4〜24時間またはそれ以上の範囲である。一方、「 急激な」効果を測定しようとする場合、候補化合物をアゴニストとともに同時に 、またはそれにきわめて近い時間に添加する。 VL30エンハンサーは、種々の増殖刺激に対して応答して迅速に誘導され、タン パク質合成インヒビターの存在下で超誘導され、そしてウイルスで形質転換され た細胞および化学的に形質転換された細胞の両方において過剰発現する、マウス レトロウイルスエレメントである。スクリーニングアッセイについて、この系を 使用するために、VL30/レセプター遺伝子発現系を含むように修飾された任意の 便利な組換え宿主細胞を、アッセイ系として使用し得る。細胞をアゴニストで刺 激してVL30エンハンサーの発現を生じ、候補の存在下および非存在下でレポータ ー遺伝子の産物を産生させる。測定されるべき効果が候補の急激な効果か長期的 な効果かによって、候補がアゴニストと共に添加されるかまたは数時間前のいず れかで添加する。レポーター遺伝子のレベルは、アゴニストでの刺激の適切な時 間後に、代表的には約4時間後に測定される。候補の急激な効果が測定される場 合、候補化合物を、一般にアゴニストと同時に細胞に添加する。候補の長期的な 効果を測定しようとする場合、代表的には、候補化合物をアゴニストの添加前4 〜24時間またはそれ以上前に細胞に添加する。もちろん、レポーター遺伝子の発 現の評価のために使用されるアッセイ法は、レポーター遺伝子それ自身の性質に 依存し、そしてタンパク質産物のために適切な標準的なアッセイは、当業者に公 知である。 このアッセイが、特定の腫瘍に対する薬物の治療効果を予測することと関連づ けて使用される場合、第1に腫瘍細胞を薬物の治療効果についてのアッセイを行 う前に、適切な形質転換技術によって、腫瘍細胞をこの系を含むように改変する 必要があることは明らかである。一般に、この修飾は一過性のものである。これ は、この種の臨床的評価を行う際の余分な工程であるので、これに関連するVL30 に基づくアッセイ系の使用は、このアッセイの焦点としてp34cdc2キナーゼ系を 使用するよりも明らかに利点が少ない。しかし、候補化合物についてのスクリー ニングに関して、発現系で安定に形質転換された標準的な組換え細胞株を、試薬 として使用し得る。さらに、このアッセイ系は容易に自動化し得、そして非放射 分析アッセイ法に適応し得る。 それにもかかわらず、このエンハンサーに対する種々のシグナル経路成分の影 響が複雑であるので、結果はp34cdc2を使用して得られる結果ほど直接的なもの ではない;これらの経路を利用するさらなる研究がこの結果を解釈するために必 要であり得る。一方、VL30アッセイ系を増殖刺激性の候補および増殖阻害性の候 補の両方を検出するために使用し得る;増殖刺激候補はVL30が制御する発現を刺 激する;増殖阻害性の化合物は、阻害する。一般に、刺激は、しばしば急激な曝 露の間により容易に観察され、そして阻害は長期的な曝露の間により容易に観察 される。例えば、CAIは、急激な曝露(すなわち、CAIがアゴニストと共に添加さ れる場合)の間にVL30発現を増加するが、VL30系を有する細胞がアゴニストを添 加する4〜16または24時間前に前処理される場合は、発現は阻害される。しかし 、いくつかの化合物は、急激な曝露条件が用いられる場合に阻害効果を示す。従 って、任意の特定の候補が、その活性の正確な評価を得るために、両方の曝露条 件下で試験されるはずである。 腫瘍の薬物処置は本来長期的なものであるので、長期的効果が薬物の生物学的 効果に対してより適切である。これに関して、長期的な曝露の効果を得るために 十分に長い期間、候補薬物に細胞を曝露することが重要である。 P34cdc2は、多くの細胞増殖シグナル経路調節因子の終点マーカーであり、そ してVL30レポーター系はまた、上流のシグナル段階に応答性である。従って、こ れらのアッセイは薬物に対する現在の標的の知識を必要としない。しかし、問題 の薬物によって影響されることが知られている特定の上流のシグナル因子をアッ セイ標的として使用することによって、提唱されるプロトコルに対する腫瘍の感 受性について評価することもまた、有用である。これは、srcタンパク質のキナ ーゼ活性に対するCAIおよびSKF96365の効果が実証されたことによって例示され る。ここで、本発明者らは、これらの化合物がsrcキナーゼ活性の阻害を生じる ことを確立したので、腫瘍生検を評価して、生検中の腫瘍細胞のsrcキナーゼ活 性に対する抗腫瘍処置の効果を測定することによって、抗腫瘍処置としてのこれ らの薬物の有効性を予測し得る。(癌遺伝子(v-src)および正常(c-src)形態の両 方が応答性である。)これは、細胞増殖に対する薬物の効果を直接的に測定する よりも、または細胞培養物に対する細胞傷害性効果を測定するよりも、より有利 なアプローチである。なぜなら、これは生検由来の細胞の培養および増殖を必要 としないインビトロの短期間アッセイを含むからである。この本来の利点は、本 明細書中のアッセイ法およびスクリーニング法の全てに特徴的なものである。し かし、遠位の終点に関するこのアッセイは、もちろん、範囲においてより普遍的 であるさらなる利点を有する。 腫瘍生検のアッセイ 従って、本明細書中で記載される、特定の候補薬物によって生じると同定され た終点のシグナルジャンクションまたはシグナル経路の上流成分のいずれかに注 目しているアッセイの全ては、簡便性および経済性の利点を共有する。腫瘍細胞 の培養は必要としない。これは、現行のアッセイよりも明らかな利点を提供し、 そして最初の治療的プロトコルを設計するプロセスにおいて、そして現在特定の 患者に適用されているプロトコルを維持するかどうかを決定することにおいて、 このような腫瘍生検のプレスクリーニングを通常の手順にする可能性を付与する 。 これは、今や腫瘍の前処理スクリーニングの複雑さに依存する場合ではない。 化学療法的処置は不快であることが知られており、そして一般に腫瘍に対して有 効あるか、またはいずれの腫瘍に対しても永久的にさえ有効である化学療法プロ トコルは1つではないことはよく理解されているが、特定のプロトコルまたは特 定のプロトコルの継続が有効であるか否かを予め予測するための、合理的なアッ セイは利用可能ではない。現在利用可能なアッセイは、剥離した腫瘍細胞のクロ ーン原性増殖に基づいており、従って、数日から数週間にわたる腫瘍組織の継代 培養を必要とする。さらに、クローン原性アッセイに供される腫瘍のわずか40〜 70%から評価し得る結果を与える。細胞傷害性アッセイは培養を必要としないが 、これらの培養に基づく方法に関連する時間およびプレーティング効率の制約は なおそのままである。現在、酵素活性、または他の細胞抽出物に対する簡単な測 定、または簡単な組織学的試験が必要であるのみである、利用可能な現行のイン ビトロアッセイはない。本発明のアッセイは増殖を調節するシグナル系の特定の 成分に注目しているので、これらの成分は、以下にさらに詳述するように、細胞 の継代培養の必要を伴わない標準的なインビトロアッセイによるか、または組織 学的染色によるかのいずれかで、直接的に測定され得る。 細胞の抽出物中の種々の酵素の活性の評価は、このような酵素アッセイについ ての標準的なプロトコルで行われ得る;キナーゼ活性についての特定のアッセイ は記載されている;しかし、このようなキナーゼ活性を測定する別の方法もまた 使用し得る。例えば、自動リン酸化よる基質への放射活性なリンの取り込みまた は標識したリン酸の取り込みの測定よりもむしろ、チロシン残基のリン酸化を、 抗リン酸チロシン抗体を使用して測定し得る。当該分野に一般に公知である、酵 素活性を評価するための任意の適切な方法を使用し得る。 さらに、このアッセイを、組織切片および組織学的標本に適用し得る適切な標 識試薬を使用して、組織学的方法に適応し得る。代表的なこのような試薬は、酵 素の不活性な形態とは相反して活性化した形態に特異的な抗体、リン酸チロシン に対して特異的な抗体などである。標準的な組織学的手順を、これに関連して適 用し得る。スクリーニングアッセイ スクリーニングアッセイのために、本発明のアッセイにおいて基質として使用 するシグナル経路の特異的な成分を含むように改変された細胞を利用することが 所望であり得る。公知のシグナル経路の任意の適切なメンバーを使用し得る;こ のような成分の発現系を、これらのアッセイで使用するために適切な宿主細胞株 中にトランスフェクトし得る。このアプローチは、VL30エンハンサー制御CAT発 現系またはv-srcキナーゼについての発現系のいずれかを含むように改変された 形質転換されたRatl細胞株によって、本明細書中で例証される。しかし、c-erbB 2/her2またはc-rasのような、シグナル経路において重要であることが知られて いるさらなる増加された量の成分を含む細胞株を作製し得る。標準的な組換え方 法を使用して、これらの細胞株を得る。アッセイを、腫瘍細胞に対する候補の効 果を評価するために、上記と同様の様式で、これらの改変された細胞を使用して 、行う。候補の効果を評価するために使用される方法は、もちろん、この発現系 の産物の性質を反映するように改変される。例えば、VL30エンハンサー制御CAT 発現系を使用する場合、CAT活性またはCATをコードするmRNAを検出するアッセイ を使用し得る。 以下の実施例は、本発明を例証するが制限しないことを意図する。 実施例1 v-src キナーゼ活性に対するCAIおよびSKF96365の効果 Tom Parsons,University of Virginia Health Science Center,Charlottesv ille,VAによって提供された細胞株RSV-Ratlは、v-src癌遺伝子の発現ベクター を含む。この細胞を、5%仔ウシ血清(Hyclone)およびゲンタマイシン(10mg/ml) を補充したDMEM(BioWhittaker)中で、37℃、5%CO2中で増殖させた。新たな培 養を、4〜6週間毎に、凍結ストックから開始した。 細胞を、100mmプレート中でコンフルエントになるまで増殖させ、そしてアゴ ニストを添加するときに、血清を減少(0.05%)してインキュベートした。 薬物の存在下および非存在下でインキュベートした後(通常は24時間)、プレー トを冷却PBSで2回洗浄し、M-TG緩衝液(1%Triton X-100、10%グリセロール、 20mM HEPES(pH8)、2mM Na3VO4、150mM NaCl、1mM PMSF、1%アプロチニン) 中に、水上で溶解した。溶解物を、遠心分離によってクリアにし、そしてタンパ ク質含量について試験した。 400μgのタンパク質を含む溶解物を、プロテインAアガロースの存在下で、4 ℃で18時間、pan srcモノクローナル抗体(α-src,Upstate Biotechnology,Inc .)で沈澱させた。免疫複合体を、遠心分離によって回収した。ペレットを再 懸濁し、そして10μCiの[γ-32P]ATP(6000Ci/mmole)を含む50μLのキナーゼ緩衝 液(30mM Tris 7.5、5mM MgCl2、1mM Na3VO4、0.5mM PMSF、0.4%アプロチニン) 中で、20℃で10分間、キナーゼ活性を測定した。反応を、2×Laemmli緩衝液で 停止させ、2分間煮沸し、そしてタンパク質を変性アクリルアミドゲル上で分離 した。ゲルを80℃で1時間乾燥させ、そして標識されたタンパク質をホスホイメ ージャーによって可視化しそして定量した。 上記のように、細胞を0〜36時間にわたって5μM CAIと共にインキュベート し、アリコートを除去し、抗SRCで免疫沈降し、そしてキナーゼ活性について試 験した。経時的な結果を図1に示す。約57kDの2連は、経時的にバンドの強度が 減少したことを示す;阻害は、コントロールと比較して、24時間後で95%以上で あった。上のバンドは、S.Parsons,University of Virginiaから得たv-src特 異的抗体(2-17)でのイムノブロットによって変化されたv-srcに自動リン酸化を 示す。下のバンドは、イムノグロブリン重鎖の分解産物またはリン酸化のいずれ かを示す。 先のプロトコルを、0〜30μg/mlの範囲の種々の濃度のSKF96365を使用して繰 り返した。キナーゼ活性を上記のように測定した。図2は、v-srcキナーゼを阻 害するSKF96365(SKF)の濃度依存的な能力を示す柱状グラフである。図2に示す ように、キナーゼ活性は0.1μg/mlという低いSKF濃度でその正常値を下回って有 意に低下する。キナーゼ活性は、5〜10μg/mlのSKFでコントロールの50%に減 少し、そして約30μg/mlのSKFでコントロール値の約10%に減少することを示し た。 実施例2 自己増殖効果とsrcキナーゼ阻害との相関 実施例1のRSV-Ratl細胞を、低密度で播種し、そしてCAIの存在下および非存 在下で増殖させた。増殖を、一定の時間間隔で得られた細胞計数によって直接的 に測定した。CAIは非処理のコントロールと比較して増殖率を顕著に減少させた 。 細胞を、CAIまたはSKFのいずれかを用いてまたは用いずに、軟寒天中で低密度 でプレーティングした。37℃で2週間後、格子付き接眼レンズを使用して、アン カー非依存的コロニーを計数し、そして測定した。CAIまたはSKFで処理した細胞 の平均のコロニーサイズは、コントロールよりも有意に小さかった。 実施例3 p34cdc2 に対するCAIおよびSKFの効果 RSV-Ratl細胞についてのキナーゼアッセイを、免疫沈降を抗-p34cdc2を使用し て行い、ヒストンH1をリン酸化のための基質として使用し、そしてキナーゼ反応 を30分間行ったことを除いては、実施例1に記載のように行った。細胞を、5μ M CAIまたは5μM SKF(5mg/ml)で、4または24時間処理し、その後回収した。 結果を図3に示す。 CAIは、4または24時間のインキュベーションのいずれでも、キナーゼ活性を 劇的に減少させる。4時間後で、キナーゼ活性はコントロールのほぼ50%であり ;24時間後で、キナーゼ活性はコントロールのほぼ25%である。SKFもまた、4 または24時間のいずれかのインキュベーション後、キナーゼ活性を減少する;4 時間後で、活性はコントロールのほぼ60%であり;24時間後で、コントロールの 約80%である。図3は、これが統計学的に有意な効果(P≦0.05)であることを示 す。しかし、この効果は、4時間後よりは劇的ではない。 実施例4 p34 キナーゼ阻害と増殖の阻害との相関 RSV-Ratlに加えて、2つのさらなる細胞株、SKOV3およびIOSEを、CAIおよびSK Fでの処理後のp34cdc2キナーゼ活性について試験した。SKOV3は、ヒト卵巣腫瘍 細胞株であり、そしてIOSEはヒト卵巣表面上皮由来の部分的に形質転換した細胞 株である。 CAIおよびSKFは、SKOV3およびIOSE細胞株両方のp34cdc2キナーゼ活性を低め得 た。これらの化合物はまた、チミジン取り込みによって測定したとき、および軟 寒天中での増殖能の減少によって測定したとき、これらの細胞株の増殖を阻害し た。 実施例5 卵巣腫瘍細胞株におけるp34キナーゼ活性に対する種々の抗腫瘍化合物の効果 実施例4に記載のSKOV3およびIOSE細胞株に、OVCARと称されるさらなる卵巣腫 瘍細胞株を加えて、3つの異なる化合物に曝露した;タモキシフェン、クルクミ ン(curcumin)、ブリオスタチン。タモキシフェンはエストロジェンのアナログで あり、そして 乳房腫瘍およびいくつかの卵巣腫瘍のエストロジェン依存性細胞 増殖のインヒビターとして作用する。クルクミンは、乳房、結腸、皮膚、胃、お よび十二指腸において抗腫瘍促進活性を有することが見出されている、ポリフェ ノール性の植物性化合物である(StonerおよびMukhtar,J.Cellular Biochemist ry(1995)22:169-180に総説されている)。ブリオスタチンは、腫瘍促進ホルボ ールエステルのアナログである;細胞タイプに依存して、ブリオスタチンは、腫 瘍促進ホルボールエステルの模倣物またはインヒビターのいずれかとして作用し 得る(例えば、Sakoら、Cancer Research(1987)47:5445-5450を参照のこと)。 培養卵巣細胞を、感受性細胞において増殖に影響することが知られている濃度( タモキシフェン、500nM、クルクミン、5μM、ブリオスタチン、100nM)で、24時 間これらの因子に曝露し、そして実施例3に記載のp34キナーゼアッセイにおい て使用するために細胞抽出物を回収した。コントロール細胞を、24時間DMSOビヒ クルに曝露した。各薬物から得られた結果は、より従来の3H-チミジン取り込み アッセイで得られた結果に相当した。 クルクミンは、試験した全ての細胞株で3Hチミジン取り込みを阻害し、また、 p34-cdc2キナーゼ活性も、試験した各細胞株のコントロール値の50%未満まで阻 害した(OVCARにおいてはコントロールの20%、SKOV3においては50%、そしてIOS Eにおいては45%であった)。 抗エストロジェンタモキシフェンは、p34-cdc2キナーゼ活性を3つ全ての卵巣 細胞株において阻害したが、阻害の範囲は10%〜50%で変化した(OVCARにおいて はコントロールの70%、SKOV3においては49%、そしてIOSEにおいては50%であ った)。これらの差異は、卵巣腫瘍のタモキシフェン療法に対する感受性におけ る差異を反映するようである。 ブリオスタチンはp34-cdc2キナーゼ活性を、SKOV3細胞においてはコントロー ル値の180%まで増加し、また、SKOV3細胞における3Hチミジン取り込みも刺激し た。IOSEおよびOVCAR細胞においては、ブリオスタチンは3Hチミジン取り込みに 対しては効果がほとんどないかまたは全くなく、そしてp34キナーゼ活性に対し て効果がほとんどないかまたは全くなかった。 これらの結果から、p34-cdc2キナーゼ活性は細胞増殖のインヒビターおよび刺 激因子の両方についての良好な指標として作用することが示される。 実施例6 VL30 エンハンサー制御系における発現に対するCAIの効果 VL30エンハンサーエレメントの刺激に応答してレポーター遺伝子CATの産物を 生じるように設計されたTK3R-CAT発現系を含むように改変されたRatl細胞株は、 上記のように、Rodland,K.D.ら、Mol .Endocrinol(1993)7:787-796に記載さ れている。このラット細胞株は、TK3R-3と称され、37℃で、5%CO2中、DMEM+1 0%規定仔ウシ血清中で維持した。培養物を、10μg/mlゲンタマイシン、1.75mg/ mlアンフォテリシンB、そして750μg/ml G418で補充して、ネオマイシン耐性ト ランスフェクションマーカーについての選択を維持した。アッセイを行うために 、細胞を12ウェルプレート中で感化させるために増殖させ、そしてアゴニスト添 加の72時間前にDMEM中の血清を除去した。 CAT活性を測定するために、細胞のタンパク質をアゴニストでの刺激の4時間 後に、10mM Tris HCl、0.05% Triton X-100中で抽出し、そして抽出物を細胞の アセチラーゼを阻害するために、70℃で10分間インキュベートした。CAT活性を 、Rodland,K.D.ら(前出)に以前に記載されたように、Neumann,J.R.ら、Bio Technipues (1987)5:444-447のアッセイによって測定した。標識したアセチルC oA取り込みを経時的に測定し、そして反応曲線の直線部分からのデータを使用し た。 発現は、CAT活性によって測定したように、処理していない細胞、またはアゴ ニストの添加の前の種々の時点でCAIで前処理した細胞(長期的な曝露の効果を評 価するために)、またはアゴニストと共にCAIアナログで処理した細胞(急激な曝 露の効果を評価するために)において、一連の公知のアゴニストに対する反応に おいて決定した。 試験したアゴニストは、タプシガーギン(2μM)(タプシまたはTG)、上皮増殖因 子10ng/ml(EGF)、ホルボールアセテート(100ng/ml)(TPA)、そしてこれらの組み 合わせであった。上記のアゴニストおよびCAIへの急激な曝露についての結果を 、図4に示す。アゴニストそれ自体の活性に関しては、タプシガーギンおよびEG F単独はいずれもCAT活性を有意に刺激しない一方で、組み合わせは刺激性である ようである;同様に、TPAおよびタプシガーギンの組み合わせは、単独よりも有 効である。 図4に示すアッセイにおいて、CAIを示すバーは、10μg/ml CAIをアゴニスト と共に添加したときの結果を示す(コントロール細胞は、ビヒクルのコントロー ルとしての0.5% DMSOに曝露した)。図4に示すように、CAIは、細胞がこれらの 「急激な」条件下でこの薬物に曝露された場合、試験したアゴニストの全てに関 して刺激効果を有する。 長期的な条件と比較した際の急激な条件下におけるVL30レポーター系の発現に 対するCAIの効果における差異を、図5に示す。KT3R-3細胞を上記のように培養 し、そして24時間にわたる種々の時点で10μg/mlのCAIを細胞に添加し、その後1 0μg/ml EGFと2μg/mlのタプシで刺激した。細胞を、(EGF+タプシ)の添加の4 時間後に回収し、そしてCAT活性を上記のように測定した。図5に示すように、C AIでの0〜2時間の前処理によって発現が刺激された一方で、4時間またはそれ 以上前の前処理はCATの発現を、コントロール値の半分未満に減少した。 さらなるアッセイによって、CAIで4時間または24時間前処理することによっ て、EGF、TPA、またはcAMPのいずれかに関連するTK3R-CAT遺伝子の発現を刺激す るタプシガーギンの能力を完全に阻害することが示された。しかし、タプシガー ギンの非存在下で相乗的に作用するEGF、TPA、およびcAMPの能力は、影響されな かった。同様の結果が、続くSKFでの24時間の前処理で得られた。 長期的な曝露条件下でのCAIおよびSKFの効果は、図6Aおよび6Bに概略され ている。アッセイを上記のように行った;EGFを10μg/ml、タプシ(この図ではTG とされる)を2μg/mlで、そしてTPAを100ng/mlで添加した。図6Aには、CAIに ついての結果を示す。明るいバーはCAIの非存在下におけるアゴニストの効果を 示し、そして暗いバーは、10μg/mlのCAIが所定のアゴニストの添加の24時間前 に添加された場合の発現のレベルの比較を示す。同様に、図6Bには、明るいバ ーは所定のアゴニストによって生じる刺激示し、そして暗いバーは10μg/mlのSK Fでの24時間の前処理後の刺激を示す。両方の場合において、アゴニスト活性の 阻害は、EGF/TG、TPA、およびTPA/TGのアゴニストについて観察された;しかし 、長期的な条件下でさえ、EGF/TPAのアゴニストの組み合わせでのわずかな刺激 が観察された。 これらの結果から、VL30エンハンサーで操作した発現の阻害を、細胞増殖の刺 激因子またはインヒビターのように予測するために使用し得ることが示される。 さらに、VL30エンハンサー発現の種々の公知のインデューサーに対する薬物の効 果の戦略的な比較は、薬物によって影響される特異的なシグナル経路についての 有用な情報を提供し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 メガン,ブルース アメリカ合衆国 オレゴン 97221,ポー トランド,エス.ダブリュー.ジェラルド コート 4028

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.標的細胞における細胞内シグナル経路との相互作用を介して細胞増殖を阻害 する候補薬物の能力について、該候補薬物をスクリーニングする方法であって、 該方法が、以下の工程: 該候補の存在下で該細胞の試験サンプルをインキュベートする工程、および該 候補の非存在下で該細胞のコントロールサンプルをインキュベートする工程; 該細胞サンプルのそれぞれにおいて、p34cdc2キナーゼの活性を測定する工程 ; 該細胞サンプルにおいて、該p34cdc2キナーゼの活性を比較する工程; を包含し、 ここで、該候補が存在しない場合と比較して、該候補が存在する場合の該キナ ーゼの活性の減少は、増殖を阻害する該候補の能力を示す、方法。 2.前記キナーゼの活性が、前記細胞サンプルの抽出物から、抗p34抗体でp34cd c2キナーゼを沈澱させる工程;および 沈澱したキナーゼによる基質のリン酸化をアッセイする工程によって測定され る、請求項1に記載の方法。 3.前記アッセイ工程が、ATP由来の放射標識したリン酸の基質への取り込みを 決定することによって行われる、請求項2に記載の方法。 4.前記基質がヒストンH1である、請求項2に記載の方法。 5.請求項1に記載の方法であって、前記測定工程が、前記細胞の抽出物または 組織学的サンプルと、不活化されたp34cdc2キナーゼとは対照的に活性化されたp 34cdc2キナーゼに特異的な抗体とを反応させ、そして該抗体と該抽出物の成分ま たは該組織学的サンプルとの間で形成される複合体の量を測定することによって 行われる、方法。 6.前記インキュベート工程が、前記候補をp34cdc2キナーゼと相互作用させる のに十分な時間行われる、請求項1に記載の方法。 7.前記細胞が、前記p34cdc2キナーゼを含むように改変されている、請求項1 に記載の方法。 8.標的腫瘍細胞に関する抗腫瘍剤として機能する能力について候補薬物をスク リーニングするための方法であって、該方法が、以下の工程: 該候補の存在下で該細胞の試験サンプルをインキュベートする工程、および該 候補の非存在下で該細胞のコントロールサンプルをインキュベートする工程; 該細胞サンプルのそれぞれにおいて、p34cdc2キナーゼの活性を測定する工程 ; 該細胞サンプルにおいて、該p34cdc2キナーゼの活性を比較する工程; を包含し、 ここで、該候補が存在しない場合と比較して、該候補が存在する場合の該キナ ーゼの活性の減少は、抗腫瘍剤として機能する該候補の能力を示す、方法。 9.腫瘍が、細胞増殖シグナル経路のインヒビターである薬物での処置に応答す るかどうかを予測する方法であって、該方法が、以下の工程: 該腫瘍の生検を得る工程; 該薬物の存在下で該生検の試験部分をインキュベートする工程、および該薬物 の非存在下で該生検のコントロール部分をインキュベートする工程; 該薬物の存在下でインキュベートされた部分、および該薬物の非存在下でイン キュベートされた部分におけるp34cdc2キナーゼの活性を測定する工程; 該部分のそれぞれにおいて、該p34cdc2キナーゼの活性を比較する工程; を包含し、 ここで、該薬物が存在しない場合とは対照的な、該薬物が存在する場合の該キ ナーゼの活性の減少は、該腫瘍が該薬物に応答することを示す、方法。 10.腫瘍が、薬物CAIまたはSKF96365に応答するかどうかを予測する方法であ って、該方法が、以下の工程: 該腫瘍の生検を得る工程; 該薬物の存在下で該生検の試験部分をインキュベートする工程、および該薬物 の非存在下で該生検のコントロールサンプルをインキュベートする工程; 該部分のそれぞれにおけるsrcキナーゼの活性を測定する工程; 該部分における該srcキナーゼの活性を比較する工程; を包含し、 ここで、該薬物が存在しない場合と比較したときの該薬物が存在する場合のキ ナーゼの活性の減少は、該腫瘍が該薬物に応答することを示す、方法。 11.標的細胞における細胞内シグナル経路との相互作用を介して細胞増殖を刺 激または阻害する候補薬物の能力について、該候補薬物をスクリーニングするた めの方法であって、ここで、該標的細胞がVL30レポーター発現系を含み、該方法 が以下の工程: 急激な条件下または長期的な条件下のいずれかで、該候補の存在下で該細胞の 試験サンプルをインキュベートする工程、および該候補の非存在下で該細胞のコ ントロールサンプルをインキュベートする工程; 該細胞を少なくとも1つのアゴニストで処理して、該細胞サンプルのそれぞれ においてVL30レポーター系によって仲介される発現を引き起こす工程; 該細胞サンプルのそれぞれにおいて、VL30レポーター系による仲介の際の発現 を測定する工程; 該細胞サンプルにおいて、該VL30レポーター系の発現を比較する工程; を包含し、 ここで、該候補が存在しない場合と比較したときの該候補が存在する場合の該 発現の増加は、該急激なまたは長期的な条件下での増殖を刺激する該候補の能力 を示し、そして該候補が存在しない場合と比較したときの該候補が存在する場合 の該発現の減少は、該急激なまたは長期的な条件下での増殖を阻害する該候補の 能力を示す、方法。 12.前記細胞が、前記VL30レーポーター系を含むように安定に改変されている 、請求項11に記載の方法。 13.前記長期的な条件が、本質的に、前記細胞をアゴニストで処理する前の4 〜24時間に、候補で該細胞を前処理する工程からなる、請求項11に記載の方法 。 14.該急激な条件が、本質的に、前記細胞を候補で処理し、同時に該細胞をア ゴニストで処理する工程からなる、請求項11に記載の方法。 15.前記VL30レポーター系がCAT遺伝子の産物を発現する、請求項11に記載 の方法。
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