【発明の詳細な説明】
テレビの生放送中に静止画像と動画像を挿入するための
システムおよび方法
関連出願の説明
この特許出願は、“APPARATUS AND METHOD OF INSERTING IMAGES INTO TELEVI
SION DISPLAIS”と称する1995年6月16日出願の米国暫定特許出願第60/000,279
号の利益を主張するものである。
発明の背景 1.発明の技術分野
オリジナル放送の一部分に現れるように、生放送映像画像内にリアルタイムで
動画像、静止画像及びその他の表示の挿入を容易にするシステムと方法である。2.関連技術の発明
本発明は、テレビの生放送中に画像を挿入するという課題に対する種々の従来
技術を越えた意義ある改良を示す。特に、従来の技術は、目印(landmarks)を素
早く検出したり追跡したり、現実的な方法においてテレビの生放送中に動画像ま
たは静止画像を挿入できないことに問題を有している。その上、多くの従来技術
は、並外れた計算や煩わしさを必要とし、目標を達成するためのコンピュータシ
ステムを複雑にする。
映像挿入についての初期の技術は、1985年9月3日にスパッコバ(Spackova)ら
に特許された“PREVIEWER”と称する米国特許第4,539,585号に開示されている。
その技術によれば、三角形の形状をかたどった人
為的な目印が一単位として位置される。挿入可能な画像上の一致する点に、人為
的な目印を裏張りすることによって、視野内に挿入する種々の異なるスーパーイ
ンポーズが可能となる。例えば、人為的な三角形の目印を用いて、人間のモデル
、多分予期される観客に、特定の衣服を着せてそれを試写できるように、実際に
種々の異なる衣服を配置することができる。人為的な目印の使用は、一定の前後
関係において許容されるが、背景が大きなスポーツアリーナのような場所では、
目印が見えるようにするにはそれを大きくなければならないので、インストール
が煩わしく、スポーツイベントの背景が不自然に見える。
同様の問題に対する他の技術は、カメラにXとYのセンサーを設けることであ
る。カメラが背景を横切ってパンすると、XとYのセンサーは、その位置とカメ
ラの動きを追跡する。この技術は、比較的小さな領域での適用に限られる。しか
しながら、視野がスポーツアリーナのようなものであれば、本来のエラー、ある
いは、XとYのセンサーにおける“ジッタ”が目立ち、容認できない挿入画像の
配置エラーが起こる。この“ジッタ”は、特にオクリュージョン処理中に問題と
なるものである。4/11/78にデビッド・W・クレイン(David W.Crain)に特許さ
れた米国特許第4,084,184号は、カメラ上にまたはその周辺に配置されたセンサ
によって得られたデータを用いて背景中にトラッキング画像を入れ込む初期の技
術を説明している。クレインにおいては、ジャイロコンパス、ポテンショメータ
、慣性ナビゲーション器具、傾斜計のようなセンサ手段が、カメラの傾斜角、口
径角というようなものに関する情報を作成するために用いられる。映像挿入シス
テムに関するXとYのエンコーダの使用もまた、日本国の特許の要約書“ピクチ
ャーシンセサイザー”VOL.15,NO.8(E-1042)1991年3月8日と、JP-A-02306782号
(アストロ デザインK.K.)1990年12月20日に開示されている。これもまた
、
XとYのセンサーは、以前にヨーロッパでテレビの生放送中に挿入の配置を補助
するために使用されていたと考えられている。
最近では、努力の結果、挿入目標領域内に自然に生ずる目印を確認するパター
ン認識技術が利用されている。挿入目標領域のエッジまたは周辺に自然な目印を
確認する改良されたパターン認識技術を利用する最も早期の努力の成果の1つは
、“TELEVISION DISPLAYS HAVING SELECTED INSERTED INDICIA”と称される1993
年11月23日にロサー(Rosser)らに特許された米国特許第5,264,933号に開示され
ている。米国特許第5,264,933号は、ロイ、J、ロサー(Roy J.Rosser)によって1
990年9月10日に出願された英国特許出願第9019770.8に関連する1990年2月14日
に出願された最初の暫定的な英国特許出願に基づく1991年2月13日に出願された
英国特許出願第9102995.5に基づくものである。米国特許5,264,933号は、ロゴま
たは他の表示、たとえば、生放送中のテニスコートを内部に位置する方法を詳細
に検討する。米国特許第5,264,933号では、目標ゾーンは、放送画像内に挿入可
能な画像を予め一定の形で表現するために選択される。目標ゾーンは、カメラに
よって捕らえられている背景の特徴が識別できるように表現された一定の目印に
関係する空間である。そのシステムは、常に目標ゾーン内の目印を探すだけでな
く、特許はまた目標ゾーンの外側の目印も使用できることを開示する。放送中プ
ロセッサによって確認される目印は、基準画像内に確認されるセットした基準目
印と比較される。十分な照合がなされた時、オペレータは画像を放送画像の予め
選択された目標ゾーンに挿入する。たとえば、フットボールゲームにおいて、目
標ゾーンはゴールポストの直立物間の空間上に存在させることができる。また、
野球ゲームにおいては、目標ゾーンは、ホームプレートの後ろの壁の1部分に存
在させることができる。その日までの従来技術の割合にあますところのない記述
は、米
国特許第5,264,933号 に示されるとと共に、そこに引用されている。さらに関連
のある参照文献のいくつかは、前述の特許、米国特許第3,731,188号、4,442,454
号、4,447,886号、4,523,230号、4,692,806号と4,698,843号に含まれる。
ロサー(Rosser)らの米国特許第5,264,933号は、他の物体との間において、テ
ニスコートの境界はどのようにして確認することができるのか、生放送中にコマ
ーシャルロゴを挿入するために目印をどのように使用するのかを記述する。目印
は、バートピラミッド(Burt Pyramid)の手段によって確認される。バートピラミ
ッド技術は、多くの特許中、たとえば米国特許第4,385,322号、4,674,125号、4,
692,806号、4,703,514号と、5,063,603号、同様に、コンピュータビジョン、グ
ラフィックスとイメージングプロセシング、21pp.368-382,1983年のピーター、
J、バー ト(Peter J.Burt)による“Fast Algorithms For Estimating Local Im
age Properties.”そして、ピーター、J、バート(Peter J Burt),スピー(SPIE
)、VOL,360,pp.114-124による“Pyramid-Based Extraction of Local Image Fea
tures with Application to Motion and Texture Analysis”に論述されている
。V.キャントニとS.リビアルディ(V.Cantoni and S.Levialdi)、NATO
ASIシリーズF,Vol.25,スプリンガーバーレグ、1986年の“Pyramidal Syst
ems for Computer Vision,”ロセンフィールド,エディター,スプリンガーバー
レグ(Rosenfeld,editor,Springer-Verlag)、1984年の“Multiresolution Image
Processing and Analysis”とP.J.バート(P.J.Burt)らによる“Object Tracking
With a Moving Camera:An Application of Dynamic Analysis”、アー ビン,
カルフォルニア,3月20-22,1989年の“Proceedings of the Workshop on Visua
lMotion”。バートピラミッドの技術は、以上に説明されており、そして公知の
10分の1を取り除く(dec
imate)画像の削除、低解像度、素早い位置選定と顕著な特色の確認を可能にし、
一般的に目印として参照される見解の技術を含む従来技術として知られている。
バートピラミッドは、いくつかの公知の従来技術の1つであり、テレビの生放送
の前後に挿入した画像の一部と置き換える目的のために画像内における目印の特
徴を認識するために使用できる。
ルーキット(Luquet)らの米国特許5,353,392号は、連続する画像において目標
ゾーンとして参照する同一ゾーンの修正を制限するシステムを開示する。したが
って、予め定められた目標領域への挿入動作が制限されることによってルーキッ
ト′392はロサー′933と称するものと同様の欠点のいくつかに悩まされて
いる。挿入された画像は、全体の画像内において決まった位置または目標位置に
つけられる。本発明は、この開示の中の“好適な実施例の詳細な説明”において
後で詳細に述べるが、特定の挿入または目標ゾーンの同一性とは無関係に実際上
全体の放送背景のどこかに画像を挿入することができる。
上述した米国特許第5,264,933号や米国特許第5,353,392号のような最近の先行
発明の多くの概念は、最新の画像の予め選択された領域、宣伝が存在する部分あ
るいは最新の画像内の目標ゾーンを置き換えることである。
発明者がミカエル ジェイ.トレイナー(Michael J.Traynar)及びイアン マク
ニール(Ian McNiel)で、英国,ニューバリーのクオンテルリミテッドに譲渡され
た、1995年4月21日に公表された、発明の名称が「VIDEO PROCESSING SYSTEM(
テレビ処理システム)」という米国特許第5,107,252号は、先行技術の方法と同
じであり、挿入エリア自身の複数の端部が、特に針(stylus)で特定され、これに
よりそのシーンに固定されるというものである。
発明者がケース ジェイムズ ハンナ(Keith James Hanna)及びピータ
ー ジェフリー バート(Peter Jeffery Burt)として挙げられ、1991年9月18日の
米国優先日で、1992年9月10日が国際出願日の、発明の名称が「VIDEO MERGING
EMPLOYING PATTERN-KEY INSERTION(余白部分を利用 してパターン−キーを挿入
するテレビ)」というPCT出願のPCT/US92/07498号には、指定された挿入エリ
ア内に少なくともいくつかの目印の内の特定されたものの方向に、第1に向けら
れるという他のシステムが記載されている。
ズーム補正やオクリュージョン処理が、オーラッド(ORAD),インコーポレイテ
ッドに譲渡されたPCT出願のPCT/US94/11527号に記載されている。これによれ
ば、システムセンサーは、カメラのズームレンズの周囲に置かれている。このセ
ンサーは、ズームレンズの回転を機械的に検出し、対応するズームファクターを
計算する。そして、このズームファクターは、挿入するサイズに補正してコンピ
ュータシステムに送られる。このタイプのシステムは、挿入される画像のサイズ
が受入れ難く、変動しやすいようになるエラーファクターを作り出すという、い
らいらする機械的欠点に煩わされる。本発明は、最新の画像内で目印の変化する
位置を決定することにより、また挿入される画像に対応するズームファクターを
自動的に適用することにより、このような不具合を解消する。本発明は、最新の
画像内の目印の位置を信頼して行なうものであり、内的衝動やいらいら感をおこ
させる外的ファクターによらないものである。このように不意の、望ましくない
カメラ動作あるいはレンズ移動は、ズームの調整計算に影響を及ぼすことはない
。
上述した点に関連し得る他の特許としては、下記するものがある。
4,528,589号;4,792,972号;4,817,175号;5,099,319号;5,142,576号;5,233,4
23号;5,309,174号;5,436,672号;及びPCT/GB90/00925号
前記′933は、挿入位置へのテレビ画像の挿入が開示されているが、上記先
行例は、概して、静的画像、つまり、動かない画像のテレビの生放送への挿入を
示唆している。したがって、特別の挿入の境界を識別できたりあるいは「目標」
エリアが重要となる。その使用形態が、テレビの生放送画面の中に、もし静的画
像を「目標ゾーン」以外の他のどこかに置くことを望んだり、あるいは動的画像
、つまり動くことができるものを挿入することを望むならば、一層困難となる。
挿入画像は、その画像が、シーンを横切って移動するようなシーンとか又はフレ
ームからフレームまで画像自身が変化するようなシーンのいずれか一方あるいは
その両者となるような動的なものである。画像としては、例えば、テレビの生放
送中に視野を横切って同時に動く、ドラムを叩いたり、兎のスーパーインポーズ
の困難性である。
理解する限りでは、本発明のように、現実的な手法でテレビの生放送中に静止
画像及び/又は動的画像を挿入する問題を効果的にかつ満足し得るように解決す
ることができた出願人は知られておらず、また上述した先行例のいずれにも開示
されていない。
発明の概要
簡単に述べれば、本発明は、リアルタイムベースによる現実的な方式で、テレ
ビの生放送中に静止画像及び動的画像を挿入するシステムと方法からなる。まず
最初に、システムのオペレータは、次に起こる発見や追跡にとって好ましいシー
ンの中に、ある自然な複数の目印を選択する。これら複数の目印の内のいずれか
が、この電子システムにより選択され、その後オペレータにより良いか悪いかが
判断される。多数のうちから生き残った、つまりバートピラミッド分析される認
定ステップ中に残留が認められた自然な目印が重要となる。これら目印は、カメ
ラがパン及び
ズームするときに写るシーン内で、シャープなもの、目立ったりクリアな垂直な
もの、水平なもの、斜めのものあるいは角張っているものといった特徴を有して
いることが好ましい。典型例としては、少なくとも3つあるいはそれ以上の自然
な目印が選択されることである。これら目印は、野球場あるいはフットボールス
タジアムのような全体的なシーンの隅から隅まで分配され、またある瞬間のカメ
ラ視野が、通常はパンされたフルシーンよりも十分に小さいと理解されるべきで
ある。これら目印は、この挿入部が置かれる目標ポイントあるいは目標エリアの
外側に往々にして位置されるが、これは、典型的には、この挿入エリアがあまり
にも小さく多数の関連する目印を含むことができなかったり、挿入画像が動的で
あるから、単一でも、静的な目標でもなくなるからである。
このシステムは、変形可能な2次元グリッド上に、複数の認定された自然な目
印を作る。任意の目立たないような参考の点が、シーンの中に選択される。この
基準点は、自然な目印とともに数学的に共動し、その挿入エリアを位置するよう
に往々にして使用される。複数の静的な挿入部の場合には、その挿入される点は
、その挿入が四角あるいは長方形であったり、基準点とともに一列に並ぶような
場合に、例えば、この挿入部の左下か右上の角に位置付けられる。挿入部の内の
いずれかは、基準点からある固定された距離で整列される。もし、挿入部が動的
なものであれば、前記基準点は、画面の隅から隅まで動的画像を動かす起点とし
て使用される。この場合には、動的画像の位置は、基準点に関して動的画像の距
離が増加的に変化するようにフレームからフレームまで変化する。静止画像ある
いは動的画像のいずれかの場合には、基準点がカメラ映像の外に位置されること
がまさに可能となる。実際上、基準点は、起点を含むグリッド上のどの点でもよ
い。
生のテレビ放送挿入処理の前に、システムのオペレータは、挿入すべ
き画像の準備をし、それを、例えば、形等が全体的に正しく見えるように調節す
る。これは、このシステムが画像の中の複数の目印間の数学的関係を知っている
からであり、挿入の前に挿入すべき画像に適用すべきズームファクタとX,Y位
置調整とを自動的に決定することができるからである。その後、カメラがズーム
イン及びズームアウトしたり、パンしてカメラ視野が変化したとき、挿入される
画像は、家庭の視聴者に自然に見えるように、視野内で他の特徴に対する釣り合
いや適当なスケールが保持される。視野が少なくとも3つの適当な目印を有する
限り、このシステムは、基準点に対して常に成立し得る。このため、従来のシス
テムの場合に起こり得る「ホップアップ(飛び上がる)」よりも、あるシーンか
らのパン及びあるシーンへのパンや、このシーン内で挿入画像が自然に見えるよ
うにすることを可能にする。本発明の好ましい実施の形態によれば、画像がある
シーン内に表れた後に、オペレータが、挿入画像を一対のXとYのボタンで上下
させたり、及び/又は挿入画像が置かれているバックグランドにより好ましくフ
ットさせるサイズ調整(例えばズーム)のように、さらに僅かに調整でつくるこ
とができる。このような調整は、そのイベント中あるいはその前に行なわれる。
このシステムは、挿入画像をある位置に簡単に置くことができる。これは、こ
のシステムが、他の多くのシステムが必要とする大きな演算力を要求されないか
らであり、また挿入画像が、他の従来のシステムのように「ホップアップ」する
ことなく、与えられたシーンを素早くかつ自然に表すからである。
本発明のこれら及び他の特徴は、下記図面を参照することにより一層理解され
るであろう。
図面の簡単な説明
図1は、野球場の同一範囲内でのカメラによる野球場の視野を写す生放送を示
している。
図2は、野球場の同一範囲内でのカメラによる野球場の視野を事前に写したも
のを示している。
図3は、カメラによる実況映像に重ねられた目印とX,Yグリッドを示してい
る。
図4は、本発明の優先的な具体例による映像挿入システムの主構成を示すブロ
ックダイアグラムである。
図5は、本発明の優先的な構造による映像挿入システムの詳細な図式ダイアグ
ラムである。
図6は、目印追跡ボード(LTB)のブロックダイアグラムである。
図7Aは、図2の数学的な目印モデルである。
図7Bは、図7A図の詳細部分を示す。
図8A〜Dは、図2に詳細に示された各レベルの半減による、十分の一縮小へ
の4段階を示す。
図9A〜Dは、二重重ねの目印例による視野の十分の一縮小の4段階であり、
各レベルの半減の分解である。
図10Aは、放送中に挿入可能なテニスコートの一つの場所を示す。
図10Bは、図10Aに示すテニスコート映像に挿入される、初期のロゴのさ
し絵(アートワーク)である。
図10Cは、放送中のテニスコートの背景へ合致させる、図10Aの歪ませた
画像を示す。
図10Dは、拡大ズームへ合致させる、図10Cの歪ませた画像を示す。
図10Eは、縮小ズームへ合致させる、図10Cの歪ませた画像を示す。
図11は、静止した放送映像にオクリュージョン無しに挿入する場所を示す。
図12は、静止した放送映像にオクリュージョンにて挿入する場所を示す。
図13は、静止した放送映像にオクリュージョン無しに拡大ズームの合わせ込
みをした挿入する場所を示す。
図14は、オクリュージョンにより補償された撮像内に挿入される静止した画
像の場所と、合わせ込みされた拡大ズームである。
図15は、動的な挿入ロゴを示し、左から右へ動くロゴを示す。
図16は、本システムの画像ハードウエアの実施に係る図式と本発明の実施例
による方法を示す。
好適な実施例の詳細な説明
ここでの説明においては、同じ番号を使って、本発明を示す異なる図面に係る
同じ要素を固定することにする。
1995年6月16日出願の米国暫定特許出願第60/000,279号の優先権に請求された
、挿入可能な映像は「目標範囲」もしくは出現する広告の確認を要することなく
様々な背景を撮像画像の範囲内に挿入できる。むしろ、数学的目標モデルおよび
連動したコーディネイトシステムが付加されたそれらは、装置操作者が現行映像
の範囲内に何等かの映像をピンポイントで挿入することを許している。
図1に示されるのは通常の野球の試合をしている野球場10である。標準のテ
レビカメラ12は見どころ映像の風景14を写し出している。カメラ12のパン
(pan)の範囲は野球場の大部分を含んでいる。残存範囲18はカメラの撮影
範囲の外側であり、パン範囲でない野球場の残り部分を含む。描かれているピッ
チャー20aはキャッチャー20c
へ投げているところを示す。バッター20bは野球ボール24を打つように立ち
、審判20dは動作の構えをしている。本発明によりもたらされる、広告や宣伝
ロゴは試合放送の最中のホームプレート背後の壁に現される。
生放送に映像を挿入するために、本発明は適切に挿入できる現在の画像を確認
しなければならない。本発明は予め定義付けられた目印を持つ場面に顕著な特徴
をなす目印マッピングを使う。目印は挿入した範囲の機能する位置において確定
したものではなく、挿入範囲に優先されない。特に、この目印は特別の挿入範囲
として目新しいものではない。むしろ、基準画像の特徴に指示され、目印は丁度
素晴らしい集まりかもしくは壁掛けを通した様に広がる。この同様な目印の組み
合わせは多数の異なった情景への挿入範囲が基準画像の範囲内で可能である。認
められる挿入範囲は、時には先行する技術の「目標ゾーン」を参照するが、それ
はしかし必須ではない。目印のタイプは一般には水平線、垂直線、対角線および
背景の角部の特徴を含む。図1においては、バックボード26の垂直の点線は、
垂直の特徴28を含み、バックボード26の上部と下部の水平の輪郭は水平の特
徴30を含む。角部の特徴32は垂直の特徴28の点を定義し、水平30を横切
る。しかしながら、パンニングの範囲全体は、情景の映像の外枠と対等であって
、特徴を包含する。
A.参照イメージの生成
挿入可能な画像が生放送に挿入可能となる前に、本発明は目印のタイプと配置
に関する情報を得る必要がある。これは野球場より得た画像の際立った特徴の目
印により基準画像の生成が成し遂げられる。図2において、予備的な野球場の情
景40は空の野球場を示している。カメラ12は図1と同様の空の野球場40を
描写している。バックボード26は垂直の目印42と水平の目印44および角部
の目印46を現す。かよう
に、図2は基準アレイ48の絵画的表現を含む。たとえ、この基準アレイ48が
絵画的表現によっても、目印の風景のデータテーブルやパンされた挿入画像を含
むタイプよりも現実に近い。
基準アレイ48が獲得されたあとに、その絵画的表現は分析される。その分析
はバートピラミッドアルゴリズムを用いることが前提となり、それは基準画像を
十分の一縮小に仝部で4段階にて成し(段階0−3を参照)、各段階は二分の一
ずつの分解能で減じていく。ここで図8のAからDを参照して、十分の一縮小の
4段階は分解能の程度により変化を現わす。段階0の画像144は240x72
0ピクセルの高分解能である。段階1の画像146は段階0の分解能の半分であ
り、すなわち、120x360ピクセルである。段階2の画像148は段階1の
画像146の半分の分解能であり、60x180ピクセルである。最後に、段階
3の画像150は、最も低い段階であり、比較的にきめの粗い特徴が確認でき、
残りの30x90ピクセルの分解能である。各レベルにおいて、分解能の変換の
みが行われる。基準画像48の大きさと尺度は異なった段階で変換されない。
変化する目印42,44,46の位置は、全ての段階の絵画的表現の基準アレ
イ48の範囲内でライトペン、トラックボール位置決め、もしくは他の類似の手
段にて決定される。基準アレイの際立った特徴は、それらのフットボール場のゴ
ールポストもしくは物理的な構造を示す絵画的表現の基準アレイ48、たとえば
ホームプレートの背後の壁であり、各段階での目印として装置操作者により用い
られる。目印はしばしばそれらの残りの十分の一縮小と段階3の認め得る残りよ
り選択される。各目印はX,Yに形付けられた配置にて割り当てられる。加えて
、各目印はタイプに割り当てられ、かような垂直線、水平線、対角線、もしくは
角である。各目印42,44,46の配置は次にコンピュータ装置に取
り込まれ、この取り込まれたデータは自身の基準アレイに据えられる。
図2を参照して、一つの目印42,44,46は確認されて配置とタイプに割
り当てられ、挿入範囲の基準配置49は操作者の使用するライトペン、トラック
ボール位置決め、もしくは他の類似の手段により選択される。特に、操作者は挿
入範囲の基準配置49の単一のX,Yに形作られた配置を選択する。この基準配
置49は中心位置、予定された挿入の右上位置、もしくはほかの挿入可能な画像
の適当な位置と一致する。この基準配置49は次にコンピュータ装置に取り込ま
れ、基準配置と目印配置の数学的な関係の機能と同じく挿入可能な画像の挿入を
容易にすることに用いられる。もちろん、基準配置は元のX,Y形付け装置と挿
入可能な画像に簡素化され、次に操作者により選択されたX,Y位置に挿入され
る。
B.挿入するロゴの準備
挿入する基準配置49は基準アレイ48の配置であって、そして関連するであ
ろう挿入可能な画像の位置が定義される。選択された目印42,44,46と基
準位置49は実時間の挿入過程に於いて優先される。さらには、その初期の基準
配置は放送中の操作者によって切り替えることができる。
一つの基準配置が確認され、その挿入可能な画像は、選択された基準配置49
における絵画的表現の基準アレイ48に配置される。次に、その歪められたその
ようなパターンサイズと形状、たとえば眺望、は基準配置49に合わせ込まれ、
それは予定された挿入範囲に好ましく合致する。その合わせ込まれた挿入可能な
画像は次に実時間挿入過程に用いられる。
放送に挿入する準備されたロゴは、図10Aより図10Eに示される。図10
Aにおいて、空のテニスコート160は基準画像を示している。
このコートに於いて、予定された挿入範囲162が示されている。たとえテニス
コートが長四角形の形状であっても、コートの端に近いカメラを通してみる情景
は、テレビには僅かに台形形状に現れる。そのため、その大切な挿入されるロゴ
は自然にその画像に僅かな台形に映される。図10Bに示されるのは元の形のロ
ゴのアートワーク164である。図10Cが示す歪められた形状のロゴ166は
、カメラ位置からの視点のために台形形状に表わされて合わせ込まれた後である
。図10Dと図10Eはそれぞれ歪められ、拡大もしくはズーム要素に合わせ込
まれた後のロゴである。そのロゴ168,170は、図10Dと図10Eに各々
示されるが、拡大もしくはズームのみに歪められる。このズーム歪みは、放送よ
り先に発生する形状歪みに対立するものとして、挿入する直前の放送中に発生す
る。
ある場面において、そのようなテニスの試合中に於いて、それはしばしばその
場面に適した望ましい位置に各々挿入される。これは快く歪められたX,Yグリ
ッドの測定と挿入に適宜に歪められることによって成し遂げられる。
C.生放送への挿入
一つの基準アレイ48が定義され、挿入範囲の基準点49は定義され、そして
アートワークは巧みに処理され(図10A〜E)、実時間の挿入過程は開始する
ことができる。
図3は二重重ねもしくは、図1に示されるカメラ12の撮像14に被さる画像
50である。グリッド52はバックボード26に被さる二重重ねである。目印4
2,44,46はバックボード26に被せることができる。現映像の全ての目印
42,44,46は全体のシステムより捜索され、本発明の捜索モードは適当な
挿入点や、広告もしくは宣伝ロゴの基準配置49に位置決めできる。本システム
は撮像に見出だされた、そ
れらの目印のみを用いている。
図4に示すのは本システムの中心の構成の総合的なシステムダイアグラム60
である。各撮像の映像信号62はフィルタと十分の一縮小過程64にて現在の映
像の画像は整形され、次に撮像画像は同一の上記の方法にて論議されて十分の一
縮小される。現在の映像画像の十分の一縮小画像は図9A〜Dにて描写され、そ
こにおいて段階0の画像152は高分解能で段階1の画像154に続き、段階2
の画像156、そして段階3の画像158はきめの粗い分解能を備える。十分の
一縮小された撮像映像は次に、目印捜索および3つの機能を持つ追跡ボード66
に送られる。第1の機能は目印のための十分の一縮小された撮像画像の捜索であ
る。第2の機能は各々の基準アレイにて全ての目印の位置を見付ける確認である
。第3の機能はいくつかの拡大もしくはズームの切り替えを含むカメラの動きの
追跡である。この目印追跡ボード66は輝度データ、拡大データ、水平位置デー
タ、そして垂直位置データを含むデータ信号68の発生と情報の収集をする。こ
のデータ信号68は次にオクリュージョン演算装置72に送られる。このオクリ
ュージョン演算装置72は、現在の映像画像がオクリュードされ、すなわち阻止
され、現在の画像での動きによる全体もしくは部分の範囲内で予定の範囲に挿入
するかどうか決定する。オクリュージョン演算装置72の結果は、挿入演算装置
76に送られるオクリュージョンデータ74を含む。現在の撮像画像62と挿入
可能な画像はオクリュージョン信号74が生み出した出力テレビ画像78と統合
される。
図5は、全処理のタイミングを示す生の映像挿入システムのブロックダイアグ
ラムである。現在のシステムは、生のテレビ映像放送の中にロゴの継ぎ目のない
挿入を達成するために8つのフィールドを必要とするが、処理装置速度の増加に
より、3つのフィールド程度の少ないフィー
ルドにおいて挿入することができる。NTSC TVシステムが使用されている
場合には、フレームごとに2つのフィールドと、テレビ映像の画像内に毎秒30
フレームとがある。このようにして、システムは、1秒ごとに60のフィールド
で操作されている。
フィールド1において、現在の映像信号は、コンバータ82によりアナログか
らデジタル形式に変換され、当該信号をy86およびuv88成分に分けるスプ
リッタ84に入力される。フィールドの画像の分離したyおよびuv成分は、画
像処理がなされている間同期された放送を保持するべく設計された一群の映像遅
延回路92に入力される。同時に、y成分86は、上述したようなフィールドの
画像を補正およびデシメート(10分の1を除く)にするフィルタおよびデシメ
ート(decimate)処理90に入力される。uおよびv画像もまた、フィルタ処理、
デシメート処理および後述されるようなさらなる処理が、選択的に、なされる。
フィールド2において、フィルタ処理およびデシメート処理された画像は、サ
ーチ、検査および追跡機能を果たす目印追跡ボード(LTB)に入力される。基
準画像に対する現在の画像の照度、倍率、水平変換および垂直変換のデータを含
む情報信号95が生成される。
フィールド3において、LTB94からの情報信号95は、一群の遅延回路9
6に入力される。フィールド2からのLTBのデータ信号95は、同時に、ワー
パ(warper)98に入力される。ワーパ98は、基準アレイに対して現在のフィ
ールドの画像の倍率や水平および垂直変換を調整するために、基準アレイの一部
分の絵描写を現在のフィールドの画像に歪ませる。歪ませられる部分は、予定さ
れる挿入の形状および位置に依存する。
フィールド4において、歪ませられた参照部分のフィルタ処理されたy,uお
よびv成分は、コンパレータ104により、現在のテレビ映像
の画像のフィルタ処理されたy,uおよびv成分と比較される。その結果は、現
在のフィールドの画像および歪ませられた参照部分間のy,uおよびv成分の変
化を反映した値を含んだ信号105となる。必要ならば、これらの変化は、それ
らを時間的に平均化若しくは集合、あるいは間隔をおいて平均化若しくは集合す
るために、さらに処理することができ、これにより、変化が滑らかにされ、オク
リュージョン処理装置の信頼性が高められる。
例えば、フィールド5において、平方根計算106は、現在のフィールドの画
像内で画素ずつ主成分における画素上の差分信号105において行われる。その
結果は、現在の画像にオクルードされるフィールドを設けるために、閾値と比較
される。閾値が規定された許容範囲内ならば、そのときは、いかなるオクルード
する対象も存在しないと考えられる。しかしながら、結果値が閾値を超えている
場合には、そのときはオクルードする対象が現在のフィールドの画像内に存在す
ると考えられる。フィールド6において、閾値比較の結果はフィルタ処理され、
オクリュージョンマスク108が生成される。このマスクは、与えられた画素の
挿入値か現在のフィールド値かのどちらを放送するかを決定するであろうオクリ
ュージョンマスクキーを生み出す。フィールド6において同時に、ワーパ97は
、遅延化されたLTBデータ信号95を受け、現在のフィールドの画像の倍率や
水平および垂直変換を調整しつつ挿入されるように、ロゴを歪ませるために使用
される。グリッドがゆがめられた場合には、挿入のためにロゴを歪ませるときに
ゆがみ(distortion)を含ませる必要がある。
フィールド7において、歪ませられたロゴ99、オクリュージョンマスクキー
、および遅延化されたy86およびuv88である現在のフィールドの画像成分
は、結合器110に入力される。結合器110は、マ
スクキーに依存して放送するために、挿入画像99か現在のフィールドの画像成
分y86およびuv88が通過する。
フィールド8において、結果y112およびuv114信号成分は結合され、
一つのデジタル映像信号に戻る。デジタル信号は、コンバータ118により生放
送されるに先立って、それから変換されてアナログ形式に戻る。
D.サーチ
ここで図6を参照すれば、サーチモード124にあるときは、処理は、例えば
明から暗への変化、水平方向あるいは垂直方向の特徴のような、特に粗い特徴用
に行われるレベル0〜3の画像158で、しばしば開始する。サーチを実施する
ための好ましいモードは、バートピラミッド・アルゴリズムによる。バートピラ
ミッド・アルゴリズムは、現在の画像14のデシメートレベル152,154,
156,158を利用するものであって、低解像レベルでは高解像レベルのサー
チに比較して特別な特徴を認識するためにサーチすべき画素はより少ないので、
目印42,44,46の迅速な認識のための低解像レベルの速いサーチを可能と
する。サーチの特徴または目印が発見されると、粗い特徴の位置を検査すべく、
同じ若しくは他の特徴のための付加的なサーチが、レベル3のサーチで確認され
る画像のエリアにおけるより高いレベルで類似した特徴をサーチすることによっ
て行われる。
図3に戻って参照すれば、レベル3のサーチは、8×8のテンプレートを使用
しながら行われ、例えば15×15の相関関係のある表面を生成する。各8×8
のテンプレートは、例えば垂直ライン、水平ライン若しくはコーナーなどの特別
な特徴に適合されている。サーチ機能は、目印42,44,46を確認し、Xお
よびY方向(Tx,Ty)とズーム(k)の変換の評価に戻り、今度は、基準画
像48における目印42,
44,46の位置と比較して、現在の画像14における目印42,44,46の
現在の位置および方向を決定するために用いられる。サーチモード124が成功
すれば、それから検査モードに入る。特徴が大きいか、あるいはサーチが低レベ
ルのデシメーションで実行されるならば、8×8よりもっと大きいサーチテンプ
レートを使用するのが望ましい。
E.検査
サーチモード124がプリセット数の“良”目印を生み出すと、サーチモード
124から検査モード126への移行がなされる。“良”目印は、基準画像で生
み出される相関値の固定範囲内で、相関値を有しており、予め決定された連続性
およびラインのチェックを満足している。垂直ラインである目印42の相関関係
は、3つの連続した相関関係が相互の限られた範囲内の値を有することを確かめ
るようにチェックされ、表面は、位置ラインの右および左に対しその位置にライ
ンがないことを検出するようにチェックされるであろう。
検査は、3フィールドまでに対し、レベル0またはレベル1で実施される。成
功した検査がなされない場合には、それからシステムはサーチモード124に戻
る。検査の規準に合っている場合には、挿入可能な画像の挿入が行われる。しか
しながら、所定の規準に合わず、また、良目印がプリセット値を超えていなけれ
ば、いかなる挿入も行われない。加えて、2つ以上の目印が垂直でなければなら
ず、これにより、良好なズーム計算が保証される。さらに、全目印のうちの一部
分は“良質の”目印でなければならない。
良質の目印は、現在の目印、すなわち現在の画像における目印間の距離の関数
として決定される予め決められた値より大きい距離エラーの重みを有するように
定義され、ここにおいて、前の目印から現在の目印が予測されるであろう。図7
Aを参照すれば、目印モデル140は、各フ
ィールドの目印42,44,46により形成されるモデルである。第1の目印モ
デルは、図2の基準画像48の目印42,44,46により設けられる。
目印モデル140は、目印42,44,46間の幾何学的関係を決定すること
により形成される。こうして、サーチモデル124の間、現在のフィールドの画
像14についての目印42,44,46は、基準画像48から現在のフィールド
の画像14への変換およびズーム変更を決定するために、基準画像48において
生み出される目印モデル140と比較される。次のフィールドにおいて、目印4
2,44,46は、再び配置され、各々の現在の目印の位置は、前のフィールド
から目印モデル140に基づいて予測される位置と比較される。現在のフィール
ドの画像14の目印42,44,46は、前の目印モデル140に、最小四角形
フィット(a least squares fit)を使用して適合される。この前の目印モデル
140との比較は、各々の現在の目印42,44,46の位置に割り当てられた
重みを生み出す。各々の現在の目印42,44,46の位置に割り当てられた重
みは、現在の目印42,44,46についての新しい目印モデル140の計算に
使用される。最終検査規準は、いかなる欠落した目印もあってはならず、あるい
は、目印が欠落している場合はオクルードされなければならないということであ
る。さらには、サーチの結果が十分正確ならば、検査ステップは除かれるであろ
う。
F.追跡
検査規準が満足されるとき、プログラムは追跡モード128に入る。検査モー
ド126における挿入およびオクリュージョンに従って、システムは追跡モード
128に入り、カメラ12がどのように動いているかを示す。システムは、目印
42,44,46の動きをモニターすることにより、現在のフィールドの画像1
4からカメラ12の動作上の情報を
得る。追跡機能は、現在のレベル0の画像152または現在のレベル1の画像1
54にて、果たされる。上述したように、各フィールドの目印42,44,46
は、目印モデル140として、ひとまとめにして参照される。特定のシーンでカ
メラ12が向けられる連続した画像において、各々の次のフィールドは、前のフ
ィールドに実質上類似している。このように、追跡モード128においては、各
目印42,44,46の位置の伸延されたフィールド内における適合したテンプ
レートを使用する画素サーチによる画素は、前のフィールドの目印モデル140
により予測されるように、シーンの位置において増大した変化を決定する。
追跡モード128にあるとき、例えばレベル0〜3のデシメートされた画像1
52,154,156,158が続いて各フィールドについて生み出されるが、
いかなるサーチ機能も行われない。追跡を行うために存在しなければならない目
印の数における選択可能な制限がある間は、ズーム方向(垂直)における2より
大きい目印と、少なくとも1つの別の(例えば水平)方向における他の目印とが
なければならない。しかしながら、ズーム大きさが3つのフレームのみについて
失われる場合には、システムは、少なくとも1つの目印があるなら作動し続ける
であろう。追跡機能は、ラプラス(LaPlacian)よりむしろガウス(Gaussian)
のデシメートがなされた画像を使用しており、S/N比を改良し、貴重な低周波
数の情報を保護する。追跡規準に合っていない場合には、サーチモード124に
戻る。
G.オクルージョン
まさに挿入の前に、システムは、挿入範囲の中に挿入されるパターンでオクリ
ュージョン動作を行う。オクリュージョンは、挿入範囲をある程度オクルードす
る実際の現在のフィールドにおける障害の原因となる。現実的に現在の画像14
に吸収されるリアルタイム挿入を行うため、挿
入範囲内の障害が確認されなければならず、保留されるいくつかの場合において
、障害上に挿入可能な画像を挿入しないように、挿入が調整されなければならな
い。
まず、フィルタ処理された基準アレイの一部分の絵描写が生成される。このフ
ィルタ処理された描写を生成するために、基準画像はフィルタ処理されて高周波
成分に変えられる。基準アレイの低解像度描写は、スタジアム内の挿入位置にき
わめて近接して位置される照度を感受するセンサにより、明度について規則的に
新しくされる。これは、現在のフィールドの画像14に、絵描写の明度を合わせ
るために行われる。その結果は、コンピュータシステムに格納される。各々の現
在のフィールドの画像14もまた、フィルタ処理され、現在のフィールドの画像
14のより低解像度の描写を放棄する高周波成分に変わる。基準アレイ48のフ
ィルタ処理は、現在の画像14のフィルタ処理よりもしばしば大きい。
挿入画像をオクルードする対象は現実の物理的な対象であるので、一般に、そ
れらは1つの画素より大きく、1つより多いフレームに現れるであろう。それゆ
え、オクリュージョン処理の正確性およびノイズは、オクルードする画素をグル
ープに集めることにより、また、継続的にフィールドからフィールドにそれらの
動作を追跡することにより、付加的に改善され得る。このように、特別な画素が
オクルードする集合体か否かについて良好な判定を行うことができる。
現在の画像14の位置、サイズおよび照度の関数として、基準アレイ48の低
解像度描写の一部分は、照度と同様に、前に示したように、変換(位置)および
ズーム(サイズ)に関して調整される。基準アレイ48の変形された低解像度描
写は、それから、画素ずつ主成分において、基準画像48内の障害を確認するた
めに、現在の画像14の低解像度描写と比較される。ここで、参照および現在の
画像における画素は1対1
の比を有している。比較の結果としてそれから、挿入中に挿入可能な画像に適用
され得る透明機能またはマスクキーが決定され、当然に、挿入範囲内に存在し、
こうしてある画素の現在の画像14への挿入に影響する障害の原因となる。
H.挿入
挿入動作は次のように行われる。先に説明したように、挿入範囲は、予め選択
された基準位置49に対して数学的関係を有している。基準位置49は、今度は
、基準画像48内に定義される目印モデル140と数学的関係を有している。つ
まり挿入範囲の基準位置49は、目印モデル140に関して相対的な位置を有し
ている。上記したように、基準画像48と比較される現在の画像14における目
印42,44,46の変換およびズームにおける変化を決定することにより、挿
入範囲の変換およびズームにおける一致した変化は、基準位置49の関数として
決定され得る。このように、基準位置49のXおよびYの変換が計算され、ズー
ム機能は格納された挿入可能な画像に適用され、そして、挿入可能な画像は、挿
入可能な画像を位置決めするために基準点として挿入範囲の基準位置49を使用
して、画素ずつ主成分上で現在の画像14の挿入範囲の中に挿入される。
図11は、テレビ観者により見られる現在のフィールドの画像172を示す。
挿入174は、ホームプレートの後方の背壁上に現れる。この例は、ゲームの現
在の動作によりオクルードされていない静的挿入174を示す。さらに、この例
の増幅率はk=1であるか、あるいは基準からのズームの変化はない。
図12は、テレビを観る者により見られる現在のフィールドの画像176を示
す。挿入178は、ホームプレートの後方の背壁上に部分的に遮られて現れる。
この例は、ゲームの現在の動作によりオクルードされ
ている静的挿入174を示す。システムは、シーンの背景にロゴを保持する。こ
の例の増幅率もまた、k=1であるか、あるいはズームの変化はない。
図13は、テレビ観者により見られる現在のフィールドの画像180を示す。
挿入182は、ホームプレートの後方の背壁上に現れる。この例は、ゲームの現
在の動作によりオクルードされていない静的挿入182を示す。しかし、このと
きの増幅率は、k>1の増幅率である。
図14は、テレビ観者により見られる現在のフィールドの画像184を示す。
挿入186は、ホームプレートの後方の背壁上に部分的に遮られて現れる。この
例は、ゲームの現在の動作によりオクルードされている静的挿入186を示す。
システムは、シーンの背景にロゴを保持する。この例の増幅率もまた、k>1で
ある。
図15は、テレビ観者により見られる現在のフィールドの画像188を示す。
歩いている兎の挿入画像190は、各々の連続するフィールドにおいてスクリー
ンを横切って水平に移動しているように見える。付加的に、兎自身は、腕と足が
各々のフィールドにおいて動いているということで形状を変化させている。この
例は、本発明の動的挿入の能力を示している。挿入190の位置および形状は、
原則リアルタイムでオペレータによってフィールドからフィールドへ変えられる
か、あるいは予めプログラムされた順序、若しくはテレビ映像によって自動的に
変えられる。
図16は、本発明の好適な実施例のシステムのハードウェアの提供と方法を概
略図示したものである。
上述したシステムは、従来技術のシステムに対し多くの重要な利点を有してい
る。
第1に、本発明は、現在のシーン内に特別に存在している広告や“目
標フィールド”を認めなければならないことはなく、挿入可能な画像を、生のテ
レビ映像放送の中に、直接継ぎ目なく位置させることができる。それゆえに、挿
入可能な画像は、放送中に自然に継ぎ目なく現れ、現在の視野内において人目を
引いて急に起こることはない。
第2に、システムは、生のテレビ映像放送中に、動いている挿入可能な画像を
容易に挿入することができる。さらに、システムは、挿入可能な画像を、現在の
シーン内で2つの異なる方向に動かすことができる。まず、挿入は、全体として
、現在のシーン内でその位置を変えることができる。次に、挿入可能な画像自身
は、フィールドからフィールドへその形状を変化させることができる。このよう
に、本発明によれば、生のテレビ映像放送の中での動的画像の挿入を直ちにサポ
ートすることができる。
第3に、システムは、外部から感覚上の入力をしないで、自動的に挿入可能な
画像のズーム率を調整する。ズーム調整は、現在のシーン内の対象の空間的な関
係に基づいて計算され、カメラ自身の検知される物理的調整やカメラ上に設けら
れた非反復的なセンサには基づかない。それゆえに、本発明は、欲しないカメラ
の動きのための性能低下の影響を受けにくい。
第4に、システムは、挿入可能な画像およびその挿入の位置は“びん詰めされ
た”プロセスによって実行される必要はなく、原則的にリアルタイムで動作され
る。システムのオペレータは、現実の放送中に、現在のシーン内で、挿入の位置
を実質上任意に選ぶことができる。例えば、スタジアムの特定のセクションが他
とくらべてファンがいないならば、オペレータは、からっぽの座席の上に画像を
挿入することができる。このように、システムのオペレータは、従来利用できる
と知られていなかった空間を生の放送に使用することができる。
今まで本発明をその好適な実施例を参照して説明してきたが、当業者であれば
、全体として本発明の精神や範囲から逸脱しなければ本システムの個々の部分の
構造や機能にさまざまな変更を加え得ることはわかるであろう。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
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DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK
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MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R
U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR
,TT,UA,UG,UZ,VN
(72)発明者 ファント,カール
アメリカ合衆国,ミネアポリス州 55414,
ミネアポリス,フランクリン アベニュー
エス.イー. 1916