JPH11506313A - Cd6リガンド - Google Patents

Cd6リガンド

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JPH11506313A JP8533425A JP53342596A JPH11506313A JP H11506313 A JPH11506313 A JP H11506313A JP 8533425 A JP8533425 A JP 8533425A JP 53342596 A JP53342596 A JP 53342596A JP H11506313 A JPH11506313 A JP H11506313A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、一般的には、CD6に関し、特に、胸腺上皮細胞、単球、活性化T細胞及び他の様々な種類の細胞の表面上に存在するCD6リガンドに関する。更に、本発明は、CD6とそのCD6リガンドの相互作用を阻害する方法及び化合物の中からその相互作用の阻害能をスクリーニングする方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 CD6リガンド 本発明は、政府の支持により、国立衛生研究所からの補助金(交付番号CA− 28936及びAI−07217)を基礎に行われた。政府がこの発明に対して 権利を有する。 本件出願は、1993年11月2日に出願の出願番号大08/143,903号の一部継続出願 であり、その内容の全てを参考として本明細書に引用する。 発明の分野 本発明は、一般的にCD6に関し、特に胸腺上皮細胞、単球、活性T細胞及び 他の様々な種類の細胞の表面に存在するCD6リガンドに関する。本発明はまた 、CD6リガンドをコードする核酸配列及びこれを含むベクターと宿主細胞に関 する。更に、本発明は、CD6とそのCD6リガンドの相互作用を阻害する方法 及び化合物の中からその相互作用の阻害能をスクリーニングする方法に関する。 背景 CD6は、CD5及びマクロファージスカベンジャーレセプターに類似の13 0kDa糖タンパク質である(Aruffoら、J.Exp.Med.174:949(1991))。 CD6は、成熟胸腺細胞、末梢T細胞及びB細胞サブセットの表面上に発現され る(Kamounら、J.Immunol.127:987(1981))。CD6は、CD6に対するモノ クローナル抗体(mab)がT細胞のT細胞レセプター(TCR)仲介による活 性化を増加させるので、T細胞活性化に関係すると考えられ(Gangemiら、J.Imm unol.143:2439(1989))、そのCD6分子はTCR仲介T細胞の引き金となる間 にチロシンリン酸化される(Weeら、J.Exp.Med.177:219(1993))。CD6に対 するMabは、同種異系骨髄移植の場合のT細胞欠損に臨床上有効であることが 示された(Soifferら、J.Clin.Oncol.10:1191(1992)。 T細胞表面抗原に対するmabのパネルの中から胸腺細胞のヒト胸腺上皮細胞 (TEC)への結合阻害能をスクリーニングすることにより得られた結果から、 CD6が胸腺細胞のTECへの結合に関係することが示唆された(Vollgerら, J.Immunol.138:358(1987))。本発明は、その結合に関係したCD6のリガン ド及び該リガンドをコードする核酸配列に関する。 本発明の目的及び要約 本発明の一般的な目的は、CD6リガンドを提供することである。 本発明の具体的な目的は、単離した形のCD6リガンド及び該リガンドをコー ドする核酸配列を提供することである。 更に、本発明の目的は、CD6のCD6リガンドへの結合を阻害する方法を提 供することである。 更にまた、本発明の目的は、化合物の中からCD6/CD6リガンド結合阻害 能をスクリーニングする方法を提供することである。 一実施態様においては、本発明は、単離したCD6リガンドに関し、その形態 としては2価カチオン依存性及び2価カチオン非依存性の双方が含まれる。更に 、本発明は、そのようなリガンドのミメトープに関する。 他の実施態様においては、本発明はCD6リガンドをコードする核酸配列及び これを含むベクター及び宿主細胞に関する。また、本発明は、CD6リガンドま たはその一部を製造する方法に関し、該方法はCD6リガンドコード配列または その一部を含む宿主細胞を該配列が発現されるような条件下において培養し、C D6またはその一部を生産することを含む。 他の実施態様においては、本発明は、第2細胞の表面上に存在するCD6リガ ンドへの、第1細胞の表面上に存在するCD6の結合を阻害する方法に関する。 本方法は、該第1細胞の表面上に存在する該CD6と可溶性CD6リガンド又は そのミメトープとを、該可溶性CD6リガンド又はそのミメトープが該第1細胞 の表面上に存在する該CD6に結合し、もって、該第2細胞の表面上に存在する 該CD6リガンドの該第1細胞の表面上に存在する該CD6への結合を阻害する ような条件下に接触させる工程を含む。また、本方法は、該第2細胞の表面上に 存在する該CD6リガンドと可溶性CD6又はそのミメトープとを、該可溶性C D6又はそのミメトープが該第2細胞の表面上に存在する該CD6リガンドに結 合し、もって、該第1細胞の表面上に存在する該CD6の該第2細胞の表面上に 存在する該CD6リガンドへの結合を阻害するような条件下に接触させる工程 を含む。 他の実施態様においては、本発明は、試験化合物の中からCD6のCD6リガ ンドへの結合阻害能をスクリーニングする方法に関する。本方法は、i)該試験 化合物とCD6及びCD6リガンドの一方とを、該試験化合物と該CD6又はC D6リガンド間に複合体が形成することができるような条件下に接触させる工程 、ii)工程(i)から得られたCD6又はCD6リガンドと試験化合物の組合わ せとCD6とCD6リガンドのもう一方とを、該CD6と該CD6リガンド間に 複合化が生じることができるような条件下に接触させる工程、及びiii)該CD6 と該CD6リガンド間の複合化の程度を求め、もって、該試験化合物について該 CD6の該CD6リガンドへの結合阻害能を求める工程を含む。 本発明の他の目的及び利点は、下記の説明から明らかになるであろう。 図面の簡単な説明 図1. CD6−Ig(=CD6−Rg)の胸腺上皮細胞(TEC)への結合 に関する2価カチオンの影響。TECを2%BSA、トリス−HCl緩衝化食塩 水(TBS)及び5mMCaCl2、5mMMgCl2又は5mMMnCl2のいずれか を含有するバッファー中5μgのCD6−Ig又はCD5−Igとインキュベー トし、間接免疫蛍光及びフローサイトメトリーにより分析した。種々のバッファ ー中のCD6−Igの相対結合が示されている。相対結合は、TBS中の特異結 合に対する試料バッファー中のCD6−Ig(CD6−Igの蛍光−CD5−I gの蛍光)の特異結合の比率として求めた。3回の実験の代表が示されている( TBS+Mgは1回だけ行った)。CaCl2とMnCl2は共に、CD6−Ig のTECへの結合を顕著に高めることができた(p≦0.1)。 図2. CD6−IgのTECへの結合は、Mn++により高められる。TEC を2%BSA、TBS及び種々の濃度のMnCl2を含有するバッファー中5μg のCD6−Ig又はCD5−Igとインキュベートし、間接免疫蛍光及びフロー サイトメトリーにより分析した。グラフは、種々の量のMnCl2を含有するバ ッファー中のCD6−Igの相対結合を示すものである。3回の個々の実験の代 表が示されている。 図3. TECへの結合は、CD6をCOS細胞中で発現することにより高め られる。CD6を安定な方法で発現するCOS細胞(COS−CD6D)又は対 照COS細胞(COS−Neo)をカルセイン−AM標識TECと1:5の比で 4℃において60分間インキュベートした。光学顕微鏡と蛍光顕微鏡の組合わせ を用いて結合を検出した。3以上の結合TECを含むCOS細胞%である結合を 求めた。CD6をCOS細胞中で発現すると、COS細胞のTECへの結合が高 められ、この結合は抗CD6抗体によって阻害された。 図4. モノクローナル抗体J4−81は、ヒトCD6−Ig融合タンパク質 のヒトTECへの結合を阻害する。ヒト白血球分化抗原に関する第5回国際研究 会からの470mabの結合パネル及び抗インテグリンmabのパネルの中から TE細胞に対する反応性をスクリーニングした。TE細胞と反応した154ma bのうち126を、CD6−IgのTE細胞への結合を阻害する分析に用いた。 TE細胞と反応し、かつこの実験に用いた研究会のmabは次のものであった: A008、A014、A023−4、A036−7、A044、A047−9、 A063、A065、A070、A074、A080、A090、A092、 A107、A110、A113、A124、A132、A139、A141、A 145、B002、B003、B005−6、B011−2、B014、B01 9、B025、B027−9、B031、B046、B049、B052、B0 55−7、B059、B068、CB10、CB22、CB27、E001、E 015、E031、E045、E050、E053−4、E056−7、M01 −2、M09、M14−5、M25、M32、M35−8、M43−4、MR1 、MR4、MR6、MR9、MR12、MR14、XB001、NK32、P0 05、P012、P023、P036、P044、P098、P107−8、S 009、S013、S023−4、S031、S075、S107、S188、 S201、S241、S245、S252、S263、S271、S273−4 、5T−015、5T−076、5T−080、5T−084、CD24.3、 CD40.2、CD73.1、CD74.1及びCD77.1。使用した抗インテグ リンmabは次のものであった:TS2/7、P1H6、12F1、P1B5、 P4G9、B5610、P3010、EA−1−6、135−13C、P502 、P309、K20、β4、P3G8、P3G2、P1H12及びTS2/16 。 細胞をmabと1:100の希釈度で4℃において15分間インキュベートし、 次に、5μgのCD5−Ig或いはCD6−Igとインキュベートした。細胞を 洗浄し、ヒトIgGのFc部分に特異的なフルオレセイン複合抗血清との反応及 びフローサイトメトリーにより検出した。CD6−Ig結合とCD5−Ig結合 の蛍光の差である特異結合を求めた。対照mab(P3)と比べた結合が示され ている。4つの例は、ヤギ抗ヒトIgG−Fcが試験mabと交差反応したもの である(A024、B049、5T−084及びCD73.1)。mabJ4− 81(S252)はCD6−Ig結合を56±5%だけ阻害した(N=2)。 図5. mabJ4−81は、培養したTECの全ての表面と強く反応する。 培養したTECをmabJ4−81(ヒト白血球分化抗原に関する第5回国際研 究会からのS252)及び対照mab(P3)と4℃で30分間インキュベート した。2%BSAを含有するPBSで洗浄した後、フルオレセイン複合ヤギ抗マ ウスIgGとの反応、次にフローサイトメトリーにより結合した抗体を検出した 。対照mab(P3)及びCD6リガンドに対するmab(J4−81)の蛍光 プロファイルが示されている。 図6. CD6及びそのリガンドの生後のヒト胸腺中での発現。凍結ヒト胸腺 切片(4μm)中CD6及びそのリガンドを、各々mabT12及びS252( J4−81)を用いて間接免疫蛍光により標識した。パネル1はT12に対する 反応性パターンを示すものであり、パネル2はmabJ4−81に対する反応性 パターンを示すものである。少なくとも3種類の異なる胸腺組織が同様の結果で 分析された。CD6は、髄質(med)中の胸腺細胞上に発現されかつ皮質(c tx)中の胸腺細胞上に中程度に発現された。mabJ4−81は、髄質胸腺上 皮細胞及びハッサル小体(HB)を検出した。 図7. CD6−Igによる代謝的に標識したTECからの放射性標識糖タン パク質の免疫沈降。細胞を6−3H−グルコサミンで48時間標識し、溶解し、溶 解物をCD6−Ig及び対照としてCTLA4−Igで免疫沈降した。TEC溶 解物のCD6−Ig免疫沈降は、15mMEDTAを含めて及び含めずに行った。 105kDa分子及び35kDa分子のCD6−Igによる免疫沈降は2価カチ オン非依存性であり、90kDa分子のCD6−Igによる免疫沈降は2価カチ オン依存性であった。 図8. CD6−Rg(=CD6−Ig)は、多数のヒト由来細胞系へ結合す る。CD6−Rg(実線)及びCD5−Rg(破線)の多数のヒト細胞系への結 合をフローサイトメトリーにより調べた。細胞系を、CD6−Rgの結合能に基 づいて高結合、低結合及び非結合の3種類に分類した。細胞をこれらの3種類に 分類するために用いられる結合%は、蛍光強度がイソタイプ適合CD5−Rg融 合タンパク質で染色した細胞より大きい細胞数に基づく(縦の一点鎖線)。試験 したヒト細胞系は次のものであった:(a)HBL−100、(b)H3719 、(c)H3606、(d)LCL8664、(e)GM0833、(f)IM R90、(g)Jurkat、(h)Peer、(i)HUT78、(j)HPB −ALL、(k)JM、(l)H9、(m)LTR228及び(n)Raji。 全104細胞を各実験で分析した。 図9. CD6−Rg結合は飽和性及びトリプシン感受性である。(A)増加 濃度のCD6−Rg及びCD5−Rgの乳がん腫細胞系HBL−100への結合 をフローサイトメトリーで調べた。結合%(縦軸)を図8に記載されたように求 めた。全104細胞を各タンパク質濃度で調べた。(B)CD6−Rgのトリプ シン処理HBL−100細胞への結合を、CD6−Rg及びCD5−Rgの未処 理HBL−100細胞への結合とフローサイトメトリーで比較した。この図は、 3回実験のうちの代表の結果を示すものである。トリプシン消化物は記載された ように行った。 図10. CD6−Rg結合は2価カチオン依存性である。EDTA(+ED TA、点線)の存在下CD6−RgのHBL−100細胞への結合をCD6−R g(一点鎖線)及びCD5−Rg(破線)の結合とフローサイトメトリーで比較 した。CD6−RgのHBL−100細胞への結合に関するEDTAの影響を調 べた後に、CD6−Rg/HBL−100複合体を形成した(+EDTA、実線 )。全104細胞を各実験で調べた。 図11. CD6−Rg結合は抗CD6mAbで遮断される。2種類の異なっ た抗CD6mAb(MBG6及びG3−6)及び不適当なIgMmAbについて CD6−RgのHBL−100細胞への結合能をフローサイトメトリーで調べた 。 各々の場合において、連続希釈の抗体を試験した。 図12. CD6−Rg結合はサイトカインによりモデュレートされる。CD 6−Rg(実線)及びCD5−Rg(破線)の未処理HBL−100細胞又は指 定したサイトカインで処理したHBL−100細胞への結合をフローサイトメト リーで試験した。CD6−Rg結合後の蛍光強度が任意のマーカー(一点鎖線) の右の方にあるHBL−100細胞%は各パネルに記されている。(A)及び( B)欄に示されたデータは、2種類の異なる実験を表している。 図13. CD6−Rg結合タンパク質の免疫沈降。HBL−100細胞を[3 H]グルコサミンで放射能標識した。細胞溶解物からEDTAの不在下にCD6− RgCTLA4−Ig或いは抗EGFレセプターmAbと反応性のあるタンパク 質を免疫沈降させ、SDS−PAGEで分析した。矢印は、EDTAの不在下に CD6−Rgに結合した2つの放射能標識ポリペプチドを示す。分子量はkDa で示されている。 図14. CD6−Rgはリンパ系器官において細胞に結合する。(A)皮膚 に結合するCD6−Rg。真皮中に散在する細胞が標識されている。毛幹の非特 異的標識は矢印で示されている。(B)ヒトIgG1と連続皮膚切片との反応性 。毛幹の弱い標識のみ明らかである(矢印)。(C)CD6−Rgと胸腺組織と の反応性。微細な網目状の標識パターンが皮質内に存在している。(D)ヒトI gG1と胸腺組織との反応性。わずかなバックグラウンド標識だけが検出された 。(E)CD6−Rgとリンパ節との反応性。中間又は皮質傍洞の細胞が標識さ れた。(F)ヒトIgG1のリンパ節組織への結合は観察されなかった。 図15. ヒト表皮ケラチン細胞はCD6の表面リガンドを発現する。培養し た表皮ケラチン細胞とCD6−Rg、CD5−Rg又はELAM1−Rgとの反 応性が示されている。細胞を5μgの融合タンパク質と2%BSAを含有するP BS中でインキュベートし、洗浄した。その融合タンパク質をヒトIgGに対す るフルオレセイン複合ヤギ抗血清で標識し、フローサイトメトリーで分析した。 図16. CD6−CD6リガンド相互作用は、TE−胸腺細胞結合を仲介す る。5回の個々のTE−胸腺細胞結合実験の纏めが示されている。パネルAは特 異抗体の存在下のロゼット形成量を示し、パネルBは融合タンパク質存在下のロ ゼット形成量を示す。標準誤差は棒線で示されている。抗CD6抗体及びCD6 −Rg融合タンパク質は共にTE−胸腺細胞結合を部分的に阻害し、T12はロ ゼット形成を49±9%だけ阻害し、CD6−Rgはロゼット形成を35±9% だけ阻害した。対照と35.1(p<0.003)、T12(p<0.015)と CD6−Rg(p<0.05)間の結合の差は統計的に有意であった。 図17. COS−CD6のTE細胞への結合は、CD6特異的である。 mAbT12による間接免疫蛍光及びフローサイトメトリーで求めたCOS−n eo(対照)細胞及びCOS−CD6細胞上のCD6発現のヒストグラムが示さ れている。バックグラウンド蛍光(対照mAbP3)は点線で示され、CD6発 現は実線で示されている。棒グラフは、mAbP3或いはT12の存在下COS −neo及びCOS−CD6のTE細胞への結合を示す。3回の個々の実験の平 均とSEMが示されている。 図18. CD6の胸腺細胞サブセット上の発現。胸腺細胞をmAbT12、 ヤギ抗マウスIgGのフルオレセイン複合Fabフラグメント及びCD4−PE とCD8−サイクロムの組合わせで染色し、FACStarPlusフローサイトメ ータで分析した。全胸腺細胞、CD4+CD8+(未熟、DP)胸腺細胞、CD 4+CD8−(成熟、SP4)及びCD4−CD8+(成熟、SP8)胸腺細胞 上のCD6発現のヒストグラムによって3種類の異なる胸腺に関する実験の代表 的データが示されている。 図19. CD6は、成熟及び未熟胸腺細胞の双方のTE細胞への結合を仲介 する。CD1+又はCD1−胸腺細胞を、対照抗体(P3)、抗CD2(35. 1)又は抗CD6(T12)の存在下にTE細胞とインキュベートし、ロゼット 形成を分析した。3回の個々の実験からの抗CD2及び抗CD6によるTE−胸 腺細胞結合及びSEM(対照抗体に相対する)の平均阻害%が示されている。C D1+(未熟)胸腺細胞のTE細胞への結合阻害は白い棒で示され、CD1(成 熟)胸腺細胞の結合阻害は斜線の棒で示されている。成熟及び未熟サブセットの 双方の胸腺細胞のTECへの結合は、抗CD2及び抗CD6抗体により阻害され る。抗CD2mAb35.1によるCD1+対CD1−細胞の阻害の差は統計的 に有意である(p<0.01)が、抗CD6mAbT12による阻害の差はなか った (p<0.25)。 図20. 胸腺上皮細胞及び胸腺線維芽細胞はCD6のトリプシン感受性表面 リガンドを発現する。(A)胸腺上皮細胞、胸腺線維芽細胞及び胸腺細胞のCD 6−Rgとの反応性を示す代表的ヒストグラムが示されている。また、各パネル においては、対照融合タンパク質CD5−Rgによる蛍光のバックグラウンドレ ベルが示されている。(B)CD6−Rgの2価カチオン含有培地中ET細胞へ の結合(−EDTA)、培地中トリプシン処理TE細胞への結合(トリプシン)或 いはPBS+10mMEDTA中TE細胞への結合(EDTA)を試験した。間接 IF及びフローサイトメトリーにより求めたCD6−RgのTE細胞への結合を 示す代表的実験(実施した>10回から)のヒストグラムが示されている。 図21. CD6−Rg(7)TE細胞への結合に関するJ4−81及びJ3 −119のプレインキュベーションの影響。2価カチオン(−EDTA)を含む 又は2価カチオンを含まない(+EDTA)培地中mAbP3(対照)、J4− 81又はJ3−119の存在下、間接IF及びフローサイトメトリーで検出した CD6−RgのヒトTE細胞の表面への結合のヒストグラムが示されている。各 パネルにおいて対照ヒトIgGの結合が示されている。下のパネルは、P3、J 4−81或いはJ3−119の存在下のCD6−Rg結合の纏めの混成ヒストグ ラムを示すものである。データは、2価カチオンの存在下の10回の実験及び2 価カチオンを含まない2回の実験の代表である。 図22. mAbJ3−119は、ビオチニル化J4−81のTE細胞の表面 への結合を遮断する。mAbA3D8、J3−119及びJ4−81の増加濃度 の存在下のビオチニル化J4−81の特異結合(蛍光単位−バックグラウンド) が示されている。希釈した腹水(1:50、1:100、1:250及び1:5 00)を用い、mAbの相対量は希釈度×103の逆数として示されている。T E細胞の表面に強く結合するmAbA3D8はJ4−81の結合を変えなかった が、J3−119と非ビオチニル化J4−81の双方はビオチニル化J4−81 の結合を阻害した。データは、2回の実験の代表である。 図23. mAbJ4−81及びCD6−Rgは、ヒトTE細胞の表面上の同 じ100kDa糖タンパク質に結合する。mAbP3(対照)、mAbJ4− 81、hIgG1(ヒトFc対照)或いはCD6−Rgに架橋した125I標識TE 細胞表面タンパク質のオートラジオグラフが示されている。架橋したタンパク質 は、電気泳動の前に2−ME単独(架橋剤を切断する)或いはトリプシンと2− MEで処理した。CD6−RgとmAbJ4−81の双方が同じトリプシン消化 パターンで100kDaタンパク質に結合した。データは、2回の個々の実験の 代表である。 図24. CD6L−100の生後ヒト胸腺における発現。mAbJ4−81 により間接IFで染色した生後2ヵ月のヒト胸腺の凍結切片の光学顕微鏡写真( 5つの胸腺について代表的実験)が示されている。パネルAは、mAbJ4−8 1により間接IFで染色した胸腺の切片を示すものである。パネルAは胸腺皮質 の切片を示し、パネルBはハッサル小体(HB)を有する胸腺髄質の切片を示す 。胸腺莢膜は、パネルAでは破線で示されている。皮質内及び髄質のHB内及び 回りの胸腺上皮細胞(矢印)は共に、mAbJ4−81と反応した。胸腺細胞は 、mAbJ4−81と反応しなかった。同じパターンは、mAbJ3−119を 用いて見られた(図示されていない)(400×拡大)。 図25. COS−CD6のTE細胞への結合はCD6特異的である。 図25A.COS−neo(対照)及びCOS−CD6細胞上へのCD6の発 現のヒストグラムを間接的免疫蛍光法により抗CD6mAbT12(Gangemiら 、J.Immunol.143:2439-2447(1989))(実線)または対照抗体P3(点線)を 用いて決定した。 図25B.棒グラフは、T12、J4−81またはP3mAbのいずれかの存 在下におけるCOS−neo及びCOS−CD6のTE細胞への結合を示してい る。示されているのは、3回の異なる実験の平均及びSEMである。 図26. ALCAMと称されるCD6リガンドの予期アミノ酸配列の配列分 析、ALCAMmRNA発現のノザン分析、及び活性化T細胞によるALCAM 細胞表面発現。 図26A.ALCAM(残基35−512)、BEN、ニューロリン(neurol in)、RAGE及びMUC18の免疫グロブリン様細胞外ドメインの調節。タン パク質名の直前の小文字は種を示している(ヒト(human)はh、にわと り(chicken)はc、及び魚(fish)はfで示されている)。コンセンサス残基と は、3種以上のタンパク質において一致するものを言う。不変残基には影をつけ て示してあり、システイン残基はアステリスクを付けて強調している。示されて いるペプチド配列の番号は以下の出版物から得たものである:cBEN,8-484(Pour quieら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5261(1992)); ニューロリン、1ー466(L awssingら、Differentiation 56:21(1994)); RAGE,3種類のIgドメインを含む 、30-307(Neeperら、J.Biol.Chem.267:14998(1992)); MUC18,40-525(Lehman nら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:9891(1989))。 図26B.末梢血単球からの全RNAの15μg及び休止及びPHA活性化( 72時間)末梢血単核細胞、T細胞リンパ種CEM及びMOLT4、赤白血病細 胞系K562、B細胞リンパ種RAMOS、RAJI及びDAUDI、骨髄単球 細胞系HL60及びU937、大顆粒球リンパ種YT、ヒト胸腺腫瘍HBL−1 00及びCOS細胞からの全RNAの25μgを使用してRNAブロットを作製 した。ランダムプライムされた(random primed)32P-ラベル化ALCAMまたは グリセルアルデヒド3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)cDNA をプローブとして使用した。 図26C.末梢血単核細胞をインビトロにおいてPHAにより活性化し、T細 胞のCD6−RgまたはJ4−81いずれかへの結合能を10日間、2色免疫蛍 光及びフローサイトメトリー法を用いてモニターした。時間(日)に対する平均 のチャンネル(channel)蛍光をプロットした。 図27. ヒト染色体地図。cDNAプローブのRバンド染色体への切片上ハ イブリッド形成(FISH)により、バンドq13.1−q13.2における染 色体3上の両方の染色分体上にシグナル(矢印で示されている)が発生した。領 域はGバンドイデオグラム上の括弧で示されている。 図28. ALCAMのCD6への結合 図28A.抗ALCAMmAbJ4−81及びCD6−Rg融合タンパクのA LCAM発現COS細胞形質移入体への結合を示すフローサイトメトリーヒスト グラム。 図28B.抗CD6mAbG3−6及びALCAM−RgのCD6発現COS 細胞形質移入体への結合を示すフローサイトメトリーヒストグラム。mAbのま たは融合タンパクのみかけの形質転換COS細胞に対するバックグラウンド結合 のレベルは、影の付いたヒストグラムで示されている。 図29. ALCAMコード配列及び予期アミノ酸配列 発明の詳細な説明 本発明は、結合対の一方の構成部分を示す分子に関するものであり、このとき その結合対のもう一方の構成部分は成熟胸腺細胞、末梢T細胞及びB細胞サブセ ットの表面上に存在するCD6分子である。本明細書中で言及されるCD6リガ ンドは2つの形態で存在し、1つはCD6結合に対して2価カチオン非依存性で あり、もう1つは2価カチオン依存性である。これらの形態の1番目(カチオン 非依存性形態)は、105kDaタンパク質を含み(還元条件下SDS−PAG Eで求めた)、活性化白血球細胞接着分子(ALCAM)と称される。2番目の 形態は、二価カチオン依存性であり、ALCAMとは分離した異なる分子であり 、90kDaタンパク質を含んでいる(還元条件下SDS−PAGEで求めた) 。図29に示される予期アミノ酸配列に基づいたALCAMの分子量は約65k Daである。図29に示されるALCAMのアミノ酸配列は、N−結合グリコシ ル化のための9つの潜在部位を含む。従って、ALCAMCD6リガンドのグリ コシル化された形態は100〜105kDaの分子量を有すると考えられる。 ALCAMは成熟タンパクから開裂したN−末端疎水性シグナルペプチド、次 に細胞外ドメイン、疎水性膜貫通ドメイン及び原形質ドメインからなる。単一ド メインまたはドメインの組合せを、様々な相互作用を阻害するために使用するこ とができる。例えば、細胞外ドメイン(単独で、または同じあるいは他の配列と 組み合わせて)は、CD6−ALCAM相互作用の阻害のための有用な物質であ ることが期待される。ALCAMの細胞外ドメインは5つの免疫グロブリン(I g)様ドメインに分けることができる。2つのN−末端ドメインはV−セットで あり、続く3つのIgドメインはC2−セットのものである(Pourquieら、Proc .Natl.Acad.Sci.USA 89:5261(1992); Tanakaら、Neuron 7:535(1991); Burnsら、Nueron 7:209(1991))。これらのIg様ドメインは他の配列から単離し て、または他の配列と組み合わせて使用することができる。 本発明のCD6リガンド(ALCAM)は、線維芽細胞、皮膚表皮ケラチン細 胞、髄質TEC、消化管上皮、膵島及び腺房細胞並びに単球及び活性化T細胞、 肝細胞及び脳皮質のニューロンを含む様々な種類の組織及び細胞上に存在する。 CD6リガンドの組織分布は、CD6/CD6リガンド系がT細胞と単球及び他 の活性化T細胞並びに上皮細胞、線維芽細胞及び膵島細胞のような特殊化された 細胞との相互作用の仲介に重要であることを示す。CD6及びCD6リガンドの 脳内での発現はCD6/CD6リガンド系が神経系細胞の相互作用に関連するこ とを示している。 本発明のCD6リガンドは、下記実施例に記載されるように免疫沈降により、 例えばCD6融合タンパク質を用いて天然源(上記参照)から単離することがで きる。適切な融合タンパク質、CD6−Ig(=CD6−Rg)融合タンパク質 は、CD6の細胞外部分のコーディング配列(Aruffoら,J.Exp.Med.174:949 (1991))をSeed & Aruffo(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3365(1987))に記載 されているようにヒトIgGのFc部分のコーディング配列に結合することによ り生産することができる。CD6−Ig融合タンパク質は、以前に記載されてい るように過渡的トランスフェクションによりCOS細胞中で発現させることがで きる(Seed & Aruffo,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3365(1987))。 上記で言及したものを含む細胞源からのCD6リガンドの利用可能性は、CD 6リガンド遺伝子のクローニングを可能にする。CD6リガンドの全て又は一部 の配列決定は、CD6リガンドコーディング配列を、例えば、cDNA又はゲノ ムDNAライブラリーから単離する際の使用に適切な核酸プローブ又はプライマ ーを設計するのに必要な情報を与えるであろう。StratageneからのUnizap XR系 を用いて胸腺上皮細胞から適切なcDNAライブラリーを調製することができる 。使用することができる他のライブラリーとしては、Stratageneからの脳前頭皮 質及び肝臓腫瘍HepG2cDNAライブラリーが含まれる。 更に詳細には、CD6リガンドはアフィニティークロマトグラフィーで精製す ることができる。抗CD6リガンドmab(5〜10mg)(例えば、Pesandoら, J.Immunol.137:3689(1986))を用いて、Patelら(Virology l49:174(1986))に記 載されているように抗CD6リガンドをCNBr活性化セファロース4B(Pharm acia)上に固定化することによりCD6リガンドに対するアフィニティーカラム を調製することができる。タンパク質溶解物、例えば胸腺上皮細胞からの又はB 細胞系溶解物からのCD6リガンドは、抗CD6リガンドセファロースカラムを 用いてアフィニティー精製することができる。CD6リガンドは、更にトリフル オロ酢酸を含むアセトニトリル/H2O勾配を用いるC18逆相HPLCカラム(Vy dac)により240nmのUV検出で精製することができる。(実施例IVは乳ガン細 胞からのCD6リガンドのJ4−81免疫精製の記載を含む。) 純度が決定されると、未処理(intact)CD6リガンド及びV8−プロテアー ゼ、トリプシンまたは他のプロテアーゼにより産生するペプチドのN−末端アミ ノ酸配列を決定することができる。アミノ酸配列から縮重オリゴヌクレオチドプ ライマーを、CD6リガンドのcDNAを認識するように設計して、CD6リガ ンドcDNAをPCR増幅することができる。PCR増幅におけるエラーを防御 するために、32P−ラベル化PCR増幅CD6リガンドcDNAを適するcDN AライブラリーからCD6リガンドcDNAを検出するためのプローブとして使 用することができる。CD6リガンドcDNAのヌクレオチド配列は標準的な方 法を用いて決定することができる。(一般的には以下を参照。Sambrook,Fritsh 及びManiatis,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)) 実施例IVは、パルス−液体タンパク質配列決定装置内における精製したALC AM及びそのCNBrフラグメントの分析についての記述を含む。未処理タンパ ク及び内部フラグメントからのアミノ酸配列は、ニワトリ神経接着分子BEN/ SC−1/DM−GRASPと相同性である。実施例IVは、ニワトリBENに相 当するDNAフラグメントを使用してCD6リガンドcDNAを単離することを 記載している。ALCAMcDNA配列及び予期アミノ酸配列は図29に示され ている。 クローン化されると、CD6リガンドコード配列を発現構築物の中に導入する ことができる。その構築物は、ベクター(例えば、ウイルス又はプラスミド)及 びプロモーターに操作的に連鎖したCD6リガンドコード配列を含んでいる。そ の構築物を用いて原核又は真核宿主細胞を形質転換することができる。CD6リ ガンドはグリコシル化タンパク質であるので、真核宿主が好ましい。哺乳動物細 胞系が特に有利である(例えば、COSM6系)。CD6リガンドは、形質転換 宿主をコード配列が転写されかつその転写物がタンパク質に翻訳されるような条 件下に培養することにより可溶性形態で生産することができる。 本発明は、CD6リガンド全体に関し、更に、例えば、CD6リガンドに特異 的な抗体(モノクローナル又はポリクローナル)(又はその結合断片)を生じる標準 免疫化プロトコールに使用することができる抗原としての使用に適切なその一部 に関する(リガンドおよびその一部は化学的にまたは組換えにより合成すること ができる)。その一部は、CD6リガンドの少なくとも5連続アミノ酸(ALC AM配列の例は図29に示されている)、好ましくは少なくとも10〜12アミ ノ酸、更に好ましくは少なくとも25連続アミノ酸、最も好ましくは少なくとも 40、45または50アミノ酸を表す。より大きな一部、例えば、少なくとも1 00、250又は500アミノ酸の一部も使用することができる。本発明は、単 独の、または他のCD6リガンドドメイン配列または非CD6リガンド配列と組 合せた、シグナル配列、または細胞外、膜貫通あるいは細胞質ドメインに相当す るCD6リガンドを含む。 本発明は、また、CD6リガンドコード配列(DNAまたはRNA)全体及び その一部に関し、これらは、例えばプローブまたはプライマーとしての使用に適 している(strategene及び/またはGibcoによる標準的に記載されるハイブリダ イゼーション条件(例えばPCRに対する)を使用することができる)。そのよ うな部分はCD6リガンドの(例えば、図29に示される配列の)少なくとも1 5、20、30、75または150ヌクレオチドを表す。また、より大きな部分 、例えば、少なくとも300、750または1500ヌクレオチドの部分、を使 用することができる。本発明は、シグナル配列または細胞外、膜貫通または細胞 質ドメインに相当するCD6リガンドの一部を含む。そのような部分は、様々な 組合せ及び非CD6リガンドコード配列(例えばALCAM−Rg)との組合せ 中に存在する。 抗CD6mabによりCD6をT細胞上に結合すると、分離されていないT細 胞に効力のあるコマイトジェンシグナルを与え(Gangemiら,J.Immunol.143:24 39(1989); Morimotoら,J.Immunol.140:2165(1988); Weeら,J.Exp.Med.17 7:219(1993))、分離されたCD4+T細胞クローンを直接活性化し(Swackら,J .Biol.Chem.266:7137(1991))、TCRγδを直接活性化するがTCRαβT 細胞を活性化しない(Pawlecら,Hum.Immunol.31:165(1991))。即ち、CD6は TCR仲介T細胞の引き金となることに密接に関係する成熟T細胞分子であり、 TCR複合体の連結反応はCD6リン酸化をもたらす(Weeら,J.Exp.Med.177 :219(1993))。生体内でCD6/CD6リガンド相互作用を阻害する方法は、効 力のある免疫治療法を与える。 可溶性CD6リガンド(天然源から単離又は組換え的に生産した)を用いて、 例えば、T細胞CD6−CD6リガンド+補助細胞接触に依存するCD6仲介T 細胞活性化を阻害することができる。その免疫治療法は、多発性硬化症のような 活性化T細胞による疾患、コーガン症候群を含む炎症性葡萄膜炎、リウマチ様関 節炎、ウェゲナー肉芽腫症及び一過性動脈炎のようなT細胞仲介脈管炎症候群及 び臓器同種異系移植拒否反応を治療するのに有効である。実際に、同種異系骨髄 (BM)移植片に用いたBMのCD6mab欠乏が移植片対宿主疾患を防止する ことが示された(Soifferら,J.Clin.Oncol.10:1191(1992))。 可溶性CD6リガンドのほかに、可溶性CD6並びにCD6及びCD6リガン ドのミメトープ(模擬体)(例えば、ランダムRNA、DNA又はペプチドライブ ラリーから、例えば、Szostak(TIBS 17:89(1992))又はTsaiら(J.Immunol.150:1 137(1993))に記載されているように調製された)を、CD6/CD6リガンド相 互作用を阻害することを含む方法において免疫治療剤として用いることができる 。抗CD6及び抗CD6リガンド抗体(好ましくはモノクローナル抗体)もその 方法に用いることができる。これらの免疫治療剤は、例えば、薬学的に許容しう る担体、希釈剤等と医薬組成物として処方される。組成物中の活性剤の濃度及び 活性剤の投与量は、物質、患者及び探究された効果によって変動する。最適投与 量は容易に決定することができる。 CD6−CD6リガンド相互作用がCD6発現細胞のTE細胞への接着を仲介 するという証明は、CD6−CD6リガンド結合がT細胞成熟調節の役割を果た していることを示している。CD2/LFA−3、ICAM−1/LFA−1、 VLA−3、−4、−6及びフィブロネクチンを含む他の分子は、胸腺細胞−ス トローマル細胞の結合における接着分子として作用する(Singer et al,J.Immu nol.144:2931-2939(1990),Giunta et al,J.Exp.Med.,173:1537-1548(1991 ),Utsumi et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:5685-5689(1991))。CD6 リガンドの同定により、胸腺細胞-TE細胞結合及びTE細胞成熟におけるCD 6の相対的寄与を決定することができる。CD6リガンドはまた、B細胞の発生 にも関与していてもよい。というのはニワトリにおける研究は、ALCAM(B EN)がファブリシウス(Fabricius)のブルサ(Pourquie et al,Development 1 09:743-752(1990))(B細胞が発生する鳥の器官)における内皮細胞上に発現さ れることを示したからである。現在、CD6リガンドの細胞間シグナルの変換能 については、全く情報がない。抗−CD6mABT12は補助(修飾)細胞の存 在下、かつ架橋FcRの明確な不在下においてT細胞を活性化できるという発見 は、CD6を通じたシグナルによるT細胞の活性化が自己免疫反応性において重 要であることを示している(Gangemi et al,J.Immunol.143:2439-2447(1989)) 。このサポートとして、抗CD6mAbは自己MLRを増強または阻害すること ができる(Gangemi et al,J.Immunol.143:2439-2447(1989),Bott et al,In t.Immunol.7:783-792(1994))(Singer,N.G.et al,J.Immunol.(1994))。C D6リガンドは活性化されたT細胞及び単球並びに多数のT及びB細胞系により 発現されるので、CD6−CD6リガンド相互作用はCD6+T及びB細胞と活 性化された白血球の間の機能的な相互作用の役割を果たしていると考えられ、C D6−CD6リガンド結合は活性化白血球の間の接着相互作用を仲介すると考え られる。このように、ALCAMは炎症応答の開始に影響しなくてもよいが、リ ウマチ様の関節炎のような慢性的炎症応答の維持を阻害してもよい。 ニワトリにおけるALCAM(BEN)は、初期の胚発生の期間及び脳におい て優位に発現される(Pourquie et al.,Development 109:743-752(1990))。AL CAMは、同種親和性接着分子として機能し、かつ神経突起の成長をサポー トする(Tanaka et al,Neuron 7:535-545(1991)),Burns et al, Neuron 7:209- 220(1990))。脳におけるニューロンによるヒトALCAMの発現が報告されてい る(Peter et al,"Identification and characterization of an 100kDa ligan d for CD6 on human thymic epithelial cells",J.Exp.Med.(1994))。免疫 系及び神経系間の相互作用は、多発性硬化症、アルツハイマー病、及び筋萎縮性 側索硬化症のような、特定の慢性的神経変性症の病理学において重要である(App el et al,Advances in Neurology 56:405-412(1991),McGeer et al,Can.J. Neurol.Sci.18:376-379(1991),Rowland,L.P.,Advances in Neurology 56: 3-23(1991))。CD6及びCD6リガンドが両方ともこれらの系における細胞に より発現されるという知見は、レセプター/リガンド対が免疫及び神経系間の細 胞性相互作用において機能することを示している。 例えば、炎症は免疫応答の増幅を必要とするので、CD6結合のブロックは免 疫応答増幅及び炎症を防止することが予想できる。さらに、脳の細胞による白血 球相互作用の阻害は、慢性的神経変性病の治療に使用することができる。ALC AMにおける突然変異は、神経及び/または免疫系の障害を誘導することが予想 される。そのような障害が明らかになると、CD6リガンドヌクレオチド配列ま たはCD6リガンドに対して同定されたRFLP(制限フラグメント長多形性) (restriction fragment length polymorphisms)を、遺伝子検索候補のマーカー として使用することができる。例えば、ALCAMは運動ニューロン及び/また は免疫細胞上に発現されるため、ALCAM変異をスクリーニングする候補の病 気は、筋萎縮性側索硬化症及び多発性硬化症の散発的事例である。 上記に加えて、本発明明細書の記載から、例えば可溶性ALCAMを障害また は重症の神経の再生を誘導するために使用できることが好ましい。障害を受けた 神経の部位に可溶性ALCAMを、例えば注入により投与することにより、誘導 を行うことができる。 CD6リガンド遺伝子は、神経系及び免疫系に影響するメンデル障害における 変異に対する潜在的候補である。さらなる試験を示唆する病気は、まだ、CD6 リガンド遺伝子が割り当てられるヒト染色体3の領域に位置づけられていない。 CD6リガンドcDNAにおいて同定される多形性は、遺伝子除外研究の候補と して使用することができる(注目される多形性は、cDNAは、PHA活性化c DNAライブラリー及びHL60細胞から得られるという事実に起因するもので あってもよい)。 下記の制限されない実施例において、本発明の具体的な態様が詳細に記載され る。 実施例I 実験の詳細 : 細胞及び培養条件。 TECを、以前に記載されているように強化培地中で移 植片手法により培養した(Singerら,Human Immunol.13:161(1985))。ヒト胸 腺組織を、心臓血管矯正手術を受ける子供たちからの廃棄組織としてデュークユ ニバーシティーメディカルセンターの病理科から入手した。汚染している胸腺線 維芽細胞を、ヒト線維芽細胞上の細胞表面抗原に結合するmAb1B10と補体 仲介溶菌により除去し(Singerら,J.Invest.Dermatol.92:166(1989))、次 にPBS中0.02%EDTAで処理した。3T3線維芽細胞支持細胞層をPB S中0.02%EDTAで処理した後、培養皿から0.02%EDTAを含有する PBS中0.05%トリプシンでTECを剥離した。細胞を3回洗浄した後、分 析した。TECを、5%FCS、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、0.025 μg/mlアンホテリシンB(Gibco)、100U/mlペニシリン及び1000μg/mlス トレプトマイシンを含有するDMEM中500U/mlIFN−γで37℃において 48〜72時間活性化した。 胸腺細胞は、胸腺組織からかき裂くことにより得、フィコール−ヒパックで遠 心することにより精製し、RPMI1640で洗浄した。胸腺細胞を直ちに用い るか又は20%FCS、7.5%DMSO及びRPMI1640中10μg/mlゲ ンタマイシン(Scherring)を含有する培地中で凍結した。凍結した胸腺細胞を、 記載されているように30%FCS、10μg/mlデオキシリボヌクレアーゼI(S igma)、10μg/mlゲンタマイシン及びRPMI1640中20U/ml(Upjohn)を 含有する培地中でインキュベートすることにより解凍した(Denningら,J.Immuol .138:680(1987))。生存胸腺細胞をフィコール−ヒパックで遠心することにより 精製した。 COS−M6細胞(ATCC)を、10%FCS、1mMピルビン酸ナトリウム (Gibco)、0.025μg/mlアンホテリシンB(Gibco)、100U/mlペニシリン及 び100μg/mlストレプトマイシンを含有するDMEM中で生育した。 ヒト表皮ケラチン細胞(EK)を新生児前皮膚から培養した。前皮膚をHBS S(GIBCO)中2.5mg/mlトリプシンIII型(Sigma)中で4℃において一晩インキ ュベートし、表皮を取り出し、単細胞浮遊液の中へかき裂き、マイトマイシンC 処理3T3線維芽細胞支持細胞層上に播種し、記載されているように培養した(H ashimotoら,J.Exp.Med.157:259(1983))。 細胞表面抗原の検出: 非固定培養細胞をPBS、TBS(0.9M NaCl 、50mMトリス−HCl、pH7.3)或いは2%BSA及び0.1%NaN3を 含有するDMEMに懸濁した。細胞をCD6−Rg、CD5−Rg又はELAM −Rg(Sandro Aruffo,Bristol-Myers Squibb)、組換え融合タンパク質(10 0μg/ml)と4℃で30分間インキュベートし、2%BSA及び0.1%NaN3 を含有するPBSで洗浄した。FITC複合ヤギ抗ヒトIgG1を第2試薬とし て用いた。細胞をFACStar Plusフローサイトメータ(Becton-Dickinson,Inc.、 マウンテンビュー、カリフォルニア州)で分析し、データをソフトウェアプログ ラム PC-Lysys(Becton-Dickinson)を用いて処理した。 TEC−胸腺細胞ロゼット結合分析: TEC−胸腺細胞ロゼット結合分析を 記載されているように行った(Singerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:6588 (1986))。簡単に述べると、106胸腺細胞を2%BSA及び0.1%NaN3を 含有するPBS又はDME中2×105TECと混合し、250gで3分間遠心 し、4℃で60分間インキュベートした。細胞を弱く再懸濁し、光学顕微鏡によ って計数した。胸腺細胞を3個以上結合したTECを陽性として評価した。これ らの実験で用いた胸腺細胞を新たに単離するか、液体窒素から解凍するか或いは 亜集団に分離した。胸腺細胞を、Nal/34(抗CD1;Andrew McMichael、 オックスフォード、英国)及びヤギ抗マウスIgG(KPL)で間接免疫蛍光染色し た後にFACStar Plusを用いて蛍光活性化細胞選別することによりCD1+(未熟 、CD6low)又はCD1(成熟、CD6hi)亜集団に分離した。選別した細胞 の再分析により全胸腺細胞亜集団は純度>95%であった。TEC−胸腺細胞結 合は、結合前に胸腺細胞或いはTECを抗体又は融合タンパク質とプレインキュ ベートすることにより阻止した。使用した抗体は次のものとした:P3X63( 対照mab)(ATCC)、35.1(抗CD2;John Hansenから、シアトル、ワ シントン州(Martinら,J.Immunol.131:180(1983))及びT12(抗CD6;E llis Reinherzから、ボストン、マサチューセッツ州(Reinherz ら,CeII 30:735( 1982)) 。 COS細胞トランスフェクション及び結合実験: 安定なCD6発現COS細 胞系を、CMVプロモーターの制御下CD6遺伝子を含むプラスミド(A.Aruffo 、シアトル、ワシントン州 Aruffoら,J.Exp.Med.174:949(1991))及びLiao らに記載されているSV40プロモーターによって誘導された細菌ネオマイシン 耐性遺伝子を含むpSVneoプラスミド(J.Immunol.12/1,1993)を同時トラ ンスフェクトすることにより作成した。ネオマイシン耐性遺伝子を発現する細胞 は、60μg/mlG418(GIBCO)を含有するDME/10%FCS中でインキュ ベートすることにより選択した。CD6を発現する細胞は、mabT12を用い て間接免疫蛍光で同定した。CD6陽性及び陰性細胞は、Becton-Dickinson FAC StarPlusフローサイトメータを用いて単細胞選別することによりクローン化した 。 CD6発現COS細胞(COS−CD6D)及び対照COS細胞(COS−N eo)を上述したものと同じTE細胞と共に結合実験に用いた。COS細胞とT E細胞とを区別するために、TE細胞を収集前に1μg/mlカルセインAM(Molec ular Probes、ユージーン、オレゴン州)と37℃で15分間代謝的に標識した。 カルセインAM標識細胞は蛍光性であり、蛍光顕微鏡で他の細胞から容易に区別 することができる。 CD6−Rg(CD6−Ig)キメラ遺伝子の構築及び融合タンパク質の調製 : 全長CD6をコードするcDNAを含むプラスミド(Aruffoら,J.Exp.Me d.174:949(1991))を制限酵素Esp1で消化することにより、CD6免疫グロ ブリン融合遺伝子を構築した。次に、Esp1消化プラスミドをDNAポリメラ ーゼとフラッシュし、それに適切なBamHIリンカーを加えた。次に、そのプ ラスミドをBamHI及びNde1で消化した。次に、CD6の細胞外ドメイン を 含む断片を単離し、ヒトIgG1タンパク質の定常部をコードするcDNA断片 を含むベクター中にサブクローン化した(Aruffoら,Proc.Natl.Acad.Sci.U SA 89:2292(1992))。CD5−Ig及びCTLA4−Igの構築は別に記載され ている(Linsleyら,Science 257:792(1992)及びJ.Exp.Med.174:561(1991))。 適切な遺伝子の500μgのDNAをDEAE−デキストランクロロキン法によ りCOS細胞にトランスフェクトした。18〜24時間後、10%FBSダルベ ッコ変法イーグル培地を無血清培地で置き換え、その後PBSで洗浄した。細胞 培養液を7〜10日維持した後、収集した。簡単に述べると、融合タンパク質を 含む上清を2500rpmで20分間遠心し、0.45μmミリポアフィルターでろ 過した。上清を2ml充填プロテインAカラムに流速1.00ml/分で通過させた 。結合した融合タンパク質をpH3.5、0.1Mクエン酸で溶離し、直ちにpH 9.0、1.0Mトリスで中和した。次に、溶離したタンパク質をPBS中で一晩 透析し、Bradford法を用いてタンパク質を定量した。 CD6−IgのTE細胞への結合を阻害するmabのスクリーニング: ヒト 白血球分化抗原に関する第5回国際研究会からのmab及び抗インテグリンma bのパネル(図4の説明参照)の中から第2試薬としてフルオレセイン複合ヤギ 抗マウスIgG(KPL)を用いて上述のTE細胞表面の反応性をスクリーンし た。TE細胞に反応した154mabの中の126をこの分析に用いた。TE細 胞(100k)を腹水又は精製mabと1:100で4℃で15分間インキュベ ートした。この混合液にCD5−Ig或いはCD6−Ig(5μg)を加え、4 ℃で2時間反応した。PBS含有2%BSAで洗浄した後、CD5−Ig及びC D6−IgをヒトIgG(Sigma)のFcタンパク質に特異的なフルオレセイン複 合ヤギ抗血清で標識した。この試薬は、ほとんどのマウスmabと交差反応しな かった。生じる交差反応性を説明するために、CD6−IgとCD5−Igを含 む試料間の蛍光(ΔFL)の差である結合を求めた。対照mabP3とプレイン キュベートした試料のΔFLを100%結合とした。 免疫沈降及びタンパク質標識条件: 120μCi/mlグルコサミン(NEN) を標識実験に用いた。放射能標識グルコサミンの添加と同時に細胞を無グルコー ス培地+10%透析ウシ胎児血清中で48時間培養した。次に、細胞をEDTA を用いて引き上げ、HBSS中で洗浄し、ロイペプチン、PMSF及びペプスタ イン(1μg/ml)、0.05%胆汁酸ナトリウム、2%NP−40を含有する2 0mMトリス、pH7.5に溶解した。その溶解物を100μg/mlヒトIgG1、 次に50μlのプロテインAビーズで前清澄化した。次に、前清澄化した溶解物 を50μg/mlCD6−Rg又はCTLA4−Ig又は2μg/ml抗EGFレセプタ ー抗体とインキュベートした。その溶解物に2mMCa++及びMg++を加えた(こ れはHBSS結合バッファーに含有した2価カチオンの濃度である)。免疫沈降 物を溶菌バッファーで3回、PBSで2回洗浄し、還元SDS−PAGEローデ ィングバッファー中で煮沸し、8〜10.5%SDS−PAGEゲルに充填した 。そのゲルを40%プロパノール中に固定し、mAMiAmplifyR試薬(Am ersham)で増強し、乾燥し、オートラジオグラフィー理した。結果 : 抗CD6mab及びCD6−Ig融合タンパク質はTE−胸腺細胞結合を阻害 する: 浮遊液TE−胸腺細胞結合分析を用いて(表1)、CD6mabT12 がTE−胸腺細胞結合を49±9%(N=5)だけ阻害することがわかった。同 様に、組換えCD6−Ig融合タンパク質はTE−胸腺細胞結合を35±9%( N=5)だけ阻害した。これにより、ヒトTECがCD6のリガンドを発現する ことが示された。 対照は、mabに対してP3及びCD6−Igに対してELAM−Igとした。 P値は、mab又はCD6−Igの存在下の結合を対照結合と比較するテイルが 2つのスチューデントのt検定を表す。 ヒトTE細胞はCD6のリガンドを発現する: ヒトTECがCD6のリガン ドを発現することを確認するために、TECを組換えCD6−Ig融合タンパク 質とインキュベートし、間接免疫蛍光、次いでフローサイトメトリーによりCD 6−IgのTECへの結合を分析した。負の対照(CD5−Ig及びELAM− Ig)はいずれもTEC表面に結合しなかったが、CD6−IgはTE細胞に結 合し(表2)、ヒトTE細胞表面上に発現したCD6のリガンドがあることが示 された。CD6−IgのTE細胞上のCD6リガンドへの結合は2価カチオン( Ca++及びMn++)によって高められ、EDTAによって部分的に阻害された( 図1及び図2)。データは、CD6−IgのTECへの結合に対して少なくとも 2成分があり、1成分(又はリガンド)は2価カチオンに依存し、1成分(又は リガンド)は2価カチオンに依存しない。 CD6は接着性分子である: T12とCD6−Igが共に胸腺細胞のTEC への結合を部分的に阻害するという事実は、CD6が接着性分子であることを示 した。しかしながら、TEロゼット実験は、T12とCD6−Igが立体障害の ためにTE−胸腺細胞結合を阻害する可能性を除外しなかった。CD6が実際に 接着性分子であるかを求めるために、高レベルのトランスフェクトしたCD6を 発現するCOS細胞系(COS−CD6)を作成した。CD6の存在しないCO S細胞(CS−Neo)はTECに結合しなかったが、COS−CD6細胞はT ECを結合した(図3)。更に、このCOS−CD6:TE細胞結合は、結合が CD6に対するmab(T12)によって阻害されるのでCD6依存性であった 。 mabJ4−81はCD6のリガンドと反応する: そのCD6リガンドを同 定するために、ヒト白血球分化抗原に関する第5回国際研究会からの抗インテグ リンmabの多量のパネル及び479mabのブラインドパネルの中からTE細 胞に対する反応性をスクリーンした。TECと反応した154mabの中の12 6mabを分析に用いてCD6−IgのTECへの結合を阻害した。図4に示さ れるように、研究会mabS252(J4−81)だけがCD6−Igの TECへの結合を阻害することができた。B細胞表面抗原に対して高めたmab J4−81は、B細胞上の105kDaタンパク質を認識し(Pesandoら,J.Imm unol.137:3689(1986))、培養した全TEC上の表面(図5)及びヒト胸腺の凍 結切片中の髄質TEC(図6)と強く反応する。 TECからの105kDa、90kDa及び35kDa分子のCD6−Igに よる免疫沈降: EDTA不在下に、CD6−Ig融合タンパク質は分子量10 5、90及び35kDaを有するタンパク質分子を免疫沈降した(図7、レーン 1)(注:約150kDaバンド)。EDTA存在下に、CD6−Igは105及 び35kDa分子のみ免疫沈降した(図7、レーン2)(注:約150kDaバン ド)。レーン3では、EDTA不在下に、対照融合タンパク質、CTLA4−I gは105、90又は35kDaタンパク質分子を免疫沈降しなかった。 mabJ4−81はTE細胞のCOS−CD6D細胞への結合を阻害する:m abJ4−81によって検出した105/35kDaタンパク質分子がCD6の リガンドであることを定義するために第3の方法を用いた。上で示したように、 COS−CD6:TEC結合はCD6特異的である。CD6とJ4−81によっ て認識された105/35kDa分子が接着性分子対を形成することを更に証明 するために、mabJ4−81によるCOS−CD6D:TEC結合が阻害され た(表3)。 P値は、T12又はJ4−81の存在下の阻害をP3の存在下の阻害と比較する テイルが2つのスチューデントのt検定を表す。 間接IF分析におけるJ4−81とヒト組織の反応性: mabJ4−81は 、TEC、表皮ケラチン細胞、膵の腺房細胞及び島細胞、消化管上皮、単球(1 0%)及び活性BPT細胞(21%)と反応した。B細胞は、H4−81にも陽 性である(Pesandoら,J.Immunol.137:3689(1986))。一緒にすると、これらの データからCD6−CD6リガンド系がTEC−胸腺細胞相互作用に関係するこ と、CD6が接着性分子であること及びmabJ4−81によって検出された1 05/35kDaタンパク質がCD6のリガンドを含むことが証明される。更に 、mabJ4−81によって定義されたCD6−2価カチオン非依存性リガンド が様々な種類の免疫及び上皮細胞上で発現されることは、CD6/CD6リガン ド系が他の免疫細胞と他の免疫細胞との相互作用及び種々の上皮微環境との相互 作用に重要であることを示すものである。 実施例 II 実験の詳細 : 細胞系、融合タンパク質及び抗体. 結腸がん腫由来細胞系H3719及び黒 色腫由来細胞系H3606は、Drs.K.E.& I.Hellstrom(Bristol-Myers Squi b、シアトル、ワシントン州)からのものであった。ヒト乳房上皮細胞系HBL −100、EBV形質転換ヒトB細胞系LCL、ヒト肺線維芽細胞IMR90、 成人T細胞白血病Jurkat、皮膚T細胞リンパ腫HUT78、ヒト末梢血急 性白血球白血病由来細胞系HPB−A11、ヒトT細胞リンパ腫H9、ヒトバー キットリンパ腫Raji、線維芽細胞系GM0833、B細胞リンパ芽球腫Pe er、T細胞白血病JM及びB細胞リンパ芽球腫LTR228を用い、主にアメ リカン・タイプ・カルチュア・コレクション(ロックビル、メリーランド州)か ら入手した。CD5−Rg(Aruffoら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10242( 1992))、ELAM1−Rg(Walzら,Science 250:1132(1990)) 及びCTLA4−Ig(Linsleyら,J.Exp.Med.174:561(1991))は以前に記載 されている。抗CD6mAbG3−6(IgG)は、Dr.J.Ledbetter(Bristol -Myers Squib、シアトル、ワシントン州)(Ledbetterら,Proc.Natl.Acad.Sci .USA 84:1384(1987))からのものであり;抗CD6mAbMBG6(IgM)は 、Dr.A.McMichael(オックスフォード大学、オックスフォード、英国)(Bast inら,J.Clin.Exp.Immunol.46:597(1981))からのものであり;抗CD6m Ab2H1は、Dr.C.Morimoto(Dana-Farber Cancer Institute、ボストン、マ サチューセッツ州)(Morimotoら,J.Immunol.140:2165(1988))からのものであり ;抗CD6mAbT12は以前に記載されている(Reinherzら,Cell30:735(1982 ))。DNA制限酵素及びDNAリンカーはNew England Biolabs(ビバリー、マサ チューセッツ州)から入手し;RPMI、HBSS、FBS及び前染色分子量マ ーカーはGIBCO-BRL(ガイザースバーグ、メリーランド州)から入手した。ヒト表 皮ケラチン細胞(EK)は新生児前皮膚から培養した。前皮膚をHBSS(GIBCO -BRL)中2.5mg/mlトリプシンIII型(Sigma、セントルイス、ミズーリ州)中で 4℃において一晩インキュベートし、表皮を取り出し、単細胞浮遊液の中へかき 裂き、マイトマイシンC処理3T3線維芽細胞支持細胞層上に播種し、(Hashimo toら,J.Exp.Med.145:259(1983))に記載されているように培養した。 CD6−Rgの調製. CD6をコードする全長cDNAを含むCD6−Rg をコードするプラスミド(Aruffoら,J.Exp.Med.174:949(1991))を制限酵素E spIで消化し、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントで処理し、Ba mHIリンカー(New England Biolabs、ビバリー、マサチューセッツ州)に結合 した。次いで、ベクターを制限酵素NdeI及びBamHIで消化した。CD6 の細胞外ドメインを含むNdeI/BamHIDNAをヒトIgG1の定常部( ヒンジ、CH2及びCH3)をコードするcDNA断片を含むプラスミド中にサ ブクローン化した。CD6−Rgタンパク質を以前に記載されているように(Ar uffoら,Cell 61(7):1303(1990))COS細胞中での過渡的発現により調製し、 COS細胞移入体の上清からプロテインAカラム(Repligen、ケンブリッジ、マ サチューセッツ州)に吸収させ、それから溶離することにより精製した。 CD6−Rg細胞結合実験. 典型的には、HBSS/2%FBS/20mMヘ ペス(洗浄/染色バッファー)中5×107細胞/mlを50μg/mlの融合タンパ ク質とインキュベートした。粘着細胞はPBS中0.5mMEDTA(PBS/E DTA)を含む皿から剥がし1回洗浄し、非粘着細胞は1回洗浄した後に融合タ ンパク質と1時間氷上でインキュベートした。引き続き、細胞を3回洗浄し、F ITC−ヤギ抗ヒトIgG(10μg/ml,Tago、バーリンガム、カリフォルニア 州)と1時間氷上でインキュベートした。細胞を3回洗浄し、PBS中1%パラ ホルムアルデヒドで固定し、フローサイトメトリーで分析した(Epics V,Coulte r、ヒアリー、フロリダ州)。 この染色手順を用いてCD6−RgのHBL−100への結合が飽和可能であ るかを調べた。これらの実験において、CD6−Rg及び対照融合タンパク質は 次の濃度で用いた:10、20、30、40、50、100及び200μ/ml。 CD6−Rgリガンドのトリプシンに対する感受性を調べるために、HBL−1 00細胞(5×107)を0.05%トリプシン/0.5mMEDTAで37℃にお いて30分間処理し、洗浄/染色バッファーで3回洗浄し、CD6−Rgとイン キュベートし、上記のようにフローサイトメトリーで分析した。CD6−Rg結 合に2価カチオンが要求されることを調べるために、CD6−Rgを15mMED TAの存在下にHBL−100細胞とインキュベートするか或いはCD6−Rg と予めインキュベートし洗浄したHBL−100細胞にEDTAを加えた。抗C D6遮断実験の場合、CD6−Rg(50μg/ml)を1mg/ml抗CD6mAbG 3−6(IgG)又はMBG6mAb(IgM,A.J.McMichaelから)を含む腹水又 はイソタイプ適合(IgM)抗体の1:50、1:100及び1:200希釈度 とインキュベートした。HBL−100細胞へのCD6−Rg結合のサイトカイ ン誘導モジュレーションを調べるために、細胞をCD6−Rg結合実験の前にI L−1β、TNF−α(Genzyme、ボストン、マサチューセッツ州)及びIFN− γ(Upstat eBiotechnology Inc.、ラックプラシド、ニューヨーク州)(10ng/ml )と個々に、2つに組合わせて又は全て一緒に37℃、5%CO2で48時間イン キュベートした。 免疫沈降実験. 免疫沈降実験の場合、細胞を10%正常RPMI及び10% 透析FBSを含有する無グルコースRPMI中120μCi/mlの[6−3H]グル コサミン(NEN Dupont、ボストン、マサチューセッツ州)と37℃、5%CO2で 48時間インキュベートした。細胞をPBS/EDTAを有する培養皿から引き 上げ、HBSS中で洗浄し、ロイペプチン、PMSF及びペプスタチン(1μg/ ml,Boehringer Manheim、インディアナポリス、インディアナ州)を含有する2 0mMトリス、pH7.5に溶解した。その溶解物を攪拌して核を除去し、50μg /mlのヒトIgG1(Sigma)及び50μlのプロテインA−セファローススラリー( Repligen)と2回4℃で30分間インキュベートすることにより前清澄化した。 次に、細胞溶解物を2mMCa2+及びMg2+或いは15mMEDTAの存在下50μ lのプロテインA−セファローススラリー(Repligen)と共に50μg/mlの CD 6−Rg又はCTLA4−Ig又は2μg/mlの抗EGFレセプター抗体(Oncogen Science、ユニオンデイル、ニューヨーク州)と4℃で2〜4時間インキュベー トした。次に、プロテインA−セファロースビーズを溶菌バッファーで3回洗浄 した。免疫沈降したタンパク質をSDS−PAGE(8〜10.5%勾配ゲル) 、次にオートラジオグラフィーで分析した。 免疫組織学. マウス(Ba1b/c)リンパ系及び非リンパ系組織を切除し 、液体窒素で凍結した。6マイクロメートルクリオスタット組織切片を調製し、 ガラススライド上に取り付け、氷冷却アセトンで固定した。固定した切片を、1 mMCa2+及びMg2+、10%BSA及び10%正常ヤギ血清(NGS)を含有す るPBS溶液(染色バッファー)中50μg/mlのCD6−Rg又はヒトIgG1 (Sigma)を用いて室温で1時間染色した。スライドを染色バッファー中で3回洗 浄し、10μg/mlのフルオレセイン複合アフィニティー精製ヤギ抗ヒトIgG抗 体(Tago)と室温で1時間インキュベートした。染色バッファーで3回洗浄した後 、スライドを蛍光顕微鏡で調べた。結果 : CD6レセプターグロブリン、CD6−Rg. CD6のアミノ酸末端シグナ ル配列を含む400アミノ酸細胞外ドメインをコードするcDNA断片(Aruffo ら,J.Exp.Med.174:949(1991))をヒトIgG1のヒンジ(H)、CH2及びC H3ドメインをコードするcDNA断片上に融合することによりCD6−Rg 融合遺伝子を構築し、上記のように哺乳動物発現ベクターCDM7B-(Aruffo ら,Cell 61(7):1303(1990))中にサブクローン化した。IgG定常部をコード するcDNA断片は3つの点突然変異を含む。これらのアミノ酸置換により、I gGFcドメインのFcRI、II及びIIIへの結合が傷害された。 本実験に用いたCD6−Rgタンパク質は、COS細胞内での過渡的発現によ り得られ、プロテインAカラムに吸収させそれから溶離することにより精製した (Aruffoら,Cell 61(7):1303(1990))。CD6−Rgは共有結合のホモ二量体と して発現され、ELISA分析で試験した抗CD6mab全てによって確認され た(T12、2H1、MBG6及びG3−6)。以前に記載されたCD5−Rg (Aruffoら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10242(1990))、ELAM1−R g(Walzら,Science 250:1132(1990))及びCTLA4−Ig(Linsleyら,J.Exp .Med.174:561(1991))融合タンパク質及び/又はヒトIgG1は、結合及び免 疫沈降実験全てにおいてイソタイプ適合対照として用いた。 ヒト及びマウス細胞へのCD6−Rg結合. CD6−Rgの多数のヒト及び マウス細胞系への結合をフローサイトメトリーを用いる間接免疫蛍光により調ベ た。CD6−Rgは、試験した細胞系のサブセットに結合した(図8)。CD6 −Rg染色後に最も明るい蛍光強度を示す細胞系の中では、ヒト乳房上皮由来細 胞系HBL−100、ヒト結腸がん腫由来細胞系H3719、黒色腫由来細胞系 H3606、EBV形質転換ヒトB細胞系LCL及びヒト線維芽細胞系GM08 33及びIMR90があった。CD6−Rg結合後に中間の蛍光強度を示す細胞 系の中では、リンパ系細胞系Jurkat、Peer及びHUT78があった。 HPBALL、JM、H9、LTR228及びRajiを含む他の多数のリンパ 系細胞系は、CD6−Rgへの結合を示さなかった。これらの細胞系はいずれも 、対照融合タンパク質CD5−Rgへ有意な結合を示さなかった。HBL−10 0細胞系への結合を更に確認した。 増加濃度のCD6−RgのHBL−100細胞系への結合は、CD6−Rgと この細胞系との相互作用は用量依存及び飽和可能であることを示した(100μ g/ml、図9A)。これらの細胞をトリプシンで処理するとCD6−Rg結合を消 滅する(図9B)が、ノイラミニダーゼ又はN−グリカナーゼ処理はCD6− Rg結合を少しだけ減少した。CD6−RgのHBL−100への結合は、キレ ート剤をCD6−Rg/HBL−100結合前に加えると部分的にEDTA感受 性であったが結合後に加えると感受性でなかった(図10)。更に、CD6−R gはPBS中でこの細胞系に極めて弱く結合したが、Ca2+或いはMg2+を加え ると(最終濃度2mM)、HBL−100細胞への強いCD6−Rg結合が得られ た。 抗CD6mAbMGB6及びG3−6についてCD6のHBL−100細胞へ の結合遮断能を調べた。MGB6mAbはHBL−100へのCD6−Rg結合 を濃度依存方式で遮断することができた(図11)が、G3−6mAbはHBL −100へのCD6−Rg結合を0.02mg/ml程度の高い濃度で遮断することが できなかった(図11)。 CD6−Rg結合に関するサイトカインの影響. サイトカインは、多数の細 胞表面タンパク質の発現を調節する。HBL−100細胞によって発現したCD 6結合タンパク質の発現に関するサイトカインの影響を調べた。それらの細胞を IL−1β、TNFα及びIFN−γの混合物で処理すると、CD6リガンド発 現のダウンレギュレーションが生じた(図12)。サイトカインの各々を単独で 又はサイトカインの2つの組合わせで処理すると、TNFαとIFN−γの混合 物がこれらの細胞によるCD6リガンド発現のダウンレギュレーションに主に関 与することが示された。 CD6リガンドの免疫沈降. CD6−Rg融合タンパク質を用いて、HBL −100細胞によって発現したCD6リガンドを免疫沈降した。125I細胞表面 標識又は[35S]メチオニン/システイン代謝標識後にCD6リガンドを両細胞 系から免疫沈降する多数の試みは不成功であった。対照的に、CD6−Rgを加 える前にHBL−100細胞溶解物から〜90及び〜40kDaの[3H]グルコ サミン標識表面糖タンパク質が得られた(図13)。〜40kDaタンパク質が ユニークなタンパク質或いは〜90kDaタンパク質の分解酸物であるかは明ら かでない。同様に、CD6−Rgは〜90及び〜40kDaのタンパク質を[3H ]グルコサミン標識H3606から免疫沈降させることができた。CD6−Rg は、EDTAが細胞溶解物に存在する場合にはこれらのタンパク質を免疫沈降す るこ とは不可能であった。 更に、CD6−Rgは、EDTAの存在及び不在の両方で放射性標識HBL− 100細胞溶解物から分子量〜100kDaを有するポリペプチドを免疫沈降し たがCTLA4−Igは免疫沈降しなかった(図13)。この所見は、HBL− 100細胞へのCD6−Rg結合がEDTAによって完全に遮断されない(図1 0)がHBL−100細胞をトリプシンで前処理することにより完全に消滅した ことを示した細胞結合実験と一致する(図9B)。この〜100kDaポリペプ チドもCD6−Rg融合タンパク質によってH3606溶解物から免疫沈降した 。 CD6−Rg免疫組織化学. 高レベルのCD6リガンドを発現する組織を同 定するために、マウス脳、皮膚、肝臓、腎臓、心臓、脾臓、リンパ節、胸腺及び 小腸から得られた組織切片のパネルについてCD6−Rg結合を調べた。反応性 は皮膚、リンパ節及び胸腺細胞切片に認められた(図14)。皮膚では真皮の明 るい中断染色及び毛嚢の染色が認められた(図14A)が、ヒトIgG1も毛嚢 と反応し、この相互作用が分子のCD6部分によって仲介されなかったことが示 された。胸腺では主な反応性は皮質で認められ(図14C)、リンパ節では明る い染色が中間洞に沿って見られた(図14E)。 これらの所見に基づいて、CD6−Rgのマウス胸腺上皮由来細胞系Z210 への結合及び培養したヒト表皮ケラチン細胞(EK)への結合を調べた。CD6 −RgがZ210及びEK細胞の双方に結合することがわかった(図15)。Z 210細胞への結合はトリプシン感受性、2価カチオン依存であり、HBL−1 00細胞と同様の方法でサイトカインによりモデュレートされた。対照融合タン パク質CD5−Rgは、Z210又はEK細胞に結合しなかった(図15)。 実施例 III 実験の詳細 : 細胞及び培養条件. TE細胞及び胸腺線維芽細胞(TE)を、記載されてい るように移植片手法により培養した(Singerら,Human Immunol.13:161 1985);S ingerら,J.Invest.Dermatol.92:166(1989))。ヒト胸腺組織を、心臓血管矯 正手術を受ける子供たちからの廃棄組織としてデュークユニバーシティーメデ ィカルセンターの病理科から入手し、胸腺細胞を記載されているように調製した (Denningetら,J.Immunol.139:2573(1989))。COS−M6細胞(ATCC、 ロックビル、メリーランド州)及びHBL−100細胞(ATCC)を、10% FCS、1mMピルビン酸ナトリウム、0.025μg/mlアンホテリシンB、10 0U/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシンを含有するDMEM中で 生育した。 モノクローナル抗体. 本実験に用いられる抗体は次のものである:P3X6 3/Ag8(対照mAb;ATCC)、35.1(抗CD2;J.Hansen、シアト ル、ワシントン州)、T12(抗CD6;E.Reinherz、ボストン、マサチュー セッツ州)、Nal/34(抗CD1a; A.McMichael、オックスフォード、英 国)、A3D8(抗CD44;(Telenら,J.Clin.Invest.71:1878(1983)) 、J4−81及びJ3−119(Pesandoら,J.Immunol.137:3689(1986))、 フィコエリトリン複合抗CD4(CD4−PE; Dako,カーピンテリア、カリフ ォルニア州)、サイクロム複合抗CD8(CD8−Cy; Pharmingen、サンジエ ゴ、カリフォルニア州)及びヒト白血球分化抗原に関する第5回国際研究会(Sh aw,分化抗原発現の交差系統(ブラインドパネル)分析の概念:白血球型別、Sc hlossmanら、編集、オックスフォード大学出版、オックスフォード(1994))。 細胞表面抗原の検出: 非固定培養TE細胞、TF、COS細胞又はHBL− 100細胞をPBS、TBS(0.9MNaCl、50mMトリス−HCl、pH 7.3;5mMCaCl2、5mMMgCl2又は5mMMnCl2を含めるか又は含めず に)或いは2%BSA及び0.1%NaN3を含有するDMEM(10mMEDTA を含めるか又は含めずに)に懸濁した。細胞をCD6−Rg(Weeら,Cell,Immu nol.(1994))又はCD5−Rg(Arrufoら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:102 42(1991))、ELAM−Rg(Walzrら,Science 250:1132(1990))、CTLA4− Rg組換え融合タンパク質(Linsleyら,J.Exp.Med.174:561(1991))又は対照 としてヒトIgG(Sigma、セントルイス、ミズーリ州)(100μg/ml)と4℃で 30分間インキュベートし、2%BSA及び0.1%NaN3を含有するPBSで 洗浄した。フルオレセイン複合ヤギ抗ヒトIgG1(Kirkegaard & Perry Laboratories,Inc.,ガイザースバーグ、メリーランド州)を第2試薬 として用いた。細胞をPrifile IIフローサイトメータ(Coulter Corp.,ヒアリー 、フロリダナ巾或いはFACStarPlusフローサイトメータ(Becton-Dickinson,Inc .、マウンテンビュー、カリフォルニア州)で分析し、データをソフトウェアプ ログラムPC-Lysysを用いて処理した。融合タンパク質相互作用のトリプシン感受 性を求めるために、細胞を1mMEDTAを含有するPBS中0.2%トリプシン と37℃において30分間インキュベートし、融合タンパク質と反応する前に十 分に洗浄した。3色免疫蛍光実験を行った。 TE−胸腺細胞ロゼット結合分析. TE−胸腺細胞ロゼット結合分析を記載 されているように行った(Singerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:6588(198 6))。胸腺細胞を、Nal/34及びヤギ抗マウスIgGによる間接免疫蛍光染 色後にFACStarPlus蛍光活性化細胞選別機を用いて蛍光活性化細胞選別すること によりCD1+(未熟、CD6lo)又はCD1-(成熟、CD6hi)亜集団に分離 した。選別細胞の再分析により胸腺細胞亜集団は純度>95%であった。TE− 胸腺細胞結合分析に用いたmabは飽和結合力価で又は超過力価で用いた。 COS細胞トランスフェクション及び結合実験. 安定なCD6発現COS細 胞系を、CMVプロモーターの制御下CD6遺伝子を含むプラスミドCD6−1 5(A.Aruffoら,J.Exp.Med.174:949(1991))及び記載されているSV40プ ロモーターによって誘導された細菌ネオマイシン耐性遺伝子を含むpSVneo プラスミド(Liao ら,J.Imm皿ol.151:6490(1993))を同時トランスフェクトす ることにより構築した。CD6を発現するCOS細胞は、mAbT12を用いる 間接免疫蛍光分析で同定した。CD6+及びCD6−細胞は、Becton-Dickinson FACStarplus蛍光活性化細胞選別機を用いてクローン化した。 pSVneo(COS−Neo)をトランスフェクトしたCD6発現COS細 胞(COS−CD6D)及び対照COS細胞をTE細胞と共に懸濁結合分析に用 いた。COS細胞とTE細胞とを区別するために、TE細胞を収集前に1μMカ ルセインAM(MolecularProbes、ユージーン、オレゴン州)で37℃において 15分間PBS中で代謝的に標識した。カルセインAM標識細胞は蛍光性であり 、蛍光顕微鏡で非標識細胞から区別することができる。 TE細胞へのCD6−Rg結合を阻害するmAbのスクリーニング. ヒト白 血球分化抗原に関する第5回国際研究会のブラインドパネルからのmab及び抗 インテグリンmabパネルの中からTE細胞表面の反応性をスクリーンした。T E細胞と反応した154mabの中の126をこの分析に用いた。細胞(1005 )を腹水又は精製したmabと1:100で4℃15分間インキュベートした 。この混合液にCD5−Ig或いはCD6−Ig(5μg)を加え、4℃で2時 間反応させた。2%BSAを含有するPBSで洗浄した後、CD5−Rg及びC D6−RgをヒトIgG(Sigma)のFcタンパク質に特異的なフルオレセイン 複合抗血清で標識した。フルオレセイン複合ヤギ抗血清で生じるマウスIgとの 交差反応性を説明するために、CD6−RgとCD5−Rgを含む試料間の蛍光 (ΔFL)の差として結合を求めた。対照mAbP3とプレインキュベートした 試料のΔFLを100%結合とした。 抗体遮断実験. mAbJ4−81をプロテインG−セファロースカラム(Pi erce、ロックフォード、イリノイ州)を用いて腹水から精製し、製造業者によっ て勧められているようにスルホ−NHS−ビオチン(Pierce)でビオチニル化した 。ビオチン−J4−81(1μg/ml)をmAbA3D8、J4−81又はJ3− 119の可変量の存在下にTE細胞の表面に結合した。FITC複合ストレプト アビジン(Soughern Biotechnology Associates,lnc.、バーミンガム、アラバマ 州)とインキュベートした後、細胞を洗浄し、0.4%パラホルムアルデヒドで 固定し、フローサイトメトリーで分析した。 免疫沈降及びタンパク質標識条件. TE細胞を120μCi/ml 3H-グルコサミ ン(New England Nuclear、ボストン、マサチューセッツ州)で代謝的に標識し、 収集し、以前にに記載されているように免疫沈降した(Weeら,Cell.Immunol.(1 994))。TE細胞表面タンパク質を、ラクトペルオキシダーゼを用いて125I(New England Nuclear)で以前に記載されているように標識した(Jones、放射性標識 リンパ球タンパク質の1次元及び2次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動による 分析:細胞免疫学における選択法、Mishell & Shiigi,eds.W.H.Freeman & Co mpany,New York,pp.398-440(1980))。 タンパク質架橋. 125Iで表面標識したTE細胞をmAb(1:100腹水 )、 精製した免疫グロブリン(200μg/ml)又は組換え免疫グロブリン融合タンパ ク質(200μg/ml)とDME/5%FBS中で2〜4時間インキュベートした 。冷PBSで十分に洗浄した後、結合した免疫グロブリンをPBS中1mMDTS SP(Pierce)で4℃で60分間細胞表面タンパク質に架橋した。DTSSPを2 0mMトリス−HCl(pH8.0)で不活性化し、細胞を冷PBSで洗浄した。 細胞を、1%NP−40、1mMPMSF、0.1mMTLCK及び0.1%NaN3を 含有するPBSに溶解した。免疫グロブリン複合体をプロテインA−セファロー スビーズ(Sigma)で精製した。SDS−PAGEの前に、タンパク質複合体を2 %2−メルカプトエタノール(2−ME)を含有するSDSローディングバッフ ァー(2%SD、10mMトリス−HClpH7.4、20%グリセロール、ブロ モフェノールブルー)で可溶化して架橋剤を切断した。タンパク質の同一性を確 認するために、精製したタンパク質複合体を1mMEDTA中0.2%トリプシン で25℃において30分間処理した(Patelら,Virology 149:174(1986))後、可 溶化し架橋剤を切断した。不連続SDS−ポリアクリルアミドゲル中でタンパク 質を電気泳動した後、ゲルを40%メタノールに固定し、AmplifyR試薬(Amersh am、アーリントンハイツ、イリノイ州)を含浸し、乾燥し、オートラジオグラフ ィー膜に露光するか又はPhorphorlmager System(Molecular Dynamics、サニーベ イル、カリフォニアナ州)を用いて画像にした。 免疫組織学. 正常ヒト組織を廃棄組織としてデュークユニバーシティーメデ ィカルセンターの病理科から入手し、液体窒素で凍結した。アセトン固定組織切 片についてmAb反応性の間接IF分析を記載されているように行った(Haynes ら,J.Invest.Dermatol.768:323(1982))。結果 : TE−胸腺細胞結合に関する抗CD6抗体及びCD6−Rgの影響. 胸腺細 胞のTE細胞への結合におけるCD6の役割を、TE−胸腺細胞懸濁結合分析を 用いて求めた。CD6(T12)及び組換えCD6免疫グロブリン融合タンパク 質(CD6−Rg)に対する抗体は共に、胸腺細胞のTE細胞への結合を阻害し た(図16)。以前に報告されているように(Patel & Haynes,Semin.Immunol. 5:283(1993))、抗CD2mAb35.1(正の対照として)はTE−胸腺細胞結 合を76±5%(p<0.003)だけ阻害した。抗CD6抗T12はTE−胸 腺細胞結合を49±9%(p<0.015)だけ阻害した。同様に、CD6ヒト Ig融合タンパク質、CD6−RgはTE−胸腺細胞結合を35±9%(p<0 .05)だけ阻害した。飽和量のmAb35.1とT12の組合わせをTE−胸腺 細胞結合分析に加えると、mAb35.1単独による遮断とほとんど違わないレ ベルの結合阻害(74±10%阻害)が得られた。それにもかかわらず、抗CD 6mAb及びCD6−Rgによるデータから、CD6が胸腺細胞のTE細胞への 結合で沈降する接着性分子であること及びヒトTE細胞上にCD6に対するリガ ンドがあることが示された。 CD6発現COS細胞のTE細胞への結合. 抗CD6抗体とCD6−Rgの 双方によるTE−胸腺細胞結合阻害はCD6が接着性分子であることを示すが、 TE−胸腺細胞結合の阻害は立体障害のために起こることもある。CD6が接着 性分子であることを確認するために、CD6発現COS細胞(COS−CD6) の安定な移入体を構築した(図17)。pSVneoだけをトランスフェクトし たCOS細胞(COS−neo)はTE細胞に十分に結合しなかった(6±1% COS−neo結合TE細胞)が、COS−CD6はTE細胞に結合した(25 ±2%COS−CD6結合TE細胞、p<0.01)(図17)。COS−CD6/ TE結合の特異性は、CD6mAbT12によるCOS−CD6/TE結合阻害 を試験することにより調べた。対照mAbP3及びCOS−neo細胞(6±1 %COS−neo結合TE)と比べると、CD6mAbT12はCOS−CD6 のTE細胞への結合(5±1%COS−CD6結合TE、p<0.01)を基線 レベルの結合まで完全に阻害し(図17)、COS−CD6/TE結合がCD6 特異的であることが確認された。 胸腺細胞サブセットのTE細胞への結合に関する抗CD6mAの影響. CD 6の胸腺細胞サブセット上での発現を調べると共に選別した成熟対未熟胸腺細胞 サブセットのTE細胞への結合をCD6mAbの存在下に試験することにより、 胸腺細胞サブセットの結合におけるCD6の役割を求めた。CD6の胸腺細胞サ ブセット上の発現は、3色免疫蛍光及びフローサイトメトリーにより求めた(図 18)。胸腺細胞は全てCD6を発現したが、未熟なCD4+CD8+二重 陽性(DP)胸腺細胞はCD6loであり、成熟CD4+CD8−又はCD4−C D8+一重陽性(SP)胸腺細胞はCD6hiであった。 胸腺細胞サブセットのTE細胞への結合におけるCD6の役割を求めるために 、胸腺細胞を蛍光活性化細胞選別によりCD1+及びCD1−に分離した。CD 1+胸腺細胞がDPCD6lo細胞でありCD1−がSPCD6hiであることから CD1を選び、CD1mAbはTE−胸腺細胞結合を阻害しない(Patel & Hayn es,Semin.Immunol.5:283(1993))。CD1+及びCD1−胸腺細胞は共にT E細胞に十分に結合した(各々45±4%及び54±6%、P=NS)。CD2 mAb35.1は、成熟胸腺細胞の結合より(52±11%阻害)未熟な胸腺細 胞の結合を阻害した(77±9%阻害)(p<0.01)。CD6mAbT12も未 熟(22±7%阻害)及び成熟(39±17%阻害)胸腺細胞共にTE細胞への 結合を阻害した(p<0.25)(図19)。 CD6−Rgの胸腺微環境の細胞への結合. CD6−Rg融合タンパク質の TE細胞、胸腺線維芽細胞及び胸腺細胞への結合能を間接IF及びフローサイト メトリーにより求めた。CD6−Rgは、TE細胞の表面及び胸腺線維芽細胞に 結合したが、胸腺細胞に結合しなかった(図20A)。CD6−RgのTE細胞 への結合は、トリプシン感受性であり、2価カチオンに部分的に依存性であった (図20B)。CD6−RgはDME及び5%FBSを含有するバッファー中で TE細胞に十分に結合したが、10mMEDTAの存在下にCD6−RgのTE細 胞への結合は54±4%だけ阻害した(N=5、p<0.001、図20B)。 CD6−Rg結合の2価カチオン依存性を更に評価するために、5mMCaCl2 、5mMMgCl2又は5mMMnCl2を含有するバッファー中でCD6−Rg結合 を求めた。CaCl2及びMnCl2は共にCD6−RgのTE細胞への結合を高 めた(各々144±5%、p=0.01及び318±22%、p<0.01)が、 MgCl2はCD6−Rg結合に影響しなかった(94±2%、p=NS)。 TE細胞へのCD6−Rg結合の抗体仲介阻害. CD6リガンドの同定を始 めるために、ヒト白血球分化抗原に関する第5回国際研究会からの479mAb のパネルの中からTE細胞表面に対する反応性を間接免疫蛍光及びフローサイト メトリーによりスクリーンした(Shaw,分化抗原発現の交差系統(ブラインドパ ネル)分析の概念:白血球型別、Schlossmanら、編集、オックスフォード大学出 版、オックスフォード(1994))。TE細胞の表面と反応した154mAbの中の 126mAbを分析に用いてCD6−RgのTE細胞への結合を阻害した。第2 抗血清と反応しなかった122mAbの中の1つだけ(J4−81)がCD6− RgのTE細胞への結合を阻害した。mAbJ4−81は、CD6−RgのTE 細胞への結合を60±7%(N=10、p<0.001)及び乳房細胞系HBL −100への結合を40±3%(N=3、p<0.02)だけ阻害し(図4)、 CD6−Rgを結合することも示された(Weeら,Cell.Immunol.(1994))。フロ ーサイトメトリー分析においては、TE細胞及びHBL−100細胞の双方がm AbJ4−81と強く反応した。 J4−81で検出された分子上の第2エピトープと反応することが報告された mAbJ3−119(Pesandroら,J.Immunol.137:3689 (1989))は、CD6−R gのTE細胞への結合(図21)を48±5%(N=3、p<0.005)だけ及 びHBL−100細胞への結合を45±11%(N=3、p<0.1)だけ高め た。mAbJ3−119がmAbJ4−81と同じタンパク質を認識することを 確認するために、mAbJ3−119のビオチニル化J4−81のTE細胞への 結合遮断能を試験した。CD4(TE細胞の表面に十分に結合する)に対するm AbA3D8はJ4−81結合に効果がなかったが、J4−81とJ3−119 mAbは共にビオチニル化J4−81の結合を阻害した(各々99%と82%)( 図22)。更に、mAbJ4−81は、J3−119によって検出された抗原の B細胞上の表面発現をモデュレートした(Pesandroら,J.Immunol.137:3689(198 6))。 mAbJ4−81がCD6に対するリガンドを認識することを更に決定するた めに、J4−81についてCOS−CD6細胞のTE細胞へのCD6特異結合阻 害能を試験した。mAbJ4−81はTE細胞のCOS−CD6細胞への結合を 顕著に阻害し(87±1%、N=3、p<0.001)、もって、J4−81が CD6リガンドを認識することが確認された。 mAbJ4−81及びCD6−Rgは、同じ100kDaTE細胞タンパク質 を結合する。CD6−Rgに結合するTE細胞表面タンパク質を同定するために ある方策が考えられ、もって、CD6と表面125I標識TE細胞上のCD6リガ ンドとの相互作用をDTSSP、遊離アミノ基と反応性の切断可能なホモ二官能 性架橋試薬で安定し、CD6−Rg含有複合体をプロテインA−セファロースビ ーズを用いて精製した。この方策を用いると、CD6−Rgは100kDaTE 細胞表面タンパク質と特異的に反応した(図23)。125I標識TE細胞に架橋 したmAbJ40−81もCD6−Rgによって認識された100kDaタンパ ク質と移動する100kDaタンパク質を生じた(図23)。トリプシン消化実 験は、J4−81によって同定された100kDaタンパク質がCD6−Rgに よって同定された100kDaタンパク質と同じトリプシン消化パターンを有す る(図23)ことを示し、両タンパク質が同一であることが示された。mAbJ 4−81も、3H−グルコサミンで代謝的に標識したTE細胞の抽出液から100 kDaタンパク質を特異的に免疫沈降した。 100kDaCD6リガンドはCD6に対して2価カチオン非依存リガンドで ある。免疫沈降実験(上記)は、CD6−Rgが2価カチオンの存在下及び不在 下に100kDaタンパク質を免疫沈降することができることを示した。即ち、 100kDaタンパク質は2価カチオン非依存CD6リガンドであることができ る。更に、J4−81だけが2価カチオンの存在下にCD6−RgのTE細胞へ の結合を部分的に阻害し、CD6に対して1を超えるリガンドがあることが示さ れた。mAbJ4−81はEDTAの存在下にTE細胞へのCD6−Rg結合を ほぼ完全に阻害し(80±10%阻害、p<0.1)(図21)、主として2価カチ オン非依存CD6−CD6リガンド相互作用に関係することが確認された。対照 的に、mAbJ3−119は2価カチオンの不在下にCD6−Rg結合を47± 7%(P<0.1)だけ高めた(図21)。 mAbJ4−81反応性の組織分布. J4−81によって認識された100 kDa糖タンパク質の組織分布を種々のヒト組織の凍結切片について間接IFに より調べた(表5)。mAbJ4−81とヒト組織及び細胞系との反応は広範囲 であった。CD6は生後のヒト胸腺内の胸腺細胞上で発現したが、100kDa CD6リガンドは皮質及び髄質TE細胞及びハッサル体上で発現した(図24) 。胸腺以外の組織では、J4−81は表皮ケラチン細胞、消化管上皮、乳房上皮 、膵臓の腺房細胞及び島細胞、肝細胞、尿細管上皮、大脳皮質のニューロン及び 線維芽細胞と反応した。 各種類の組織においてmAbJ4−81と反応する細胞の種類を挙げる。 実施例 IV 実験の詳細 : 細胞系、組織培養および抗体. TE細胞を報告されている外殖技術により培 養した(Singer et al,Human Immunol.13:161(1985);Singer et al,J.Inves t.Dermat.92:166,(1989))。COS細胞、乳ガンHBL−100、B−細胞リ ンパ細胞系Ramos、RajiおよびDauji、T細胞リンパ球細胞系CE MおよびMOLT4、赤白血球細胞系K562、および単球様細胞系HL60お よびU937をATCC(ロックビル、MD)から入手し、イスコブ(Iscove's )変性ダルベコ培地に10%ウシ血清を加えた標準組織培養条件下において維持 した。NK−様細胞系YTはポダック(E.Podack)(Univ.of Miami Sch.of Med icine)から入手した。この実験に使用した抗体は、腹水とし てJ4−81(Pesando et al.J.Immunol.137:3689(1986))、Leu4(抗 CD3)−フィコエリトリン(Becton Dichkinson,San Jose,CA),G3-6(J.Led ibetter,Bristol-Myers Squibbからの抗CD6)、抗L6(BristolーMyers Squ ibb)、T12(抗−CD6、ATCC)、およびP3(ATCC)である。 CD6発現COS細胞形質移入体へのTE細胞の結合. COS−CD6およ びCOS−neo細胞をCD6をコードするプラスミド(Aruffo et al,J.Exp .Med.174:949(1991))、およびpSVneoプラスミド(Liao et al,J.Immun ol.151:6490(1993))を同時に形質移入することにより作成した。G418選択 後、CD6+細胞をベクトンディッキンソンFACStarPLUS蛍光活性化細胞 選別機を使用してクローンを行った。COS−neoおよびCOS−CD6TE 細胞を、懸濁結合アッセイにおいて使用した。COS細胞とTE細胞を区別する ために、TE細胞を1μmのカルセインAM(分子プローブ、Eugene,OR)を用い て、37℃において15分間、PBS中で標識を行ってから収集した。カルセイ ンAM−標識化細胞は蛍光性であり、蛍光顕微鏡により標識を行っていない細胞 と区別することができる。TE細胞と複合化したCOS−CD6細胞の割合をス コアにすることにより接着を定量化した。接着をブロックするために、抗体T1 2、J4−81、およびP3を飽和結合タイターの過剰下において用いた。 mAbJ4−81により認識される抗原の遺伝子のクローニングおよびキャラ クタリゼーション. HBL−100細胞(〜3×109)からのALCAMの J4−81免疫親和性精製を記載されるように行った(Bowen et al,J.Immuno l.151:5896(1993))。精製したタンパクおよびCNBrフラグメントは、パル ス−液体タンパクシークエンサーにおいて、既に記載された方法により分析を行 った(Maresh et al,Arch.Biochem.Biophys.311:95(1994))。アミノ末端配列 を、ジェネティックコンピューターグループ(GCG)配列分析ソフトを使用し てスイスプロットデータベース (SwissProt data base)に対してスクリーニング を行った。ニワトリBENプローブは、ニワトリ胚cDNAライブラリー(Clon tech)からPCRにより合成され、32P−dCTPによりランダム、プライム標 識化され、PHA活性化ヒトT細胞cDNAライブラリーをスクリーニン グするために使用された。一部のcDNAクローンを単離し、該cDNAの5’ エンドの200bpを使用して、全てのコード領域を含むクローンをHL60c DNAライブラリーから単離した。ALCAMのcDNA誘導ペプチド配列を用 いたデータベース検索を、BLASTプログラムを用いて行い、4つの最も高い スコアリングヒットの整列化およびコンセンサス配列の誘導化をGCG配列分析 ソフトからのPileupおよびPrettyプログラムを用いて行った。 ノザン分析. 末梢血単核細胞(PBMC)をリンパ球分離培地(Organon Tec nika,Dufham,NC)か、製造者の指示書に従い分離した。PBMCを1μg/ml の植物性血球凝集素(PHA;Boehringer Mannheim Indianapolis,IN)を用い て刺激を行った。全体の細胞性RNAはTRIzol試薬を用いて調製した(Gib co BRL,Gaithersburg,MD)。単球をPBMCからプラスチックへ2.5時間付着 することにより単離した。RNAは変性ホルムアルデヒドゲル上で分画した;2 5μgのRNAを単球(15μgが添加されている)を除く全ての試料に添加した 。RNAをニトロセルロースTC(Schleicher and Schuell,Keene,NH)に移動 し、32P−dCTPによりランダム、プライム標識化されたALCAMまたはG APDHcDNAによりプローブとした。フィルターを−70℃においてフィル ムに露出させ、現像した。 PHAブラスト調製および染色. PBMCを単離し、上述したようにPHA により活性化を行い、mAbJ4−81腹水(1:200)またはCD6−Rg (50μg/ml)、次にFITC標識化第二抗体および抗−CD3−PEにより 選択した日数染色した;J4−81染色T細胞の細胞蛍光分析をFACScan (Becton Dickinson,San Jose,CA)上で、CD3正細胞上にゲートすることに より行った。 ALCAMコード遺伝子の染色体地図. CDM7中の2.2kbおよび1.9 kb挿入物を含むヒトALCAM遺伝子の二種類の重複cDNAを、記載されて いるように切片上ハイブリダイゼーション(FISH)における蛍光のためのプ ローブとして使用した(Milatovich et al,Genomics 11:1040(1991))。プローブ をビオチン−dUTPを用いて、ニックトランスレーション法により標識を行い 、500ng/50μl(スライドあたり)の濃度で、予備処置および変性を行 ったヒトPHA−刺激リンパ球培養からの分裂中期染色体にハイブリダイズを行 った。非ヒトゲノミックDNAではないが、キャリアの役割をするサーモン精子 DNAを競合者として使用した。インキュベーション、洗浄、アビジン−FTI C(Vector Laboratories)によるシグナル検出およびビオチン化ヤギ抗−アビジ ンD抗体(Vector Laboratories)による一回の増幅の後、染色体はヨウ化プロピ ジウムで対比染色を行い、アクシオホト(Axiophot(Zeiss))エピ蛍光顕微鏡下 で上述したように分析を行った(Milatovich et al,Genomics 11:1040(1991) )。ハイブリダイゼーションシグナルは、シグナルが染色体の双方の染色分体上 に観察される場合にのみ、特異的であるとした。冷却電荷結合素子(CCD)カ メラ(Photometrics PM512)を用いてデジタル画像により記録を行い、疑似色で 表示した。 ALCAM−Rgの構造. ALCAM−Rgは、CD6−Igと同様のPC R技術により構築した(Aruffoetal,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:2292(199 2))。pCDM8におけるALCAMcDNAをテンプレートとして使用した。 pDCM8のCMVプロモーター中のM1uI部位を包含する正オリゴヌクレオ チドプライマー(GGCCAGATATACGCGTTGACATT)、およびBamHI部位を含み、A LCAMの細胞外膜基部残基をコードするヌクレオチドに特異的な逆プライマー (TGTATCATGTGGATCCGCCTGGTCATTCACCTTTTCTCT)を切断ALCAMをコードするD NAフラグメントをコードするフラグメントを合成するのに使用した。このPC R生産物をM1uIおよびBAMHIにより消化を行い、同様に消化を行ったヒ トIgG1のヒンジ、CH1、およびCH2ドメインをコードするベクター(p CDM7)に結紮した。ヒトIgG1のFcタンパクに融合したALCAMの細 胞外領域をコードするキメラ遺伝子を生じた。タンパクがCOS細胞におけるA LCAM−Rgの一過性の発現により生産され、かつタンパクAセファロースへ の吸着および溶出により精製された。簡単に述べると、プラスミドDNAをCO S細胞にDEAE−デキストランクロロキン法により形質移入した。18〜24 時間後、10%FBSダルベコ変性イーグルス培地をPBSですすぎ洗浄をした のち血清を含まない培地と交換した。細胞培養は7〜10日間維持した後、収集 した。簡単に述べると、融合タンパクを含む上澄み液を2500 rpmで20分間遠心分離をし、0.45μmミリポアフィルターで濾過を行った。 この上澄み液をタンパクAセファロースカラムに1.00ml/min.の流速で通し た。結合した融合タンパクをpH3.5、0.1Mクエン酸で溶出し、すぐにpH 9.0、1.0Mトリスで中和した。融合タンパクをPBSに対して透析を行い、 Certicor concentrator(Amicon)を用いて濃縮を行つた。 CD6−RgのALCAM発現COS細胞への結合およびALCAM−Rgの CD6発現COS細胞への結合. COS細胞は、DEAE−デキストラン法に より、親ベクターCDM8、またはCD6或いはALCAMをコードするcDN Aクローンにより形質移入された(Aruffo et al,Proc.Natl.Acad.Sci.,US A 84:8573(1987))。形質移入して3日後、細胞をPBS/0.5mMEDTAに より脱離を行い、PBSで洗浄し、およびmAbまたは融合タンパクを次の濃度 で含むPBS/1%BSA/0.1%NaN3(PBA)中に再懸濁した:J4− 81(aALCAM)腹水の1:200希釈、G3−6(aCD6)5μg/m l、CD6−Rg50μg/ml、およびALCAM−Rg25μg/ml。氷上 で30分おいた後、細胞をPBAで2回洗浄し、ヤギ抗−マウスまたはヒトIg G−FITCのいずれかを含有するPBA中に氷上で30分間再懸濁を行った。 細胞を二回PBAで洗浄し、PBSで一回洗浄を行い、PBS/1%ホルムアル デヒド中に固定化し、かつフローサイトメトリーで分析を行った。結果 : 形質移入COS細胞上のCD6はTE細胞接着を促進する. 胸腺細胞−TE 細胞接着におけるCD6の役割を直接調査するために、CD6を発現する安定な COS細胞形質移入体を作成した。CD6発現COS細胞(COS−CD6)は TE細胞接着を支持したが、一方、親ベクターのみにより形質移入されたCOS 細胞(COS−neo)は支持しなかった(図25)。TE細胞のCOS−CD 6細胞への接着は、COS−CD6細胞を抗−CD6mAbT12により前処理 するか、またはTE細胞をJ4−81mAbにより前処理することにより阻害さ れ(図25b)、これはCD6仲介によるTE細胞への接着がmAbJ4−81 により認識される分子に関連していることを示している。 mAbJ4−81により認識される抗原のクローニングおよびキャラクタリゼ ーション(活性化白血球−細胞接着分子(ALCAM)). J4−81アフィ ニティーカラムをHBL−100、CD6リガンドを高レベルで発現するガン腫 細胞系(Wee et al,Cell,Immunol.158:353(1994))およびJ4−81により 認識される抗原(Patel et al,J.Exp.Med.(1994))からタンパクを精製する ために使用した。未処理タンパクおよび内部ペプチドフラグメントから得られる アミノ酸配列は、ニワトリ神経接着分子BEN/SC−1/DM−GRASP(P uorquie et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA B9:5261(1992);Tanaka et al,N euron 7:535(1991),Burns et al,Neuron 7:209 81991),これらはまた活性化ニ ワトリ白血球により発現されると報告されている(Corbel et al,Cell Immunol .141:99(1992))と実質的に相同性であることが見いだされた。ニワトリBEN に相当するDNAフラグメントはPCRにより得られ、PHA活性化ヒトT細胞 cDNAライブラリーをスクリーニングするために使用した。完全コード領域を 含まない単一クローンが単離された。このクローンの5’領域から誘導された2 00bpPCRフラグメントを、HL60cDNAライブラリーから完全コード 配列を含む−1.9kbcDNAクローンを単離するために使用した(ヌクレオ チド配列はGenBankに寄託された;受け入れ番号#L38608)。2種類のcDNA クローンは、重複領域の3つのヌクレオチド位置において多形性を示し、そのう ちの二つはタンパクレベルの相違を生じる(位置836におけるHL60からT 細胞クローンへのGからAの変化はN231のSによる置換を生じる;位置96 5におけるHL60からT細胞クローンへのCからTの変化はN274のTによ る置換を生じる) ニワトリBENのヒト相同性予期アミノ酸配列(ALCAM)、I型膜タンパ クは、27アミノ酸(aa)N−末端疎水性シグナルペプチド、続いて500a a細胞外ドメイン、24aa疎水性膜貫通ドメインおよび32aa細胞質ドメイ ンからなる(図29参照)。ALCAMのグリコシル化は、−65kDaの予期 分子量と免疫沈降により観察される分子量100−105kDaとの間の相違の 大部分の原因であると考えられる(Patel et al,J.Exp.Med.(1994));Pesand o et al,J.Immunol,137:689(1986))。ALCAMとデータベース内の他のア ミノ酸配列の比較は、ニューロリン(Lawssingetal,Differentiatio n 56:21(1994))、金魚の視覚系の神経軸策に発現されるタンパク(38%同一 性/55%類似性)、RAGE(Neeper et al,J.Biol.Chem.267:14998(1992 ))、進行性グリケーション終末産物のレセプター(28/43%)およびMUC 18(Lehmann et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:9891(1989))、その発現が 転移性メラノーマ細胞に関連する細胞表面タンパク(23/49%)に相同性で あることを示した(図26A)。 ALCAMは活性化白血球により発現される. ノザンブロット分析により、 分裂促進因子により発現された−5.2kbmRNAとハイブリダイズしたAL CAMcDNAプローブは、末梢血単核細胞(PBMC)および多数のT細胞、 B細胞、単球および癌誘導細胞系を活性化した;活性化された単球は、−10お よび8.5kbの二種類の付加的マイナー種を示した(図26B)。 ALCAMmRNAは未活性化PBMC内では検出されなかった。活性化T細胞 中のALCAM転写物の存在がJ4−81およびCD6−Rg結合タンパクの発 現に相当するかどうかを調査するために、PBMCをPHAにより活性化し、バ ルク培養の一部をフローサイトメトリーで10日間試験した。T細胞上のJ4− 81およびCD6結合タンパクの発現は活性化2日後に観察され、3日めに最大 となり、活性化8日後に検出不可能レベルにまで低下した(図26C)J4−8 1およびCD6−Rg活性化T細胞への結合は、同じ動態学を示し、これらの2 分子が同じ分子ターゲットを認識することを示している。 ヒトALCAM遺伝子の染色体バンド3q13.1〜q13.2への割り当て. ALCAMcDNAクローンをプローブとして使用した蛍光切片上ハイブリダ イゼーション実験は、ヒト染色体3の基部ロングアーム上の単一部位へ遺伝子を 局在化させた。分析された25の分裂中期のスプレッドのうち、20がこの部位 における双方の染色分体上に特異的な蛍光シグナルを示し、および13および2 0が両方の染色体3ホモローグ上にシグナルを有した。染色体は、細胞培養を同 調した後、BrdUの挿入により産生されるR−バンド形成パターンにより同定 された。ALCAMシグナルは、バンド3q13.1−q13.2に割り当てられ た(図27)。 ALCAMはCD6リガンドである. HL60細胞から単離されたALCA McDNAクローンがJ4−81およびCD6−Rgに結合するタンパクの発現 を支配するものであるかどうか直接調査するために、cDNAをCOS細胞内に 形質移入した。形質移入3日後、COS細胞のJ4−81(aALCAM)また はCD6−Rgに結合する能力をフローサイトメトリー法で試験を行った。図2 8Aに示されるように、ALCAM発現COS細胞はJ4−81およびCD6− Rg両方に結合可能であった。ALCAMはCD6リガンドであるということを さらに確認するために、ALCAM−Rgをコードするキメラ遺伝子を構築した 。この部分を共有結合性ホモダイマーとして、−200kDaの分子集団として 発現し、mAbJ4−81により認識した。ALCAM−RgのCD6への結合 を示すために、COS細胞をCD6をコードするcDNAクローンにより形質移 入し(Aruffo et al,J.Exp.Med.174:949(1991))、フローサイトメトリーによ り3日後に試験した。CD6により形質移入されたCOS細胞は、G3−6(a CD6)およびALCAM−Rg(図28B)両方に結合した。これらの結果は 、CD6およびALCAMがレセプター/リガンド対であることを示している。 ニワトリBENは同型接着を仲介することが報告されている(Pourquie et al ,Proc.Natl,Acad,Sci,USA 89:5261(1992)); Tanaka et al,Neuron 7:53 5(1991));Burns et al,Neuron 7:209(1991))。ALCAM−Rgは、ALCA Mを発現するCOS細胞に結合することができ、これはALCAMが同種親和性 および異種親和性接着双方を仲介することを示している。 * * * 上記で言及した文献は全て参考として本明細書に引用する。 本発明の開示を読み取ることから、当業者は方式及び詳細の種々の変更を本発 明の真の範囲から逸脱することなく行うことができることを理解するであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/00 C12N 5/00 B G01N 33/53 A61K 37/02 ABC //(C12P 21/00 C12R 1:91) (72)発明者 ヘインズ バートン エフ アメリカ合衆国 ノースカロライナ州 27707 ダーラム ウェントワース ドラ イヴ 4923 (72)発明者 アルーフォ アレジャンドロ アメリカ合衆国 ワシントン州 98020 エドモンズ スプルース ストリート 1012 (72)発明者 パテル ダーヴァルクマー アメリカ合衆国 ノースカロライナ州 27712 ダーラム ディアチェイス ウィ ンド 3012 (72)発明者 ボーウェン マイケル エイ アメリカ合衆国 ワシントン州 98109− 4100 シアトル ロイ ストリート 200 −#540 (72)発明者 マーカード ハンス アメリカ合衆国 ワシントン州 98040− 4408 マーサー アイランド サウスイー スト フォーティシックスス ストリート 9222

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.精製したCD6リガンド、又は少なくとも5つの連続アミノ酸からなるその 一部分。 2.前記リガンドのCD6への結合が2価カチオン非依存性である請求項1記載 のリガンド。 3.前記リガンドのCD6への結合が2価カチオン依存性である請求項1記載の リガンド。 4.前記リガンドが図29に示されるアミノ酸配列を有する請求項1記載のリガ ンド。 5.前記リガンドが胸腺上皮細胞から誘導可能である請求項1記載のリガンド。 6.前記胸腺上皮細胞がヒト細胞である請求項5記載のリガンド。 7.還元条件下ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動で求め た分子量が約35kDaである単離したCD6リガンド、又は少なくとも5つの 連続アミノ酸からなるその一部分。 8.還元条件下ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動で求め た分子量が約100kDaである単離したCD6リガンド、又は少なくとも5つ の連続アミノ酸からなるその一部分。 9.還元条件下ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動で求め た分子量が約90kDaである単離したCD6リガンド、又は少なくとも5つの 連続アミノ酸からなるその一部分。 10.請求項1、7、8又は9のいずれか1項に記載の該CD6リガンド及び薬学 的に許容しうる担体を含む組成物。 11.請求項1、7、8又は9のいずれか1項に記載の該CD6リガンドのミメト ープ。 12.前記ミメトープがRNA、DNA又はタンパク質である請求項11記載のミ メトープ。 13.請求項11記載の該ミメトープ及び薬学的に許容しうる担体を含む組成物。 14.第1細胞の表面上に存在するCD6の第2細胞の表面上に存在するCD6リ ガンドへの結合を阻害する方法であって、前記第1細胞の表面上に存在する前 記CD6と可溶性CD6リガンド又はそのミメトープとを、前記可溶性CD6リ ガンド又はそのミメトープが前記第1細胞の表面上に存在する前記CD6に結合 し、もって、前記第2細胞の表面上に存在する前記CD6リガンドの前記第1細 胞の表面上に存在する前記CD6への結合を阻害するような条件下に接触させる 工程を含む方法。 15.第1細胞の表面上に存在するCD6の第2細胞の表面上に存在するCD6リ ガンドへの結合を阻害する方法であって、前記CD6リガンドと可溶性CD6又 はそのミメトープとを、前記可溶性CD6又はそのミメトープが前記第2細胞の 表面上に存在する前記CD6リガンドに結合し、もって、前記第1細胞の表面上 に存在する前記CD6の前記第2細胞の表面上に存在する前記CD6リガンドへ の結合を阻害するような条件下に接触させる工程を含む方法。 16.前記第1細胞がT細胞、B細胞又は神経細胞であり、前記第2細胞が胸腺上 皮細胞、B細胞、単球/マクロファージ、上皮細胞、膵腺房細胞、膵島細胞、繊 維芽細胞又は神経細胞である請求項14又は15記載の方法。 17.試験化合物の中のCD6のCD6リガンドへの結合阻害能をスクリーニング する方法であって、 i)試験化合物とCD6又はCD6リガンドの一方、又は各々の結合部位とを 、前記試験化合物と前記CD6又はCD6リガンド間に複合体が形成することが できるような条件下に接触させる工程; ii)前記CD6又はCD6リガンドのもう一方と工程(i)から得られた組合 わせとを、前記CD6又は各々の結合部位の前記CD6リガンド又は各々の結合 部位への結合が起こることができるような条件下に接触させる工程; iii)前記CD6又は各々の結合部位の前記CD6リガンド又は各々の結合部位 への結合の程度を求め、もって、前記試験化合物について前記CD6の前記CD 6リガンドへの結合阻害能を求める工程: を含む方法。 18.前記CD6又はCD6リガンド又は各々の結合部位の少なくとも一方が可溶 性形態である請求項17記載の方法。 19.前記CD6及びCD6リガンドの少なくとも一方が細胞の表面上に存在する 請求項17記載の方法。 20.約90kDa(還元条件下ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル 電気泳動によって求めた)形態のCD6リガンドに対する抗体。 21.CD6リガンド又はその少なくとも5つのアミノ酸部分をコードする配列を 有する単離された核酸分子。 22.前記分子がcDNA分子である請求項21記載の分子。 23.請求項21記載の該分子及びベクターを含む発現構築物であって、前記分子 が該ベクター内でプロモーターに実施可能なように連結されている発現構築物。 24.前記CD6リガンドが図29に示される配列を有する請求項21記載の分子 。 25.前記分子が図29に示される配列を有する請求項24記載の分子。 26.請求項23記載の該発現構築物を有する宿主細胞。 27.CD6リガンド又はその一部の作製方法であって、請求項26記載の該宿主 細胞を前記核酸分子が発現されるような条件下に培養し、もって、前記CD6リ ガンドを作製する方法。
JP8533425A 1995-05-01 1996-04-29 Cd6リガンド Ceased JPH11506313A (ja)

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