JPH11503752A - 抗tnf抗体の複数回投与 - Google Patents

抗tnf抗体の複数回投与

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JPH11503752A
JPH11503752A JP8531685A JP53168596A JPH11503752A JP H11503752 A JPH11503752 A JP H11503752A JP 8531685 A JP8531685 A JP 8531685A JP 53168596 A JP53168596 A JP 53168596A JP H11503752 A JPH11503752 A JP H11503752A
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フェルドマン,マーク
ナス メイニ,ラビンダー
エヌ. ウッディー,ジェイムス
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ザ ケネディー インスティチュート オブ リューマトロジー
セントコー,インコーポレーテッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、個体に複数回の用量の抗TNF抗体を投与することを含む、TNF介在性疾患を有する個体の治療方法であって、第2回目のまたはその後の投与が、該疾患の再発期または再発前に投与される方法に関する。該疾患は、関節リウマチ等のTNFα介在性疾患であることが好ましい。抗TNF抗体は、ネズミ抗体、キメラ抗体もしくはヒト抗体またはその断片等のモノクローナル抗体またはその断片であってもよい。該抗体は、87〜108および59〜80からなる群より選ばれたヒトTNFα(hTNFα)の1以上のアミノ酸と結合することが好ましい。該抗体は、A2またはcA2のエピトープと結合できる。好ましい態様において、該抗体は、A2またはcA2である。

Description

【発明の詳細な説明】 抗TNF抗体の複数回投与 発明の背景 単球とマクロファージは、エンドトキシンその他の刺激に応答して、腫瘍壊死 因子α(TNFαまたはTNF)として知られるサイトカインを分泌する。TN Fαは17kDタンパク質サブユニットの可溶性ホモ三量体である(Smith ら,J.Bi ol.Chem.262 :6951〜6954(1987))。TNFの膜結合型26Kd前駆体も存在する(K rieglerら,Cell 53 :45〜53(1988))。TNFの総説については、Beutlerら,Na ture 320 :584(1986)、Old,Science 230 :630(1986)及びLeら,Lab.Invest.5 6 :234を参照のこと。 単球やマクロファージ以外の細胞もTNFαを産生する。例えば、ヒト非単球 腫瘍細胞株はTNFを産生する(Rubin ら,J.Exp.Med.164 :1350(1986); Spriggs ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84 :6563(1987))。CD4+及びCD8+末 梢血T リンパ球といくつかの培養T 及びB 細胞株(Cuturiら,J.Exp.Med.165 : 1581(1987);Sungら,J.Exp.Med.165 :1539(1987))もTNFαを産生 する。 TNFは、血管内皮細胞に対する凝血促進活性を誘導したり(Pober ら,J.I mmunol.136 :1680(1986))、好中球とリンパ球の付着性を増大させたり(Pober ら,J.Immunol.138 :3319(1987))、マクロファージ、好中球及び血管内皮細 胞からの血小板活性化因子の放出を刺激する(Camussi ら,J.Exp.Med.166: 1390(1987))など、組識損傷をもたらす起炎症作用を引き起こす。 したがって、TNFαは、炎症性疾患、自己免疫疾患、ウイルス感染症、細菌 感染症、寄生虫感染症、悪性腫瘍および/ または神経変性疾患に関連づけられて おり、関節リウマチやクローン病などといった疾患の特異的生物療法にとって有 用な標的である。TNFαに対するキメラ抗体(cA2)によるオープンラベル( open-label)試験では、炎症の抑制を伴う有益な作用が報告されている。Elliot t ら,Arthritis Rheum 36 :1681〜1690(1993)。しかし、この抗TNFα抗体 で治療した患者はしばしば再発した。 現在までのところ、抗体の複数回投与は、ヒト抗マウス抗体応答(HAMA応答) ゆえに、問題が多かった。Exley ら,Lancet 335 :1275〜1277(1990)。さらに 、キメラ抗体を続けて投与すると、患者における治療効果が減少した。例えば、 重篤な敗血症性ショックを伴う14人の患者の抗TNFネズミmAb 治療では、0.4 〜10mg/kg の単一用量で、ネズミ抗TNF mAbが投与された(Exley,A.R.ら, Lancet 335 :1275〜1277(1990))。しかし、14人の患者のうち7 人は、この治 療に対してヒト抗ネズミ抗体応答を示し、この治療はその抗体のネズミ重鎖及び 軽鎖部分の免疫原性による問題を含んでいる。免疫原性は、継続投与の有効性を 減じ、ネズミ抗TNF抗体の診断的または治療的投与を受ける患者において、治 療を無効にしうる。かかる抗体のキメラ化はこの負の反応を緩和すると期待され たが(Morrison,Science,229 :1202〜1207(1985))、いくつかのキメラ抗体 はHACA(ヒト抗キメラ抗体)応答をもたらし、それが時には対応するネズミ抗体 と同じ程度にまでなることがわかった。(例えば、Khazaeliら,Cancer Res.,5 1 :5461〜5466(1991))。ネズミ抗体のキメラ化において免疫原性の減少が認 められた場合でさえ、増大したHACA反応のために、反復療法としてのそれらの使 用は避けられることが多い。 したがって、TNF介在性疾患において、抗体を投与することによってその疾 患状態の再発を治療することができれば、極めて有益であろう。発明の要約 本発明は、一定の抗TNF抗体をTNF介在性疾患が再発した患者に投与する ことにより、その抗体の最初の治療で達成される応答強度と同じか、それに類似 する応答強度を得ることができるという予想外の驚くべき発見に基づいている。 したがって、本発明は、TNF介在性疾患を有する個体を治療する方法であっ て、その個体に複数回の用量の抗TNF抗体を投与することからなり、その第2 回またはそれ以降の投与量を、その疾患の再発期、または再発直前に与えるとい う方法に関する。また本発明は、過去に抗TNF抗体で治療されたTNF介在性 疾患の再発の治療に、抗TNF抗体を使用することに関する。TNF介在性疾患 には、関節リウマチやクローン病などの慢性衰弱性疾患状態が含まれる。 本発明は、これらの慢性疾患状態を病む患者の有益で長期にわたる治療を可能 にする。図面の簡単な説明 図1 は、第1 サイクルに20mg/kg の抗TNFα抗体(cA2)を投与し、3 サイ クルにわたって10mg/kg の抗TNFα抗体(cA2)を投与した患者の応答強度を 表す線グラフである。この図は、2 回目の投与とそれ以降の投与が、第1 治療サ イクルと同じか、それ以上の応答をもたらしたことを示している。実線は、腫脹 した関節数を表し、破線は血清C-反応性タンパク質(CRP)応答を表す。 図2 は、少なくとも2 完全サイクルの抗TNFα抗体(cA2)を投与した7 人 の患者の応答の持続時間を表す棒グラフである。発明の詳細な説明 本発明は、抗TNF抗体をTNF介在性疾患を病む患者に複数回投与すること により、再発期であっても、第2 回またはそれ以降の投与において、その疾患の 症状を極めて有効に緩和できるという発見に関係する。本発明は、TNF関連病 を治療するための本発明の治療法に有用な医薬組成物の形態にある抗TNF抗体 をも提供する。 高親和性および/ または強力な生体内TNF阻止および/ または中和抗体、そ の断片または領域を使用することが好ましい。かかる抗体、断片または領域は、 h TNFαに対して、Kaにして少なくとも108M-1、より好ましくは少なくとも109 M-1の親和性を持つことが好ましい。 ヒト治療用には、TNF誘導性IL-6分泌を遮断する本発明の強力な生体内TN Fα阻止および/または中和活性を持つ高親和性抗体および断片、領域並びに誘 導体が好ましい。ヒト治療用には、生体内および試験管内でTNF誘導性凝血促 進活性を遮断する(ELAM-IやICAM-Iのような細胞接着分子のTNF誘導性発現の 遮断およびTNF有糸分裂活性遮断を含む)ような高親和性抗TNFα抗体およ びその断片、領域並びに誘導体も好ましい。 本発明で使用できる抗TNF抗体には、TNFに対する高い親和性と低毒性( HAMAおよび/ またはHACA応答を含む)を特徴とするモノクローナル抗体、キメラ 抗体、ヒト化抗体、表面再処理(resurfaced)抗体もしくは組換え抗体またはそ れらの断片が含まれる。具体的には、可変領域、定常領域および枠組みなどとい った個々の成分が個別におよび/ または集合的に低い免疫原性を持つ抗体を使用 することが好ましい。本発明の抗体は、症状を著しく緩和する効力と低毒性を保 ちつつ、患者を長期間治療できることを特徴とする。低免疫原性および/ または 高親和性は、その他の不確定の特徴と共に、達成される治療結果に寄与するだろ う。好ましい抗体はキメラ抗体である。 キメラ抗体は、異なる動物種に由来する2 以上の区分または部分によって特徴 づけられる免疫グロブリン分子である。一般に、キメラ抗体の可変領域はヒト以 外の哺乳類抗体(例えばネズミmAb)に由来し、その免疫グロブリン定常領域は 、ヒト免疫グロブリン分子に由来する。好ましくは、低免疫原性を持つ可変領域 を選択し、それを、やはり低免疫原性を持つヒト定常領域と組み合わせる。そし て、その組み合わせもまた、低い免疫原性を持つことが好ましい。本明細書にお いて「低」免疫原性とは、有意なHACAまたはHAMA応答を起す患者が、治療される 患者の約75% 未満、好ましくは約50% 未満であること、および/ または、治療さ れる患者で低い力価(二重抗原酵素免疫検定法で測定した場合に約300 未満、好 ましくは約100 未満)を生じることと定義される。Elliott ら,Lancet 344 :11 25〜1127(1994)(参考文献として本明細書に合体させる)。 本明細書で使用する「キメラ抗体」という用語には、一価、二価または多価免 疫グロブリンが含まれる。一価キメラ抗体は、ジスルフィド橋を介してキメラL 鎖と結合したキメラH 鎖によって形成される二量体(HL)である。二価キメラ抗 体は、少なくとも1 つのジスルフィド橋を介して結合した2 つのHL二量体によっ て形成される四量体(H2L2)である。例えば会合するCH領域(例えばIgM H 鎖ま たはμ鎖由来のもの)を使用することによって、多価キメラ抗体も製造できる。 抗体は、個々の重鎖(H)免疫グロブリンおよび/ または軽鎖(L)免疫グロブ リンからなる。キメラH 鎖は、ヒトH 鎖C 領域(CH)(CH1 またはCH2 など)の 少なくとも一部に結合した、TNF特異的非ヒト抗体のH 鎖に由来する抗原結合 領域からなる。本発明のキメラL 鎖は、ヒトL 鎖C 領域(CL)の少なくとも一部 に結合した、TNF特異的非ヒト抗体のL 鎖に由来する抗原結合領域からなる。 キメラ抗体およびそれらの製造方法は、当該技術分野で既に記述されている( Morrisonら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81 :6851〜6855(1984);Boulianne ら,Nature 312 :643〜646(1984);Neuberger ら,Nature 314 :268〜270(19 85);Taniguchi ら,欧州特許出願第171496号明細書(1985年2 月19日公開);M orrisonら,欧州特許出願第173494号明細書(1986年3 月5 日公開);Neuberger ら,PCT 出願国際公開第 86/01533 号パンフレット(1986年3 月13日公開);K udoら,欧州特許出願第184187号明細書(1986年6 月11日公開);Morrisonら, 欧州特許出願第173494号明細書(1986年3 月5 日公開);Sahagan ら,J.Immun ol.137 :1066〜1074(1986);Robinsonら,国際特許公開PCT/US86/02269(198 7年5 月7 日公開);Liuら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84 :3439〜3443 (1987);Sun ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84 :214〜218(1987);Better ら,Science 240 :1041〜1043(1988);およびHarlowとLane ANTIBODIES: A LA BORATORY MANUAL Cold Spring Harbor Laboratory(1988))。これらの引用文 献の全内容を、参考文献として本明細書と合体させる。 抗TNFキメラ抗体は、例えば、それぞれがヒト定常領域の少なくとも一部と ヒト以外の起源を持つ可変(V)領域の少なくとも一部とからなる、2本の軽鎖 と2 本の重鎖を含み、該抗体は、抗体cA2 のように、ヒトTNFの阻止および/ または中和エピトープに対して高い親和性で結合することができる。本抗体には 、かかる抗体の断片または誘導体、例えばその抗体鎖の1 以上の部分(例えば重 鎖定常領域もしくは可変領域、または軽鎖定常領域もしくは可変領域)も含まれ る。 抗体のヒト化および表面再処理によって、抗体の免疫原性をさらに減少させる ことができる。例えば、Winter(米国特許第5,225,539 号およびEP 239,400 B1 )、Padlanら(EP 519,596 A1)およびPedersenら(EP 592,106 A1)(これらは 参考文献として本明細書に合体される)を参照のこと。 本発明の好ましい抗体は、ヒトTNFαに対して生体内で強力な阻止および/ または中和活性を持つ高親和性ヒト- ネズミキメラ抗TNF抗体およびそれらの 断片または領域である。かかる抗体およびキメラ抗体には、精製組換えTNFα または1 以上のエピトープを含むそのペプチド断片を用いる免疫化によって生成 するものが含まれうる。かかるキメラ抗体の例としてはcA2 と、抗TNFαネズ ミmAb A2、キメラmAb cA2、または実質上同じ特異的結合特性を持つ抗体ならび にそれらの断片およびそれらの領域のヒトTNFαに対する結合を生体内で競合 的に阻止する抗体が挙げられる。mAb の特異性と親和性を競合阻止によって決定 するための好ましい方法は、Harlowら,Antibodies: A Laboratory Manual,Col d Spring Harbor Laboratory Press,ニューヨーク州コールドスプリングハーバ ー(1988)、Colliganら編,Current Protocols in Immunology,Greene Publish ing Assoc.and Wiley Interscience,ニューヨーク(1992,1993)、Kozborら, Immunol.Today 4 :72〜79(1983)、Ausubel ら編,Current Protocols in Mol ecular Biology,Wiley Interscience,ニューヨーク(1987,1992,1993);お よびMuller,Meth.Enzymol.92 :589〜601(1983)(これらは全て参考文献とし て本明細書に合体される)に認めることができる。 本明細書で使用する「抗原結合領域」という用語は、抗原と相互作用するアミ ノ酸残基を含有し、その抗原に対する特異性と親和性をその抗体に付与する、抗 体分子の一部分をいう。該抗体領域には、その抗原結合残基の適正な立体配置を 維持するのに必要な「枠組み」アミノ酸残基が含まれる。抗原結合領域は、一般 的には、ネズミ由来のものだろう。別の態様として、抗原結合領域を他の動物種 、例えばヒツジ、ウサギ、ラットまたはハムスターに由来してもよい。かかる非 ヒト抗体をコードするDNA の好ましい供給源としては、抗体を産生する細胞株、 好ましくは通常ハイブリドーマとして知られるハイブリッド細胞株が挙げられる 。好ましいハイブリドーマは、A2ハイブリドーマ細胞株である。 「抗原」とは、抗体によって結合される能力を持ち、かつ、動物にその抗原の エピトープに選択的に結合することのできる抗体を産生させることができる分子 または分子の一部をいう。抗原は1 以上のエピトープを持つことができる。 「エピトープ」という用語は、抗体によって認識され、かつ、その抗体の1 以 上の抗原結合領域で結合可能な抗原の一部分を意味する。エピトープは通常、特 定の三次元構造特徴と特定の荷電特徴を持つ、アミノ酸や糖側鎖などの、化学的 に活性な分子の表面基を有する。「阻止および/ または中和エピトープ」とは、 抗体と結合すると、そのエピトープを含有する分子の生物活性(TNF受容体に 対するTNFの結合を含む)が生体内または試験管内(より好ましくは生体内) で失われるエピトープを意味する。TNFのエピトープは、アミノ酸1〜約20、 約56〜約77、約108〜約127、および約138〜約149 に同定されている。抗体は、 TNF残基約87〜約107、約59〜約80またはそれらの組み合わせのうち、少な くとも約5 アミノ酸のTNFを有するエピトープに結合することが好ましい。一 般的には、エピトープは、これらの領域の1 以上を包含するまたはそれらと部分 的に重なる少なくとも約5 個、および約22個未満のアミノ酸を含む。 例えば、抗TNF活性、抗体およびその断片並びにその可変領域が認識し、お よび/ または結合するTNFのエピトープは、次の残基を含む: 59−80: 87−108: これらの好ましい抗TNF抗体またはペプチドは、Eck とSprang(J.Biol.C hem.264(29):17595〜17605(1989))が示した推定受容体結合中心(h TNF αのアミノ酸11〜13、37〜42、49〜57および155〜157)に結合することなく、T NFαの作用を遮断する。ハイブリドーマを用いる抗体産生 小さいペプチド配列に対して、それらの配列が遊離型もしくは複合型でまたは 大きなタンパク質との関連で天然配列として提示される場合、それらの配列を認 識しそれらの配列に結合する抗体を惹起させる技術は、当該技術分野で良く知ら れている。かかる抗体は、当該技術分野で公知のハイブリドーマまたは組換え技 術によって産生可能である。 本発明の抗体の製造に使用できるネズミ抗体は、Rubin ら,EP 0218868,1987 年4 月22日;Yoneら,EP 0288088,1988年10月26日;Liang ら,Biochem.Bioph ys.Res.Comm.137 :847〜854(1986);Meagerら,Hybridoma 6 :305〜311(1987 );Fendlyら,Hybridoma 6 :359〜369(1987); Bringmanら,Hybridoma 6 :4 89〜507(1987);Hirai ら,J.Immunol.Meth.96 :57〜62(1987);Mollerら, Cytokine 2 :162〜169(1990)にも記述されている。 細胞融合は、免疫学分野の技術者に良く知られている標準的方法で達成される 。融合パートナー細胞株ならびにハイブリドーマを融合し選択する方法およびmA b をスクリーニングする方法は、当該技術分野で良く知られている。例えば、Au subel(下記)、Harlow(下記)およびColligan(下記)(これら引用文献の内 容は、全て参考文献として本明細書に合体される)を参照のこと。 本発明のTNFα特異的ネズミmAb は、その抗体を分泌するハイブリドーマま たはトランスフェクトーマ細胞をマウスの腹腔内に注射し、適当な期間後に、高 力価の該mAb を含有する腹水を回収し、そこからmAb を単離することによって、 大量に産生され得る。ハイブリドーマ(例えばラットまたはヒト)によるかかる mAb の生体内産生には、ハイブリドーマ細胞を照射または無胸腺ヌードマウス中 で生育することが好ましい。別法として、ハイブリドーマまたはトランスフェク トーマ細胞を試験管内で培養し、分泌されたmAb をその細胞培養培地から単離す ることにより、または真核もしくは原核細胞内で組換え的に産生することもでき る。 好ましい態様において、本抗体は、A2、rA2 またはcA2 によって認識されるT NFエピトープのアミノ酸を結合し、ハイブリドーマまたは組換え宿主によって 産生されるmAb である。もう1 つの好ましい態様では、本抗体は、A2によって認 識されるエピトープを認識するキメラ抗体である。さらに好ましい態様では、本 抗体は、キメラA2(cA2)と称するキメラ抗体である。 本発明の抗体の例として、本発明のネズミmAb A2は、c134A と命名された細胞 株によって産生される。キメラ抗体cA2 は、c168A と命名された細胞株によって 産生される。c168A は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(American T ype Culture Collection)(メリーランド州ロックビル)に「培養確定寄託」と して寄託された。 本発明は、断片、領域、またはその免疫グロブリン断片と機能的に類似する分 子種を得るために先端削除もしくは修飾した遺伝子によってコードされるタンパ ク質を含む、抗体の「誘導体」をも規定する。修飾には、植物および細菌毒素な どの細胞傷害性タンパク質をコードする遺伝子配列の付加が含まれるが、これに 限定されない。断片および誘導体は、当該技術分野で知られているように、適当 な細胞から産生することができる。別法として、抗TNF抗体、断片および領域 を、細胞傷害性タンパク質または細胞傷害性化合物に試験管内で結合することに より、表面にTNFを持つ細胞を選択的に殺す細胞傷害性抗TNF抗体を得るこ ともできる。 断片には、例えばFab、Fab'、F(ab')2およびFvが含まれる。これらの断片 は完全な抗体のFc断片を欠き、循環系からより迅速に消失し、完全な抗体よりも 低い非特異的組識結合性を持ちうる(Wahlら,J.Nucl.Med.24 :316〜325(198 3))。これらの断片は、当該技術分野で良く知られる方法を用いて、例えばパパ イン(Fab 断片の製造)やペプシン(F(ab')2断片の製造)などの酵素によるタ ンパク質分解的切断によって、完全な抗体から産生される。抗TNF抗体の組換え発現 TNFを阻止する組換えおよび/ またはキメラ化ネズミ- ヒトまたはヒト- ヒ ト抗体は、本明細書に記載する教示に基づき、既知の技術を用いて、本発明に従 って得ることができる。例えば、Ausubel ら編,Current Protocols in Moleula r Biology,Wiley Interscience,ニューヨーク(1987,1992,1993);Sambroo kら,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laborato ry Press(1989)(これら文献の内容は、参考文献として本明細書に合体される )を参照のこと。 本発明の抗TNF抗体をコードするDNA は、重鎖定常領域(Hc)、重鎖可変領 域(Hc)、軽鎖可変領域(Lv)および軽鎖定常領域(Lc)のうち少なくとも1 つ をコードするゲノムDNA またはcDNAでありうる。ネズミV 領域抗原結合区分をコ ードするDNA の供給源として染色体遺伝子断片を使用する方法に代わる便利な方 法は、例えばLiu ら(Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 84 :3439(1987)およびJ. Immunology 139 :3521(1987);これらは参考文献として全て本明細書に合体さ れる)が報告しているように、cDNAを使用してキメラ免疫グロブリン遺伝子を構 築することである。cDNAの使用して所望のタンパク質の合成を達成するには、そ の宿主細胞に適した遺伝子発現要素を、その遺伝子と組み合わせる必要がある。 cDNA配列の使用は、細菌その他の適当なRNA スプライシング系を欠く宿主でcDNA 配列を発現させることができるという点で、(イントロンを含有する)ゲノム配 列より有利である。かかる製造の例を以下に説明する。 遺伝コードは縮重しているので、ある特定のアミノ酸をコードするのに2 以上 のコドンを使用することができる。遺伝コードを使用することにより、それぞれ がそのアミノ酸をコードする能力を持つ1 以上の異なるオリゴヌクレオチドを同 定することができる。特定のオリゴヌクレオチドが現実のXXX コード配列を実際 に構成する可能性は、異常塩基対関係ならびに特定のコドンが抗TNF抗体また は断片を発現させる真核または原核細胞内で(特定のアミノ酸をコードするのに )実際に使用される頻度を考慮することによって見積もることができる。かかる 「コドン使用則」は、Lathe ら,J.Molec.Biol.183 :1〜12(1985)に開示さ れている。Lathe の「コドン使用則」を利用することにより、抗TNF可変また は定常領域配列をコードすることができる理論的に「最も有望な」ヌクレオチド 配列を含有する単一のオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドセットが同 定される。 アミノ酸配列は単一のオリゴヌクレオチドのみによってコードされる場合もあ るが、アミノ酸配列は類似するオリゴヌクレオチドセットのいずれによってもコ ードされうる場合が多い。重要なことは、このセットの要素は全て、そのペプチ ド断片をコードすることができるオリゴヌクレオチドを含有し、それゆえにいず れも、そのペプチド断片をコードする遺伝子と同じオリゴヌクレオチド配列を含 有する可能性を持つが、その遺伝子のヌクレオチド配列と同一のヌクレオチド配 列を含有するのは、そのセットの1 要素のみであるということである。この要素 はそのセット内に存在し、そのセットの他の要素が存在していてもDNA にハイブ リダイズすることができるので、そのタンパク質をコードする遺伝子をクローニ ングするには、単一のオリゴヌクレオチドを使用するのと同じ方法で、未分画の オリゴヌクレオチドセットを使用することもできる。 抗TNF抗体または可変もしくは定常領域を含むその断片をコードすることが できる理論的に「最も有望な」配列を含有するオリゴヌクレオチドまたはオリゴ ヌクレオチドセットを用いて、その「最も有望な」配列または配列セットにハイ ブリダイズすることができる相補的なオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオ チドセットの配列を同定する。かかる相補配列を含有するオリゴヌクレオチドは 、可変または定常領域抗TNF遺伝子を同定および単離するためのプローブとし て使用できる(Sambrookら,下記)。 可変もしくは定常抗TNF領域断片をコードすることができる好適なオリゴヌ クレオチドもしくはオリゴヌクレオチドセット(またはかかるオリゴヌクレオチ ドもしくはオリゴヌクレオチドセットに相補的なオリゴヌクレオチドまたはオリ ゴヌクレオチドセット)を、(前述の手法を用いて)同定し、合成し、当該技術 分野で良く知られた手段で、抗TNF抗体またはその可変もしくは定常領域を発 現させることができる細胞から得られるDNA またはより好ましくはcDNA調製物に 対してハイブリダイズさせる。「最も有望な」可変または定常抗TNF領域ペプ チドをコードする配列に対して相補的な一本鎖オリゴヌクレオチド分子は、通常 の当業者に良く知られている方法で合成することができる(Belagajeら,J.Bio l.Chem.254 :5765〜5780(1979);Maniatisら,Molecular Mechanisms in th e Control of Gene Expression,Nierlichら編,Acad.Press,ニューヨーク(19 76);Wuら,Prog.Nucl.Acid Res.Molec.Biol.21 :101〜141(1978);Khor ana,Science 203 :614〜625(1979))。さらに、DNA 合成は、自動合成装置を使 用して達成することもできる。核酸ハイブリダイゼーションの技術は、Sambrook ら(下記)およびHaynesら(Nucleic Acid Hybridization,A Practical Approa ch,IRL Press,ワシントンDC(1985))によって開示されている(これらの文献 は、参考文献として本明細書に合体される)。前述のような技術およびそれらに 類似の技術によって、ヒトアルデヒド脱水素酵素の遺伝子(Hsu ら,Proc.Natl .Acad.Sci.USA 82 :3771〜3775(1985))、フィブロネクチンの遺伝子(Suz ukiら,Bur.Mol.Biol.Organ.J.4 :2519〜2524(1985))、ヒトエストロゲ ン受容体遺伝子(Walterら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82 :7889〜7893(198 5))、組識型プラスミノーゲン活性化因子の遺伝子(Pennica ら,Nature 301 :214〜221(1983))およびヒト胎盤アルカリ性ホスファターゼcDNA(Keunら,P roc.Natl.Acad.Sci.USA 82 :8715〜8719(1985))のクローニングが成功し ている。 抗TNF可変または定常領域をコードするポリヌクレオチドをクローニングす るもう1 つの方法として、DNA、より好ましくはcDNA(抗TNF抗体またはその 可変もしくは定常領域を発現させることができる細胞由来)を発現ベクターにク ローニングすることにより、発現ベクターのライブラリーを調製する。次に、そ のライブラリーを、A2およびcA2 などの抗TNF抗体の結合を競合的に阻止する タンパク質を発現させることができ、かつ、抗TNF抗体またはその断片と同じ アミノ酸配列を持つポリペプチドをコードすることができるヌクレオチド配列を 持つ構成要素についてスクリーニングする。この態様では、DNA、より好ましく はcDNAを、抗TNF抗体またはその断片を発現させることのできる細胞から抽出 し、精製する。精製したcDNAを(せん断、エンドヌクレアーゼ消化などによって )断片化することにより、DNA またはcDNA断片のプールを作製する。次に、各要 素が原核細胞(例えば細菌)または真核細胞(例えば哺乳類、酵母、昆虫または カビ)で発現する独自のクローン化DNA またはcDNA断片を含有する発現ベクター のゲノムライブラリー(例えばλファージライブラリー)を作製するために、こ のプールから得られるDNA またはcDNA断片を発現ベクター中にクローニングする 。例えば、Ausubel(下記)、Harlow(下記)、Colligan(下記)、Nyyssonen ら,Bio/Technology 11 :591〜595(1993);Marks ら,Bio/Technology 11 :11 45〜1149(1993年10月)を参照のこと。かかる可変または定常抗TNF領域をコ ードする核酸を単離したら、TNFに結合して阻止活性を発揮する組換えmab を 提供するために、その核酸を宿主細胞内で、他の定常または可変重鎖または軽鎖 をコードする核酸と共に、適当に発現させることができる。かかる抗体は、抗原 結合の原因となる相補性決定残基を持つ枠組み残基を含有するネズミまたはヒト 抗TNF可変領域を含むことが好ましい。 本発明のキメラ抗体、断片および領域の定常(C)領域をコードするヒト遺伝 子は、ヒト胎児肝臓ライブラリーから既知の方法で得ることができる。ヒトC 領 域遺伝子は、ヒト免疫グロブリンを発現、産生するものを含めて、いずれのヒト 細胞に由来するものであってもよい。ヒトCH領域は、ヒトH 鎖の既知のクラスま たはイソタイプ(ガンマ、μ、α、δまたはε、およびそれらのサブタイプ、例 えばG1、G2、G3およびG4を含む)のいずれに由来するものであってもよい。H 鎖 イソタイプは抗体の様々なエフェクター機能の原因となるので、CH領域の選択は 、例えば、補体固定や抗体依存的細胞性細胞傷害性(ADCC)における活性などの 所望のエフェクター機能によって左右されるだろう。CH領域は、ガンマ1(IgG1 )、ガンマ3(IgG3)、ガンマ4(IgG4)またはμ(IgM)に由来することが好ま しい。ヒトCL領域は、ヒトL 鎖イソタイプ、カッパまたはラムダのいずれかに由 来することができる。 ヒト免疫グロブリンC 領域をコードする遺伝子は、標準的なクローニング技術 (Sambrookら,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,第2 版,Cold Sprin g Harbor Press,ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(1989)およびAu subel ら編,Current Protocols in Molecular Biology(1987〜1993))によっ て、ヒト細胞から得られる。ヒトC 領域遺伝子は、2つのクラスのL 鎖、5つの クラスのH 鎖およびそれらのサブクラスを代表する遺伝子を含有する既知のクロ ーンから容易に入手できる。F(ab')2やFab などのキメラ抗体断片は、適当に先 端削除されたキメラH 鎖遺伝子を設計することによって製造できる。例えば、F( ab')2断片のH 鎖部分をコードするキメラ遺伝子には、CH1 ドメインおよびH 鎖 のヒンジ領域をコードするDNA 配列と、それに続く、先端欠失分子を得るための 翻訳停止コドンとが含まれるだろう。 一般に、ネズミ抗体、ヒト抗体およびキメラ抗体、その断片および領域は、T NF特異的抗体のH 鎖およびL 鎖抗原結合領域をコードするDNA 部分をクローニ ングし、それらDNA 部分をそれぞれCHおよびCL領域をコードするDNA 部分に連結 して、ネズミ、ヒトまたはキメラ免疫グロブリンコーディング遺伝子を作製する ことによって産生される。したがって、好ましい態様として、ヒトC 領域の少な くとも一部をコードする第2DNA部分に連結した、少なくとも非ヒト起源の抗原結 合領域をコードする第1DNA部分(例えば連関(J)部分を伴う機能的に再編成し たV 領域など)からなる融合キメラ遺伝子を作製する。 したがって、抗体V およびC 領域をコードするcDNAおよびキメラ抗体の製造方 法は、以下に概説する数工程を伴いうる: 1.抗TNF抗体を産生する細胞株由来ならびに重鎖および軽鎖定常領域を供給 する任意の追加抗体由来のメッセンジャーRNA(mRNA)の単離工程;クローニン グとそこからのcDNAの製造工程; 2.精製したmRNAからの完全長cDNAライブラリーの調製工程、L およびH 鎖遺伝 子の適当なV および/ またはC 領域遺伝子部分は、ここから、(i)適当なプロ ーブで同定し、(ii)配列決定し、さらに(iii)キメラ抗体用のもう1 つの抗 体から得られるC またはV 遺伝子部分に適合させることができる; 3.クローニングしたC 領域遺伝子に対するクローン化した特異的V 領域遺伝子 部分の前述のような連結による、完全なH またはL 鎖コーディング配列の構築工 程; 4.ネズミ- ネズミ、ヒト- ネズミ、ヒト- ヒトまたはヒト- ネズミ抗体の獲得 のための原核細胞および真核細胞を含む選択した宿主におけるL およびH 鎖の発 現および製造工程。 すべての免疫グロブリンH 鎖およびL 鎖遺伝子およびそれらがコードするmRNA に共通する特徴の一つはJ 領域である。H およびL 鎖J 領域は異なる配列を持つ が、各群間には80% を超える高度な配列相同性が存在し、特にC 領域付近ではそ れが著しい。本発明の方法では、この相同性を活用する。H およびL 鎖J 領域の 共通配列を利用してプライマーとして使用するためのオリゴヌクレオチドを設計 することにより、その後にV 領域部分をヒトC 領域部分に連結するのに役立つ制 限部位を、J 領域に導入することができる。 ヒト細胞から調製されるC 領域cDNAベクターを部位特異的突然変異誘発法で修 飾することにより、ヒト配列中の類似の位置に制限部位を置くことができる。例 えば、完全なヒトカッパ鎖C(Ck)領域および完全なヒトガンマ-1C 領域(C ガ ンマ-1)をクローニングすることができる。この場合、C 領域ベクターの供給源 としてゲノムC 領域クローンに基づく代替法では、介在配列を除去するのに必要 な酵素を欠く細菌系でこれらの遺伝子を発現させることはできないだろう。クロ ーニングしたV 領域部分を切り出し、L またはH 鎖C 領域ベクターに連結する。 別法として、停止コドンの導入によってヒトC ガンマ-1領域を修飾し、それによ ってFab 分子のH 鎖部分をコードする遺伝子配列を作製することもできる。次に 、連結したV およびC 領域を持つコーディング配列を、適当な原核宿主または真 核宿主での発現に適した発現伝達体に移す。 2 つのコーディングDNA 配列は、その結合がトリプレット読み枠の変更または 中断を伴わずに連続的に翻訳可能な配列をもたらすならば、「有効に連結」して いるという。あるDNA コーディング配列とある遺伝子発現要素の結合が、その遺 伝子発現要素の適正な機能をもたらし、そのコーディング配列の発現をもたらす ならば、両者は有効に連結している。 発現伝達体には、プラスミドその他のベクターが含まれる。これらのうち、適 当な付着末端を持つあらゆるVHまたはVL鎖配列を容易に挿入できるように操作さ れた適当な制限部位を持つ機能的に完全なヒトCHまたはCL鎖配列を保持する伝達 体が好ましい。したがって、ヒトCHまたはCL鎖配列含有伝達体は、適当な宿主で 所望の完全H またはL 鎖を発現させるための中間体として機能する。 マウス- ヒトまたはヒト- ヒトなどのキメラ抗体は、典型的には、その構築物 に使用するマウスH およびL 鎖V 領域本来の染色体遺伝子プロモーターによって 駆動される遺伝子から合成されるだろう。通常、スプライシングはマウスJ 領域 にあるスプライス供与部位とヒトC 領域の前にあるスプライス受容部位の間で起 こり、ヒトC 領域内にあるスプライス領域でも起こる。ポリアデニル化と転写終 結は、ヒトコーディング領域の下流にある天然の染色体部位で起こる。 抗TNF抗体断片の少なくとも1 つをコードする核酸配列は、連結用の平滑末 端または付着末端、適当な末端を得るための制限酵素消化、付着末端の充填(適 当な場合)、望ましくない結合を避けるためのアルカリ性ホスファターゼ処理お よび適当なリガーゼによる連結を含む従来の技術に従って、ベクターDNA に組換 えることができる。かかる操作の技術は、例えばAusubel(下記)、Sambrook( 下記)(これらはすべて参考文献として本明細書に合体される)などに開示され ており、当該技術分野では良く知られている。 DNA などの核酸分子は、それが転写および翻訳調節情報を含有するヌクレオチ ド配列を含み、かかる配列があるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に 「有効に連結」しているならば、そのポリペプチドを「発現させることができる 」。有効な連結とは、調節DNA 配列と発現させようとするDNA 配列とが、回収で きる量の抗TNFペプチドまたはAb断片としての遺伝子発現が可能なようにつな がっている連結をいう。遺伝子発現に必要な調節領域の正確な性質は、類似の分 野で良く知られているように、生物ごとに異なるだろう。例えばSambrook(上記 )およびAusubel(上記)を参照のこと。 好ましい宿主は、細菌、酵母、昆虫、カビ、鳥類および哺乳類細胞を含む生体 内もしくは正常位置(in situ)いずれかの細菌もしくは真核宿主、または哺乳 類、昆虫、鳥類または酵母由来の宿主細胞である。ヒト、霊長類、ハムスター、 ウサギ、ネズミ、ラットその他の齧歯動物、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマ、ヤギ、 イヌまたはネコ由来の哺乳類細胞または組識が好ましい。 さらに、例えば酵母ユビキチン加水分解酵素系を使用することによって、ユビ キチン膜貫通ポリペプチド融合タンパク質の生体内合成を達成することもできる 。そのように産生された融合タンパク質を生体内でプロセシングしたり、試験管 内で精製およびプロセシングすることによって、指定のアミノ末端配列を持つ本 発明の抗TNF抗体または断片を合成することができる。さらに、直接酵母(ま たは細菌)発現において開始コドン由来のメチオニン残基が保持されることに伴 う問題も回避できる。Sabin ら,Bio/Technol.7(7):705〜709(1989);Miller ら,Bio/Technol.7(7):698〜704(1989)。 酵母をグルコースに富む培地で生育したときに大量に産生される解糖系酵素を コードし活発に発現する遺伝子由来のプロモーターと終結要素とを組込んだ一連 の酵母遺伝子発現系はいずれも、本発明の抗TNF抗体断片を得るために利用す ることができる。既知の解糖系遺伝子から、極めて効率のよい転写制御シグナル を得ることもできる。例えば、ホスホグリセリン酸キナーゼ遺伝子のプロモータ ーと終結シグナルを使用することができる。 抗TNF抗体断片とその機能的誘導体の昆虫における産生は、例えば、当業者 に公知の方法で膜貫通ポリペプチドを発現させるように操作されたバキュロウイ ルスで昆虫宿主を感染させることによって達成できる。例えばAusubel ら編,Cu rrent Protocols in Molecular Biology,Wiley Interscience,§§16.8〜16.1 1(1987,1993)を参照のこと。 好ましい態様として、導入される核酸配列を、受容宿主内で自律的に複製でき るプラスミドまたはウイルスベクターに組込む。この目的には種々のベクターの いずれを使用してもよい。例えばAusubel ら(下記)§§1.5、1.10、7.1、7.3 、8.1、9.6、9.7、13.4、16.2、16.6および16.8〜16.11 を参照のこと。特定の プラスミドまたはウイルスベクターを選択する際に重要な因子には、そのベクタ ーを含有する受容細胞を認識し、そのベクターを含有しない受容細胞から選択す ることの容易さ;特定の宿主で望まれるそのベクターのコピー数;およびそのベ クターを種の異なる宿主細胞間で「シャトル」できることが望ましいかどうかが 含まれる。 当該技術分野で知られる好ましい原核ベクターには、大腸菌内で複製できるプ ラスミド(例えばpBR322、ColE1、pSC101、pACYC184、πVXなど)が含まれる。 かかるプラスミドは、例えばManiatis,T.ら(Molecular Cloning,A Laborator y Manual,第2 版,Cold Spring Harbor Press,ニューヨーク州コールドスプリ ングハーバー(1989));Ausubel(下記)によって開示されている。バチルス プラスミドには、pC194、pC221、pT127 などが含まれる。かかるプラスミドは、 Gryczan,T.がThe Molecular Biology of the Bacilli(Academic Press,ニュ ーヨーク(1982),307〜329 頁)に開示している。好適なストレプトミセスプ ラスミドには、pIJ101(Kendall,K.J.ら,J.Bacteriol.169:4177〜4183(19 87))ならびにφC31(Chater,K.F.ら,Sixth International Symposium on Ac tinomycetales Biology,Akademiai Kaido,ハンガリー,ブダペスト(1986),4 5〜54頁)などのストレプトミセスバクテリオファージが含まれる。シュードモ ナスプラスミドについては、John,J.F.ら(Rev.Infect.Dis.8 :693〜704(19 86))、Izaki,K.(Jpn.J.Bacteriol.33 :729〜742(1978))およびAusubel ら(上記)による総説がある。 他にも、抗TNF抗体またはペプチドをコードするcDNAの発現に有用な遺伝子 発現要素として、(a)ウイルス転写プロモーターとそれらのエンハンサー要素 、例えばSV40初期プロモーター(Okayama ら,Mol.Cell.Blol.3 :280(1983) )、ラウス肉腫ウイルスLTR(Gormanら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79 :6777 (1982))およびモロニーネズミ白血病ウイルスLTR(Grosschedl ら,Cell 41 :8 85(1985))など;(b)スプライス領域とポリアデニル化部位、例えばSV40後 期領域から得られるもの(Okayareaら,下記)など;ならびに(c)SV40中にあ るようなポリアデニル化部位(Okayama ら,下記)が挙げられるが、これらに限 定されない。 免疫グロブリンcDNA遺伝子は、Liu ら(下記)およびWeidleら,Gene 51 :21( 1987)に記述されているように、SV40初期プロモーターとそのエンハンサー、マ ウス免疫グロブリンH 鎖プロモーターエンハンサー、SV40後期領域mRNAスプライ シング、ウサギS-グロビン介在配列、免疫グロブリンおよびウサギS-グロビンポ リアデニル化部位、ならびにSV40ポリアデニル化要素を発現要素として使用する ことによって発現させることができる。 部分cDNA、部分ゲノムDNA からなる免疫グロブリン遺伝子(Whittle ら,Prot ein Engineering 1 :499(1987))については、転写プロモーターをヒトサイト メガロウイルスとし、プロモーターエンハンサーをサイトメガロウイルスおよび マウス/ ヒト免疫グロブリンとし、mRNAスプライシングおよびポリアデニル化領 域を天然の染色体免疫グロブリン配列とすることができる。 一態様として、齧歯動物細胞でcDNA遺伝子を発現させるために、転写プロモー ターをウイルスLTR 配列とし、転写プロモーターエンハンサーをマウス免疫グロ ブリン重鎖エンハンサーおよびウイルスLTR エンハンサーのいずれかまたは両方 とし、スプライス領域に31bpより大きいイントロンを含み、ポリアデニル化およ び転写終結領域を、合成される免疫グロブリン鎖に対応する本来の染色体配列か ら得る。もう1 つの態様として、他のタンパク質をコードするcDNA配列を前記発 現要素と組み合わせて、哺乳類細胞におけるそのタンパク質の発現を達成する。 各融合遺伝子を、発現ベクター中で組立てるかまたは発現ベクターに挿入する 。次に、そのキメラ免疫グロブリン鎖遺伝子産物を発現させることのできる受容 細胞を、抗TNF抗体もしくはキメラH 鎖またはキメラL 鎖コーディング遺伝子 単独でトランスフェクトするか、またはキメラH 鎖遺伝子とキメラL 鎖遺伝子で 同時にトランスフェクトする。トランスフェクトした受容細胞を、組込まれた遺 伝子の発現が可能な条件下に培養し、発現した免疫グロブリン鎖または完全抗体 または断片をその培養物から回収する。 一態様として、抗TNF抗体もしくはキメラH およびL 鎖またはその一部をコ ードする融合遺伝子を別個の発現ベクター内で組立て、次いで、それを受容細胞 の同時トランスフェクションに使用する。 各ベクターは2 つの選択可能遺伝子、すなわち細菌系での選択用に設計された 第1 選択可能遺伝子と真核系での選択用に設計された第2 選択可能遺伝子とを含 有することができ、各ベクターは異なる一対の遺伝子を持つ。この方法では、ま ず、細菌系における融合遺伝子の産生を指令し、その増幅が可能なベクターを得 る。次に、そのようにして細菌宿主内で産生され増幅された遺伝子は真核細胞の 同時トランスフェクションに使用され、所望のトランスフェクト遺伝子を保持す る同時トランスフェクト細胞の選択を可能にする。 細菌系で使用するための選択可能遺伝子の例としては、アンピシリンに対する 耐性を付与する遺伝子とクロラムフェニコールに対する耐性を付与する遺伝子が 挙げられる。真核トランスフェクタント用の好ましい選択可能遺伝子には、キサ ンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子(gpt)とTn5 由来の ホスホトランスフェラーゼ(neo)がある。 gpt を発現する細胞の選択は、この遺伝子によってコードされる酵素がキサン チンをプリンヌクレオチド合成の基質として利用し、一方、類似の内因性酵素は キサンチンをプリンヌクレオチド合成の基質として利用することができないとい う事実に基づく。(1)イノシン一リン酸のキサンチン一リン酸への変換を遮断 するミコフェノール酸と(2)キサンチンとを含有する培地では、gpt 遺伝子を 発現する細胞のみが生き残れる。neo の産物は、抗生物質G418その他のネオマイ シンクラスの抗生物質によるタンパク質合成阻害を遮断する。 これら2 つの選択法を同時にまたは逐次使用することにより、2 つの異なるDN A ベクターにのせて真核細胞に導入した免疫グロブリン鎖遺伝子の発現を選択す ることができる。真核細胞用の異なる選択可能マーカーを含む必要はない。それ ぞれが同じ選択可能マーカーを含有するH 鎖およびL 鎖ベクターを同時トランス フェクトすることができる。適当な耐性細胞を選択した後、それらクローンの大 半は、H 鎖およびL 鎖ベクター両方の組込まれたコピーおよび/ または抗TNF 抗体を含有するだろう。別法として、キメラH 鎖およびL 鎖をコードする融合遺 伝子を同じ発現ベクター上で組み立てることもできる。 発現ベクターのトランスフェクションとキメラ抗体の産生については、骨髄腫 細胞が好ましい受容細胞株である。骨髄腫細胞は、トランスフェクトした免疫グ ロブリン遺伝子によってコードされる免疫グロブリンを合成し、組立て、分泌す ることができ、その免疫グロブリンをグリコシル化する機構を持つ。特に好まし い受容細胞は、骨髄腫細胞SP2/0(ATCC#CRL 8287)である。SP2/0細胞は、トラ ンスフェクトした遺伝子によってコードされる免疫グロブリンのみを産生する。 骨髄腫細胞は培養液中で生育することもできるし、マウスの腹腔内で生育するこ ともできる。後者の場合、分泌された免疫グロブリンを腹水から得ることができ る。その他の好適な受容細胞としては、リンパ細胞、例えばヒトまたは非ヒト起 源のB 細胞、ヒトまたは非ヒト起源のハイブリドーマ細胞または異種間ヘテロハ イブリドーマ細胞が挙げられる。 本発明のキメラ抗体構築物を保持する発現ベクターは、形質転換、トランスフ ェクション、接合、プロトプラスト融合、リン酸カルシウム沈降法、ジエチルア ミノエチル(DEAE)デキストランなどのポリカチオンの適用などといった生化学 的手段、ならびにエレクトロポレーション、直接微量注射法および微量投射物衝 撃法(microprojectile bombardment;Johnstonら,Science 240 :1538(1988) )などの機械的手段を含む種々の好適な手段のいずれによっても、適当な宿主に 導入することができる。リンパ細胞にDNA を導入する好ましい方法はエレクトロ ポレーション(Potterら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81 :7161(1984);Yoshi kawa ら,Jpn.J.Cancer Res.77 :1122〜1133)である。この方法では、取り 込ませようとするDNA の存在下に、受容細胞に電気パルスをかける。具体的には 、トランスフェクション後、細胞を完全培地で約24時間回復させた後で、選択培 地と共に96ウェル培養プレートに播種する。約0.4〜0.8mg/ml G418 を用いて、G 418選択を行なう。ミコフェノール酸選択には、約6 μg/ml+約0.25mg/ml キサ ンチンを使用する。このエレクトロポレーション法では、Sp2/0 細胞について、 約10-5ないし約10-4のトランスフェクション頻度が得られると予想される。プロ トプラスト融合法では、リゾチームを用いて、キメラ抗体遺伝子を含有する組換 えプラスミドを保持するカタル(catarrhal)から細胞壁を除去する。得られた スフェロプラストをポリエチレングリコールを用いて骨髄腫細胞と融合する。免 疫グロブリン遺伝子は、非リンパ性哺乳類細胞その他の真核細胞(例えば酵母) または原核細胞(具体的には細菌)でも発現させることができる。 酵母は、実質的に、免疫グロブリンH 鎖およびL 鎖の産生に関して細菌よりか なりの利点を持つ。酵母はグリコシル化を含む翻訳後ペプチド修飾を行なう。現 在、酵母における所望のタンパク質の産生に使用できる強力なプロモーター配列 と高コピー数プラスミドを使用する組換えDNA 法がいくつか存在する。酵母は、 クローン化された哺乳類遺伝子産物のリーダー配列を認識し、リーダー配列を持 つペプチド(すなわちプレペプチド)を分泌する(Hitzman ら,11th Internati onal Conference on Yeast,Genetics and Molecular Biology,フランス,モン ペリエ,1982年9 月13〜17日)。 酵母遺伝子発現系では、抗TNFペプチド、抗体および集合したネズミおよび キメラ抗体、それらの断片および領域の産生、分泌ならびに安定性のレベルを定 型的に評価することができる。例えば、酵母をグルコースに富む培地で生育した ときに大量に産生される解糖系酵素をコードする活発に発現する遺伝子由来のプ ロモーターおよび終結要素を組込んだ酵母遺伝子発現系を使用することができる 。既知の解糖系酵素は、極めて効率のよい転写制御シグナルをも提供できる。例 えば、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)遺伝子のプロモーターと終結シグナ ルを利用することができる。クローン化した免疫グロブリンcDNAの酵母における 発現に最適な発現プラスミドを評価するには、いくつかの方法を採用することが できる(Glover編,DNA Cloning,Vol.II,45〜66頁,IRL Press,1985 を参照 のこと)。 大腸菌W3110(ATCC 27325)などの大腸菌K12 株やネズミチフス菌、Serratia marcescens などのその他の腸内細菌および種々のシュードモナス種などといっ た細菌株も、本発明に記載される抗体分子またはペプチドを産生するための宿主 として使用できる。 これらの細菌宿主には、宿主細胞に適合する種に由来するレプリコンと制御配 列を含有するプラスミドベクターが用いられる。該ベクターは、複製部位と、形 質転換細胞での表現型選択を与えうる特定の遺伝子とを保持する。ネズミ抗体お よびキメラ抗体、その断片および領域またはクローン化免疫グロブリンcDNAによ ってコードされる抗体鎖の細菌における産生に関して発現プラスミドを評価する には、いくつかの方法を採用することができる(Glover編,DNA Cloning,Vol. I.,IRL Press,1985,Ausubel,下記,Sambrook,下記Colligan,下記を参照の こと)。 好ましい宿主は、試験管内または生体内で生育する哺乳類細胞である。哺乳類 細胞は、免疫グロブリンタンパク質分子に、リーダーペプチドの除去、H 鎖およ びL 鎖の折り畳みと集合、抗体分子のグリコシル化および機能的抗体タンパク質 の分泌を含む翻訳後修飾を提供する。 抗体タンパク質産生用の宿主として有用でありうる哺乳類細胞には、前述のリ ンパ由来の細胞に加えて、繊維芽細胞起源の細胞、例えばVero(ATCC CRL 81) やCHO-K1(ATCC CRL 61)がある。 哺乳類細胞におけるクローン化抗TNFペプチドH 鎖およびL 鎖遺伝子の発現 には、数多くのベクター系を利用できる(Glover編,DNA Cloning,Vol.II,14 3〜238 頁,IRL Press,1985 を参照のこと)。完全なH2L2抗体は、異なる方法 で得ることができる。前述のように、同じ細胞内でH 鎖とL 鎖を同時に発現させ て、H 鎖とL 鎖の完全な四量体H2L2抗体への細胞内での会合と結合を達成するこ とができる。この同時発現は、同じ宿主内で同じプラスミドまたは異なるプラス ミドいずれかを用いることによって起こりうる。H 鎖とL 鎖の両方の遺伝子を同 じプラスミドに入れて、次いで、それを細胞にトランスフェクトすることによっ て、両鎖を発現させる細胞を直接選択することができる。別法として、まず1 つ の鎖(例えばL 鎖)をコードするプラスミドで細胞をトランスフェクトした後、 得られた細胞株を第2 の選択可能マーカーを含有するH 鎖プラスミドでトランス フェクトしてもよい。どちらかの経路でH2L2分子を産生する細胞株を、追加の選 択可能マーカーと共にペプチド、H、L またはH+L 鎖の追加コピーをコードする プラスミドでトランスフェクトすることにより、集合したH2L2抗体分子の産生量 の増大や、トランスフェクトした細胞株の安定性の増大など、強化された特性を 持つ細胞株を作成することもできるだろう。キメラA2(cA2)抗TNF抗体 高親和性、エピトープ特異性およびヒトTNFの細胞傷害作用を中和する能力 を持つネズミ- ヒトキメラ抗ヒトTNFαMAb が開発された。キメラA2抗TNF は、A2と命名された高親和性中和ネズミ抗ヒトTNF IgG1 抗体の抗原結合性可 変領域と、ヒトIgG1カッパ免疫グロブリンの定常領域とからなる。ヒトIgG1 Fc 領域は、同種抗体エフェクター機能を改善し、循環血清半減期を増大させ、抗体 の免疫原性を減少させる。 キメラA2の親和力とエピトープ特異性は、ネズミA2の可変領域に由来する。固 相ELISA では、キメラA2とネズミA2の間にTNFに関する交差競合が観測され、 cA2 とネズミA2のエピトープ特異性が同一であることが示された。TNF- αに 対するcA2 の特異性は、それがリンホトキシン(TNF- β)の細胞傷害作用を 中和する能力がないということによって確認された。キメラA2は天然ヒトTNF と組換えヒトTNFの細胞傷害作用を用量依存的に中和する。cA2 と組換えヒト TNFの結合検定から、cA2 の親和定数は1.8×109M1 と計算された。TNF関連病変を治療するための治療法 抗TNF抗体、その断片および/ または誘導体は、抗TNF抗体と反応する物 質の異常レベルに関係する(具体的には健康な正常被験者に存在するレベルより TNFが過剰かまたは少なく、かかる過剰レベルまたは減少したレベルが、全身 的、局所的、特定の組識タイプまたは身体の特定の位置で存在する)病変または 状態を持つ被験者を治療するのに有用である。かかる組識タイプとしては、血液 、リンパ液、CNS、肝臓、腎臓、脾臓、心筋または血管、脳または脊髄の白質ま たは灰白質、軟骨、勒帯、腱、肺、膵臓、卵巣、精巣、前立腺が挙げられるが、 これらに限定されない。正常レベルより増大または減少したTNF濃度は、関節 、神経血管接合部、骨、特定の腱もしくは勒帯、または細菌もしくはウイルス感 染などの感染部位などといった身体の特定の領域または細胞に局在化することも ある。 TNF関連病変または疾患には次に挙げるものが含まれるが、これらに限定さ れるわけではない: (A)急性および慢性の免疫および自己免疫病、例えば全身性紅斑性狼瘡(SLE )、関節リウマチ、甲状腺炎、対宿主移植片病、硬皮症、真性糖尿病、グレーヴ ズ病など; (B)感染症、例えば敗血症症候群、悪液質、急性または慢性細菌感染症がも たらすショックおよび循環虚脱、HIV やAIDS(悪液質、自己免疫障害、AIDS痴呆 症候群および感染症を含む)などの急性および慢性の寄生虫および/ または細菌 、ウイルスまたはカビ感染性疾患を含むが、これらに限るわけではない; (C)慢性炎症性病変および血管炎症性病変などの炎症性疾患、例えば、類肉 腫症、慢性炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎およびクローン病などの慢性炎症性病変 ならびに散在性血管内凝固、アテローム性動脈硬化および川崎病などの血管炎症 性病変を含むが、これらに限られるわけではない; (D)神経変性疾患、多発性硬化症や急性横断脊髄炎などの脱髄性疾患;皮質 脊髄系の病巣などといった錐体外路障害および小脳障害;脳幹神経節の障害また は小脳障害;ハンチントン舞踏病や老人性舞踏病などといった多動性運動障害; CNS ドーパミン受容体を遮断する薬物によって誘発されるような薬物誘発性運動 障害;パーキンソン病のような減動性運動障害;進行性核上麻痺;小脳の非構造 的(astructural)病巣などの小脳および脊髄小脳障害;脊髄小脳変性(脊髄失 調症;フリートライヒ運動失調、小脳皮質変性;多重組識変性(multiple syste ms degeneration)(メンセル(Mencel)、デジェリーヌ- トーマス、シー- ド レーガー(Shi-Drager)およびマチャドジョセフ(MachadoJoseph));全身性障 害(レフスム病、無β- リポタンパク血症、運動失調症、毛細管拡張症およびミ トコンドリア性多重組識障害);多発性硬化症、急性横断脊髄炎などの脱髄性核 障害;神経性筋萎縮症(筋萎縮性側索硬化症、小児脊髄筋萎縮症および若年性脊 髄筋萎縮症などの前方角細胞変性)などの運動単位の障害;アルツハイマー病; 中年のダウン症候群;広汎性レーヴィ小体病;レーヴィ小体型の老人性痴呆;ヴ ェルニッケ- コルサコフ症候群;慢性アルコール中毒;クロイツフェルト- ヤコ ブ病;亜急性硬化性汎脳炎、ハレルフォルデン- シュパッツ病(Hallerrorden-S patz disease);拳闘家痴呆またはそれらのサブセットを含む; (E)TNF分泌性腫瘍を伴う悪性病変またはその他のTNF関連悪性腫瘍、 例えば白血病(急性、慢性骨髄性、慢性リンパ球性および/ または脊髄障害(my elodyspastic)症候群);リンパ種(ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ 腫、例えば悪性リンパ腫(バーキットリンパ腫や菌状息肉腫)など; (F)アルコール誘発性肝炎。 例えばBerkowら編,The Merck Manual,第16版,11章,1380〜529頁,Merck a nd Co.,ニュージャージー州ローウェイ,1992(参考文献として本明細書に合体 される)を参考のこと。 「再発(reoccurrenceまたはflare-up)」または「患者の再発(relapse of t he patient)」という用語は、疾患状態の1 以上の症状の再発を包含するものと する。例えば関節リウマチの場合であれば、膨張した関節、早朝硬直または関節 圧痛の1 以上の経験が再発に含まれうる。 抗TNF抗体は、作用剤を哺乳類体内のその作用剤の作用部位に到達させうる 手段のいずれによっても投与できる。第1 の焦点は、単球およびマクロファージ またはその他のTNF産生細胞によって放出されたTNFに到達し、それと結合 できるということである。タンパク質は経口投与されると消化される対象となる ので、吸収を最適化するために、通常は、非経口投与、すなわち静脈内、皮下、 筋肉内投与が使用されるだろう。 抗TNF抗体は、個々の治療剤として投与してもよいし、他の治療剤と併用し てもよい。これらは単独でも投与できるが、一般的には、選択した投与経路と標 準的な製薬上の慣例に基づいて選択される医薬担体と共に投与される。 投与量は、当然、その薬剤の薬力学的特徴、投与形式と投与経路、受容者の年 齢、健康状態および体重、症状の性質と程度、併用する治療の種類、治療の頻度 および所望する効果などといった既知の因子に依存して変化するだろう。通例、 作用成分の日用量を、約0.01〜100m/kg 体重とすることができる。通常は、1〜4 0mg/kg/日を一日1〜6 回の分割投与または徐放性製剤として与えると、所望の結 果を得るのに有効である。2回目以降の投与は、その患者に対する最初のまたは 以前の投与量と同じ用量か、それより少ないか多い用量で投与することができる 。 2回目以降の投与は、疾患または疾患の症状の再発期またはその直前に行なう ことが好ましい。例えば、2回目以降の投与は、先に行なった投与から約5〜30 週間または約10〜25週間後に行なうことができる。必要に応じて合計2、3、4 回 またはそれ以上の投与を患者に行なうことができる。 内用に適した投与剤形(組成物)は、一般的には、1 単位あたり約0.1mg〜約5 00mg の作用成分を含有する。これらの医薬組成物には、通常、組成物の全重量 に基づいて約0.5〜95重量% の作用成分が含まれるだろう。 非経口投与については、抗TNF抗体またはその断片を医薬的に許容できる非 経口賦形剤と共に溶液、懸濁液、乳剤または凍結乾燥粉末として製剤化すること ができる。かかる賦形剤の例は、水、生理食塩水、リンゲル溶液、デキストロー ス溶液および5%ヒト血清アルブミンである。リポソームおよび不揮発性油などの 非水性賦形剤も使用できる。賦形剤または凍結乾燥粉末は、等張性を維持する添 加物(例えば塩化ナトリウム、マンニトール)および化学的安定性を維持する添 加物(例えば緩衝剤や保存剤)を含有してもよい。製剤は一般的に使用される技 術で滅菌される。 好適な医薬担体は、この技術分野における標準的な教科書であるRemington's Pharmaceutical Sciences,(A.Osol)に記述されている。 例えば、注射による投与に適した非経口組成物は、1.5 重量% の作用成分を0. 9%塩化ナトリウム溶液に溶解することによって調製される。 本発明の抗TNF抗体は、TNFをその表面に持つ細胞に対する抗体依存的細 胞性細胞傷害性(ADCC)および/ または補体依存的細胞傷害性(CDC)を仲介す るというそれらの能力ゆえに、治療効力を持つようにすることができる。これら の作用に対して、内因性または外因性のエフェクター細胞(ADCCの場合)または 補体成分(CDC の場合)のいずれかの供給源を利用することができる。本発明の ネズミおよびキメラ抗体、断片および領域、それらの断片および誘導体は、免疫 複合体として治療的に使用することができる(総説についてはDillman,R.O.,An n.Int.Med.111 :592〜603 を参照のこと)。かかるペプチドまたは抗体は、 リシン-A、シュードモナス毒素およびジフテリア毒素を含むが、これらに限定さ れない細胞傷害性タンパク質に結合することができる。抗体、その他のリガンド またはペプチドに結合した毒素は、当該分野で良く知られている(例えばOlsnes ,S.ら,Immunol.Today 10 :291〜295(1989)を参照のこと)。植物および細 菌毒素は、具体的にはタンパク質合成機構を破壊することによって細胞を殺す。 放射性核種、治療剤、細胞傷害性剤および薬物を含むがこれらに限定されない 別のタイプの治療部分に、抗TNF抗体を結合してもよい。抗体に結合して、生 体内で抗原部位に送達することができる放射性核種の例としては、212Bi、131I 、186Re および90Y が挙げられるが、このリストは、完全であることを意図する ものではない。放射性核種は、放射線療法の分野で知られているように、細胞を 局所的に照射して、種々の細胞内損傷を誘発することによって、それらの細胞傷 害性作用を発揮する。 抗TNF抗体に結合した後、生体内治療に使用できる細胞傷害性剤には、ダウ ノルビシン、ドキソルビシン、メトトレキセートおよびマイトマイシンC が挙げ られるが、これらに限定されない。細胞傷害性剤は、DNA、RNA およびタンパク 質合成を含む重要な細胞過程を妨害する。当該分野で良く知られているこれらの 種類の薬物とその作用機構に関する記述については、Goodman ら,Goodman and Gilman's THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS,第8 版,Macmillan Pu blishing Co.,1990を参照のこと。 抗TNF抗体は、その抗体と相互作用するエフェクター細胞の数または活性を 増大させる機能を果たす他のモノクローナルもしくはネズミおよびキメラ抗体、 断片もしくは領域、またはリンホカインもしくは造血性増殖因子などと併用する と有利である。 抗TNF抗体、断片または誘導体を、TNF療法と併用することにより、TN Fの望ましくない副作用を遮断することもできる。ガン療法に対する最近のアプ ローチには、ガン患者に対するTNFの直接投与や、リンホカイン活性化キラー (LAK)細胞(Rosenberg ら,New Eng.J.Med.313 :1485〜1492(1985))ま たは腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)(Kurnick ら,Clin.Immunol.Immunopath.38 : 367〜380(1986);Kradinら,Cancer Inmunol.Immunother.24 :76〜85(1987) ;Kradinら,Transplant.Proc.20 :336〜338(1988))によるガン患者の免疫 療法が含まれている。TNF遺伝子を用いるトランスフェクションによって大量 のTNFを産生するようになった改良LAK 細胞またはTIL を用いる試験が現在進 行中である。かかる治療法は、本明細書に記載し、関連分野で知られているよう に、TNFの多面発現性作用が引き起こすいくつかの望ましくない副作用を伴う 可能性がある。本発明によれば、TNFまたは大量のTIL を産生する細胞を受け ている被験者を本発明の抗体、断片または誘導体で同時に治療することによって 、これらの副作用を軽減することができる。有効投与量は前述の通りである。そ の投与量レベルは、TNFの主たる抗腫瘍効果を遮断することなく副作用を遮断 するように、投与されるTNFまたはTNF産生細胞の用量に従って調節する必 要があるだろう。通常の当業者には、過度の実験を行なわずにかかる投与量を決 定する方法がわかるだろう。関節炎の治療 関節リウマチの場合、主に現れる症状は痛み、硬直、腫脹および機能の喪失で ある(「Textbook of Rheumatology」(Kelley WN,Harris ED,Ruddy S,Sledg e CB編;WB Saunders,フィラデルフィア,1985)の 879〜886 頁,Bennett JC. The etiology of rheumatoid arthritis)。 TNFαは関節リウマチの病因において主たる重要性を持つ。関節リウマチ関 節組識と滑液には、タンパク質レベルとmRNAレベルで、TNFαの産生に関する 証拠があり(Buchan G.ら,Clin.Exp.Immunol.73 :449〜455,1988)、この ことは局所的合成を示している。しかし、関節リウマチ関節においてTNFαが 生物活性化に足る量で検出されるということは、必ずしも、関節リウマチの病因 においてそれが重要であるということを示すわけでないし、また、それが良好な 治療標的候補であることを示すわけでもない。これらの問題と取り組むために、 リウマチ関節細胞培養と比較用の骨関節炎細胞培養に対する抗TNF抗体および ペプチド(ウサギまたはモノクローナル)の効果を研究した。IL-1産生が破壊さ れ、TNFαが関節リウマチの治療に関する好適な治療標的であることが示され た。なぜなら、抗TNFαは、軟骨と骨の破壊に関与することが知られている2 つのサイトカイン(Brennan ら,Lancet 11 :244〜247,1989)TNFとIL-1の両 方を遮断するからである。 この仮説は、続いて行なった関節リウマチ組識での研究によって裏付けられた 。抗TNF Ab はもう1 つの起炎症性サイトカインGM-CSF(Haworth ら,Bur.J .Immunol.21 :2575〜2579,1991)の産生を排除した。この観察結果は、独立 して確認されている(Alvaro-Gracia ら,1991)。また、抗TNFが関節リウマ チ関節細胞培養における細胞接着とHLA クラスII発現を減少させることも示され ている。 ここに本発明を一般的に説明し終えたが、いくつかの特定の実施例を参照する ことによって、本発明がよりよく理解されるだろう。これらの実施例は単なる例 示であって、特に明言しない限り、限定を意図するものではない。 cA2 の調製 実施例I:マウス抗ヒトTNF mAbの製造 TNF mAbの臨床研究を容易にするために、A2と命名した高親和性能阻 止および/または中和マウス抗ヒトTNF IgG1 mAbを製造した。 10週齢の、雌BALB/cマウス、をジャクソンラボラトリー(Jacks on Laboratory)(メーン州、バーハーバー)から入手した。0. 4mlの、等量のFreund完全アジュバント(ディフコラボラトリーズ(D ifco Laboratories)より入手)で乳化された40μgの精製 大腸菌由来組み換えヒトTNF(rhTNF)を、マウスに皮下および腹膜内( i.p.)注射した。1週間後、Freund不完全アジュバント中の5μgの rhTNFの注射をi.p.にし、つぎに、4回の連続的なアジュバント無しの 10μgのTNFのi.p.注射を行なった。最終注射の8週間後、マウスを1 0μgのTNFでi.p.ブーストした。 4日後、マウスを殺し、脾臓を得て、脾臓細胞懸濁物を調製した。脾臓細胞を 非分泌ハイブリドーマ、Sp2/0(ATCC CRL1581)細胞と、脾臓 細胞対SP2/0細胞が4:1の比で、0.3mlの30%ポリエチレングリコ ール、PEG 1450の存在下で、融合させた。37℃で6時間のインキュベ ーション後、融合細胞を、ウェルあたり2×104個のSp2/0細胞の濃度で 96ウェルプレート中に、0.2mlのアリコートに分配した。支持細胞を、5 ×104正常BALB/c脾臓細胞の状態で、各ウェルに添加した。 用いた生育培地は、RPM1−1640培地、10%熱不活性化ウシ胎児血清 (FBS)(ハイクローン(HYCLONE)製)、0.1mM最小必須培地( MEM)非必須アミノ酸、1mMピルビン酸ナトリウム、2mM L−グルタミ ン、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン(ギブコ ラボラトリーズ(GIBCO Laboratories)製)、および、選 択のためのヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン(HAT)(ベーリンガ ー マンハイム(Boehringer Mannheim)製)からなってい た。rhTNFαに対して特異的なmAbの存在について上清をスクリーニング するために、固相ラジオイムノアッセイ(RIA)を行なった。このアッセイは 、後記の実施例IIに記載されている。このアッセイにおけるバックグランド結合 は、約500cpmであった。上清は、2000cpm以上の結合が得られた場 合、陽性であると見なした。 スクリーニグした322個の上清のうち、25個はRIAにより陽性であった 。これら25個のうち、最大の結合を有するもの(4800cpm)をA2と命 名した。陽性ウェルを、マウス支持細胞に、限界希釈しサブクローニングした。 さらなる中和アッセイにおける上清の分析で、A2が、強い阻止および/または 中和活性を示す唯一の陽性クローンであることが分かった。このように、ハイブ リドーマ株A2を選択した。この株を、10% FBS(ギブコ製)、0.1m M非必須アミノ酸、1mMピルビン酸ナトリウム、2mM L−グルタミン、1 00U/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンを含むRP M1−1640培地中で維持した。 二者択一的に、前記のように、rTNF蛋白質の代わりに用いられる、TNF の87〜108番目の残基もしくは59〜80番目および87〜108番目の両 残基の少なくとも5アミノ酸を含むペプチドまたはそれらに含まれるペプチドの 組み合わせに結合させることにより、TNFの生物学的活性を阻止する抗TNF 抗体をスクリーニングすることができる。実施例II:抗TNF抗体ラジオイムノアッセイの特徴付け 大腸菌由来rhTNFをBCB緩衝液、pH9.6中で1μg/mlに希釈し 、0.1mlの溶液を各アッセイウェルに添加した。4℃で一晩のインキュベー ション後、ウェルをBCBで短時間洗浄し、つぎに、1%ウシでシールし、40 pg/mlの天然(マサチューセッツ州、ボストン、ジェンザイム(GENZY ME)製)または組み換え(日本、大阪、サントリー製)ヒトTNFαと、様々 な濃度のmAb A2と共に、20μg/mlシクロヘキシミドの存在下で39 ℃で一晩インキュベートした。対照は、各ウェル中に培地単独または培地+TN Fを含んでいた。細胞死を、ナフトールブルーブラックで染色することにより測 定し、結果を分光学的に630nmで読み取った。この波長での吸光度は、存在 する生存細胞の数と相関している。 A2が、用量依存様式で、天然およびrhTNFの両方の細胞傷害性効果を阻 止または中和したことがわかった。 他の実験において、この阻止および/または中和活性の特異性を試験した。T NFバイオアッセイの20時間前に、A673/6細胞を3×104細胞/ウェ ルで播種した。連続2倍希釈したrhTNF、大腸菌由来組み換えヒトリンホト キシン(TNFβ)および大腸菌由来組み換えネズミTNFを調製した。A2ハ イブリドーマ上清を、等量の希釈TNF調製物に添加し、混合物を室温で30分 間インキュベートした。0.1mlのアリコートをA673/6細胞を含むウェ ルに移し、20μg/mlのシクロヘキシミドを添加し、細胞を39℃で一晩イ ンキュベートした。つぎに、細胞傷害性の評価のために、細胞を固定し、染色し た。結果は、mAb A2が特異的にrhTNFαの細胞傷害性を阻止または中 和するが、ヒトリンホトキシン(TNFβ)またはネズミTNFに対する効果を 有していなかったことを示している。 つぎに、実験を行なって、mAb A2の非ヒト霊長類由来のTNFとの交差 反応性を分析した。B514(ヒヒ)、J91(カニクイザル)およびRH38 3(アカゲザル)血液から、フィコール勾配遠心分離および吸着により単離され た単球を、1×105細胞/ウェルで、5% FBSおよび2μg/ml 大腸 菌LPSを含むRPMi 1640培地中で3時間または16時間37℃でイン キュベートし、TNF産生を誘導した。前記のように、A673/6細胞を用い て、TNFバイオアッセイを行なうまで、二連のウェル由来の上清をプールし、 4℃で20時間未満保存した。培養上清の2倍希釈物を、培地または最終濃度1 μg/mlの精製mAb A2のいずれかと混合し、室温で30レイン(rai n)間インキュベートし、アリコートを指示細胞に移した。結果は、mAb A 2がヒヒ、カニクイザルおよびアカゲザル単球により生産されるTNFの細胞傷 害性活性を有意には阻止または中和できないことを示した。 さらなる実験をチンパンジーTNFで行なった。CH563(チンパンジー) 血液から単離された単球を前記のようにインキュベートして、TNF含有上清を 作製した。10μg/mlのmAb A2がこれらの上清の生物活性を阻止また は中和する能力を、前記のようにアッセイした。ヒトTNFを陽性対照として用 いた。結果は、mAb A2がチンパンジーTNFに対する強い阻止および/ま たは中和活性を有していたことを示す。 mAb A2の阻止および/または中和活性を、ヒトTNF、すなわちTNF −1、TNF−2およびTNF−3に特異的な3つの他のネズミmAb、ならび に対照mAbと比較した。連続2倍希釈した精製mAbをrhTNF(40pg /ml)と混合し、室温で30分間インキュベートし、アリコートを前記のよう にTNF生物活性について試験した。mAb TNF−1、TNF−2およびT NF−3は、それぞれ同様の中程度の阻止および/または中和活性を有すること がわかった。対照的に、mAb A2は、はるかに強い阻止および/または中和 活性を有していた。実施例III:抗体VおよびC遺伝子をクローニングするための一般的方法 前記抗TNF抗体を分泌するハイブリドーマA2から、HおよびL鎖遺伝子に 対するV領域をクローニングする方法は、機能的に再編成された(および発現さ れた)Ig遺伝子に対する、V領域および対応するJ(連関)領域間のゲノムに おける連結に基づいていた。J領域DNAプローブをゲノムライブラリーをスク リーニングするために用いて、J領域に連結したDNAを単離することができる 。生殖系列配置(すなわち、未再編成)におけるDNAもJプローブにハイブリ ダイズすると思われるにもかかわらず、このDNAは、Ig V領域配列に結合 しないと思われ、単離されたクローンの制限酵素分析により同定することができ る。 本明細書に用いられたクローニングは、JHおよびJKプローブを用いて再編成 されたHおよびL鎖遺伝子からV領域を単離することであった。これらのクロ ーンを、それらの配列がA2ハイブリドーマにおいて発現しているかどうかを見 るために、ノーザン分析により試験した。発現された配列を含むこれらのクロー ンを、抗体が産生されているかどうかを決定するために、ヒトC領域を含む発現 ベクターにクローニングし、マウス骨髄腫細胞にトランスフェクトした。つぎに 、産生細胞由来の抗体を、結合特異性について試験し、機能的にA2ネズミ抗体 と比較した。実施例IV−L鎖ゲノムライブラリーの構築 A2ハイブリドーマからL鎖V領域遺伝子を単離するために、サイズ選択ゲノ ムライブラリーを、ファージラムダベクターシャロン27を用いて構築した。高 分子量DNAをA2ハイブリドーマ細胞から単離し、制限酵素HindIIIで完 全に消化した。つぎに、DNAを0.8%アガロースゲルで分画し、約3kb、 4kbおよび6kbの3つの異なるサイズ範囲のDNA断片をゲルから電気溶出 により単離した。ライブラリー構築のためのサイズ範囲は、サザンブロットでJK プローブとハイブリダイズするHindIII断片のサイズに基づいて選択した。 フェノール/クロロホルム抽出およびエタノール沈殿の後、各サイズクラスから のDNA断片をラムダシャロン27アームとライゲーションし、ストラタジェン (Stratagene)(カリフォルニア州、ラホーラ)製のGigapac k Goldを用いて、ファージ粒子にin vitroでパッケージングした 。 これらのライブラリーを、32P標識Jkプローブを用いて、150mmペトリ 皿あたり約20,000プラークの密度で、直接スクリーニングした。マウスL 鎖JKプローブは、5つのJkセグメント全てを含む2.7kb HindIII断 片である。ベーリンガーマンハイムから得たキットを用いたランダムプライミン グにより、プローブを32Pで標識した。遊離ヌクレオチドを、Sephadex G−SOカラムを通した遠心分離により除いた。プローブの比活性は約109 cpm/μgであった。 プラークハイブリダイゼーションを、5×SSC、50%ホルムアミド、2× Denhart’s試薬、および200μg/ml変性サケ精子DNA中で、4 2℃で18〜20時間行なった。最終洗浄は、0.5×SSC、0.1% SD S中で65℃であった。オートラジオグラフィーの後、陽性クローンを同定した 。実施例V−H鎖ゲノムライブラリーの構築 A2 H鎖に対するV領域遺伝子を単離するために、ゲノムライブラリーを、 ラムダgt10ベクターシステム中に構築した。高分子量DNAを制限酵素Ec oRIで完全に消化し、約7.5kbの断片をアガロースゲル電気泳動後に単離 した。これらの断片をラムダgt10アームとライゲーションし、Gigapa ck Goldを用いて、ファージ粒子にin vitroでパッケージングし た。 このライブラリーを、JHプローブを用いて、150mmプレートあたり20 ,000プラークの密度で、スクリーニングした。JHプローブは、J3および J4セグメントの両方を含む2kb BamHI/EcoRI断片であった。プ ローブを、実施例IIIと同様に標識し、同様の比放射活性を有していた。ハイブ リダイゼーションおよび洗浄条件は、実施例IIIにおいて用いられたものと同一 であった。実施例VI−TNF特異的V遺伝子領域のクローニングHおよびJKプローブをそれぞれ用いて各ライブラリー由来の約106個のプ ラークをスクリーニングした後、数個の陽性クローンをHおよびL鎖ライブラリ ーから単離した。プラーク精製後、バクテリオファージDNAを、各陽性クロー ンについて単離し、EcoRI(H鎖クローン)またはHindIII(L鎖クロ ーン)のいずれかで消化し、1%アガロースゲルで分画した。DNAをニトロセ ルロースに移し、ブロットをJHまたはJkプローブでハイブリダイズした。 JHプローブに対するMAbの断片をコードする7.5k/D EcoRI DNAを含む数個のH鎖クローンを得た。軽鎖ライブラリーについて、3つのサ イズ選択ライブラリーのそれぞれからの、JkプローブにハイブリダイズするH indIII断片を含む数個のクローンを単離した。L鎖について、数個の独立に 得られた、2kbライブラリー由来の2.9kbのHindIII断片は、A2由 来の1250bp mRNAとハイブリダイズしたが、SP2/0 mRNAと はしなかった(実施例VII参照)。さらに、4kbライブラリー由来の数個のH indIII断片は、A2 mRNAおよび融合パートナーmRNAの両方にハイ ブリダイズした。6kbライブラリー由来の5.7kbのHindIII断片は、 いずれのRNAにもハイブリダイズしなかった。 観察されたハイブリダイズするA2 mRNAの長さは、HおよびL鎖mRN Aそれぞれに対して正確な長さであった。RNA発現はA2ハイブリドーマに制 限されたので、7.5kb H鎖断片および2.9kb L鎖断片は、A2由来 の正しいV領域配列を含むと想定された。各タイプの1つの例を、さらなる研究 のために選択した。重要な機能試験は、これらのV領域配列が、適したC領域配 列と結合したときに、ネズミA2抗体と同様な特異性および親和性を有する抗体 の合成を導くことができることの証明である。 7.5kb H鎖断片および2.9kb L鎖断片を、ネズミ骨髄腫細胞にお いてキメラマウス/ヒト蛋白質の発現を許容するプラスミドベクターにサブクロ ーニングした(実施例VIIIおよIX参照)。これらのプラスミドを、SP2/0細 胞に同時にトランスフェクトし、インタクト抗体分子が分泌されるかどうか、も しそうなら、それらは正確な特異性および親和性であるかを確かめた。推定抗T NF H鎖と不適当だが発現されるL鎖とを対にして、対照トランスフェクショ ンも行なった;推定抗TNF L鎖も、不適当だが発現されるH鎖と対にした。 結果は、7.5kb H鎖断片は発現されるが、2.9kb L鎖断片は発現さ れないことを示した。これは、DNA配列分析により確認され、他の公知のL鎖 アミノ酸配列と比較して、コード領域の一部が正確でないアミノ酸リーディング フレームであったことを示していた。 2.9kbのHindIII断片は、機能的V遺伝子を含んでいないようにみえ たので、L鎖ライブラリーから単離された4.0kbおよび5.7kbのHin dIII断片を、発現ベクターにクローニングし、7.5kbのH鎖との同時トラ ンスフェクション後のキメラ抗体の発現を試験した。5.7kbのHindIII 断片は抗体発現を補助することができず、4.0kbのHindIII断片は抗体 発現を補助しなかった。7.5kbの推定H鎖V領域および4.0kbのL鎖V 領域の同時トランスフェクションにより得られた抗体を精製し、固相TNF結合 アッセイで試験し、不活性であることがわかった。4.0kbのHindIII断 片上に含まれるV領域は、正確な抗TNF V領域ではなく、融合パートナーに よりハイブリドーマに寄与していたと結論された。これは、その後、A2ハイブ リドーマ由来および融合パートナー由来のcDNAの配列分析により確認された 。 A2 mRNAとハイブリダイズする2.9kb HindIII断片を含む他 の独立に得られたL鎖クローンを、さらに詳細に特徴付けした。制限地図が類似 していたにもかかわらず、クローンはAccI酵素部位の存在または不存在の点 で2つのクラスに分けられた。最初の(非機能的)2.9kb断片(クローン8 .3と命名)は、いくつかの他のクローン(クローン4.3で表わされる)には 存在するAccI部位を失っていた。クローン4.3のDNA配列は、クローン 8.3に極端に類似していたが、クローン8.3とは異なり、公知のL鎖に近い 相同性を有する単一のアミノ酸リーディングフレームを含んでいた。クローン4 .3由来の2.9kb HindIII断片を、L鎖発現ベクターにサブクローニ ングし、推定抗TNF H鎖でSP2/0細胞に同時トランスフェクトした。抗 体を合成し、精製し、固相TNF結合アッセイにおいて試験した。この抗体はT NF に結合し、それゆえ、クローン4.3 L鎖V領域は正確なものであると想定さ れた。 A2ネズミハイブリドーマは、少なくとも4つの再編成L鎖V領域遺伝子を含 むことが示されている。これらのうちの少なくとも2つは、蛋白質として発現さ れる:クローン4.3(正しい抗TNF L鎖遺伝子)および4.0kb Hi ndIII断片に含まれる遺伝子(融合パートナーにより寄与される)。いくつか は正しいL鎖を用い、いくつかは間違ったL鎖を用い、いくつかはそれぞれの1 つを用いて、2つのL鎖の発現は、ネズミハイブリドーマから分泌された得られ た抗体が実際に抗体の混合物であることを示している。ネズミA2抗体における 2つの異なるL鎖の存在は、精製抗体のSDSゲルおよびN末端蛋白質配列分析 により確認されている。キメラA2抗体の構築は、個々のHおよびL鎖遺伝子を クローニングし、それらを非産生細胞株で発現させることを伴うので、得られた 抗体は、正しいL鎖しか有せず、したがって、より強い抗体であるだろう(実施 例X、XI、XII参照)。実施例VII−クローニングしたDNAのノーザン分析 真正のA2ハイブリドーマ由来のHおよびL鎖V領域に対応するクローニング したDNAは、A2 mRNAにハイブリダイズすると期待される。HまたはL 鎖遺伝子座での非機能的DNA再編成は発現されるべきでない。 10μgの全細胞RNAを1%アガロース/ホルムアルデヒドゲルでの電気泳 動(サンブルック(Sambrook)ら、下記)に付し、ニトロセルロースに 移した。ブロットを、ランダムプライムドDNAプローブと、50%ホルムアミ ド、2× Denhart’s溶液、5× SSCおよび200μg/ml変性 サケ精子DNA中で、42℃で10時間ハイブリダイズした。最終洗浄条件は、 65℃で0.5× SSC、0.1% SDSであった。 サブクローニングされたDNA断片を、ランダムプライミングにより32Pで標 識し、A2細胞またはA2の融合パートナーの親であるSP2/0細胞由来の全 RNAを含んでいるノーザンブロットにハイブリダイズさせた。7.5kb E coRI H鎖断片は、A2由来の2kb mRNAとハイブリダイズしたが、 SP2/0 mRNAとはしなかった。同様に、2.9kb L鎖HindIII 断片(クローン4.3)は、A2由来の1250bp mRNAとハイブリダイ ズしたが、SP2/0 mRNAとはしなかった。ハイブリダイズしているA2 mRNAの観察された長さは、HおよびL鎖mRNAそれぞれに対して正確な 大きさであり、これらのDNA断片上のV領域配列がA2ハイブリドーマ細胞中 で発現されていることが確認された。実施例VIII−発現ベクターの構築 前記推定L(クローン4.3)およびH鎖V遺伝子を、発現ベクターのヒトカ ッパおよびガンマ1定常領域遺伝子に結合させた。A2由来の推定VH領域遺伝 子に対応する7.5kb EcoRI断片を、ヒトCgammal遺伝子およびEco gpt遺伝子を含んでいる発現ベクターにクローニングし、pA2HGlapg ptと命名されたプラスミドを得た。 クローン4.3由来の2.9kb推定VL断片を、ヒトカッパCK遺伝子およ びEcogpt遺伝子を含んでいるベクターにクローニングし、哺乳類細胞中で 選択させた。得られたプラスミドを、pA2HuKapgptと命名した。実施例IX−キメラ抗体遺伝子の発現 キメラHおよびL鎖遺伝子を発現させるために、発現プラスミドを非産生マウ ス骨髄腫細胞株、SP2/0の細胞にトランスフェクトした。トランスフェクト 対象のプラスミドDNAを、2度臭化エチジウム/塩化セシウム勾配中で平衡に なるまで遠心分離することによって精製した。プラスミドDNA(10〜50n g)を、Hank’s塩を含んでいる培地中の107個のSP2/0細胞に添加 し、混合物をBIORADエレクトロポレーション装置に静置した。エレクトロ ポレーションを20Vで行ない、つぎに、細胞を96ウェルマイクロタイタープ レートにプレーティングした。 ミコフェノール酸選択を24時間後に適用し、薬剤耐性コロニーを1〜2週間 後に同定した。耐性コロニーを安定細胞株に拡張し、これらの細胞株由来の組織 培養上清を、アルカリフォスファターゼを結合させたヤギ抗ヒトIgG Fc抗 体およびヤギ抗ヒトH+L(ジャクソンラボラトリーより入手)でのELISA アッセイを用いて、抗体に対して試験した。 キメラA2抗体を、プロテインAセファロースクロマトグラフィーにより、組 織培養上清から精製した。上清を、0.1M Tris、0.002M EDT A、pH8.0に調整し、同じ緩衝液で平衡化させたプロテインAセファロース カラムに負荷した。IgGを、0.1Mクエン酸塩、pH3.5で溶出し、1M Trisで阻止または中和し、リン酸緩衝液生理食塩水(PBS)中で透析し た。 精製キメラ抗体を、結合活性ならびに阻止活性および/または中和活性につい て評価した。実施例X−抗TNFキメラ抗体の特異性 cA2の抗原結合ドメインはネズミA2由来なので、これらのmAbは、TN Fの同じ結合部位に競合すると期待される。固定された濃度のキメラA2および ネズミmAb A2を、rhTNF(日本、大阪、大日本製)で被覆した96ウ ェルマイクロタイタープレート中で、ネズミおよびキメラA2競合剤それぞれの 濃度を増加させてインキュベートした。アルカリフォスファターゼ結合抗ヒト免 疫グロブリンおよび抗マウス免疫グロブリン2次抗体を用いて、キメラおよびネ ズミA2それぞれの結合のレベルを検出した。TNF抗原に対する交差競合は、 この固相ELISA形式で観察された。この発見は、cA2およびネズミA2の 期待された同一のエピトープ特異性と一致している。 rhTNFαに対するマウスmAb A2およびcA2の結合親和性定数を、 スキャチャード分析により決定した(例えば、スキャチャード(Scatcha rd),Ann.N.Y.Acad.Sci.51:660(1949))。こ の分析は、96ウェルプレートにイモビライズされた(iramobilize d)rhTNFαに対する125I標識cA2の直接結合を測定することを伴って いた。抗体を、イオドゲン法によりそれぞれ約9.7μCi/μgの比活性に標 識した。0.5×109リットル/モルの親和性定数(Ka)がマウスmAb A2について計算された。期待とは違い、キメラA2抗体は、1.8×109リ ットル/モルのKaの、より高い親和性を有していた。このように、本発明のキ メラ抗TNFα抗体は、親のネズミA2 mAbよりもヒトTNFαに対して有 意により高い結合親和性を現すことが示された。ネズミおよびキメラの抗体、断 片および領域は、親のmAbと同じかそれより低い親和性を有することが期待さ れるので、この発見は驚くべきことであった。 かかる高親和性抗TNF抗体は、少なくとも1×108-1、より好ましくは 少なくとも1×109-1のTNFαへの結合親和性(Kaで表される)を有し ており、生物学的液体における非常に低いレベルのTNFを検出するイムノアッ セイに好適である。さらに、かかる高い親和性を有する抗TNF抗体は、TNF −α介在状態または病変状態の治療に好適である。 cA2のTNFに対する特異性は、ヒトリンホトキシン(TNF−β)の交差 中和性を試験することにより確認された。リンホトキシンは、数個の配列相同性 および特定の生物学的活性、例えば、腫瘍細胞細胞傷害性を、TNFと共有する (ペンニカ(Pennica)ら、Nature 312:724−729(1 984))。培養ヒトA673細胞を、39℃で一晩20μg/mlシクロヘキ シミドの存在下で、4μg/mlキメラA2共存または無しで、ヒトリンホトキ シン(カリフォルニア州、サンフランシスコ、ジェネンテック(GENENTE CH)製)の濃度を増加させてインキュベートした。細胞死を、前記のように、 ナフトールブルーブラックでの生細胞染色により測定した。結果は、cA2がヒ トリンホトキシンを阻止および/または中和するのに効果的ではなかったことを 示し、キメラ抗体のTNFα特異性を確認した。 A2またはcA2の異なる動物種由来のTNFと反応する能力も評価した。以 前に述べられているように、阻止および/または中和mAbが結合するだろうヒ トTNF上の複数のエピトープが存在する(モラー(Moller)ら、以下) 。ヒトTNFは、広い範囲の宿主動物種において生物活性を有する。しかしなが ら、ある種のヒトTNF上の阻止および/または中和エピトープは、異なる動物 種間で保存されており、その他の物はヒトおよびチンパンジーに限定されている ようにみえる。 中和実験は、TNF源として、新鮮に単離されたヒト、チンパンジー、アカゲ ザルおよびカニクイザル、ヒヒ、ブタ、イヌ、ウサギ、またはラット単球由来の エンドトキシン活性化細胞上清を利用した。前記議論したように、ネズミmAb A2は、ヒトおよびチンパンジーTNFのみの活性を阻止または中和し、他の 霊長類および下等動物由来のTNFには効果を有していなかった。A2も、組み 換えマウスTNFの細胞傷害性効果を阻止または中和しなかった。 このように、A2により認識されるエピトープは、ヒトおよびチンパンジーT NFαにより共有されるものである。キメラA2も、ラット、ウサギ、イヌおよ びブタの単球由来のTNFならびに精製組み換えマウスTNFα、および天然お よび組み換えヒトTNFαとの交差活性について、この方法で試験した。キメラ A2は、天然および組み換えヒトTNFαのみを阻止または中和した。それゆえ 、cA2は、ネズミA2と種特異性を共有しているようにみえる。実施例XI−キメラ抗TNF抗体のin vitro活性および中和効力 ネズミおよびキメラ抗TNFα抗体、A2およびcA2の両方が、強いTNF 阻止および/または中和活性を有するかどうか決定した。前記TNF細胞傷害性 アッセイにおいて、ネズミA2は、約125ng/mlの濃度で、40pg/m lのrhTNFαの攻撃の生物学的活性を、完全に阻止または中和した。50% 阻止投与(ID50)として表現された、阻止および/または中和能力の2つの 別々の決定は、15.9±1.01および17.9±1.6ng/ml(平均+ 標準誤差)であると決定された。このように、mAb A2は、約17ng/m lのID50を有している。 この同じ実験システムにおいて、3つの他のネズミ抗TNFα抗体(すなわち 、TNF−1、TNF−2およびTNF−3)のTNFへの比較結合親和性が、 1〜2桁大きいID50値を有していることが分かり、したがって、A2より中 和において有意に低かった。 cA2のin vitroでのヒトTNFα生物活性を阻止または中和する能 力を、前記バイオアッセイシステムを用いて試験した。培養A673細胞を、前 記のように、40pg/ml天然(マサチューセッツ州、ボストン、ジェンザイ ム製)または組み換え(日本、大阪、サントリー製)ヒトTNFと、抗体共存ま たは無しで、一晩インキュベートし、細胞死を生細胞染色により測定した。A2 マウスmAbでの前記結果に基づいて期待されたように、cA2も、細胞傷害性 アッセイにおいて、用量依存様式で天然およびrhTNF両方を阻止または中和 した。このアッセイ形式において、125ng/mlの低いcA2レベルで、T NFの毒性活性を完全に回避した。繰り返された分析に基づくと、cA2は、親 のネズミA2 mAbよりも優れたTNF阻止および/または中和活性を示した 。かかる阻止および/または中和能力は、1μg/ml以下の抗体レベルで、抗 体が投与された被験者の血液中で容易に達成される。したがって、かかる高度に 強い阻止および/または中和抗TNF抗体、特にキメラ抗体は、TNFα介在病 変または状態における治療用に好適である。 前記したように、TNFは、IL−6の細胞性分泌を誘導する。さらに、症候 群におけるIL−6の正確な役割は不明であるにもかかわらず、IL−6が敗血 症の異状病態に伴っている証拠がある(フォング(Fong)ら、J.Exp. Med.170:1627−1633(1989);スターネス ジュニア(S tarnes Jr.)ら,J.Immunol.145:4185−4191 (1990))。cA2のTNF誘導IL−6分泌を阻止または中和する能力を 、培養ヒト二倍体FS−4繊維芽細胞を用いて評価した。表1の結果は、cA2 がTNFと一晩インキュベートされた細胞におけるIL−6分泌を遮断する時に 効果的であったことを示す。TNF誘導IL−6分泌は、mAbの非存在下また は不適当な抗原に特異的な対照mAbの存在下で阻止された。 値は、二連のウェルのIL−6の平均濃度を、ng/mlで表している。RhT NF(日本、大阪、サントリー製)を、4μg/ml抗体共存または無しで、F S−4繊維芽細胞の培養物に添加し、18時間後、QUANTIKINE Hu man IL−6イムノアッセイ(ミネソタ州、ミネアポリス、アールアンドデ ィー システム(R&D Systems)製)を用いて、上清をIL−6につ いてアッセイした。対照mAb=キメラネズミ/ヒトIgG1抗血小板mAb( 7E3)。 TNFの、内皮細胞(EC)の凝血促進性および接着分子活性を活性化する能 力は、病理学病態生理学の重要な構成要素である。特に、これは血管障害と関連 し、散在性血管内凝固、敗血症症候群と関連する重症の低血圧と関連する。した がって、cA2の、培養ヒト請帯静脈内皮細胞(HUVEC)のTNF誘導活性 化を遮断する能力を評価した。凝血促進活性のTNF刺激は、インタクト培養H UVEC細胞をTNF(抗体ありまたは無し)に4時間さらし、ヒト血漿凝固ア ッセイで細胞溶解物を分析することにより決定した。表2中の結果は、期待され たTNFによるHUVEC凝血促進活性の上昇制御を示す(減少した凝固時間に より反映)。キメラ抗体cA2は、用量依存様式においてこのTNF活性を効果 的に阻止または中和した。 凝血促進活性を刺激するのに加え、TNFも、ELAM−1、ICAM−1な どの内皮細胞接着分子の表面発現を誘導する。cA2の、TNFのこの活性を阻 止または中和する能力を、ELAM−1特異的検出ラジオイムノアッセイを用い て測定した。培養HUVECを、抗体ありまたは無しで、250μg/mlのr hTNF(日本、大阪、大日本製)で、96ウェルプレート形式で37℃で一晩 刺激した。ELAM−1の表面発現を、続くマウス抗ヒトELAM−1 mAb および125I標識ウサギ抗マウス免疫グロブリン2次抗体の培養プレートへの4 ℃での添加により決定した。 TNFは、培養HUVEC細胞の表面でのELAM−1の発現を誘導し、この 活性はcA2による用量関連様式で再び効果的に遮断された。 結局、TNFが培養繊維芽細胞において、細胞分裂促進活性を刺激することは 公知である。キメラA2は、ヒト二倍体FS−4繊維芽細胞培養物のTNF誘導 細胞分裂促進を阻止または中和し、広範囲のin vitro TNF生物学的 活性に対するcA2の強い阻止および/または中和能力を確認した。実施例XII−cA2 mAb試薬により認識されるヒトTNFα上のアミノ酸配 列(エピトープ)の決定 以下の試薬は、市販源から難なく入手できる。FMOC−L−Ala−OPf p、FMOC−L−Cys(Trt)−OPfp、FMOC−L−Asp(Ot Bu)−OPfp、FMOC−L−Giu(OtBu)−OPfp、FMOC− L−Phe−OPfp、FMOC−Gly−OPfp、FMOC−L−His( Boc)−OPfp、FMOC−Ile−OPfp、FMOC−L−Lys(B oc)−OPfp、FMOC−L−Leu−OPfp、FMOC−L−Asn− OPfp、FMOC−L−Pro−OPfp、FMOC−L−Gin−OPfp 、FMOC−L−Arg(Mtr)−OPfp、FMOC−L−Ser(tBu )−ODhbt、FMOC−L−Thr(tBu)−ODhbt、FMOC−L −Val−OPfp、FMOC−L−Trp−OPfp、FMOC−L−Try (tBu)−OPfp、および1−ヒドロキサ−フベノトリアゾール(fben otriazol)(HOBT)は、ケンブリッジ リサーチ バイオケミカル ズ(Cambridge Research Biochemicals)から 得た。ピペリジンは、アプライド バイオシステムズ社(Applied Bi osystems Inc.)から得た。1−メチル−2−ピロリジノン(NM P)は、イーエム サイエンス(EM Science)から得た;メタノール はジェイティー ベーカー(JT Baker)から;無水酢酸はアプライド バイオシステムズ社から;トリフルオロ酢酸(TFA)はアプライド バイオシ ステムズ社から;ジイソプロピルアムン(diisopropylamne)( DIEA)、トリエチルアミン、ジチオスレイトール(DTT)およびアニソー ルはアルドリッチ(Aldrich)から、塩酸(HCl)はジェイティー ベ ーカーから得た。 略語:FMOC、9−フルオレニルメトキシカルボニル;tBu、t−ブチル エーテル;OrB、t−ブチルエステル;Boc、t−ブチルオキシカルボニル ;Mtr、4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−ベンゼンスルホニル;Tr t、トリチル;OPfp、ペンタフルオロフェニルエステル;ODhbt、オキ ソ−ベンゾトリアゾンステル(ster)。 cA2と命名された、本発明のキメラ抗体を用いて、エピトープマッピングに より、TNFアミノ酸配列のどの部分が抗体による阻止結合に伴われているかを 決定し、それにより、cA2により認識されるTNF−αのアミノ酸配列を同定 した。 ヒトTNFαの完全な一次配列は、Nature 312:724−729( 1984)に開示されている。2番目のアミノ酸毎に始まり、ヒトTNF−αの 全アミノ酸配列をカバーする重複するデカペプチドを、ジセン(Gysen)の 方法(ジセンら,Peptides:Chemistry and Biolo gical,Proceedings of the Twelfth Ame rican Peptide Symposium,519−523頁,マーシ ャル(G.R.Marshall)、エスコム(Escom)、レイデン(Le iden)版)を用いて、ポリエチレンピン上に合成した。遊離N末端アミノ基 およびアセチル化N末端アミノ基を有するペプチドピンのセットを、個々に調製 した。後記のように、ペプチドピンの両セットを、抗TNF mAb cA2を 含んでいる溶液中でインキュベートし、ヒトTNF−α上のcA2エピトープを 構成するアミノ酸配列を決定した。O.D.(光学密度(optional d ensity))は、cA2結合の増加の程度と直接関連する。この競合結合実 験は、cA2への非特異的結合を示すことができるペプチドを線引きする。 cA2により認識される少なくとも2つのTNF−αの非隣接ペプチド配列が ある。N末端アミノ酸が1番である通常の蛋白質番号付けシステムを用いて、c A2 mAbは、少なくともTNFの87〜108番目の残基または59〜80 番目および87〜108番目の残基の両方に位置するアミノ酸の一部に構成され るエピトープを認識する。 期待とは違い、例えば、hTNFαの11〜13、37〜42、49〜57ま たは155〜157の1以上を含んでいてもよい、推定受容体結合部位に結合す ることなく、mAb cA2は、TNF−αの作用を遮断した。好ましい抗TN F mAbは、これらのペプチド配列の1以上に結合する能力の利点により、ヒ トTNF−αの受容体へのこの結合を阻止するものである。これらの抗体は、C A2エピトープへの結合の利点により、TNFの活性を遮断でき、かかる結合は TNF活性を阻止することを立証する。cA2により認識されるこれらのペプチ ド配列の同定は、この適用の態様と並行する結合特性および治療上の利用性を有 する追加のmAbを作製するのに必要な情報を提供する。ペプチドピン合成 ケンブリッジ リサーチ バイオケミカルズ社(CRB)から購入したエピト ープマッピングキットを用いて、ヒトTNF−αの全配列に対応するドデカペプ チドをポリエチレンピン上に合成した。 合成スケジュールは、CRBエピトープマッピングソフトウェアーを用いて行 なった。最初のアミノ酸カップリングの前に、ピンをNMP溶液中20%ピペリ ジンで30分間室温で脱保護した。脱保護した後、ピンをNMPで室温で5分間 洗浄し、つぎにメタノールで3回洗浄した。洗浄工程の後、ピンを少なくとも1 0分間風乾させた。 以下の方法を、各カップリングサイクルについて行なった。 1)合成スケジュールに必要とされる重量にしたがって、アミノ酸誘導体およ びHOBTを計量した。 2)合成スケジュールにしたがって、HOBTを適当な量のNMPに溶解させ た。 3)アミノ酸誘導体を推奨される量のHOBT溶液に溶解させ、150マイク ロリットルを、合成スケジュールのウェルポジションシートにより指示された適 当なウェルにピペッティングした。 4)ピンを含むブロックをウェル中に置き、「サンドイッチ」ユニットを30 ℃のウォーターバス中のプラスチックバッグに18時間保存した。 5)ピンをウェルから除き、NMPで1回(5分間)、メタノールで3回(2 分間)洗浄し、10分間風乾させた。 6)ピンを前記したように脱保護し、方法を繰り返した。 ピンの1つのブロック上のペプチドをアセチル化するために、ペブチドピンを 洗浄し、脱保護し、NMP;無水酢酸:トリエチルアミン(5:2:1)を含む 150マイクロリットルの溶液で30℃で90分間処理し、つぎに前記概説した 洗浄方法を行なった。ペプチドピンの2番目の組を、アセチル化しないことによ り脱保護し、遊離のN末端アミノ基を得た。 側鎖保護基を除去するペプチドの最終脱保護を、TFA:アニソール:ジチオ スレイトール、95:2.5:2.5(v/v/w)の混合物を用いて、4時間 室温で行なった。脱保護後、ピンを10分間風乾させ、つぎに、メタノール/蒸 留水(1:1)中0.1%HCl溶液中で15分間超音波処理を行なった。ピン を一晩乾燥させ、つぎに試験のために準備した。TNF−αペプチドピンへのcA2結合についてのELISAアッセイ 試薬:ディスラプション緩衝液 リン酸二水素ナトリウム(31.2g、シグマ(Sigma)製カタログ番号 S−0751または同等物)およびドデシル硫酸ナトリウム(20.0g、シグ マ製カタログ番号L−3771または同等物)を、2.0LのミリQ水に溶解さ せた。pHを50%w/w水酸化ナトリウム(VWR製カタログ番号VW673 0−3または同等物)で7.2±0.1に調整した。ブロッキング緩衝液 リン酸二水素ナトリウム(0.39g、シグマ製カタログ番号S−0751ま たは同等物)、リン酸水素二ナトリウム(1.07g、ベーカー製カタログ番号 3828−1または同等物)および塩化ナトリウム(8.50g、ベーカー製カ タログ番号3624−5または同等物)を、1.0LのミリQ水に溶解させた。 pHを50%w/w水酸化ナトリウム(VWR製カタログ番号VW6730−3 または同等物)で7.2±0.1に調整した。ニワトリタマゴアルブミン(10 .0g、シグマ製カタログ番号A−5503または同等物)およびウシ血清アル ブミン(10.0g、シグマ製カタログ番号A−3294または同等物)を、穏 やかに攪拌しながら室温で溶解させた。溶液をろ過し、溶液にTween20( 2.0ml、シグマ製カタログ番号P−13.79または同等物)を添加した。 溶液を室温で30分間穏やかに攪拌し、ろ過し、40℃で保存した。PBS/Tween20 10×濃縮物は、リン酸二水素ナトリウム(3.90g、シグマ製カタログ番 号S−0751または同等物)、リン酸水素二ナトリウム(10.70g、ベー カー製カタログ番号3828−1または同等物)および塩化ナトリウム(85. 0g、ベーカー製カタログ番号3624−5または同等物)を、1.0Lのミリ Q水に溶解させることにより調製した。pHを50%w/w水酸化ナトリウム( VWR製カタログ番号VW6730または同等物)で7.2±0.1に調整した 。溶液にTween20(5.0ml、シグマ製カタログ番号P−1379また は同等物)を添加し、混合物を穏やかに攪拌した。使う直前に、100mLのこ の溶液をミリQ水で1.0Lに希釈した。基質溶液 クエン酸(4.20g、マリンクロット(Malinckrodt)製カタロ グ番号0627または同等物)およびリン酸水素二ナトリウム(7.10g、ベ ーカー製カタログ番号3828−1または同等物)を1.0LのミリQ水に溶解 させることにより、基質緩衝液を調製した。pHを50%w/w水酸化ナトリウ ム(VWR製カタログ番号VW6730−3または同等物)で5.00に調整し た。使用直前に、OPD基質タブレット(30mg、シグマ製カタログ番号P− 8412または同等物)、および30%(v/v)過酸化水素(40μL、シグ マ製カタログ番号P−1379または同等物)を基質緩衝液25.0mLに添加 した。 溶液をホイルでラップし、徹底的に混合した。4N H2SO4 硫酸(53mL、イーエム サイエンス(EM Science)製カタログ 番号SX1244−5または同等物)を、ゆっくりとミリQ水(447mL)に 添加し、使用前に室温まで冷やした。装置 Molecular Devices Model nu−maxプレートリ ーダーまたは同等物。Scientific Products Model R4140 Oscillating卓上シェーカーおよび同等物。BRANS ON Model 5200 超音波バスまたは同等物。FINNPIPETT E Model 4172317マルチチャンネルピペッターまたは同等物。C ORNING Model 25801 96ウェル使い捨てポリスチレンEl isaプレート。 使用前および各その後の使用後、ペプチドピンを以下の方法を用いて清掃した 。ディスラプション緩衝液(2.0L)を60℃に加熱し、防煙フード中の超音 波バス中に置いた。ディスラプション緩衝液に、ジチオールスレイトール(2. 5g、シグマ製カタログ番号D−0632または同等物)を添加した。ペプチド ピンをこの媒体中で30分間音波処理し、ミリQ水(waster)で徹底的に 洗浄し、沸騰エタノールバス中で2分間懸濁し、風乾した。 ブロッキング緩衝液(200μL)を、96ウェル使い捨てポリスチレンEl isaプレートに添加し、ペプチドピンをウェル中で懸濁した。ペプチドピンお よびプレートを振動卓上シェーカーで室温で2時間インキュベートした。プレー トおよびペプチドピンをPBS/Tween20で洗浄した(4回)。各ウェル に、20μg/mlの濃度のcA2抗体(ブロッキング緩衝液で希釈、175μ L/ウェル)を添加した。TNF競合は、BSA/卵白アルブミン/BBS中で 室温で3時間、TNFα(40μg/ml)およびcA2(20μg/ml)の インキュベーションにより行なった。ペプチドピンをプレートに懸濁し、4℃で 一晩インキュベートした。ペプチドピンおよびプレートをPBS/Tween2 0で洗浄した(4回)。各ウェルに、セイヨウワサビペルオキシダーゼに結合さ せた抗ヒトヤギ抗体(ブロッキング緩衝液で1/2000に希釈、175μL/ ウェル、ジャクソン イムノリサーチ ラブス(Jackson IMMUNO RESEARCH Labs)製)を添加した。ペプチドピンを、プレート中で 懸濁し、振動卓上シェーカーで室温で1時間インキュベートした。プレートおよ びペプチドピンをPBS/Tween20で洗浄した(4回)。各ウェルに、新 鮮に調製された基質溶液(150μL/ウェル)を添加し、ペプチドピンをプレ ート中に懸濁し、振動卓上シェーカーで室温で1時間インキュベートした。ペプ チドピンを除き、各ウェルに4N H2SO4(50μL)を添加した。プレート をMolecular Devicesプレートリーダーで読んだ(490nm 、650nmをブランクとして引く)。実施例XIII−TNFペプチド断片を用いたマウス抗ヒトTNF mAbの生産 メスBALB/cマウスを、前記で示したように、等量のFreund完全ア ジュバント(ディフコラボラトリーズから得た)で乳化されて0.4mlにした 、(配列番号:1の)TNFの非隣接配列59〜80番目、87〜108番目の 残基または59〜80番目および87〜108番目の両方の残基内に位置する少 なくとも5アミノ酸の抗TNFエピトープを含む40μgの精製大腸菌由来組み 換えヒトTNF(rhTNF)断片を、前記実施例1のように、皮下および腹膜 内(i.p.)注射し、マウスに入る。1週間後、5μgのFreund不完全 アジュバント中のこれらのrhTNF断片のブースター注射をi.p.にし、つ ぎに、4回の連続的なアジュバント無しの(配列番号:1の)hTNFαの59 〜80番目の残基、87〜108番目の残基または59〜80番目および87〜 108番目の両方の残基由来のアミノ酸を含有する抗TNFエピトープを含む1 0μgのTNF断片のi.p.注射を行なう。最終注射の8週間後、マウスを1 0μgのTNFでi.p.ブーストする。 4日後、マウスを殺し、脾臓を得て、脾臓細胞懸濁物を調製する。脾臓細胞を 非分泌ハイブリドーマ、Sp2/0(ATCC CRL1581)と、脾臓細胞 対SP2/0細胞が4:1の比で、0.3mlの30%ポリエチレングリコール 、PEG 1450の存在下で、融合させる。37℃で6時間のインキュベーシ ョン後、融合細胞を、ウェルあたり2×104個のSp2/0細胞の濃度で96 ウェルプレート中に、0.2mlのアリコートに分配する。支持細胞を、5×1 04個の正常BALB/c脾臓細胞の状態で、各ウェルに添加する。 用いた生育培地は、RPM1−1640培地、10%熱不活性化ウシ胎児血清 (FBS)(ハイクローン製)、0.1mM MEM非必須アミノ酸、1mMピ ルビン酸ナトリウム、2mM L−グルタミン、100U/mlペニシリン、1 00μg/mlストレプトマイシン(ギブコ ラボラトリーズ製)、および、選 択のため、ヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン(HAT)(ベーリンガ ー マンハイム製)からなっていた。固相ラジオイムノアッセイ(RIA)を、 (配列番号:1の)hTNFαの59〜80番目の残基、87〜108番目の残 基または59〜80番目および87〜108番目の両方の残基の部分を含むrh TNFα断片に対して特異的なmAbの存在について上清をスクリーニングする ために行なう。このアッセイは、前記、実施例IIに記載されている。このアッセ イのバックグランド結合は約500cpmである。上清は、2000cpm以上 の結合が得られた場合、陽性であると見なす。 スクリーニグした上清のうち、1以上の陽性上清が、RIAにより慣例的に同 定される。これらの陽性上清のうち、最大の結合を有するもの(より高いcpm 値により示される)を、マウス支持細胞に限界希釈でサブクローニングする。さ らなる中和アッセイにおける上清の分析で、慣例的に1以上の抗体が、強い阻止 および/または中和活性を有することがわかる。つぎに、これらの陽性ならびに 阻止および/または中和ハイブリドーマ株を選択し、10% FBS(ギブコ製 )、0.1mM非必須アミノ酸、1mMピルビン酸ナトリウム、2mM L−グ ルタミン、100U/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマシン を含むRPM1−1640培地中で維持する。実施例XIV−TNFペプチド由来ネズミおよびキメラ抗体、断片および領域の産 前記実施例IV〜IXで示されたように、ネズミおよびキメラ抗体、断片および領 域を、実施例XIVで得た抗体のマウス可変領域およびヒト定常領域をコードする キメラ発現ベクターの構築により得る。 得られたキメラA2抗体は、プロテインAセファロースクロマトグラフィーに より、組織培養上清から精製する。上清を、0.1M Tris、0.002M EDTA、pH8.0に調整し、同緩衝液で平衡化させたプロテインAセファ ロースカラムに負荷する。つぎに、IgGを、0.1Mクエン酸塩、pH3.5 で溶出し、1M Trisで中和し、リン酸緩衝液生理食塩水(PBS)中で透 析する。 精製ネズミおよびキメラ抗体、断片および領域を、結合ならびに阻止および/ または中和活性について評価する。 関節リウマチ患者へのcA2の複数回投与 再治療プログラムは、cA2での開放性標識試行からの関節リウマチ患者1、 2、3、5、7、8、9および10を含んでいた。患者は、開放性試行における 完全注入プロトコールがサイクル1である、4サイクルまでの治療を受けた。サ イクル2〜4の時期は、前サイクルへの応答の喪失で定義される、症状の再発に より指示された。ほとんどのサイクルは、再発の5週間以内に投与されたが、サ イクル2は4人の患者で投与理由に対して遅らせた。8人の患者は再治療プログ ラムに参加したが、患者5は、サイクル2中の有害な結果のための離脱のため応 答の分析から除外した(後記参照)。3人の患者は、サイクル2後離脱した。そ れゆえ、応答データは、サイクル1および2については7人の患者から、サイク ル3については5人、サイクル4については4人からである。症状再発期間を含 む、観察の全期間は、17〜108週間まで多様であった。 cA2を、2〜3時間かけて静脈内注入により投与した。投与は、サイクル1 で30mg/kg(2回または4回の投与)およびサイクル2〜4について単回 注入での10mg/kgであった。患者は、サイクル1について一晩許可された が、その後、昼間の場合として治療された。 サイクル1および2の間の症状再発後のいくつかの変更:患者3は、1週間増 加したペドニソロンの投与を受けた;患者5は、メチルプレドニソロンの単回関 節内注射を受けた;患者8および10は、非ステロイド系抗炎症剤を止めた、を 除いては、他の薬剤を、サイクル1の開始から安定投与で維持した。開放性試行 におけるように、いかなる経路による追加のステロイドも、研究の間禁止したが 、ありふれた鎮痛剤は自由に許容した。 応答の第一段階の測定は、多可変ポーラス指数であって、2つのレベル(ポー ラス20%および50%)で計算し、変更して集められたデータの形式に適応さ せた。実験室測定は、赤血球沈降速度(ESR、Westergren)、C反 応性蛋白質(CRP、比濁速度)および前記のように測定された自己抗体を含ん でいた。ヒト抗キメラA2抗体応答(HACAs)を、2重抗原酵素イムノアッ セイを用いて測定した。リウマチ因子抗Fc抗体による誤差のあるシグナルを、 共有重合ヒトFcのHACA試料希釈物への添加により除いた。200ng/m L以上のcA2を含んでいる試料(遊離cA2に対する個別アッセイ)を、HA CAに対して誤差のない結果を与えそうだと考え、分析から不適とした。 応答の程度を維持しながら、各患者は、サイクル1処置への応答を達成し、サ イクル2〜4後の反復応答を示した。例えば、膨張関節数およびCRP等の、個 々の症状活性の評価における最大改善の中央値は、各サイクル後80%を超えた (データは示されていない)。各サイクル前の膨張関節数および各サイクル後の 最高の評価の中央値(四分位数間領域)は:(前、後)サイクル1、21(16 〜25)、3(0〜3)(Wilcoxonの徴候評価試験によりp=0.01 1);サイクル2、16(8〜21)、2(0〜4)(p=0.011);サイ クル3、8(6.5〜18.5)、1(1〜3)(p=0.03);およびサイ クル4、11(10.3〜14.8)、2(2〜6.5)(p>0.05)であ った。CRPに対する同等のデータは:サイクル1、31mg/L10〜44、 正常<10mg/L)、0(0〜5)(p=0.011);サイクル2、49( 24〜62)、3(2〜7)(p=0.011);サイクル3、39(24〜6 9.5)、0(0〜17..5)(p=0.03):およびサイクル4、40. 5(11.5〜125)、5(0〜65.5)(p>0.05)であった。 4つのサイクル全部を完成した患者における応答の全体のパターンは、図1に 示されている。示すように、膨張関節数およびCRPにおいて同等の変化があっ た。 応答期間中の可能な変化の分析を、サイクル3〜4における投与の減少および サイクル1における複数分割投与注入からその後の単回注入への変化により複雑 にした。個々の患者は、様々な応答パターンを示したが(図2)、全体として、 期間は、成功したサイクルで短くなる傾向があった。サイクル1における20m g/kgのcA2での処置後の中央値ポーラス20%応答期間は12週間であっ た(四分位数間領域8〜17.4)。サイクル2〜4についての同等の値(患者 がこの投与の半分を受けたとき)は、9.1週間(1〜19.1)、8.3週間 (3.2〜12.5)、および7.7週間(1.6〜15.2)(Friedm an試験、反復したWilcoxonの徴候評価試験および直線回帰によりサイ クル1と比較してp>0.05)であった。 2つの例外があるが、41回の注入を本研究において投与し、よく耐えさせた 。患者5は、サイクル2における予定のcA2投与の1%のみの投与後に離脱さ せた。これは、血管迷走神経性失神の発現、続いて、外傷性静脈穿刺にしたっが ていた。患者9は、サイクル4の間に、熱、頭痛、一過性顔面紅潮を起こしたが 、症状に関して治療し、離脱しなかった。合理的にcA2と関連があると考えら れる他の有害な事象は、表に概略されている。3つの事象は、早期離脱の警告を 与えた(患者1、7および10)。 4人の患者は、最終注入後少なくとも6週間試験したとき、HACA応答を有 していなかった。残りの4人の患者は、再治療後様々なときにHACAを発生し (患者3、1、5および9それぞれにおいて、力価10、20、80および64 0)、全てcA2のネズミ可変領域に特異的であった。これらのうち、2人の患 者は全4サイクルを完了し、1人は2サイクルを完了し、1人はサイクル2中に 離脱した。HACAを有する幾人かの患者は、サイクル2〜4における応答期間 の減少を示した。他の患者においては、しかしながら、明白な関係は確実ではな かった。患者9は、サイクル2後、高い力価のHACA(640)を発生したが 、8.7週間のサイクル3の応答期間は、サイクル1の期間(8週間)と相違が なかった。逆に、患者8ではHACAは検出されなかったが、応答期間はサイク ル1における17.4週間からサイクル3における8.3週間に減少した。 データは、関節リウマチの拡大を有する患者をcA2で好結果に制御できるこ とを示し、病院への入院、コルチコステロイドの高投与または細胞傷害性治療な どの典型的な処置に選択肢を提供する。再治療前の症状の再発に対する要求は、 困難な治療上の挑戦を提供する。このことにも関わらず、応答は、炎症の臨床上 および実験室的測定における印象的な改良で、各患者/サイクル後達成された。 同じ個体における反復応答を行なうときの成功は、cA2での標準的な治療が長 期の症状抑制を達成することができることを示した。 有害な結果は、7人の患者中3人における抗核抗体の発生を含んでいた。これ らの発見の2つは特異的自己抗体と関連がないにも関わらず、患者10はサイク ル1後有意な力価のdsDNAおよびカルジオリピン抗体を発生し、サイクル2 後さらなる力価の上昇を示した。全身性の紅斑性狼瘡の臨床上の特徴は発生しな かったにもかかわらず、研究から離脱した。慎重なアプローチが、軽症の感染事 象に対して採用され、静脈洞炎の発生後患者7を離脱させた。cA2の反復使用 におけるさらなる実験で、より低い脱落率が達成された。 最初の開放性標識試行において20人の患者の内1人のみが抗グロブリン応答 を発生し、cA2が本質的に免疫原性でないことが示された。cA2のネズミ部 分に特異的なHACAは、結局再治療プログラムにおいて半分の患者で検出され た。これらは最も低い力価で、2人の患者はそれらの存在にもかかわらず好結果 で再治療された。同様の抗グロブリン応答は、CD252に対するヒト化モノク ローナル抗体の反復注入で治療された4人の関節リウマチ患者の3人において見 られ、抗体再形成は全く免疫原性を排除しないことが示された。均等物 当業者であれば、単なる日常的実験手法により、本明細書に記載された発明の 具体的態様に対する多くの均等物を認識し、あるいは確認することができるであ ろう。そのような均等物は下記クレームに記載されるような本発明の範疇に含ま れるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 39/395 AEA A61K 39/395 AEAN C12N 5/10 C12P 21/08 15/02 C12N 5/00 B 15/09 15/00 C C12P 21/08 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,US,UZ,VN (72)発明者 メイニ,ラビンダー ナス 英国 ロンドン エスダブリュー13 9イ ーダブリュー,バーネス,キャッスルノー 151 (72)発明者 ウッディー,ジェイムス エヌ. アメリカ合衆国 ペンシルバニア 19382 ウェスト チェスター,ナンバー331 ウェスト チェスター パイク 1512

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.複数回の用量の抗TNF抗体を投与することを含む、TNF介在性疾患を有 する個体におけるTNF介在性疾患の再発の治療または予防方法であって、第2 回目のまたはその後の投与が、該疾患の再発期または再発前に行なわれる、治療 または予防方法。 2.TNF介在性疾患が、自己免疫疾患、急性または慢性免疫疾患、細菌感染症 、ウイルス感染症、寄生虫感染症、炎症性疾患、神経変性疾患、悪性疾患および アルコール誘発性肝炎からなる群より選ばれる請求項1記載の方法。 3.抗TNF抗体が、低免疫原性を有するモノクローナル抗体またはその断片で ある請求項2記載の方法。 4.抗TNF抗体が、TNFαに対する高親和性を有する請求項3記載の方法。 5.抗体が、キメラ抗体、ヒト化抗体もしくは表面再処理(resurface d)抗体またはその断片からなる群より選ばれる請求項4記載の方法。 6.抗体が、約87〜108および約59〜80からなる群より選ばれるhTN Fαの1以上のアミノ酸と結合する請求項5記載の方法。 7.抗体が、A2のエピトープと結合する請求項5記載の方法。 8.抗体が、キメラ抗体である請求項5記載の方法。 9.抗体が、約87〜108および約59〜80からなる群より選ばれるhTN Fαの1以上のアミノ酸と結合する請求項8記載の方法。 10.抗体が、cA2のエピトープと結合する請求項8記載の方法。 11.抗体が、cA2である請求項10記載の方法。 12.個体に複数回の用量の抗TNFα抗体を投与することを含む、該投与が必 要な個体における関節リウマチの再発の治療または予防方法であって、第2回目 のまたはその後の投与が、該疾患の再発期または再発前に行なわれる、治療また は予防方法。 13.抗TNF抗体が、低免疫原性を有するモノクローナル抗体またはその断片 である請求項12記載の方法。 14.抗体が、キメラ抗体、ヒト化抗体もしくは表面再処理抗体またはその断片 からなる群より選ばれる請求項13記載の方法。 15.抗体が、約87〜108および約59〜80からなる群より選はれるhT NFαの1以上のアミノ酸と結合する請求項14記載の方法。 16.抗体が、A2のエピトープと結合する請求項14記載の方法。 17.抗体が、キメラ抗体である請求項14記載の方法。 18.抗体が、約87〜108および約59〜80からなる群より選ばれるhT NFαの1以上のアミノ酸と結合する請求項17記載の方法。 19.抗体が、cA2のエピトープと結合する請求項17記載の方法。 20.抗体が、cA2である請求項19記載の方法。 21.複数回の用量の抗TNF抗体を投与することを含む、TNF介在性疾患を 有する個体におけるTNF介在性疾患の治療方法およびTNF介在性疾患の再発 の治療または再発の予防方法。 22.TNF介在性疾患の再発の治療または予防における複数回投与用の医薬の 製造に使用する抗TNF抗体。 23.抗体が、低免疫原性および高TNFα親和性を有するモノクローナル抗体 またはその断片である請求項22記載の抗TNF抗体。 24.抗体が、キメラ抗体である請求項23記載の抗TNF抗体。 25.キメラ抗体が、cA2のエピトープと結合する請求項24記載の抗TNF 抗体。 26.キメラ抗体が、cA2である請求項25記載の抗TNF抗体。
JP8531685A 1995-04-20 1995-04-20 抗tnf抗体の複数回投与 Pending JPH11503752A (ja)

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