【発明の詳細な説明】
単糖類分析のための化合物および方法技術分野
本発明は、一般に単糖類分析のための組成物および方法に関する。さらに詳細
には、本発明は、ヒドラジノ単糖類誘導体、その調製、およびアルドースおよび
ケトース単糖類の構造決定のための使用に関し、そしてこのような化合物の導入
または自動化システムへの方法に関する。発明の背景
糖または炭水化物とも呼ばれる糖類は、生物系の主要な成分である。糖類は植
物の乾燥重量の約80%を形成し、そしてモノマー(単糖類)か、または共有結合
した単糖類よりなるポリマー(オリゴ糖類)かのいずれかとして、高等動物にお
ける代謝経路の不可欠な成分である。さらに、糖類はしばしば、より大きな生物
学的マクロ分子(タンパク質、脂質および核酸を含む)として見出される。この
広範な種類の形態において、糖類は天然に非常に多くの重要な機能を有する。
生物系における糖類の重要性のため、フリーのおよびオリゴ糖類のモノマー成
分としての両方において、単糖類の明白な同定の手順が非常に有用である。さら
に、オリゴ糖類の末端で単糖類を選択的に同定する手順は、ポリマーの糖類構造
の証明のために重要である。
ほとんどの天然の単糖類は、5個の炭素原子(ペントース)または6個の炭素
原子(ヘキソース)を含有する骨格構造を有する。これらの分子の直線形態にお
いて、各骨格炭素原子は、酸素原子に共有結合し得て、ヒドロキシル基(または
その修飾体)、およびケトン基またはアルデヒド基のシリーズを形成する。アル
デヒド基を有するこれらの分子は、アルドースと呼ばれ、一方、ケトン基を有す
るこれらの分子はケトースとして公知である。
天然において、ほとんどの単糖類はアルドースである。アルドースの各クラス
の要素(例えば、ペントースおよびヘキソース)は構造的に類似する一方で、多
数の異なる立体異性体が各クラス内に存在する。例えば、ヘキソースシリーズに
おいては、C-1位にアルデヒド基、および炭素骨格に沿って全ての別の位置にヒ
ドロキシル基を有する16のヘキソースが存在する。これらの16の立体異性体は、
その直線(Fischer投影)形態で図1に示される。(Fischer投影は、図1の第1
の分子に示されるように、不斉炭素原子上の水素原子およびヒドロキシル基が、
紙平面から読者への方向に出て来るように分子を表す。)各立体異性体は異なる
分子であり、異なる不斉炭素原子で立体化学においてのみ異なる。
ケトースもまた天然に見出され、D-フルクトースについて以下に示されるよう
に(骨格炭素は1〜6で表される)、通常C-2位(すなわち、炭素骨格の第2炭
素)にケトンおよび全ての別の炭素にヒドロキシル基を有する。
ケトースはまた、異なる炭素数を有し得る。例えば、C-2でケトン官能基を有す
るヘキソースおよびペントースがある。ケトースのヘキソースシリーズにおいて
、C-2にケトン基を有する8個の立体異性体がある。これらのヘキソースは、フ
ルクトース、ソルボース、タガトース、およびプシコースのそれぞれのD体およ
びL体であり、それぞれ不斉炭素C-3〜C-5で立体化学が異なる。
これらの立体化学の変化に加えて、ヘキソースおよびペントースはまた、5原
子環形態(5員環またはフラノースとしても公知である)、および6原子環形態
(6員環またはピラノースとしても公知である)で存在し得る。これらの環形態
においては、酸素原子は環構造中に存在する。例えば、以下に示すのは、D-グル
コースについての5員環および6員環である。
溶液中では、アルドースおよびケトースの単糖類は、図1に示すように、環形態
と開鎖形態との間の平衡にある。環形態は以下のグルコースの平衡において示さ
れるように、C-1での置換基の配置によりαまたはβアノマーであり得る。
溶液中で相互変換し得、開鎖形態を与える単糖類は、それ自身を還元し得(すな
わち、カルボニル基が低酸化状態(例えば、アルコール)に変換される)、その
結果、還元単糖類と言われる。フリーの単糖類、およびオリゴ糖類の一末端(還
元末端)に位置する単糖類の両方が還元単糖類であり得る。
同一の元素組成を有する、非常に多くの異なる単糖類が特定の糖類の同定に対
して問題を起こす。例えば、C-1にアルデヒド基を有する16のヘキソースのそれ
ぞれは、5つの形態(4つの環形態および1つの直線形態)で存在し得、これは
溶液中ですばやく相互変換する。その結果、クロマトグラフ分析の間に、非常に
密接に関連し、相互変換する分子の16×5=80の可能な形態が存在し、クロマトグ
ラムを複雑にし、そしてしばしば分析を不可能にする。
さらに、単糖類分析を複雑にするのは、上述の基本的な「コア」構造から特定
の方法で修飾される、天然に存在する、非常に多くのこのような分子である。例
えば、炭素骨格に沿った1またはそれより多くのヒドロキシル基を欠く(1つの
ヒドロキシル基を欠く場合、デオキシ糖と言われ、または2つのこのような基を
欠く場合、ジデオキシ糖と言われる)、ヒドロキシル基の代わりにエーテル結合
を含有する(通常、メチルエーテルであり、そしてメチル化糖と言われる)、ヒ
ドロキシル基を置換するアミノ基またはN-アシルアミノ基を有する(それぞれア
ミノ糖またはアシルアミノ糖と言われる)、あるいはCH2OH基の代わりにC-6位に
カルボン酸基を有する(ウロン酸と言われる)、多くの生物源から共通の単糖類
および豊富な単糖類が存在する。単糖類はまた、直線状の炭素骨格を有するより
むしろ分岐状であり得る(分岐鎖糖と言われる)。図2に示されるように、ハマ
メロース(hamamelose)は分岐状単糖類の例である。希な場合に、単糖類はこれ
らの修飾体の組み合わせを包含し得るか、またはエステル、環状アセタール、硫
酸エステルおよびリン酸エステルを包含するが、これらに限定されない他の修飾
体を包含し得る。いくつかの代表的な修飾体の例は図2に提供される。
多くの単糖類は共に結合して、オリゴ糖類を形成する。直線状のオリゴ糖類に
おいて、単糖類は、常に1つの単糖類のC-1から他の単糖類のC-2、C-3、C-4、C-
5またはC-6の1つへの結合で、共に結合される。例えば、以下に示すのは、1つ
のD-グルコース(「Glc」)分子が他のD-グルコース分子に、左側のD-グルコー
ス分子のC-1から右側のD-グルコースのC-4へ結合するオリゴ糖類である。
2つのD-グルコース間の結合は「グリコシド結合」と言われる。2つのグルコ
ース分子間の結合は、αでもよくまたはβでもよく、左のD-グルコースのC-1の
置換基の配置に依存する。ジ-グルコースオリゴ糖類構造の右側のD-グルコース
は、そのモノマーの開鎖形態でアルデヒド基として存在し得るヒドロキシル基(
C-1の)を有する。それ故に、右側のD-グルコースは還元単糖類である。逆に、
構造の左側のD-グルコースはC-1にヒドロキシル基を有さず、従って、非還元単
糖類と言われる。
オリゴ糖類は、1つしか還元単糖類を含有しない。直線状であるオリゴ糖類
(すなわち、分岐せずに、直鎖で結合される単糖類)においては、1つの還元末
端および1つの非還元末端がある。オリゴ糖類に分岐が存在すれば(すなわち、
1より多い単糖類が1つの所定の単糖類に結合される)、還元末端はやはり1つ
だけであるが、2またはそれより多くの非還元末端が存在する。各単糖類が隣接
の単糖類の異なる位置に結合し得るため、顕著に複雑なオリゴ糖類になる可能性
がある。しかし、各還元オリゴ糖類は、開鎖形態で存在し得る還元単糖類(アル
ドースでもよいし、またはケトースでもよい)を1つだけ有する。結果として、
その単糖類上でカルボニル基のみを修飾する反応を用いて、還元アルドースまた
はケトース単糖類を明白に同定するための可能性がある。
しかし、単糖類の明白な同定(フリーかまたはオリゴ糖類の還元末端かのいず
れかで)は困難であることが分かっている。存在する、莫大な数の異なる単糖類
(その多くは、クロマトグラフィーにおいて類似の、または同一の移動特性を有
する)および各単糖類の異なる相互変換形態のため、単糖類の同定は、クロマト
グラフィーシステムにおけるその保持時間に基づくだけでは間違いなく達成する
ことはできない。従って、単糖類を同定するためには質量分析法の使用が不可欠
である。なぜなら、質量の分裂スペクトルパターン(例えば、電子衝撃質量分析
法において)は、上記の分子のクラス間で明らかに識別されるためである。同一
の質量スペクトルを与えるクラスの全て(例えば、全てヘキソースのように)の
可能な要素が分離可能である限り、質量分析法の使用によりモノマーを間違いな
く同定し得る。
単糖類が存在し得る可能な形態の数を制限するため、そしてそのようにして質
量分析に先だってクロマトグラフィーによる各クラスの要素の分離を改良するた
め、誘導体化技術がしばしば用いられる。しかし、いくつかの誘導体はまた、環
状生成物をもたらし得る。通常4つのこのような生成物(αおよびβフラノース
誘導体ならびにαおよびβピラノース誘導体)が存在するため、各単糖類は4つ
のクロマトグラフィーのピークを異なる量で生じさせ得る。このことは、多くの
オーバーラップするピークのために、複雑な混合物の分析を不可能でなくても、
困難にする。
単一のクロマトグラフィーのピークを生じる単糖類のいくつかの修飾が記載さ
れている。最も有用な修飾は、環化できない直線状誘導体に単糖類を変換し、従
ってクロマトグラフィーの間、相互変換しない。過去において広く用いられてき
た1つの手順は、単糖類のアルデヒド基またはケトン基のヒドロキシル基への直
接還元を含む。この反応はアルドースまたはケトースをアルジトールに変換する
。アルジトールの過アシル化はガスクロマトグラフィー-質量分析法(GCMS)に
対して適切な誘導体をもたらす。しかし、この手順は、1つより多い単糖類から
いくつかのアルジトールが生じ得るため、深刻な制限を受ける。例えば、図3に
示されるように、同一のアルジトール生成物が、分子D-グルコースおよびL-グル
コースの還元により生じる。結果として、この手順はこれらの2つの立体異性体
を区別できない。同一のアルジトール生成物を与えるアルドースのさらなる対は
、L-グルコースおよびD-グルコース、D-アルトロースおよびD-タロース、L-アル
トロースおよびL-タロース、D-ガラクトースおよびL-ガラクトース、ならびにD-
アロースおよびL-アロースである。アルドースの中で、D-マンノース、L-マンノ
ース、D-イドース、およびL-イドースだけが、ただ1つのアルジトール生成物を
生成する。
さらに、ケトースの還元は一対のアルジトールを生成する。例えば、D-フルク
トースはD-グルシトールおよびD-マンニトールを生成し、D-ソルボースはD-グリ
トールおよびD-イジトールを生成し、D-タガトースはD-ガラクチトールおよびD-
タリトールを生成し、そしてD-プシコースはD-アリトールおよびD-アルトリトー
ルを生成する。従って、単糖類の還元において与えられたアルジトールの形成は
、ケトースおよびアルドースの両方が同一のアルジトールを生成し得るため、単
糖類を明白には同定しない。
非環式誘導体をもたらす単糖類分析について他の方法が記載されている。GCMS
について、単糖類の定量に対して最も有用な誘導体は、アルドノニトリル(アル
ドースより生成され得る)およびジチオアセタール(アルドースおよびケトース
から生成され得る)である。なぜなら、これらの誘導体の定量収率を本質的に達
成する方法が存在するためである。これらの誘導体の代表例を図4に与える。こ
れらの誘導体化技術は、各単糖類に対して単一の生成物を生じるという重要な利
点を有する。例えば、16の異なるアルドースヘキソースのそれぞれは、ただ1つ
の誘導体を与える。GCMSによる分析に先だって、アルドノニトリル誘導体は、通
常アセチルエステルに変換され、そしてジチオアセタールは通常トリメチルシリ
ルエーテルまたはトリフルオロアセチルエステルに転換される。アセチルエステ
ルは安定であるが、トリメチルシリルエステルおよびトリフルオロアセチルエス
テルは、調製後、直ちに分析されなくてはならず、そして分析前および分析中に
大気中の水による開裂を非常に受けやすい。
さらに、これらの誘導体はオリゴ糖類の還元末端で単糖類の分析のために使用
できない。ジチオアセタールの合成は、それ自身、グリコシド結合を切断し、オ
リゴ糖類の単糖類成分の非選択的誘導体化をもたらす。さらに、ジチオアセター
ルは、オリゴ糖類のグリコシド結合を切断するのに必要な酸性条件下で安定でな
い。アルドノニトリルの形成はグリコシド結合を切断せずに達成され得るが、こ
の誘導体はオリゴ糖類から誘導体化された単糖類を切断するのに必要な酸性条件
に耐えない。
従って、当該分野ではフリーの単糖類の誘導体、およびオリゴ糖類の還元末端
での単糖類の誘導体を生成する方法が必要であり、ここで、誘導体は、(1)各前
者の単糖類を明確に同定し得、(2)室温および室温以下の温度で、長い期間(す
なわち、1年以上)安定であり、(3)グリコシド結合を切断する条件に耐え、そ
れによって、オリゴ糖類の還元末端で単糖類を同定し得、そして(4)オンライン
質量スペクトル分析(例えば、GCMS、LCMS(液体クロマトグラフィー-質量分析
法)およびCZE(キャピラリーゾーン電気泳動−質量分析法)などであるが、こ
れらに限定されない)が技術的に行い易いか、または例えば、GC-MSMSまたはGC-
MSMSMSなどであるが、これらに限定されない手順において娘イオンが多数に分裂
しやすい。
本発明はこれらの必要性を満たし、そしてさらに関連した利点を提供する。発明の要旨
簡単に述べると、本発明は、単糖類分析のための化合物および方法を提供する
。本発明の1つの局面においては、ヒドラジノ単糖類誘導体が提供され、これは
以下の構造を有する:
ここで、R1はNに共有結合した1-デオキシアルドース部またはデオキシケトース
部である。R1が1-デオキシアルドース部である場合、Nへの共有結合はC1位を介
して生じる。R1がデオキシケトース部である場合、Nへの共有結合は糖骨格にお
けるデオキシ炭素を介して生じる(これはケトン基に元々存在した)。全ての場
合において、R2は水素またはアルキル基である。
本発明の関連した局面においては、新規のヒドラジノ単糖類誘導体を調製する
ための方法が提供される。1つの実施態様において、方法は以下の工程を包含す
る:(a)以下の構造を有するヒドラジンでアルドースまたはケトースを反応する
ことによりヒドラゾンを生成する工程であって、:
ここで、Rは水素またはアルキル基である、工程;(b)ヒドラゾンをヒドラジノ誘
導体に還元する工程;および(c)ヒドラジノ誘導体を、実質的に全ての窒素原子
でアセチル化が起こる条件下でアセチル化する工程。
別の実施態様においては、工程(a)で使用されるアルドースまたはケトースは
、オリゴ糖類の還元末端に位置された単糖類であり、そしてこの方法はさらにオ
リゴ糖類から誘導されたアルドースまたはケトースを切断する工程を包含する。
さらに別の実施態様においては、本方法はさらにヒドラジノ単糖類誘導体を完
全にアセチル化する工程を包含する。
本発明のさらに関連した局面においては、方法はアルドースおよびケトース単
糖類の構造解析のために提供される。1つの実施態様においては、本方法は以下
の工程を包含する:(a)N,N'-ジアセチルヒドラジノアルドースまたはケトース単
糖類誘導体を生成する工程;(b)クロマトグラフィーにより単糖類誘導体を分離
する工程;および(c)分離された単糖類誘導体を分析し、同定を決定する工程。
好ましい実施態様においては、ヒドラジノ単糖類誘導体の分離はオンライン質
量分析法と組み合わせたクロマトグラフィーによる。
本発明の、これらの、および他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面
を参照することにより明らかになる。図面の簡単な説明
図1は、C-1にアルデヒド基、および炭素骨格に沿って全ての他の位置にヒド
ロキシル基を有するアルドースヘキソースのクラスにおける16の立体異性体を図
示する。立体異性体は、Fischer投影のようにその直線形態で示される。各Fisch
er投影は、不斉炭素原子上の水素原子およびヒドロキシル基が、紙平面から読者
への方向に出て来るように分子を表す。
図2は、単糖類の代表的ないくつかの修飾体を図示する。
図3は、D-グルコースおよびL-グロースの還元により、アルジトールであるD-
グルシトールの生成を図示する。
図4は、D-グルコースのアルドノニトリルおよびジエチルジチオアセタール誘
導体を図示する。
図5a-gは、いくつかの代表的な1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)
アルジトールの溶離プロフィールを図示する。
図6a-fは、完全にアセチル化された誘導体のクロマトグラフィーによる分離
を図示する。
図7a-iは、完全にアセチル化された1-デオキシ-1-ヒドラジノアルジトールま
たは2-デオキシ-2-ヒドラジノアルジトールの代表的な電子衝撃質量スペクトル
を図示する。
図8aおよびbは、クロマトグラフィー上で一緒に移動する完全にアセチル化さ
れた1-デオキシ-1-ヒドラジノアルジトール誘導体の、これらの誘導体のクラス
を、ガスクロマトグラフィー/質量分析法により同定する、選択されたイオン抽
出の使用を図示する。
図9a-cは、完全にアセチル化された2-デオキシ-2-ヒドラジノアルジトール
(ケトースから誘導される)の存在下で、完全にアセチル化された1-デオキシ-1
-ヒドラジノアルジトール(アルドースから誘導される)を、ガスクロマトグラ
フィー/質量分析法により明白に同定する、選択されたイオン抽出の使用を図示
する。発明の詳細な説明
本発明を説明する前に、以下に使用される特定の用語の定義を説明することが
その理解に役立ち得る。本発明に関連して、「糖類」は任意の単糖類またはオリ
ゴ糖類を言う。「単糖類」は、より小さな糖類ユニットに加水分解できない糖類
である。単糖類は、無置換、非加水分解糖類(例えば、グルコース)、および1
またはそれより多くのヒドロキシル基が置換を含むかまたは水素原子で置き換わ
った修飾糖類(すなわち、デオキシ、ジデオキシおよびトリデオキシ糖類)を包
含する。単糖類は、「フリーの単糖類」であり得る(単糖類がどの他の単糖類と
も共有結合しないことを意味する)。あるいは、単糖類は、オリゴ糖類内に存在
し得る。「オリゴ糖類」は、直線状または分岐状で共に結合された、2またはそ
れより多くの単糖類を含む加水分解可能な糖類である。「還元単糖類」はオリゴ
糖類の還元末端に位置される単糖類である。
用語「アルドース」は、フリーかまたはオリゴ糖類の還元末端でかのいずれか
の単糖類を言うのに使用され、これは、C-1位にアルデヒド基を有し得る。「1-
デオキシ-アルドース部」は、C-1で炭素原子が第2の部に共有結合し得るように
、C-1位でアルデヒド基内に元々存在する酸素原子が除去され、そして単一の水
素原子で置換されている単糖類部である。例えば、1-デオキシ-D-グルコース部
は以下の構造を有する:
用語「ケトース」は、フリーかまたはオリゴ糖類の還元末端のいずれかの単糖
類を言うのに使用され、これは単糖類の骨格に沿って任意の内部炭素原子にケト
ン基を有し得る。「デオキシ-ケトース部」は、元々ケトン基内に存在する炭素
原子が第2の部に共有結合され得るように、元々ケトン基内に存在する酸素原子
が除去され、そして単一の水素原子で置換されている単糖類である。例えば、2-
デオキシ-D-グルシトール部は以下の構造を有する:
3-または4-デオキシケトース部は、C-3またはC-4位でケトン酸素原子がそれぞ
れ除去され、そして1つの水素原子により置換される単糖類を言う。
「アセチル化」分子は、1つまたはそれより多くのアセチル基が分子に共有結
合する分子である。「完全にアセチル化された分子」は、全てのフリーのヒドロ
キシル基および窒素原子が誘導体化されて、アセチルエステル、アミド、または
ヒドラジドを形成する分子である。
上記のように、本発明は、一般に種々の目的(例えば、単糖類分析)に対して
有用な化合物および方法に関する。より詳細には、本発明は単糖類のヒドラジノ
誘導体ならびにヒドラジノ単糖類誘導体を調製する方法およびヒドラジノ単糖類
誘導体の使用(例えば、フリーの単糖類およびオリゴ糖類の還元末端での単糖類
分析のための)に関する。
本発明の単糖類誘導体は、一般に以下の式により表され得る:
R1は、任意のアルドースまたはケトース単糖類から誘導され得る1-デオキシア
ルドース部またはデオキシケトース部であり、フリーの単糖類およびオリゴ糖類
の還元末端での単糖類を含む。適切な単糖類としては、アルドースヘキソース(
例えば、D-グルコース、L-グルコース、D-アロース、D-アルトロース、D-ガラク
トース、D-グロース、D-イドース、D-マンノース、およびD-タロース);ケトー
スヘキソース(例えば、D-フルクトース、D-プシコース、D-ソルボース、および
D-タガトース);アルドースペントース(例えば、D-アラビノース、D-リキソー
ス、D-リボース、およびD-キシロース);アルドーステトロース(例えば、D-エ
リトロースおよびD-トレオース);アルドーストリオース(例えば、D-グリセル
アルデヒド);ならびにグリコールアルデヒドが挙げられるが、これらに限定さ
れない。
アルドースまたはケトース部はまた、修飾された単糖類から誘導され得る。適
切な修飾単糖類としては、デオキシ糖(例えば、6-デオキシ-L-ガラクトース(L
-フコース)および6-デオキシ-L-マンノース(L-ラムノース))、ジデオキシ糖
、トリデオキシ糖、アミノ糖(例えば、2-アミノ-2-デオキシ-D-グルコースおよ
び2-アミノ-2-デオキシ-D-ガラクトース)、アシルアミノ糖(例えば、2-アセト
アミド-2-デオキシ-D-グルコースおよび2-アセトアミド-2-デオキシ-D-ガラクト
ース)、1つまたはそれより多くのO-アルキルエーテルを有する糖(例えば、3
-O-メチル-D-グルコース)、ウロン酸、分岐鎖糖、1つまたはそれより多くの
ヒドロキシル基の硫酸エステルまたはリン酸エステルを有する糖、あるいは上記
の修飾体の任意の組み合わせを有する糖が挙げられるが、これらに限定されない
。これらの修飾体の代表的な組み合わせとしては、テベトース(6-デオキシ-3-
O-メチル-D-グルコース)およびビネロース(6-デオキシ-3-C-メチル-2-O-メ
チル-L-タロース)に見出される組み合わせが挙げられ、これはO-メチルエーテ
ルを有する分岐鎖ジデオキシ糖である。さらに適切な単糖類は、例えば、化学お
よび物理のCRC教本、第68版(CRC Press,Inc.1987)のC-705〜C-710に見出さ
れ得、これは本明細書中に参考として援用される。
好ましくは、R1は、2〜9個の炭素原子の骨格を有する1-デオキシアルドース
部、または3〜9個の炭素原子の骨格を有するデオキシケトース部である。さら
に好ましくは、R1は、デオキシペントースまたはデオキシヘキソース部である。
R1が1-デオキシペントース部である、本発明の単糖類誘導体の代表例は、アラビ
ノースについて以下に示される:
1-デオキシヘキソース誘導体の代表例はグルコースについて以下に示される:
2-デオキシヘキソース誘導体の代表例は、D-フルクトースについて以下に示さ
れる:
他の好ましい実施態様では、R1は、最初にオリゴ糖類の還元末端に配置して
いた、アルドースまたはケトースから誘導される。
R2は一般的には、水素あるいは直線状または分岐状のアルキル基である。好
ましくは、R2は、1個〜8個の炭素原子を有するアルキル基である。より好ま
しくは、R2は1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基である。
本発明の単糖類誘導体は、一般的に、次の工程により調製され得る:(a)単
糖類(フリーのまたはオリゴ糖類の還元末端の、のいずれか)からヒドラゾンま
たはアルキルヒドラゾン誘導体を生成する工程、(b)その誘導体を還元し、デ
オキシ-ヒドラジノアルジトール誘導体またはデオキシ-(N'-アルキルヒドラジ
ノ)アルジトール誘導体、または(オリゴ糖類の還元の場合)グリコシド結合で
置換された誘導体を生成する工程、および(c)還元された誘導体をアセチル化
する工程。どちらか1つのみが窒素原子上で起こる場合、デオキシ-(N,N'-ジア
セチルヒドラジノ)アルジトールまたはデオキシ-(N'-アルキル-N,N'-ジアセチル
ヒドラジノ)アルジトールを生じ、遊離したヒドロキシル基および窒素原子の両
方で起こる場合、デオキシ-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)アルジトールの過-O-
アセチル化誘導体またはデオキシ-(N'-アルキル-N,N'-ジアセチルヒドラジノ)ア
ルジトール誘導体を生じる。あるいは、デオキシ-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)
アルジトールはアルキル化されて、デオキシ-(N'-アルキル-N,N'-ジアセチルヒ
ドラジノ)アルジトールあるいはその部分的または全体的にO-アルキル化された
誘導体を生じ得る。使用された手順に関わらず、90%〜95%の単糖類が、所望の
誘導体に転換され得る。
例えば、アルドース誘導体は、次の工程から形成され得る:(a)ヒドラゾン
またはアルキルヒドラゾン誘導体を生成する工程、(b)その誘導体を還元して
1-デオキシ-1-ヒドラジノアルジトールまたは1-デオキシ-1-(N'-アルキルヒドラ
ジノ)アルジトールを生成する工程、および(c)還元された誘導体をアセチル
化し、1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)アルジトール、1-デオキシ-1
-(N'-アルキル-N,N'-ジアセチルヒドラジノ)アルジトール、またはそれらの完全
にアセチル化された誘導体を生成する工程。
同様に、ケトン基をC-2に有するケトース誘導体は、次の工程により形成され
得る:(a)ヒドラゾンまたはアルキルヒドラゾン誘導体を生成する工程、(b
)その誘導体を還元して2-デオキシ-2-ヒドラジノアルジトールまたは2-デオキ
シ-2-(N'-アルキルヒドラジノ)アルジトールを生成する工程、そして(c)還元
された誘導体をアセチル化し、2-デオキシ-2-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)アル
ジトール、2-デオキシ-2-(N'-アルキル-N,N'-ジアセチルヒドラジノ)アルジトー
ル、またはそれらの完全にアセチル化された誘導体を生成する工程。
オリゴ糖類の還元末端に存在するアルドースおよびケトースの単糖類誘導体も
また、本発明の方法により、特異的に生成され得る。内部の単糖類の誘導体は生
成されない。なぜなら、これらの単糖類のカルボニル基は、グリコシド結合に含
まれるからである。オリゴ糖類の還元末端の単糖類のみが、ヒドラゾンまたはア
ルキルヒドラゾン誘導体を生成するのに必要な、遊離したカルボニル基を含む。
それゆえに、本発明の方法は、オリゴ糖類の還元末端に存在する単糖類を選択的
に誘導化するのに使用され得、従って、これらの単糖類を同定するのに有用であ
る。
誘導された単糖類がオリゴ糖類の還元末端に存在する場合、本発明の方法はさ
らに、オリゴ糖類のグリコシド結合を切断する工程を含む。例えば、切断の工程
は、水、アルコール、またはカルボン酸のような種々の溶媒中で、酸性条件を使
用することにより達成され得る。適切な切断剤には、水中の塩酸またはトリフル
オロ酢酸溶液、無水メタノール中の塩酸、および無水酢酸溶液中の硫酸が挙げら
れる。この切断は、還元単糖類のみを誘導化するために、デオキシ-ヒドラジノ
アルジトール誘導体またはデオキシ-(N'-アルキルヒドラジノ)アルジトール誘導
体の生成の後に行われる。この切断は、ヒドラジノ誘導体のアセチル化の前また
は後に行われ得る。
簡潔に言えば、ヒドラゾン誘導体またはアルキルヒドラゾン誘導体を生成する
ために、任意のアルドースまたはケトースが、以下の構造を有するヒドラジン誘
導体と反応し得る:
ここで、Rは水素あるいは直鎖状または分岐状アルキル基である。好ましくは、
Rは1個〜8個の炭素原子を含むアルキル基であり、より好ましくは、Rは1個
〜6個の炭素原子を含むアルキル基である。アルドースまたはケトースは、フリ
ーの単糖類またはオリゴ糖類の還元末端の単糖類であり得る。アルドースまたは
ケトースとヒドラジン誘導体との間の反応は、当業者に公知である適切な条件の
下で行われ得る。好ましくは、反応は、約0.1時間〜24時間の期間にわたって、
室温にて起こる。
ヒドラゾン誘導体またはアルキルヒドラゾン誘導体において、アルドースまた
はケトースのカルボニル酸素原子は、ヒドラジン誘導体の窒素原子と置換される
。例えば、D-グルコースのヒドラゾン誘導体は、以下の構造を有する:
ここで、R2は水素あるいは直線状または分岐状アルキル基である。
ヒドラゾン誘導体またはアルキルヒドラゾン誘導体は、当業者に公知の任意の
適切な還元剤を使用して還元され得、適切な還元剤には、例えば、水素化ホウ素
ナトリウムのような水素化ホウ素試薬[これらは種々の塩として入手可能であり
、水素化ホウ素の形態で、カチオン性ポリマーを含有する(例えば、ポリマー支
持水素化ホウ素試薬、製品32,864-2および35,994-7、Aldrich Chemical Co.、Mi
lwaukee、Wis.)ならびにシリカまたはアルミナ支持水素化ホウ素ナトリウム(製
品24,361-2および24,362-0、Aldrich)];ホウ素-炭素共有結合もまた有する、ホ
ウ素中心水素化物(例えば、直接ホウ素に結合した、アルキル基、またはかさ高
い基、またはシアノ基)[このクラスのメンバーには、トリ-sec-ブチル水素化ホ
ウ素カリウム(K-selectride、Aldrich、製品22,076-0)、KS- selectride、9-B
BN水素化リチウム、L-selectride、L-S-selectride、R-Alpine-hydride、および
S-Alpine-hydride(製品22,077-9、34,423-0、25,704-4、22,592-4、22,902-4、
および23,772-8、それぞれ、Aldrich Chemical Co.、Milwaukee、Wis.)が挙げ
られる];しばしば、例えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、t-ブチルア
ミン、モルホリン、ピリジン、またはテトラヒドロフランのような試薬との複合
体として使用される、ボラン/ジボラン;例えば、水素化アルミニウムリチウム
のような、水素化アルミニウム試薬[これらは、例えばナトリウム塩のような他
の塩として入手可能である];水素化ジイソブチルアルミニウムのような、共有
結合した炭素または水素と置換するアルコキシ基を有する他のアルミニウム中心
水素化物[Aldrich.種々の溶媒中の溶液またはビス(2-メトキシエトキシ)水素化
アルミニウムナトリウム(Red-Al、製品19,619-3、Aldrich Chemical Co.、Milwa
ukee、Wis.)として供給される]。触媒的水素化はまた、水素ガスおよび種々の金
属およびラネーニッケル(ニッケル-アルミニウム合金)のような、調製された
金属合金を使用して行われ得る。さらに、金属還元物の溶解、アルカリ金属(リ
チウム、ナトリウム、またはカリウム)の使用、ならびに溶媒(例えば、アルコ
ール、酢酸、液体アンモニア、または1,2-ジメトキシエタンなどのエーテル)中
の、例えば、亜鉛、マグネシウム、スズ、鉄、または水銀が一般に効果的である
。
好ましい還元剤は、水素化ホウ素ナトリウムである。水素化ホウ素ナトリウム
による還元は、通常、約0℃〜約100℃の範囲内の温度で行われ、約20℃〜約40
℃の温度がより代表的である。好ましくは、ヒドラゾン誘導体またはアルキルヒ
ドラゾン誘導体の還元剤とのインキュベーションは、室温にて約20時間行われ、
ヒドラジノ誘導体またはアルキルヒドラジノ誘導体を生成する。これらの反応の
いずれかに要する時間はそれぞれ、温度が上昇または低下するに従って短縮また
は延長し得るということは、当業者には明らかである。
ヒドラゾンの還元により、以下の構造を有するヒドラジノ誘導体を生じる:
ここで、R1は1-デオキシアルドース部位またはデオキシケトース部位であり、
そしてR2は、水素あるいは直鎖状または分岐状アルキル基である。
還元工程での生成物および収量は、例えば、プロトンNMRおよび質量分析など
の分析技術によりモニターされ得る。
還元工程に続いて、オリゴ糖類の還元末端に配置されたヒドラジノ単糖類誘導
体またはアルキルヒドラジノ単糖類誘導体は、単糖類から切断され得る。当業者
に公知の、任意の切断方法が使用され得る。好ましくは、切断は、100℃で3時
間、2.0MのHCl水溶液により達成される。
ヒドラジノ誘導体またはアルキルヒドラジノ誘導体は、選択的にアセチル化さ
れて、デオキシ-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)アルジトール誘導体またはデオキ
シ-(N'-アルキル-N,N'-ジアセチルヒドラジノ)アルジトール誘導体を生成する。
当業者には、ヒドロキシル基を実質的に修飾せずに、種々のアセチル化反応が選
択的に窒素原子をアセチル化することが理解される。選択的なN-アセチル化は
、飽和重炭酸ナトリウム水溶液中で、過剰の無水酢酸により行われ得る。ケテン
およびアセチルハライド(例えば、アセチルクロリド)もまた、選択的なN-ア
セチル化反応に使用され得る。さらに、デオキシ-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)
アルジトール誘導体またはデオキシ-(N'-アルキル-N,N'-ジアセチルヒドラジノ)
アルジトール誘導体は、下記の完全なN-およびO-アセチル化、それに続く、例
えばメタノール中のナトリウムメトキシドまたはメタノール中のアンモニアを使
用するO-アセチル基の選択的脱離によって生成され得る。好ましくは、N-アセ
チル化は、飽和重炭酸ナトリウム水溶液中で、無水酢酸により、約0.1時間〜2
時間の間、0℃〜60℃の温度で達成される。
前述の還元末端に配置し、ヒドラジノ単糖類誘導体またはアルキルヒドラジノ
単糖類誘導体を有するオリゴ糖類もまた、上記のように選択的にN-アセチル化
され得、前述の還元末端に配置されたデオキシ-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)ア
ルジトールまたはデオキシ-(N'-アルキル-N,N'-ジアセチルヒドラジノ)アルジト
ールを有する誘導体を生じる。これらのオリゴ糖類の誘導体化は、液体クロマト
グラフィーに有用であり得る、紫外線波長における吸収をもたらす。これらの誘
導体は、当業者に公知の任意の方法により、オリゴ糖類から切断され得る。好ま
しくは、100℃で3時間、2.0MのHCl水溶液が使用される。これらの誘導体は、
この処理の間に、それぞれヒドラジノモノマーまたはアルキルヒドラジノモノマ
ーに転換されるが、上記のように選択的に再N-アセチル化され得るか、または
下記のように完全にN-アセチル化およびO-アセチル化され得る。ヒドラジノ単
糖類またはアルキルヒドラジノ単糖類を還元末端に有するオリゴ糖類と同様に、
ジ-N-アセチル誘導体はオリゴ糖類から切断され得、そして誘導されて、オリゴ
糖類の前述の還元末端に配置した単糖類を、下記のように選択的にし、そして明
瞭に同定することを可能にする。
単糖類誘導体の末端生成物は、1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)ア
ルジトール誘導体または1-デオキシ-1-(N'-アルキル-N,N'-ジアセチルヒドラジ
ノ)アルジトール誘導体であり得る。あるいは、これらの誘導体はさらに修飾さ
れ得る。例えば、誘導体は、分析に先立ち完全にアセチル化され得る。完全にア
セチル化された誘導体は、遊離したヒドロキシル基および窒素原子の全てがアセ
チル化されたものである。任意の適切なO-アセチル化反応が、誘導体を完全に
アセチル化するのに使用され得る。これらには、無水酢酸/ピリジン混合物、無
水酢酸、塩化亜鉛、酢酸ナトリウム、または硫酸、またはピリジン溶液中のアセ
チルクロリドとの反応が挙げられるが、これらに限定されない(例えば、Horton
D.IA、「The Amino Sugars」、3〜211頁(R.W.Jeanloz編、Academic Press
1969)を参照のこと)。好ましくは、アセチル化は、乾燥ピリジン中で、無水
酢酸と約12時間〜24時間反応させることにより達成される。
N-アセチル化は、O-アセチル化よりもずっと容易に起こる。従って、デオキ
シ-ヒドラジノアルジトールおよびデオキシ-(N'-アルキルヒドラジノ)アルジト
ールの完全なN-アセチル化およびO-アセチル化は、上記の「O-アセチル化」
についての条件の下で起こり、これらの分子の両方の窒素基上および全ての遊離
ヒドロキシル基上にアセチル基を生じる。これらの完全にN-アセチル化または
O-アセチル化された分子は、完全にアセチル化される。
デオキシ-(N'-アルキル-N,N'-ジアセチルヒドラジノ)アルジトールあるいはそ
の部分的または完全なO-アルキル化誘導体を生成する他の方法は、デオキシ-(N
N'-ジアセチルヒドラジノ)アルジトールのアルキル化である。当業者に公知であ
る、任意の適切なアルキル化の手法が使用され得る。例えば、アルキル化は、ヨ
ウ化メチルのようなアルキルハライドを、ジメチルスルホキシドのような溶媒中
で、水素化ナトリウムのような強塩基の存在下において使用することにより行わ
れ得る。当業者には、アルキル化に先立ち、適切なブロッキング基による遊離し
たヒドロキシル基のブロックによってO-アルキル化が阻害され得ることが理解
される。あるいは、N-アルキル化誘導体およびO-アルキル化誘導体が生成され
得る。オリゴ糖類の場合においては、アルキル化は、前述のオリゴ糖類から還元
した単糖類の切断の前または後に行われ得る。
本発明の誘導体は、分析に先立ち精製され得るが、オンライン分析(例えば、
GCMSおよびLCMS)と組み合わせたクロマトグラフィー分離を使用する分析に先立
っては、必ずしも精製されなくてもよい。完全にアセチル化された誘導体の場合
、精製工程はO-アセチル化の前または後に行われ得る。N,N'-ジアセチルヒドラ
ジンまたはN-アルキル-N,N'-ジアセチルヒドラジンを、使用され得る誘導された
単糖類から除去するのに十分な任意の精製技術は、当業者には明らかである。好
ましくは、誘導体はクロマトグラフィーで精製され、より好ましくは、精製は高
速液体クロマトグラフィーの使用により行われる。例えば、いくつかの1-デオキ
シ-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)アルジトール誘導体の高速液体クロマトグラフ
ィーによる単離は、図5に示される。
精製されたN-アセチル化または完全にアセチル化された誘導体は、単糖類の
構造の決定に使用され得る。構造決定の好ましい方法は、質量分析の前の、誘導
化単糖類のクロマトグラフィーによる分離からなる。より好ましくは、その分離
は、ガスクロマトグラフィーによる。ガスクロマトグラフィーが、例えば、温度
勾配が100℃〜300℃の範囲内で、または等温範囲において等温条件下、種々のキ
ャピラリーGCカラムを使用して、ヘリウムをキャリアーガスとして使用し行われ
得る。本発明のアルドース誘導体は、単一ピークとして溶離する。各ケトースは
、共移動(comigrate)しない限り、通常2つの特徴的なピークを示す2つの誘
導体を生成する。種々のアルドースおよびケトースに由来する、完全にアセチル
化された一連の誘導体のガスクロマトグラフィーによる分離の例は、それぞれの
全イオンカレントまたは選択されたイオンMSによるモニタリングとして、図6に
示される。
誘導体の検出は、当業者に公知の任意の適切な技術により行われ得る。好まし
くは、検出は、代表的には200nmにおける紫外吸収、または質量分析(MS)を使
用して行われる。オンライン質量分析(すなわち、溶離した化合物は、分析のた
めに質量分光光度計を直接通過する)を使用する誘導体の検出が、特に好ましい
。質量分析において、全イオンカレントがモニタリングされ得る。この装置は電
子衝撃モードまたは化学的イオン化モードで、イソブタンまたは他の化学的イオ
ン化試薬を用いて、使用され得る。質量分析は、安定イオンを形成し得る、実質
上任意の化合物について行われ得る。多くの化合物について、1ピコモル未満の
化合物が質量分析で分析され得る。適切に広い質量範囲にわたり速やかにサンプ
ルをスキャンする能力(1秒未満以内に、約1〜2000の原子質量単位)のために
、オンライン分析(LCMS、GCMS、またはCZEMS)には四極子MSまたはイオントラ
ップMSが最も適切である。基礎的な装置の概説(Cooks,R.G.、Glish,G.L.
、McLucky,S.A.、およびKaiser,R.E.、Chemical and Engineering News、19
91年3月25日、26〜41頁)が発行されている。オンラインMS分析の装置は、ガス
クロマトグラフィーのカラムから溶離した分子を、電子衝撃または化学的イオン
化によりイオン化させ得る。代表的には、電子衝撃マススペクトルは、化合物の
特定のクラスに対する「指紋」と考えられ得るマススペクトルを提供する。例え
ば、アルドースおよびケトースの特定のクラスに特徴的な、特定のE1フラグメン
テーションスペクトルは、図7に示される。化学的イオン化は、分子の分解(br
eakdown)をほとんど引き起こさないので、分子の主要なフラグメントが維持さ
れる。
質量分析は、分岐状単糖類の同定に、そして単糖類のクラスの識別に特に有用
であり、そして、所与のクラスの全てのメンバーがクロマトグラフィーにて分離
可能な場合に、単糖類の明瞭な帰属を可能にする。さらに、質量分析は、誘導体
が異なるクラスの化合物の同じ誘導体と共に偶然に共移動した場合でさえも、特
定の誘導体を識別するのに使用され得る。例えば、図8に示すように、完全にア
セチル化されたD-リボースおよびL-フコースの1-デオキシ-1-ヒドラジノアルジ
トール誘導体は共移動するが、m/z210および359のイオン(これらは、完全にア
セチル化された1-デオキシ-1-ヒドラジノペンチトールおよび1,6-ジデオキシ-1-
ヒドラジノヘキシトールの各々の特異的イオンである)の選択されたイオン抽出
により容易に識別され得る。これらの完全にアセチル化された誘導体に関する、
MS分析のさらなる主要な利点は、1-デオキシ-1-ヒドラジノアルジトール誘導体
(アルドースから誘導化される)と2-デオキシ-2-ヒドラジノアルジトール誘導
体(ケトースから誘導化される)の間の差異を明瞭にする能力である。例えば、
図9に示されるように、そして、図7aおよび7hで比較されるように、アルドース
は、そのm/z87のイオンが完全に特異的である1-デオキシ-1-ヒドラジノアルジト
ールを生成する;これは、ケトースから誘導化される2-デオキシ-2-ヒドラジノ
アルジトールでは見出されない。完全にアセチル化された2-ヒドラジノ-2-ヒド
ラジノアルジトールは、m/z99(図7h)に顕著なイオンを生じ、そして2-デオキ
シ-2-ヒドラジノヘキシトールは、図9に示されるように、これらの誘導体にお
いて高度に選択的である、371におけるそれらの顕著なイオンにより選択され得
る。特定のクラスに対し高度に選択的である特定のイオンの比を検査することに
より、またはそれらの全体のマススペクトルを検査することにより、混合物中の
アルドースおよびケトースは、それらの対応するデオキシヒドラジノアルジトー
ル誘導体への転化率を通して速やかに識別され得る。さらに、1-デオキシ-1-ヒ
ドラジノアルジトールまたは2-デオキシ-2-ヒドラジノアルジトールは、グリコ
シド結合を切断させる酸加水分解または他の加溶媒分解に耐えるので、それらは
オリゴ糖類の還元末端の単糖類を確立させるのに使用され得る。
任意または全ての上記の種々の反応工程は、液相または固相条件下で行われ得
るということは、当業者に明らかである。代表的には、固相法においては、反応
物または試薬は、グラスビーズ、ポリマーマトリックス、焼結ガラスディスク、
ファイバーガラス膜、またはポリマー膜などの固体支持体上に固定される。例え
ば、ヒドラジン誘導体は、クロマトグラフィー樹脂および、反応を進行させるの
に十分な条件および時間の下、樹脂に接触するようにされた糖類に共有結合(例
えば、直接に、または架橋剤を介して)し得る。あるいは、糖類は、所望の段階
に挿入される1回以上の洗浄工程と共に、段階的な方法で、種々の反応物に固定
および接触させられ得る。
液相または固相条件下のいずれで行われるにせよ、上記の種々の反応工程は、
反応を自動化するシステムに組み入れられ得ることはまた、明白である。このよ
うなシステムは、代表的には、装置の形式である。システムは、各容器中で単一
の化学反応が行われる、複数の反応容器を含み得る。このようなシステムでは、
全ての一連の反応を達成するために、糖類は容器から容器に輸送される。あるい
は、システムは、連続的な添加および適切な試薬の除去により全ての化学反応が
段階的に行われる、単一の反応容器を含み得る。このようなシステムでは、反応
に影響を与えるのに十分な条件および時間で導入される特定の反応のために、糖
類は反応容器中および必要な試薬に固定され得る。反応段階の完結に続き、任意
の試薬および副生成物を除去するために、反応容器をフラッシュし、固定され修
飾された糖類を取り出す。新たな試薬のセットを導入し、反応させ、そして除去
するプロセスを、一連の反応における第2の反応工程を達成するために繰り返す
。本発明の方法を自動化するための種々の方法が存在することは、当業者に明白
である。
以下の実施例を要約すると、実施例1は、完全にアセチル化されたヒドラジノ
単糖類誘導体のフリーの単糖類からの合成を記載する。実施例2は、オリゴ糖類
の還元末端の単糖類からの、完全にアセチル化されたヒドラジノ単糖類誘導体の
合成を記載する。実施例3は、代表的な1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラ
ジノ)アルジトールのクロマトグラフィーによる精製を記載する。実施例4は、
本発明の代表的な完全にアセチル化された誘導体の、クロマトグラフィーによる
分離を記載する。実施例5は、質量分析を使用する、代表的な完全にアセチル化
された1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)アルジトールの分析を記載す
る。実施例6は、分析上の著しく困難な問題(例えば、2つの異なった化合物の
共移動、またはアルドヘキソースおよびケトヘキソースのような異性体の複雑な
混合物の同定)を解決するための、完全にアセチル化された誘導体と、ガスクロ
マトグラフィー/質量分析の組み合わされた使用を記載する。
以下の実施例は、例示として提示されるが、制限としての提示ではない。
実施例
実施例1
フリーの単糖類からの単糖類誘導体の合成
本実施例は、フリーの単糖類からの本発明の単糖類誘導体の合成を例示する。
下記の誘導体の収率は、95%より多かった。
A.1- デオキシ-1-ヒドラジノ-D-グルシトール七酢酸
D-グルコース(0.100ミリモル)を、Pierce反応バイアル中で、1.0mLの無水ヒ
ドラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)に溶解し、そして、窒素下
で、Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを備えた蓋でキャップした。サ
ンプルを室温にて16時間保持した後、D-グルコースのヒドラゾン誘導体へ変換し
、Speed-Vac濃縮器でエバポレートして樹脂状材料とした。容量1.0mLの水中のサ
ンプルを、定量的に20mL試験管の中に移した。そして100mgの水素化ホウ素ナト
リウムを添加し、その分子を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-グルシトール
とした。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、0.200mLの氷酢酸を、約30秒間
隔で滴下して加えた。サンプルを1.0mLの水で希釈した。それに200mgの重炭酸ナ
トリウムを加え、そして随時混合しながら重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.10
0mLの無水酢酸を添加し、続いて溶液を穏やかに撹拌してその全てを溶解させた
。10分後、さらに0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかに撹拌して溶解さ
せた。そして、さらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そしてそれを10m
L〜12mLの十分に洗浄したDowex AG1-X8、100〜200メッシュ、H+型を有するカラ
ムにかけ、ナトリウムを除去した。カラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。合
計した溶離物をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール
中の1%酢酸20mLと共に5回、そして20mLのメタノール単独で3回ロータリーエ
バポレートして乾燥させ、ホウ酸を除去し、それにより1-デオキシ-1-(N,N'-ジ
アセチルヒドラジノ)-D-グルシトールを得た。このサンプルは、いくらかのさら
なるN,N'-ジアセチルヒドラジンを含有した。これを下記のように直接O-過アセ
チル化するか、またはO-アセチル化の前にクロマトグラフィーにより精製した
。クロマトグラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上の高速ク
ロマトグラフィーにより、アイソクラチックなアセトニトリル/水を使用して、8
5/15(容量/容量)、1.0mL/分、200nmの波長でモニターしながら行い、単一な
糖成分を42.5分の単一なピークとして得た。過-O-アセチル化のために、1.0マ
イクロモルの1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-グルシトールを、
液体クロマトグラフィーによる精製の前または後のいずれかで、Speed-Vacロー
タリー濃縮器中のPierce反応バイアル中で乾燥した。乾燥したサンプルを、100
μLの乾燥ピリジン(Pierce、シリル化グレード)中に取り込み、そして50μLの
無水酢酸を添加した。アルゴン下で24時間、室温にサンプルを保持し、そしてSp
eed-Vacロータリー濃縮器により溶媒を除去した。約0.5mLのクロロホルム中でサ
ンプルを可溶化し、そして再びSpeed-Vacロータリー濃縮器で濃縮した。次いで
、GCMS分析用に、1.0mLのクロロホルム中にサンプルを取り込み、感度の研究の
ために、連続的に希釈した。HPLC精製の前または後のサンプル由来の過-O-アセ
チル化材料のGCMSによる分析は、単一の糖の誘導体を示した。質量イオン(EIMS
)は、448(M+-42)、431(M+-59)、195、153、141、129、および87であり、
より少量のイオンがたくさんあった。低いフィラメント出力では、質量448での
イオンがより豊富となった(例えば、図7aの挿入図を参照のこと)。CIMSでは、
491(MH)+、449(MH-42)+、および431(MH-60)+に主なイオンが得られた。こ
れらのデータは、1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-グルシトール七酢酸の生成を示す
。
B.1- デオキシ-1-ヒドラジノ-D-アリトール七酢酸
D-アロース(0.100ミリモル)を、Pierce反応バイアル中で、1.0mLの無水ヒド
ラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)に溶解し、そして、窒素下で
、Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを備えた蓋でキャップした。サン
プルを室温にて16時間保持した後、D-アロースのヒドラゾン誘導体へ変換し、Sp
eed-Vac濃縮器でエバポレートして樹脂状材料とした。容量1.0mLの水中のサンプ
ルを、定量的に20mL試験管の中に移した。そして100mgの水素化ホウ素ナトリウ
ムを添加し、その分子を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-アリトールとした
。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、0.200mLの氷酢酸を、約30秒間隔で滴
下して加えた。サンプルを1.0mLの水で希釈した。それに200mgの重炭酸ナトリウ
ムを加え、そして随時混合しながら重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.100mLの
無水酢酸を添加し、続いて溶液を穏やかに撹拌してその全てを溶解させた。10分
後、さらに0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかに撹拌して溶解させた。
そし
て、さらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そしてそれを10mL〜12mLの
十分に洗浄したDowex AG1-X8、100〜200メッシュ、H+型を有するカラムにかけ
、ナトリウムを除去した。カラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。合計した溶
離物をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1%
酢酸20mLと共に5回、そして20mLのメタノール単独で3回ロータリーエバポレー
トして乾燥させ、ホウ酸を除去し、それにより1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチル
ヒドラジノ)-D-アリトールを得た。このサンプルは、いくらかのさらなるN,N'-
ジアセチルヒドラジンを含有した。これを下記のように直接O-過アセチル化す
るか、またはO-アセチル化の前にクロマトグラフィーにより精製した。クロマ
トグラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上の高速クロマトグ
ラフィーにより、アイソクラチックなアセトニトリル/水を使用して、85/15(容
量/容量)、1.0mL/分、200nmの波長でモニターしながら行い、単一な糖成分を4
1分の単一なピークとして得た。過-O-アセチル化のために、1.0マイクロモルの
1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-アリトールを、液体クロマトグ
ラフィーによる精製の前または後のいずれかで、Speed-Vacロータリー濃縮器中
のPierce反応バイアル中で乾燥した。乾燥したサンプルを、100μLの乾燥ピリジ
ン(Pierce、シリル化グレード)中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加
した。アルゴン下で24時間、室温にサンプルを保持し、そしてSpeed-Vacロータ
リー濃縮器により溶媒を除去した。約0.5mLのクロロホルム中でサンプルを可溶
化し、そして再びSpeed-Vacロータリー濃縮器により濃縮した。次いで、GCMS分
析用に、1.0mLのクロロホルム中にサンプルを取り込み、感度の研究のために、
連続的に希釈した。HPLC精製の前または後のサンプル由来の過-O-アセチル化材
料のGCMSによる分析は、単一の糖の誘導体を示した。質量イオン(EIMS)は、44
8(M+-42)、431(M+-59)、195、153、141、129、および87であり、より少量
のイオンがたくさんあった。低いフィラメント出力では、質量448でのイオンが
より豊富となった。CIMSでは、491(MH)+、449(MH-42)+、および431(MH-60
)+に主なイオンが得られた。これらのデータは、1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-
アリトール七酢酸の生成を示す。
C.1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-アルトリトール七酢酸
D-アルトロース(0.100ミリモル)を、Pierce反応バイアル中で、1.0mLの無水
ヒドラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)に溶解し、そして、窒素
下で、Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを備えた蓋でキャップした。
サンプルを室温にて16時間保持した後、D-アルトロースのヒドラゾン誘導体へ変
換し、Speed-Vac濃縮器でエバポレートして樹脂状材料とした。容量1.0mLの水中
のサンプルを、定量的に20mL試験管の中に移した。そして100mgの水素化ホウ素
ナトリウムを添加し、その分子を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-アルトリ
トールとした。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、0.200mLの氷酢酸を、約3
0秒間隔で滴下して加えた。サンプルを1.0mLの水で希釈した。それに200mgの重
炭酸ナトリウムを加え、そして随時混合しながら重炭酸塩を溶解させた。次いで
、0.100mLの無水酢酸を添加し、続いて穏やかに撹拌してその全てを溶解させた
。10分後、さらに0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかに撹拌して溶解さ
せた。そして、さらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そしてそれを10m
L〜12mLの十分に洗浄したDowex AG1-X8、100〜200メッシュ、H+型を有するカラ
ムにかけ、ナトリウムを除去した。カラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。合
計した溶離物をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール
中の1%酢酸20mLと共に5回、そして20mLのメタノール単独で3回ロータリーエ
バポレートして乾燥させ、ホウ酸を除去し、それにより1-デオキシ-1-(N,N'-ジ
アセチルヒドラジノ)-D-アルトリトールを得た。このサンプルは、いくらかのさ
らなるN,N'-ジアセチルヒドラジンを含有した。これを下記のように直接O-過ア
セチル化するか、またはO-アセチル化の前にクロマトグラフィーにより精製し
た。クロマトグラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上の高速
クロマトグラフィーにより、アイソクラチックなアセトニトリル/水を使用して
、85/15(容量/容量)、1.0mL/分、200nmの波長でモニターしながら行い、単一
な糖成分を42分の単一なピークとして得た。過-O-アセチル化のために、1.0マ
イクロモルの1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-アルトリトールを
、液体クロマトグラフィーによる精製の前または後のいずれかで、Speed-Vacロ
ータリー濃縮器中のPierce反応バイアル中で乾燥した。乾燥したサンプルを、
100μLの乾燥ピリジン(Pierce、シリル化グレード)中に取り込み、そして50μ
Lの無水酢酸を添加した。アルゴン下で24時間、室温にサンプルを保持し、そし
てSpeed-Vacロータリー濃縮器により溶媒を除去した。約0.5mLのクロロホルム中
でサンプルを可溶化し、そして再びSpeed-Vacロータリー濃縮器で濃縮した。次
いで、GCMS分析用に、1.0mLのクロロホルム中にサンプルを取り込み、感度の研
究のために、連続的に希釈した。HPLC精製の前または後のサンプル由来の過-O-
アセチル化材料のGCMSによる分析は、単一の糖の誘導体を示した。質量イオン(
EIMS)は、448(M+-42)、431(M+-59)、195、153、141、129、および87であ
り、より少量のイオンがたくさんあった。低いフィラメント出力では、質量448
でのイオンがより豊富となった。CIMSでは、491(MH)+、449(MH-42)+、およ
び431(MH-60)+に主なイオンが得られた。これらのデータは、1-デオキシ-1-ヒ
ドラジノ-D-アルトリトール七酢酸の生成を示す。
D.1- デオキシ-1-ヒドラジノ-D-ガラクチトール七酢酸
D-ガラクトース(0.100ミリモル)を、Pierce反応バイアル中で、1.0mLの無水
ヒドラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)に溶解し、そして、窒素
下で、Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを備えた蓋でキャップした。
サンプルを室温にて16時間保持した後、D-ガラクトースのヒドラゾン誘導体へ変
換し、Speed-Vac濃縮器でエバポレートして樹脂状材料とした。容量1.0mLの水中
のサンプルを、定量的に20mL試験管の中に移した。そして100mgの水素化ホウ素
ナトリウムを添加し、その分子を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-ガラクチ
トールとした。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、0.200mLの氷酢酸を、約3
0秒間隔で滴下して加えた。サンプルを1.0mLの水で希釈した。それに200mgの重
炭酸ナトリウムを加え、そして随時混合しながら重炭酸塩を溶解させた。次いで
、0.100mLの無水酢酸を添加し、続いて溶液を穏やかに撹拌してその全てを溶解
させた。10分後、さらに0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかに撹拌して
溶解させた。そして、さらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そしてそ
れを10mL〜12mLの十分に洗浄したDowex AG1-X8、100〜200メッシュ、H+型を有
するカラムにかけ、ナトリウムを除去した。カラムを10mLの水でさらに5回洗
浄した。合計した溶離物をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、
メタノール中の1%酢酸20mLと共に5回、そして20mLのメタノール単独で3回ロ
ータリーエバポレートして乾燥させ、ホウ酸を除去し、それにより1-デオキシ-1
-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-ガラクチトールを得た。このサンプルは、い
くらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒドラジンを含有した。これを下記のように
直接O-過アセチル化するか、またはO-アセチル化の前にクロマトグラフィーに
より精製した。クロマトグラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm
)上の高速クロマトグラフィーにより、アイソクラチックなアセトニトリル/水
を使用して、85/15(容量/容量)、1.0mL/分、200nmの波長でモニターしながら
行い、単一な糖成分を45.5分の単一なピークとして得た。過-O-アセチル化のた
めに、1.0マイクロモルの1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-ガラク
チトールを、液体クロマトグラフィーによる精製の前または後のいずれかで、Sp
eed-Vacロータリー濃縮器中のPierce反応バイアル中で乾燥した。乾燥したサン
プルを、100μLの乾燥ピリジン(Pierce、シリル化グレード)中に取り込み、そ
して50μLの無水酢酸を添加した。アルゴン下で24時間、室温にサンプルを保持
し、そしてSpeed-Vacロータリー濃縮器により溶媒を除去した。約0.5mLのクロロ
ホルム中でサンプルを可溶化し、そして再びSpeed-Vacロータリー濃縮器により
濃縮した。次いで、GCMS分析用に、1.0mLのクロロホルム中にサンプルを取り込
み、感度の研究のために、連続的に希釈した。HPLC精製の前または後のサンプル
由来の過-O-アセチル化材料のGCMSによる分析は、単一の糖の誘導体を示した。
質量イオン(EIMS)は、448(M+-42)、431(M+-59)、195、153、141、129、
および87であり、より少量のイオンがたくさんあった。低いフィラメント出力で
は、質量448でのイオンがより豊富であった。CIMSでは、491(MH)+、449(MH-4
2)+、および431(MH-60)+に主なイオンが得られた。これらのデータは、1-デ
オキシ-1-ヒドラジノ-D-ガラクチトール七酢酸の生成を示す。
E.1- デオキシ-1-ヒドラジノ-D-グリトール七酢酸
D-グロース(0.100ミリモル)を、Pierce反応バイアル中で、1.0mLの無水ヒド
ラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)に溶解し、そして、窒素下で
、
Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを備えた蓋でキャップした。サンプ
ルを室温にて16時間保持した後、D-グロースのヒドラゾン誘導体へ変換し、Spee
d-Vac濃縮器でエバポレートして樹脂状材料とした。容量1.0mLの水中のサンプル
を、定量的に20mL試験管の中に移した。そして100mgの水素化ホウ素ナトリウム
を添加し、その分子を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-グリトールとした。
24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、0.200mLの氷酢酸を、約30秒間隔で滴下
して加えた。サンプルを1.0mLの水で希釈した。それに200mgの重炭酸ナトリウム
を加え、そして随時混合しながら重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.100mLの無
水酢酸を添加し、続いて溶液を穏やかに撹拌してその全てを溶解させた。10分後
、さらに0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかに撹拌して溶解させた。そ
して、さらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そしてそれを10mL〜12mL
の十分に洗浄したDowex AG1-X8、100〜200メッシュ、H+型を有するカラムにか
け、ナトリウムを除去した。カラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。合計した
溶離物をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1
%酢酸20mLと共に5回、そして20mLのメタノール単独で3回ロータリーエバポレ
ートして乾燥させ、ホウ酸を除去し、それにより1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチ
ルヒドラジノ)-D-グリトールを得た。このサンプルは、いくらかのさらなるN,N'
-ジアセチルヒドラジンを含有した。これを下記のように直接O-過アセチル化す
るか、またはO-アセチル化の前にクロマトグラフィーにより精製した。クロマ
トグラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上の高速クロマトグ
ラフィーにより、アイソクラチックなアセトニトリル/水を使用して、85/15(容
量/容量)、1.0mL/分、200nmの波長でモニターしながら行い、単一な糖成分を4
2分の単一なピークとして得た。過-O-アセチル化のために、1.0マイクロモルの
1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-グリトールを、液体クロマトグ
ラフィーによる精製の前または後のいずれかで、Speed-Vacロータリー濃縮器中
のPierce反応バイアル中で乾燥した。乾燥したサンプルを、100μLの乾燥ピリジ
ン(Pierce、シリル化グレード)中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加
した。アルゴン下で24時間、室温にサンプルを保持し、そしてSpeed-Vacロータ
リー濃縮器により溶媒を除去した。約0.5mLのクロロホルム中でサンプルを可溶
化
し、そして再びSpeed-Vacロータリー濃縮器で濃縮した。次いで、GCMS分析用に
、1.0mLのクロロホルム中にサンプルを取り込み、感度の研究のために、連続的
に希釈した。HPLC精製の前または後のサンプル由来の過-O-アセチル化材料のGC
MSによる分析は、単一の糖の誘導体を示した。質量イオン(EIMS)は、448(M+
-42)、431(M+-59)、195、153、141、129、および87であり、より少量のイオ
ンがたくさんあった。低いフィラメント出力では、質量448でのイオンがより豊
富となった。CIMSでは、491(MH)+、449(MH-42)+、および431(MH-60)+に主
なイオンが得られた。これらのデータは、1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-グリトー
ル七酢酸の生成を示す。
F.1- デオキシ-1-ヒドラジノ-D-イジトール七酢酸
D-イドース(0.100ミリモル)を、Pierce反応バイアル中で、1.0mLの無水ヒド
ラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)に溶解し、そして、窒素下で
、Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを備えた蓋でキャップした。サン
プルを室温にて16時間保持した後、D-イドースのヒドラゾン誘導体へ変換し、Sp
eed-Vac濃縮器でエバポレートして樹脂状材料とした。容量1.0mLの水中のサンプ
ルを、定量的に20mL試験管の中に移した。そして100mgの水素化ホウ素ナトリウ
ムを添加し、その分子を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-イジトールとした
。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、0.200mLの氷酢酸を、約30秒間隔で滴
下して加えた。サンプルを1.0mLの水で希釈した。それに200mgの重炭酸ナトリウ
ムを加え、そして随時混合しながら重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.100mLの
無水酢酸を添加し、続いて溶液を穏やかに撹拌してその全てを溶解させた。10分
後、0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかに撹拌して溶解させた。そして
、さらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そしてそれを10mL〜12mLの十
分に洗浄したDowex AG1-X8、100〜200メッシュ、H+型を有するカラムにかけ、
ナトリウムを除去した。カラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。合計した溶離
物をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1%酢
酸20mLと共に5回、そして20mLのメタノール単独で3回ロータリーエバポレート
して乾燥させ、ホウ酸を除去し、それにより1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒ
ドラ
ジノ)-D-イジトールを得た。このサンプルは、いくらかのさらなるN,N'-ジアセ
チルヒドラジンを含有した。これを下記のように直接O-過アセチル化するか、
またはO-アセチル化の前にクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラ
フィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上の高速クロマトグラフィ
ーにより、アイソクラチックなアセトニトリル/水を使用して、85/15(容量/容
量)、1.0mL/分、200nmの波長でモニターしながら行い、単一な糖成分を43分の
単一なピークとして得た。過-O-アセチル化のために、1.0マイクロモルの1-デ
オキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-イジトールを、液体クロマトグラフ
ィーによる精製の前または後のいずれかで、Speed-Vacロータリー濃縮器中のPie
rce反応バイアル中で乾燥した。乾燥したサンプルを、100μLの乾燥ピリジン(P
ierce、シリル化グレード)中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加した。
アルゴン下で24時間、室温にサンプルを保持し、そしてSpeed-Vacロータリー濃
縮器により溶媒を除去した。約0.5mLのクロロホルム中でサンプルを可溶化し、
そして再びSpeed-Vacロータリー濃縮器で濃縮した。次いで、GCMS分析用に、1.0
mLのクロロホルム中にサンプルを取り込み、感度の研究のために、連続的に希釈
した。HPLC精製の前または後のサンプル由来の過-O-アセチル化材料のGCMSによ
る分析は、単一の糖の誘導体を示した。質量イオン(EIMS)は、448(M+-42)
、431(M+-59)、195、153、141、129、および87であり、より少量のイオンが
たくさんあった。低いフィラメント出力では、質量448でのイオンがより豊富と
なった。CIMSでは、491(MH)+、449(MH-42)+、および431(MH-60)+に主なイ
オンが得られた。これらのデータは、1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-イジトール七
酢酸の生成を示す。
G.1- デオキシ-1-ヒドラジノ-D-マンニトール七酢酸
Pierce反応バイアル中で、D-マンノース(0.100ミリモル)を1.0mLの無水ヒド
ラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)中に溶解し、そして窒素下で
、Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを有する蓋でキャップした。この
サンプルを、16時間室温に置いた後、D-マンノースのヒドラゾン誘導体に変換し
、Speed-Vac濃縮器中でエバポレートして、樹脂状材料とした。容量1.0mLの水中
の
サンプルを定量的に20mL試験管の中へ移した。そして100mgの水素化ホウ素ナト
リウムを添加し、分子を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-マンニトールとし
た。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの氷酢酸を、約30秒
を超える間隔で滴下した。サンプルを1.0mLの水で希釈した。それに200mgの重炭
酸ナトリウムを加え、そして随時混ぜながら重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.
100mLの無水酢酸を添加し、続いて穏やかにかき混ぜてそのすべてを溶解した。1
0分後、別の0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそれを溶解
した。そしてさらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そして10〜12mLの
十分に洗浄したDowex AG1-X8、100〜200メッシュ、H+形態を含むカラムにかけ
、ナトリウムを除去した。カラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。全溶離物を
ロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1%酢酸20
mLで5回そして20mLのメタノール単独で3回ロータリーエバポレートして乾燥さ
せ、ホウ酸を除去し、それにより1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D
-マンニトールを得た。このサンプルはいくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒド
ラジンを含有した。これを下記のように直接O-過アセチル化するか、またはO-
アセチル化の前にクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーは、
Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上で、アイソクラチックなアセトニト
リル/水を、85/15(容量/容量)、1.0mL/分にて用い、200nmの波長でモニタ
ーしながら、高速液体クロマトグラフィーにより行い、単一の糖成分を43.5分の
単一のピークとして得た。過-O-アセチル化のために、1.0マイクロモルの1-デ
オキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-マンニトールを、液体クロマトグラ
フィーによる精製の前または後のいずれかに、Speed-Vacロータリー濃縮器中のP
ierce反応バイアル中で乾燥した。乾燥したサンプルを100μLの乾燥ピリジン(P
ierce、シリル化グレード)中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加した。
アルゴン下で24時間、室温にてサンプルを保持し、そしてSpeed-Vacロータリー
濃縮器により溶媒を除去した。約0.5mLのクロロホルム中でサンプルを可溶化し
、そして再びSpeed-Vacロータリー濃縮器で濃縮した。次いで、GCMS分析用に、1
.0mLのクロロホルム中にサンプルを取り込み、感度の研究のために、連続的に希
釈した。HPLC精製の前または後のサンプルから誘導された過-O-アセチル化材料
の
GCMSによる分析は、単一の糖の誘導体を示した。質量イオン(EIMS)は448(M+
-42)、431(M+-59)、195、153、141、129、および87であり、少量イオンがた
くさんあった。低いフィラメント出力では、質量448でのイオンがより豊富にな
る。CIMSでは491(MH)+、449(MH-42)+および431(MH-60)+に主なイオンが得
られた。これらのデータは、1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-マンニトール七酢酸の
生成を示す。
H.1- デオキシ-1-ヒドラジノ-D-タリトール七酢酸
Pierce反応バイアル中で、D-タロース(0.100ミリモル)を1.0mLの無水ヒドラ
ジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)中に溶解し、そして窒素下で、
Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを有する蓋でキャップした。このサ
ンプルを、16時間室温に置いた後、D-タロースのヒドラゾン誘導体に変換し、Sp
eed-Vac濃縮器中でエバポレートして、樹脂状材料とした。容量1.0mLの水中のサ
ンプルを定量的に20mL試験管の中へ移した。そして100mgの水素化ホウ素ナトリ
ウムを添加し、分子を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-タリトールとした。
24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの氷酢酸を、約30秒を超
える間隔で滴下した。サンプルを1.0mLの水で希釈した。それに200mgの重炭酸ナ
トリウムを加え、そして随時混ぜながら重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.100m
Lの無水酢酸を添加し、続いて穏やかにかき混ぜてそのすべてを溶解した。10分
後、別の0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそれを溶解し
た。そしてさらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そして10〜12mLの十
分に洗浄したDowex AG1-X8、100〜200メッシュ、H+形態を含むカラムにかけ、
ナトリウムを除去した。カラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。全溶離物をロ
ータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1%酢酸20mL
で5回そして20mLのメタノール単独で3回ロータリーエバポレートして乾燥させ
、ホウ酸を除去し、それにより1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-
タリトールを得た。このサンプルはいくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒドラ
ジンを含有した。これを下記のように直接O-過アセチル化するか、またはO-ア
セチル化の前にクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーは、Wa
te
rs GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上で、アイソクラチックなアセトニトリル
/水を、85/15(容量/容量)、1.0mL/分にて用い、200nmの波長でモニターし
ながら、高速液体クロマトグラフィーにより行い、単一の糖成分を42分の単一の
ピークとして得た。過-O-アセチル化のために、1.0マイクロモルの1-デオキシ-
1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-タリトールを、液体クロマトグラフィーによ
る精製の前または後のいずれかに、Speed-Vacロータリー濃縮器中のPierce反応
バイアル中で乾燥した。乾燥したサンプルを100μLの乾燥ピリジン(Pierce、シ
リル化グレード)中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加した。アルゴン
下で24時間、室温にてサンプルを保持し、そしてSpeed-Vacロータリー濃縮器に
より溶媒を除去した。約0.5mLのクロロホルム中でサンプルを可溶化し、そして
再びSpeed-Vacロータリー濃縮器で濃縮した。次いで、GCMS分析用に、1.0mLのク
ロロホルム中にサンプルを取り込み、感度の研究のために、連続的に希釈した。
HPLC精製の前または後のサンプルから誘導された過-O-アセチル化材料のGCMSに
よる分析は、単一の糖の誘導体を示した。主な質量イオン(EIMS)は448(M+-4
2)、431(M+-59)、195、153、141、129、および87であり、少量イオンがたく
さんあった。低いフィラメント出力では、質量448でのイオンがより豊富になる
。CIMSでは491(MH)+、449(MH-42)+および431(MH-60)+に主なイオンが得ら
れた。これらのデータは、1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-タリトール七酢酸の生成
を示す。
I.1- デオキシ-1-ヒドラジノ-D-アラビニトール六酢酸
Pierce反応バイアル中で、D-アラビノース(0.100ミリモル)を1.0mLの無水ヒ
ドラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)中に溶解し、そして窒素下
で、Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを有する蓋でキャップした。こ
のサンプルを、16時間室温に置いた後、D-アラビノースのヒドラゾン誘導体に変
換し、Speed-Vac濃縮器中でエバポレートして、樹脂状材料とした。容量1.0mLの
水中のサンプルを定量的に20mL試験管の中へ移した。そして100mgの水素化ホウ
素ナトリウムを添加し、分子を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-アラビニト
ールとした。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの氷酢酸を
、
約30秒を超える間隔で滴下した。サンプルを1.0mLの水で希釈した。それに200mg
の重炭酸ナトリウムを加え、そして随時混ぜながら重炭酸塩を溶解させた。次い
で、0.100mLの無水酢酸を添加し、続いて穏やかにかき混ぜてそのすべてを溶解
した。10分後、別の0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそ
れを溶解した。そしてさらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そして10
〜12mLの十分に洗浄したDowex AG1-X8、100〜200メッシュ、H+形態を含むカラ
ムにかけ、ナトリウムを除去した。カラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。全
溶離物をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1
%酢酸20mLで5回そして20mLのメタノール単独で3回ロータリーエバポレートし
て乾燥させ、ホウ酸を除去し、それにより1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒド
ラジノ)-D-アラビニトールを得た。このサンプルはいくらかのさらなるN,N'-ジ
アセチルヒドラジンを含有した。これを下記のように直接O-過アセチル化する
か、またはO-アセチル化の前にクロマトグラフィーにより精製した。クロマト
グラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上で、アイソクラチッ
クなアセトニトリル/水を、85/15(容量/容量)、1.0mL/分にて用い、200nm
の波長でモニターしながら、高速液体クロマトグラフィーにより行い、単一の糖
成分を34分の単一のピークとして得た。過-O-アセチル化のために、1.0マイク
ロモルの1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-アラビニトールを、液
体クロマトグラフィーによる精製の前または後のいずれかに、Speed-Vacロータ
リー濃縮器中のPierce反応バイアル中で乾燥した。乾燥したサンプルを100μLの
乾燥ピリジン(Pierce、シリル化グレード)中に取り込み、そして50μLの無水
酢酸を添加した。アルゴン下で24時間、室温にてサンプルを保持し、そしてSpee
d-Vacロータリー濃縮器により溶媒を除去した。約0.5mLのクロロホルム中でサン
プルを可溶化し、そして再びSpeed-Vacロータリー濃縮器で濃縮した。次いで、G
CMS分析用に、1.0mLのクロロホルム中にサンプルを取り込み、感度の研究のため
に、連続的に希釈した。HPLC精製の前または後のサンプルから誘導された過-O-
アセチル化材料のGCMSによる分析は、単一の糖の誘導体を示した。質量イオン(
EIMS)は376(M+-42)、359(M+-59)、196、153、141、129、および87であり
、少量イオンがたくさんあった。低いフィラメント出力では、376、129、
および87でのイオンが最も豊富であった。これらのデータは、1-デオキシ-1-ヒ
ドラジノ-D-アラビニトール六酢酸の生成を示す。
J.1- デオキシ-1-ヒドラジノ-D-リキシトール六酢酸
Pierce反応バイアル中で、D-リキソース(0.100ミリモル)を1.0mLの無水ヒド
ラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)中に溶解し、そして窒素下で
、Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを有する蓋でキャップした。この
サンプルを、16時間室温に置いた後、D-リキソースのヒドラゾン誘導体に変換し
、Speed-Vac濃縮器中でエバポレートして、樹脂状材料とした。容量1.0mLの水中
のサンプルを定量的に20mL試験管の中へ移した。そして100mgの水素化ホウ素ナ
トリウムを添加し、分子を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-リキシトールと
した。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの氷酢酸を、約30
秒を超える間隔で滴下した。サンプルを1.0mLの水で希釈した。それに200mgの重
炭酸ナトリウムを加え、そして随時混ぜながら重炭酸塩を溶解させた。次いで、
0.100mLの無水酢酸を添加し、続いて穏やかにかき混ぜてそのすべてを溶解した
。10分後、別の0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそれを
溶解した。そしてさらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そして10〜12m
Lの十分に洗浄したDowex AG1-X8、100〜200メッシュ、H+形態を含むカラムにか
け、ナトリウムを除去した。カラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。全溶離物
をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1%酢酸
20mLで5回そして20mLのメタノール単独で3回ロータリーエバポレートして乾燥
させ、ホウ酸を除去し、それにより1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)
-D-リキシトールを得た。このサンプルはいくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒ
ドラジンを含有した。これを下記のように直接O-過アセチル化するか、または
O-アセチル化の前にクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィー
は、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上で、アイソクラチックなアセト
ニトリル/水を、85/15(容量/容量)、1.0mL/分にて用い、200nmの波長でモ
ニターしながら、高速液体クロマトグラフィーにより行い、単一の糖成分を34分
の単一のピークとして得た。過-O-アセチル化のために、1.0マイクロモルの1-
デオキ
シ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-リキシトールを、液体クロマトグラフィ
ーによる精製の前または後のいずれかに、Speed-Vacロータリー濃縮器中のPierc
e反応バイアル中で乾燥した。乾燥したサンプルを100μLの乾燥ピリジン(Pierc
e、シリル化グレード)中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加した。アル
ゴン下で24時間、室温にてサンプルを保持し、そしてSpeed-Vacロータリー濃縮
器により溶媒を除去した。約0.5mLのクロロホルム中でサンプルを可溶化し、そ
して再びSpeed-Vacロータリー濃縮器で濃縮した。次いで、GCMS分析用に、1.0mL
のクロロホルム中にサンプルを取り込み、感度の研究のために、連続的に希釈し
た。HPLC精製の前または後のサンプルから誘導された過-O-アセチル化材料のGC
MSによる分析は、単一の糖の誘導体を示した。質量イオン(EIMS)は376(M+-4
2)、359(M+-59)、196、153、141、129、および87であり、少量イオンがたく
さんあった。低いフィラメント出力では、376、129、および87でのイオンが最も
豊富であった。これらのデータは、1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-リキシトール六
酢酸の生成を示す。
K.1- デオキシ-1-ヒドラジノ-D-リビトール六酢酸
Pierce反応バイアル中で、D-リボース(0.100ミリモル)を1.0mLの無水ヒドラ
ジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)中に溶解し、そして窒素下で、
Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを有する蓋でキャップした。このサ
ンプルを、16時間室温に置いた後、D-リボースのヒドラゾン誘導体に変換し、Sp
eed-Vac濃縮器中でエバポレートして、樹脂状材料とした。容量1.0mLの水中のサ
ンプルを定量的に20mL試験管の中へ移した。そして100mgの水素化ホウ素ナトリ
ウムを添加し、分子を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-リビトールとした。
24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの氷酢酸を、約30秒を超
える間隔で滴下した。サンプルを1.0mLの水で希釈した。それに200mgの重炭酸ナ
トリウムを加え、そして随時混ぜながら重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.100m
Lの無水酢酸を添加し、続いて穏やかにかき混ぜてそのすべてを溶解した。10分
後、別の0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそれを溶解し
た。そしてさらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そして10〜12mLの十
分に洗浄したDowex AG1-X8、100〜200メッシュ、H+形態を含むカラムにかけ、
ナトリウムを除去した。カラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。全溶離物をロ
ータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1%酢酸20mL
で5回そして20mLのメタノール単独で3回ロータリーエバポレートして乾燥させ
、ホウ酸を除去し、それにより1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-
リビトールを得た。このサンプルはいくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒドラ
ジンを含有した。これを下記のように直接O-過アセチル化するか、またはO-ア
セチル化の前にクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーは、Wa
ters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上で、アイソクラチックなアセトニトリ
ル/水を、85/15(容量/容量)、1.0mL/分にて用い、200nmの波長でモニター
しながら、高速液体クロマトグラフィーにより行い、単一の糖成分を33分の単一
のピークとして得た。過-O-アセチル化のために、1.0マイクロモルの1-デオキ
シ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-リビトールを、液体クロマトグラフィー
による精製の前または後のいずれかに、Speed-Vacロータリー濃縮器中のPierce
反応バイアル中で乾燥した。乾燥したサンプルを100μLの乾燥ピリジン(Pierce
、シリル化グレード)中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加した。アル
ゴン下で24時間、室温にてサンプルを保持し、そしてSpeed-Vacロータリー濃縮
器により溶媒を除去した。約0.5mLのクロロホルム中でサンプルを可溶化し、そ
して再びSpeed-Vacロータリー濃縮器で濃縮した。次いで、GCMS分析用に、1.0mL
のクロロホルム中にサンプルを取り込み、感度の研究のために、連続的に希釈し
た。HPLC精製の前または後のサンプルから誘導された過-O-アセチル化材料のGC
MSによる分析は、単一の糖の誘導体を示した。質量イオン(EIMS)は376(M+-4
2)、359(M+-59)、196、153、141、129、および87であり、少量イオンがたく
さんあった。低いフィラメント出力では、376、129、および87でのイオンが最も
豊富であった。これらのデータは、1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-リビトール六酢
酸の生成を示す。
L.1- デオキシ-1-ヒドラジノ-D-キシリトール六酢酸
Pierce反応バイアル中で、D-キシロース(0.100ミリモル)を1.0mLの無水ヒド
ラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)中に溶解し、そして窒素下で
、Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを有する蓋でキャップした。この
サンプルを、16時間室温に置いた後、D-キシロースのヒドラゾン誘導体に変換し
、Speed-Vac濃縮器中でエバポレートして、樹脂状材料とした。容量1.0mLの水中
のサンプルを定量的に20mL試験管の中へ移した。そして100mgの水素化ホウ素ナ
トリウムを添加し、分子を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-キシリトールと
した。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの氷酢酸を、約30
秒を超える間隔で滴下した。サンプルを1.0mLの水で希釈した。それに200mgの重
炭酸ナトリウムを加え、そして随時混ぜながら重炭酸塩を溶解させた。次いで、
0.100mLの無水酢酸を添加し、続いて穏やかにかき混ぜてそのすべてを溶解した
。10分後、別の0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそれを
溶解した。そしてさらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そして10〜12m
Lの十分に洗浄したDowex AG1-X8、100〜200メッシュ、H+形態を含むカラムにか
け、ナトリウムを除去した。カラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。全溶離物
をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1%酢酸
20mLで5回そして20mLのメタノール単独で3回ロータリーエバポレートして乾燥
させ、ホウ酸を除去し、それにより1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)
-D-キシリトールを得た。このサンプルはいくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒ
ドラジンを含有した。これを下記のように直接O-過アセチル化するか、または
O-アセチル化の前にクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィー
は、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上で、アイソクラチックなアセト
ニトリル/水を、85/15(容量/容量)、1.0mL/分にて用い、200nmの波長でモ
ニターしながら、高速液体クロマトグラフィーにより行い、単一の糖成分を34分
の単一のピークとして得た。過-O-アセチル化のために、1.0マイクロモルの1-
デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-キシリトールを、液体クロマトグ
ラフィーによる精製の前または後のいずれかに、Speed-Vacロータリー濃縮器中
のPierce反応バイアル中で乾燥した。乾燥したサンプルを100μLの乾燥ピリジン
(Pierce、シリル化グレード)中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加し
た。アルゴン下で24時間、室温にてサンプルを保持し、そしてSpeed-Vacロータ
リー濃縮
器により溶媒を除去した。約0.5mLのクロロホルム中でサンプルを可溶化し、そ
して再びSpeed-Vacロータリー濃縮器で濃縮した。次いで、GCMS分析用に、1.0mL
のクロロホルム中にサンプルを取り込み、感度の研究のために、連続的に希釈し
た。HPLC精製の前または後のサンプルから誘導された過-O-アセチル化材料のGC
MSによる分析は、単一の糖の誘導体を示した。質量イオン(EIMS)は376(M+-4
2)、359(M+-59)、196、153、141、129、および87であり、少量イオンがたく
さんあった。低いフィラメント出力では、376、129、および87でのイオンが最も
豊富であった。これらのデータは、1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-キシリトール六
酢酸の生成を示す。
M.2- アミノ-1,2-ジデオキシ-1-ヒドラジノ-D-グルシチトール七酢酸
Pierce反応バイアル中で、2-アミノ-2-デオキシ-D-グルコース(0.100ミリモ
ル)を1.0mLの無水ヒドラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)中に
溶解し、そして窒素下で、Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを有する
蓋でキャップした。このサンプルを、16時間室温に置いた後、2-アミノ-2-デオ
キシ-D-グルコースのヒドラゾン誘導体に変換し、Speed-Vac濃縮器中でエバポレ
ートして、樹脂状材料とした。容量1.0mLの水中のサンプルを定量的に20mL試験
管の中へ移した。そして100mgの水素化ホウ素ナトリウムを添加し、分子を還元
して2-アミノ-1,2-ジデオキシ-1-ヒドラジノ-D-グルシトールとした。24時間後
、サンプルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの氷酢酸を、約30秒を超える間隔
で滴下した。サンプルを1.0mLの水で希釈した。それに200mgの重炭酸ナトリウム
を加え、そして随時混ぜながら重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.100mLの無水
酢酸を添加し、続いて穏やかにかき混ぜてそのすべてを溶解した。10分後、別の
0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそれを溶解した。そし
てさらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そして10〜12mLの十分に洗浄
したDowex AG1-X8、100〜200メッシュ、H+形態を含むカラムにかけ、ナトリウ
ムを除去した。カラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。全溶離物をロータリー
エバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1%酢酸20mLで5回そ
して20mLのメタノール単独で3回ロータリーエバポレートして乾燥させ、ホウ酸
を
除去し、それにより2-アミノ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-1,2-ジデオキシ-
D-グルシトールを得た。このサンプルはいくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒ
ドラジンを含有した。これを下記のように直接O-過アセチル化するか、または
O-アセチル化の前にクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィー
は、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上で、アイソクラチックなアセト
ニトリル/水を、85/15(容量/容量)、1.0mL/分にて用い、200nmの波長でモ
ニターしながら、高速液体クロマトグラフィーにより行い、単一の糖成分を41分
の単一のピークとして得た。過-O-アセチル化のために、1.0マイクロモルの2-
アミノ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-1,2-ジデオキシ-D-グルシトールを、液
体クロマトグラフィーによる精製の前または後のいずれかに、Speed-Vacロータ
リー濃縮器中のPierce反応バイアル中で乾燥した。乾燥したサンプルを100μLの
乾燥ピリジン(Pierce、シリル化グレード)中に取り込み、そして50μLの無水
酢酸を添加した。アルゴン下で24時間、室温にてサンプルを保持し、そしてSpee
d-Vacロータリー濃縮器により溶媒を除去した。約0.5mLのクロロホルム中でサン
プルを可溶化し、そして再びSpeed-Vacロータリー濃縮器で濃縮した。次いで、G
CMS分析用に、1.0mLのクロロホルム中にサンプルを取り込み、感度の研究のため
に、連続的に希釈した。HPLC精製の前または後のサンプルから誘導された過-O-
アセチル化材料のGCMSによる分析は、単一の糖の誘導体を示した。質量イオン(
EIMS)は374、251、209、181、139、119、96、87、および84であり、少量イオン
がたくさんあった。CIMSでは490(MH)+、472(MH-18)、448(MH-42)+および4
30(MH-60)+に主なイオンが得られた。これらのデータは、2-アミノ-1,2-ジデ
オキシ-1-ヒドラジノ-D-グルシトール七酢酸の生成を示す。
N.2- アミノ-1,2-ジデオキシ-1-ヒドラジノ-D-ガラクチトール七酢酸
Pierce反応バイアル中で、2-アミノ-2-デオキシ-D-ガラクトース(0.100ミリ
モル)を1.0mLの無水ヒドラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)中
に溶解し、そして窒素下で、Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを有す
る蓋でキャップした。このサンプルを、16時間室温に置いた後、2-アミノ-2-デ
オキシ-D-ガラクトースのヒドラゾン誘導体に変換し、Speed-Vac濃縮器中でエバ
ポレートして、樹脂状材料とした。容量1.0mLの水中のサンプルを定量的に20mL
試験管の中へ移した。そして100mgの水素化ホウ素ナトリウムを添加し、分子を
還元して2-アミノ-1,2-ジデオキシ-1-ヒドラジノ-D-ガラクチトールとした。24
時間後、サンプルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの氷酢酸を、約30秒を超え
る間隔で滴下した。サンプルを1.0mLの水で希釈した。それに200mgの重炭酸ナト
リウムを加え、そして随時混ぜながら重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.100mL
の無水酢酸を添加し、続いて穏やかにかき混ぜてそのすべてを溶解した。10分後
、別の0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそれを溶解した
。そしてさらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そして10〜12mLの十分
に洗浄したDowex AG1-X8、100〜200メッシュ、H+形態を含むカラムにかけ、ナ
トリウムを除去した。カラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。全溶離物をロー
タリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1%酢酸20mLで
5回そして20mLのメタノール単独で3回ロータリーエバポレートして乾燥させ、
ホウ酸を除去し、それにより2-アミノ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-1,2-ジ
デオキシ-D-ガラクチトールを得た。このサンプルはいくらかのさらなるN,N'-ジ
アセチルヒドラジンを含有した。これを下記のように直接O-過アセチル化する
か、またはO-アセチル化の前にクロマトグラフィーにより精製した。クロマト
グラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上で、アイソクラチッ
クなアセトニトリル/水を、85/15(容量/容量)、1.0mL/分にて用い、200nm
の波長でモニターしながら、高速液体クロマトグラフィーにより行い、単一の糖
成分を36.5分の単一のピークとして得た。過-O-アセチル化のために、1.0マイ
クロモルの2-アミノ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-1,2-ジデオキシ-D-ガラク
チトールを、液体クロマトグラフィーによる精製の前または後のいずれかに、Sp
eed-Vacロータリー濃縮器中のPierce反応バイアル中で乾燥した。乾燥したサン
プルを100μLの乾燥ピリジン(Pierce、シリル化グレード)中に取り込み、そし
て50μLの無水酢酸を添加した。アルゴン下で24時間、室温にてサンプルを保持
し、そしてSpeed-Vacロータリー濃縮器により溶媒を除去した。約0.5mLのクロロ
ホルム中でサンプルを可溶化し、そして再びSpeed-Vacロータリー濃縮器で濃縮
した。次いで、GCMS分析用に、1.0mLのクロロホルム中にサンプルを取り込み、
感度の
研究のために、連続的に希釈した。HPLC精製の前または後のサンプルから誘導さ
れた過-O-アセチル化材料のGCMSによる分析は、単一の糖の誘導体を示した。質
量イオン(EIMS)は374、251、209、181、139、114、96、87、および84であり、
少量イオンがたくさんあった。CIMSでは490(MH)+、472(MH-18)+、448(MH-4
2)+および430(MH-60)+に主なイオンが得られた。これらのデータは、2-アミ
ノ-1,2-ジデオキシ-1-ヒドラジノ-D-ガラクチトール七酢酸の生成を示す。
O.1,6- ジデオキシ-1-ヒドラジノ-L-ガラクチトール七酢酸
Pierce反応バイアル中で、6-デオキシ-L-ガラクトース(0.100ミリモル)を1.
0mLの無水ヒドラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)中に溶解し、
そして窒素下で、Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを有する蓋でキャ
ップした。このサンプルを、16時間室温に置いた後、6-デオキシ-L-ガラクトー
スのヒドラゾン誘導体に変換し、Speed-Vac濃縮器中でエバポレートして、樹脂
状材料とした。容量1.0mLの水中のサンプルを定量的に20mL試験管の中へ移した
。そして100mgの水素化ホウ素ナトリウムを添加し、分子を還元して1,6-ジデオ
キシ-1-ヒドラジノ-L-ガラクチトールとした。24時間後、サンプルを氷水浴中に
置き、そして0.200mLの氷酢酸を、約30秒を超える間隔で滴下した。サンプルを1
.0mLの水で希釈した。それに200mgの重炭酸ナトリウムを加え、そして随時混ぜ
ながら重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.100mLの無水酢酸を添加し、続いて穏
やかにかき混ぜてそのすべてを溶解した。10分後、別の0.100mLの無水酢酸を添
加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそれを溶解した。そしてさらに50分後、サンプ
ルを5.0mLの水で希釈し、そして10〜12mLの十分に洗浄したDowex AG1-X8、100〜
200メッシュ、H+形態を含むカラムにかけ、ナトリウムを除去した。カラムを10
mLの水でさらに5回洗浄した。全溶離物をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥
させ、次いで、メタノール中の1%酢酸20mLで5回そして20mLのメタノール単独
で3回ロータリーエバポレートして乾燥させ、ホウ酸を除去し、それにより1-(N
,N'-ジアセチルヒドラジノ)-1,6-ジデオキシ-L-ガラクチトールを得た。このサ
ンプルはいくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒドラジンを含有した。これを下
記のように直接O-過アセチル化するか、またはO-アセチル化の前にクロマトグ
ラ
フィーにより精製した。クロマトグラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8
×300mm)上で、アイソクラチックなアセトニトリル/水を、85/15(容量/容
量)、1.0mL/分にて用い、200nmの波長でモニターしながら、高速液体クロマト
グラフィーにより行い、単一の糖成分を28分の単一のピークとして得た。過-O-
アセチル化のために、1.0マイクロモルの1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-1,6-
ジデオキシ-L-ガラクチトールを、液体クロマトグラフィーによる精製の前また
は後のいずれかに、Speed-Vacロータリー濃縮器中のPierce反応バイアル中で乾
燥した。乾燥したサンプルを100μLの乾燥ピリジン(Pierce、シリル化グレード
)中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加した。アルゴン下で24時間、室
温にてサンプルを保持し、そしてSpeed-Vacロータリー濃縮器により溶媒を除去
した。約0.5mLのクロロホルム中でサンプルを可溶化し、そして再びSpeed-Vacロ
ータリー濃縮器で濃縮した。次いで、GCMS分析用に、1.0mLのクロロホルム中に
サンプルを取り込み、感度の研究のために、連続的に希釈した。HPLC精製の前ま
たは後のサンプルから誘導された過-O-アセチル化材料のGCMSによる分析は、単
一の糖の誘導体を示した。質量イオン(EIMS)は390(M+-42)、373(M+-59)、
141、129、100、および87であり、少量イオンがたくさんあった。低いフィラメ
ント出力では、質量390、129、および87でのイオンが最も豊富であった。これら
のデータは、1,6-ジデオキシ-1-ヒドラジノ-L-ガラクチトール七酢酸の生成を示
す。
P.1,6- ジデオキシ-1-ヒドラジノ-L-マンニトール七酢酸
Pierce反応バイアル中で、6-デオキシ-L-マンノース(0.100ミリモル)を1.0m
Lの無水ヒドラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)中に溶解し、そ
して窒素下で、Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを有する蓋でキャッ
プした。このサンプルを、16時間室温に置いた後、6-デオキシ-L-マンノースの
ヒドラゾン誘導体に変換し、Speed-Vac濃縮器中でエバポレートして、樹脂状材
料とした。容量1.0mLの水中のサンプルを定量的に20mL試験管の中へ移した。そ
して100mgの水素化ホウ素ナトリウムを添加し、分子を還元して1,6-ジデオキシ-
1-ヒドラジノ-L-マンニトールとした。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、
そして0.200mLの氷酢酸を、約30秒を超える間隔で滴下した。サンプルを1.0mLの
水で希釈した。それに200mgの重炭酸ナトリウムを加え、そして随時混ぜながら
重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.100mLの無水酢酸を添加し、続いて穏やかに
かき混ぜてそのすべてを溶解した。10分後、別の0.100mLの無水酢酸を添加し、
溶液を穏やかにかき混ぜてそれを溶解した。そしてさらに50分後、サンプルを5.
0mLの水で希釈し、そして10〜12mLの十分に洗浄したDowex AG1-X8、100〜200メ
ッシュ、H+形態を含むカラムにかけ、ナトリウムを除去した。カラムを10mLの
水でさらに5回洗浄した。全溶離物をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ
次いで、メタノール中の1%酢酸20mLで5回そして20mLのメタノール単独で3回
ロータリーエバポレートして乾燥させ、ホウ酸を除去し、それにより1-(N,N'-ジ
アセチルヒドラジノ)-1,6-ジデオキシ-L-マンニトールを得た。このサンプルは
いくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒドラジンを含有した。これを下記のよう
に直接O-過アセチル化するか、またはO-アセチル化の前にクロマトグラフィー
により精製した。クロマトグラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300m
m)上で、アイソクラチックなアセトニトリル/水を、85/15(容量/容量)、1
.0mL/分にて用い、200nmの波長でモニターしながら、高速液体クロマトグラフ
ィーにより行い、単一の糖成分を27.5分の単一のピークとして得た。過-O-アセ
チル化のために、1.0マイクロモルの1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ
)-6-デオキシ-L-マンニトールを、液体クロマトグラフィーによる精製の前また
は後のいずれかに、Speed-Vacロータリー濃縮器中のPierce反応バイアル中で乾
燥した。乾燥したサンプルを100μLの乾燥ピリジン(Pierce、シリル化グレード
)中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加した。アルゴン下で24時間、室
温にてサンプルを保持し、そしてSpeed-Vacロータリー濃縮器により溶媒を除去
した。約0.5mLのクロロホルム中でサンプルを可溶化し、そして再びSpeed-Vacロ
ータリー濃縮器で濃縮した。次いで、GCMS分析用に、1.0mLのクロロホルム中に
サンプルを取り込み、感度の研究のために、連続的に希釈した。HPLC精製の前ま
たは後のサンプルから誘導された過-O-アセチル化材料のGCMSによる分析は、単
一の糖の誘導体を示した。質量イオン(EIMS)は390(M+-42)、373(M+-59)、
141、129、100、および87であり、少量イオンがたくさんあった。低いフィラメ
ント出力では、390、129、および87でのイオンが最も豊富であった。これらのデ
ータは、1,6-ジデオキシ-1-ヒドラジノ-L-マンニトール七酢酸の生成を示す。
Q.1- デオキシ-1-ヒドラジノ-L-グルシトール七酢酸
Pierce反応バイアル中で、L-グルコース(0.100ミリモル)を1.0mLの無水ヒド
ラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)中に溶解し、そして窒素下で
、Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを有する蓋でキャップした。この
サンプルを、16時間室温に置いた後、L-グルコースのヒドラゾン誘導体に変換し
、Speed-Vac濃縮器中でエバポレートして、樹脂状材料とした。容量1.0mLの水中
のサンプルを定量的に20mL試験管の中へ移した。そして100mgの水素化ホウ素ナ
トリウムを添加し、分子を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-L-グルシトールと
した。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの氷酢酸を、約30
秒を超える間隔で滴下した。サンプルを1.0mLの水で希釈した。それに200mgの重
炭酸ナトリウムを加え、そして随時混ぜながら重炭酸塩を溶解させた。次いで、
0.100mLの無水酢酸を添加し、続いて穏やかにかき混ぜてそのすべてを溶解した
。10分後、別の0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそれを
溶解した。そしてさらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そして10〜12m
Lの十分に洗浄したDowex AG1-X8、100〜200メッシュ、H+形態を含むカラムにか
け、ナトリウムを除去した。カラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。全溶離物
をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1%酢酸
20mLで5回そして20mLのメタノール単独で3回ロータリーエバポレートして乾燥
させ、ホウ酸を除去し、それにより1-デオキシ-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-L
-グルシトールを得た。このサンプルはいくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒド
ラジンを含有した。これを下記のように直接O-過アセチル化するか、またはO-
アセチル化の前にクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーは、
Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上で、アイソクラチックなアセトニト
リル/水を、85/15(容量/容量)、1.0mL/分にて用い、200nmの波長でモニタ
ーしながら、高速液体クロマトグラフィーにより行い、42.5分の単一のピークを
得た。過-O-アセチル化のために、1.0マイクロモルの1-デオキシ-1-(N,N'-ジア
セチル
ヒドラジノ)-L-グルシトールを、液体クロマトグラフィーによる精製の前または
後のいずれかに、Speed-Vacロータリー濃縮器中のPierce反応バイアル中で乾燥
した。乾燥したサンプルを100μLの乾燥ピリジン(Pierce、シリル化グレード)
中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加した。アルゴン下で24時間、室温
にてサンプルを保持し、そしてSpeed-Vacロータリー濃縮器により溶媒を除去し
た。約0.5mLのクロロホルム中でサンプルを可溶化し、そして再びSpeed-Vacロー
タリー濃縮器で濃縮した。次いで、GCMS分析用に、1.0mLのクロロホルム中にサ
ンプルを取り込み、感度の研究のために、連続的に希釈した。HPLC精製の前また
は後のサンプルから誘導された過-O-アセチル化材料のGCMSによる分析は、単一
の糖の誘導体を示した。質量イオン(EIMS)は448(M+-42)、431(M+-59)、19
5、153、141、129、および87であり、少量イオンがたくさんあった。低いフィラ
メント出力では、448での質量イオンがより豊富になる。これらのデータは、1-
デオキシ-1-ヒドラジノ-L-グルシトール七酢酸の生成を示す。
R.1- デオキシ-1-ヒドラジノ-3-O-メチル-D-グルシトール六酢酸
Pierce反応バイアル中で、3-O-メチル-D-グルコース(0.100ミリモル)を1.0
mLの無水ヒドラジン(PierceまたはAldrich Chemlcal Company)中に溶解し、そ
して窒素下で、Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを有する蓋でキャッ
プした。このサンプルを、16時間室温に置いた後、3-O-メチル-D-グルコースの
ヒドラゾン誘導体に変換し、Speed-Vac濃縮器中でエバポレートして、樹脂状材
料とした。容量1.0mLの水中のサンプルを定量的に20mL試験管の中へ移した。そ
して100mgの水素化ホウ素ナトリウムを添加し、分子を還元して1-デオキシ-1-ヒ
ドラジノ-3-O-メチル-D-グルシトールとした。24時間後、サンプルを氷水浴中
に置き、そして0.200mLの氷酢酸を、約30秒を超える間隔で滴下した。サンプル
を1.0mLの水で希釈した。それに200mgの重炭酸ナトリウムを加え、そして随時混
ぜながら重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.100mLの無水酢酸を添加し、続いて
穏やかにかき混ぜてそのすべてを溶解した。10分後、別の0.100mLの無水酢酸を
添加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそれを溶解した。そしてさらに50分後、サン
プルを5.0mLの水で希釈し、そして10〜12mLの十分に洗浄したDowex AG1-X8、100
〜200メッシュ、H+形態を含むカラムにかけ、ナトリウムを除去した。カラムを
10mLの水でさらに5回洗浄した。全溶離物をロータリーエバポレートしてほぼ乾
燥させ、次いで、メタノール中の1%酢酸20mLで5回そして20mLのメタノール単
独で3回ロータリーエバポレートして乾燥させ、ホウ酸を除去し、それにより1-
デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-3-O-メチル-D-グルシトールを得た
。このサンプルはいくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒドラジンを含有した。
これを下記のように遊離ヒドロキシル基上で直接O-過アセチル化するか、また
はO-アセチル化の前にクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィ
ーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上で、アイソクラチックなアセ
トニトリル/水を、85/15(容量/容量)、1.0mL/分にて用い、200nmの波長で
モニターしながら、高速液体クロマトグラフィーにより行い、31分の単一のピー
クを得た。過-O-アセチル化のために、1.0マイクロモルの1-デオキシ-1-(N,N'-
ジアセチルヒドラジノ)-3-O-メチル-D-グルシトールを、液体クロマトグラフィ
ーによる精製の前または後のいずれかに、Speed-Vacロータリー濃縮器中のPierc
e反応バイアル中で乾燥した。乾燥したサンプルを100μLの乾燥ピリジン(Pierc
e、シリル化グレード)中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加した。アル
ゴン下で24時間、室温にてサンプルを保持し、そしてSpeed-Vacロータリー濃縮
器により溶媒を除去した。約0.5mLのクロロホルム中でサンプルを可溶化し、そ
して再びSpeed-Vacロータリー濃縮器で濃縮した。次いで、GCMS分析用に、1.0mL
のクロロホルム中にサンプルを取り込み、感度の研究のために、連続的に希釈し
た。HPLC精製の前または後のサンプルから誘導された過-O-アセチル化材料のGC
MSによる分析は、単一の糖の誘導体を示した。質量イオン(EIMS)は420(M+-4
2)、403(M+-59)、171、143、129、125、および87であり、少量イオンがたくさ
んあった。これらのデータは、生成物が1-デオキシ-1-ヒドラジノ-3-O-メチル-
D-グルシトール六酢酸であることを示す。
S.1- デオキシ-1-ヒドラジノ-D-トレイトール五酢酸
Pierce反応バイアル中で、D-トレオース(0.100ミリモル)を1.0mLの無水ヒド
ラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)中に溶解し、そして窒素下で
、
Pierce Tuf-bondテフロン-シリコーンシールを有する蓋でキャップした。このサ
ンプルを、16時間室温に置いた後、D-トレオースのヒドラゾン誘導体に変換し、
Speed-Vac濃縮器中でエバポレートして、樹脂状材料とした。容量1.0mLの水中の
サンプルを定量的に20mL試験管の中へ移した。そして100mgの水素化ホウ素ナト
リウムを添加し、分子を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-トレイトールとし
た。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの氷酢酸を、約30秒
を超える間隔で滴下した。サンプルを1.0mLの水で希釈した。それに200mgの重炭
酸ナトリウムを加え、そして随時混ぜながら重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.
100mLの無水酢酸を添加し、続いて穏やかにかき混ぜてそのすべてを溶解した。1
0分後、別の0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそれを溶解
した。そしてさらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そして10〜12mLの
十分に洗浄したDowex AG1-X8、100〜200メッシュ、H+形態を含むカラムにかけ
、ナトリウムを除去した。カラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。全溶離物を
ロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1%酢酸20
mLで5回そして20mLのメタノール単独で3回ロータリーエバポレートして乾燥さ
せ、ホウ酸を除去し、それにより1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D
-トレイトールを得た。このサンプルはいくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒド
ラジンを含有した。これを下記のように直接O-過アセチル化するか、またはO-
アセチル化の前にクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーは、
Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上で、アイソクラチックなアセトニト
リル/水を、85/15(容量/容量)、1.0mL/分にて用い、200nmの波長でモニタ
ーしながら、高速液体クロマトグラフィーにより行い、27.5分の単一のピークを
得た。過-O-アセチル化のために、1.0マイクロモルの1-デオキシ-1-(N,N'-ジア
セチルヒドラジノ)-D-トレイトールを、液体クロマトグラフィーによる精製の前
または後のいずれかに、Speed-Vacロータリー濃縮器中のPierce反応バイアル中
で乾燥した。乾燥したサンプルを100μLの乾燥ピリジン(Pierce、シリル化グレ
ード)中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加した。アルゴン下で24時間
、室温にてサンプルを保持し、そしてSpeed-Vacロータリー濃縮器により溶媒を
除去した。約0.5mLのクロロホルム中でサンプルを可溶化し、そして再びSpeed-V
ac
ロータリー濃縮器で濃縮した。次いで、GCMS分析用に、1.0mLのクロロホルム中
にサンプルを取り込み、感度の研究のために、連続的に希釈した。過-O-アセチ
ル化材料のGCMSによる分析は、糖の誘導体を示した。質量イオン(EIMS)は、主
に304(M+-42)、287(M+-59)、184、129、124、および87であり、少量イオン
がたくさんあった。CIMSでは347(MH)+、305(MH-42)+、および287(MH-60)+
に主なイオンが得られた。これらのデータは、生成物が1-デオキシ-1-ヒドラジ
ノ-D-トレイトール五酢酸であることを示す。
T.1- デオキシ-1-ヒドラジノ-D-エリトリトール五酢酸
D-エリトロース(約0.100ミリモル)を、Sigma Chemical Companyから得たが
、純度が約75%しかなく、さらなる糖不純物を含有していた。この材料をシロッ
プとし、Pierce反応バイアル中で、1.0mLの無水ヒドラジン(PierceまたはAldri
ch Chemical Company)中に溶解し、そして窒素下で、Pierce Tuf-bondテフロン
-シリコーンシールを有する蓋でキャップした。このサンプルを、16時間室温に
置いた後、D-エリトロースのヒドラゾン誘導体に変換し、Speed-Vac濃縮器中で
エバポレートして、樹脂状材料とした。容量1.0mLの水中のサンプルを定量的に2
0mL試験管の中へ移した。そして100mgの水素化ホウ素ナトリウムを添加し、分子
を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-エリトリトールとした。24時間後、サン
プルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの氷酢酸を、約30秒を超える間隔で滴下
した。サンプルを1.0mLの水で希釈した。それに200mgの重炭酸ナトリウムを加え
、そして随時混ぜながら重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.100mLの無水酢酸を
添加し、続いて穏やかにかき混ぜてそのすべてを溶解した。10分後、別の0.100m
Lの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそれを溶解した。そしてさら
に50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そして10〜12mLの十分に洗浄したDow
ex AG1-X8、100〜200メッシュ、H+形態を含むカラムにかけ、ナトリウムを除去
した。カラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。全溶離物をロータリーエバポレ
ートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1%酢酸20mLで5回そして20mL
のメタノール単独で3回ロータリーエバポレートして乾燥させ、ホウ酸を除去し
、それにより1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-エリトリトールを
主
成分として得た。このサンプルはいくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒドラジ
ンおよび糖不純物を含有した。これをO-アセチル化の前にクロマトグラフィー
により精製した。クロマトグラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300m
m)上で、アイソクラチックなアセトニトリル/水を、85/15(容量/容量)、1
.0mL/分にて用い、200nmの波長でモニターしながら、高速液体クロマトグラフ
ィーにより行い、27分に顕著な肩を有するピークを26分に得た(約75%)。従っ
て、生成物を、Shodex DC-613カラム(6.0×150mm)上で、アイソクラチックな
アセトニトリル/水を、85/15(容量/容量)、0.6mL/分にて用い、200nmの波
長でモニターしながら、高速液体クロマトグラフィーにより分離し、2つの分離
したピークを得た[15.5分{1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-エ
リトリトール、約75%}、および17.5分(未知の不純物)]。過-O-アセチル化
のために、約1.0マイクロモルの1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-
エリトリトールを、Speed-Vacロータリー濃縮器中のPierce反応バイアル中で乾
燥した。乾燥したサンプルを100μLの乾燥ピリジン(Pierce、シリル化グレード
)中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加した。アルゴン下で24時間、室
温にてサンプルを保持し、そしてSpeed-Vacロータリー濃縮器により溶媒を除去
した。約0.5mLのクロロホルム中でサンプルを可溶化し、そして再びSpeed-Vacロ
ータリー濃縮器で濃縮した。次いで、GCMS分析用に、1.0mLのクロロホルム中に
サンプルを取り込み、感度の研究のために、連続的に希釈した。過-O-アセチル
化材料のGCMSによる分析は、糖の誘導体を与えた。質量イオン(EIMS)は、主に
304(M+-42)、287(M+-59)、184、129、124、および87であり、少量イオンが
たくさんあった。CIMSでは347(MH)+、305(MH-42)+、および287(MH-60)+に
主なイオンが得られた。これらのデータは、生成物が1-デオキシ-1-ヒドラジノ-
D-エリトリトール五酢酸であることを示す。
U.1- デオキシ-1-ヒドラジノ-D-グリセロール四酢酸
D-グリセルアルデヒド(0.100ミリモル)をPierce反応バイアル中で1.0mLの無
水ヒドラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)に溶解し、そして窒素
下で、Pierce Tuf-bond テフロン-シリコーンシールを有する蓋でキャップした
。
このサンプルを、室温で16時間静置した後、D-グリセルアルデヒドのヒドラゾン
誘導体に変換し、Speed-Vac濃縮器中でエバポレートして樹脂状材料とした。容
積1.0mLの水中のサンプルを定量的に20mL試験管の中に移した。そして100mgの水
素化ホウ素ナトリウムを添加し、分子を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-グ
リセロールとした。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの氷
酢酸を約30秒を越える間隔で滴下した。このサンプルを1.0mLの水で希釈した。
これに200mgの重炭酸ナトリウムを加え、時折かき混ぜて重炭酸塩を溶解させた
。次いで、0.100mLの無水酢酸を添加し、続いて穏やかにかき混ぜてその全てを
溶解した。10分後、別の0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混ぜ
てそれを溶解した。さらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そして、10m
L〜12mLの十分に水洗したDowex AG1-X8(100-200メッシュ、H+形態)を含むカラ
ムにかけ、ナトリウムを除去した。このカラムを10mLの水でさらに5回洗浄した
。全ての溶離物をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノー
ル中の1%酢酸20mLと共に5回、そして20mLのメタノール単独で3回ロータリー
エバポレートして乾燥させ、ホウ酸を除去した。その結果、1-デオキシ-1-(N,N'
-ジアセチルヒドラジノ)-D-グリセロールを得た。このサンプルは、いくらかの
さらなるN,N'-ジアセチルヒドラジンを含有した。これを、下記のように遊離の
ヒドロキシル基上で直接O-過アセチル化するか、あるいはO-アセチル化の前に
クロマトグラフィーによって精製した。クロマトグラフィーは、Waters GlycoPa
k Nカラム(7.8×300mm)上で、アイソクラチックなアセトニトリル/水(85/1
5(容量/容量)、1.0mL/分)を用いて、200nmの波長でモニターしながら、高
速クロマトグラフィーにより行い、21.5分の単一の生成物ピークを得た。過-O-
アセチル化のために、1.0マイクロモルの1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラ
ジノ)-D-グリセロールを、液体クロマトグラフィーによる精製の前または後のい
ずれかに、Speed-Vacロータリー濃縮器の中のPierce反応バイアル中で乾燥した
。乾燥したサンプルを、100μLの乾燥ピリジン(Pierce、シリル化グレード)中
に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加した。このサンプルを、室温、アル
ゴン下で24時間維持し、それから溶媒を窒素気流下で除去した。約0.5mLのクロ
ロホルム中でこのサンプルを可溶化し、そして再び窒素気流下で濃縮した。GCMS
に
よる過-O-アセチル化した材料の分析は、主に232(M+-42)、215(M+-59)、129、1
12、87および69での質量イオン(EIMS)と多くのあまり豊富でないイオンとを有
する、糖誘導体であることを示した。これらのデータは、この生成物が1-デオキ
シ-1-ヒドラジノ-D-グリセロール四酢酸であることを示す。
V.2- ヒドラジノエタノール三酢酸
グリコールアルデヒド(二量体形態で0.100ミリモル)をPierce反応バイアル
中で1.0mLの無水ヒドラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)に溶解
し、そして窒素下で、Pierce Tuf-bond テフロン-シリコーンシールを有する蓋
でキャップした。このサンプルを、室温で16時間静置した後、グリコールアルデ
ヒドのヒドラゾン誘導体に変換し、Speed-Vac濃縮器中でエバポレートして樹脂
状材料とした。容積1.0mLの水中のサンプルを定量的に20mL試験管の中に移した
。そして100mgの水素化ホウ素ナトリウムを添加し、分子を還元して2-ヒドラジ
ノエタノールとした。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの
氷酢酸を約30秒を越える間隔で滴下した。このサンプルを1.0mLの水で希釈した
。これに200mgの重炭酸ナトリウムを加え、時折かき混ぜて重炭酸塩を溶解させ
た。次いで、0.100mLの無水酢酸を添加し、続いて穏やかにかき混ぜてその全て
を溶解した。10分後、別の0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混
ぜてそれを溶解した。さらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そして、1
0mL〜12mLの十分に水洗したDowex AG1-X8(100-200メッシュ、H+形態)を含むカ
ラムにかけ、ナトリウムを除去した。このカラムを10mLの水でさらに5回洗浄し
た。全ての溶離物をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノ
ール中の1%酢酸20mLと共に5回、そして20mLのメタノール単独で3回ロータリ
ーエバポレートして乾燥させ、ホウ酸を除去した。その結果、2-(N,N'-ジアセチ
ルヒドラジノ)-エタノールを得た。このサンプルは、いくらかのさらなるN,N'-
ジアセチルヒドラジンを含有した。これを、下記のように遊離のヒドロキシル基
上で直接O-過アセチル化するか、あるいはO-アセチル化の前にクロマトグラフ
ィーによって精製した。クロマトグラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8
×300mm)上で、アイソクラチックなアセトニトリル/水(85/15(容量/容量
)、1.
0mL/分)を用いて、200nmの波長でモニターしながら、高速クロマトグラフィー
により行い、17分の単一の生成物ピークを得た。O-アセチル化のために、1.0マ
イクロモルの2-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-エタノールを、液体クロマトグラ
フィーによる精製の前または後のいずれかに、Speed-Vacロータリー濃縮器の中
のPierce反応バイアル中で乾燥した。乾燥したサンプルを、100μLの乾燥ピリジ
ン(Pierce、シリル化グレード)中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加
した。このサンプルを、室温、アルゴン下で24時間維持し、それから溶媒を窒素
気流下で除去した。約0.5mLのクロロホルム中でこのサンプルを可溶化し、そし
て再び窒素気流下で濃縮した。GCMSによる過-O-アセチル化した材料の分析は、
主に160(M+-42)、143(M+-59)、100、87および58での質量イオン(EIMS)および
多くのあまり豊富でないイオンを有する、糖誘導体であることを示した。これら
のデータは、この生成物が2-ヒドラジノエタノール三酢酸であることを示す。
W.1- デオキシ-1-(N'-メチルヒドラジノ)-D-グルシトール七酢酸
D-グルコース(0.100ミリモル)をPierce反応バイアル中で1.0mLのメチルヒド
ラジン(Aldrich Chemical Company)に溶解し、そして窒素下で、Pierce Tuf-b
ond テフロン-シリコーンシールを有する蓋でキャップした。このサンプルを、
室温で16時間静置した後、D-グルコースのメチルヒドラゾン誘導体に変換し、Sp
eed-Vac濃縮器中でエバポレートして樹脂状材料とした。容積1.0mLの水中のサン
プルを定量的に20mL試験管の中に移した。そして100mgの水素化ホウ素ナトリウ
ムを添加し、分子を還元して1-デオキシ-(N'-メチルヒドラジノ)-D-グルシトー
ルとした。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの氷酢酸を約3
0秒を越える間隔で滴下した。このサンプルを1.0mLの水で希釈した。これに200m
gの重炭酸ナトリウムを加え、時折かき混ぜて重炭酸塩を溶解させた。次いで、0
.100mLの無水酢酸を添加し、続いて穏やかにかき混ぜてその全てを溶解した。10
分後、別の0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそれを溶解
した。さらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そして、10mL〜12mLの十
分に水洗したDowex AG1-X8(100-200メッシュ、H+形態)を含むカラムにかけ、
ナトリウムを除去した。このカラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。全ての溶
離物をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1%
酢酸20mLと共に5回、そして20mLのメタノール単独で3回ロータリーエバポレー
トして乾燥させ、ホウ酸を除去した。その結果、1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチ
ル-N'-メチルヒドラジノ)-D-グルシトールを得た。このサンプルは、いくらかの
さらなるN,N'-ジアセチル-N-メチルヒドラジンを含有した。これを、下記のよう
に直接O-過アセチル化するか、あるいはO-アセチル化の前にクロマトグラフィ
ーによって精製した。クロマトグラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×
300mm)上で、アイソクラチックなアセトニトリル/水(85/15(容量/容量)
、1.0mL/分)を用いて、200nmの波長でモニターしながら、高速クロマトグラフ
ィーにより行い、32分で溶離する生成物を得た。過-O-アセチル化のために、1.
0マイクロモルの1-デオキシ-1-(N,N'-ジアセチル-N'-メチルヒドラジノ)-D-グル
シトールを、液体クロマトグラフィーによる精製の前または後のいずれかに、Sp
eed-Vacロータリー濃縮器の中のPierce反応バイアル中で乾燥した。乾燥したサ
ンプルを、100μLの乾燥ピリジン(Pierce、シリル化グレード)中に取り込み、
そして50μLの無水酢酸を添加した。このサンプルを、室温、アルゴン下で24時
間維持し、それから溶媒をSpeed-Vacロータリー濃縮器を用いて除去した。約0.5
mLのクロロホルム中でこのサンプルを可溶化し、そして再びSpeed-Vacロータリ
ー濃縮器を用いて濃縮した。次いで、高速原子衝突(FAB)MS分析のために、こ
のサンプルを20μLのクロロホルム中に取り込んだ。過-O-アセチル化した材料
の分析は、505(MH)+、463(MH-42)+および445(MH-60)+、ならびにさらなるナトリ
ウムイオンによる527(M+Na)+での質量イオン(FABMS)を有する、単一の糖誘導
体であることを示した。これらのデータは、この生成物が1-デオキシ-1-(N'-メ
チルヒドラジノ)-D-グルシトール七酢酸であることを示す。
X.2- デオキシ-2-ヒドラジノ-D-グリトール七酢酸および
2- デオキシ-2-ヒドラジノ-D-イジトール七酢酸
D-ソルボース(0.100ミリモル)をPierce反応バイアル中で1.0mLの無水ヒドラ
ジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)に溶解し、そして窒素下で、Pi
erce Tuf-bond テフロン-シリコーンシールを有する蓋でキャップした。このサ
ンプルを、室温で16時間静置した後、D-ソルボースのヒドラゾン誘導体に変換し
、Speed-Vac濃縮器中でエバポレートして樹脂状材料とした。容積1.0mLの水中の
サンプルを定量的に20mL試験管の中に移した。そして100mgの水素化ホウ素ナト
リウムを添加し、分子を還元して2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-グリトールおよび
2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-イジトールの混合物とした。24時間後、サンプルを
氷水浴中に置き、そして0.200mLの氷酢酸を約30秒を越える間隔で滴下した。こ
のサンプルを1.0mLの水で希釈した。これに200mgの重炭酸ナトリウムを加え、時
折かき混ぜて重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.100mLの無水酢酸を添加し、続
いて穏やかにかき混ぜてその全てを溶解した。10分後、別の0.100mLの無水酢酸
を添加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそれを溶解した。さらに50分後、サンプル
を5.0mLの水で希釈し、そして、10mL〜12mLの十分に水洗したDowex AG1-X8(100
-200メッシュ、H+形態)を含むカラムにかけ、ナトリウムを除去した。このカラ
ムを10mLの水でさらに5回洗浄した。全ての溶離物をロータリーエバポレートし
てほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1%酢酸20mLと共に5回、そして20mL
のメタノール単独で3回ロータリーエバポレートして乾燥させ、ホウ酸を除去し
た。その結果、2-デオキシ-2-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-グリトールおよ
びそのC-2エピマーである2-デオキシ-2-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-イジト
ールを得た。このサンプルは、いくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒドラジン
を含有した。これを、O-アセチル化の前にクロマトグラフィーによって精製し
た。クロマトグラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上で、ア
イソクラチックなアセトニトリル/水(85/15(容量/容量)、1.0mL/分)を
用いて、200nmの波長でモニターしながら、高速クロマトグラフィーにより行い
、34分で、両方のエピマーを含むややブロードな生成物ピークを得た。このサン
プルのFABMSによれば、281(MH)+ならびにさらなるナトリウムイオンによる303(M
+Na)+での分子イオンが得られた。過-O-アセチル化のために、2-デオキシ-2-(
N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-グリトールと2-デオキシ-2-(N,N'-ジアセチルヒ
ドラジノ)-D-イジトールとの精製した混合物(1.0マイクロモル)を、Speed-Vac
ロータリー濃縮器の中のPierce反応バイアル中で乾燥した。乾燥したサンプルを
、100μLの乾燥ピリジン(Pierce、シリル化グレード)中に取り込み、そして50
μ
Lの無水酢酸を添加した。このサンプルを、室温、アルゴン下で24時間維持し、
それから溶媒をSpeed-Vacロータリー濃縮器を用いて除去した。約0.5mLのクロロ
ホルム中でこのサンプルを可溶化し、そして再びSpeed-Vacロータリー濃縮器を
用いて濃縮した。次いで、FABMS分析のために、このサンプルを20μLのクロロホ
ルム中に取り込んだ。この分析は、491(MH)+、449(MH-42)+および431(MH-60)+、
ならびにナトリウムイオンの存在による513(M+Na)+での質量イオンを有する、
過-O-アセチル化生成物であることを示した。GCMSによる過-O-アセチル化生成
物の分析は、1つのクロマトグラフ系において、ほぼ同じフラグメンテーション
パターンを有する2つのピークを与えた。両方のピークのEIMSにより、両方に対
して、多くのあまり豊富でないピークと共に、主にm/z 371、269、159、153、99
および84の質量イオンが得られた。これらのデータは、これらの生成物が2-デオ
キシ-2-ヒドラジノ-D-グリトール七酢酸および2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-イジ
トール七酢酸であることを示す。
Y.2- デオキシ-2-ヒドラジノ-D-グルシトール七酢酸および
2- デオキシ-2-ヒドラジノ-D-マンニトール七酢酸
D-フルクトース(0.100ミリモル)をPierce反応バイアル中1.0mLの無水ヒドラ
ジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)に溶解し、そして窒素下で、Pi
erce Tuf-bond テフロン-シリコーンシールを有する蓋でキャップした。このサ
ンプルを、室温で16時間静置した後、D-フルクトースのヒドラゾン誘導体に変換
し、Speed-Vac濃縮器中でエバポレートして樹脂状材料とした。容積1.0mLの水中
のサンプルを定量的に20mL試験管の中に移した。そして100mgの水素化ホウ素ナ
トリウムを添加し、分子を還元して2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-グルシトールお
よび2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-マンニトールの混合物とした。24時間後、サン
プルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの氷酢酸を約30秒を越える間隔で滴下し
た。このサンプルを1.0mLの水で希釈した。これに200mgの重炭酸ナトリウムを加
え、時折かき混ぜて重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.100mLの無水酢酸を添加
し、続いて穏やかにかき混ぜてその全てを溶解した。10分後、別の0.100mLの無
水酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそれを溶解した。さらに50分後、
サンプルを5.0mLの水で希釈し、そして、10mL〜12mLの十分に水洗したDowex AG1
-X8(100-200メッシュ、H+形態)を含むカラムにかけ、ナトリウムを除去した。
このカラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。全ての溶離物をロータリーエバポ
レートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1%酢酸20mLと共に5回、そ
して20mLのメタノール単独で3回ロータリーエバポレートして乾燥させ、ホウ酸
を除去した。その結果、2-デオキシ-2-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-グルシ
トールおよびそのC-2エピマーである2-デオキシ-2-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ
)-D-マンニトールを得た。このサンプルは、いくらかのさらなるN,N'-ジアセチ
ルヒドラジンを含有した。これを、O-アセチル化の前にクロマトグラフィーに
よって精製した。クロマトグラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300m
m)上で、アイソクラチックなアセトニトリル/水(85/15(容量/容量)、1.0
mL/分)を用いて、200nmの波長でモニターしながら、高速クロマトグラフィー
により行い、33分および36分で、それぞれ60/40の相対量の生成物ピークを得た
。過-O-アセチル化のために、2-デオキシ-2-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-
グルシトールと2-デオキシ-2-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-マンニトールと
の混合物(1.0マイクロモル)を、Speed-Vacロータリー濃縮器の中のPierce反応
バイアル中で乾燥した。乾燥したサンプルを、100μLの乾燥ピリジン(Pierce、
シリル化グレード)中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加した。このサ
ンプルを、室温、アルゴン下で24時間維持し、それから溶媒をSpeed-Vacロータ
リー濃縮器を用いて除去した。約0.5mLのクロロホルム中でこのサンプルを可溶
化し、そして再びSpeed-Vacロータリー濃縮器を用いて濃縮した。このサンプル
を、1.0mLクロロホルム中に取り込んだ。GCMSによる過-O-アセチル化生成物の
分析によれば、ほぼ同じフラグメンテーションパターンを有する2つのピークが
得られた。両方のピークのEIMSは、両方に対して、多くのあまり豊富でないイオ
ンと共に、主にm/z 371、269、159、153、99および84の質量イオンを与えた。こ
れらのデータは、これらの生成物が2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-グルシトール七
酢酸および2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-マンニトール七酢酸であることを示す。
Z.2- デオキシ-2-ヒドラジノ-D-ガラクチトール七酢酸および
2- デオキシ-2-ヒドラジノ-D-タリトール七酢酸
D-タガトース(0.100ミリモル)をPierce反応バイアル中で1.0mLの無水ヒドラ
ジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)に溶解し、そして窒素下で、Pi
erce Tuf-bond テフロン-シリコーンシールを有する蓋でキャップした。このサ
ンプルを、室温で16時間静置した後、D-タガトースのヒドラゾン誘導体に変換し
Speed-Vac濃縮器中でエバポレートして樹脂状材料とした。容積1.0mLの水中のサ
ンプルを定量的に20mL試験管の中に移した。そして100mgの水素化ホウ素ナトリ
ウムを添加し、分子を還元して2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-ガラクチトールおよ
び2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-タリトールの混合物とした。24時間後、サンプル
を氷水浴中に置き、そして0.200mLの氷酢酸を約30秒を越える間隔で滴下した。
このサンプルを1.0mLの水で希釈した。これに200mgの重炭酸ナトリウムを加え、
時折かき混ぜて重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.100mLの無水酢酸を添加し、
続いて穏やかにかき混ぜてその全てを溶解した。10分後、別の0.100mLの無水酢
酸を添加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそれを溶解した。さらに50分後、サンプ
ルを5.0mLの水で希釈し、そして、10mL〜12mLの十分に水洗したDowex AG1-X8(1
00-200メッシュ、H+形態)を含むカラムにかけ、ナトリウムを除去した。このカ
ラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。全ての溶離物をロータリーエバポレート
してほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1%酢酸20mLと共に5回、そして20
mLのメタノール単独で3回ロータリーエバポレートして乾燥させ、ホウ酸を除去
した。その結果、2-デオキシ-2-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-ガラクチトー
ルおよびそのC-2エピマーである2-デオキシ-2-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-
タリトールを得た。このサンプルは、いくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒド
ラジンを含有した。これを、O-アセチル化の前にクロマトグラフィーによって
精製した。クロマトグラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上
で、アイソクラチックなアセトニトリル/水(85/15(容量/容量)、1.0mL/
分)を用いて、200nmの波長でモニターしながら、高速クロマトグラフィーによ
り行い、32分および35分で、それぞれ30/70の相対量の生成物ピークを得た。過-
O-アセチル化のために、2-デオキシ-2-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-ガラク
チトールと2-デオキシ-2-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-タリトールとの混合
物(1.0マイクロモル)を、Speed-Vacロータリー濃縮器の中のPierce反応バイア
ル中で乾燥した。乾燥したサンプルを、100μLの乾燥ピリジン(Pierce、シリル
化グレード)中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加した。このサンプル
を、室温、アルゴン下で24時間維持し、それから溶媒をSpeed-Vacロータリー濃
縮器を用いて除去した。約0.5mLのクロロホルム中でこのサンプルを可溶化し、
そして再びSpeed-Vacロータリー濃縮器を用いて濃縮した。このサンプルを1.0mL
のクロロホルム中に取り込んだ。GCMSによる過-O-アセチル化生成物の分析によ
れば、ほぼ同じフラグメンテーションパターンを有する2つのピークが得られた
。両方のピークのEIMSによれば、両方に対して、多くのあまり豊富でないイオン
と共に、主にm/z 371、269、159、153、99および84の質量イオンが得られた。こ
れらのデータは、これらの生成物が2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-ガラクチトール
七酢酸および2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-タリトール七酢酸であることを示す。
AA.2- デオキシ-2-ヒドラジノ-D-アリトール七酢酸および
2- デオキシ-2-ヒドラジノ-D-アルトリトール七酢酸
D-プシコース(0.100ミリモル)をPierce反応バイアル中で1.0mLの無水ヒドラ
ジン(PierceまたはAldrich Chemical Company)に溶解し、そして窒素下で、Pi
erce Tuf-bond テフロン-シリコーンシールを有する蓋でキャップした。このサ
ンプルを、室温で16時間静置した後、D-プシコースのヒドラゾン誘導体に変換し
、Speed-Vac濃縮器中でエバポレートして樹脂状材料とした。容積1.0mLの水中の
サンプルを定量的に20mL試験管の中に移した。そして100mgの水素化ホウ素ナト
リウムを添加し、分子を還元して2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-アリトールおよび
2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-アルトリトールの混合物とした。24時間後、サンプ
ルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの氷酢酸を約30秒を越える間隔で滴下した
。このサンプルを1.0mLの水で希釈した。これに200mgの重炭酸ナトリウムを加え
、時折かき混ぜて重炭酸塩を溶解させた。次いで、0.100mLの無水酢酸を添加し
、続いて穏やかにかき混ぜてその全てを溶解した。10分後、別の0.100mLの無水
酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混ぜてそれを溶解した。さらに50分後、サン
プルを5.0mLの水で希釈し、そして、10mL〜12mLの十分に水洗したDowex AG1-X8
(1
00-200メッシュ、H+形態)を含むカラムにかけ、ナトリウムを除去した。このカ
ラムを10mLの水でさらに5回洗浄した。全ての溶離物をロータリーエバポレート
してほぼ乾燥させ、次いで、メタノール中の1%酢酸20mLと共に5回、そして20
mLのメタノール単独で3回ロータリーエバポレートして乾燥させ、ホウ酸を除去
した。その結果、2-デオキシ-2-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-アリトールお
よびそのC-2エピマーである2-デオキシ-2-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-アル
トリトールを得た。このサンプルは、いくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒド
ラジンを含有した。これを、O-アセチル化の前にクロマトグラフィーによって
精製した。クロマトグラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上
で、アイソクラチックなアセトニトリル/水(85/15(容量/容量)、1.0mL/
分)を用いて、200nmの波長でモニターしながら、高速クロマトグラフィーによ
り行い、31分および33分で、それぞれ20/80の相対量の生成物ピークを得た。過-
O-アセチル化のために、2-デオキシ-2-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-アリト
ールと2-デオキシ-2-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-D-アルトリトールとの混合
物(1.0マイクロモル)を、Speed-Vacロータリー濃縮器の中のPierce反応バイア
ル中で乾燥した。乾燥したサンプルを、100μLの乾燥ピリジン(Pierce、シリル
化グレード)中に取り込み、そして50μLの無水酢酸を添加した。このサンプル
を、室温、アルゴン下で24時間維持し、それから溶媒をSpeed-Vacロータリー濃
縮器を用いて除去した。約0.5mLのクロロホルム中でこのサンプルを可溶化し、
そして再びSpeed-Vacロータリー濃縮器を用いて濃縮した。このサンプルを1.0mL
のクロロホルム中に取り込んだ。GCMSによる過-O-アセチル化生成物の分析によ
れば、ほぼ同じフラグメンテーションパターンを有する2つのピークが得られた
。両方のピークのEIMSによれば、両方に対して、多くのあまり豊富でないイオン
と共に、主にm/z 371、269、159、153、99および84の質量イオンを与えた。これ
らのデータは、これらの生成物が2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-アリトール七酢酸
および2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-アルトリトール七酢酸であることを示す。
実施例2
オリゴ糖類の還元末端での単糖類からのジアセチルヒドラジノ単糖類誘導体の
合成、およびその後に行われる還元単糖類誘導体の同定
本実施例は、オリゴ糖類の還元末端に存在する単糖類からの本発明の単糖類誘
導体の合成を示す。以下に記載される各誘導体の収率は、95%より高かった。
A.4- O-β-D-ガラクトピラノシル-D-グルコースからの1-デオキシ-1-ヒドラジ
ノ-D-グルシトール七酢酸の調製および還元単糖類の同定
4-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-グルコース(0.050ミリモル)をPierce反応
バイアル中で1.0mLの無水ヒドラジン(PierceまたはAldrich Chemical Company
)に溶解し、そして窒素下で、Pierce Tuf-bond テフロン-シリコーンシールを
有する蓋でキャップした。このサンプルを、室温で16時間静置した後、4-O-β-
D-ガラクトピラノシル-D-グルコースのヒドラゾン誘導体に変換し、Speed-Vac濃
縮器中でエバポレートして樹脂状材料とした。容積1.0mLの水中のサンプルを定
量的に20mL試験管の中に移した。そして100mgの水素化ホウ素ナトリウムを添加
し、分子を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-4-O-β-D-ガラクトピラノシル-D
-グルシトールとした。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの
氷酢酸を約30秒を越える間隔で滴下した。このサンプルを1.0mLの水で希釈した
。これに200mgの重炭酸ナトリウムを加え、時折かき混ぜて重炭酸塩を溶解させ
た。次いで、0.100mLの無水酢酸を添加し、続いて穏やかにかき混ぜてその全て
を溶解した。10分後、別の0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混
ぜてそれを溶解した。さらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そして、1
0mL〜12mLの十分に水洗したDowex AG1-X8(100-200メッシュ、H+形態)を含むカ
ラムにかけ、ナトリウムを除去した。このカラムを10mLの水でさらに5回洗浄し
た。全ての溶離物をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノ
ール中の1%酢酸20mLと共に5回、そして20mLのメタノール単独で3回ロータリ
ーエバポレートして乾燥させ、ホウ酸を除去した。その結果、1-デオキシ-1-(N,
N'-ジアセチルヒドラジノ)-4-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-グルシトールを得
た。
このサンプルは、いくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒドラジンを含有した
。
これを、クロマトグラフィーによる糖誘導体の精製によって除去した。クロマト
グラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上で、アイソクラチッ
クなアセトニトリル/水(79/21(容量/容量)、1.0mL/分)を用いて、200nm
の波長でモニターしながら、高速クロマトグラフィーによって行い、41分で単一
ピークとして単一の糖成分を得た。
クロマトグラフによる精製の前または後のいずれかに、この生成物(1-デオキ
シ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-4-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-グルシト
ール)(1.0マイクロモル)を、1.0mLの2.0M HCl中、100℃で3時間、窒素下でシ
ールしたバイアル中で加水分解した。シールを取り除き、そしてロータリーエバ
ポレートし、乾燥した。次いで、小さいバイアルに移し、そして濃縮し、乾燥し
た。残留物質を50μLの無水酢酸中に取り込み、その後直ちに、100μLのピリジ
ンと混合した。室温、窒素下で16時間〜24時間後、サンプルをSpeed-Vacロータ
リー濃縮器で濃縮し、続いて、約0.5mLのクロロホルムで洗浄した。この物質を1
.0mLのクロロホルム中に取り込み、そしてGCMSによって分析した。標準(authen
tic)化合物と共に行うクロマトグラフの共移動(comigration)、ならびに低い
フィラメント出力による448(M+-42)、129および87でのEIMSイオンに基づき、こ
のようにして得られた過-O-アセチル化生成物を1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-グ
ルシトール七酢酸であると同定した。
B.3- O-β-D-ガラクトピラノシル-D-アラビノースからの1-デオキシ-1-ヒドラ
ジノ-D-アラビニトール六酢酸の調製および還元単糖類の同定
3-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-アラビノース(0.50ミリモル)をPierce反
応バイアル中で1.0mLの無水ヒドラジン(PierceまたはAldrich Chemical Compan
y)に溶解し、そして窒素下で、Pierce Tuf-bond テフロン-シリコーンシールを
有する蓋でキャップした。このサンプルを、室温で16時間静置した後、3-O-β-
D-ガラクトピラノシル-D-アラビノースのヒドラゾン誘導体に変換し、Speed-Vac
濃縮器中でエバポレートして樹脂状材料とした。容積1.0mLの水中のサンプルを
定量的に20mL試験管の中に移した。そして100mgの水素化ホウ素ナトリウムを添
加し、分子を還元して1-デオキシ-1-ヒドラジノ-3-O-β-D-ガラクトピラノシル
-D-アラビニトールとした。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、そして0.200
mLの氷酢酸を約30秒を越える間隔で滴下した。このサンプルを1.0mLの水で希釈
した。これに200mgの重炭酸ナトリウムを加え、時折かき混ぜて重炭酸塩を溶解
させた。次いで、0.100mLの無水酢酸を添加し、続いて穏やかにかき混ぜてその
全てを溶解した。10分後、別の0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかにか
き混ぜてそれを溶解した。さらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そし
て、10mL〜12mLの十分に水洗したDowex AG1-X8(100-200メッシュ、H+形態)を
含むカラムにかけ、ナトリウムを除去した。このカラムを10mLの水でさらに5回
洗浄した。全ての溶離物をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、
メタノール中の1%酢酸20mLと共に5回、そして20mLのメタノール単独で3回ロ
ータリーエバポレートして乾燥させ、ホウ酸を除去した。その結果、1-デオキシ
-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-3-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-アラビニト
ールを得た。
このサンプルは、いくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒドラジンを含有した
。これを、クロマトグラフィーによる糖誘導体の精製によって除去した。クロマ
トグラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上で、アイソクラチ
ックなアセトニトリル/水(79/21(容量/容量)、1.0mL/分)を用いて、200
nmの波長でモニターしながら、高速クロマトグラフィーによって行い、37.5分で
単一ピークとして単一の糖成分を得た。
クロマトグラフによる精製の前または後のいずれかに、この生成物(1-デオキ
シ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-3-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-アラビニ
トール)(1.0マイクロモル)を、1.0mLの2.0M HCl中、100℃で3時間、窒素下で
シールしたバイアル中で加水分解した。シールを取り除き、そしてロータリーエ
バポレートし、乾燥した。次いで、小さいバイアルに移し、そして濃縮し、乾燥
した。残留物質を50μLの無水酢酸中に取り込み、その後直ちに、100μLのピリ
ジンと混合した。室温、窒素下で16時間〜24時間後、サンプルをSpeed-Vacロー
タリー濃縮器で濃縮し、続いて、約0.5mLのクロロホルムで洗浄した。この物質
を1.0mLのクロロホルム中に取り込み、そしてGCMSによって分析した。標準化合
物と共に行うクロマトグラフの共移動、および低いフィラメント出力による376
(M+-42)、129および87でのEIMSイオンに基づき、このようにして得られた過-O-
アセチル化生成物を1-デオキシ-1-ヒドラジノ-D-アラビニトール六酢酸であると
同定した。
C.2- アセトアミド-2-デオキシ-4-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-グルコース からの2-アミノ-1,2-ジデオキシ-1-ヒドラジノ-D-グルシトール七酢酸の調製
および還元単糖類の同定
2-アセトアミド-2-デオキシ-4-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-グルコース(0
.355ミリモル)をPierce反応バイアル中で1.0mLの無水ヒドラジン(Pierceまた
はAldrich Chemical Company)に溶解し、そして窒素下で、Pierce Tuf-bond テ
フロン-シリコーンシールを有する蓋でキャップした。このサンプルを、室温で1
6時間静置した後、2-アセトアミド-2-デオキシ-4-O-β-D-ガラクトピラノシル-
D-グルコースのヒドラゾン誘導体に変換し、Speed-Vac濃縮器中でエバポレート
して樹脂状材料とした。容積1.0mLの水中のサンプルを定量的に20mL試験管の中
に移した。そして100mgの水素化ホウ素ナトリウムを添加し、分子を還元して2-
アセトアミド-1,2-ジデオキシ-1-ヒドラジノ-4-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-
グルシトールとした。24時間後、サンプルを氷水浴中に置き、そして0.200mLの
氷酢酸を約30秒を越える間隔で滴下した。このサンプルを1.0mLの水で希釈した
。これに200mgの重炭酸ナトリウムを加え、時折かき混ぜて重炭酸塩を溶解させ
た。次いで、0.100mLの無水酢酸を添加し、続いて穏やかにかき混ぜてその全て
を溶解した。10分後、別の0.100mLの無水酢酸を添加し、溶液を穏やかにかき混
ぜてそれを溶解した。さらに50分後、サンプルを5.0mLの水で希釈し、そして、1
0mL〜12mLの十分に水洗したDowex AG1-X8(100-200メッシュ、H+形態)を含むカ
ラムにかけ、ナトリウムを除去した。このカラムを10mLの水でさらに5回洗浄し
た。全ての溶離物をロータリーエバポレートしてほぼ乾燥させ、次いで、メタノ
ール中の1%酢酸20mLと共に5回、そして20mLのメタノール単独で3回ロータリ
ーエバポレートして乾燥させ、ホウ酸を除去した。その結果、2-アセトアミド-1
,2-ジデオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-4-O-β-D-ガラクトピラノシル
-D-グルシトールを得た。
このサンプルは、いくらかのさらなるN,N'-ジアセチルヒドラジンを含有した
。これを、クロマトグラフィーによる糖誘導体の精製によって除去した。クロマ
トグラフィーは、Waters GlycoPak Nカラム(7.8×300mm)上で、アイソクラチ
ックなアセトニトリル/水(79/21(容量/容量)、1.0mL/分)を用いて、200
nmの波長でモニターしながら、高速クロマトグラフィーによって行い、35分での
ピークとして主要な糖成分を得た。
クロマトグラフによる精製の前または後のいずれかに、この生成物(2-アセト
アミド-1,2-ジデオキシ-1-(N,N'-ジアセチルヒドラジノ)-4-O-β-D-ガラクトピ
ラノシル-D-グルシトール)(1.0マイクロモル)を、1.0mLの2.0M HCl中、100℃で
3時間、窒素下でシールしたバイアル中で加水分解した。シールを取り除き、そ
してロータリーエバポレートし、乾燥した。次いで、小さいバイアルに移し、そ
して濃縮し、乾燥した。残留物質を50μLの無水酢酸中に取り込み、その後直ち
に、100μLのピリジンと混合した。室温、窒素下で16時間〜24時間後、サンプル
をSpeed-Vacロータリー濃縮器で濃縮し、続いて、約0.5mLのクロロホルムで洗浄
した。この物質を1.0mLのクロロホルム中に取り込み、そしてGCMSによって分析
した。標準化合物と共に行うクロマトグラフの共移動、および374、251、181、1
39、114、96、87および84でのEIMSイオンに基づき、このようにして得られた過-
O-アセチル化生成物を2-アミノ-1,2-ジデオキシ-1-ヒドラジノ-D-グルシトール
七酢酸であると同定した。
実施例3
N-アセチル化誘導体の精製
N-アセチル化した単糖類誘導体を、85%アセトニトリル、15%水に溶解し、
流速1.0mL/分で、85%アセトニトリル、15%水を用いるHPLCカラム(Waters、G
lyco Pak N、7.8×300mm)を使用するアイソクラチックなクロマトグラフィーに
より、大まかに精製した。前述の還元単糖類で誘導体化されるオリゴ糖類もまた
、65/35〜約80/20の範囲の容積比のアセトニトリル/水を用いた、同様のカラ
ム
で精製される。紫外光吸収を、200nmの波長でモニターした。これらの条件下で
、主要な不純物(N,N'-ジアセチルヒドラジン)が見出され、約20分後に溶離さ
れた。一方、誘導体化された単糖類は、その後に溶離された。
図5a〜gは、単糖類の特定のクラスの代表として、いくつかの1-デオキシ-1-(N
,N'-ジアセチルヒドラジノ)アルジトールの溶離プロフィールを示す:トリオー
スとして(Figure 5a)、D-グリセルアルデヒドの誘導体;テトロースとして(F
igure 5b)、D-トレオースの誘導体;ペントースとして(Figure 5c)、D-キシ
ロースの誘導体;ヘキソースとして(Figure 5d)、D-グルコースの誘導体;ア
ミノ糖として(Figure 5e)、2-アミノ-2-デオキシ-D-ガラクトースのN-アセチ
ル誘導体;デオキシ糖として(Figure 5f)、6-デオキシ-L-ガラクトース(L-フ
コース)の誘導体;1つ以上のアルコキシエーテル置換基を有する糖として(Fig
ure 5g)、3-O-メチル-D-グルコース誘導体。各図において、第1の主要ピーク
(約20分)は、N,N'-ジアセチルヒドラジンに対応し、第2の主要ピーク(*で
示される)は、誘導体に対応する。
実施例4
完全アセチル化誘導体のクロマトグラフィーによる分離
Extrel ELQ 400 MSまたはFinnigan MAT 大型質量分析計と接続したHewlett-Pa
ckard 5890 GC上あるいはVarianガスクロマトグラフ上のいずれかで分離を行な
った。キャリアガスはヘリウムであった。質量分析法を用いて、標準的には、電
子衝撃モードまたは化学的イオン化モードで総イオンカレントモニターを用いて
検出を行った。
完全アセチル化誘導体を用いて行われたクロマトグラフィーによる分離のいく
つかを、図6a〜fに示す:図6aは、4つのD-ペントースおよび2つの6-デオキシ
ヘキソース(D-リボース、D-リキソース、D-アラビノース、D-キシロース、L-フ
コースおよびL-ラムノース)(約50ピコモル)の分離を示し、ここで、検出は総
イオンカレントモニターを用いて行った。図6bは、1つの6-デオキシヘキソース
(L-フコース)および6つのヘキソース(D-アロース、D-タロース、D-アルトロ
ース、D-グルコース、D-マンノースおよびD-ガラクトース)(約50ピコモル)の
分離を示し、ここで、検出は総イオンカレントモニターを用いて行った。図6cで
は、1ピコモルのレベルで同じD-ヘキソースを各々分離し、そして電子衝撃モー
ドで質量分析法を用いて検出した。図6dは、1ピコモルのレベルで同じD-ヘキソ
ースの分離を、各々、イソブタンを用いる化学的イオン化モードで質量分析法に
よって検出した。図6eは、D-フルクトースから誘導される、完全にアセチル化さ
れた2-デオキシ-2-ヒドラジノアルジトールエピマーのGC分離を示し、全スペク
トルから選択イオン99および159を抜粋した。この生成物は、2-デオキシ-2-ヒド
ラジノ-D-グルシトール七酢酸および2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-マンニトール
七酢酸である。最後に、図6fは、D-タガトースから誘導される、完全にアセチル
化された2-デオキシ-2-ヒドラジノアルジトールエピマーのGC分離を示し、全ス
ペクトルから選択イオン99および159を抜粋した。この生成物は、2-デオキシ-2-
ヒドラジノ-D-ガラクチトール七酢酸および2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-タリト
ール七酢酸である。
実施例5
完全アセチル化誘導体の質量スペクトル分析
図7a〜7iは、誘導体の特定のクラスの代表として、完全にアセチル化された1-
デオキシ-1-ヒドラジノアルジトールまたは2-デオキシ-2-ヒドラジノアルジトー
ルの電子衝撃質量スペクトルを示す:図7aは、D-グルコース誘導体であるアルド
ヘキソースに関する(挿入図に示される、低いフィラメント出力で得られたスペ
クトル);図7bは、D-リボース誘導体であるアルドペントースに関する;図7cは
、2-アセトアミド-2-デオキシ-D-グルコースである2-アセトアミド-2-デオキシ
ヘキソースに関する;図7dは、L-ラムノースである6-デオキシアルドヘキソース
に関する;図7eは、3-O-メチル-D-グルコースである3-O-メチルアルドヘキソ
ースに関する;図7fは、D-エリトロースであるアルドテトロースに関する;図7g
は
D-グルセルアルデヒドであるアルドトリオースに関する;図7hは、D-フルクトー
ス、完全にアセチル化された2-デオキシ-2-ヒドラジノ-D-グルシトールまたは2-
デオキシ-2-ヒドラジノ-D-マンニトールから誘導されるエピマー対の1つである
であるケトヘキソースに関する;図7iは、グリコールアルデヒドである。
実施例6
分析の特定の問題に対する、完全アセチル化誘導体、ガス
クロマトグラフィー、および質量分析法の組み合わせによる使用
図8aおよびbは、MSによってモニターした、4つのペントースおよび2つの6-
デオキシヘキソース(D-リボース、D-アラビノース、D-リキソース、D-キシロー
ス、L-ラムノースおよびL-フコース)の、完全にアセチル化された1-デオキシ-1
-ヒドラジノアルジトール誘導体のクロマトグラフィーによるプロフィールを示
す。両方の図の上部に、総イオンカレントを示す。総イオンカレントは、「x」
で示された非炭水化物の不純物と、実質的に同時に移動するために総イオンカレ
ントによって明瞭に区別することのできない2つの誘導体(D-リボースおよびL-
フコース)とを示す。しかし、m/z 210の選択イオン(6-デオキシヘキソース
に特有、図8aの下部)が、全スペクトルから抜粋され得、この質量でペントース
を「暗黙に(silent)」表す。同様に、m/z 359の選択イオン(ペントースに特
有、8bの下部)が、全スペクトルから抜粋され得、この質量で6-デオキシヘキソ
ースを「暗黙に」表す。全スペクトルからのさらなるイオンは、同じ保持時間で
両方の化合物が存在することを確証するためにプロットされ得るか、あるいは2
つより多い化合物がサンプルの複合混合物中で共移動し得るかどうかを決定する
ために用いられ得る。
図9a〜cは、MSによってモニターした、2つのアルドテトロース、4つのアル
ドペントース、8つのアルドヘキソース、4つのケトヘキソースおよび1つの3-
O-メチルアルドヘキソース(D-エリトロース(D-erthrose)、D-トレオース、D-
リボース、D-リキソース、D-アラビノース、D-キシロース、D-アロース、D-タ
ロース、D-アルトロース、D-マンノース、D-グルコース、D-グロース、D-イドー
ス、D-ガラクトース、D-プシコース、D-タガトース、D-フルクトース、D-ソルボ
ースおよび3-O-メチルグルコース)の、完全にアセチル化された1-デオキシ-1-
ヒドラジノアルジトール誘導体および2-デオキシ-2-ヒドラジノアルジトール誘
導体のガスクロマトグラフィーによるプロフィールを示す。(a)では、総イオン
カレントを示す。(b)では、アルドースに特有の、m/z 87の選択イオンを抜粋し
た。(c)では、ケトースに選択的な、m/z 371の選択イオンを抜粋した。非炭水
化物の不純物を「x」で示した。アルドースおよびケトースを、単一イオン(87)
の有無に基づいて明確に区別した。全スペクトルから抜粋したイオンの比と、保
持時間とを組み合わせて使用することによって、特に1つより多くのGCカラムを
用いる場合に、立体異性体の複雑な混合物のほとんどを確認し得る。
例示の目的で、本明細書において本発明の特定の実施態様が記載してきたが、
種々の改変が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われ得ることは
、上記より明白である。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
G01N 30/74 G01N 30/74 E
30/88 30/88 N
31/00 31/00 V