JPH11501592A - 走行安定性コントロール装置 - Google Patents

走行安定性コントロール装置

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JPH11501592A JP8517127A JP51712796A JPH11501592A JP H11501592 A JPH11501592 A JP H11501592A JP 8517127 A JP8517127 A JP 8517127A JP 51712796 A JP51712796 A JP 51712796A JP H11501592 A JPH11501592 A JP H11501592A
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Abstract

(57)【要約】 カーブ走行中に4輪自動車のヨーイングモーメントを制御する装置は、車両参照モデル(12)と、或る走行状況でヨーイングモーメント制御を指示するアクティベーションロジック(11)を備えている。少なくとも、車両が後退走行中であるかどうかの情報を、状況認識ユニット(13)がアクティベーションロジック(11)に与え、後退走行時にアクティベーションロジック(11)がヨーイングモーメント制御を許容しない。

Description

【発明の詳細な説明】 走行安定性コントロール装置 走行安定性をコントロールするためのシステム 1.走行安定性コントロール(FSR)の一般的構造 走行安定性コントロール(FSR)の概念の下では、個々の車輪ブレーキの予 め設定可能な圧力と、駆動エンジンのエンジン管理への介入によって、車両の走 行状態を左右するための4つの原理が一つにまとめられる。この4つの原理は、 制動中個々の車輪のロックを防止するブレーキスリップコントロール(ABS) と、駆動される車輪の空転を防止するトラクションスリップコントロール(AS R)と、車両の前車軸と後車軸の間のブレーキ力の比を制御する電子式ブレーキ 力分配(EBV)と、カーブを通過するときに安定した走行状態を達成するヨー イングモーメントコントロール(GMR)である。 この場合、車両は4個の車輪と油圧式ブレーキ装置を備えた自動車を指す。油 圧式ブレーキ装置では、運転者はペダル操作式マスターシリンダによってブレー キ圧力を発生することができる。各々の車輪は、それぞれ入口弁と出口弁を付設 したブレーキを備えている。車輪ブレーキは入口弁を介してマスターシリンダに 接続され、出口弁は無圧のタンクまたは低圧溜めに通じている。更に、補助圧力 源が設けられている。この補助圧力源はブレーキペダルの位置とは無関係に、車 輪ブレーキに圧力を加えることができる。入口弁と出口弁は車輪ブレーキの圧力 を制御するために電磁的に操作可能である。 走行中の動的状態を検出するために、各車輪あたり1個、合計4個の回転数セ ンサと、ヨーイング速度測定器と、横方向加速度測定器と、ブレーキペダルによ って発生するブレーキ圧力のための少なくとも1個の圧力センサが設けられてい る。その際、運転者によって加えられるブレーキ圧力が補助圧力源のブレーキ圧 力と区別できないように補助圧力源が配置されている場合には、圧力センサはペ ダルストローク測定器またはベダル力測定器によって置き換え可能である。 このような多数のセンサの場合、フォールバック策が実施されていると有利で ある。これは、センサの部品が故障したときに、この部品に割り当てられた制御 の一部だけが停止することを意味する。例えばヨーイング速度測定器が故障する と、ヨーイングモーメントコントロールは行われないが、ABS、ASRおよび EBVは機能し続ける。すなわち、走行安定性コントロールは残りの3つの機能 に制限される。 走行安定性コントロールを行うと、運転者にとって臨界状況で良好に走行を支 配できるようにあるいは臨界状況が最初から回避されるように、車両の走行状態 に影響が与えられる。この場合、臨界状況は不安定な走行状態であり、極端な場 合には車両が運転者の指示に従わない状態である。すなわち、走行安定性コント ロールの機能は、このような状況下で物理的な限界内で運転者の所望する車両状 態を車両に付与することにある。 ブレーキスリップコントロール、トラクションコントロールおよび電子式ブレ ーキ力分配にとって先ず第1に、道路上でのタイヤの縦方向スリップが重要であ るが、ヨーイングモーメントコントロール(GMR)には、他の変数(量)、例 ヨーイングモーメントコントロールのために、いろいろな車両参照モデルを用 いることができる。最も簡単な場合、単一トラックモデル(単軌道モデル)に基 づいて演算が行われる。すなわち、このモデルでは前輪と後輪はそれぞれ対をな して、車両縦軸線上にある1個の車輪にまとめられている。二トラックモデルの 場合、演算は非常に複雑になる。しかし、二トラックモデルの場合、質点の横方 向のずれ(ローリング運動)を考慮することができるので、結果は正確である。 単一トラックモデルにとって、状態空間表示では次の式が当てはまる。 F1.1 F1.2 を得る。その際、モデル係数ciiは次のようにして求められる。 F1.3 その際、chとcvは後車軸または前車軸におけるタイヤの弾性、車輪懸架装置の 弾性および操舵装置の弾性から生じる強度を示している。lhとlvは車両重心か らの後車軸と前車軸の距離を示している。Θは車両のヨーイング慣性モーメント 、すなわち垂直軸線回りの車両の慣性モーメントである。 このモデルでは、縦方向の力と重心移動は考慮されない。これらの近似は小さ な角速度についてのみ当てはまる。すなわち、このモデルの精度はカーブの曲率 半径が小さくなるにつれて、および速度が速くなるにつれて低下する。しかしな がら、演算作業は簡単である。この単一トラックモデルに関する他の実際は、本 “走行装置技術;走行状態”(アダム ゾモートル著、フォーゲル出版社、ヴュ ルブルグ、1987年)に記載されている。 ドイツ連邦共和国特許出願公開第4030704号公報に、車両のための二ト ラックモデルが提案されている。このモデルの精度は単一トラックモデルよりも かし、二トラックモデルを使用するときには、充分に短い時間で制御介入を行う ことができるようにするためには、膨大な演算能力を必要とすることに留意すべ きである。 アンチロックコントロールのためには単一車輪回転数が重要であり、走行方向 はロック危険の認識にとって大したことではないが、ヨーイングモーメントコン トロールの場合には、前進走行と後退走行の区別を省略することはできない。車 両のステアリングホーイルを例えば右に切ると、車両は前進走行時には時計回り に動く。しかし、後退走行時には反時計回りに動く。すなわち、車両のヨー角速 度は走行方向に応じて異なる正負符号を有する。ヨーイングモーメントコントロ ールに介入するときにやっかいな結果となる。というのは、車輪の回転数測定器 が通常の場合には前進と後退の区別をしないで、車輪速度だけを値で伝えるから である。 目標ヨー速度の演算は前進走行と仮定して行われる。しかし、車両が実際にカ ーブを後退していると、測定されたその目標ヨー角速度は正確ではなく、目標ヨ ー角速度からの偏差が大きいので、車両が不安定な走行状況にあることが予想さ れる。本発明の課題は、後退走行時にこのような誤った推定が生じない、請求項 1の上位概念に記載した、車両のヨーイングモーメントを制御するための装置を 提供することにある。 本発明は、状況認識ユニットが後退走行を確認するときに、ヨーイングモーメ ント制御を簡単に停止することにある。 しかし、目標ヨー角速度と測定されたヨー角速度の反対向きの正負符号は必ず しも、後退走行であることの確実な表示ではない。例えば、車両の実際のヨー角 速度、すなわち測定されたヨー角速度が目標ヨー角速度に遅れて追従する状況が あり得る。例えば“ウェーデルン(頻繁な交替)”のときのこのような異なる符 号は、ヨーイングモーメント制御が最初から行われないことになる。これは反対 に、このような状況は、車両のヨーイングモーメントに制御して作用させること をときどき必要とする。従って、ヨー角速度のほかに、ヨー角加速度が推奨され る。測定されたヨー角速度が目標ヨー角速度に遅れるときを除いて、ヨー角速度 は等しい符号を有する。 車両が実際に後退走行にあると、車両が少なくとも短時間だけ速度零にならな らい限り、これを連続して新たに確認する必要はない。後退走行から前進走行へ の移行は常に車両停止を経て行われる。 勿論、ヨーイングモーメントコントロールへの制御介入が理論的に可能である ときにのみ、後退走行を認識すればよい。すなわち、車両がカーブを通過してい るときにのみ、後退走行を認識すればよい。カーブの通過は例えば車両の横方向 加速度によって検出することができる。しかし、横方向加速度測定器が車両内で 通常は車両横軸に組み込まれ、車両が傾くときに傾斜位置を占めるので、車両が カーブにないときでも、横方向加速度を測定することがある。すなわち、車両が 横方向に傾斜した道路を真っ直ぐに走行するとき、横方向加速度測定器が水平に 対して傾斜する。横方向加速度の測定時に、カーブ走行を確実に認識するために 、操舵角度が付加的に検査される。この操舵角度が零でないときにのみ、車両が カーブにあるということから実際に出発することができる。 走行安定性を制御するためのこのような装置をどのように形成したらよいかに ついて、次に29個の図に基づいて説明する。その際、次の対象物が個々の図の 基礎となっている。 図1は走行安定性を制御するための装置の全体構造のブロック線図、 図2はヨーイングモーメントコントローラの構造に関するブロック線図、 図3は例えばカーブ走行のような走行状況の検出に関するフローチャート、 図4,5はそれぞれ道路摩擦係数の決定に関するフローチャートであり、この 場合図5は図4に適合している。 図6.8は浮動角速度と浮動角度の実際の値を決定するための組み合わせられ た方法に関する、異なる方法で示したブロック線図、 図7は図6の組み合わせられた方法の一部としての、運動学的な考察から浮動 角速度を直接的に決定するためのブロック線図、 図9は車両速度に依存して車両用の演算モデルを交換する、走行安定性コント ロール用制御回路を示す図、 図10,11は個々の車輪の速度ベクトルと浮動角度に対する量のスリップ角 度差の依存関係を推察することができる図、 図12〜15は走行安定性を制御するための制御回路のブロック線図であり、 コンパレータ内で互いに比較され量はヨー角速度の導関数である。 図16は走行安定性を検出するための制御回路であり、制御量として車両ブレ ーキの圧力勾配およびまたは弁切換え時間が使用される。 図17は追加ヨーイングモーメントを演算するためのコントローラを示すブロ ック線図、 図18はローパスろ波器(フィルタ)を説明するためのブロック線図、 図19は補正された目標ヨー角速度を演算するためのフローチャート、 図20は補正された追加ヨーイングモーメントを演算するためのブロック線図 、 図21は自動車を概略的に示す図、 図22は分配ロジックを説明するためのブロック線図、 図23はハンドルを切ったときの自動車とそれに作用する力を概略的に示す図 、 図24は車輪スリップに依存して横方向力係数と縦方向力係数を説明するため のグラフ、 図25A,Bはアンダーステアおよびオーバーステア状態を説明するための自 動車の概略図、 図27は入口弁と出口弁のための切換え時間を説明するためのブロック線図、 図28は演算フライト内での時間インターバルを説明するための図、 図29は車輪ブレーキ圧力を決定するための原理的なブロック線図である。 走行安定性の制御の経過の一般的な説明を、図1に基づいて行う。 車両はいわゆる制御対象を形成している。 車両1はいわゆる制御対象を形成している。 車両1には、運転者によって与えられる量、すなわち運転者ブレーキ圧力PFa her と操舵角度δが作用する。これから生じる量、すなわちエンジン実際トルク 圧力のような油圧信号が車両1で測定される。これらのデータを評価するために 、FSR装置は4個の電子式コントローラ7,8,9,10を備えている。この コントローラはそれぞれ、アンチロックコンロール装置ABS、トラクションス リップコントロール装置ASR、電子式ブレーキ力分配装置EBVまたはヨーイ ングモーメントコントロール装置GMRに付設されている。ABS7、ASR8 およびEBV9のための電子式コントローラは技術水準にそのまま一致していて もよい。 車輪回転数はアンチロックコントロール装置7、トラクションスリップコント ロール装置8および電子式ブレーキ力分配装置9に供給される。トラクションス リップコントロール装置のコントローラ8は更に、そのときのエンジントルク、 すなわちエンジン実際トルクMMotistに関するデータを得る。この情報はヨーイ ングモーメントコントロールGMRのためのコントローラ10にも達する。更に 、 るデータを得る。ABSのコントローラ7では車輪の個々の車輪回転数から車両 基準速度VRefが検出され、この車両基準速度に基づいて、車輪の一つの過度の ブレーキスリップが判るので、このような基準速度はGMRコントローラ10で 計算しないで、ABSコントローラ7によって行うことができる。車両基準速度 をどこで計算するかあるいはヨーイングモーメント制御のために固有の計算を行 うかどうかは、ヨーイングモーメント制御の過程にとって小さな違いにすぎない 。同じことが例えば車両の縦方向加速度alongについても当てはまる。これに相 応して、このための値はABSコントローラ7で検出され、GMRコントローラ 10に送ることができる。これは道路摩擦係数μの測定について制限的にのみ当 てはまる。なぜなら、ヨーイングモーメント制御には、アンチロックコントロー ル装置のために検出される摩擦係数よりも正確な摩擦係数が望まれるからである 。 FSRの4個のすべてのコントローラ、すなわちGMR10とABS7とAS R8とEBV9のためのコントローラは、平行にかつ互いに独立して、その固有 の制御戦略に基づいて、個々の車輪のブレーキ圧力設定値PGMR,PABS,PASR ,PEBVを演算する。 更に、ASRコントローラ8とGMRコントローラ10に基づいて、エンジン トルクの設定値MASRとMStellMが平行に計算される。 個々の車輪ブレーキ圧力のためのGMRコントローラ10の圧力設定値PGMR は次のようにして検出される。 GMRコントローラ10は先ず最初に、付加的なヨーイングモーメントMGを 計算する。このヨーイングモーメントは適当なブレーキ操作によって生じるとき に、カーブ内で車両状態を安定化することになる。このMGは分配ロジック2に 供給される。この分配ロジックはGMRコントローラ10の一部として示すこと ができる。この分配ロジック2には更に、場合によって存在する、車両減速のた めの運転者の希望が入力される。この運転者の希望は運転者ブレーキ圧力PFahe r に基づいて認識される。分配ロジック2は予め定められたヨーイングモーメン トMGと所望の運転者ブレーキ圧力から、車輪ブレーキのためのヨーイングモー メントコントロールブレーキ圧力PGMRを演算する。このヨーイングモーメント コントロールブレーキ圧力は個々の車輪について個別的に非常に異なっていても よい。このヨーイングモーメントコントロールブレーキ圧力PGMRは、ABS、 ASRおよびEBVのためのそれ以外のコントローラ7,8,9によって機能最 適化のために演算される圧力設定値と全く同様に、車輪ブレーキ圧力のための優 先回路3に供給される。この優先回路3は運転者の希望を考慮して、最適な走行 安定性のための目標車輪圧力Psoll算出する。この目標車輪圧力は、この4個の コントローラのそれぞれの圧力設定値に一致していてもよく、また重ね合わせ( 重畳)であってもよい。 上記の車輪ブレーキ圧力の場合と同様にエンジントルクが処理される。ABS とEBVが車輪ブレーキのみ作用するのに対し、GMRとASRの場合にはエン ジントルクにも作用する。GMRコントローラ10とASRコントローラ8にお いて別々に演算された、エンジントルクの設定値MStellM,MASRは再び優先回 路4内で評価され、重ね合わされて目標トルクになる。しかし、この目標トルク Msollは両コントローラの一方の計算された設定値にのみ一致させてもよい。 車輪ブレーキ圧力の計算された目標設定値Psollとエンジントルクの演算され た目標値Msollに基づいて、ブレーキとエンジンへの介入によって走行安定性制 御を行うことができる。そのために、圧力制御装置5には更に、油圧信号と、実 際の車輪ブレーキ圧力を示す値が供給される。これから、圧力制御装置5は、車 両1内の個々の車輪ブレーキの制御弁に与えられる弁信号を発生する。エンジン 管理装置6はMsollに応じて車両の駆動エンジンを制御する。それによって、エ ンジン実際トルクが変化する。そしてこれから、FSR装置の4個の電子式コン トローラ7,8,9,10のための新しい入力量が生じる。 2.ヨーイングモーメントコントローラ(GMR)の構造 図2はGMRコントローラ10内で分配ロジック2のための追加ヨーイングモ ーメントMGがどのようにして検出されるかをブロック線図で示している。その ために、入力量として、操舵角度δ、ABSコントローラ7からの車両基準速度 される。車両基準速度vRefはろ波器17を通過する。このろ波器は低い速度の 場合、零より大きな一定値をつける。それによって、その後の演算時に分数の分 母は零でなくなる。vRefのろ波されない値はアクティベーションロジック(起 動ロジック)11に供給される。このアクティベーションロジックは車両停止を 認識する。 アクティベーションロジック11による車両基準速度vRefのこの直接的な検 出は、車両が停止しているとき、ろ波された車両基準速度vRefFilがその一定の 最小値をとると仮定されるときには、省略可能である。 GMRコントローラには車両参照モデル12が格納されている。この車両参照 モデルは操舵角度δ、ろ波された車両基準速度vRefFilおよび測定されたヨー角 設定値を物理的に考えられる範囲内に保つために、この計算には更に道路摩擦 係数μが必要である。この道路摩擦係数は摩擦係数および状況認識13において 充分に正確であるときには、この摩擦係数を使用することができる。あるいは、 GMRコントローラ10で計算された摩擦係数がABSコントローラ7に受け入 れられる。 摩擦係数および状況認識13はその計算のために、ろ波された基準速度VRefF 舵角度δを使用する。 状況認識は直線走行、カーブ走行、後退走行および車両停止のようないろいろ な場合を識別する。車両停止は、ろ波された車両基準速度vRefFilがその一定の 最小値をとるときであると仮定される。ろ波されない車両基準速度の代わりに、 車両停止を認識するためのこの情報を、アクティベーションロジック11に供給 することができる。後退走行を認識するために、所定の操舵角度δのときにヨー 常に前進走行のときに計算されるからである。というのは、慣用の回転数センサ は車輪回転方向に関する情報を検出しないからである。 最後に、ろ波された車両基準速度vRefFil、測定された車両横方向加速度aqu れる。 大きな浮動角変化時にピークを切除するために、浮動角速度の計算された値は クティベーションロジック11とヨーイングモーメント制御法則を変えるための プログラム16とに伝送する。プログラム16は更に、ヨー角速度の変化設定値 れから、車両のための付加的なヨーイングモーメントMGが算出される。このヨ ーイングモーメントはブレーキ圧力を介して得られる。 プログラム16は、実際の制御量を常に有するために、持続的に作動する。こ の調節モーメントが図1に示した分配ロジック2に伝送されるかどうかは、アク ティベーションロジック11に依存する。 アクティベーションロジック11は、ろ波されていない車両基準速度vRefからの情報を数値で受け取る。 車両が後退走行していると、MGの伝達が中断される。これと同じことが次の 場合にも当てはまる。すなわち、車両停止が認識されるときあるいは見積もった ときに、同じことが当てはまる。エンジン調節トルクMStellMの計算のための論 理回路は図示していない。 2.1 摩擦係数と状況の認識 図3,4,5には、摩擦係数と状況の認識13の場合の論理処理手順がフロー チャートの形態で示してある。 図3は状況認識を対象としている。図示した処理手順により、8個の異なる走 行状況を識別することができる。 〈0〉 車両停止 〈1〉 一定の直進走行 〈2〉 加速された直進走行 〈3〉 減速された直進走行 〈6〉 後退走行 〈7〉 一定のカーブ走行 〈8〉 加速されたカーブ走行 〈9〉 減速されたカーブ走行 論理分岐はフローチャートにおいて菱形として示してある。 決定すべき現在の状況51から出発して、先ず最初に、車両が停止しているか どうか、菱形52で確かめられる。ろ波された車両基準速度vRefFilがその最小 値をとると、車両停止、すなわち状況<0>と見なされる。vRefFilがvminよ りも大きいと、菱形53において、状況認識の上述の進行の結果が質問される。 前に確認された状況が後退走行であると、すなわち状況<6>で認識されたと きには、後退走行が続く。というのは、その間に車両が停止していないからであ る。すなわち、そうでなければ、菱形52でその間に状況<0>が認識されてい るはずである。 状況認識の前述の進行が状況<6>と異なる状況を生じると、菱形54におい て、横方向加速度aquerの数値的な量が質問される。この量が所定の閾値aquer minよりも小さい、すなわち車両は真っ直ぐに走行している、すなわち状況<1 >〜<3>の一つが生じていると見なされる。測定された横方向加速度aquerが 閾値aquer minよりも値的に大きいときにも同じことが言えるがしかし、次のス テップで菱形55において、操舵角δが数値的に閾値δminよりも小さいことが 認識される。すなわち、測定された横方向加速度aquerの際測定エラーとなる。 この測定エラーは、横方向加速度測定器が通常は車両横軸に固定されて取付けら れ、側方への道路傾斜時に車両と共に傾斜するので、実際上存在しない横方向加 速度が表示されることから生じる。 車両が直進走行中であると、菱形59において縦方向加速度alongの量が検討 される。この量が数値的に閾値along minよりも小さいと、一定の直進走行と見 なされる。しかし、縦方向加速度alongがこの閾値よりも数値的に大きいと、菱 形60で正の縦方向加速度と負の縦方向加速度が区別される。alongの値が閾値 along minよりも大きいと、車両は加速された直進走行、すなわち状況<2>に ある。alongの値が閾値along minよりも小さいと、負の縦方向加速度中、すな わち、減速された直進走行、状況<3>であることにほかならない。 状況<0>〜<3>が存在せず、菱形55において閾値δminよりも大きな操 舵角度δが数値的に認識されると、菱形56において、車両がその間に後退走行 したかどうか質問される。ここでの後退走行の認識は必要である。なぜなら、直 である。ヨーイングモーメントコントロールを開始するカーブ走行を認識して初 めて、後退走行を確実に排除しなければならない。これは車輪回転数センサの信 号だけに基づいて行うことはできない。なぜなら、このようなセンサは、走行方 向の逆推論を許容しないで、速度を数値的にのみ伝えるからである。 正負の符号が逆であり、かつこれが両量の時間的な導関数(微分)、すなわちヨ 従って、ヨー角速度の正負の符号が比較され、それによってヨー角速度の反対向 きの符号が、時間的に遅らせて目標値を演算することによって生じる移相だけに 起因することを排除することができる。 後退走行の条件が満たされないと、前方へのカーブ走行が問題となる。このカ ーブ走行が一定の速度で行われるかどうかは、菱形57で調べられる。菱形59 ,60での直進走行の場合のように、菱形57では先ず最初に、縦方向加速度along の値が考慮される。この縦方向加速度の値が閾値along minよりも小さいと 、一定のカーブ走行、すなわち状況<7>が存在する。縦方向加速度alongが数 値的に閾値along minよりも大きいときには、更に、菱形58で、縦方向加速度 alongが正であるか負であるかが調べられる。正の縦方向加速度alongの場合に は、 車両は加速されたカーブ走行、すなわち状況<8>にある。一方、負の縦方向加 速度alongの場合には、状況<9>に相応して、減速されたカーブ走行が認識さ れる。 縦方向加速度alongはいろいろな方法で検出可能である。例えば、ABSコン トローラ7で準備された基準速度vRefによって決定することができる。この場 合、このような基準速度vRefがABS介入中実際の車両速度と相違することが あることを考慮すべできである。すなわち、ABSの場合にはvRefに補正が加 えられている。しかし、このような演算がABSコントローラで行われるときに は、縦方向加速度alongは事情によっては、ABSコントローラから直接受け取 ることができる。 図3の状況認識は絶えず新たに行われる。この場合、最後に検出された状況は 記憶されたまであり、菱形53に供される。 道路の摩擦係数決定のための進行が図4,5に示してある。摩擦係数決定は、 ヨーイングモーメントコントローラが制御を開始するときにのみ行われる。しか し、制御開始時には差し当たり見積摩擦係数が存在しないので、制御の開始のた めに摩擦係数はμ=1にセットされる。 瞬時の走行状況に基づいてヨーイングモーメントコントロールが応答すると、 車両が少なくとも不安定な走行状況の限界範囲の近くにあるということから出発 する。それによって、車両の実際の測定量を考慮することによって瞬時の道路摩 擦係数を見積もることができる。制御の開始時に検出された摩擦係数は、その後 摩擦係数の決定は初回はコントロールの開始時に行われ、しかも目標ヨー角速度 を物理的に意味のある値に制限するための後続のアクティベーション相と関連し て行われる。その際、もともと設定されていた摩擦係数μ=1から出発して、制 グモーメントMGの計算の基礎として用いられる。 そのために、先ず最初に、測定された横方向加速度aquerと、縦方向加速度a 摩擦的な連結(確動連結)が完全に利用されると仮定すると、瞬時の摩擦係数に 一致する。しかし、制御開始時に最大摩擦連結状態にまだ達していないことから 出発しなければならないので、表、特性曲線または一定のファクターによって、 制御に供給される。それによって、次の演算ステップで、道路摩擦係数に適合し ればならない。というのは、制御の間摩擦係数が変化するからである。制御が車 に現実化される。この現実化相内でもヨーイングモーメント制御が開始されない することができる。このような状況は例えば直進走行、後退走行または車両停止 、すなわち状況<0>〜<4>である。これは、ヨーイングモーメント制御が行 われないので、摩擦係数見積が不要な状況である。摩擦係数の現実化は、摩擦係 数 ち|δ|が予め定めた閾置を上回るときに、行わずにそのままにすることができ る。後者の場合、横方向加速度aquerの変化が操舵角度δの変化に基づき、摩擦 係数変化にほぼ基づいていないことから出発することができる。 この方法で計算された摩擦係数は、一般的には、4個すべての車輪の平均の摩 擦係数である。この方法では摩擦係数を車輪毎に決定することはできない。 図4に基づいて摩擦係数決定の方法を説明する。あらゆる走行状況において、 そのときの道路摩擦係数が領域61で車両状態に入り込む。そのときの摩擦係数 を決定するために、測定された横方向加速度aquerがステップ62に従ってろ波 される。すなわち、測定された値が平滑化されるかあるいは曲線がローパスを通 過するので、極端なピークが生じない。ステップ63は図3の状況認識を含んで いる。認識された走行状況は後でステップ74の現実化相で重要である。菱形6 4では、制御介入が必要であるかどうか質問される。このような計算は、先ず最 初は初期摩擦係数μ=1に基づいている。制御が必要であると判断されると、菱 形65において、これが摩擦係数決定のその前の進行の終了状態であるかどうか 質問される。制御が開始される場合、制御では認識が予め行われないので、従っ 算は次式に基づいて行われる。 F2.1 ここで、gは重力加速度g=9.81m/s2である。 次に、ステップ68で、ステップ65のためのパラメータregoldが1にセ という事実に相応して、係数パラメータTμが1にセットされる。ステップ69 れは、存在する加速度成分がまだ完全な摩擦連結状態の利用に基づいていないと る。 すなわち、この摩擦係数決定の次の進行過程に、走行状況が変わらないという 前提で、菱形65でregold=1と判断される。ここでも、その後の進行過程 りになる。領域68で決定されたパラメータの現実化は行われない。というのは 、 dは1にセットされ、そのままである。実施された進行過程(ステップ)の数T μは1のままである。なぜなら、制御が行われないときにのみ、この数が数えれ 菱形64での進行過程で、制御が必要でないことが判ると、菱形71で、制御 のためのパラメータregoldが最後に0にセットされるか1にセットされるか 質問される。最後の進行過程で1にセットされると、菱形72で、進行過程の数 Tμが質問される。最後の進行過程で制御が行われると、この進行過程の数Tμ は1である。制御が最後から2番目の進行過程で行われると、Tμ=2等である 。Tμがステップ72で所定のTμEndに達しないかぎり、ステップ73では1 だ 次の進行過程で制御を行わずに数TμEndが達成されると、制御のためのパラメ が終了する。 次の進行過程の際に菱形64で、制御が必要でないことが再び認識されると、 れる。菱形64で制御介入の必要性が認識されて初めて、摩擦係数決定が再び行 われる。 菱形79内で、車両が停止してもいないし直進走行もしていない、すなわち状 況<6>〜<9>の一つが存在しているということが認識されると、ステップ7 8の結果がステップ80で評価される。前述のように、低下する摩擦係数が操舵 操作に起因しないときにのみ、摩擦係数の決定が行われる。車両が直進走行(前 進または後退)しているときあるいは車両が停止しているときあるいは見積もっ い。 車両状態の安定性の程度は、そのときの浮動角度βとその時間的な導関数、す て次のように算出する以外にない。 運動平面内での縦軸に対して横方向の車両重心の加速度aquerが測定される。 車両の重心は慣性系と相対的に速度ベクトルvと共に移動する。 F2.2 ここで、Ψはヨー角度、βは浮動角度である。加速度ベクトルaは時間tによる 微分として生じる。 F2.3 加速度センサは車両の横軸への加速度ベクトルの射影を測定する。 F2.4 F2.5 三角関数の線形化によれば(sinβ=1;cosβ=1)、式は変形可能である。 F2.6 後の項が無視されるときには、簡単化されるので、βを決定する必要はない。 って横方向運動の非線形範囲においても検出可能であるという利点がある。測定 ノイズに対するこの方法の感度と、測定エラーの積分が不利に作用する。それに よって、浮動角度決定は恐らく非常に不正確になる。 この欠点はモデルで支援された方法との組み合わせによって回避される。図6 組み合わせがどのように形成されるかを示している。この組み合わせは、図2に 破線で記入したブロック18の代わりに挿入可能である。このようなモデル支援 方法では、入力量として更に、操舵角度δが破線の矢印によって示すように供給 して供することができる。これは同様に破線の矢印で示してある。 図2の破線で囲まれた範囲18を、図6の図示と置き換えることができる。そ できる。 3に加えて、走行状態を確かめるためのオブザーバ車両モデル84が関与する。 入力量として、オブザーバ車両モデル84は、ヨー角速度を決定するための車両 参照モデル12と同様に、操舵角度δを得る。ろ波された車両基準速度vRefFil はパラメータとして入力される。測定可能な出発量である横方向加速度aquer車両モデル84には不要である。このオブザーバ車両モデルは原理的にはそれ自 体がこの量となる。最も簡単な場合にGMR制御法則によって計算される追加ヨ ーイングモーメントと同一である他の項Yは、制御介入によって生じる車両状態 の変化を示す。すなわち、Yは、オブザーバの複製車両を実際の車両と同じ条件 にさらすために役立つ。 ーパスを通過後、重み係数kに掛け算され、オブザーバ車両モデルから生じる浮 速度からの補正係数に加算された後、重み係数(1−k)に掛け算される。その 際、kの値は常に0と1の間である。オブザーバ車両モデルなしではk=1であ 先ず最初に、この補正量はヨー角加速度に対して積分され、一方ではオブザー れる。この差は係数h2に掛け算される。この係数はオブザーバ車両モデル84 の補正においてその後の制御ステップの量を決定し、ディメンジョン1/sを有 じディメンジョンを有するので、両量を互いに加算することができ、更に積分し た後ヨー角速度のための戻される補正量を形成することができる。ヨーイングモ ーメント制御の進行過程で、項Yは、加えられた追加ヨーモーメントMGに対応 する、零と異なる値をとる。車両のヨーイング慣性モーメント0によって割るこ とにより、Yは同様に、ヨー角加速度のディメンジョンを有し、ヨー角加速度の 合計に加算されるので、積分された補正量は制御作用も考慮する。 定よりも確実な決定を可能にするオブザーバ車両モデル84が設けられていると きには、一定の浮動角度βを本来のヨーイングモーメントコントローラ10に送 ることができる。 測定された出発量として式F2.6による計算91に入る。 微分される。この車両基準加速度は領域94においてろ波された車両基準速度vRefFil によって割算される。これは非線形の掛け算95の後で、係数fβとなる 。 度のための算出された値は、計算91の後、前述のようにローパス92を通過し 、 微分される。この車両基準加速度は領域94においてろ波された車両基準速度vRefFil によって割算される。これは非線形の掛け算95の後で、係数fβとなる 。 た値は、計算91の後、前述のようにローパス92を通過し、見積もった浮動角 図6のオブザーバ車両モデル84がどのようにして作動するかが図8に示して ある。その際、マトリックス図示が選択されている。この場合、“→”はスカラ ーのものを示し、“⇒”は多次元のものを示す。 マトリックス図示は式F1.1〜F1.3から出発している。その際、状態量 式が生じる。 F2.7 ここで、(v(t))はシステムマトリックス、(v(t))は入力マトリ ックス、(t)は状態ベクトル、(t)は入力ベクトルである。 F2.8 入力ベクトル(t)は入力量として操舵角度δと項Yを含む。この項はヨー モーメント制御によって発生した追加ヨーイングモーメントを示す。 算出された量を重みをつけて加算するために、重み係数の代わりに、重みマト リックスK1と重みベクトルk2を使用することができる。 F2.9 トルはそれぞれ、状態ベクトル(t)の成分を消去する。 F2.10 オブザーバ車両モデルの運動、すなわち補正ステップの量は、ベクトルによ って決まる。このベクトルの第1の成分h1はディメンジョンがなく、第2の成 分h2はディメンジョン(1/s)を有する。 F2.11 状態空間の説明(F1.1,F1.2)の車両モデルから出発して、図8に従 ってオブザーバによって浮動角度βを決定するための、次に説明する構造が生じ る。 図8では、車両101は入力量と出力量とを区別するためにのみ示してある。 アダー104では、2.7のシステム式が形成される。そのために、システム マトリックスが状態ベクトルに掛け算され、入力マトリックスが入力量δ ,Y、すなわち入力ベクトルに掛け算される。 実際の車両基準速度vRefFilが、可変の1つのパラメータとして、システムマ トリックスと入力マトリックスに入れられる。アダー104での加算によっ 1に掛け算され、他のアダー105に供給される。 ために、ろ波された車両基準速度vRefFilと、微分回路102(図7の93に一 式の最後の項は無視される。なぜなら、浮動角度βの値が存在しないからである 。浮動角速度の算出後、この浮動角速度は、図7に既に示したように、ローパス 9 クトルk2に掛け算されるので、ベクトルが生じる。このベクトルの第1の成分 は角速度のディメンジョンを有し、その第2の成分は零に等しい。このベクトル もアダー105に供給される。状態ベクトルと、 2との掛け算によって得ら ベクトルは、積分回路106内で状態ベクトルに積分される。ベクトルβ, は組み合わせられた方法においてオブザーバ内で状態量としておよび見積エラー 決定のために用いられる。アダー107では、そのために、オブザーバ車両モデ る。この差はベクトルに掛け算され、その第1の成分はディメンジョンレスで 法に戻される。従って、その後の制御ステップで、式F2.6の最後の項も値を 有することができる。 両計算方法、すなわち車両モデルに基づく計算と、運動学的考察に基づく計算 浮動角度を制御量としてGMR制御法則16に供給することができる。 2.3 次に、図9〜15に基づいて車両参照モデルを説明する。 図9には、車両の走行安定性を制御するための、図1,2による制御回路が更 に簡略化して示してある。その際、図1のコントローラ7〜9と、所属の優先回 路3と、エンジン管理装置6は省略され、圧力制御部5を備えた分配ロジック2 は簡略化して示してある。制御回路では、垂直軸線回りの付加的なヨーイングモ ーメントMGが演算されて生じる。それによって、運転者が望むカーブ走行が維 持される。その際、付加的なヨーイングモーメントMGは個々の車輪の適切な制 動によって発生する。この場合、制動の進行過程と、制動すべき車輪の選択は、 分配ロジック2によって決められる。運転者はステアリングホイールの適当な角 度位置によって所望の走行方向を決定する。ステアリングホイールは一定の変速 比(操舵変速)で、操舵される車輪に連結されている。これにより、車輪の所定 の操舵角度δが生じる。 2.31 動的な単一トラックモデル GMRコントローラ10内には、いわゆる車両参照モデル12(図2)=30 2(図9)が設けられている。この車両参照モデルには入力データ(vRefによ って表された速度v、操舵角度δ)が供給される。車両参照モデル302では、 どのような大きさにすべきかが演算される。次のコンパレータ303において、 を生じる。このようにして決められた差はヨーイングモーメントを制御するため モーメントMGを算出し、分配ロジック2に供給する。分配ロジック2はこの付 加的なヨーイングモーメントMGと場合によってはブレーキの圧力を増大させる という運転者の希望pFaherに基づいて、出力量を決める。これは例えばブレー キ圧力値または弁切換え時間である。 遅い速度の範囲においても、車両参照モデル302の最適な作用が重要である 。そのために、車両参照モデル302は上記の動的な線形単一トラックモデル3 11に加えて、静的な旋回走行モデル306を備えている。 静的な旋回走行について次の式が当てはまる。 F2.12 F2.13 F2.14 動的な線形単一トラックモデルについては、F1.1,F1.2の式が当ては まる。 演算モデル306と311の間の切換え、図示していない切換え器によって車 両参照モデル302内で車両の速度に依存して自動的に行われる。その際、一方 のモデルから他方のモデルへの切換えのために、数km/hのヒステリシスが設 306のモデルに従って演算される。速度が低い速度から来てこの方向の閾値を によって行われる。これにより、高い速度での制御にとって特に重要な動的過程 をモデルに含めることができる。 旋回走行モデル306から単一トラックモデル311に移る際に、旋回走行モ めのスタート値として使用される。これにより、切換え時の急激変化が回避され る。それ以降の演算は、低下するときに速度が低い速度閾値を下回るまで、単一 トラックモデル311によって行われる。ここでも急激変化を小さくするために 、 て演算される。 補正値は次の大きさを有する。 F2.15 F2.16 この補正係数は時間に関するその作用が次の法則性に従って減少する。 F2.17 korr(n+1)=korr(n)×λ ここで、λは0と1の間の値をとり得る。nまたはn+1によって、演算過程が 数えられる。 これにより、急激な変化が回避される。なぜなら、静的な場合、量演算方法が 異なる結果を生じるからである。従って、演算モデルの交換によって、v=0k m/hの速度まで、制御のための目標値を正確に決定することができる。 図9に関連して、車両参照モデルとして異なるモデルが考慮の対象になること を説明した。その際、好ましいモデルは静的旋回走行のモデルでもよい。この静 きる。このような車両参照モデルのときには、測定された値λ,vRefを演算回 る。 2.3.3 簡単化したモデル 次に、目標ヨー角速度を検出するためのきわめて簡単なモデルが作られる。こ のモデルは上記の組み合わせモデルの代替物である。それによって、小さな演算 出力で受入れ可能な結果が得られるという利点がある。 2.18 この式は、コンプライアンスcv,chが非常に大きいと仮定するとき、式F2 .14およびF2.15と共にF2.12によって生じる。 この式は次の考察に基づいている。 両モデル(例えば単一トラックモデル)または静的なモデル(静的旋回走行値と し、この式の場合それぞれ、設定値(ひいては制御介入)は車両モデルの質に依 存する。この場合、線形の代替モデルであるので、モデルは若干の場合実際の車 両状態と大きく異なる。 実際の車両状態が更に、例えば個々の要素の負荷または摩耗に基づいて変化す ると、モデルによる車両の描写は不充分である。従って、連続したパラメータ評 価によってモデルを適合させるべきである。この場合、次の問題が生じる。 見積のために或る運転が存在しなければならない。すなわち、運転者は操舵設 定によって線形範囲(<0.4g)で車両を充分に動かさなければならない。こ れは普通の走行の際に起こらない。 更に、線形の単一トラックモデルのすべてのパラメータを直接見積もることが できない。従って、所定のパラメータは予め固定して選択しなければならない。 すなわち、モデルの仮定に基づく制御は、モデル設定に関してのみ満足できる 解決策を常に提供する。従って、多くの場合、簡単化された制御原理に従って行 うことで充分である。 走行安定性コントロールの重要な目的は、運転者の操舵入力、ブレーキ入力お よびアクセルペダル入力に対する車両のリアクションが絶えず予測可能でかつ良 好に制御可能であるように、走行状態を調整することである。従って、車両のア ンダーステアおよびオーバーステアの車両運転状態を認識し、適当なブレーキ介 入またはエンジン管理介入によって中立の状態に補正しなければならない。 簡単化された制御原理のための思想は、アンダーステアまたはオーバーステア 状態を直接的に示す量を、制御変数として使用することにある。そのために、自 動車の制御状態のための定義の一つに従って、前車軸と後車軸の平均スリップ角 度(αv,αH)が比較される。前側のスリップ角度が大きいときには車両はその 後でアンダーステア状態となり、逆の場合にはオーバーステア状態となる。スリ ップ角度が前側と後側で等しいときに、定義に従って中立の状態が存在する。 従って次式があてはまる。 F2.19 すなわち、スリップ角度差に基づいて、車両の瞬時の走行状態を直接的に決定 することができる。評価として単一トラック車両モデル(図10)を使用すると 、 して導きだすことができ、しかも次式で導き出すことができる。 F2.20a F2.20b 浮動角度が直接的に測定できないかあるいは簡単に演算できないので、個々の スリップ角度の明確な演算は行うことができない。しかし、その差を求めると、 この量を、既存の測定量(操舵角度、ヨーイング角速度)、ABSコントローラ によって知られている車両基準速度vRefおよび一定のホイールベース1に基づ いて演算することができる。 F2.21 それによって、アンダーステアまたはオーバーステアの程度として使用可能な量 が供される。 更に、車両重心のカーブコースの瞬時の曲率半径Rとスリップ角度差との知ら れている関係、 F2.22 を考慮すると、中立状態F2.19の F2.23 αv−αh=0 と仮定したとき、カーブ半径Rは操舵角度αによって決まる。すなわち、 F2.24 従って、演算したスリップ角度差を制御量として直接使用する制御が可能であ る。この制御の前提は、ほぼ中立な状態を達成するために、制御量の値を小さく 保つことである。場合によってはこの誤差閾値を非対象にセットし、オーバース テアの方向において誤差を小さく選択することが有効である。 御の基礎となる。 2.35 目標値制限 車両の走行状態の制御は、車輪が道路に対してグリップ力を有するかぎり、演 算された追加回転モーメントを車両に働かせることができる。 例えば、ステアリングホイールが車速に関して強すぎるようにあるいは速すぎ るように切られるときには、いかなる場合でも操作角度δで設定したカーブコー スに車両を制御によって強要することは不所望である。 定されることを避けるべきである。参照モデルだけに従うと、不運な状況では次 のようなことが起こることになる。すなわち、速度が速いときに、うっかりして の軸線回りに回転し、車両の重心がほぼ真っ直ぐに移動することが起こることに なる。この状態は運転者にとって非常に不所望であり、車両が摩擦状態の悪化に 基づいて運転者の希望に従わず強くアンダーステアリングされて真っ直ぐに走行 する場合よりもはるかに不所望である。後者の場合、車両は少なくとも真っ直ぐ に移動するだけであり、同時に固有の軸線回りに回転しない。特殊な場合に不利 であるこの結果を避けるために、車両参照モデルでは付加的な演算アルゴリズム が設けられている。この演算アルゴリズムは、直前に測定された速度にとって不 .18)。 最高許容横方向加速度aqlimは実質的に、摩擦係数、速度v、縦方向加速度along および場合によっては他のパラメータの関数として決定可能である。それに よって、 F2.25 aqlim=f(mu,v,along ・・・) 最高ヨー角速度は次式で計算される。 F2.26 従って、ヨー角速度の限界値を決定することができる。この限界値は運転者の希 望を直接的には考慮しないで、車両が突然コースから逸れるときに、車両が付加 的にその垂直軸線回りに回転しないようにする。 適切なμ測定の詳細は2.1の個所で詳しく説明している。 更に、所定のマスター条件の下でのみ制御介入を許容するようにすることがで ティベーションロジック11が実際のMGを分配ロジック2に伝えないことであ る。これは直前の速度に依存して行うことができる。 2.4 制御法則 次に、ヨーイングモーメントコントローラ10の制御法則16のプログラム構 造について説明する。プログラムは4つの入力量から、車両上下軸線回りの付加 的なヨーイングモーメントMGを演算する。このヨーイングモーメントは、特に カーブ走行時に安定した車両状態を得るために必要である。演算されたヨーイン グモーメントMGは車輪ブレーキの調節圧力を演算する基礎となる。 制御法則のために次の入力量が供される(図17参照)。 スリップ角度差を基礎とする場合、入力500にはΔλが供給され、入力50 入力503は任意である。特に、全体の演算システムにいわゆるオブザーバ車 両モデル84が設けられているときに供される。 入力501の値は、ループ時間T0によって割られた、演算ループから演算ル ープへの入力500の量の時間的な変化として、あるいは測定されたヨー角速度 の時間的な微分の差としておよび演算された目標角速度の時間的な微分として生 じる。 演算ループとは、図1のFSRコントローラの演算通路であると理解される。 こような演算通路はその構造によって、所定の実時間、すなわちループ時間T0 が必要である。効果的な制御のためにはこのループ時間を充分に小さく保たなけ ればならない。 (ローパスフィルタ)510または511に導かれる。 両ローパスろ波器は原理的に同じように形成され、図18に示すような構造を 有する。 図18のローパスろ波器の入力量520はuで、出力量521はyで示してあ る。出力量521はレジスタ522に供給され、次の演算のときに前の値y(k −1)として供される。そして、演算ループのための出力値521は次式で演算 される。 F2.27 y(k)=λ×y(k−1)+(1−λ)×u×kp ここで、λは0と1の間の値をとり得る。λはローパスろ波器の価値を示す。限 界値λ=0については、回帰機能が消去される。先行する値y(k−1)は新し い出力値521の演算にとって重要ではない、λが値1に近づけば近づくほど、 先行する値が強く作用するので、実際の入力値520は出力値521よりもゆっ くり価値が認められる。 kpは線形の評価係数である。 上記のローパスろ波は両入力値500,501について行われ、ろ波された値 515,516となる。 同様なローパスろ波512は入力量502、すなわちβについて行われる。ろ 波された値517はろ波されていな値503と同様に、非線形フィルタに供給さ れる。このフィルタの役目は、小さな入力値について出力値を0にセットし、所 定の限界値よりも大きい入力値については、限界値だけ低減した入力値を伝送す 内に固定されて補充された量でもよいが、他のパラメータ、例えばタイヤと道路 の間の摩擦係数に依存する量でもよい。この場合、限界値は冊係数の線形関数と して別個に演算される。 4個の量、すなわち、515,516,517,518はすべて、他のステッ プ530,531,532または533においてそれぞれ線形の重み係数によっ て重みがつけられる。 この係数は演算システムに固定されて補充されている。係数は量のオーダーに 従って車両モデルから演算可能であるが、一般的には走行損失による微調整を必 要とする。これにより、各々の車両または各々の車両タイプのために、線形係数 のセットが決定される。このようにして重みをつけた入力量500,501,5 02,503が加算される。この場合、(加算素子540)、付加的なヨーイン グモーメントMgが生じる。このヨーイングモーメントはプログラムの他の演算 段階の基礎となる。 しかし実際には、演算されたヨーイングモーメントの修正が必要であることが 判った。 そのために、次の二つの項目を行うことができる。 2.演算されたヨーイングモーメントMgがろ波される。 この二つの項目によって、ヨー角速度を考慮してだけでなく浮動角度を考慮し て制御を行う試みがなされる。 2.41 入力量の修正 車両参照モデルによって、上述のように、ヨー角速度の目標値が計算される。 使用される車両参照モデルが実際の所与と完全には一致しないので、通常はモデ ル演算をもう一度補正する必要がある。参照モデルでは実質的に、ヨー角速度セ ンサと操舵角度センサから供給される値が評価される。横方向加速度センサから 供給される値を付加的に考慮することにより、演算された目標ヨー角速度の補正 を行うことができる。 評価はいろいろな方法で行うことができる。次に、一つの方法を提案する。こ れる。この値によって、ヨー角速度の目標値の補正が行われる。 推定値は、場合によってはローパスろ波の後で、第1の閾値th1と比較される めて生じ、従って続いて詳しく説明する。 01)。この場合、第2の閾値は第1の閾値th1よりも大きい。この第2の閾 位分結果Intgi-1が加算される。積分ステップはnで数えられるので、数n 値βsと比較される(菱形404)。閾値の量は理論的に守るべき浮動角度に対 する最大許容偏差を表す。閾値βsは約5°のオーダーである。 数nに依存する。すなわち、閾値βsを上回る新しい各々のループによって、目 されるかまたは引算されるので、いかなる場合でも、目標ヨー角速度の値は減る 。 新たな通過の際に、推定された浮動角速度の値が閾値th1よりも小さいかど うか再び検査される。小さいときには、これは、車両が再び安定したと解釈され る。その結果、ステップ406では再び0にセットされ、ステップ407ではそ の後の演算は目標ヨー角速度が基礎となる。この目標ヨー角速度は補正されない 。すなわち、車両参照モデルの結果としての値に一致する。更に、積分のスター ト値Intgn-1は零にセットされる。 浮動角速度の値がth1よりも大きく、th2よりも小さいときには、古い値I ntgnは変わらない。すなわち、積分は一つのループ間中断される。その前の 制限が維持される。閾値th2を再び上回ると、積分が進行する。 2.42 補正MG 更に、制御法則16によって演算されるヨーイングモーメントMGを掛けるこ とができる。そのために、その前の値M1(k−1)と実施の値M1(K)との差 が求められる。添字1は、この値がヨーイングモーメントコントローラの直接的 な結果であること、すなわち次の補正によって演算されたものでないことを示し ている。この差はループ時間T0に関連づけられ、ΔM1を生じる。この勾配 うにして補正された勾配はループ時間T0に掛けられ、その前の演算のヨーイン グモーメントM(k−1)に加算される。これは実際のモーメントMG(k)を 生じる。このモーメントはそれ以降の演算の基礎となる。 この演算は図20に示すようなロジックによって行われる。下位ログラム“制 御法則16”から生じる演算されたモーメントは、シフトレジスタ420に挿入 される。シフトレジスタ420の第1の個所にはその都度実際値M1(K)があ る。シフトレジスタ420の第2の個所422にはその前の値M1(k−1)が ある。新しい値M1が生じるや否や、値がレジスタ421からレジスタ422に シフトされ、レジスタ421内の値が新しい値と置き換えられる。レジスタ42 1,422内の値は演算ロジック430に供給される。この演算ロジックはΔM を次式に従って演算する。 F2.28 が供給される。更に、メモリ内で、補正係数aの値が決まっている。この補正係 数によって、浮動角速度がモーメント変化に換算される。新しいモーメントM( k)の演算は次式でおこなわれる。 F2.29 M(k)=M(k−1)+ΔM レジスタ431内では、補正されたモーメントの実際の値が格納され、レジス タ432にはその前に演算の値が格納されている。レジスタ431内の値はその 後の演算の基礎となる。 3.分配ロジック 3.1 制動力を加えることによる追加ヨーイングモーメント 車両の安定した走行をカーブでも達成するために、先ず最初に、操舵角度を検 出する必要がある。操舵角度は運転者が希望する車両のカーブコースを表す。安 定した静的なカーブ走行の場合には、車両はほぼ一定の浮動角度でかつ不変のヨ ー角速度でコースを通過する。運転者は、反対向きの操舵によってこの浮動角度 またはこのヨー角速度からのずれを相殺しなけれならない。これはしかし、常に 可能であるとは限らない。特に、運転者がカーブ限界速度でカーブを通過すると きに不可能である。このような状況では、車両を適切に制動し、所望されるヨー 角速度に実際のヨー角速度を適合させる、上下軸線回りの追加ヨーイングモーメ ントを車両に加えることが必要である。 この関係を示す制御アルゴリズムは既に説明したので、ここで詳しく説明する 必要はない。 勿論、制御アルゴリズムによって演算された付加的なヨーイングモーメントMG を、制動力を適切に加えることによって実現するには問題がある。 油圧式ブレーキの場合には、課題は、個々の車輪ブレーキ毎にブレーキ圧力を 決めることにある。その際、できるだけ小さな個々のブレーキの圧力によって、 上下軸線回りのモーメントを得るべきである。従って、各々の車輪の係数を決定 し、発生すべき車両ヨーイングモーメントとその都度の重み付係数からブレーキ 圧力を検出することを提案する。 既に説明したように、特に油圧に基づいて作動する車両ブレーキ装置の場合に は、個々の車輪ブレーキについてブレーキ圧力を直接検出できるように、係数を 決定することが望ましい。係数の重み付けは、すべての係数の2乗の合計によっ て個々の係数を割ることにより行われる。 その際、各々の係数は車輪ブレーキ圧力とこのようにして発生した個々の車輪 制動力との間の関係を、車両のヨーイングモーメントで決める。個々の係数を決 定する際の変数として、車両走行中に変わるパラメータが入力される。これは特 に、 − 操舵角度δ − タイヤと道路の間の摩擦係数μ − 車両質量m − 車軸荷重分布Nz である。 係数を演算する際に入力される、車両特有またはブレーキ特有の変数は、ディ スクブレーキ装置の場合例えば、 − ブレーキピストンの面積A − ブレーキあたりのピストンの数n − ディスクとブレーキパッドとの摩擦係数μR − 動的なタイヤ半径に対する有効摩擦半径の比s − ブレーキの効率η である。 提案された演算方法は、車両の予め設定された追加ヨーイングモーメントから 、適切なブレーキ圧力をきわめて迅速に演算することができるという利点がある 。走行中に上記のパラメータが変化すると、これはブレーキ圧力演算において係 数の変化を経て考慮される。 若干の入力変数が係数の演算に線形に入力されるが、特に、操舵角度δに対す る係数の関係は線形でない。 しかし、個々の係数と操舵角度の間の依存関係を線形化して推定すると、充分 に良好な結果が得られることが判った。 図21は、4個の車輪601,602,603,604による車両の直進走行 を概略的に示している。各々の車輪には車輪ブレーキ605,606,607, 608が付設されている。この車輪ブレーキは互いに独立して制御可能である。 この場合、車輪ブレーキによって加えられる車輪制動トルクにより、制動力が道 路表面と車輪の接触面に発生する。例えば車輪601の車輪ブレーキ605を作 動させると、制動力Fが発生し、この制動力は更に、(例えば正の)上下軸線回 りのモーメントMを発生する。 このような車両の垂直軸線回りのモーメントは、運転者が望むコース上で車両 を安定保持するために、適切に使用可能である。 車両内に更にセンサが設けられている。このセンサには、車輪601,602 ,603,604の角速度を検出する車輪センサが所属する。更に、ステアリン グホイール角度が操舵センサ612によって検出される。更に、ヨー角速度のた めのセンサ613が設けられている。 一方では運転者の希望を、他方では車両の状態を検出するこれらのセンサから 、実現すべきヨーイングモーメントを演算することができる。このヨーイングモ ーメントは、加えられるときに、車両のヨー角速度と浮動角度を運転者を希望に 一致させることが可能である。そのために、車輪ブレーキ605,606,60 7,608は互いに無関係に制御可能であり、この制御のために、車両安定性を 制御するための複雑なプログラムの一部である制御装置が設けられている。 図22は原理的な状況を示している。ヨーイングモーメントMGを演算するプ ログラムモジュールが16で示してある。図22は制御装置を示している。この 制御装置は個々の車輪ブレーキ605,606,607,608に加えられる圧 力pxxを演算する。算出された圧力値622,623,624,625は更に評 価され、車輪ブレーキ605,606,607,608の適当な制御信号に変換 可能である。 制御装置自体は二つの部分からなっている。第1の部分630では、個々の車 輪のための係数cxxが演算される。係数cxxは車輪ブレーキの圧力と、制動力に よって車輪に生じるヨーイングモーメントの割り当て分との間の線形関係を示す 。第2の部分631では、個々の係数の重み付けによっておよび実現すべきヨー イングモーメントMGを考慮して、個々の圧力値pxx622,623,624, 625を演算する。 圧力値と係数には添字がつけてある。 v:前側、 h:後側 l:左側 r:右側 x:v/1またはh/rのためのもの 第1の演算部分630は、操舵センサ612の評価632を経て演算に供され る操舵角度を考慮している。係数の演算のために、摩擦係数μが考慮される。こ の摩擦係数は評価ユニット633において車輪回転状態から導き出される(2. 1章参照)。車輪回転状態は個々の車輪の車輪センサの信号によって算出される 。更に、車両質量と荷重分布Nzが入力される。この車両質量と荷重分布は評価 ユニット634で算出され、この評価ユニットでは、いろいろな状況で車両状態 が分析される。第1のプログラム部分630は、上記の車両特有の値と車輪ブレ ーキ特有の値を含むメモリ635にアクセスする。 上記の値から各々の車輪について係数cxxが演算される。この場合、値640 ,641,642,643は平行にあるいは順々に演算することができる。演算 はプログラムで実施される機能に従って行われる。この機能では、ブレーキ圧力 とブレーキ力の間の公知の関係が考慮されている。この関係は通常は線形である 。操舵角度δだけは特別に考慮しなければならない。どのようにしたら操舵角度 が適切に考慮されるかについては後述する。 第2の演算ステップ531では、個々の係数640,641,642,643 から次式に従って個々の車輪ブレーキの圧力値が平行にまたは連続して算出され る。 F3.1a F3.1b これらの式による個々の圧力の演算は、演算されたブレーキモーメントを得る ために、車輪ブレーキに比較的に小さな圧力を加えるだけでよいという利点があ る。更に、ブレーキ圧力制御は特に操舵角度と摩擦係数の変化に非常に敏感にか つ迅速に反応する。 操舵角度δは係数の演算時に次のようにして考慮される。図23はそのために 車両の概略的に示している。この場合、前輪601,602が操舵されて示して ある。Sは前輪の間隔を示し、lvは前車軸からの重心610の距離を示してい る。 車輪平面650,651は車両の縦軸線に対して操舵角度652,653をな す。簡単にするために、操舵角度δは652,653に等しい大きさであると仮 定する。車輪平面650,651内で作用する制動力の有効なてこの長さh1ま たはh2は、近似考察に基づいて小さな操舵角度について次のように算出される 。 F3.2a F3.2b 近似“小さな操舵角度”が常に満たされるとは限らないので、場合によっては 次式で演算すると有利であることが判った。 F3.3a F3.3b 演算されたてこの長さが零よりも小さいときには零にセットされる。 車輪係数cxxは次のように演算することができる。すなわち、 F3.4 cxx=chyxx×hl.r' ここで、chyxxには、操舵角度δ以外のすべてのパラメータが考慮されている。 これにより、係数を2つの項の積として示すことができる。この場合、一方の 項は有効なてこの長さであり、他方の項は操舵角度に左右されない。 3.2 横方向力の低減による追加ヨーイングモーメント 片側に作用する制動力を加える方法は、車輪が異なる強さで制動されるように 車輪ブレーキを制御することにある。これを実現する方法は、前の章で既に説明 した。 この方法は、ペダルで制動する間に走行安定性コントロールを行うとき、すな わち運転者による制動に基づいて所定のブレーキ圧力が車輪ブレーキに生じてい るときに限界に達する。原理的には、上述の方法はこの場合にも適用可能である 。絶対的な圧力の代わりに、既に生じているブレーキ圧力の変化が検出される。 その際勿論、次の問題が生じる。一方の車輪ブレーキに既に非常に高い圧力が 生じていると、非常に大きな制動力が達成されるので、ブレーキ圧力の増大は必 ずしも制動力の増大につながらない。なぜなら、タイヤと道路の間のグリップ限 界に達するからである。上記のモデルにおける、ブレーキ圧力と制動力の間の線 形関係はこの場合もはや与えられない。 車両の一方の側での制動力の、上回ることができない限界は、ヨーイングモー メントコントロールの方法で、車両の他方の側の制動力を低下することによって 補償可能である。 これは勿論、制動力の低下により、車両の減速が低下するという欠点がある。 これは常に受入れられるとは限らない。なぜなら、運転者が制動を開始するとき 、車両をできるだけ短い距離で停止させるべきであるからである。従って、運転 者の希望と比べて車両の実際の減速が弱すぎると、一般的には受入れられない。 この問題を解決するために、次の方法が用いられる。 少なくとも1個の車輪の車輪ブレーキは、車輪の縦方向スリップ2が最大グリ ップを生じる縦方向スリップよりも大きくなるよう調節されるように制御される 。この方法の場合、約20%(0%は自由回転車輪;100%はロックされた車 輪)の縦方向スリップのときにその最大値に達し、20%を超えると伝達可能な 制動力がわずかだけ減少し、それによって20〜100%の車輪スリップでは車 両減速時に大きな犠牲を生じないように、車輪の縦方向力である伝達される制動 力が利用される。 しかし同時に、車輪平面に対して垂直に作用する力である伝達可能な横方向力 を考慮すると、車輪スリップに大きく依存する。この車輪スリップの増大につれ て伝達可能な横方向力が大幅に弱まる。50%以上のスリップ範囲では、車輪は ロックされた車輪と類似する状態を示す。すなわち、横方向力がほとんど加わら ない。 大きな縦方向スリップが生じる車輪を適切に選択することにより、車両の制御 される横すべりを生じることができる。この場合、横すべりによってひき起こさ れるヨー角度の変化は所望の変化に一致する。この方法の場合、縦方向力がほぼ 維持され、横方向力が大幅に減少するので、車両減速を大きく弱めないで、ヨー 角速度の制御を行うことができる。 高められた縦方向力によって少なくとも短時間走行する車輪の選択は、次の制 御に従って行われる。そのために、運転者による右方向へのカーブ走行を考慮す る。左方向へのカーブ走行については、“左右対称の”制御が当てはまる。その 際、車両が期待よりも小さくカーブの内側に回転する場合ある。換言すると、車 両はアンダーステアとなる。この場合、カーブ内側の後輪のスリップ率は大きく なる。カーブ内での車両の回転が大きすぎると、これはオーバーステアと呼ばれ 、カーブ外側の前輪が大きなスリップ率となる。 更に、前輪の圧力低下を付加的に阻止するとができる。これは次の制御によっ て行われる。アンダーステアの走行状況では、カーブ外側の前輪のブレーキ圧力 低下が阻止される。オーバーステアの走行状況では、カーブ内側の前輪の圧力低 下が阻止される。 ブレーキ圧力の実際の制御は次のように行うことができる。既に述べたように 、個々の車輪ブレーキのブレーキ圧力が、達成すべきヨーイングモーメントと重 み付車輪係数に依存して決定される。 係数を演算する際に、ブレーキスリップに依存するファクターを入れることが できる。このファクターは、上述の所望なブレーキスリップが生じるように、再 調節される。車輪の圧力低下の制限は、係数の下側の閾値を定めることによって 行うことができる。 次に、ブレーキ装置の制御プログラムで実施される方法を詳しく説明する。 制御プログラムは重み付き係数に基づいてブレーキ圧力を演算する。このブレ ーキ圧力は個々のすべての車輪ブレーキで発生しなければならない。車両の制動 時、特にタイヤと道路との間のグリップ限界を利用して減速するときに、演算に 問題がある。このような場合、重ね合わされた走行安定性コントロールを必要と する前に、先ず最初にアンチロックコントロールを行うことができる。 このような場合、制動されない車両のための原理的な考察を受け入れることは できない。なぜなら、例えば1つの車輪ブレーキの圧力が高まるときに、制動力 は線形に増大しないからである。というのは、グリップ限界に達していないから である。すなわち、この車輪ブレーキの圧力を高めることは付加的な制動力、ひ いては付加的なモーメントを発生しない。 車軸の他方の車輪のブレーキ圧力を低下させることにより、付加的なヨーイン グモーメントを発生させることは、同じような効果があるかもしれない。しかし 、それによって、全体として制動力が弱まる。これは、車両をできるだけ短い距 離で停止させるという要求と反する。 従って、図24に示した車輪の状態が利用される。この図のグラフはX軸上に スリップ率を0〜100%で示している。この場合、0%は自由に回転する車輪 を、100%はロックされた車輪を表す。Y軸は摩擦係数μBと横方向力係数μs 0〜1の値範囲で示している。実線は異なるスリップ角度αのときのスリップ に対する摩擦係数の関係を示している。特に小さなスリップ角度について、曲線 がスリップλ=20%の範囲に最大値を有することが判る。摩擦係数は100% の方へ向かってやや小さくなる。2°のスリップ角度の場合、最大摩擦係数は約 0.98であり、λ=100%のときにはまだ0.93である。これに対して、 横方向力係数は特にスリップ角度が大きい場合、スリップ範囲にわたって極端に 低下する。10°のスリップ角度の場合、横方向力係数は0%のスリップ率のと きに約0.85であり、ほとんど100%のスリップ率のとき0.27まで小さ くなる。 従って、40〜80%の範囲のスリップ率のときに、比較的に大きな制動力が 伝達され、小さな横方向力が伝達されることが、図24の曲線から推察可能であ る。 この車輪状態を、車両の所定の車輪の横方向力を適切に低下させるために利用 することができる。車輪の選択は次のように行われる。これを図25a,25b に基づいて説明する。 図25a,bは右カーブでの車両を概略的に示している。カーブ半径と、車両 の速度に対応して、車両はその垂直軸線回りに回転する。すなわち、所定のヨー 角速度が時計回りに生じる。 既に述べたように、車両はヨー角センサを備えている。測定されたヨー角速度 付加的なモーメントMGを加えなればならない。 車両が充分に回転しないように、測定されたヨー角速度が達成すべきヨー角速 度と異なっていると、いわゆるアンダーステア状態となる。この状況ではマイナ スの追加モーメントを加えなければならない。この追加モーメントは車両をカー ブ内側へ回転させる。これは、右側の車輪のブレーキ圧力を高めることによって 達成可能である。 車両が運転者によって既に制動されているときには、この車輪は既に最大制動 力を伝達可能である。これが評価電子装置によって確認されると、右側後輪のブ レーキ内の圧力が高められ、車輪は40〜80%のスリップ率で回転する。従っ て、車輪604はλで印をつけてある。これは、既述のように、横方向力の大幅 な低下をもたらすことになる。すなわち、小さな横方向力が右側後輪に生じる。 その結果、車両後部は左側へずれる。すなわち、車両は時計回りに回転し始める 。 力の低減が続けられる。 図25bには、車両のオーバーステア状態が示してある。車両は、演算された 目標ヨー角速度に相当する回転よりも速く上下軸線回りに回転する。この場合、 左側前輪601の横方向力を弱めることが提案される。これは同様に、この車輪 に40〜80%のスリップ率を生じることによって行われる。従って、車輪60 1は“λ”で印をつけてある。 両方の場合、制御プログラムにアンダープログラムを格納可能である。このア ンダープログラムはアンダーステア(図25a)の場合カーブ外側の前輪601 の圧力を、オーバーステア(図25b)の場合カーブ内側の前輪602の圧力を 更に低下させる。これらの車輪はその都度“pmin”の印がつけてある。左方向 へのカーブ走行には横方向逆の制御が達成される。 個々の車輪の圧力の制御は、個々の車輪のために、圧力変化と演算された追加 ヨーイングモーメントMGとの間の関係を示す係数が決定される。 この係数は、車両または車輪ブレーキを示すパラメータと、走行中変化する量 の関数である。走行中変化する量は特に操舵角度δと、道路/タイヤの摩擦係数 μである(第3.1章参照)。上述の制御のために、それぞれの車輪の縦方向ス リップの依存性が付加的に挿入される。個々の車輪の圧力低下の阻止は、係数に 下側の眼界が定められることによって実現可能である。この場合、最小値を下回 る場合、係数の演算された量は最小値によって置き換え可能である。 図26にはアルゴリズムが示してある。先ず最初に、付加的なヨーイングモー メントMGが演算される(プログラム640)。このモーメントから、個々の車 輪のための制動力変化またはブレーキ圧力変化が算出される(プログラム部分6 41)。算出されたブレーキ圧力は閾値pthと比較される。この閾値は特に、道 路とタイヤの摩擦係数によって定められる(菱形642)。閾値pthは、制動力 の増大を伴う車輪ブレーキ圧力のそれ以上の上昇が可能であるかどうかを決定す る。圧力がこの限界値よりも小さいときには、第3.1章で述べた方法に従って 制御が行われる。演算されたブレーキ圧力がこの閾値よりも大きいと、上述の部 分644に従って圧力の演算が行われる。 4.優先回路 車輪ブレーキに生じる圧力が追加ヨーイングモーメントMGから分配ロジック によって演算される(第3章)。 下位の圧力制御回路において、この圧力値から、入口弁と出口弁のための制御 信号が演算され、出力される。この下位の圧力制御回路では、実際の車輪ブレー キ圧力が演算された圧力ブレーキ圧力と一致させられる。 制御信号が他のコントローラ(ABS7,ASR8,EBV9)に入れられる ときには(第1章)、その制御信号を先ず最初に、コンピュータ内に格納された 車輪ブレーキの油圧モデルによって、圧力値に換算される。 GMRコントローラ10の要求圧力はABSコントローラと他のコントローラ の要求圧力と関連づけられる。これは優先回路で行われる。この優先回路はどの 要求を優勢させるかまたはどのような平均圧力が車輪ブレーキの圧力制御装置5 に出力されるかを決定する。圧力制御装置5は圧力を弁切換え時間に換算する。 優先回路には目標圧力の代わりに目標圧力変化を供給することができる(第7 章参照)。 この場合、一つの車輪の圧力低下の要求が優先的に満たされ、車輪ブレーキの 圧力保持要求が圧力上昇要求に対して優先するという規則に従って、優先回路3 はその出力で圧力変化Δpを出力する。それによって、圧力低下要求があるとき に、圧力保持要求または圧力上昇要求を無視するという規則に従って、優先回路 への個々の要求が処理される。これと同様に、圧力保持の要求のときには圧力上 昇は行われない。 5.弁切換え時間を直接的に比較する優先回路 その代わりに他の方法も適用可能である。 分配ロジックは他のコントローラのように、追加ヨーイングモーメントMGか ら、圧力でなく弁切換え時間を直接的に演算する。それによって、GMRの弁切 換え時間は例えばABSの要求弁切換え時間と比較可能である。優先回路では、 今までのように、異なる圧力要求を評価しないで、異なる弁切換え時間を評価す る。 弁切換え時間を得るために、分配ロジックは先ず最初に各々の車輪ブレーキの ための調節すべき圧力変化を演算する。 後続の非線形の制御要素によって、圧力変化から、個々の車輪ブレーキのため の制御用切換え時間が演算される。 この非線形の制御要素は例えばカウンタである。このカウンタは予め定められ た圧力変化をクロック数に変換する。そのために、ループ時間T0が約3〜10 の切換えインターバル(クロック)に分割される。ループ時間あたりのクロック の最高数は、達成すべき制御精度によって決まる固定された量である。 演算されたクロック数によって、ループ時間内で弁をどれくらい長さ制御すべ きかが判る。 一般的に1個の車輪ブレーキに2個の弁が設けられている − 一方の弁(入 口弁)は車輪ブレーキへの圧力媒体供給を制御し、他方の弁(出口弁)は車輪ブ レーキからの圧力媒体排出を制御する − ので、全部で8つの信号を発生すべ きである。 このクロック数は優先回路に供給され、優先回路は他のコントローラのクロッ ク数を他のチャンネルに受け入れる。 優先回路はどのコントローラを優先させるか、すなわちどのクロック数を実際 の弁制御のための受け取るかを決定する。 車輪ブレーキの操作によって発生する制動力に対する量の反応は、変化したヨ ー角速度である。このヨー角速度はGMRコントローラ10によって検出され、 このコントローラは更に、新しい追加ヨーイングモーメントを決定する。 すなわち、制御回路ではブレーキ圧力は演算または調節されない。従って、制 御アルゴリズムは車輪ブレーキに関する情報を必要とせず、特に車輪ブレーキの 収容容積とそれから生じるブレーキ圧力の関係に関する情報を必要としない。 クロック時間の演算例を図27に基づいて説明する。 分配ロジック700によって追加ヨーイングモーメントMGから、個々の車輪 ブレーキで発生すべきブレーキ圧力が演算される。これがどのように行われるか は第3.1章と第3.2章から推察可能である。分配ロジック内での演算の結果 として、4輪車両のための4つの圧力値P1〜P4が生じる。この量は弁の切換え 時間に変換される。弁の切換え時間は車輪ブレーキへの圧力媒体供給(圧力上昇 )または車輪ブレーキからの圧力媒体排出(圧力低下)を制御する。弁の切換え 時間は上述のように、圧力設定値の絶対値から演算するのではなく、圧力設定値 の変化から演算する。従って、すべての値pn(n=1〜4)がシフトレジスタ 701に供給される。第1のレジスタ個所702には実際値が書き込まれる。第 2のレジスタ個所703では、第1のレジスタ個所702からの上記の値を受け 取るので、そこで、先行した演算ループから要求圧力が書き込まれる。この値は pn で示してある。 次のステップ705では、第1のレジスタ個所702から実際の要求圧力pn が読み出される。この値が0であるかあるいは最小値よりも小さいと、プログラ ムはループ706に分岐する。このループにより、生じる圧力が零になるように 圧力媒体が車輪ブレーキから排出される。そのために、入口弁が閉じ、出口弁が 少なくとも一つのループ時間T0にわたって開放される。 実際に要求された圧力値がこの最小値よりも大きいと、両レジスタ値702, 703から差が求められる。これは差計算回路707で行われる。演算された圧 力変化Δpは0よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。0よりも大きいとき には、それぞれの車輪ブレーキの圧力を高めなければならない。0よりも小さい と、それぞれの車輪ブレーキの圧力を低下させなければならない。圧力を高める 場合には、プログラムは右側の決定レーン710を進む。調節すべき圧力差と要 求圧力を考慮してあるいは対応する信号が存在する場合には、車輪ブレーキの実 際の圧力に基づいて入口弁の開放時間でΔteinが演算される。出口弁の開放時 間Δausは零にセットされる。これとは逆に圧力低下が要求される場合には(決 定レーン711)、入口弁の開放時間Δteinが零にセットされ、出口弁の開放 時間Δausが要求された圧力差と、車輪ブレーキ内の実際の圧力または第1のレ ジスタ702に書き込まれた要求圧力とから演算される。 通常は、開放時間Δtと意図した圧力変化Δpとの間に線形の関係がある。 上述のように、開放時間ではなく、クロック数によって演算を行う。これは図 28のグラフに詳しく記載してある。上述の演算は一定の時間間隔(ループ時間 T0)で行われる。この場合、演算結果として、車輪ブレーキの弁の制御信号が 次のループで決定される。ループ時間T0は約3ミリ秒である。 制御をどれくらい細かく行うかに応じて、各々のループ時間T0がN時間区分 に分割される。 図28のグラフでは、6個のステップに分割されている。弁の切換え時間は時 間量として出力されないで、弁を開放するループ内のクロックの数として出力さ れる。例えばn=3の場合、図28に示すように、1.5ミリ秒の開放時間とな る。 要求された開放時間がループ時間よりも大きいと、nは最大値Nにセットされ る(図示例では6個にセットされる)。 この演算は各々の車輪ブレーキについて行われる。すなわち、4輪車両の場合 には4回行われる。演算は平行にまたは順々に行うことができる。8つの値、す なわち入口弁のための4つの値と出口弁のための4つの値が結果として生じる。 この値は変形された優先回路720に供給される。この優先回路720には、A BSコントローラと他のコントローラの、同様にクロック時間で表された要求切 換え時間が入力される。 この制御が行われるので、車輪ブレーキの圧力変化が生じる。それによって、 制動力と、車両に加わるモーメントが変化する。変化は車両の走行ダイナミック を示す量で生じる。この量はセンサによって直接または間接的に検知され、演算 回路に供給される。 これから新たに、要求モーメントが続く。この要求モーメントは上述のように 、弁の新しい制御信号に変換される。 調節すべき圧力差の演算は、先行する演算ループの要求圧力に基づいている。 しかし、この要求圧力は実際には調節しなくてもよいので、車輪ブレーキの実際 の圧力はその都度演算された要求圧力と異なる。従って、所定の状況は、車輪ブ レーキの実際の圧力を要求圧力と合わせなければならない。これは、要求圧力が 0であるとき、すなわち分配ロジック700が車輪ブレーキの圧力零に対応する 値を要求するときには、最も簡単に行うことができる。このような場合、先行す る値との差を求めて制御信号を導出することをしないで、切換え時間の演算のた めにステップ705においてループ706に分岐される。このループでは、実際 の圧力値が零に調節される。これは、出口弁のための切換え時間Δtausを少な くともループ時間T0にセットすることによって行われる。 更に、適当な情報を優先回路720に与える必要がある。それによって、車輪 ブレーキの圧力を零にするこの要求時間が他のコントローラの設定値と重なるこ とがない。更に、この情報では、複数のループ時間にわたって圧力を低下させる ことが定められている。それによって、完全な圧力低下が実際に行われる。 6.車輪ブレーキ圧力認識 第4章までに述べたFSR圧力コントローラは結果として車輪ブレーキのブレ ーキ圧力値を提供する。この設定値は実現しなければならない。その方法は、車 輪ブレーキの圧力を測定し、設定値と比較することにある。普通の法則に従って 作動する圧力コトローラは、車輪ブレーキ圧力を設定された目標値に制御する。 この方法は車輪ブレーキあたり各々1個の圧力センサ、すなわち4輪車両は4個 の圧力センサを必要とする。 一般的に、コスト上の理由から、センサをできるだけ少なくすることが試みら れる。更に、各々のセンサは他の潜在的な障害源である。センサが故障すると、 制御系全体を停止しなければならない。 従って、既に存在するセンサのデータに基づいて、車輪ブレーキの圧力に一致 する圧力量を導出する評価系を設けることが提案される。そのために次の概念が 提案される。 各々の車輪ブレーキは既に述べたように、2個の弁によって制御される。入口 弁は圧力媒体供給を制御し、出口弁は圧力媒体排出を制御する。 従って、圧力コントローラから出る信号は、弁を開放または閉鎖する時間を示 す制御時間である。ループ時間は一定数の時間区間(クロック)に分割される。 制御時間は弁の開放または閉鎖する時間区間を示すクロック数として示すことが できる。 基本的な考察は、この制御信号を車輪ブレーキに与えるだけでなく、車両モデ ルの演算量として使用することにある。実際の車両はブレーキ圧力に反応する。 この場合、所定の重心速度vと個々の車輪の車輪回転数ωiが生じる。車両の速 度は直接測定されないで、同様に個々の車輪の車輪回転数ωiから特別なプロラ ムステップで導き出される。従って、車両の速度は基準速度vRefと称される。 対応する値を車両モジュール内でも複写することができる。 ωi,vRefの実際値を、ωi,vRefの演算された値または車両モデルに基づい て推定された値と比較することにより、個々の車輪の圧力の補正量を検出するこ とができる。この場合、補正量によって、油圧モデルで演算された圧力を修正す ることができるので、車輪ブレーキ圧力の良好な推定が可能である。 上述の原理的な構造は図29に詳しく記載されている。 800は、図1において番号5をつけた圧力制御部である。圧力制御部は、調 節すべき圧力を表す第1の値801と、車輪ブレーキ内の推定または測定された 圧力を示す第2の値802から、車輪ブレーキの弁のための制御時間を演算する 。制御時間は出力量803として示してある。810は車両を示している。それ によって、車両は車輪ブレーキ内の圧力によって生じた力に反応する。その際、 個々の車輪の車輪回転数ωiが変化する。 車両810には車輪の回転数を検出する車輪センサが設けられているので、値 ωiが直接供される。 車両810には更に、ωi評価ユニットが設けられている。この評価ユニット は通常、所定の車輪条件の下で個々の車輪の車輪回転数ωiからいわゆる基準速 度vRefを演算するABSコントローラの部分範囲である。この基準速度は車両 に実際の速度に対応する。 個々の車輪回転数と車両基準速度から、各々の車輪について、スリップλiを 演算することができる。 値ωi,vRefは出発値811として供される。スリップλiは値812として 供される。 用いられた演算モデルは全体が820で示してある。演算モデルは3つの下位 モデル、すなわち、 油圧装置モデル821 車両モデル822 タイヤモデル823 を含んでいる。 油圧装置モデル821は、ブレーキ圧力pと車輪ブレーキ内の容積Vとの関係 と、入口弁または出口弁が或る時間開放しているときの容積の変化ΔVを、次の 2つの近似式で表す。 F6.1 p=a×V+b×V2 F6.2 パラメータa,b,cはブレーキ装置を表す量であり、値としてメモリに格納さ れている。pは車輪ブレーキ内の実際の圧力を示している。Vは車輪ブレーキ内 の実際の容積を示している。 Δpは入口弁を介してあるいは出口弁を介して測定される。この場合、入口弁 を介して測定するときに、圧力源とpとの差が検出され、出口弁を介して測定す るときに、pとタンク内の圧力との差が検出される。このタンク内の圧力は一般 的に1バールであり、それによって無視可能である。 制御の開始時に車輪ブレーキの圧力と容積が0にセットされることから出発す ると、弁開放時間の追従を介して容積変化ひいては個々の車輪ブレーキ内の圧力 の変化をあとづけ可能である。 勿論、上記の式が実際の状態を非常に大まかに示すことがあるので、適当な補 正が必要であることは明らかである。車両はモデル822では一般的に、4つの 接触面(車輪接触面)で平面上に立っている剛性のある物体として書き込まれて いる。 物体は平面に対して平行に、すなわち、x方向とy方向に移動し、その重心回 りに回転することができる。この場合、回転軸線は運動平面に対して垂直である 。 物体に作用する力は車輪接触面での制動力と空気抵抗力である。 車輪荷重Fz.v,Fz.hはこの重ね合わせに基づいて演算される。 F6.3a F6.3b 所望の圧力補正を実施できるようにするためには、通常このようなモデルで充 分である。もし必要であれば、勿論モデルを微細化することができる。他の演算 のために、モデルは重心減速度に依存して接触面の荷重Fxを供給する。車輪は 或る程度の慣性モーメントを有する回転する円板として考慮される。 F6.4 車輪に作用する減速モーメントは車輪ブレーキ圧力から線形に検出される。 F6.5 MBr=CBr×P タイヤモデルでは、摩擦連結利用度f、すなわち車輪荷重に対する制動力の比 が車輪のスリップと共に線形に変化する。 Fx〜λ×Fz F6.6 上記の式は、各々の車輪の回転数と車両モデルの基準速度を演算することを可能 にする。 この値は実際の値811と比較可能である。これは比較点830で行われる。 各々の車輪の測定された車輪回転数と推定された車輪回転数の差から、補正係数 kを考慮して、付加的な容積が算出される。 この付加的な圧力媒体容積ΔVは、演算すべき目標容積に加算され、新しい目 標容積を生じる。この新しい目標容積から、式F6.1に従って、実際の車輪ブ レーキ圧力に比較的に正確に一致する車輪ブレーキ圧力を導き出すことができる 。 推定の精度は勿論、補正係数kに左右される。この補正係数は場合によって試 験によって前もって検出しなければならない。 この係数は車両によって異なり、特に車両モデルが実際の状態をどれくらい良 好に表しているかに依存する。 付加的な容積では、誤差容積を得ることができる。この誤差容積によって、弁 を通る流量が切換え時間に比例しないことを考慮する。弁の開閉時に、弁の開放 横断面積がゆっくり拡大または縮小するので、開放横断面積全体が増大または減 少する時間区間内では、減少した容積が流れる。 7.ヨー角速度測定器の置換 上記の制御にとって、ヨー角速度はきわめてはっきりした量を形成する。なぜ る。 しかし、次に説明する他の制御量も有利に使用可能である。この章では簡単化 するために、対の符号が用いられる。 これと同じことが、それぞれ添字“s”をつけた図9の目標値にもあてはまる 。 図12の測定されたヨー角速度は通常のごとく、ヨー角速度センサ321によ って測定される。このヨー角速度センサは出発信号g1を発生する。しかし、ヨ ー角速度を直接的に的に発生するこのような公知のヨー角速度センサは複雑であ り、それによって非常に高価である。同じことが後続配置のコンパレータと、制 御回路に属するコントローラにもあてはまる。従って、対策が講じられ、簡単な センサと簡単に構成されたコントローラが提供される。 図13は新しいセンサ321の作用を示している。このセンサは第1の横方向 加速度測定器322と第2の横方向加速度測定器323を備えている。両加速度 測定器322,323はそれぞれ前車軸または後車軸の上方で車両の縦軸線上に 配置されている。原理的には、横方向加速度測定器は重心SP以外の任意の個所 に配置可能である。この場合、適当な換算が行われる。図15には、車輪の四角 形の輪郭324がタイヤ325およびセンサと共に示してある。この構造に基づ いて、前側の横方向加速度測定器322は前車軸326の高さ位置で横方向加速 度aqvを測定し、後側の横方向加速度測定器323は後車軸327の高さ位置で 横方向加速度aqhを測定する。 両横方向加速度測定器は、ヨー角速度に依存する量を示すことができる。数学 的な導き出しにより、横方向加速度測定器の測定結果からヨー角速度と重心SP の横方向加速度aquerが次のようにして検出可能であることが判った。 F7.1 F7.2 その際、図13に示すように、lv,lhは重心SPからの横方向加速度測定器3 22,323の距離であり、vは車両の速度であり、βは浮動角度である。それ によって、横方向加速度と加速度測定器322,323の距離から、ヨー角加 のための個々の入力値の線形の重み付けを、公知の状態制御と同様に行うことが できる。その際、車両基準モデル302の出力量に一致するディメンジョンを有 する量をセンサ321から得るために、ヨー角速度gと浮動角度βは、帯域制限 式の積分または第1のオーダーのスカラー化されたローパスによって、ヨー角圧 その際、帯域制限式積分については次式が当てはまる。 F7.3 一方、ローパスを使用する場合には次の関係となる。 F7.4 浮動角速度は次の関係の評価によって得られる。 F7.5 それによって、2個の横方向加速度測定器を使用することにより、公知のヨー角 速度測定器が置き換え可能であることが判った。その際、ヨー角加速度をヨー角 た後で、図1の制御法則16に変更しないで続けることができる。図14では、 このようにして演算したモーメントMGが制御法則16で時間的な微分によって モーメント変化Mに換算される。 しかし、事情によっては、図17の非線形の制御に移行することが好ましいこ 結果として車両参照モデル302からコンパレータ303に供給される。そのた めに、車両参照モデルにおいて適当な微分を求めなければならない。 レータ303の出力で生じ、入力量として制御法則16に供給される。更に、図 ヨーイングモーメント制御法則16に付加的に供給することができる。 図14に関して既に述べたように、制御法則16の出発信号としての追加ヨー すなわち追加ヨーイングモーメントMGの微分は個々の圧力変化に変換される。 これは、圧力変化が個々の車輪ブレーキに分配され、全体として所望の追加ヨー イングモーメントMGが生じることを意味する。これに関する詳細は図16に関 連して後述する。 運転者のブレーキ操作により、場合によっては同時に所定の圧力分布が車輪ブ よってモーメントMGを決定することが望ましい。このモーメントから圧力差を 直接決定することができる。この圧力差は個々のすべての車輪ブレーキの圧力に 関して調達しなければならない。第1〜3章で用いた制御量の微分値を使用する ことによる上述の有利な方法は、第3章の分配ロジックと組み合わせることがで きる。これによって、2つの制御原理が供される。一方の制御原理は追加ヨーイ ングモメントMGを設定値として供給し、他方の制御原理は追加ヨーイングモー の制御原理への切換えは特に、一方の原理の追加制御量(浮動角度等)の他の演 算が充分な精度で実施できないときに行わなければならない(例えば第2.2. 図15の制御法則16では、適合する増幅器k1,k2,k3のほかに、2個 の閾値スイッチS2,S3が示してある。この閾値スイッチは制御法則16内で の制御状態を改善し、速度に依存して、供給された量の影響を理想的な制御状態 に最適に適合させる。増幅器k1〜k3は類似の課題を有する。そして、個々の 値がアダーで加算され、GMRコントローラ10の出発信号として与えられる。 これと同じことが当てはまる制御法則に関する一般的な説明は第2.4章に記載 されている。 図1と関連して、どのようにして優先回路3でコントローラ7,8,9の出力 の設定圧力が分配ロジック2の設定圧力と結合されるかを示した。設定圧力の使 用は、この設定を与える装置における事前の変形を前提とする。次に説明する手 段により、制御回路のプログラムモジュー間の情報交換のための処理を簡単化す ることができる。 図16には、図9,14の走行安定性を制御するための制御回路が再度非常に 簡単化して示してある。この場合、そこで使用された符号がそのまま付けてある 。 出力に存在するということで修正されている。この付加的なヨーイングモーメン トは運転者の希望するブレーキの圧力分布(制動希望)と共に分配ロジック2に 分配ロジック2はロジックブロック340と圧力勾配回路341を備えている 。ロジックブロック340の重要な課題は、走行安定性コントロールの介入にも かかわらず、車両全体が、圧力信号の設定によって分配ロジック2の入力で運転 者が希望するよりも強く制動されないようにすることである。それによって、走 行安定性コントロールにより、不安定性を更にもたらすことが避けられる。すな わち、付加的なヨーイングモーメントを達成するために、運転者の制動希望に基 づいて1個の車輪にブレーキ圧力が見込まれ、FSRコントローラを介して1個 または2個の車輪に圧力上昇が要求され、反対側の車輪に圧力低下が要求される ときには、個々の車輪に関して互いに矛盾する要求が存在し得る。すなわち、圧 力上昇と同時に圧力低下が要求される。他方の車輪に関しては、運転者の制動希 望に基づいてだけでなく、同時に安定性コントロールに基づいて圧力を上昇させ る要求が生じ得る。ロジックブロックにより、先ず最初に対応する車輪のブレー キ圧力が低下し一方、続いて、運転者の希望を超えて所定の限界値までブレーキ 圧力を高めることができる。それによって、FSRコントロールによってもたら される付加的な回転モーメントを考慮して、すべての車輪の平均の制動力が運転 者希望するよりも大きくならない。 第3.2章で既に述べたように、横方向力を低減するために、1個の車輪の縦 方向スリップλを適切に高めることができ、他方では縦方向の制動力は維持され る。これにより、車両減速度を低下させずに、ヨーイングモーメントを加えるこ とができる。 分配ロジック2の圧力勾配回路341では、設定された定数dxxとモーメント 運転者の希望する制動圧力PFahrer実際に測定されたブレーキ圧力Pxxistとの 間の差が演算に取り込まれる。従って、次の関係が当てはまる。 F7.6 この場合、 が当てはまり、g1は比例因数である。 実際のブレーキ圧力pxxistは当該の車輪の圧力センサによってあるいはブレ ーキモデルを介して演算される。このブレーキモデルは車輪に定められた圧力変 化に追従し、それによって車輪のそのときの圧力のコピーである(第6章)。 演算された要求圧力は優先回路3に供給され、そこで評価される(第4章参照 )。 上記の説明は、優先回路内で圧力勾配が直接処理されることを前提としている 。しかし、これは必ずしも必要ではない。更に、優先回路3内で弁切換え時間Δ tを処理することができる。(第5章)。この場合勿論、弁切換え時間回路34 3は分配ロジック2と優先回路3の間に接続配置しなければならない。弁切換え 時間Δtは他のコントローラ7,8,9から与えられる。優先回路は、第4章に おいて既にブレーキ圧力について説明したように、図示に従って、入力された弁 切換え時間Δtを処理する。優先回路の出力量は弁切換え時間である。弁切換え 時間Δpへの個々の車輪xxの要求された圧力変化Δtxxの変換は、次式によっ て行われる。 F7.7 Sxx=Kr pxxist・Δpxx ここで、Krxxは増幅係数である。この増幅係数は個々の車輪の実際の圧力に依 存し、次の規則に従って演算される。 F7.8 一方、圧力低下については次式が当てはまる。 F7.8 その際、xxは個々の車輪の位置を示す添字である。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1996年11月7日 【補正内容】 目標ヨー角速度からの偏差が大きいので、車両を不安定な走行状況にあること が予想される。本発明の課題は、後退走行時にこのような誤った推定が生じない 、請求項1の上位概念に記載した、車両のヨーイングモーメントを制御するため の装置を提供することにある。 本発明は、状況認識ユニットが後退走行を確認するときに、ヨーイングモーメ ント制御を簡単に停止することにある。 しかし、目標ヨー角速度と測定されたヨー角速度の反対向きの正負符号は必ず しも、後退走行であることの確実な表示ではない。例えば、車両の実際のヨー角 速度、すなわち測定されたヨー角速度が目標ヨー角速度に遅れて追従する状況が あり得る。例えば“ウェーデルン(頻繁な交替)”のときのこのような異なる符 号は、ヨーイングモーメント制御が最初から行われないことになる。これは反対 に、このような状況は、車両のヨーイングモーメントに制御して作用させること をときどき必要とする。従って、本発明では、ヨー角速度のほかに、ヨー角加速 度が考察される。測定されたヨー角速度が目標ヨー角速度に遅れるときを除いて 、ヨー角速度は等しい符号を有する。 請求の範囲 1.車両参照モデル(12)を具備し、この車両参照モデルが演算された目標ヨ にアクティベーションロジック(11)を備え、前記偏差が所定の閾値を上回る ときに、アクティベーションロジックが所定の走行状況でヨーイングモーメント 制御を開始する、カーブ走行中に4輪自動車のヨーイングモーメントを制御する ための装置において、少なくとも、車両が後退走行中であるかどうかの情報を、 状況認識ユニット(13)がアクティベーションロジック(11)に ll)が反対向きの正負符号を有するときに常に、後退走行(状況[6])が認 走行時にアクティベーションロジック(11)がヨーイングモーメント制御を許 容しないことを特徴とする装置。 2.車両速度(vref)が車両停止状況と見なされるほど遅い限り、状況認識ユ ニット(13)が後退走行であるとの仮定を維持することを特徴とする請求項1 記載の装置。 3.予め定めた最小閾値(δmin)を数値的に上回る操舵角度(δ)が測定され るときにのみ、状況認識ユニット(13)が測定された横方向加速度(aquer) に基づいてカーブ走行であると仮定することを特徴とする請求項1または2記載 の装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C N,CZ,FI,GE,HU,JP,KG,KP,KR ,KZ,LK,LT,LV,MD,MG,MN,NO, NZ,PL,RO,RU,SI,SK,TJ,TT,U A,US,UZ,VN (72)発明者 ヴァンケ・ペーター ドイツ連邦共和国、デー−60437 フラン クフルト・アム・マイン、ブダペスター・ ストラーセ、8

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.車両参照モデル(12)を具備し、この車両参照モデルが演算された目標ヨ にアクティベーションロジック(11)を備え、前記偏差が所定の閾値を上回る ときに、アクティベーションロジックが所定の走行状況でヨーイングモーメント 制御を開始する、カーブ走行中に4輪自動車のヨーイングモーメントを制御する ための装置において、少なくとも、車両が後退走行中であるかどうかの情報を、 状況認識ユニット(13)がアクティベーションロジック(11)に与え、後退 走行時にアクティベーションロジック(11)がヨーイングモーメント制御を許 容しないことを特徴とする装置。 が反対の正負符号を有するときに、後退走行(状況[6])が常に認識され、 ことを特徴とする請求項1記載の装置。 3.車両速度(vref)が車両停止状況と見なされるほど遅いかぎり、状況認識 ユニット(13)が後退走行であるとの仮定を維持することを特徴とする請求項 2記載の装置。 4.予め定めた最小閾値(δmin)を数値的に上回る操舵角度(δ)が測定され るときにのみ、状況認識ユニット(13)が測定された横方向加速度(aquer) に基づいて仮定することを特徴とする請求項1,2,3のいずれか一つに記載の 装置。
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