JPH1145669A - 陰極線管およびその製造方法 - Google Patents

陰極線管およびその製造方法

Info

Publication number
JPH1145669A
JPH1145669A JP20336497A JP20336497A JPH1145669A JP H1145669 A JPH1145669 A JP H1145669A JP 20336497 A JP20336497 A JP 20336497A JP 20336497 A JP20336497 A JP 20336497A JP H1145669 A JPH1145669 A JP H1145669A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
neck
electrode
metal wire
metal
electrodes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20336497A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Hasegawa
隆弘 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP20336497A priority Critical patent/JPH1145669A/ja
Publication of JPH1145669A publication Critical patent/JPH1145669A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ネック内面電位の上昇による耐電圧特性の劣
化を防止し、安定した耐電圧特性をもつ陰極線管および
その製造方法を得ることを目的とする。 【解決手段】 ネック2 内に封止された電子銃7 が電子
ビーム発生部を形成する複数個の電極G1,G2 およびこの
電子ビーム発生部からの電子ビーム6B,6G,6Rを蛍光体ス
クリーン4 上に集束する主レンズ部を形成する複数個の
電極G3〜G6からなり、この主レンズ部を形成する複数個
の電極のうち相対的に低電圧が印加される電極の1つに
金属ワイヤー13a,13b が取付けられ、この金属ワイヤー
と対向するネック内面にこの金属ワイヤーの金属蒸着膜
が形成されてなる陰極線管において、その金属ワイヤー
を磁性材で構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カラー受像管な
どの陰極線管に係り、特に電子銃の封止されたネック内
面の帯電による耐電圧特性の劣化を防止した陰極線管に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー受像管は、パネルおよび漏
斗状ファンネルからなる外囲器を有し、そのパネルの内
面に形成された3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン
を、ファンネルのネック内に封止された電子銃から放出
される3電子ビームによりシャドウマスクを介して水
平、垂直走査することにより、カラー画像を表示する構
造に形成されている。このようなカラー受像管は、現
在、同一水平面上を通る一列配置の3電子ビームを放出
するインライン型カラー受像管が主流となっている。
【0003】その電子銃は、一般に3個のカソード、こ
のカソードから順次蛍光体スクリーン方向に数mm程度の
間隔で配置された複数個の電極を有し、これらカソード
および複数個の電極が一対の絶縁支持体により一体に固
定された構造に形成されている。そしてカソードおよび
このカソードに順次隣接する第1、第2電極により、カ
ソードからの電子放出を制御して電子ビームを形成する
電子ビーム発生部が形成され、この電子ビーム発生部よ
りも蛍光体スクリーン側に位置する複数個の電極によ
り、上記電子ビーム発生部からの電子ビームを蛍光体ス
クリーン上に集束する主レンズ部が形成される。特にそ
の電子ビーム放出端部側に位置する少なくとも2個の電
極により、電子ビームを最終的に蛍光体スクリーン上に
集束する主レンズが形成される。
【0004】通常上記電子銃の各電極には、上記電子ビ
ーム放出端部に位置する主レンズを形成する最終加速電
極を除いて、ネック端部のステム部を貫通するステムピ
ンを介して所定の電圧が供給され、カソードには百数十
ボルトの電圧が、第1電極は接地され、第2電極には数
百ボルトの電圧が印加され、最終加速電極とともに主レ
ンズを形成する集束電極には、最終加速電極に印加され
る約30 kV程度の陽極高電圧の20〜40%程度の電
圧が印加される。一方、上記最終加速電極には、漏斗状
ファンネルの径大部に設けられた陽極端子、ファンネル
の径大部内面からネックの隣接部内面にかけて塗布形成
された導電膜などを介して上記陽極高電圧が印加され
る。
【0005】その結果、一般に主レンズを形成する最終
加速電極とこの最終加速電極と対向する集束電極とは数
mm間隔で対向するので、これら電極間には陽極高電圧の
60〜80%程度の電位差が生じ、主レンズでの電位勾
配は、きわめて急峻になる。また集束電極よりも電子ビ
ーム発生部側に位置する電極も、1mm以下の間隔で対向
するので、これら電極間にも主レンズほどではないが、
陽極高電圧の30%前後の電位差が生じ、比較的急峻な
電位勾配となる。
【0006】一方、このような電子銃の封止されるネッ
ク内面は、上記最終加速電極の近くまでは導電膜が塗布
形成されているが、最終加速電極近傍からカソード側に
かけては、ネックのガラス内面が露出している。そのた
め、ネック内面の表面電位は、最終加速電極の近くの導
電膜端からネック端部方向に向かってゆるやかな電位勾
配となる。
【0007】すなわち、ネック内面は、導電膜→主レン
ズ近傍→電子ビーム発生部近傍の順に電位が低くなり、
ステム部近傍でほぼ0Vとなる。その結果、上記電子銃
の各電極と対向する部分のネック内面電位は、最終加速
電極と対向する部分以外、各電極の電位よりも高くなる
ことが多く、特に第2電極などの低電圧が印加される電
極付近では、ネック内面の表面電位と電極電位との差が
大きくなる。しかも一般にネックは、直径20〜40mm
程度の円筒状に形成され、電子銃の各電極がネック内面
に接近して配置されるため、上記電極間から電子ビーム
の一部電子が引出されてネック内面に衝突する。
【0008】このようにネック内面に電子が衝突する
と、2次電子が放出され、ネック内面の電位はさらに上
昇し、ネック内面と電極との間にスパーク放電が発生す
る。このようにスパーク放電が発生すると、一旦はネッ
ク内面の電位は下がるが、導電膜からの陽極高電圧によ
り、再度徐々に上昇し、スパーク放電を繰返し発生する
という耐電圧特性の劣化がおこる。
【0009】このネック内面電位の上昇による耐電圧特
性の劣化防止方法として、特公昭63−10859号公
報には、低電圧の印加される電極に各電極を一体に固定
する絶縁支持体を取囲むように金属ワイヤーを取付け、
カラー受像管の製造工程でこの金属ワイヤーを加熱し
て、この金属ワイヤーと対向するネック内面に金属蒸着
膜を形成することによりネック内面電位を安定化させ、
ネック内面電位の上昇を防止する方法が示されている。
【0010】しかしこのような方法は、金属ワイヤーか
らの金属蒸気が放射方向に飛散するため、電極の対向面
近傍などに不所望に被着し、電極間の耐電圧特性が劣化
することがある。また金属ワイヤー自体の形状、取付け
位置や、加熱条件のばらつきなどにより、ネック内面に
被着する金属蒸着膜の面積が一定せず、安定した耐電圧
特性が得られない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のように陰極線管
については、カラー受像管について説明したように、ネ
ック内面電位の上昇により、電子銃から放出される電子
ビームの一部電子が引出されてネック内面に衝突し、耐
電圧特性が劣化するという問題がある。
【0012】またこのネック内面電位の上昇による耐電
圧特性の劣化防止方法として、低電圧の印加される電極
に各電極を一体に固定する絶縁支持体を取囲むように金
属ワイヤーを取付け、陰極線管の製造工程でこの金属ワ
イヤーを加熱してネック内面に金属蒸着膜を形成し、ネ
ック内面の表面電位を安定化させる方法が提案されてい
る。
【0013】しかしこのような方法は、金属ワイヤーか
らの金属蒸気が放射方向に飛散するため、電極の対向面
近傍などに不所望に被着し、電極間の耐電圧特性が劣化
することがある。また金属ワイヤー自体の形状、取付け
位置や、加熱条件のばらつきなどにより、ネック内面に
被着する金属蒸着膜の面積が一定せず、安定した耐電圧
特性が得られないなどの問題がある。
【0014】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、ネック内面電位の上昇による耐電
圧特性の劣化を防止し、安定した耐電圧特性をもつ陰極
線管およびその製造方法を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】外囲器のネック内に電子
銃が封止され、この電子銃がカソードとともに電子ビー
ム発生部を形成する複数個の電極およびこの電子ビーム
発生部からの電子ビームを蛍光体スクリーン上に集束す
る主レンズ部を形成する複数個の電極からなり、この主
レンズ部を形成する複数個の電極のうち相対的に低電圧
が印加される電極の1つに金属ワイヤーが取付けられ、
この金属ワイヤーと対向するネック内面にこの金属ワイ
ヤーの金属蒸着膜が形成されてなる陰極線管において、
その金属ワイヤーを磁性材で構成した。
【0016】また、外囲器のネック内に封止された電子
銃の主レンズ部を形成する複数個の電極のうち相対的に
低電圧が印加される電極の1つに取付けられた金属ワイ
ヤーを加熱してネック内面にこの金属ワイヤーの金属蒸
着膜を形成する陰極線管の製造方法において、その金属
ワイヤーを磁性材で構成し、ネック内面にこの金属ワイ
ヤーの金属蒸着膜が形成するとき、この金属蒸着膜を形
成するネック内面と対向するネック外側に磁界発生素子
を配置し、この磁界発生素子により金属ワイヤーと鎖交
して横切る磁界を発生させながらネック内面に金属蒸着
膜を形成するようにした。
【0017】さらに、その磁界発生素子の管軸方向幅に
よりネック内面に形成する金属蒸着膜の管軸方向幅を制
御するようにした。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について説明する。
【0019】図1にその一形態であるカラー受像管を示
す。このカラー受像管は、ガラス製パネル1と一端部が
円筒状のネック2からなるガラス製漏斗状のファンネル
3とからなる外囲器を有する。一般にそのネック2は、
外径が20〜40mm程度の円筒状に形成されている。上
記パネル1の内面には、青、緑、赤に発光するストライ
プ状の3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン4が形成
され、この蛍光体スクリーン4に対向して、その内側に
シャドウマスク5が配置されている。一方、ファンネル
3のネック2内には、同一水平面上を通る一列配置の3
電子ビーム6B,6G ,6R を放出する電子銃7が封止
されている。またファンネル2の径大部8には、陽極端
子9が設けられ、さらにその径大部8内面からネック5
の隣接部内面にかけて、導電膜10が塗布形成されてい
る。さらにまたファンネル2の径大部8からネック2に
かけてその外側に偏向ヨーク11が装着されている。
【0020】上記電子銃7は、水平方向に一列に配置さ
れた3個のカソードKB ,KG ,KR (KR のみ図
示)、これらカソードKB ,KG ,KR を各別に加熱す
る3個のヒータH、上記カソードKB ,KG ,KR の蛍
光体スクリーン側に順次所定間隔で配置された第1乃至
第6電極G1 〜G6 およびその第6電極G6 の蛍光体ス
クリーン側端部に取付けられたシールドカップCを有
し、そのヒータH、カソードKおよび第1乃至第6電極
G1 〜G6 が一対の絶縁支持体12により一体に固定さ
れている。
【0021】その第1、第2電極G1 ,G2 は、一体構
造の板状電極からなり、これら第1、第2電極G1 ,G
2 には、3個のカソードKB ,KG ,KR に対応して、
直径1mm以下の3個の電子ビーム通過孔が一列配置に形
成されている。第3乃至第6電極G3 〜G6 は、一体構
造の筒状電極からなり、その第3電極G3 の第2電極G
2 側には、3個のカソードKB ,KG ,KR に対応し
て、第2電極G2 の電子ビーム通過孔よりも大きい直径
約2mmの3個の電子ビーム通過孔が一列配置に形成され
ている。またこの第3電極G3 の第4電極G4 側および
第4乃至第6電極G4 〜G6 の両側には、3個のカソー
ドKB ,KG ,KR に対応して、上記第3電極G3 の第
2電極G2 側の電子ビーム通過孔よりも大きい直径5〜
6mm程度の電子ビーム通過孔が形成されている。
【0022】さらにこの電子銃7においては、第4電極
G4 に一対の金属ワイヤー13a ,13b が取付けられ
ている。これら金属ワイヤー13a ,13b は、磁性材
からなり、それぞれ絶縁支持体12を取巻いてネック2
内面と対向するように、両端が第4電極G4 の外側面に
溶接されている。
【0023】この電子銃7では、カソードKB ,KG ,
KR に約200Vの直流電圧に画像に対応したビデオ信
号が重畳された電圧が印加され、第1電極G1 は接地さ
れ、第2電極G2 は、管内で第4電極G4 と接続され、
これら第2、第4電極G2 ,G4 には約800V、第3
電極G3 は、管内で第5電極G5 と接続され、これら第
3、第5電極G3 ,G5 には6〜9 kVの電圧が印加さ
れ、第6電極G6 には、約30 kVの陽極高電圧が印加
される。
【0024】そのカソードKB ,KG ,KR および第1
乃至第5電極G1 〜G5 に印加される電圧は、ネック2
端部のステム部14を貫通するステムピン15を介して
供給される。これに対し、第6電極G6 に印加される電
圧は、ファンネルの径大部に設けられた陽極端子9、フ
ァンネルの内面に塗布形成された導電膜10、シールド
カップCに取付けられてこの導電膜10に圧接するバル
ブスペーサ16などを介して供給される。
【0025】上記電圧の供給により、この電子銃7で
は、カソードKおよびこのカソードKに順次隣接する第
1、第2電極G1 ,G2 により、カソードからの電子放
出を制御して電子ビームを形成する電子ビーム発生部が
形成され、第2乃至第6電極G2 〜G6 により、上記電
子ビーム発生部からの電子ビームを蛍光体スクリーン上
に集束するレンズ部が形成される。このレンズ部には、
第2電極G2 と第3電極G3 により、電子ビーム発生部
からの電子ビームを予備集束するプリフォーカスレンズ
が、第3、第4、第5電極G3 ,G4 ,G5 により、上
記プリフォーカスレンズにより予備集束された電子ビー
ムをさらに予備集束するサブレンズが、第5電極G5
(集束電極)と第6電極G6 (最終加速電極)により、
上記サブレンズにより予備集束された電子ビームを最終
的に蛍光体スクリーン上に集束する主レンズが形成され
る。
【0026】したがってこの電子銃7では、各カソード
KB ,KG ,KR から放出される電子ビームは、第2、
第3電極G2 ,G3 近傍でクロスオーバーを形成したの
ち、発散するが、上記第2電極G2 と第3電極G3 とに
より形成されるプリフォーカスレンズで予備集束され、
さらに第3、第4、第5電極G3 ,G4 ,G5 により形
成されるサブレンズで予備集束され、その後、第5電極
G5 と第6電極G6 とにより形成される主レンズにより
蛍光体スクリーン上に集束される。
【0027】このような電子銃7では、各カソードKB
,KG ,KR から放出される電子ビームのほとんど
は、各電極G1 〜G6 の電子ビーム通過孔を通って蛍光
体スクリーンに達するが、ごく一部の電子は、各電極G
1 〜G6 間の隙間から漏洩する。この漏洩電子は、電極
が第5電極G5 などの比較的高電位の場合あるいはネッ
ク2内面が高電位に帯電している場合は、その高電位に
誘引されて電極あるいはネック2内壁に衝突する。この
場合、電極に衝突した電子は、電極に吸収されるが、ネ
ック2内壁に衝突すると、ネック2内面から2次電子が
放出される。それによりネック2内面電位が上昇し、ネ
ック2内面と電極との間に間欠的にスパーク放電がおこ
る。
【0028】そこで、この実施の形態においては、カラ
ー受像管の製造工程において、図2に示すように、上記
第4電極G4 に取付けられた一対の金属ワイヤー13a
,13b と対向するように、ネック2の外面にほぼ密
着させてその直径方向に一対の磁界発生素子17a ,1
7b を配置し、これら磁界発生素子17a ,17b によ
り各金属ワイヤー13a ,13b と鎖交して横切る磁界
を発生させながら、各金属ワイヤー13a ,13b を加
熱して、これら金属ワイヤー13a ,13b と対向する
ネック2内面に上記金属ワイヤー13a ,13b を構成
する金属の蒸着膜を形成する。
【0029】すなわち、図3に示すように、一方の磁界
発生素子17a がN極、他方の磁界発生素子17b がS
極を形成するようにネック2の直径方向外側に磁界発生
素子17a ,17b を配置すると、これら磁界発生素子
17a ,17b 間に各金属ワイヤー13a ,13b と鎖
交して横切る磁界18が発生する。そこで、図4に示す
ように、さらにネック2の外側に高周波誘導加熱コイル
19を配置し、一対の磁界発生素子17a ,17b によ
り各金属ワイヤー13a ,13b と鎖交して横切る磁界
18を発生させながら、高周波誘導加熱コイル19によ
り各金属ワイヤー13a ,13b を加熱して、金属ワイ
ヤー13a ,13b を構成する金属の蒸着膜20を形成
する。
【0030】このように各金属ワイヤー13a ,13b
と鎖交して横切る磁界18を発生させながら、金属ワイ
ヤー13a ,13b を加熱すると、蒸発する金属は磁性
材であるため、一対の磁界発生素子17a ,17b の磁
極N、S方向に誘引され、磁極N、Sと対向するネック
2の内面に被着する。この場合、ネック2の内面に被着
する蒸着膜20の面積は、磁界発生素子17a ,17b
の幅w、厚みt(図2参照)により制御することがで
る。
【0031】すなわち、金属ワイヤーが非磁性材の場合
は、磁界の有無にかかわらず、金属ワイヤーからの蒸気
は、放射方向に飛散し、ネック内面の所定位置に精度よ
く所定面積で被着させることは困難である。また金属ワ
イヤーが磁性材であっても、上記のように金属ワイヤー
13a ,13b と鎖交して横切る磁界18が形成されな
い場合は、同様にネック内面の所定位置に精度よく所定
面積で被着させることは困難である。特にたとえば高周
波誘導加熱コイルの出力がなんらかの原因で大きくなっ
た場合、蒸発量の増加によりネック内面の広面積に被着
し、蒸着膜の幅が所望幅よりも広くなる。しかしこのよ
うな場合でも、上記のように金属ワイヤー13a ,13
b を磁性材で構成し、これら金属ワイヤー13a ,13
b と鎖交して横切る磁界18を発生させながら加熱する
と、金属ワイヤー13a ,13bの蒸気は、一対の磁界
発生素子17a ,17b の形成する磁界に沿って磁極
N、S方向に誘引され、磁極N、Sと対向するネック5
の内面に磁極N、Sの大きさに対応する面積に被着させ
ることができ、蒸着膜を精度よく安定に所定の幅に形成
することができる。
【0032】したがって上記のようにネック2の内面に
蒸着膜20を形成すると、第4電極G4 と対向するネッ
ク2内面の電位は、静電誘導により第4電極G4 の電位
とほぼ同じ電位に安定し、耐電圧特性の安定したカラー
受像管とすることができる。
【0033】なお、上記実施の形態では、第4電極に金
属ワイヤーを取付けた場合について説明したが、この発
明は、第6電極以外の相対的に低電圧が印加さる電極で
あれば、レンズ部を形成する他の電極に取付けても、同
様の効果が得られる。
【0034】また、上記実施の形態では、第4電極に一
対の金属ワイヤーを取付けたが、この金属ワイヤーは、
一対に限定されるものではなく、1個または2個以上と
してもよい。
【0035】また、上記実施の形態では、各電極を一体
に固定する絶縁支持体を取り囲むように一対の金属ワイ
ヤーの両端を第4電極の外側面に溶接したが、この金属
ワイヤーの取付け方法は、これに限定されるものではな
く、他の方法でもよい。
【0036】さらに上記実施の形態では、カソードの蛍
光体スクリーン側に第1乃至第6電極が配置されたQP
F(Quadra Potential Focus)型電子銃について説明し
たが、この発明は、QPF型電子銃以外の電子銃に適用
できる。
【0037】さらにまた、この発明は、カラー受像管以
外の陰極線管にも適用できる。
【0038】
【発明の効果】上記のように、電子銃を構成する複数個
の電極のうち、相対的に低電圧が印加される電極の一つ
に磁性材からなる金属ワイヤーを取付け、この金属ワイ
ヤーと対向するネック内面の所定の位置に所定幅の蒸着
膜を安定に形成することができ、耐電圧特性の安定した
カラー受像管を構成することができる。
【0039】またその磁性材からなる金属ワイヤーを加
熱して蒸着膜を形成するとき、蒸着膜を形成するネック
内面と対向するネック外側に磁界発生素子を配置して、
金属ワイヤーと鎖交して横切る磁界を発生させながら蒸
着することにより、所定幅の蒸着膜を容易かつ安定に形
成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)はこの発明の実施の一形態であるカ
ラー受像管の構成を示す図、図1(b)はその電子銃の
構成を示す図である。
【図2】図2(a)は上記電子銃に対する磁界発生素子
の配置を示す平面図、図2(b)はその正面図である。
【図3】第4電極に取付けられた金属ワイヤーと磁界発
生素子の発生する磁界との関係を示す図である。
【図4】上記金属ワイヤーの金属蒸着膜形成方法を説明
するための図である。
【符号の説明】
2…ネック 4…蛍光体スクリーン 7…電子銃 13a ,13b …金属ワイヤー 17a ,17b …磁界発生素子 20…蒸着膜 G1 …第1電極 G2 …第2電極 G3 …第3電極 G4 …第4電極 G5 …第5電極 G6 …第6電極 H…ヒーター KB ,KG ,KR …カソード

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外囲器のネック内に電子銃が封止され、
    この電子銃がカソードとともに電子ビーム発生部を形成
    する複数個の電極およびこの電子ビーム発生部からの電
    子ビームを蛍光体スクリーン上に集束する主レンズ部を
    形成する複数個の電極からなり、この主レンズ部を形成
    する複数個の電極のうち相対的に低電圧が印加される電
    極の1つに金属ワイヤーが取付けられ、この金属ワイヤ
    ーと対向する上記ネック内面にこの金属ワイヤーの金属
    蒸着膜が形成されてなる陰極線管において、 上記金属ワイヤーが磁性材からなることを特徴とする陰
    極線管。
  2. 【請求項2】 外囲器のネック内に封止された電子銃の
    主レンズ部を形成する複数個の電極のうち相対的に低電
    圧が印加される電極の1つに取付けられた金属ワイヤー
    を加熱して上記ネック内面にこの金属ワイヤーの金属蒸
    着膜を形成する陰極線管の製造方法において、 上記金属ワイヤーを磁性材で構成し、上記ネック内面に
    この金属ワイヤーの金属蒸着膜が形成するとき、この金
    属蒸着膜を形成するネック内面と対向するネック外側に
    磁界発生素子を配置し、この磁界発生素子により上記金
    属ワイヤーと鎖交して横切る磁界を発生させながら上記
    ネック内面に金属蒸着膜を形成することを特徴とする陰
    極線管の製造方法。
  3. 【請求項3】 磁界発生素子の管軸方向幅によりネック
    内面に形成する金属蒸着膜の管軸方向幅を制御すること
    を特徴とする請求項2記載の陰極線管の製造方法。
JP20336497A 1997-07-29 1997-07-29 陰極線管およびその製造方法 Pending JPH1145669A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20336497A JPH1145669A (ja) 1997-07-29 1997-07-29 陰極線管およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20336497A JPH1145669A (ja) 1997-07-29 1997-07-29 陰極線管およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1145669A true JPH1145669A (ja) 1999-02-16

Family

ID=16472810

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20336497A Pending JPH1145669A (ja) 1997-07-29 1997-07-29 陰極線管およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1145669A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7892062B2 (en) High-definition cathode ray tube and electron gun with lower power consumption
JP3189388B2 (ja) 陰極線管のカソード構体
US2806163A (en) Triple gun for color television
US4977348A (en) Electron discharge tube with bipotential electrode structure
US4334170A (en) Means and method for providing optimum resolution of T.V. cathode ray tube electron guns
KR100243948B1 (ko) 음극선관용 전자총
JPH1145669A (ja) 陰極線管およびその製造方法
US2782333A (en) Shortened triple gun for color television
US2760098A (en) Electrostatic focused gun for cathode ray tube
US6744190B2 (en) Cathode ray tube with modified in-line electron gun
KR100300309B1 (ko) 음극선관의전자총
JPH1125888A (ja) カラー陰極線管
JPH11176348A (ja) 電子銃構体及びこの電子銃構体を備えたカラー受像管
JPH01200540A (ja) 電子銃システム
KR100300308B1 (ko) 음극선관의전자총
KR19980060031U (ko) 칼라수상관용 전자총
KR20010018887A (ko) 칼라 음극선관용 전자총
JP2000077010A (ja) インライン型カラー受像管
KR20000066888A (ko) 음극선관용 전자총
JPH09199050A (ja) 陰極線管
KR20030068596A (ko) 칼라 음극선관용 전자총
KR20010111837A (ko) 바이-포텐셜 마스크형 음극선관
JP2000323061A (ja) 陰極線管用電子銃
JPH11195389A (ja) カラー受像管
JPH0554822A (ja) 陰極線管及び電子銃製造方法