JPH1144537A - 柱状試料を用いた面構造方位測定装置及び面構造方位測定方法 - Google Patents
柱状試料を用いた面構造方位測定装置及び面構造方位測定方法Info
- Publication number
- JPH1144537A JPH1144537A JP20402597A JP20402597A JPH1144537A JP H1144537 A JPH1144537 A JP H1144537A JP 20402597 A JP20402597 A JP 20402597A JP 20402597 A JP20402597 A JP 20402597A JP H1144537 A JPH1144537 A JP H1144537A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sample
- posture
- plane structure
- measured
- azimuth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 被測定体の表面形態や現場の環境に左右され
ることなく、面構造方位を正確かつ簡便に測定しうる装
置及び方法を提供する。 【解決手段】 全周分度器2を備えた水平に置かれる台
座1と、該台座1の全周分度器2の中心を水平回転軸芯
16として水平回転可能かつ傾動可能な走向・傾斜測定
装置3と、柱状試料を保持し任意の姿勢に配置すること
ができるように、該台座1の全周分度器2の中心を水平
回転軸芯16として水平回転可能かつ傾動可能な姿勢復
元装置9を有してなる、柱状試料を用いた面構造方位測
定装置及びこれを用いた面構造方位測定方法。
ることなく、面構造方位を正確かつ簡便に測定しうる装
置及び方法を提供する。 【解決手段】 全周分度器2を備えた水平に置かれる台
座1と、該台座1の全周分度器2の中心を水平回転軸芯
16として水平回転可能かつ傾動可能な走向・傾斜測定
装置3と、柱状試料を保持し任意の姿勢に配置すること
ができるように、該台座1の全周分度器2の中心を水平
回転軸芯16として水平回転可能かつ傾動可能な姿勢復
元装置9を有してなる、柱状試料を用いた面構造方位測
定装置及びこれを用いた面構造方位測定方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地質調査現場で調
査する、岩石、地層などの様々な被測定体について、柱
状に整形した試料を用いてその面構造の方位を測定する
装置及び方法に関する。
査する、岩石、地層などの様々な被測定体について、柱
状に整形した試料を用いてその面構造の方位を測定する
装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地質調査において、地質の単元内部の構
造を表現するもののひとつとして、面構造がある。面構
造は地層の層理面、断層面などの方向や性質を地質図に
表わすうえで主要な役割を果たすものであり、被測定
体、例えば岩石等の堆積層や空隙層等が筋状となってそ
の表面に現れる。例えば被測定体が層状であるときはそ
の境界は平面の集まりであるので、この面がどちらの方
角にどれだけ傾いているかを測定してその面構造を表現
する。このときの方角は測定面と水平面の交線の方向
(走向)で表わされ、傾きは測定面と水平面のなす角度
(傾斜)で表わされる。この面構造の走向・傾斜をまと
めて面構造方位という。面構造方位の測定は従来、現場
(地質調査においては露頭)において、被測定体の表面
に、その模様から推定される面構造と平行に適当な大き
さ(通常はがき大)の板をあてがって、傾斜計を備えた
コンパスでこの板の走向・傾斜を測定することにより行
われている。この方法では被測定体の露出表面の模様か
ら面構造を推定して測定するが、通常ひとつの方向の断
面のみから面構造を推定しなければならないため、測定
誤差が大きく、特に被測定体の露出面が平面の場合には
面構造の三次元的形態を推定することが困難であった。
また、被測定体の表面形状や現場の環境によっては上記
の方法での面構造方位測定ができない場合もあり、かつ
現場での測定は複数回行うことが困難であるという欠点
があった。
造を表現するもののひとつとして、面構造がある。面構
造は地層の層理面、断層面などの方向や性質を地質図に
表わすうえで主要な役割を果たすものであり、被測定
体、例えば岩石等の堆積層や空隙層等が筋状となってそ
の表面に現れる。例えば被測定体が層状であるときはそ
の境界は平面の集まりであるので、この面がどちらの方
角にどれだけ傾いているかを測定してその面構造を表現
する。このときの方角は測定面と水平面の交線の方向
(走向)で表わされ、傾きは測定面と水平面のなす角度
(傾斜)で表わされる。この面構造の走向・傾斜をまと
めて面構造方位という。面構造方位の測定は従来、現場
(地質調査においては露頭)において、被測定体の表面
に、その模様から推定される面構造と平行に適当な大き
さ(通常はがき大)の板をあてがって、傾斜計を備えた
コンパスでこの板の走向・傾斜を測定することにより行
われている。この方法では被測定体の露出表面の模様か
ら面構造を推定して測定するが、通常ひとつの方向の断
面のみから面構造を推定しなければならないため、測定
誤差が大きく、特に被測定体の露出面が平面の場合には
面構造の三次元的形態を推定することが困難であった。
また、被測定体の表面形状や現場の環境によっては上記
の方法での面構造方位測定ができない場合もあり、かつ
現場での測定は複数回行うことが困難であるという欠点
があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
被測定体の表面形態や現場の環境に左右されることな
く、面構造方位を正確かつ簡便に測定しうる装置及び方
法を提供することを目的とする。
被測定体の表面形態や現場の環境に左右されることな
く、面構造方位を正確かつ簡便に測定しうる装置及び方
法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題に鑑
み鋭意研究した結果、被測定体より柱状の試料をくり貫
いて採取し、これを持ち帰って採取時の姿勢に復元して
走向・傾斜を測定することにより、被測定体の面構造の
三次元的形態の明確な把握が可能となり、また、複数試
料からの正確な面構造方位測定が行えることを見出し、
この知見に基づき本発明をなすに至った。すなわち本発
明は、(1)全周分度器を備えた水平に置かれる台座
と、該台座の全周分度器の中心を水平回転軸芯として水
平回転可能かつ傾動可能な走向・傾斜測定装置と、柱状
試料を保持し任意の姿勢に配置することができるよう
に、該台座の全周分度器の中心を水平回転軸芯として水
平回転可能かつ傾動可能な姿勢復元装置を有してなるこ
とを特徴とする、柱状試料を用いた面構造方位測定装
置、及び(2)面構造方位を測定すべき被測定体から一
直線の方向に柱状試料をくり貫いて採取するとともに、
該一直線の方向の該柱状試料の軸芯の水平面上の投影線
の真北からの角度及び該投影線の水平面に対する傾斜角
度を試料採取データとして記録し、該試料採取データに
基づいて該柱状試料を前記姿勢復元装置により保持して
試料採取時の姿勢に復元配置し、この復元配置した姿勢
状態において前記走向・傾斜測定装置により該被測定体
の面構造方位を測定することを特徴とする(1)項記載
の面構造方位測定装置を用いた面構造方位測定方法を提
供するものである。
み鋭意研究した結果、被測定体より柱状の試料をくり貫
いて採取し、これを持ち帰って採取時の姿勢に復元して
走向・傾斜を測定することにより、被測定体の面構造の
三次元的形態の明確な把握が可能となり、また、複数試
料からの正確な面構造方位測定が行えることを見出し、
この知見に基づき本発明をなすに至った。すなわち本発
明は、(1)全周分度器を備えた水平に置かれる台座
と、該台座の全周分度器の中心を水平回転軸芯として水
平回転可能かつ傾動可能な走向・傾斜測定装置と、柱状
試料を保持し任意の姿勢に配置することができるよう
に、該台座の全周分度器の中心を水平回転軸芯として水
平回転可能かつ傾動可能な姿勢復元装置を有してなるこ
とを特徴とする、柱状試料を用いた面構造方位測定装
置、及び(2)面構造方位を測定すべき被測定体から一
直線の方向に柱状試料をくり貫いて採取するとともに、
該一直線の方向の該柱状試料の軸芯の水平面上の投影線
の真北からの角度及び該投影線の水平面に対する傾斜角
度を試料採取データとして記録し、該試料採取データに
基づいて該柱状試料を前記姿勢復元装置により保持して
試料採取時の姿勢に復元配置し、この復元配置した姿勢
状態において前記走向・傾斜測定装置により該被測定体
の面構造方位を測定することを特徴とする(1)項記載
の面構造方位測定装置を用いた面構造方位測定方法を提
供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の面構造方位測定装置及び
面構造方位測定方法の一実施態様を図面に基づき説明す
る。図1は本発明の面構造方位測定装置の一実施態様を
示す斜視図であり、図2は図1に示した装置の分解斜視
図である。図1及び図2において面構造方位測定装置
は、360°全周分度器2を備えた台座1の上に、面構
造方位を測定する走向・傾斜測定装置3、及び試料を採
取時の姿勢に復元するための姿勢復元装置8を有する。
走向・傾斜測定装置3は前記全周分度器2の上に設置さ
れる。走向・傾斜測定装置3は傾動回転軸芯17を軸に
傾斜させられるよう支柱8に取りつけられた走向・傾斜
板4を有する。走向・傾斜板4は、後述の姿勢復元装置
8を設置するための湾状切欠孔4aを有している。走向
・傾斜板4の水平面に対する傾斜角は支柱8に取りつけ
られた分度器5と矢印23によって測定でき、止めネジ
7で任意の傾斜で固定できる。また、走向・傾斜測定装
置3は水平回転軸16を軸に任意の角度だけ水平回転で
きるよう台座1上に載置されている。これは例えば走向
・傾斜測定装置3の台座18が全周分度器2の外周面に
沿ってスライドして回転できるよう台座1に載置しても
よいし、台座2の外周に円形の溝を形成してこれに台座
18を嵌合、摺動させるようにしてもよい。走向・傾斜
測定装置3の回転による走向・傾斜板4の傾斜方向は、
走向・傾斜板4の支柱基部の矢印6と全周分度器2によ
って走向として測定される。姿勢復元装置9は、前記の
走向・傾斜板4の湾状切欠孔4aの内側に設置される。
姿勢復元装置9は傾動回転軸芯17を軸に走向・傾斜測
定装置3とは独立に傾斜させることができるよう支柱1
5に取りつけられた試料ホルダー10を有し、試料ホル
ダー10の傾斜角度は支柱15に取りつけられた分度器
12と矢印24で測定できる。試料ホルダー10も止め
ネジ14により任意の傾斜で固定できる。この場合、試
料ホルダー10の傾斜の回転軸芯は前記の走向・傾斜板
4の傾動回転軸芯17に合致しうるようにする。姿勢復
元装置9の支柱15の基部は、台座22に固定され、こ
の台座22が前記全周分度器2の中心孔2a上に、軸線
16を合致させて載置される。姿勢復元装置9も走向・
傾斜測定装置3と同様に、水平回転軸16を軸に、走向
・傾斜測定装置3とは独立に水平回転できるよう台座1
上に載置されており、姿勢復元装置9の水平回転による
試料ホルダー10の最大傾斜方向は、全周分度器2と姿
勢復元装置9の矢印13から読み取ることができる。な
お、全周分度器2の目盛りは北を0°として時計回りに
360°となっており、また、分度器5及び12の目盛
りは台座に対し鉛直を90°、平行を0°としてふって
ある。測定は台座1が水平の状態で行われる。
面構造方位測定方法の一実施態様を図面に基づき説明す
る。図1は本発明の面構造方位測定装置の一実施態様を
示す斜視図であり、図2は図1に示した装置の分解斜視
図である。図1及び図2において面構造方位測定装置
は、360°全周分度器2を備えた台座1の上に、面構
造方位を測定する走向・傾斜測定装置3、及び試料を採
取時の姿勢に復元するための姿勢復元装置8を有する。
走向・傾斜測定装置3は前記全周分度器2の上に設置さ
れる。走向・傾斜測定装置3は傾動回転軸芯17を軸に
傾斜させられるよう支柱8に取りつけられた走向・傾斜
板4を有する。走向・傾斜板4は、後述の姿勢復元装置
8を設置するための湾状切欠孔4aを有している。走向
・傾斜板4の水平面に対する傾斜角は支柱8に取りつけ
られた分度器5と矢印23によって測定でき、止めネジ
7で任意の傾斜で固定できる。また、走向・傾斜測定装
置3は水平回転軸16を軸に任意の角度だけ水平回転で
きるよう台座1上に載置されている。これは例えば走向
・傾斜測定装置3の台座18が全周分度器2の外周面に
沿ってスライドして回転できるよう台座1に載置しても
よいし、台座2の外周に円形の溝を形成してこれに台座
18を嵌合、摺動させるようにしてもよい。走向・傾斜
測定装置3の回転による走向・傾斜板4の傾斜方向は、
走向・傾斜板4の支柱基部の矢印6と全周分度器2によ
って走向として測定される。姿勢復元装置9は、前記の
走向・傾斜板4の湾状切欠孔4aの内側に設置される。
姿勢復元装置9は傾動回転軸芯17を軸に走向・傾斜測
定装置3とは独立に傾斜させることができるよう支柱1
5に取りつけられた試料ホルダー10を有し、試料ホル
ダー10の傾斜角度は支柱15に取りつけられた分度器
12と矢印24で測定できる。試料ホルダー10も止め
ネジ14により任意の傾斜で固定できる。この場合、試
料ホルダー10の傾斜の回転軸芯は前記の走向・傾斜板
4の傾動回転軸芯17に合致しうるようにする。姿勢復
元装置9の支柱15の基部は、台座22に固定され、こ
の台座22が前記全周分度器2の中心孔2a上に、軸線
16を合致させて載置される。姿勢復元装置9も走向・
傾斜測定装置3と同様に、水平回転軸16を軸に、走向
・傾斜測定装置3とは独立に水平回転できるよう台座1
上に載置されており、姿勢復元装置9の水平回転による
試料ホルダー10の最大傾斜方向は、全周分度器2と姿
勢復元装置9の矢印13から読み取ることができる。な
お、全周分度器2の目盛りは北を0°として時計回りに
360°となっており、また、分度器5及び12の目盛
りは台座に対し鉛直を90°、平行を0°としてふって
ある。測定は台座1が水平の状態で行われる。
【0006】本発明方法により測定される被測定体の柱
状試料について、図3及び図4を参照して説明する。図
3は試料採取時の状態を説明する図であり、被測定体は
軸芯21の一直線の方向に柱状にくり貫かれている。こ
のとき、被測定体には姿勢を復元するための目印20を
記入するとともに、軸芯21の水平面投影方向D(軸芯
の水平面上の投影線の真北からの方向)と傾斜角I(前
記投影線の水平面に対する傾斜角度)を測定し記録す
る。このようにして採取された試料を本発明の面構造方
位測定装置にセットしやすい大きさに整形して図4に示
すような柱状試料19とする。この柱状試料は、図2中
符号19で示すように、採取時に記入した姿勢目印20
を試料ホルダー10の基準線11に合わせて姿勢復元装
置9にセットされ、さらに分度器12を採取時に記録し
た傾斜角Iに合わせ、矢印13を台座1の全周分度器2
で記録した水平投影方向Dに合わせることにより、採取
時の姿勢が復元される。この試料19に見られる面構造
の方位に走向・傾斜板4を合わせ、分度器5の角度と矢
印6の指す全周分度器2の目盛りを読み取ることで、試
料の面構造方位を測定することができる。
状試料について、図3及び図4を参照して説明する。図
3は試料採取時の状態を説明する図であり、被測定体は
軸芯21の一直線の方向に柱状にくり貫かれている。こ
のとき、被測定体には姿勢を復元するための目印20を
記入するとともに、軸芯21の水平面投影方向D(軸芯
の水平面上の投影線の真北からの方向)と傾斜角I(前
記投影線の水平面に対する傾斜角度)を測定し記録す
る。このようにして採取された試料を本発明の面構造方
位測定装置にセットしやすい大きさに整形して図4に示
すような柱状試料19とする。この柱状試料は、図2中
符号19で示すように、採取時に記入した姿勢目印20
を試料ホルダー10の基準線11に合わせて姿勢復元装
置9にセットされ、さらに分度器12を採取時に記録し
た傾斜角Iに合わせ、矢印13を台座1の全周分度器2
で記録した水平投影方向Dに合わせることにより、採取
時の姿勢が復元される。この試料19に見られる面構造
の方位に走向・傾斜板4を合わせ、分度器5の角度と矢
印6の指す全周分度器2の目盛りを読み取ることで、試
料の面構造方位を測定することができる。
【0007】本発明の面構造方位測定装置は、上記のよ
うに姿勢復元装置と走向・傾斜測定装置がそれぞれ独立
に水平回転及び傾動でき、かつ、その方位及び傾斜角度
を測定できるものであればよく、形状や大きさ、材質等
に特に制限はないが、試料の面構造が見やすいよう試料
ホルダー及び走向・傾斜板が透明であるのが好ましく、
試料ホルダーには例えばガラス又はアクリル板、走向・
傾斜板には例えばアクリル板を用いるのが好ましい。
うに姿勢復元装置と走向・傾斜測定装置がそれぞれ独立
に水平回転及び傾動でき、かつ、その方位及び傾斜角度
を測定できるものであればよく、形状や大きさ、材質等
に特に制限はないが、試料の面構造が見やすいよう試料
ホルダー及び走向・傾斜板が透明であるのが好ましく、
試料ホルダーには例えばガラス又はアクリル板、走向・
傾斜板には例えばアクリル板を用いるのが好ましい。
【0008】また、本発明に用いる柱状試料は、一直線
の方向にくり貫いて採取したものであればよく、例えば
エンジンドリルなどを用いて採取することができる。柱
状試料の形状は、試料の姿勢目印と試料ホルダーの基準
線とを合わせて姿勢復元装置によって保持できるもので
あればよく、円柱状が好ましい。柱状試料の大きさは、
試料である岩石等の性質や現場の環境、試料に含まれる
面構造などにより適宜選択できる。また、採取時の軸芯
の水平面上の投影線の真北からの方向、及び前記投影線
の水平面に対する傾斜角度は例えば傾斜計を備えたコン
パスなどによって測定できる。本発明において柱状試料
は、それぞれランダムに異なる一直線の方向に複数個く
り貫いて採取することが好ましい。また、本発明で用い
る柱状試料は、面構造を推定する模様が全面に現れてい
るものが好ましい。模様が試料全面から三次元的に把握
できるため、露頭で一方向の露出面の模様のみから推定
するよりもはるかに正確に面構造が推定でき、さらに、
それぞれ違った方向にくり貫かれた試料を複数個用いて
測定を行い、複数のデータを処理して面構造方位を決定
することでより正確な測定結果を得ることができる。
の方向にくり貫いて採取したものであればよく、例えば
エンジンドリルなどを用いて採取することができる。柱
状試料の形状は、試料の姿勢目印と試料ホルダーの基準
線とを合わせて姿勢復元装置によって保持できるもので
あればよく、円柱状が好ましい。柱状試料の大きさは、
試料である岩石等の性質や現場の環境、試料に含まれる
面構造などにより適宜選択できる。また、採取時の軸芯
の水平面上の投影線の真北からの方向、及び前記投影線
の水平面に対する傾斜角度は例えば傾斜計を備えたコン
パスなどによって測定できる。本発明において柱状試料
は、それぞれランダムに異なる一直線の方向に複数個く
り貫いて採取することが好ましい。また、本発明で用い
る柱状試料は、面構造を推定する模様が全面に現れてい
るものが好ましい。模様が試料全面から三次元的に把握
できるため、露頭で一方向の露出面の模様のみから推定
するよりもはるかに正確に面構造が推定でき、さらに、
それぞれ違った方向にくり貫かれた試料を複数個用いて
測定を行い、複数のデータを処理して面構造方位を決定
することでより正確な測定結果を得ることができる。
【0009】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。ある同一の岩石について、複数地点より試
料を採取し、それぞれについて古地磁気方位(岩石がで
きたときの地球磁場)を測定し、シュミット・ネット図
に投影したところ、図5(A)に示すように、1地点の
データsが大きくはずれる結果を得た。(方位=34.
8°、傾き=49.7°、集中度(α95)=5.9°、
k=60.5) このデータのはずれていた1地点について、エンジンド
リル(2.5cm径)を用い、図3に示したように水平
面投影方向Dと傾斜角Iを記録し、姿勢目印を記入し
て、それぞれ異なる方向でくり貫いた5つの試料を採取
した。この試料をそれぞれ図4に示したような柱状試料
(2.5cm径、高さ2.5cm)とした。これらの柱
状試料の面構造方位を図1及び図2に示した本発明の面
構造方位測定装置で測定した。まず、台座1を水平とし
た面構造方位測定装置に、基準線11と姿勢目印20と
をあわせて柱状試料19をセットし、全周分度器2の水
平面投影方向Dに等しい角度に姿勢復元装置9の台座2
2の矢印13を合わせ、分度器12の傾斜角Iと等しい
角度に姿勢復元装置9の矢印24を合わせた。こうして
採取時の姿勢に復元された柱状試料19の全面から観察
される模様より、3次元的にその面構造を推定し、推定
される面構造に走向・傾斜板4を平行に合わせ、走向・
傾斜測定装置3の矢印6及び矢印23の示す角度を読み
取り、それぞれの試料の面構造方位を測定した。測定結
果のπ−pole(面に鉛直な方向)をシュミット・ネ
ット図に投影したところ、図5(B)のとおりであっ
た。この結果より、この地点ではもともと水平であった
面構造が50°近く傾斜していることがわかった。(方
位=3.1°、傾き=47.5°、集中度(α95)=1
0.3°、k=55.9) 5試料の面構造方位の平均値で図5(A)の古地磁気方
位のデータを補正したところ、図5(C)に示すよう
に、はずれていた1地点のデータは他のデータと調和的
になり、統計的にも集中度が増した。(方位=36.9
°、傾き=52.8°、集中度(α95)=3.6°、k
=165.4)
に説明する。ある同一の岩石について、複数地点より試
料を採取し、それぞれについて古地磁気方位(岩石がで
きたときの地球磁場)を測定し、シュミット・ネット図
に投影したところ、図5(A)に示すように、1地点の
データsが大きくはずれる結果を得た。(方位=34.
8°、傾き=49.7°、集中度(α95)=5.9°、
k=60.5) このデータのはずれていた1地点について、エンジンド
リル(2.5cm径)を用い、図3に示したように水平
面投影方向Dと傾斜角Iを記録し、姿勢目印を記入し
て、それぞれ異なる方向でくり貫いた5つの試料を採取
した。この試料をそれぞれ図4に示したような柱状試料
(2.5cm径、高さ2.5cm)とした。これらの柱
状試料の面構造方位を図1及び図2に示した本発明の面
構造方位測定装置で測定した。まず、台座1を水平とし
た面構造方位測定装置に、基準線11と姿勢目印20と
をあわせて柱状試料19をセットし、全周分度器2の水
平面投影方向Dに等しい角度に姿勢復元装置9の台座2
2の矢印13を合わせ、分度器12の傾斜角Iと等しい
角度に姿勢復元装置9の矢印24を合わせた。こうして
採取時の姿勢に復元された柱状試料19の全面から観察
される模様より、3次元的にその面構造を推定し、推定
される面構造に走向・傾斜板4を平行に合わせ、走向・
傾斜測定装置3の矢印6及び矢印23の示す角度を読み
取り、それぞれの試料の面構造方位を測定した。測定結
果のπ−pole(面に鉛直な方向)をシュミット・ネ
ット図に投影したところ、図5(B)のとおりであっ
た。この結果より、この地点ではもともと水平であった
面構造が50°近く傾斜していることがわかった。(方
位=3.1°、傾き=47.5°、集中度(α95)=1
0.3°、k=55.9) 5試料の面構造方位の平均値で図5(A)の古地磁気方
位のデータを補正したところ、図5(C)に示すよう
に、はずれていた1地点のデータは他のデータと調和的
になり、統計的にも集中度が増した。(方位=36.9
°、傾き=52.8°、集中度(α95)=3.6°、k
=165.4)
【0010】同一(同時代)の岩石の古地磁気方位は本
来、調和するはずであり、本発明方法によって測定した
面構造方位による補正によってすべての地点の古地磁気
方位データが調和的になったことにより、本発明方法に
よる面構造方位測定が有効かつ正確であることが確認で
きた。上記の岩石は露頭で正確に面構造方位を測定する
のが困難であったが、本発明の装置及び方法によれば正
確かつ簡便な測定ができ、また、5つの試料の測定結果
の平均をとることでさらに精度の高い測定結果が得られ
た。
来、調和するはずであり、本発明方法によって測定した
面構造方位による補正によってすべての地点の古地磁気
方位データが調和的になったことにより、本発明方法に
よる面構造方位測定が有効かつ正確であることが確認で
きた。上記の岩石は露頭で正確に面構造方位を測定する
のが困難であったが、本発明の装置及び方法によれば正
確かつ簡便な測定ができ、また、5つの試料の測定結果
の平均をとることでさらに精度の高い測定結果が得られ
た。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、現場での面構造方位測
定が困難な環境にある岩石等の面構造方位を正確かつ簡
便に測定できる。また、従来は一方向の断面の模様のみ
から推定していた面構造を柱状試料の各方向から三次元
的に把握できるため、より正確に面構造が推定でき、測
定誤差を小さくすることができる。さらに同一地点でラ
ンダムな方向にくり貫いた複数の試料について測定して
平均をとることによって、従来よりもはるかに精度の高
い面構造方位のデータを得ることができる。
定が困難な環境にある岩石等の面構造方位を正確かつ簡
便に測定できる。また、従来は一方向の断面の模様のみ
から推定していた面構造を柱状試料の各方向から三次元
的に把握できるため、より正確に面構造が推定でき、測
定誤差を小さくすることができる。さらに同一地点でラ
ンダムな方向にくり貫いた複数の試料について測定して
平均をとることによって、従来よりもはるかに精度の高
い面構造方位のデータを得ることができる。
【図1】本発明の面構造方位測定装置の一実施態様を示
す斜視図である。
す斜視図である。
【図2】図1に示した面構造方位測定装置の分解斜視図
である。
である。
【図3】本発明で用いる柱状試料の採取方法の説明図で
ある。
ある。
【図4】本発明で用いる柱状試料の一例を示す斜視図で
ある。
ある。
【図5】実施例における古地磁気方位測定及び面構造方
位測定の結果を示すシュミット・ネット図である。
(A)は同一岩石の複数地点での古地磁気方位測定の結
果、(B)は(A)ではずれている1地点の5試料につ
いての面構造方位測定の結果、(C)は(A)を(B)
で得られた面構造方位の平均値で補正した結果を示す。
位測定の結果を示すシュミット・ネット図である。
(A)は同一岩石の複数地点での古地磁気方位測定の結
果、(B)は(A)ではずれている1地点の5試料につ
いての面構造方位測定の結果、(C)は(A)を(B)
で得られた面構造方位の平均値で補正した結果を示す。
1 台座 2 全周分度器 2a 中心孔 3 走向・傾斜測定装置 4 走向・傾斜板 4a 湾状切欠孔 5 分度器 6 走向を示す矢印 7 止めネジ 8 支柱 9 姿勢復元装置 10 試料ホルダー 11 基準線 12 分度器 13 試料ホルダーの最大傾斜方向を示す矢印 14 止めネジ 15 支柱 16 水平回転軸芯 17 傾動回転軸芯 18 走向・傾斜測定装置の台座 19 柱状試料 20 姿勢目印 21 軸芯 22 台座 23 走向・傾斜板の傾斜角を示す矢印 24 試料ホルダーの傾斜角を示す矢印
Claims (2)
- 【請求項1】 全周分度器を備えた水平に置かれる台座
と、該台座の全周分度器の中心を水平回転軸芯として水
平回転可能かつ傾動可能な走向・傾斜測定装置と、柱状
試料を保持し任意の姿勢に配置することができるよう
に、該台座の全周分度器の中心を水平回転軸芯として水
平回転可能かつ傾動可能な姿勢復元装置を有してなるこ
とを特徴とする、柱状試料を用いた面構造方位測定装
置。 - 【請求項2】 面構造方位を測定すべき被測定体から一
直線の方向に柱状試料をくり貫いて採取するとともに、
該一直線の方向の該柱状試料の軸芯の水平面上の投影線
の真北からの角度及び該投影線の水平面に対する傾斜角
度を試料採取データとして記録し、該試料採取データに
基づいて該柱状試料を前記姿勢復元装置により保持して
試料採取時の姿勢に復元配置し、この復元配置した姿勢
状態において前記走向・傾斜測定装置により該被測定体
の面構造方位を測定することを特徴とする請求項1記載
の面構造方位測定装置を用いた面構造方位測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9204025A JP2972863B2 (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 柱状試料を用いた面構造方位測定装置及び面構造方位測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9204025A JP2972863B2 (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 柱状試料を用いた面構造方位測定装置及び面構造方位測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1144537A true JPH1144537A (ja) | 1999-02-16 |
JP2972863B2 JP2972863B2 (ja) | 1999-11-08 |
Family
ID=16483523
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9204025A Expired - Lifetime JP2972863B2 (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 柱状試料を用いた面構造方位測定装置及び面構造方位測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2972863B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012028115A1 (zh) * | 2010-09-01 | 2012-03-08 | Lok Pingsum | 一种土地质量测定装置 |
KR101164411B1 (ko) * | 2012-03-19 | 2012-07-12 | 한국지질자원연구원 | 주향 및 경사 측정 장치 및 주향 및 경사 측정 보조 장치 |
CN105571567A (zh) * | 2014-11-07 | 2016-05-11 | 中国石油化工股份有限公司 | 岩心裂缝测量仪及其测量方法 |
CN105783869A (zh) * | 2016-05-04 | 2016-07-20 | 浙江科技学院 | 堆石体的现场倾斜试验测试装置 |
CN106289853A (zh) * | 2016-07-26 | 2017-01-04 | 天津城建大学 | 角度取土装置及其操作方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109900511A (zh) * | 2019-03-12 | 2019-06-18 | 中国石油大学(华东) | 一种岩石标记法 |
-
1997
- 1997-07-30 JP JP9204025A patent/JP2972863B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012028115A1 (zh) * | 2010-09-01 | 2012-03-08 | Lok Pingsum | 一种土地质量测定装置 |
KR101164411B1 (ko) * | 2012-03-19 | 2012-07-12 | 한국지질자원연구원 | 주향 및 경사 측정 장치 및 주향 및 경사 측정 보조 장치 |
US8732968B2 (en) | 2012-03-19 | 2014-05-27 | Korea Institute Of Geoscience And Mineral Resources | Apparatus for measuring geologic strike and dip |
CN105571567A (zh) * | 2014-11-07 | 2016-05-11 | 中国石油化工股份有限公司 | 岩心裂缝测量仪及其测量方法 |
CN105571567B (zh) * | 2014-11-07 | 2017-11-17 | 中国石油化工股份有限公司 | 岩心裂缝测量仪及其测量方法 |
CN105783869A (zh) * | 2016-05-04 | 2016-07-20 | 浙江科技学院 | 堆石体的现场倾斜试验测试装置 |
CN105783869B (zh) * | 2016-05-04 | 2018-01-19 | 浙江科技学院 | 堆石体的现场倾斜试验测试装置 |
CN106289853A (zh) * | 2016-07-26 | 2017-01-04 | 天津城建大学 | 角度取土装置及其操作方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2972863B2 (ja) | 1999-11-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Cox | Analysis of present geomagnetic field for comparison with paleomagnetic results | |
RU2007137982A (ru) | Калибровка по результатам измерений хх, yy и zz, полученным индукционным прибором | |
JP2008530581A (ja) | 宇宙線を用いた地質トモグラフィ | |
JP2972863B2 (ja) | 柱状試料を用いた面構造方位測定装置及び面構造方位測定方法 | |
US5189799A (en) | Laser goniometer | |
Bubniak et al. | Digital field geology | |
CN108489363B (zh) | 便携式岩芯结构面倾角野外测量装置 | |
CN105842426A (zh) | 一种利用石林来计算喀斯特地区土壤侵蚀或堆积量的方法 | |
KR200205063Y1 (ko) | 클리노메터의 보조측정기구 | |
EP0232561A2 (en) | Borehole televiewer dipmeter | |
Karlstrom | Improved equipment and techniques for orientation studies of large particles in sediments | |
Wunderlich et al. | On‐site non‐destructive determination of the remanent magnetization of archaeological finds using field magnetometers | |
JPS61173110A (ja) | 地質構造用万能測定器 | |
Clark | Archaeological detection by resistivity | |
Jepsen et al. | Computer supported geological photo-interpretation | |
US2615248A (en) | True dip determining apparatus for well logging | |
US3142122A (en) | Magnetic instrument | |
Lin | High-Precision Calibration Method of Inclinometer for Coal Mine Based on Improved Ellipsoid Fitting | |
Braun et al. | Electrical analog approach to dipmeter computation | |
Pokotylo et al. | Geodetic monitoring of meter intervals of the Berezhany basis | |
US2077381A (en) | Calibrating and testing tool for bore hole surveying instruments | |
CN220491064U (zh) | 一种模拟勘察钻孔孔壁的pvc管结构 | |
CN202710036U (zh) | 十字方向测定仪 | |
JP3987930B2 (ja) | 方位傾斜計測方法および計測装置 | |
US3633280A (en) | Method and apparatus for determining the orientation of a borehole |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |