JPH11345130A - 複数のデ―タストアの同期をとってデ―タ整合性を達成する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】非トランザクション環境において、複数のデー
タストア間の同期をとり、データを整合性ある状態にす
る。 【解決手段】非トランザクション多重処理コンピュータ
システムにおいて、複数のデータストアの同期をとって
データ整合性を達成するシステムおよび方法を提供す
る。プロセスは、中断された後、システムの従属木にあ
るそそれらの位置に応じて再開される。システムのデー
タ入力ソースが本質的に遮断され、現在進行中のデータ
フローが、異なるデータストアへの様々なデータフロー
のパスに流される。このプロセスが完了するとき、複数
のデータストアのそれぞれの同期がとられ、データが整
合性ある状態になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、一般に多重処理
コンピュータシステムに関し、より具体的には、単一非
トランザクション処理システムの複数のデータストア間
に整合性および同期を達成するシステムおよび方法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】多重処理コンピュータシステムは、同時
に複数のプロセスを実行する。それぞれのプロセスは特
定のタスクを実行し、複数のプロセスは、全体としてと
らえた場合、より大きなタスクを実行し、これがアプリ
ケーションと呼ばれる。これらのプロセスは、１つの中
央コンピュータで実行することができ、または通信リン
クを介して互いに接続された個別のコンピュータで走る
こともできる（すなわち、分散環境）。多重処理コンピ
ュータシステムは、しばしば複数のデータストアを備え
る。典型的に、それぞれのデータストアは、システムの
１またはわずかの複数のプロセスにより直接アクセスさ
れる。

【０００３】アプリケーションが正確に機能するため、
個々のプロセスは、プロセス間通信を介して協調されな
ければならない。通常、プロセス間通信はメッセージ通
信システムとして実現される。メッセージ通信システム
は、他のプロセスにメッセージを送り、他のプロセスか
らメッセージを受け取るプロセスにより特徴づけられ
る。複数のプロセスのうちのあるプロセスで失敗が起こ
ると、それぞれのプロセスが他のプロセスの成功した操
作に依存するので、しばしばアプリケーション全体を再
度初期化しなければならない。このような場合には、そ
れぞれのプロセスを、実行の初めの部分までロールバッ
クしなければならない。

【０００４】複数のデータストアの多重処理システムで
は、システム・アプリケーションが、異なる時に複数の
データストアを更新することができる。したがって、任
意の所与の時に、アプリケーションの現在の進行を反映
するようデータストアのうちいくつかは更新されている
が、いくつかは更新されていない（これは、まだ完了し
ていないアプリケーションの一部を反映する）という事
実のために、様々なデータストアが不整合な状態になる
ことがある。アプリケーションのなかには、データの不
整合性が問題となるものがある。たとえばバックアップ
のアプリケーションは、異なるデータストアのデータ
が、バックアップ媒体から復元される時に機能システム
をサポートすることができる状態にあるよう要求する。
これを実現するには、バックアップ中、データストアは
整合性ある状態でなければならない。

【０００５】複数のデータストア間の整合性および同期
は、トランザクション処理を介して、いくつかの従来技
術のシステムで達成されてきた。トランザクション処理
システムでは、アプリケーションは複数の「トランザク
ション」から構成される。トランザクションは、特定の
シーケンスで行われる一連の独立した操作であり、特定
の目的を達成する。トランザクションは、そのトランザ
クションにあるそれぞれの操作が完了するまで完了しな
い。ある操作を、他のプロセスで実行することができ
る。したがって、あるプロセスが他のプロセスを呼び出
すと、呼び出したプロセスは、呼び出されたプロセスが
完了するまで中断する。こうして、トランザクション処
理システムは、一組の操作が自律している、すなわち一
組の操作が集団として成功または失敗することを保証す
る。したがって、特定のトランザクションにより定義さ
れた一組の操作に含まれる操作のうちの１つが失敗する
と、呼び出しの逆の順番で、つまりそれが実行されたの
とは逆のシーケンスで、それぞれの操作を取り消す（ア
ンドゥする）ことにより、トランザクション全体が整合
性ある状態に容易にロールバックされる。

【０００６】非トランザクション多重処理システムで
は、アプリケーションは「高レベル操作（High Level O
peration；ＨＬＯ）」を実行することができる。ＨＬＯ
は、一組の低レベルプロセスにより提供されるサービス
を使用することにより達成される一連のタスクとして定
義される。ＨＬＯは、複数のプロセス（それぞれが低レ
ベルタスクを実行する）が、より大きいタスクを達成す
るよう協調するという点で、トランザクションシステム
におけるトランザクションと類似する。しかし、特定の
順番で一組のプロセスを通じてシーケンスするトランザ
クションとは異なり、システムの複数のデータストア間
に整合性ある状態を復元するのに、必ずしも操作シーケ
ンスを逆にする必要がない。さらに、複数のＨＬＯは、
同時かつ非同期に実行することができ、どのＨＬＯがど
の順番で任意の所与のデータストアを更新したかを追跡
するための備えが全く存在しない。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】非トランザクションの
複数データストアの多重処理システムでは、複数のデー
タストア間に整合性および同期を達成するための異なる
アプローチが必要とされる。今日の非トランザクション
の複数データストア処理システムでは、同期およびデー
タ整合性を、システム全体をシャットダウンする（電源
を落とす）ことによってのみ達成することができる。し
かし、サービスと時間の損失を招くこのアプローチは、
ユーザには不都合であり、許容しがたい。したがって、
システムを走らせたたままにすることができて、ユーザ
に対する時間およびサービスの損失を最小する非トラン
ザクション処理システムの複数のデータストア間に同期
および整合性を達成するシステムおよび方法が必要とさ
れる。

【０００８】

【発明を解決するための手段】この発明は、非トランザ
クションの多重処理コンピュータシステムにおいて、複
数のデータストアの同期をとり、データ整合性を達成す
るシステムおよび方法であり、従来技術の問題点を解決
する。

【０００９】システムは、複数のデータストアと、１ま
たは複数のデータ入力ソースと、少なくとも１つのデー
タ入力ソースおよび少なくとも１つのデータストアの間
の従属パス（経路）にあるすべてのプロセスを有する従
属木に含まれる複数同時に実行するプロセスとを備え
る。従属木にあるプロセスの第１のサブセットが中断さ
れる。プロセスが中断するとき、そのプロセスは、任意
のデータストアの修正を生じさせるサービス要求を受け
取るのを停止し、任意のデータストアの修正を生じさせ
るすべての待ち状態(ペンディング：pending)タスクを
完了させ、中断されていないプロセスまたは１または複
数のデータストアに、内部的にキャッシュに格納された
データのすべてを流す。第１のサブセットは、従属木の
任意の他のプロセスにより呼び出されておらず、少なく
とも１つのデータ入力ソースから直接データを受け取る
従属木のプロセスのすべてを含む。従属木にある次のプ
ロセスのサブセットが、次に中断される。次のサブセッ
トは、すでに中断されたプロセスにより呼び出されてお
り、まだ中断されていないプロセスにより呼び出されて
いない少なくとも１つのプロセスを含む。それぞれのプ
ロセスが中断されるとき、または代わりに、プロセスの
それぞれのサブセットがすべて中断されるとき、他の次
のサブセットが同じ基準に基づいて選択され、その後中
断される。この処理が、従属木のプロセスのすべてが中
断されるまで続く。従属木のすべてのプロセスが中断さ
れた時、複数のデータストアのそれぞれにあるデータは
同期がとられ、整合性がある。

【００１０】システムの通常の操作は、中断されたのと
は逆の順番で、中断されたプロセスのそれぞれを再開す
ることにより、再開される。従属木にある最後のプロセ
スのサブセットが、再開される。最後のサブセットは、
少なくとも１つのデータストアを直接アクセスする従属
パスにあるすべてのプロセスを含む。従属木にある前の
サブセットが、次に中断される。前のサブセットは、１
または複数のすでに再開されたプロセスを呼び出してお
り、任意の現在中断されているプロセスを呼び出さない
少なくとも１つのプロセスを含む。それぞれのプロセス
が再開されるとき、または代わりに、プロセスのそれぞ
れのサブセットがすべて再開されるとき、他の前のサブ
セットが同じ基準に基づいて選択され、その後再開され
る。この処理が、従属木にあるプロセスのすべてが再開
されるまで続く。データストアのうち少なくとも１つの
データストアの修正を生じさせるサービス要求を受け取
り始めることにより、プロセスは再開する。

【００１１】同期手段と通信できないが、少なくとも１
つのデータ入力ソースと少なくとも１つのデータストア
との間の従属パスにある間接プロセスを含むシステムで
は、代理プロセスが提供され、中断要求を、間接プロセ
スが応答する代理中断要求に翻訳する。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は、非トランザクションの多
重データストア処理システム１００の例を示すブロック
図である。システム１００は、複数のプロセス１０２、
１０４、１０６、１０８、１１２、１３０、１５０、１
５２ａ、１５２ｂ、１５２ｃ、１６０、１６２ａおよび
１６２ｂを含み、これらは互いに様々な相互従属関係を
持つ。プロセス１０２、１０４、１０６、１０８、１１
２、１３０、１５０、１５２ａ、１５２ｂ、１５２ｃ、
１６０、１６２ａおよび１６２ｂは、同じ環境または分
散環境で同時に実行される。また、システム１００は、
複数のデータストア１２０〜１２８を有し、これらは、
複数のプロセスのうちの１つまたはわずかなプロセスに
より直接アクセスされる。図に示される実施形態では、
データストア１２２が、プロセス１０６によってのみ直
接アクセスされ、データストア１２４は、プロセス１０
２および１０８によってのみ直接アクセスされ、データ
ストア１２６は、プロセス１１０および１５２ａ、１５
２ｂ、１５２ｃによってのみ直接アクセスされ、データ
ストア１２８は、プロセス１１０および１１２によって
のみ直接アクセスされ、データストア１２０は、プロセ
ス１６２ａおよび１６２ｂによってのみ直接アクセスさ
れる。

【００１３】システム１００では、複数の、独立してい
るが関連したデータストア１２０〜１２８に、データが
保持される。データの複製は、データストア１２０〜１
２８によっては全く提供されない。さらに、プロセス１
０２、１０４、１０６、１０８、１１２は自律して動作
し、個々のプロセス間の操作の同期をとるためのトラン
ザクション制御が全く存在しない。

【００１４】システム１００は、中央管理プロセス１３
０を備える。中央管理プロセスは、プロセス１０２、１
０４、１０６、１０８、１１２、１５０および１６０の
間の相互従属関係を理解するよう構成される。中央管理
プロセス１３０は、プロセス１０２、１０４、１０６、
１０８、１１２のそれぞれの相互従属関係に従う順番
で、プロセス１０２、１０４、１０６、１０８、１１２
のそれぞれを中断し、また再開する手段を備える。これ
により、異なるデータストアが確実に同期がとられ、デ
ータストア１２０〜１２８のそれぞれのデータ整合性が
維持される。

【００１５】データストアを修正し、および（または）
同期を要求するが、中央管理プロセス１３０と対話しな
いまたはできないプロセスをシステム１００は含むこと
ができる。この種のプロセス（以下、「間接プロセス」
という）を、間接プロセス１５２ａ、１５２ｂ、１５２
ｃ、１６２ａおよび１６２ｂとしてシステム１００に示
す。間接プロセスは、それらが中央管理プロセス１３０
により認識されるものとは異なる通信プロトコルを実行
するので、「間接」という。プロセス１５２ａ、１５２
ｂおよび１５２ｃは、同一プロセスＡの３つの別々の例
である。たとえば、プロセス１５２ａ、１５２ｂおよび
１５２ｃは、ユーザーインターフェース・プロセスの３
つの異なるオペレータ起動の別々のインスタンス（具象
化）の結果であることができる。同様に、プロセス１６
２ａおよび１６２ｂは、別の同一プロセスＢの２つの別
々のインスタンスである。

【００１６】中央管理プロセス１３０が、間接プロセス
１５２ａ、１５２ｂおよび１５２ｃ、または１６２ａお
よび１６２ｂと直接通信できないので、管理代理プロセ
ス１５０および１６０を使用して、中央管理プロセス１
３０と、それぞれの間接プロセス１５２ａ、１５２ｂ、
１５２ｃ、１６２ａおよび１６２ｂとの間のインターフ
ェースをとる。管理代理プロセス１５０および１６０
は、中央管理プロセス１３０からの「中断」通知および
「再開」通知を、それぞれの間接プロセス１５２ａ、１
５２ｂ、１５２ｃ、１６２ａおよび１６２ｂにより認識
される通信プロトコルを使用して、代理の「中断」通知
および「再開」通知に翻訳する。

【００１７】複数の同時に走る非同期のＨＬＯのため
に、データが複数のデータ入力ソースから流れることが
ある。例として、システムは、データストアを変更する
ためのソースとしてユーザー入力を受け取ることがで
き、それと同時に、システムが、１または複数の異なる
データストア１２０〜１２８に対する修正を生じさせる
システム事象を獲得することができるとする。これらの
データ入力ソース１４２〜１４６のそれぞれは、システ
ム１００の異なるパスを通るデータフロー（したがっ
て、異なる順番のプロセス）を生成する。

【００１８】中央管理プロセス１３０は、任意の所与の
時に、異なるプロセス１０２、１０４、１０６、１０
８、１１２の間で何が起こっているかを追跡しない。し
かし、中央管理プロセス１３０は、入力データソースと
データストアとの間の従属パスにどのプロセスがあるか
を追跡するよう、また、従属関係にある様々なプロセス
によりデータが操作される正しいシーケンスを追跡する
よう構成される。

【００１９】図に示される実施形態では、プロセスの従
属関係の宣言から抽出される従属木を生成することによ
り、これが達成される。それぞれのプロセス１０２、１
０４、１０６、１０８、１１２、１５０および１６０
は、他のプロセスのそれぞれに関してその従属関係を宣
言する。プロセスの設計者は、システムの他のプロセス
および他のデータストアに対するプロセスの関係を理解
する。それぞれのプロセスの宣言された相互従属関係
は、相互従属構成ファイルに格納される。中央管理プロ
セス１３０は、相互従属構成ファイルを読み、システム
１００の様々なプロセスの構造を反映する従属木を数学
的に生成する。

【００２０】提供された従属木の結果として、プロセス
１０２は、プロセス１０８および１１２にコールするこ
とを宣言する。プロセス１０４は、プロセス１０８およ
び１１０にコールすることを宣言する。プロセス１０６
は、プロセス１１０にコールすることを宣言する。プロ
セス１０８は、他のプロセスをコールしないことを宣言
する。プロセス１１０は、間接プロセス１５２ａ、１５
２ｂおよび１５２ｃにコールすることを宣言する。プロ
セス１１２は、他のプロセスを呼び出さないことを宣言
する。管理代理プロセス１５０は、間接プロセス１５２
ａ、１５２ｂおよび１５２ｃにコールすることを宣言す
る。管理代理プロセス１６０は、間接プロセス１６２ａ
および１６２ｂにコールすることを宣言する。

【００２１】図２は、プロセス１０２〜１１２、１５０
および１６０の従属宣言から作られるシステム１００の
異なるプロセス間の相互従属関係を示す従属木２００で
ある。従属関係は、矢印の方向で示される。プロセス１
５２ａ、１５２ｂ、１５２ｃ、１６２ａおよび１６２ｂ
は、中央管理プロセス１３０と直接通信しないので、図
２には含まれない。プロセス１１０は、間接プロセス１
５２ａ、１５２ｂおよび１５２ｃに依存するので、プロ
セス１５０に依存する。プロセス１０６および１０４
は、プロセス１１０に依存する。プロセス１０４および
１０２は、それぞれプロセス１０８に依存する。プロセ
ス１０２は、プロセス１１２に依存する。プロセス１０
２、１０４、１０６および１６０は、その他のプロセス
には全く依存しない。

【００２２】この発明によると、同期およびデータ整合
性は、異なるプロセス間で定義された相互従属関係（す
なわち、従属木２００のプロセスの位置のレベル）に従
う順番で、プロセス１０２〜１１２および１５０、１６
０を中断および再開することにより達成される。異なる
プロセス間の相互従属関係は、どのＨＬＯがシステム１
００により実行されるかにかかわりなく同じである。中
断および再開の順番は、プロセスの動作のしかたに固有
である。すなわち、どのデータストアをそれぞれの特定
のプロセスが修正するのか、どのプロセスがデータ入力
ソースから直接入力を受け取るのか、従属木のどこにそ
れぞれのプロセスが属するのか、による。中央管理プロ
セス１３０が、プロセス１０２、１０４、１０６、１０
８、１１２、１５０および１６０のそれぞれの相互従属
関係を理解し、それぞれと通信するので、中央管理プロ
セス１３０は、異なるプロセス１０２〜１１２、１５０
および１６０の中断操作の順番を制御する能力を持つ。

【００２３】この発明の「中断」操作は、トランザクシ
ョン処理システムの停止操作と近似している。したがっ
て、中央管理プロセス１３０は、通常のシャットダウン
中にそれぞれのプロセスを停止させるのと同じ順番でプ
ロセスのそれぞれと連絡をとり、停止以外のすべてを行
うよう告げる。それぞれのプロセスが中断される順番
は、停止が命じられる順番に直接マップされる。すなわ
ち、定義されたプロセスの相互従属関係に従う。

【００２４】代理管理プロセス１５０または１６０が、
中央管理プロセス１３０から「中断」通知を受け取ると
き、通信するそれぞれの間接プロセスに代理「中断」通
知を送る。それぞれの管理代理プロセス１５０および１
６０は、管理代理プロセスのそれぞれの間接プロセスの
従属関係を理解し、従属関係の順番でそれらを中断す
る。間接プロセス１５２ａ、１５２ｂおよび１５２ｃ、
または１６２ａおよび１６２ｂは、代理「中断」通知を
受け取るとき、可能ならば自分自身を中断し、それぞれ
の管理代理プロセス１５０または１６０にその中断成功
状態を知らせる。間接プロセスが、中断操作を実行する
際に成功しないことがあるのは、間接プロセスが、要求
された時に中断することのできないクライアント（すな
わち、間接プロセスを潜在的に呼び出す他のプロセス）
を持つ場合である。間接プロセスのクライアントのうち
いずれかが、要求された時に中断できないならば、間接
プロセスは適切な管理代理プロセス１５０または１６０
に知らせる。その後、管理代理プロセス１５０または１
６０は、中央管理プロセス１３０に応答する。中央管理
プロセス１３０の責任は、中央管理プロセス１３０が中
断するよう指図した間接プロセスに、「再開」通知を発
行することである。その後、中央管理プロセス１３０は
中断されたプロセスを再開し、同期を要求したＨＬＯに
知らせることにより、成功しなかった中断に応答する。

【００２５】当該技術分野の当業者により理解されるよ
うに、この発明は、本質的に、システムへのデータ入力
ソースを遮断し、進行中の現在のデータフローを、異な
るデータストアにつながる様々なデータフローのパスに
流すよう動作する。このプロセスが完了するとき、複数
のデータストアのそれぞれは同期が取られ、データは整
合性ある状態になる。この発明は、入力データソースの
数、異なるデータフローのパスおよびプロセスの従属関
係にかかわりなく、何らかの同様にモデル化されたシス
テムにおける整合性を保証するよう動作する。

【００２６】図３は、この発明によるシステムの従属パ
スにある複数のプロセスを中断する方法３００のフロー
チャートである。方法３００は、従属木にあるそれぞれ
のプロセスが、中央管理プロセス１３０から「中断」通
知を受け取って動作する手段を含むことを必要とする。
「中断」通知を受け取った後にそれぞれのプロセスが行
う詳細は、特定のプロセスの機能に依存し、したがって
プロセスごとに異なることがある。しかし、「中断」通
知を受け取る時、それぞれのプロセスは、最小限データ
ストアの修正を生じさせるサービス要求またはコマンド
を受け取るのを停止し、データストアを修正するタスク
のすべての待ち状態タスクを完了させ、内部的にキャッ
シュに格納されたデータをデータストアに流さなければ
ならない。プロセスがこれらのステップ（および、その
特定のプロセスの中断機能が実行するよう設計されてい
るどんな他のステップも）を完了すると、プロセスは、
「中断」通知の要求を終えたということを、「中断完
了」応答を介して中央管理１３０に通知する。システム
のどのプロセスが、待ち状態の管理操作を通知されなけ
ればならないか、およびどの順番でプロセスに通知する
かを理解するのは、中央管理プロセス１３０の責任であ
る。

【００２７】この発明の方法３００によると、システム
の異なるデータストアの同期をとらなければならないと
き、中央管理プロセス１３０は、ステップ３０２で、従
属木にあり、任意の他のプロセスにより呼び出されてお
らず、少なくとも１つのデータ入力ソースからデータ入
力を受け取るためシステムのソースの最初の点として動
作するそれぞれのプロセスを中断する。

【００２８】１または複数のプロセスが中断されると、
中央管理プロセス１３０は、ステップ３０４で、中断さ
れたプロセスにより潜在的に呼び出され、まだ中断され
ていないプロセスにより潜在的に呼び出されないプロセ
スであって、残りの中断されていないプロセスを含む次
のプロセスのサブセットを決定する。

【００２９】ステップ３０６では、中央管理プロセス１
３０は、次のプロセスのサブセットのそれぞれを中断す
る。ステップ３０８では、中央管理プロセス１３０は、
中断されずに残っているプロセスが従属木にあるかどう
か判断する。残っていなければ、方法３００は完了す
る。そうでなければ、ステップ３０４から３０８が、従
属木のそれぞれのプロセスが適切な順番で中断されるま
で繰り返され、すべてのデータが、上記の異なるデータ
ストアに流されるようにする。

【００３０】方法３００をシステム１００に適用する
と、プロセス１０２、１０４、１０６、１０８、１１
２、１５０および１６０が中断される順番は、以下のよ
うになる。１）プロセス１０２、１０４、１０６および
１６０を中断する。２）プロセス１０２が中央管理プロ
セス１３０に応答するとき、プロセス１１２を中断す
る。３）プロセス１０２および１０４の両方とも中断を
完了して、中央管理プロセス１３０に応答する時、プロ
セス１０８を中断する。４）プロセス１０４および１０
６が両方とも中断を完了して中央管理プロセス１３０に
応答する時、プロセス１１０を中断する。５）プロセス
１１０が中断を完了して中央管理プロセス１３０に応答
する時、プロセス１５０を中断する。６）すべての「中
断完了」応答が中央管理プロセス１３０により受け取ら
れた時、システムが中断する。

【００３１】図４は、この発明によるシステムの従属木
にある複数の中断されたプロセスを再開する方法４００
のフローチャートである。方法４００は、従属木にある
それぞれのプロセスが、中央管理プロセス１３０から
「再開」通知を受けて動作する手段を含むことを必要と
する。「再開」通知を受け取るとき、受け取りのプロセ
スは、サービス要求またはコマンドの受け取りおよび処
理を始める。「再開」通知は「開始」通知と同じ順番で
送られ、「中断」通知の逆の順番である。プロセスがこ
のステップ（および、プロセスの再開機能を完了するた
めプロセスが完了しなければならない任意の他のステッ
プ）を完了すると、プロセスは、「再開完了」応答を介
して中央管理プロセス１３０に知らせる。システム１０
０のどのプロセスが、どの順番で、プロセスのそれぞれ
を再開するかを理解するのは、中央管理プロセス１３０
の責任である。好ましい実施形態では、これは従属木を
介して判断される。

【００３２】方法４００によると、システムの、異なる
中断されたプロセスが再開されるとき、中央管理プロセ
ス１３０は、ステップ４０２で、従属木のプロセスのう
ち現在中断されているプロセスを呼び出さないそれぞれ
のプロセスを再開することから始める。これは、従属木
の一番低いレベルのプロセスに「再開」通知を送ること
により達成される。中央管理プロセス１３０は、これら
のプロセスのうち少なくとも１つのプロセスから「再開
完了」応答を受け取るまで待つ。

【００３３】従属木の一番低いレベルに置かれた１また
は複数のプロセスが再開されると、ステップ４０４で、
中央管理プロセス１３０は、再開されたプロセスを潜在
的に呼び出し、まだ中断されているプロセスを潜在的に
呼び出さないプロセスであって、残っている中断された
プロセスを含む次のプロセスのセットを決定する。例示
される実施形態では、従属木の次のレベルにあるそれぞ
れのプロセスがチェックされ、潜在的に呼び出すプロセ
スのそれぞれが、「再開完了」応答を返したかどうか判
断する。

【００３４】ステップ４０６では、中央管理プロセス１
３０が、次のプロセスのセットのそれぞれを再開する。
例示される実施形態では、これは、次のプロセスのセッ
トのそれぞれに「再開」通知を送り、「再開完了」応答
を待つことにより達成される。

【００３５】ステップ４０８では、中央管理プロセス１
３０が、プロセスが中断されたまま残っているプロセス
が従属木にあるかどうか判断する。残っていなければ、
方法４００は完了し、システムが再開される。そうでな
ければ、従属木にあるそれぞれのプロセスが従属木で定
められた適切な順番で再開されるまで、ステップ４０４
から４０８が繰り返される。

【００３６】通常の操作を再開するため、プロセス１０
２、１０４、１０６、１０８、１１２、１５０および１
６０は、中断された順番に対して逆の順番で再開され
る。したがって、１）プロセス１０８、１１２、１５０
および１６０を再開する。２）プロセス１５０が再開を
完了した後、プロセス１１０を再開する。３）プロセス
１１２および１０８が再開を完了した後、プロセス１０
２を再開する。４）プロセス１０８および１１０が再開
を完了した後、プロセス１０４を再開する。５）プロセ
ス１１０が再開を完了した後、プロセス１０６を再開す
る。すべての「再開完了」応答が、中央管理プロセス１
３０により受け取られた時、システムが再開される。

【００３７】図５は、この発明の操作のある特定の例を
示すネットワーク管理システム５００のブロック図であ
る。システム５００は複数のソフトウェアプロセスを含
み、それぞれが、例えば新しいネットワーク要素を見つ
けて、それをグラフィカルマップに加える「ネットワー
ク要素発見(Discover_Network_Element)」ＨＬＯの特定
部分を制御するよう設計されている。システム５００
は、新しい要素を発見する発見管理プロセス５０２、ト
ポロジー管理プロセス５０４、集中オブジェクト記憶プ
ロセス５０６（すなわち、意味情報管理）、および新し
い要素を表示するグラフィカルマップ・プレゼンテーシ
ョン管理プロセス５０８を備える。「ネットワーク要素
発見」ＨＬＯは、以下の順番で操作シーケンスを実行す
る。（１）発見管理プロセス５０２は、新しいネットワ
ーク構成要素を発見する。（２）発見管理プロセス５０
２は、トポロジー管理プロセス５０４に新しいネットワ
ーク構成要素について知らせる。（３）トポロジー管理
プロセス５０４は、集中オブジェクト記憶プロセス５０
６と連絡をとり、新しい情報でそれを更新する。（４）
トポロジー管理プロセス５０４は、自身のデータストア
を更新する。（５）トポロジー管理プロセス５０４は、
プレゼンテーション管理プロセス５０８と連絡をとり、
新しい構成要素をグラフィカルマップに加える。（６）
プレゼンテーション管理プロセス５０８は、自分のデー
タストアを更新する。

【００３８】ネットワーク管理システム５００は、非ト
ランザクションの複数データストア処理システムであ
る。具体的には、データは複数の、独立しているが関連
したデータストア５１４、５１６、５１８に保持され
る。また、トポロジー管理プロセス５０４は、自身のト
ポロジーデータストア５１４を保持し、集中オブジェク
ト記憶プロセス５０６は、自身の意味データストア５１
８を保持し、プレゼンテーション管理プロセス５０８
は、自身のグラフィカルマップ・プレゼンテーションデ
ータストア５１６を保持する。この実施形態では、ＨＬ
Ｏが、ソフトウェアプロセス５０４、５０６、５０８へ
のＡＰＩを介して、異なる複数データストア５１４、５
１６、５１８を更新する。ＡＰＩは、それぞれのデータ
ストア５１４、５１６、５１８へのアクセスを制御す
る。さらに、プロセス５０２、５０４、５０６、５０８
は自律して動作し、個々のプロセス間の操作の同期をと
るトランザクション制御が全く無い。しかも、データス
トア５１４、５１６、５１８は、データ複写（すなわち
冗長性）を全く提供しない。この実施形態では、全体の
トランザクション制御が無いため、妨げられることのな
いシステム５００を、「ネットワーク要素発見」ＨＬＯ
は流れる。さらに、同時にシステム５００を流れる複数
の異なるＨＬＯをもつこともでき、それぞれが、必要な
プロセスのセットと連絡をとる（また、異なるデータス
トア５１４、５１６、５１８を潜在的に更新する）。た
とえば、異なる「新規ノード追加(Add_New_Node)」ＨＬ
Ｏ（図示せず）は、オペレータに、グラフィカルマップ
・プレゼンテーション管理プロセス５０８を介して新し
いノードを直接追加させることもできる。このＨＬＯを
使用して新規のノードを追加することにより、図５の
「ネットワーク要素発見」のＨＬＯにより説明されるも
のとは反対方向に、システム５００を通るデータフロー
のパスが得られる。

【００３９】データを管理する方法において、それぞれ
のプロセスが他のプロセスから独立しているとしても、
様々なデータストアのデータ間には従属関係が存在す
る。たとえば、ネットワーク管理システム５００では、
管理されるノードが、トポロジーデータストア５１４、
グラフィカルマップ・プレゼンテーションデータストア
５１６および意味データストア５１８において表され
る。データストア間の共通キーは、図５に示されるよう
に、オブジェクトの識別子すなわち名前である。この実
施形態では、オブジェクトＩＤが、トポロジー情報、意
味情報およびプレゼンテーション情報を一緒に結びつけ
る。新しいオブジェクトデータがネットワーク管理シス
テム５００に加えられるとき（たとえば、新しいネット
ワークノードがネットワーク管理システム５００に加え
られるとき）、トポロジー管理プロセス５０４およびグ
ラフィカルマップ・プレゼンテーションプロセス５０８
と順番に連絡をとる。したがって、ＨＬＯが完了にむけ
て実行しているとき、様々なデータストア５１４、５１
６、５１８は、それらのうち更新されて新規のノードの
存在を反映するものもあり、更新されずに反映しないも
のもあるという事実のため、不整合な状態にあるかもし
れない。

【００４０】同期したデータを要求するＨＬＯの例とし
て、バックアップＨＬＯがある。データストア５１４、
５１６、５１８の同期は、他のＨＬＯ（これは、従属木
にあるプロセスを呼び出す）を、バックアップが進行中
の間は実行させないことにより達成される。従属木にあ
るすべてのプロセスは、「中断」通知を受け取る手段を
含み、この通知は、プロセスに同期の準備をするよう知
らせる。すべてのプロセスが「中断」通知を受け取って
動作すると、システムの複数のデータストアすべてが整
合性ある状態にある（すなわち、複数のデータストア間
に壊れた従属関係が全く存在しない）と考えられ、した
がってそれらのデータストアをバックアップすることが
できる。

【００４１】図６は、システム５００の従属木６００で
ある。グラフィカルマップのプレゼンテーションプロセ
ス５０８は、中央管理プロセス５３０（図７）と直接通
信しない間接プロセスである。この例では、代理管理プ
ロセス５４０（図７）が、そのクライアントプロセス
（すなわち、プレゼンテーション管理プロセス５０８）
についての相互従属関係の情報を供給し、このことは、
プレゼンテーション管理プロセス５０８を呼び出すプロ
セスが従属木６００には無いので、プレゼンテーション
管理プロセス５０８が従属木６００の一番高いレベル６
０２にあることを示す。ネットワーク要素発見プロセス
５０２が、データ入力ソースからデータ入力を直接受け
取るシステム５００の唯一の直接プロセスなので、発見
プロセス５０２は、従属木６００の次のレベル６０４に
置かれる。トポロジー管理プロセス５０４は、発見プロ
セス５０２から要求を受け取る唯一のプロセスなので、
従属木６００の次のレベル６０６に属する。最後に、集
中オブジェクト記憶プロセス５０６が、トポロジー管理
プロセス５０４から要求を受け取る唯一の残っているプ
ロセスなので、従属木６００の次のレベル６０８に属す
る。

【００４２】図７は、システム７００を通る「中断」通
知の順番を示すフロー図であり、図５の異なるデータス
トア５１４、５１６、５１８のそれぞれのデータの同期
をとる。システム７００は中央管理プロセス５３０を含
み、中央管理プロセスは、システムのプロセス５０２、
５０４、５０６、５０８の間の従属関係を理解し、デー
タ整合性が確実に維持される順番でプロセスを開始、停
止、中断および再開できるようにする。また、システム
７００は、管理代理プロセス５４０を含む。プレゼンテ
ーション管理プロセス５０８が、従属木６００の一番高
いレベル６０２にあるので、管理代理プロセス５４０を
介してプレゼンテーション管理プロセス５０８を最初に
中断し、プレゼンテーション管理プロセス５０８の任意
のクライアントプロセスが、要求された時に確実に中断
可能な状態にあるようにしなければならない。

【００４３】データストア５１４、５１６、５１８のデ
ータの同期をとる方法は、第１のステップ７０２で開始
し、このステップでは、同期したデータを必要とするプ
ロセスの「中断実行可能」５５０が、中央管理プロセス
５３０に、同期の準備をするためプロセスに通知し始め
るよう要求する。ステップ７０４では、中央管理プロセ
ス５３０が、管理代理プロセス５４０に「中断」通知を
送る。ステップ７０６では、管理代理プロセス５４０
が、そのクライアントプロセス（図示せず）のそれぞれ
に、代理「中断」プロセスを転送する。実際には、ある
種類のプロセスの複数のインスタンスをもつことができ
る（グラフィカルマップのプレゼンテーションプロセス
５０８のような）。また、システムは、多くの異なる種
類の管理代理プロセス５４０を持つこともでき、それぞ
れが、クライアントの特定の種類の代理に合わせて調整
される（たとえば、グラフィカル・ユーザー・インター
フェース（ＧＵＩ）またはＳＮＭＰエージェント）。管
理代理プロセス５４０の目的は、中央管理プロセス５３
０と通信しないプロセスをサポートすることである。管
理代理プロセス５４０は、定義されたプロトコルで中央
管理プロセス５３０からコマンドを受け取り、そのクラ
イアントプロセスが理解するプロトコル（例えばＡＰ
Ｉ）を使用して、クライアントプロセス（すなわち、プ
レゼンテーションプロセス５０８）と通信する。ステッ
プ７０８では、グラフィカルマップ・プレゼンテーショ
ンプロセス５０８は、何らかの待ち状態にあるマップ変
更をデータストア５１６に流すことにより、同期の準備
をする。その中断機能が完了すると、プレゼンテーショ
ンプロセス５０８は、代理「中断完了」応答を用いて、
管理代理プロセス５４０に応答する。代理「中断」通知
を受け取る任意のプロセスは、否定応答を管理代理プロ
セス５４０に返すことができ、この場合には、中央管理
プロセス５３０は、すべてのプロセスに「再開」通知を
送ることにより中断操作全体を中止する。

【００４４】管理代理プロセス５４０は、肯定応答（す
なわち、代理「中断完了」の応答）をプレゼンテーショ
ンプロセス５０８から受け取るならば、ステップ７１０
で中央管理プロセス５３０に「中断完了」応答を返す。
中央管理プロセス５３０は、従属木６００により定義さ
れた順番に従って、すべての他のプロセスに「中断」通
知を送る。したがって、ステップ７１２で中央管理プロ
セス５３０は発見プロセス５０２に「中断」通知を送
り、ステップ７１４で「中断完了」応答を受け取る。そ
の後、中央管理プロセス５３０は、ステップ７１６で集
中オブジェクト記憶プロセス５０６に「中断」通知を送
り、ステップ７１８で「中断完了」応答を受け取る。ス
テップ７２０では、中央管理プロセス５３０はトポロジ
ー管理プロセス５０４に「中断」通知を送り、ステップ
７２２で「中断完了」応答を受け取る。中央管理プロセ
ス５３０がそれぞれのプロセスと連絡をとり、それぞれ
のプロセスから「中断完了」応答を受け取ると、中央管
理プロセス５３０は、ステップ７２４で、「システムが
中断された」メッセージを「中断実行可能」５５０に返
し、システムおよびそのすべてのデータが整合性ある状
態にあることを示す。

【００４５】当該技術分野の当業者には、この発明が、
「中断」通知または「再開」通知がトラベル(travel)す
ることのできるレベル数を制限しないということを理解
するであろう。この発明はＮレベルの中断／再開の階層
を説明し、それぞれのレベルは次のレベルにメッセージ
を転送し、次のレベルから応答を受け取る。たとえば、
ここで説明したグラフィカルマップ・プレゼンテーショ
ンプロセス５０８は、ＡＰＩを介して、マップを増やす
ことのできる他のアプリケーションとの通信をサポート
することができる。これらのアプリケーションには、代
理「中断」通知を受け取って、アプリケーションが同期
の準備をすることができるようにすることも必要である
（すなわち、これらのアプリケーションは、メモリにマ
ップの変更を格納することができ、メモリにおけるこれ
らの変更は、同期の前にグラフィカルマップ・プレゼン
テーションプロセス５０８に送られるべきである）。こ
の例では、グラフィカルマップ・プレゼンテーションプ
ロセス５０８は、接続されるアプリケーションに「中
断」通知を転送する。こうして、グラフィカルマップ・
プレゼンテーションプロセス５０８は、そのクライアン
トが応じる能力により、大部分の「中断」通知に応じる
能力を決定する。

【００４６】すべてのプロセスが中断するよう通知され
て中央管理プロセス５３０に応答を送り返すと、バック
アップまたはデータのチェックポイントのような操作を
実行することができる。このような操作の完了の後、中
断されたプロセスに知らせて通常の操作を再開すること
は、中央管理プロセス５３０の責任である。「開始」通
知を送るのとは逆の順番で、それらのプロセスに「再
開」通知を送ることにより、これを行う。

【００４７】非トランザクション処理で複数データスト
アの同期をとるシステムおよび方法を、上記に詳細に説
明してきた。この発明は、例示した実施形態により説明
したけれども、当該技術分野の当業者には理解できるよ
うに、この発明の精神および範囲から離れることなく、
例示した実施形態に対して様々な変更および改良を行う
ことができる。この発明の範囲は例示した実施形態に制
限されるものではなく、この発明は特許請求の範囲によ
り定められる。

【００４８】本発明は、例として以下の実施態様を含
む。

【００４９】（１）非トランザクション多重処理コンピ
ュータシステム(100)において複数のデータストアの同
期をとってデータ整合性を達成する方法であって、該シ
ステムが、複数のデータストア(120-128)と、１または
複数のデータ入力ソース(142-148)と、該１または複数
のデータ入力ソースのうちの少なくとも１つデータ入力
ソースおよび前記複数のデータストアのうちの少なくと
も１つデータストアの間の従属パスにある複数のプロセ
ス(102-112)とを備え、(a)前記複数のプロセスのうち、
前記複数のプロセスの任意の他のプロセスにより呼び出
されておらず、前記１または複数のデータ入力ソースの
うちの少なくとも１つからデータを直接受け取るそれぞ
れのプロセスを備える前記複数のプロセスの第１のサブ
セット(102、104、106、160)を中断するステップと、(b)前
記複数のプロセスのうち、中断されたプロセスにより呼
び出されており、中断されていないプロセスにより呼び
出されていない少なくとも１つのプロセスを含む次のサ
ブセットを中断するステップと、(c)前記複数のプロセ
スのうち、いずれかのプロセスが中断されずに残ってい
るならば、前記ステップ（ｂ）を繰り返すステップと、
を含む複数データストアの同期をとってデータ整合性を
達成する方法。

【００５０】（２）(d)前記複数のデータストアのうち
任意のデータストアの修正を生じさせるサービス要求の
受け入れを停止するステップと、(e)前記複数のデータ
ストアのうち任意のデータストアの修正を生じさせるす
べての待ち状態タスクを完了させるステップと、(f)中
断されてないプロセスまたは前記複数のデータストアの
うち１または複数のデータストアに、内部的にキャッシ
ュに格納されたデータをすべて流すステップと、を実行
することにより、前記複数のプロセスのそれぞれが中断
するようにした上記（１）に記載の方法。

【００５１】（３）(g)前記複数のプロセスのうち、現
在中断されているプロセスを呼び出さないそれぞれのプ
ロセスを含む最後のサブセット(108、112、150、160)を再
開するステップと、(h)前記複数のプロセスのうち、１
または複数の再開されたプロセスを呼び出し、現在中断
されているプロセスを呼び出さない少なくとも１つのプ
ロセスを含む前のサブセットを再開するステップと、
(i)前記複数のプロセスのうち、いずれかのプロセスが
再開されずに残っているならば、前記ステップ（ｈ）を
繰り返すステップと、を実行することにより、前記シス
テムの通常の操作が再開されるようにした上記（１）ま
たは（２）に記載の方法。

【００５２】（４）(j)前記複数のデータストアのうち
少なくとも１つデータストアの修正を生じさせるサービ
ス要求の受け入れを可能にするステップにより、前記複
数のプロセスがそれぞれが再開するようにした上記
（３）に記載の方法。

【００５３】（５）同期をとって整合性あるデータを達
成する非トランザクションの複数データストア処理シス
テムであって、複数のデータストア(120-128)と、１ま
たは複数のデータ入力ソース(142-148)と、前記１また
は複数のデータ入力ソースのうちの少なくとも１つのデ
ータ入力ソースと、前記複数データストアのうちの少な
くとも１つデータストアとの間の従属パスにある複数の
プロセスであって、それぞれが、前記データストアの修
正を生じさせるサービス要求の受け入れを中断し、前記
複数データストアを修正するすべての待ち状態タスクを
完了させ、中断されてないプロセスまたは前記複数のデ
ータストアのうち１または複数のデータストアのいずれ
かに、内部的にキャッシュに格納されたデータをすべて
流す複数のプロセス(102-112)と、前記複数プロセスの
うち、任意の他のプロセスにより呼び出されておらず、
前記１または複数のデータ入力ソースのうちの少なくと
も１つから直接データを受け取るそれぞれのプロセスを
含む第１のサブセットを中断し、中断されないまま残っ
ているプロセスが無くなるまで、中断されたプロセスに
より呼び出されており、中断されていないプロセスによ
り呼び出されていない少なくとも１つのプロセスを含む
次のサブセットを繰り返し中断することにより、順番
に、前記複数のプロセスのそれぞれを中断するよう動作
することのできる同期をとる手段(130)と、を備える非
トランザクション複数データストア処理システム。

【００５４】（６）前記複数のプロセスのそれぞれが、
前記複数のデータストアのうち１または複数のデータス
トアの修正を生じさせるサービス要求の受け入れを可能
にする再開手段を備える上記（５）に記載のシステム。

【００５５】（７）前記同期をとる手段が、前記複数の
プロセスのうち、現在中断されているプロセスを呼び出
していないそれぞれのプロセスを含む最後のサブセット
を再開し、中断されたまま残っているプロセスが無くな
るまで、１または複数の再開されたプロセスを呼び出
し、中断されているプロセスを呼び出さない少なくとも
１つのプロセスを含む次のサブセットを繰り返し再開す
ることにより、順番に、前記複数のプロセスのそれぞれ
を再開するよう動作することができるようにした上記
（６）に記載のシステム。

【００５６】（８）前記１または複数のデータ入力ソー
スのうちの少なくとも１つのデータ入力ソースと、前記
複数データストアのうち少なくとも１つのデータストア
と間の従属パスにある間接プロセス(152a-152c)を備
え、該間接プロセスが、前記複数のデータストアの修正
を生じさせるサービス要求の受け入れを停止し、前記複
数のデータストアを修正するすべての待ち状態タスクを
完了させ、中断されていないプロセスまたは前記複数デ
ータストアの１または複数データストアに、内部的にキ
ャッシュに格納されたデータのすべてを流すことによ
り、代理中断要求に応答し、前記間接プロセスへの代理
中断要求を生成して送ることにより中断要求に応答する
代理プロセス(150)を備え、前記間接プロセスが中断さ
れるとき、前記同期をとる手段(130)が前記代理プロセ
スに中断要求を送るようにした上記（５）から（７）に
記載のシステム。

【００５７】（９）前記代理中断要求が受け取られると
き、１または複数のクライアント・プロセスが現在中断
可能ならば、前記間接プロセスが１または複数のクライ
アントプロセスと対話し、代理中断要求に応答して中断
を実行する上記（８）に記載のシステム。

【００５８】

【発明の効果】非トランザクション処理システムの複数
のデータストア間に同期および整合性を達成することが
できるので、システムを走らせたたままにして、ユーザ
に対する時間およびサービスの損失を最小にすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明による非トランザクション複数データ
ストア処理システムのブロック図。

【図２】図１のシステムの従属木を示す図。

【図３】この発明によるシステムのプロセスを中断する
方法を示すフローチャート。

【図４】この発明によるシステムの中断されたプロセス
を再開する方法を示すフローチャート。

【図５】ＨＬＯのシーケンシャルフローを示すこの発明
のシステムのブロック図。

【図６】図５のシステムの従属木を示す図。

【図７】図５のシステムを通る中断通知の順番を示すフ
ロー図。

【符号の説明】

１００ 非トランザクション多重処理コンピュータシス
テム １０２〜１１２ プロセス １２０〜１２８ データストア １４２〜１４８ データ入力ソース

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トニー・アトキンソン アメリカ合衆国80524コロラド州フォー ト・コリンズ、スミス・ストリート 708 (72)発明者 スティーブン・シー・ブース アメリカ合衆国80528コロラド州フォー ト・コリンズ、ウォルデン・サークル 7805 (72)発明者 ジェームズ・アール・グリュエル アメリカ合衆国80525コロラド州フォー ト・コリンズ、ブルックウッド・ドライブ 2114 (72)発明者 ポール・エイチ・プライス アメリカ合衆国80537コロラド州ラブラン ド、ハイ・カントリー・ロード 4600 (72)発明者 ロバート・ディー・シェトラー アメリカ合衆国80521コロラド州フォー ト・コリンズ、サマー・ストリート 1027 (72)発明者 ダレン・ディー・スミス アメリカ合衆国80526コロラド州フォー ト・コリンズ、ゴールデンリッジ・ウェイ 4242 (72)発明者 ジョン・ティー・ウォード アメリカ合衆国80537コロラド州ラブラン ド、ティアビ・コート 375

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】非トランザクション多重処理コンピュータ
   システムにおいて複数のデータストアの同期をとってデ
   ータ整合性を達成する方法であって、 該システムが、複数のデータストアと、１または複数の
   データ入力ソースと、該１または複数のデータ入力ソー
   スのうちの少なくとも１つのデータ入力ソースおよび前
   記複数のデータストアのうちの少なくとも１つデータス
   トアの間の従属パスにある複数のプロセスとを備え、 (a)前記複数のプロセスのうち、任意の他のプロセスに
   より呼び出されておらず、前記１または複数のデータ入
   力ソースのうちの少なくとも１つからデータを直接受け
   取るそれぞれのプロセスを含む第１のサブセットを中断
   するステップと、 (b)前記複数のプロセスのうち、中断されたプロセスに
   より呼び出されており、中断されていないプロセスによ
   り呼び出されていない少なくとも１つのプロセスを含む
   次のサブセットを中断するステップと、 (c)前記複数のプロセスのうち、いずれかのプロセスが
   中断されずに残っているならば、前記ステップ（ｂ）を
   繰り返すステップと、 を含む複数データストアの同期をとってデータ整合性を
   達成する方法。