JPH11337988A - 光スイッチ - Google Patents

光スイッチ

Info

Publication number
JPH11337988A
JPH11337988A JP14334398A JP14334398A JPH11337988A JP H11337988 A JPH11337988 A JP H11337988A JP 14334398 A JP14334398 A JP 14334398A JP 14334398 A JP14334398 A JP 14334398A JP H11337988 A JPH11337988 A JP H11337988A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switch
light
optical
control light
nonlinear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14334398A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Kuroiwa
裕 黒岩
Naoki Sugimoto
直樹 杉本
Setsuo Ito
節郎 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP14334398A priority Critical patent/JPH11337988A/ja
Publication of JPH11337988A publication Critical patent/JPH11337988A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】デバイス長が短く、低パワーで動作し、高速ス
イッチ可能な全光スイッチを得る。 【解決手段】偏光子、検光子、およびそれらの間に配置
された非線形光学装置を有し、制御光を非線形光学素子
に入射することによりより信号光の透過・非透過を制御
する光スイッチにおいて、非線形光学装置は2つの三次
非線形光学素子からなり、それぞれの素子は2つの異な
る制御光で制御されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超高速光情報処理
等に用いられる光スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】高度情報処理社会やマルチメディアの実
現のためには、大容量の情報を超高速に処理する必要が
あり、そのためには従来のエレクトロニクス処理に代わ
る光処理技術が不可欠である。光を使って光信号を処理
する、すなわち全光スイッチを実現するために、種々の
開発が行われている。この全光スイッチの動作原理とし
て、光によって材料の屈折率や透過率などの光学特性を
変化させることができる三次非線形光学効果を利用する
ことが提案されている。この場合、入射させる光のパワ
ー密度をI(W/cm2 )により、屈折率n、吸収係数
α(cm-1)は次のような関係で変化する。
【0003】 n=n0 +n2 ・I α=α0 +α2 ・I ここで n0 は光のパワー密度の弱い極限での屈折率
(線形屈折率ともいう)、α0 は吸収係数(線形吸収係
数ともいう)で、n2 、α2 はそれぞれ非線形屈折率、
非線形吸収係数と呼ばれる。
【0004】このような観点から、三次非線形光学効果
の大きい材料探索が精力的に行われ、GaAsのような
半導体単結晶やポリジアセチレンのような有機単結晶、
量子サイズ効果を利用した半導体微粒子分散ガラス、半
導体量子井戸構造、石英ガラスなど多くの材料が全光ス
イッチとして提案されている。
【0005】なかでも光カー効果と呼ばれる、高強度の
直線偏光した光を入射した際に誘起される非線形屈折率
により生じる複屈折現象を利用した偏光回転型光スイッ
チ(光カースイッチ)は、素子構成も単純で高S/Nが
得られやすいものとして知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの材料のなか
で、有機単結晶や石英ガラスなどの非共鳴型三次非線形
光学材料は、光吸収を伴わないため数ピコ秒以下での高
速な非線形応答を示すことが知られているが、三次非線
形光学効果が小さいため光スイッチとして実現するため
には、デバイス長を大きくしたり動作パワーを大きくす
る必要があった。例えば、石英ガラスをファイバー化し
て光スイッチを作製した場合、5〜20ピコ秒でのスイ
ッチ動作は可能なものの、スイッチ動作をさせるために
は、約1000mの長さにする必要があった。そのた
め、非共鳴型のガラスにおいて、三次非線形光学効果が
大きな材料の探索が精力的に行われている。たとえば、
カルコゲンガラスとして知られているAs−S系のガラ
スにおいては、非線形光学効果が大きいため、約1/1
000の長さのファイバーで同様の速度でのスイッチ動
作が可能であることが特開平3−21934に示されて
いる。しかしながら、カルコゲンガラスの場合は、それ
でもなお1mの長さが必要であり、制御光のエネルギー
密度も1GW/cm2 以上必要であった。また、ガラス
作製時の雰囲気を制御する必要があること、有害元素を
含有することなどから、ガラスを作製するプロセスが煩
雑であるという問題点があった。
【0007】一方、共鳴型三次非線形光学材料において
は、非常に大きな三次非線形光学効果が得られるため、
デバイス長が短く、低パワーで動作する全光スイッチを
構成することが可能である。しかしながら、非線形光学
特性の緩和時間が長いので、スイッチオフ時間が長くな
り、高速動作が困難であるという問題があった。
【0008】図6にこのような三次非線形光学材料を用
いた従来の光カースイッチを示す。光カースイッチは図
6に示すように、偏光子P、三次非線形光学材料からな
るスイッチ材料M、検光子Aにより構成される。水平偏
光の信号光Linとそれに対して45゜の方向に偏向した
制御光L1 をスイッチ材料Mに入射する場合、制御光L
1 によりスイッチ材料Mに非線形屈折率が誘起され、そ
れにより生じる複屈折現象により、信号光の偏光面を回
転させることができる。このときの偏光面の回転角は非
線形屈折率、入射光のパワー密度、デバイス長の積に比
例する。非線形屈折率の正負により偏光の回転方向は逆
になる。スイッチ材料Mの後方に垂直偏光のみを通過す
る検光子Aを配置しておくと、光カー効果により信号光
の偏光が回転したときのみ出力を得ることができる。制
御光L1 が存在しない場合は、信号光Linの偏光が回転
することなく、そのままの水平偏光で出射されるため、
信号光は検光子Aを通過することができない。
【0009】図7は図6の全光スイッチにおいての信号
光、制御光、出射信号光の変化を、横軸を時間として模
式的に表したものである。信号光は簡単のため図7に示
したような一定強度のものとする。三次非線形光学材料
として半導体系の材料(GaAsなどの半導体、半導体
微粒子分散ガラス、半導体量子井戸構造)を用いると、
大きな三次非線形効果のために、低パワーで動作する全
光スイッチを作製可能である。しかしながら、半導体系
の材料の場合、非線形屈折率の回復時間は一般にピコ秒
〜ナノ秒オーダーであるため、この回復時間よりも短い
時間間隔で信号光をスイッチングさせることは非常に困
難である。そのため、短パルスの励起光を用いているに
もかかわらず、出射信号光のスイッチング波形は図7に
見られるように長い尾を引いたものになる。
【0010】本発明は、以上のような全光スイッチにお
ける従来の課題を解消し、デバイス長が短く、低パワー
で動作し、しかもスイッチオフ時間が非線形効果の緩和
時間に依存しない全光スイッチを新規に提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、偏光子、検光子、およ
びそれらの間に配置された非線形光学装置を有し、制御
光を非線形光学装置に入射することにより信号光の透過
・非透過を制御する光スイッチにおいて、非線形光学装
置は2つの三次非線形光学素子からなり、それぞれの素
子は2つの異なる制御光で制御されていることを特徴と
する光スイッチを提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のスイッチ構成を図1に示
す。この光誘起スイッチでは、2つのスイッチ材料M
1 、M2 (それぞれが三次非線形光学素子であり、この
2つのスイッチ材料で非線形光学装置を構成する)の入
側に偏光子Pを、出側に検光子Aを配置している。偏光
子Pと検光子Aの偏光面は直交している。波長λS の信
号光Lin、波長λ1 の制御光L1 、波長λ2 の制御光L
2 はいずれも直線偏光であり、2つの制御光の偏光面は
同じで、信号光の偏光面に対して45°傾いている。制
御光L1 は信号光と同時刻にスイッチ材料M1 に入射
し、制御光L2 は信号光がスイッチ材料M2 に入射して
からスイッチングを行う時間だけ時間差をおいてスイッ
チ材料M2 に入射する。
【0013】制御光L1 、L2 は同波長でもよく、また
スイッチ材料M1 、M2 が同一の材料でもよい。しかし
ながら、制御光が同一波長ならスイッチ材料は別材料
を、またスイッチ材料が同一なら制御光は別波長にする
ことが好ましい。
【0014】偏光子Pを通った信号光は、制御光L1
2 が存在しないと検光子Aを通過しない。制御光L1
の入射により非線形屈折率が誘起され信号光Linの偏光
が回転する。しかしながら、スイッチ材料M1 のみでは
非線形屈折率の回復に時間を要するため、高速にスイッ
チングを行うことができない。ここで、信号光Linがス
イッチ材料M2 に入射後、スイッチングを行う時間だけ
経過した後に制御光L2 をスイッチ材料M2 に入射させ
ると、これにより、スイッチ材料M2 には、制御光L1
によるものと別の非線形屈折率が誘起される。偏光の回
転角は非線形屈折率、制御光のパワー密度、デバイス長
の積に比例するため、制御光L2 の強度を適当に調節す
ることにより、制御光L1 による信号光Linの偏光回転
を元に戻すことができる。結局、検光子Aを通過できる
信号光は制御光L1 入射と同時にスイッチ材料M1 に入
射し、制御光L2 が入射される以前にスイッチ材料M2
を通過した信号光のみであり、それ以外の信号光は完全
に遮断される。その結果、制御光L1 、L2 入のオン・
オフによって信号光Linを高速にオン・オフ制御でき
る。図2は図1の全光スイッチにおいての信号光、制御
光、出射信号光の変化を、横軸を時間として模式的に表
したものである。信号光は簡単のため、図7と同様に、
図2に示したような一定強度のものとする。このよう
に、2つの制御光を用いることで、材料の非線形屈折率
の回復の遅さにもかかわらず高速の全光スイッチングを
行うことができる。
【0015】以上説明した光スイッチはバルク状のスイ
ッチ材料を用いた原理的な実施形態を示したものである
が、ファイバーや導波路の形態でも同様の原理を用いて
実施できる。また、連続するパルス列からの特定パルス
の抜き取りや、長い時間幅を持つパルスの切り出し、ま
たパルスの整形にも利用可能である。
【0016】本光スイッチでは、波長λ1 の制御光L1
によって、信号光の波長λS に対して非線形屈折率が誘
起されるスイッチ材料M1 、および波長λ2 の制御光L
2 によってスイッチ材料M1 と逆符号の非線形屈折率が
信号光の波長λS に対して誘起されるスイッチ材料M2
の組が使用されることが好ましい。すなわち、2つの三
次非線形光学素子のうち、一方の素子がその制御光によ
り信号光の波長に対して非線形屈折率n2 (1)を示し、か
つ他方の素子がその制御光により信号光の波長に対して
非線形屈折率n2 (2)を示すとしたときに、n2 (1)・n2
(2)<0となる。
【0017】このような特性を満たす材料としては半導
体系材料が挙げられる。なかでもCuCl、CuBrお
よびそれらの固溶体からなる群より選ばれた少なくとも
1種の微粒子の分散するガラスは、非線形屈折率n2
10-9cm2 /W以上の材料が容易に得られ、しかも制
御光の波長、微粒子の粒径または微粒子種を変えること
で非線形光学特性を容易に変えることが可能であるため
特に好ましい。
【0018】CuCl、CuBrおよびそれらの固溶体
からなる群より選ばれた少なくとも1種の微粒子の分散
するガラスでは、励起子による吸収波長付近で共鳴効果
により大きな非線形光学特性を示すことが知られてい
る。また、励起子吸収のピーク波長は微粒子粒径が大き
くなるに従い、長波長側にシフトするため、ピーク波長
が微粒子粒径を反映する。このガラスにおいては上記微
粒子がサイズ分布を伴うため、励起子吸収のピークがサ
イズ分布を反映して不均一幅を持っている。ある特定の
大きさの微粒子による吸収幅は非常に狭いので、前記微
粒子分散ガラスについては吸収幅の広がりは微粒子のサ
イズ分布によるものとみなすことができる。ここで、制
御光波長を励起子吸収のピーク波長としたときの、粒径
分布の比較的小さい前記微粒子分散ガラスの線形吸収、
非線形屈折率の波長依存性を模式的に示すと図3のよう
になる。このように、制御光の波長を励起子吸収のピー
ク波長近傍にすると、非線形屈折率は励起子吸収のピー
ク波長の前後で値の正負が変わる。また、このとき、制
御光の波長が励起子吸収のピーク波長から離れると、一
般に非線形屈折率の値は急速に小さくなる。
【0019】図4は粒径の異なる2つのスイッチ材料M
1 、M2 ついて、それぞれについて図に示す波長の異な
る制御光L1 、L2 を入射した場合の線形吸収、非線形
屈折率を模式的に示したものである。ここで信号光を図
に示す波長とすれば、制御光L1 により負の非線形屈折
率もつ材料、制御光L2 により正の非線形屈折率をもつ
材料の組が実現される。
【0020】図5はサイズ分布の大きい前記微粒子分散
ガラスの材料Mを2つ用意し、それぞれについて図に示
す波長の異なる制御光L1 、L2 を入射した場合の線形
吸収、非線形屈折率を示したものである。制御光の波長
の近傍に励起子吸収のピーク波長を持つ微粒子以外は非
線形屈折率にほとんど寄与しないので、制御光の波長の
前後で非線形屈折率の値の正負が変わることになる。こ
こで信号光を図に示す波長とすれば、制御光L1 により
負の非線形屈折率もつ材料、制御光L2 により正の非線
形屈折率をもつ材料の組が実現される。
【0021】ガラス中に分散させる微粒子粒径は1〜1
00nm、特には1〜30nmであることが望ましい。
微粒子の大きさが100nmを超えると、光が微粒子の
散乱により失われ、光スイッチングを有効に行えなくな
るおそれがある。また微粒子の大きさが1nm未満であ
ると、量子閉じ込めが起こらず、大きな三次非線形光学
特性が発現しないおそれがある。
【0022】ガラスマトリックスについては、微粒子を
安定して担持可能ならば特には制限されない。例えばソ
ーダライムガラスやホウケイ酸ガラス、リン酸系ガラ
ス、鉛ガラスなどがある。なかでもホウケイ酸ガラス
は、ガラス作製も容易で透明性に優れ、またCuCl、
CuBrおよびそれらの固溶体からなる群より選ばれた
少なくとも1種の微粒子の粒径制御も容易に行えるた
め、特に好ましい。
【0023】CuCl、CuBrおよびそれらの固溶体
からなる群より選ばれた少なくとも1種の微粒子を分散
させる方法も特には制限されない。分散方法としては例
えば、溶融析出法、スパッタリング法、イオン注入法、
イオン交換法などがある。
【0024】
【作用】本発明は、共鳴型の高い三次非線形光学効果を
利用するため、低パワーで効率的に光スイッチ動作させ
ることができる。また、スイッチオフ時間が光入射によ
り発現した非線形性の緩和時間に左右されないため、高
速なスイッチング動作が可能である。
【0025】
【実施例】表1に示す組成のガラスが400gになるよ
うに所定量の原料を調合し、これらを白金ルツボに入れ
1300℃で1時間溶融した後、カーボンプレート上に
流し出して板状の母ガラスを成形した。表2の母ガラス
番号の欄に示す母ガラスについて、表2の熱処理温度、
熱処理時間の欄に記載する温度、時間で熱処理すること
によってCuCl、CuBrおよびそれらの固溶体から
なる群より選ばれる少なくとも1種の微粒子を析出させ
た。なお、表2の平均粒径の欄は透過型電子顕微鏡によ
って求めた微粒子の平均粒径を示している。得られたガ
ラスは厚さ0.2mmに鏡面研磨した。
【0026】これらのガラスを用いて図1に示す偏光回
転型光スイッチの動作試験を、スイッチ材料温度を77
Kにして行った。スイッチング効率、およびスイッチン
グ時間の測定においては、モードロックチタンサファイ
アレーザーの第二高調波を光源として用いた。レーザー
のパルス幅は1.5psであった。測定波長は、三次非
線型光学効果の大きくなる波長域である、CuCl、C
uBr、およびそれらの固溶体からなる群より選ばれる
少なくとも1種の微粒子の励起子吸収波長付近とした。
【0027】表3の欄に示す試料番号の欄に示すガラス
を1種または2種、スイッチ材料M1 、M2 として用い
た。信号光Linに対して偏光方向が45°で、表3の制
御光L1 、L2 の欄に記載する波長、パルスエネルギー
であるレーザー光を制御光L1 、L2 として使用した。
信号光Linには、表3の信号光の欄に記載する波長、パ
ルスエネルギーである水平偏光のレーザー光を使用し
た。各制御光による各材料の信号光波長に対する非線形
屈折率の値はファブリー・ペロー共振器を用いて測定
し、表3の信号光波長での非線形屈折率の欄に示した。
制御光L1 は信号光と同時刻で材料M1 に入射し、制御
光L2 は材料M2 への信号光の入射から時間遅延をもた
せた。遅延時間は表3の時間遅延の欄に示した。このと
きの制御光L1 、L2 の試料位置でのパワー密度を表3
のパワー密度の欄に記載した。試験した結果、制御光L
1 、L2 がない場合は、信号光Linは検光子Aから全く
透過しなかった。制御光L1 を、または制御光L1 とL
2 を入射することによって検光子Aからレーザー光が透
過した。このときの出射信号光Lout の強度は、図1の
スイッチの配置において、検光子Aを偏光子Pの偏光面
と平行にして、かつ制御光L1 、L2 のないときの出射
信号光Lout の強度に対する割合として、表3の出射信
号光のスイッチング効率の欄に示した。制御光L1 と信
号光Linの間に時間遅延を与えて測定したスイッチング
時間を表3のスイッチ動作時間の欄に示す。表3に示す
ように、MW/cm2 級の制御光のパワー密度で高効率
にしかも高速にスイッチングしていることがわかる。
【0028】実施例1に示す光スイッチについて、制御
光L2 を入射しない場合について、制御光L1 と信号光
inの間に時間遅延を与えて、スイッチ動作時間を測定
したところ、50ピコ秒であった。このように、制御光
2 の入射により、スイッチング速度が大幅に向上して
いる。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の光誘起
スイッチは、非常に大きな共鳴型三次非線形光学効果を
利用して偏光回転を行うことにより、非常に短い素子
長、および非常に小さなパワー密度で、しかも1ピコ秒
という極めて短い応答時間でスイッチ動作を行うことが
できる。そのため、スイッチング素子を集積して複雑な
信号処理に用いることも可能である。さらに、本光スイ
ッチには、酸化物成分からなるガラス材料を選択可能で
あるため、通常のガラス作製プロセスでの作製が可能で
あり、導波路やファイバーなどの形状への加工も容易で
ある。そのため、本光スイッチを用いることで超高速、
高性能の光信号処理が可能となり、大容量の情報を超高
速で処理することが要求される情報処理機器に有用なス
イッチとして使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光カースイッチを示す概念図
【図2】本発明の光カースイッチにおける入射信号光、
制御光、出射信号光の変化を示したグラフ
【図3】微粒子分散ガラスの線形吸収および非線形屈折
率の波長依存性を示すグラフ
【図4】粒径の異なる2つの微粒子分散ガラスの線形吸
収および非線形屈折率の波長依存性を示すグラフ
【図5】粒径のサイズ分布の大きい2つの微粒子分散ガ
ラスに波長の異なる制御光を入射した時の線形吸収およ
び非線形屈折率の波長依存性を示すグラフ
【図6】従来の光カースイッチを示す概念図
【図7】従来の光カースイッチにおける入射信号光、制
御光、出射信号光の変化を示したグラフ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】偏光子、検光子、およびそれらの間に配置
    された非線形光学装置を有し、制御光を非線形光学装置
    に入射することにより信号光の透過・非透過を制御する
    光スイッチにおいて、非線形光学装置は2つの三次非線
    形光学素子からなり、それぞれの素子は2つの異なる制
    御光で制御されていることを特徴とする光スイッチ。
  2. 【請求項2】三次非線形光学装置は信号光の入射側から
    第1の三次非線形素子と第2の三次非線形素子とを備
    え、第2の三次非線形素子には、第2の三次非線形素子
    に信号光が入射してから時間差をおいて制御光が入射さ
    れることを特徴とする請求項1記載の光スイッチ。
  3. 【請求項3】2つの三次非線形光学素子のうち、一方の
    素子がその制御光により信号光の波長に対して非線形屈
    折率n2 (1)を示し、かつ他方の素子がその制御光により
    信号光の波長に対して非線形屈折率n2 (2)を示すとした
    ときに、n2 (1)・n2 (2)<0であることを特徴とする請
    求項1または2記載の光スイッチ。
  4. 【請求項4】三次非線形光学素子は、粒径1〜100n
    mのCuCl、CuBr、およびそれらの固溶体からな
    る群より選ばれた少なくとも1種の微粒子を含有したガ
    ラスからなることを特徴とする請求項1、2または3記
    載の光スイッチ。
JP14334398A 1998-05-25 1998-05-25 光スイッチ Pending JPH11337988A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14334398A JPH11337988A (ja) 1998-05-25 1998-05-25 光スイッチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14334398A JPH11337988A (ja) 1998-05-25 1998-05-25 光スイッチ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11337988A true JPH11337988A (ja) 1999-12-10

Family

ID=15336590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14334398A Pending JPH11337988A (ja) 1998-05-25 1998-05-25 光スイッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11337988A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1326133A2 (en) 2001-12-28 2003-07-09 Hitachi, Ltd. Nonlinear optical thin film, optical recording medium using nonlinear optical film and optical switch
US6792167B2 (en) 2002-02-01 2004-09-14 Hitachi, Ltd. Optical switch
JP2009537862A (ja) * 2006-05-13 2009-10-29 アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド メタマテリアルを用いる非線形光デバイス
JP2010175550A (ja) * 2001-11-27 2010-08-12 Trimble Germany Gmbh 立体物形状検出方法及びその装置
JP2010176008A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Interenergy Co Ltd 光路切替型光信号送受信装置および光信号の光路切替方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010175550A (ja) * 2001-11-27 2010-08-12 Trimble Germany Gmbh 立体物形状検出方法及びその装置
EP1326133A2 (en) 2001-12-28 2003-07-09 Hitachi, Ltd. Nonlinear optical thin film, optical recording medium using nonlinear optical film and optical switch
US7163729B2 (en) 2001-12-28 2007-01-16 Hitachi, Ltd. Nonlinear optical thin film, optical recording medium using nonlinear optical film and optical switch
US6792167B2 (en) 2002-02-01 2004-09-14 Hitachi, Ltd. Optical switch
JP2009537862A (ja) * 2006-05-13 2009-10-29 アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド メタマテリアルを用いる非線形光デバイス
JP2010176008A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Interenergy Co Ltd 光路切替型光信号送受信装置および光信号の光路切替方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Tanaka Optical nonlinearity in photonic glasses
Chakraborty Metal nanoclusters in glasses as non-linear photonic materials
Harbold et al. Highly nonlinear Ge-As-Se and Ge-As-S-Se glasses for all-optical switching
Zakery et al. Optical nonlinearities in chalcogenide glasses and their applications
Yang et al. Non-reciprocal ultrafast laser writing
Cardinal et al. Non-linear optical properties of chalcogenide glasses in the system As–S–Se
Gonella et al. Metal nanocluster composite glasses
Vogel Glasses as nonlinear photonic materials
Steinberg et al. Two-photon absorption in undoped LiTaO3 crystals
Shimotsuma et al. Nanomodification of glass using fs laser
Sudarsan Optical materials: fundamentals and applications
Ye et al. Design of a compact logic device based on plasmon-induced transparency
Blonskyi et al. Filament-induced self-written waveguides in glassy As 4 Ge 30 S 66
Polyakov et al. Nonlinear refraction and multiphoton absorption in polydiacetylenes from 1200 to 2200 nm
Inoue et al. Design and Fabrication of Two-Dimensional Photonic Crystals<? format?> with Predetermined Nonlinear Optical Properties
Dong et al. Study on the structure dependent ultrafast third-order optical nonlinearity of GeS2–In2S3 chalcogenide glasses
JPH11337988A (ja) 光スイッチ
He et al. Low-loss ultrafast and nonvolatile all-optical switch enabled by all-dielectric phase change materials
Souza et al. Liquid–Liquid Phase Separation in Photo‐Thermo‐Refractive Glass
JP4686845B2 (ja) ガラスファイバ
JPH10288799A (ja) 光導波回路及び非線形光学装置
Jerominek et al. Nonlinear optical waveguides made of thin films of glass doped with semiconductor microcrystallites
Rogers et al. Concentration dependence of nonresonant nonlinearity in CdS/sub x/Se/sub 1-x/doped glasses
JP3948079B2 (ja) 超高速光スイッチ
Zakery et al. Optical Non-linearities in Chalcogenide Glasses and Their Applications