JPH1132780A - Xaf遺伝子およびポリペプチド:アポトーシス調節のための方法および試薬 - Google Patents

Xaf遺伝子およびポリペプチド:アポトーシス調節のための方法および試薬

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JPH1132780A
JPH1132780A JP9252889A JP25288997A JPH1132780A JP H1132780 A JPH1132780 A JP H1132780A JP 9252889 A JP9252889 A JP 9252889A JP 25288997 A JP25288997 A JP 25288997A JP H1132780 A JPH1132780 A JP H1132780A
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xaf
apoptosis
polypeptide
cell
gene
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JP9252889A
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Robert Korneluk
コーネラック ロバート
Katsuyuki Tamai
カツユキ タマイ
Peter Liston
リストン ピーター
Alexander E Mackenzie
イー.マッケンジー アレキサンダー
Stephen Baird
バード ステファン
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Original Assignee
University of Ottawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規なXAF核酸配列、XAFポリペプチド、抗XA
F抗体、アポトーシスを調節するための方法、アポトー
シスを調節する化合物を検出するための方法を提供する
ことを課題とする。 【解決手段】 本発明により、新規なXAF核酸配列が提
供された。また、XAFポリペプチド、抗XAF抗体、アポト
ーシスを調節するための方法、アポトーシスを調節する
化合物を検出するための方法も提供された。XAF遺伝子
ファミリーのメンバーは、IAPと相互作用し、アポトー
シスと関連した蛋白質をコードしている。本発明によ
り、アポトーシスが関与する疾患の発見および治療を目
的とした、診断、予後評価および治療のための化合物な
らびに方法の開発が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアポトーシス、腫瘍
壊死因子-α(TNF-α)を介するシグナル伝達、細胞周
期、および腫瘍増殖抑制に関する。
【0002】
【従来の技術】アポトーシスは、プログラム細胞死の形
態学的に明確な形の一つであり、多細胞生物の正常発生
および維持に重要な役割を果たしている。アポトーシス
の調節不全は、癌の発生時、または後天性免疫不全およ
び一部の神経変性疾患において起こると考えられている
細胞死の程度の制御に障害が生じた時に起こるように、
細胞死が不適切に抑制された形をとることがある。
【0003】バキュロウイルスの中には、ウイルスが昆
虫細胞に感染した時に通常なら起こるアポトーシスを抑
制するために、「アポトーシス蛋白質抑制因子」(IA
P)と呼ばれる蛋白質をコードしているものがある。こ
れらの蛋白質は、ウイルスのその他の蛋白質とは独立し
た様式で作用すると考えられている。バキュロウイルス
のIAP遺伝子は、DNA結合に関与するリングジンクフィン
ガー様部分(RZF)およびBIRドメイン(バキュロウイル
ス反復)と呼ばれる70アミノ酸反復モチーフを含む2つ
のN端ドメインをコードする配列を含む。
【0004】本発明者らは最近、IAPポリペプチドの哺
乳類におけるファミリーを発見した。これらのポリペプ
チドには、ヒト蛋白質HIAP-1、HIAP-2、およびXIAPなら
びにそれらのマウスでの相同体が含まれる。関連蛋白質
NAIPも発見された。哺乳類のIAPレベルは、癌細胞、お
よびアポトーシスを誘導することが知られている現象
(例えば虚血)の後で死滅しなかった細胞の両方で増加
していることが示されている。また、IAPが種々の刺激
によって誘発されるアポトーシスを阻害することも示さ
れている。
【0005】現在のところ、IAPファミリーには、最初
に発見された哺乳類での4種類の相同体のほか、少なく
とも2つのショウジョウバエ・蛋白質が含まれることが
知られている(ヘイ(Hay)ら、Cell 83: 1253〜1262, 19
95)。本発明者らおよびその他の研究者により、IAPが
組織培養モデル系におけるアポトーシスを抑制しうるこ
とは立証されているが、その作用機序は現在も調査中で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規なXAF
核酸配列、XAFポリペプチド、抗XAF抗体、アポトーシス
を調節するための方法、およびアポトーシスを調節する
化合物を検出するための方法を提供するすることを課題
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規な遺
伝子ファミリーであるXAFを発見した。XAF遺伝子ファミ
リーのメンバーは、IAPと相互作用し、アポトーシスと
関連した蛋白質をコードしている。本発明者らの発見に
より、アポトーシスが関与する疾患の発見および治療を
目的とした、診断、予後評価および治療のための化合物
ならびに方法の開発が可能となる。
【0008】第1の面において、本発明は、XAFポリペプ
チドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。
【0009】第2の面において、本発明は、XAFポリペプ
チドをコードする少なくとも15ヌクレオチドの核酸に対
応する核酸であり、その核酸がアンチセンス核酸であっ
てそのアンチセンス核酸がXAFの生物活性を十分に低下
させる実質的に純粋な核酸を特徴とする。この面の種々
の態様において、このアンチセンス核酸は、XAFポリペ
プチドをコードする少なくとも30ヌクレオチドの核酸に
対応し、XAFポリペプチドをコードする少なくとも50ヌ
クレオチドの核酸に対応し、またはXAFポリペプチドを
コードする少なくとも100ヌクレオチドの核酸に対応す
る。その他の態様において、XAFの生物活性は少なくと
も20%、40%、60%、または80%低下する。本発明のこ
の面のもう一つの態様において、このアンチセンス核酸
は、そのベクターを含む細胞においてアンチセンス核酸
を発現させる能力を有するベクター内にある。
【0010】第3の面において、本発明は、そのベクタ
ーを含む細胞においてアンチセンス核酸を発現させる能
力があり、XAFポリペプチドをコードする実質的に純粋
な核酸を含むベクターを特徴とする。
【0011】これと関連するもう一つの面において、本
発明は、XAFポリペプチドをコードする実質的に純粋な
核酸を含む細胞を特徴とする。この面の好ましい態様に
おいて、この核酸はこの細胞内で発現する。種々の好ま
しい態様において、この細胞は、細胞死の過剰または不
足が原因となって起こる疾患を有する患者の体内に存在
しており、その細胞は線維芽細胞、神経細胞、グリア細
胞、昆虫細胞、胚性幹細胞、心筋細胞、およびリンパ球
を含む群より選択される。
【0012】第5の面において、本発明は、XAFポリペプ
チドをコードする核酸を欠失するように遺伝的操作を加
えられた細胞から作製され、XAFポリペプチドを発現す
る能力を持たないトランスジェニック動物を特徴とす
る。
【0013】これと関連した面において、本発明は、XA
Fポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を含む
細胞から作製され、その核酸が体内において発現するト
ランスジェニック動物を特徴とする。
【0014】この面の種々の態様において、このXAFポ
リペプチドは哺乳類(例えば、ヒトまたは齧歯類)由来
である。もう一つの態様において、この核酸はゲノムDN
AまたはcDNAであり、そのポリペプチドの発現に関与し
ていてプロモーター(例えば、構成的プロモーター、1
つまたはそれ以上の種類の外来因子による誘導が可能な
プロモーター、または細胞型特異的プロモーター)を内
部に含む調節配列と機能的に結合している。その他の好
ましい態様において、XAFポリペプチドは、XAF-1、XAF-
2のN端領域、XAF-2L、およびXAF-2Sを含む群より選択さ
れる。もう一つの態様において、XAF-1は、配列番号:2
のアミノ酸配列または配列番号:1の核酸配列を有して
おり、XAF-1のカルボキシ末端の第173位から317位まで
のアミノ酸をコードする核酸、またはXAF-1のアミノ末
端の第1位から172位までのアミノ酸をコードする核酸の
欠失があってもよい。本発明のこの面のもう一つの態様
において、XAF-2のN端ポリペプチドは、配列番号:4の
アミノ酸配列または配列番号:3の核酸配列を有する。
またもう一つの態様において、XAF-2Lポリペプチドは、
配列番号:10のアミノ酸配列または配列番号:9の核酸
配列を有する。さらにもう一つの態様において、XAF-2S
ポリペプチドは、配列番号:12のアミノ酸配列または配
列番号:11の核酸配列を有する。
【0015】第7の面において、本発明は、アポトーシ
スを調節する化合物を同定する方法を特徴とする。この
方法には、(a)XAF遺伝子を有する細胞の作製、(b)その
細胞と候補化合物の接触、および(c)XAF遺伝子の発現レ
ベルの変化によってアポトーシスを調節する化合物の存
在が示される、XAF遺伝子の発現の観測、が含まれる。
この面の一つの好ましい態様において、その変化はその
増加によって化合物がアポトーシスを増強することが示
され、その減少によって化合物がアポトーシスを抑制す
ることを示す。この面の種々の態様において、この細胞
は形質転換細胞であり、p53の発現によってアポトーシ
スを誘導することはできない。
【0016】これと関連する面において、本発明は、ア
ポトーシスを調節する能力を有する化合物を同定するも
う一つの方法を特徴とし、この方法には、(a)XAF遺伝子
のプロモーターと機能的に結合したレポーター遺伝子を
含む細胞の作製、(b)その細胞と候補化合物の接触、お
よび(c)候補化合物との反応によって起こる発現の変化
から、その化合物がアポトーシスを調節する能力を有す
ることが示される、レポーター遺伝子の発現の測定、が
含まれる。この面の一つの好ましい態様において、その
変化はその増加によって化合物がアポトーシスを増強す
ることが示され、その減少によって化合物がアポトーシ
スを抑制することを示す。この面の種々の態様におい
て、この細胞は形質転換細胞であり、p53の発現によっ
てアポトーシスを誘導することはできない。
【0017】第9の面において、本発明は、XAFを介した
アポトーシスを抑制する能力を有する化合物を同定する
方法を特徴とし、この方法には、(a)アポトーシスが誘
導される量のXAFを発現している細胞の作製、(b)その細
胞と候補化合物の接触、および(c)候補化合物と接触し
ていない細胞のレベルとの比べてのレベルの低下から、
その化合物がXAFを介したアポトーシスを抑制する能力
を有することが示される、その細胞におけるアポトーシ
スのレベルの測定、が含まれる。この面の種々の態様に
おいて、この細胞は形質転換細胞であり、p53の発現に
よってアポトーシスを誘導することはできない。
【0018】第10の面において、本発明は、XAFを介し
たアポトーシスを誘導する能力を有する化合物を同定す
る方法を特徴とし、この方法には、(a)アポトーシスが
誘導される量のXAFを発現している細胞の作製、(b)その
細胞と候補化合物の接触、および(c)候補化合物と接触
していない細胞のレベルと比べてのレベルの増強から、
その化合物がXAFを介したアポトーシスを誘導する能力
を有することが示される、その細胞におけるアポトーシ
スのレベルの測定、が含まれる。この面の種々の態様に
おいて、この細胞は形質転換細胞であり、p53の発現に
よってアポトーシスを誘導することはできない。
【0019】これと関連する面において、本発明は、ア
ポトーシスを調節する能力を有する化合物を同定するそ
の他の方法を特徴とする。
【0020】このような第1の方法には、(a)TRAFポリペ
プチド、XAFポリペプチド、およびNF-κB結合部位を含
むDNAと機能的に結合したレポーター遺伝子を発現して
いる細胞の作製、(b)その細胞と候補化合物の接触、お
よび(c)候補化合物との反応によって起こる発現の変化
から、その化合物がアポトーシスを調節する能力を有す
ることが示される、レポーター遺伝子の発現の測定、が
含まれる。本発明のこの面の好ましい態様において、TR
AFは、TRAF2、TRAF5、およびTRAF6を含む群より選択さ
れる。この面の種々の態様において、この細胞は形質転
換細胞であり、p53の発現によってアポトーシスを誘導
することはできない。
【0021】このような第2の方法には、(a)TRAFポリペ
プチド、XAFポリペプチド、IAPポリペプチド、およびNF
-κB結合部位を含むDNAと機能的に結合したレポーター
遺伝子を発現している細胞の作製、(b)その細胞と候補
化合物の接触、および(c)候補化合物との反応によって
起こる発現の変化から、その化合物がアポトーシスを調
節する能力を有することが示される、レポーター遺伝子
の発現の測定、が含まれる。本発明のこの面の好ましい
態様において、IAPはXIAPである。本発明のこの面のも
う一つの好ましい態様において、TRAFは、TRAF2、TRAF
5、およびTRAF6を含む群より選択される。この面の種々
の態様において、この細胞は形質転換細胞であり、p53
の発現によってアポトーシスを誘導することはできな
い。
【0022】このような第3の方法には、(a)(i)DNA結合
蛋白質認識部位と機能的に結合したレポーター遺伝子、
(ii)DNA結合蛋白質認識部位と特異的に結合することが
できる結合部分と共有結合したXAFポリペプチドを含む
第1の融合蛋白質を発現する能力を有する第1の融合遺伝
子、および(iii)遺伝子活性化部分と共有結合したXAFポ
リペプチドを含む第2の融合蛋白質を発現する能力を有
する第2の融合遺伝子を有する細胞の作製、(b)その細胞
の化合物への曝露、および(c)レポーター遺伝子の発現
の変化から、その化合物がアポトーシスを調節する能力
を有することが示される、その細胞におけるレポーター
遺伝子の発現の測定、が含まれる。本発明のこの面の好
ましい態様において、この細胞は酵母細胞である。
【0023】アポトーシスを調節する能力を有する化合
物を検出するための第4の方法には以下が含まれる:
(a)(i)DNA蛋白質認識部位と機能的に結合したレポータ
ー遺伝子、(ii)DNA結合蛋白質認識部位と特異的に結合
する能力を有する結合部分と共有結合したXAFポリペプ
チドを含む第1の融合蛋白質を発現する能力を有する第
1の融合遺伝子、(iii)遺伝子活性化部分と共有結合し
たIAPポリペプチドを含む第2の融合蛋白質を発現する
能力を有する第2の融合遺伝子、を有する細胞の提供;
(b)該細胞の該化合物への暴露;(c)該レポーター遺伝子
の発現の変化から該化合物がアポトーシスを調節する能
力を有することが示される、該細胞におけるレポーター
遺伝子の発現の測定。本発明のこの局面の好ましい態様
において、IAPはXIAPである。別の好ましい態様におい
て、細胞は酵母細胞である。
【0024】このような第5の方法には、(a)(i)DNA結合
蛋白質認識部位と機能的に結合したレポーター遺伝子、
(ii)DNA結合蛋白質認識部位と特異的に結合することが
できる結合部分と共有結合したIAPポリペプチドを含む
第1の融合蛋白質を発現する能力を有する第1の融合遺伝
子、および(iii)遺伝子活性化部分と共有結合したXAFポ
リペプチドを含む第2の融合蛋白質を発現する能力を有
する第2の融合遺伝子、を有する細胞の作製、(b)その細
胞の化合物への曝露、および(c)レポーター遺伝子の発
現の変化から、その化合物がアポトーシスを調節する能
力を有することが示される、その細胞におけるレポータ
ー遺伝子の発現の測定、が含まれる。本発明のこの面の
好ましい態様において、IAPはXIAPである。もう一つの
好ましい態様において、この細胞は酵母細胞である。
【0025】このような第6の方法には、(a)固相基質上
に固定された第1のXAFポリペプチドの作製、(b)第1のXA
Fポリペプチドと第2のXAFポリペプチドとの接触、(c)第
1のXAFポリペプチドおよび第2のXAFポリペプチドと化合
物との接触、および(d)化合物と接触していない場合の
量と比べてその量に変化があれば、その化合物がアポト
ーシスを調節する能力を有することが示される、第1のX
AFポリペプチドと第2のXAFポリペプチドとの結合量の測
定、が含まれる。
【0026】アポトーシスを調節する能力を有する化合
物を発見するための第7の方法には、(a)固相基質上に固
定された第1のXAFポリペプチドとの接触、(b)IAPポリペ
プチドを伴うXAFポリペプチドの作製、(c)XAFポリペプ
チドおよびIAPポリペプチドと化合物との接触、および
(d)化合物と接触していない場合の量と比べてその量に
変化があれば、その化合物がアポトーシスを調節する能
力を有することが示される、XAFポリペプチドとIAPポリ
ペプチドとの結合量の測定、が含まれる。本発明のこの
面の好ましい態様において、IAPはXIAPである。
【0027】このような第8の方法には、(a)固相基質上
に固定されたIAPポリペプチドの作製、(b)IAPポリペプ
チドとXAFポリペプチドとの接触、(c)IAPポリペプチド
およびXAFポリペプチドと化合物との接触、および(d)化
合物と接触していない場合の量と比べてその量に変化が
あれば、その化合物がアポトーシスを調節する能力を有
することが示される、IAPポリペプチドとXAFポリペプチ
ドとの結合量の測定、が含まれる。本発明のこの面の好
ましい態様において、IAPはXIAPである。
【0028】本発明の第7から第18の面の種々の好まし
い態様において、XAFはXAF-1であり、XAFはXAF-2のN端
領域であり、XAFはXAF-2Lであり、またはXAFはXAF-2Sで
ある。その他の態様において、XAFは哺乳類(例えば、
ヒトまたは齧歯類)由来である。
【0029】第19の面において、本発明は、アポトーシ
スが誘導される量のXAFポリペプチドまたはその断片を
細胞に投与することにより、細胞におけるアポトーシス
を増強させる方法を特徴とする。
【0030】これと関連する面において、本発明は、XA
Fポリペプチドまたはその断片をコードする導入遺伝子
を、その導入遺伝子が細胞内で発現するために適した位
置に置かれるようにして動物細胞に投与すること、また
は細胞内におけるXAFポリペプチドの生物活性を高める
化合物を細胞に投与すること(例えば、XAFポリペプチ
ドのポリペプチド断片、XAFポリペプチドの変異体、ま
たはXAFポリペプチド、その変異体、もしくはそのポリ
ペプチド断片をコードする核酸の投与)のいずれかによ
って、アポトーシスを増強させる方法を含む。
【0031】本発明の第19、第20、および第21の面の好
ましい態様において、XAFは、XAF-1、XAF-2のN端領域、
XAF-2L、およびXAF-2Sを含む群より選択される。種々の
好ましい態様において、XAFは哺乳類(例えば、ヒトま
たは齧歯類)由来であり、細胞は哺乳類(例えば、ヒト
または齧歯類)の体内の細胞であり、細胞はアポトーシ
ス不全が関与する状態(例えば、乳癌、子宮頚部癌、胃
癌、卵巣上皮癌、小児神経髄芽細胞腫、肺癌、前立腺癌
などの癌)にあると診断された哺乳類の体内の細胞であ
り、細胞は末梢血白血球(例えばリンパ球)、筋細胞
(例えば心筋細胞)、腸細胞、卵巣細胞、胎盤細胞、ま
たは胸腺の細胞(例えば胸腺細胞)である。
【0032】第22の面において、本発明は、アポトーシ
スが抑制される量のXAFポリペプチドまたはその断片を
細胞に投与することにより、細胞におけるアポトーシス
を抑制する方法を特徴とする。
【0033】これに関連する面において、本発明は、XA
Fポリペプチドまたはその断片をコードしていて、細胞
内で発現する位置に置かれた導入遺伝子を細胞に投与す
ることによって細胞におけるアポトーシスを抑制する方
法、およびXAFの生物活性を低下させる化合物(例え
ば、XAFポリペプチド、XAFポリペプチドのポリペプチド
断片もしくはXAFポリペプチドの変異体と特異的に結合
する抗体(例えば中和抗体)、XAFコード領域に対して
相補的なアンチセンス核酸、XAF依存的アポトーシス経
路の負の調節因子、またはXAFアンチセンス核酸)を投
与することによってアポトーシスを抑制する方法を特徴
とする。
【0034】本発明の第22、第23、第24の面の好ましい
態様において、XAFは、XAF-1、XAF-2のN端領域、XAF-2
L、およびXAF-2Sを含む群より選択される。種々の好ま
しい態様において、XAFは哺乳類(例えば、ヒトまたは
齧歯類)由来であり、細胞は哺乳類(例えば、ヒトまた
は齧歯類)の体内の細胞であり、その細胞を有する哺乳
類は、アポトーシス亢進が関与する状態(例えば、AID
S、神経変性疾患、骨髄異形成症候群、または虚血性障
害(例えば、心筋梗塞、脳卒中、再灌流障害のほか、毒
素性肝疾患、身体損傷、腎不全、その他の原発性疾患に
起因する二次性失血または血流中断が原因となって起こ
るもの))にあると診断された哺乳類である。その他の
好ましい態様において、この細胞は筋細胞(例えば心筋
細胞)、末梢血白血球(例えば、Tリンパ球(好ましく
はCD4+リンパ球)などのリンパ球)、腸細胞、卵巣細
胞、胎盤細胞、胸腺の細胞(例えば胸腺細胞)、または
乳房細胞である。
【0035】第25および第26の面において、本発明は、
哺乳類がアポトーシスの変調の関与する疾患を有するか
否か、またはアポトーシスの失調が関与する疾患を発症
する可能性が高いか否かを診断する方法を特徴とする。
この方法には、哺乳類からの核酸試料の単離、および変
異体が存在すればその動物がアポトーシス性疾患に罹患
しているかアポトーシスが関与する疾患を発症する可能
性が高いことを示す、その核酸がXAF変異体を含むか否
かの判定、または罹患していない哺乳類から採取した試
料と比べて発現または活性が変化していれば、その哺乳
類がアポトーシスが関与する疾患に罹患しているか、そ
のような疾患を発症する可能性が高いことを示す、診断
対象となる動物から採取した試料におけるXAF遺伝子の
発現の測定、が含まれる。好ましい態様において、XAF
遺伝子の発現は試料中のXAFポリペプチドの量またはXAF
の生物活性の解析によって測定され(例えば、XAFポリ
ペプチドの測定は免疫学的手法によって行う)、または
XAF遺伝子の発現は試料中のXAF RNA量の解析によって測
定される。
【0036】本発明の第25および第26の面の一つの好ま
しい態様において、XAFは、XAF-1、XAF-2のN端領域、XA
F-2L、およびXAF-2Sを含む群より選択される。もう一つ
の好ましい態様において、この哺乳類はヒトである。
【0037】第27の面において、本発明は、哺乳類がア
ポトーシスの変調が関与する疾患を有するか否か、また
はアポトーシスの変調が関与する疾患を発症する可能性
が高いか否かを診断するためのキットを特徴とし、これ
にはXAFポリペプチドと特異的に結合する実質的に純粋
な抗体が含まれる。
【0038】もう一つのこのようなキットは、XAF RNA
を測定するための材料(例えばプローブ)を含む。好ま
しい態様において、この材料は核酸プローブである。
【0039】第3のこのようなキットは、XAF RNAを測定
するための材料と、XAFポリペプチドと特異的に結合す
る実質的に純粋な抗体の両方を含む。好ましい態様にお
いて、このキットはその抗体とXAFポリペプチドとの結
合を検出する手段も含む。もう一つの好ましい態様にお
いて、この材料は核酸プローブである。
【0040】第30の面において、本発明は、(a)XAFポリ
ペプチドをコードしていて細胞内で発現するような位置
に置かれたDNAを有する細胞の作製、(b)そのDNAが発現
する条件下における細胞の培養、および(c)XAFポリペプ
チドの単離を含む、XAFポリペプチドを入手する方法を
特徴とする。
【0041】本発明のこの面の好ましい態様において、
XAFは、XAF-1、XAF-2のN端領域、XAF-2L、またはXAF-2S
である。もう一つの好ましい態様において、このDNAは
さらに、一つまたはそれ以上の種類の外来因子によって
誘導されるプロモーターを含む。
【0042】第31の面において、本発明は、XAF遺伝
子、またはヒトXAF-1と同一の配列を有するその一部を
単離する方法を特徴とする。この方法は、オリゴヌクレ
オチドプライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応による
XAF遺伝子またはその一部の増幅、およびXAF遺伝子また
はその一部の単離を含み、ここでこのプライマーは、
(a)それぞれの長さが13ヌクレオチド以上であり、(b)そ
れぞれが図1のヌクレオチド配列の領域の逆DNA鎖に対し
て相補的な領域を有し、そして(c)増幅産物内に制限酵
素切断部位を作成する能力を有する配列を選択的に含
む。
【0043】これと関連する面において、本発明は、XA
F遺伝子、またはヒトXAF-2LもしくはXAF-2Lと同一の配
列を有するその一部を単離する方法を特徴とする。この
方法は、オリゴヌクレオチドプライマーを用いるポリメ
ラーゼ連鎖反応によるXAF遺伝子またはその一部の増
幅、およびXAF遺伝子またはその一部の単離を含み、こ
こでこのプライマーは、(a)それぞれの長さが13ヌクレ
オチド以上であり、(b)それぞれが図48および49のヌク
レオチド配列の領域の逆DNA鎖に対して相補的な領域を
有し、そして(c)増幅産物内に制限酵素切断部位を作成
する能力を有する配列を選択的に含む。
【0044】もう一つの関連する面において、本発明
は、(a)細胞DNAの試料を作製する段階、(b)XAF遺伝子の
保存領域と相同な配列を有する1対のオリゴヌクレオチ
ドを作製する段階、(c)ポリメラーゼ連鎖反応を介するD
NA増幅に適した条件下において、その1対のオリゴヌク
レオチドと細胞DNA試料を混合する段階、および(d)増幅
されたXAF遺伝子またはその断片を単離する段階を含
む、XAF遺伝子またはその断片を細胞から単離する方法
を特徴とする。上記の3つの面の好ましい態様におい
て、ポリメラーゼ連鎖反応は逆転写ポリメラーゼ連鎖反
応(例えばRACE)である。
【0045】さらにもう一つの関連する面において、本
発明は、(a)哺乳類細胞DNAの試料の作製、(b)検出可能
に標識した、第2の既知のXAF遺伝子の保存領域と同一な
DNA配列の作製、(c)検出可能に標識したDNA配列とヌク
レオチド配列の50%またはそれ以上が同一である遺伝子
が検出されるようなハイブリダイゼーション条件下にお
ける、細胞DNA試料と検出可能に標識したDNA配列との接
触、およびXAF遺伝子の同定を含む、哺乳類細胞におけ
るXAF遺伝子を同定する方法を特徴とする。XAF遺伝子を
検出するためのこの方法の一つの好ましい態様におい
て、DNA配列はXAF-1の少なくとも一部を含む。もう一つ
の好ましい態様において、DNA配列はXAF-2Lの少なくと
も一部を含む。もう一つの好ましい態様において、DNA
配列はXAF-2Sの少なくとも一部を含む。
【0046】第35の面において、本発明は、(a)哺乳類
細胞試料を調製する段階、(b)形質転換により細胞試料
へXAF遺伝子の候補を導入する段階、(c)細胞試料におい
てXAF遺伝子の候補を発現させる段階、および(d)アポト
ーシスのレベルの変化からXAF遺伝子が同定されるよう
に、その試料がアポトーシスのレベルの変化を示すか否
かを判定する段階を含む、XAF遺伝子を同定する方法を
特徴とする。好ましくは、この変化はアポトーシスの増
強であり、この細胞は白血球、線維芽細胞、昆虫細胞、
グリア細胞、心筋細胞、胚性幹細胞、または神経細胞で
ある。
【0047】その他の面において、本発明は、アポトー
シスの調節に用いるためのXAF核酸、アポトーシスの調
節に用いるためのXAFポリペプチド、アポトーシスを調
節するための医薬品を製造するためのXAFポリペプチド
の使用、およびアポトーシスを調節するための医薬品を
製造するためのXAF核酸の使用を特徴とする。好ましく
は、XAFは、XAF-1、XAF-2のN端領域、XAF-2L、およびXA
F-2Sを含む群より選択される。
【0048】第40の面において、本発明は、XAFポリペ
プチドまたはその断片もしくは変異体と特異的に結合す
る実質的に純粋な抗体を特徴とする。この面の一つの好
ましい態様において、XAFポリペプチドは、XAF-1、XAF-
2のN端領域、XAF-2L、およびXAF-2Sを含む群より選択さ
れる。その他の好ましい態様において、XAFポリペプチ
ドは哺乳類(例えば、ヒトまたは齧歯類)由来であり、
抗体はポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、また
は中和抗体である。
【0049】別の態様において、本発明は、図1(配列
番号:2)、図46(配列番号:4)、図48および49(配
列番号:10)、および図53(配列番号:12)で提供され
ている、哺乳動物のXAFポリペプチドと実質的に同じ蛋
白質を含む。この相同蛋白質は、他の実質的に純粋な天
然の哺乳動物XAF蛋白質とスプライス変異体、対立遺伝
子変異体を含み;自然突然変異体;誘発突然変異体;蛋
白質をコードし、また、厳密度の高い条件下(例えば、
プローブの長さが40ヌクレオチド以上で、2×SCC中、4
0℃でハイブリダイズする)で、または、あまり好まし
くはないが、厳密度の低い条件下(例えば、プローブの
長さが80ヌクレオチド以上で、5×SCC中、25℃でハイブ
リダイズする)で、図1(配列番号:1)、図46(配列
番号:3)、図48および49(配列番号:9)および図50
(配列番号:11)のXAFのDNA配列にハイブリダイズする
DNA配列;XAFポリペプチドに対する抗血清が特異的に結
合する蛋白質を含む。この語はまた、XAFポリペプチド
に由来する部分を含むキメラポリペプチドも含む。
【0050】本発明は、さらに、天然のXAFポリペプチ
ドの類似体を含む。アミノ酸配列のちがいか、翻訳後修
飾、または、その両方によって、類似体は、天然のXAF
と異なっている。本発明に係る類似体は、天然のXAF-
1、XAF-2のN末端、XAF-2L、または、XAF-2Sのアミノ酸
配列と、一般的には85%以上、より好ましくは90%、最
も好ましくは95%か、さらに99%の一致を示す。配列を
比較する長さは、アミノ酸残基15個以上、好ましくは25
アミノ酸残基、さらに好ましくは35アミノ酸残基以上の
長さである。修飾には、例えば、アセチル化、カルボキ
シル化、リン酸化、または、グリコシル化などの、イン
ビボまたはインビトロでのポリペプチドの化学誘導が含
まれ;このような修飾は、ポリペプチド合成の間、また
は単離した修飾酵素で処理する過程もしくは処理した後
に起こる。また、類似体は、初期の配列が変更されるこ
とによって、天然のXAF-1、XAF-2のN末端、XAF-2L、ま
たは、XAF-2Sポリペプチドと異なることがある。これら
には、天然の、または、誘導された遺伝的変異体(例え
ば、放射線照射または硫酸エタンメチル(ethanemethyls
ulfate)に曝したり、「サンブルック(Sambrook)、フリ
ッシュ(Fritsch)およびマニアティス(Maniatis)、分子
クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning: A
Laboratory Manual)、第二版、CSH出版、1989、また
は、「アウスーベル(Ausubel)ら、前記」で説明されて
いる部位特異的な突然変異誘発によって、ランダムに突
然変異が誘発された結果できたもの)が含まれる。環状
化されたペプチド、分子、L型アミノ酸以外の残基、例
えば、D型アミノ酸、またはBもしくはYアミノ酸など
の天然には存在しないかまたは合成したアミノ酸を含む
類似体も含まれる。全長ポリペプチドに加えて、本発明
には、また、XAF-1、XAF-2のN末端、XAF-2LおよびXAF-
2Sのポリペプチド断片も含まれる。本明細書で用いられ
るように、「断片」という語は、20個以上の連続したア
ミノ酸、好ましくは、30個以上の連続したアミノ酸、よ
り好ましくは、50個以上の連続したアミノ酸、最も好ま
しくは、60個から80個またはそれ以上の連続したアミノ
酸を意味する。XAF-1、XAF-2のN末端、XAF-2LおよびXA
F-2Sのポリペプチドの断片を、当業者に知られている方
法によって作成することができ、または、蛋白質の通常
のプロセッシングによってできるかもしれない(例え
ば、生成したポリペプチドから生物活性に必要でないア
ミノ酸を取り除くこと、選択的スプライシング、選択的
な蛋白質プロセッシング過程)。
【0051】本発明に係る好ましい断片または類似体と
は、診断すべき試料の中から、XAF-1、XAF-2のN末端、
XAF-2LまたはXAF-2Sの核酸配列またはアミノ酸配列の特
異的な検出を容易にするものである。この目的のため
に、特に有用なXAF-1断片には、制約はないが、図7に示
されているアミノ酸断片が含まれる。
【0052】本明細書で言及されている出版物および特
許出願文書はすべて、それぞれの出版物および特許出願
が特別または個別に参考文献として包含すると指示され
ているのと全く同じように、本明細書において、参考文
献として包含される。
【0053】本発明は、その特異的な態様に関して説明
されているが、さらに改変することも可能であると理解
されるべきであり、本出願は、広く、本発明の原理に従
う何らかの変更、使用、または応用であって、本発明が
属するまたは上に示された主要な点に応用されうる技術
の範囲内にある既知のまたは慣習的な実施の中に含まれ
る、本開示から生ずるあらゆる変更、使用、または応用
にも及ぶように意図され、また、本出願は添付の請求の
範囲に従っている。
【0054】その他の態様も請求の範囲に含まれる。
【0055】すなわち、本発明に係る核酸においては、
(1)XAFポリペプチドをコードする実質的に純粋な核
酸であることを特徴とする。
【0056】また、本発明に係る核酸においては、
(2)XAFの生物活性を十分に低下させるアンチセンス
核酸である、XAFポリペプチドをコードする少なくとも1
5ヌクレオチドの核酸に対応する実質的に純粋な核酸で
あることを特徴とする。
【0057】また、本発明に係るベクターにおいては、
(3)XAFポリペプチドをコードする実質的に純粋な核
酸を含むベクターであって、該ベクターを含む細胞にお
いてXAFポリペプチドの発現を指向する能力を有するベ
クターであることを特徴とする。
【0058】また、本発明に係る細胞においては、
(4)XAFポリペプチドをコードする実質的に純粋な核
酸を含む細胞であることを特徴とする。
【0059】また、本発明に係るトランスジェニック動
物においては、(5)XAFポリペプチドをコードする核
酸を欠失するように遺伝的に操作された細胞から作製さ
れたトランスジェニック動物であって、該XAFポリペプ
チドを発現しないトランスジェニック動物であることを
特徴とする。
【0060】また、本発明に係るトランスジェニック動
物においては、(6)XAFポリペプチドをコードするDNA
と置換された実質的に純粋な核酸を含む細胞から作製さ
れたトランスジェニック動物であって、該核酸が該トラ
ンスジェニック動物において発現されるトランスジェニ
ック動物であることを特徴とする。
【0061】また、本発明に係る方法においては、
(7)(a)XAF遺伝子を含む細胞の提供、(b)該細胞と候
補化合物との接触、および(c)遺伝子の発現レベルの変
化からアポトーシスを調節する化合物が示されるような
該XAF遺伝子の発現のモニター、を含むアポトーシスを
調節する化合物を同定する方法であることを特徴とす
る。
【0062】また、本発明に係る方法においては、
(8)(a)XAF遺伝子からのプロモーターと機能的に結合
したレポーター遺伝子を含む細胞の提供、(b)該細胞と
候補化合物との接触、および(c)候補化合物との反応に
よる該発現の変化からアポトーシスを調節する能力を有
する化合物が同定されるような、該レポーター遺伝子の
発現の測定、を含むアポトーシスを調節する化合物を同
定する方法であることを特徴とする。
【0063】また、本発明に係る方法においては、
(9)(a)アポトーシスを誘導する量のXAFを発現してい
る細胞を提供する段階、(b)該細胞と候補化合物とを接
触させる段階、および(c)該候補化合物と接触していな
い細胞におけるレベルとの対比における該レベルの低下
からXAFを介したアポトーシスを抑制する能力を有する
化合物が示されるように、該細胞におけるアポトーシス
のレベルを測定する段階を含むXAFを介したアポトーシ
スを抑制する能力を有する化合物を同定する方法である
ことを特徴とする。
【0064】また、本発明に係る方法においては、(1
0)(a)アポトーシスを誘導する量のXAFを発現している
細胞を提供する段階、(b)該細胞と候補化合物とを接触
させる段階、および(c)該候補化合物と接触していない
細胞におけるレベルとの対比における該レベルの増加か
らXAFを介したアポトーシスを誘導する能力を有する化
合物が示されるように、該細胞におけるアポトーシスの
レベルを測定する段階を含む、XAFを介したアポトーシ
スを誘導する能力を有する化合物を同定する方法である
ことを特徴とする。
【0065】また、本発明に係る方法においては、(1
1)(a)TRAFポリペプチド、XAFポリペプチド、およびNF
-κB結合部位を含むDNAと機能的に結合したレポーター
遺伝子を発現している細胞の提供、(b)該細胞と候補化
合物との接触、および(c)該化合物との反応による発現
の変化から該化合物がアポトーシスを調節する能力を有
することが示されるような、レポーター遺伝子の発現の
測定、を含むアポトーシスを調節する化合物を同定する
方法であることを特徴とする。
【0066】また、本発明に係る方法においては、(1
2)(a)TRAFポリペプチド、XAFポリペプチド、IAPポリ
ペプチド、およびNF-κB結合部位を含むDNAと機能的に
結合したレポーター遺伝子を発現している細胞の提供、
(b)該細胞と候補化合物との接触、および(c)該化合物と
の反応による発現の変化から該化合物がアポトーシスを
調節する能力を有することが示されるような、レポータ
ー遺伝子の発現の測定、を含むアポトーシスを調節する
化合物を同定する方法であることを特徴とする。
【0067】また、本発明に係る方法においては、(1
3)アポトーシスを調節する能力を有する化合物を検出
するための方法であって、(a)(i)DNA結合蛋白質認識部
位と機能的に結合したレポーター遺伝子、(ii)該DNA結
合蛋白質認識部位と特異的に結合することができる結合
部分と共有結合したXAFポリペプチドを含む第1の融合蛋
白質を発現する能力を有する第1の融合遺伝子、および
(iii)遺伝子活性化部分と共有結合した第二のXAFポリペ
プチドを含む第2の融合蛋白質を発現する能力を有する
第2の融合遺伝子、を有する細胞の作製、(b)該細胞の該
化合物への曝露、ならびに(c)レポーター遺伝子の発現
の変化から該化合物がアポトーシスを調節する能力を有
することが示されるような、該細胞におけるレポーター
遺伝子の発現の測定、を含む方法であることを特徴とす
る。
【0068】また、本発明に係る方法においては、(1
4)アポトーシスを調節する能力を有する化合物を検出
するための方法であって、(a)(i)DNA結合蛋白質認識部
位と機能的に結合したレポーター遺伝子、(ii)該DNA結
合蛋白質認識部位と特異的に結合することができる結合
部分と共有結合したXAFポリペプチドを含む第1の融合蛋
白質を発現する能力を有する第1の融合遺伝子、および
(iii)遺伝子活性化部分と共有結合したIAPポリペプチド
を含む第2の融合蛋白質を発現する能力を有する第2の融
合遺伝子、を有する細胞の提供、(b)該細胞の該化合物
への曝露、ならびに(c)該レポーター遺伝子の発現の変
化から該化合物がアポトーシスを調節する能力を有する
ことが示されるような、該細胞におけるレポーター遺伝
子の発現の測定、を含む方法であることを特徴とする。
【0069】また、本発明に係る方法においては、(1
5)アポトーシスを調節する能力を有する化合物を検出
するための方法であって、(a)(i)DNA結合蛋白質認識部
位と機能的に結合したレポーター遺伝子、(ii)該DNA結
合蛋白質認識部位と特異的に結合することができる結合
部分と共有結合したIAPポリペプチドを含む第1の融合蛋
白質を発現する能力を有する第1の融合遺伝子、および
(iii)遺伝子活性化部分と共有結合したXAFポリペプチド
を含む第2の融合蛋白質を発現する能力を有する第2の融
合遺伝子を有する細胞の提供、(b)該細胞の該化合物へ
の曝露、ならびに(c)該レポーター遺伝子の発現の変化
から該化合物がアポトーシスを調節する能力を有するこ
とが示されるような該細胞におけるレポーター遺伝子の
発現の測定、を含む方法であることを特徴とする。
【0070】また、本発明に係る方法においては、(1
6)アポトーシスを調節する能力を有する化合物を検出
するための方法であって、(a)固相基質上に固定されて
いる第1のXAFポリペプチドの提供、(b)該第1のXAFポリ
ペプチドと第2のXAFポリペプチドとの接触、(c)該第1の
XAFポリペプチドおよび該第2のXAFポリペプチドと化合
物との接触、ならびに(d)該化合物と接触していない場
合の量との対比における該量の変化から該化合物がアポ
トーシスを調節する能力を有することが示されるよう
な、該第1のXAFポリペプチドと該第2のXAFポリペプチド
との結合量の測定、を含む方法であることを特徴とす
る。
【0071】また、本発明に係る方法においては、(1
7)アポトーシスを調節する能力を有する化合物を検出
するための方法であって、(a)固相基質上に固定されて
いるXAFポリペプチドの提供、(b)該XAFポリペプチドとI
APポリペプチドとの接触、(c)該XAFポリペプチドおよび
該IAPポリペプチドと化合物との接触、ならびに(d)該化
合物と接触していない場合の量との対比における該量の
変化から該化合物がアポトーシスを調節する能力を有す
ることが示されるような、該XAFポリペプチドと該IAPポ
リペプチドとの結合量の測定、を含む方法であることを
特徴とする。
【0072】また、本発明に係る方法においては、(1
8)アポトーシスを調節する能力を有する化合物を検出
するための方法であって、(a)固相基質上に固定されて
いるIAPポリペプチドの提供、(b)該IAPポリペプチドとX
AFポリペプチドとの接触、(c)該IAPポリペプチドおよび
該XAFポリペプチドと化合物との接触、ならびに(d)該化
合物と接触していない場合の量との対比における該量の
変化から該化合物がアポトーシスを調節する能力を有す
ることが示されるような、該IAPポリペプチドと該XAFポ
リペプチドとの結合量の測定、を含む方法であることを
特徴とする。
【0073】また、本発明に係る方法においては、(1
9)アポトーシスを誘導する量のXAFポリペプチドまた
はその断片を細胞に投与することを含む、細胞において
アポトーシスを増加させる方法であることを特徴とす
る。
【0074】また、本発明に係る方法においては、(2
0)XAFポリペプチドまたはその断片をコードする導入
遺伝子を非ヒト哺乳類の細胞に投与することを含み、該
導入遺伝子が該細胞で発現する位置に置かれている、非
ヒト哺乳類においてアポトーシスを増加させる方法であ
ることを特徴とする。
【0075】また、本発明に係る方法においては、(2
1)XAFの生物活性を高める化合物を投与することを含
む、細胞においてアポトーシスを増加させる方法である
ことを特徴とする。
【0076】また、本発明に係る方法においては、(2
2)アポトーシスを抑制する量のXAFポリペプチドまた
はその断片を細胞に投与することを含む、細胞において
アポトーシスを抑制する方法であることを特徴とする。
【0077】また、本発明に係る方法においては、(2
3)XAFポリペプチドまたはその断片をコードする導入
遺伝子を非ヒト哺乳類の細胞に投与することを含み、該
導入遺伝子が該細胞で発現する位置に置かれている、非
ヒト哺乳類においてアポトーシスを抑制する方法である
ことを特徴とする。
【0078】また、本発明に係る方法においては、(2
4)XAFの生物活性を低下させる化合物を投与すること
を含む、細胞においてアポトーシスを抑制させる方法で
あることを特徴とする。
【0079】また、本発明に係る方法においては、(2
5)非ヒト哺乳類からの核酸試料の単離、および該核酸
がXAF変異体を含むか否かの判定を含み、該変異体の存
在から該非ヒト哺乳類がアポトーシス性疾患に罹患して
いるかまたはアポトーシスが関与する疾患を発症する可
能性が高いことが示される、非ヒト哺乳類がアポトーシ
スの変調が関与する疾患を有するか否かまたはアポトー
シスの変調が関与する疾患を発症する可能性が高いか否
かを診断する方法であることを特徴とする。
【0080】また、本発明に係る方法においては、(2
6)非ヒト哺乳類からの試料におけるXAF遺伝子の発現
の測定を含み、罹患していない非ヒト哺乳類由来試料と
の対比における該発現の変化から該非ヒト哺乳類がアポ
トーシス性疾患に罹患しているかまたはアポトーシス性
疾患を発症する可能性が高いことが示される、非ヒト哺
乳類がアポトーシスの変調が関与する疾患を有するか否
かまたはアポトーシスの変調が関与する疾患を発症する
可能性が高いか否かを診断する方法であることを特徴と
する。
【0081】また、本発明にキットにおいては、(2
7)XAFポリペプチドと特異的に結合する実質的に純粋
な抗体を含む、哺乳類がアポトーシスの変調が関与する
疾患を有するか否かまたはアポトーシスの変調が関与す
る疾患を発症する可能性が高いか否かを診断するための
キットであることを特徴とする。
【0082】また、本発明に係るキットにおいては、
(28)XAF RNAを測定するための材料を含む、哺乳類
がアポトーシスの変調が関与する疾患を有するか否かま
たはアポトーシスの変調が関与する疾患を発症する可能
性が高いか否かを診断するためのキットであることを特
徴とする。
【0083】また、本発明に係るキットにおいては、
(29)哺乳類がアポトーシスの変調が関与する疾患を
有するか否か、またはアポトーシスの変調が関与する疾
患を発症する可能性が高いか否かを診断するためのキッ
トであって、a)XAFポリペプチドと特異的に結合する実
質的に純粋な抗体、およびb)XAF RNAを測定するための
材料、を含むキットであることを特徴とする。
【0084】また、本発明に係る方法においては、(3
0)(a)XAFポリペプチドをコードするDNAを有する細胞
であり、該DNAが該細胞において発現するような位置に
置かれている細胞の提供、(b)該DNAが発現する条件下に
おける細胞の培養、および(c)XAFポリペプチドの単離、
を含むXAFポリペプチドを入手する方法であることを特
徴とする。
【0085】また、本発明に係る方法においては、(3
1)オリゴヌクレオチドプライマーを用いるポリメラー
ゼ連鎖反応によるXAF遺伝子またはその一部の増幅、お
よび該XAF遺伝子またはその一部の単離を含む、XAF遺伝
子またはヒトXAF-1と同一の配列を有するその一部を単
離する方法であって、該プライマーが、(a)それぞれの
長さが13ヌクレオチド以上であり、(b)それぞれが図1の
ヌクレオチド配列の領域の逆DNA鎖に対して相補的な領
域を有し、(c)増幅産物内に制限酵素切断部位を作成す
る能力を有する配列を選択的に含む、方法であることを
特徴とする。
【0086】また、本発明に係る方法においては、(3
2)オリゴヌクレオチドプライマーを用いるポリメラー
ゼ連鎖反応によるXAF遺伝子またはその一部の増幅、お
よび該XAF遺伝子またはその一部の単離を含む、XAF遺伝
子またはヒトXAF-2LもしくはXAF-2Sと同一の配列を有す
るその一部を単離する方法であって、該プライマーが、
(a)それぞれの長さが13ヌクレオチド以上であり、(b)そ
れぞれが図48および49のヌクレオチド配列の領域の逆DN
A鎖に対して相補的な領域を有し、(c)増幅産物内に制限
酵素切断部位を作成する能力を有する配列を選択的に含
む、方法であることを特徴とする。
【0087】また、本発明に係る方法においては、(3
3)(a)細胞DNAの試料の提供、(b)XAF遺伝子の保存領域
と相同な配列を有する1対のオリゴヌクレオチドの提
供、(c)ポリメラーゼ連鎖反応を介するDNA増幅に適した
条件下における、該1対のオリゴヌクレオチドと該細胞D
NA試料の混合、および(d)増幅された該XAF遺伝子または
その断片の単離、を含むXAF遺伝子またはその断片を細
胞から単離する方法であることを特徴とする。
【0088】また、本発明に係る方法においては、(3
4)(a)哺乳類細胞DNA調製物の提供、(b)検出可能に標
識した、第2の既知のXAF遺伝子の保存領域と同一なDNA
配列の提供、(c)該検出可能に標識したDNA配列とヌクレ
オチド配列の50%またはそれ以上が同一である遺伝子が
検出されるようなハイブリダイゼーション条件下におけ
る、該細胞DNA調製物と該検出可能に標識したDNA配列と
の接触、および(d)該XAF遺伝子の同定、を含む、哺乳類
細胞においてXAF遺伝子を同定する方法であることを特
徴とする。
【0089】また、本発明に係る方法においては、(3
5)(a)哺乳類細胞試料の提供、(b)形質転換による該細
胞試料へのXAF候補遺伝子の導入、(c)該細胞試料におけ
る該XAF候補遺伝子の発現、および(d)アポトーシスのレ
ベルの変化によってXAF遺伝子が同定されるような、該
試料がアポトーシスのレベルの変化を示すか否かの判
定、を含む、XAF遺伝子を同定する方法であることを特
徴とする。
【0090】また、本発明に係るXAFポリペプチドに
おいては、(36)アポトーシスの調節に用いるための
XAFポリペプチドであることを特徴とする。
【0091】また、本発明に係るXAFポリペプチドにお
いては、(37)アポトーシスの調節のための医薬品を
製造するためのXAFポリペプチドであることを特徴とす
る。
【0092】また、本発明に係るXAF核酸においては、
(38)アポトーシスの調節に用いるためのXAF核酸で
あることを特徴とする。
【0093】また、本発明に係るXAF核酸においては、
(39)アポトーシスの調節のための医薬品を製造する
ためのXAF核酸であることを特徴とする。
【0094】また、本発明に係る抗体においては、(4
0)XAFポリペプチドまたはその断片もしくは変異体と
特異的に結合する実質的に純粋な抗体であることを特徴
とする。
【0095】「XAF」、「XAF蛋白質」、または「XAFポ
リペプチド」とは、ヒトXAF-1(配列番号:2)のアミノ
端の131個のアミノ酸またはヒトXAF-2L(配列番号:1
0)のアミノ端の135個のアミノ酸のいずれかのポリペプ
チドとの同一性が少なくとも30%、さらに好ましくは少
なくとも35%、最も好ましくは40%であるポリペプチド
またはその断片を意味する。XAF遺伝子配列のスプライ
スバリアントから得たポリペプチド産物もこの定義に含
まれると解されている。好ましくは、XAF蛋白質は、厳
密な条件の下で配列番号:1または配列番号:9に示した
いずれかの核酸配列とハイブリダイズする配列を有する
核酸によってコードされる。さらに好ましくは、コード
されるポリペプチドはXAFの生物活性も有する。好まし
くは、XAFポリペプチドは、少なくとも3つのジンクフィ
ンガー領域を有する。さらに好ましくは、XAFポリペプ
チドは少なくとも6つのジンクフィンガー領域を有し、
そのうち少なくとも5つはN端に位置する150個のアミノ
酸内に存在する。
【0096】「ジンクフィンガー」とは、亜鉛と会合す
る能力がある結合ドメインを意味する。好ましい亜鉛結
合ドメインは、5' C-X2-5-C-X11-18-C/H-X2-5-C/H 3'
(配列番号:6)のアミノ酸配列を有し、ここで「X」は
任意のアミノ酸を指す。さらに好ましい亜鉛結合ドメイ
ンは、5' C-X1-2-C-X11-H-X3-5-C 3'(配列番号:7)の
アミノ酸配列を有し、ここで「X」は任意のアミノ酸を
指す。さらに好ましくは、亜鉛結合ドメインは、5' C-X
2-H-X11-H-X3-C 3'(配列番号:8)のアミノ酸配列を有
し、ここで「X」は任意のアミノ酸を指す。最適には、
亜鉛結合ドメインは、XAFポリペプチド内に見いだされ
るものである。
【0097】「XAFの生物活性」とは、IAP(例えばXIA
P)または別のXAFポリペプチドと結合する能力、細胞
(特にHeLa細胞)にトランスフェクションされた時にア
ポトーシスを引き起こす能力、TRAFのNF-κB誘導活性を
増強する能力、およびXAF-1、XAF-2L、またはXAF-2Sに
特異的な抗体と特異的に結合する能力を無制限に含む、
本明細書においてXAF-1、XAF-2L、またはXAF-2Sに関し
て記載された生物活性の一つまたはそれ以上を意味す
る。
【0098】「アポトーシスを調節する」または「アポ
トーシスを変調させる」とは、一定の細胞集団において
(該操作を行わなかった場合に比べて)アポトーシスを
呈する細胞数が増加または減少することを意味する。好
ましくは、この細胞集団は、T細胞、神経細胞、線維芽
細胞、心筋細胞、またはある実験条件においてアポトー
シスを呈することが知られているその他のあらゆる細胞
系列(例えば、バキュロウイルスが感染した昆虫細胞ま
たはインビボ解析)を含む。一定の解析において、XAF
ポリペプチドまたは調節性化合物によって引き起こされ
る調節の程度はさまざまに異なると考えられるが、当業
者であれば、XAFポリペプチドまたはXAFを調節する化合
物またはXAFが治療的であることが同定されるアポトー
シスのレベルの統計的に有意な変化または治療的に有効
な変化を判断することができる。
【0099】「高厳密度条件」とは、少なくとも40ヌク
レオチド長のDNAプローブを用いる、40℃の2X SSCでの
ハイブリダイゼーションを意味する。高厳密度条件のそ
の他の定義については、本明細書に参照として組み入れ
られる、アウスーベル(Ausubel, F.)ら、1994、「分
子生物学の最新プロトコール」(Current Protocols in
Molecular Biology)、John Wiley & Sons, New York,
6.3.1〜6.3.6を参照のこと。
【0100】「IAP」とは、バキュロウイルスのアポト
ーシス抑制因子と一致するアミノ酸配列を意味する。哺
乳類のIAPは、NAIP、HIAP1、HIAP2、およびXIAPを無制
限に含む。好ましくは、このようなポリペプチドは、バ
キュロウイルスIAPのアミノ酸配列の少なくとも一つと
の同一性が少なくとも45%、好ましくは60%、最も好ま
しくは85%またはさらに95%であるアミノ酸配列を有す
る。
【0101】「アポトーシスを抑制する」とは、非処置
対照と比べてアポトーシスを呈する細胞数が減少するこ
とを意味する。好ましくは、この減少は少なくとも25%
で、さらに好ましくはこの減少は50%であり、最も好ま
しくはこの減少は100%である。
【0102】「ポリペプチド」とは、グリコシル化また
はリン酸化などの翻訳後修飾の有無にかかわらず、3つ
以上のアミノ酸のあらゆる連鎖を意味する。
【0103】「薬学的に許容される担体」とは、それを
投与された哺乳類に生理学的に許容され、同時に投与さ
れた化合物の治療的性質を保持する担体を意味する。薬
学的に許容される担体の一例は、生理的食塩水である。
その他の薬学的に許容される担体およびその製剤は、当
業者には周知であり、例えば、「レミントン薬学」(Rem
inton's Pharmaceutical Sciences、第18版、A. Gennar
o編、1990、Mack Publishing Company、Easton、PA)に
記載されている。
【0104】「実質的に同一」とは、参照となるアミノ
酸または核酸配列との同一性が少なくとも50%、好まし
くは85%、さらに好ましくは90%、最も好ましくは95%
であるポリペプチドまたは核酸を意味する。ポリペプチ
ドについては、比較する配列の長さは一般に少なくとも
16アミノ酸、好ましくは少なくとも20アミノ酸であり、
さらに好ましくは少なくとも25アミノ酸であり、最も好
ましくは35アミノ酸である。核酸については、比較する
配列の長さは一般に少なくとも50ヌクレオチド、好まし
くは少なくとも60ヌクレオチドであり、さらに好ましく
は少なくとも75ヌクレオチドであり、最も好ましくは11
0ヌクレオチドである。
【0105】配列の同一性は、配列解析ソフトウエアを
用い、デフォルト設定のパラメータにした条件で評価す
ることが一般的である(例えば、ジェネティックスコン
ピューターグループ(Genetics Computer Group)、Unive
rsity of Wisconsin Biotechnology Center, 1710 Univ
ersity Avenue, Madison, WI 53705の配列解析ソフトウ
ェアパッケージ(Sequence Analysis Software Packag
e))。このソフトウエア・プログラムは、種々の置換、
欠失、およびその他の修飾に関する相同性の程度を割り
当てることにより、類似した配列を対比する。保存的置
換には一般に以下の各グループ内における置換が含まれ
る:グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイ
シン;アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、
グルタミン、セリン、トレオニン;リジン、アルギニ
ン:およびフェニルアラニン、チロシン。
【0106】「実質的に純粋なポリペプチド」とは、自
然の状態で付随している成分から分離されたポリペプチ
ドを意味する。典型的には、ポリペプチドは、自然の状
態で伴っている蛋白質および天然の有機分子を除いた割
合が重量にして少なくとも60%であれば実質的に純粋で
ある。好ましくは、ポリペプチドは、重量にして少なく
とも75%、さらに好ましくは少なくとも90%、最も好ま
しくは少なくとも99%純粋なXAFポリペプチドである。
実質的に純粋なXAFポリペプチドは、例えば、自然の供
給源(例えば、線維芽細胞、神経細胞、またはリンパ
球)からの抽出、XAFポリペプチドをコードする組換え
核酸の発現、または蛋白質の化学合成によって得ること
ができる。純度は、例えば、カラムクロマトグラフィ
ー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、またはHPLC分析
などのあらゆる適した方法を用いて測定することができ
る。
【0107】蛋白質は、自然の状態で付随している汚染
物質から分離されている場合に、自然の状態で伴う成分
を実質的に含まないという。このため、化学的に合成さ
れた蛋白質または天然の細胞とは異なる細胞系によって
産生された蛋白質は、自然の状態で伴う成分を実質的に
含まないと考えられる。したがって、実質的に純粋なポ
リペプチドは、真核生物に由来するポリペプチドを含む
だけでなく、大腸菌またはその他の原核生物において合
成されたそれらをも含む。「実質的に純粋なDNA」と
は、本発明のDNAが由来する天然の生物体のゲノムにお
いて、その遺伝子の近傍に位置する遺伝子を含まないDN
Aを意味する。このため、この用語は、例えば、ベクタ
ー、自律複製性のプラスミドもしくはウイルス、または
原核生物もしくは真核生物のゲノムDNAに組み込まれる
組換えDNA、またはその他の配列から独立した分離分子
(例えば、PCRまたは制限酵素消化によって産生されたc
DNAまたはゲノムもしくはcDNAの断片)として存在する
組換えDNAを含む。また、付加的なポリペプチド配列を
コードするハイブリッド遺伝子の一部である組換えDNA
もこれに含まれる。
【0108】「TRAF」とは、TRAFファミリーの蛋白質の
メンバーを意味する。TRAFファミリーのメンバーはいず
れもアミノ端末RINGジンクフィンガーおよび/または付
加的ジンクフィンガー、ロイシンジッパー、および独自
の保存されたカルボキシ端末コイル化コイル部分である
TRAF-Cドメインを有し、これがファミリーの定義となっ
ている。TRAF1およびTRAF2は最初、TNF-R2シグナル伝達
複合体(Rotheら、Cell 78: 681〜692, 1994)の成分と
して同定された。好ましいTRAFポリペプチドは、TRAF
2、TRAF5、およびTRAF6である。
【0109】「導入遺伝子」とは、操作によって細胞内
に挿入され、その細胞から発生する生物体のゲノムの一
部となる、DNAのあらゆる断片を意味する。このような
導入遺伝子には、トランスジェニック生物体に対して部
分的または完全に異種由来(すなわち、外因性)である
遺伝子、または生物体の内因性遺伝子と相同な遺伝子を
含むことができる。
【0110】「トランスジェニック」とは、操作によっ
て細胞に挿入され、その細胞から発生する生物体のゲノ
ムの一部となったDNA配列を含むあらゆる細胞を意味す
る。本明細書で用いているように、トランスジェニック
生物体は一般にトランスジェニック哺乳類(例えば、ラ
ットまたはマウスなどの齧歯類)であり、DNA(導入遺
伝子)は操作によって核ゲノム内に挿入される。
【0111】「ノックアウト変異」とは、それによって
通常コードされているポリペプチドの生物活性が、変異
のない遺伝子と比べて少なくとも80%低下するような核
酸配列における変化を意味する。この変異には無制限
に、挿入、欠失、フレームシフト変異、またはミスセン
イ変異が含まれる。好ましくは、変異は一つの挿入もし
くは欠失、またはストップコドンを生じる一つのフレー
ムシフト変異である。
【0112】「形質転換」とは、外来分子を細胞に導入
するためのあらゆる方法を意味する。リポフェクショ
ン、リン酸カルシウム法、レトロウイルス投与、電気穿
孔、および遺伝子銃による形質転換は、使用することが
できる教示例のごく一部である。例えば、遺伝子銃によ
る形質転換は、高速で射出されたタングステンまたは金
の粒子などの弾丸を用いて、細胞に外来分子を導入する
方法である。このよな高速射出法は、本来はヘリウム、
圧縮空気、および火薬を原動力とする技術を含む圧力性
射出に由来するが、これらに限定されることはない。遺
伝子銃による形質転換は、細胞内オルガネラ(例えば、
ミトコンドリアおよび葉緑体)、細菌、酵母、真菌、藻
類、動物組織、および培養細胞を無制限に含む広範な種
類の細胞および完全な組織に対する形質転換またはトラ
ンスフェクションに適用することができる。
【0113】「形質転換された細胞」とは、その内部
(またはその前駆細胞の内部)に、組換えDNA技術を用
いて(本明細書で用いるように)XAFポリペプチドをコ
ードするDNA分子が導入された細胞を意味する。
【0114】「発現のための位置に置かれた」とは、DN
A分子が、その配列の転写および翻訳を促す(すなわ
ち、例えばXAF-1ポリペプチド、組換え蛋白質またはRNA
分子の産生を促進するような)DNA配列と隣接した位置
に置かれていることを意味する。
【0115】「レポーター遺伝子」とは、その発現を検
出することができる産物をコードするあらゆる遺伝子を
意味する。レポーター遺伝子の産物は、以下の特性を無
制限に有することができる:蛍光(例えば、グリーン蛍
光蛋白質)、酵素活性(例えば、ルシフェラーゼまたは
クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ)、
毒性(例えばリシン)、または第2の分子と特異的に結
合する能力(例えば、ビオチンまたは検出可能に標識し
た抗体)。
【0116】「プロモーター」とは、転写を促すために
必要な最小の配列を意味する。また、本発明では、細胞
型特異的、組織特異的な制御を受ける、または外来性の
シグナルまたは因子によって誘導されるプロモーター依
存的遺伝子発現を引き起こすために十分なそれらのプロ
モーター要素も含む。このような要素は、本来の遺伝子
の5'もしくは3'領域、またはイントロン配列領域のいず
れに位置してもよい。
【0117】「機能的に結合した」とは、ある遺伝子と
一つまたはそれ以上の調節配列とが、適した分子(例え
ば、転写活性化蛋白質)が調節配列に結合した時に遺伝
子発現が可能となるような様式で連結していることを意
味する。
【0118】「保存領域」とは、XAFファミリーのメン
バーの2つまたはそれ以上の間(例えば、ヒトXAF-1と別
のヒトXAFとの間)でアミノ酸の配列の同一性が少なく
とも30%、好ましくは50%、最も好ましくは70%である
ような、6個またはそれ以上の連続したアミノ酸を含む
すべての連続部分を意味する。
【0119】「検出可能に標識した」とは、例えば、オ
リゴヌクレオチドプローブまたはプライマー、その遺伝
子もしくは断片、またはcDNA分子などの、ある分子の存
在を示したり同定するためのあらゆる手段を意味する。
分子に検出可能に標識する方法は、当業者には十分に周
知であり、放射性標識(例えば、32Pまたは35Sなどの放
射性同位元素を用いる)および非放射性標識(例えば、
フルオレセイン標識などの化学発光標識)を無制限に含
む。
【0120】「アンチセンス」とは、本明細書で核酸に
関して用いているように、遺伝子、好ましくはXAF遺伝
子のコード鎖に対して相補的な核酸配列を意味する。
【0121】「精製抗体」とは、自然の状態で伴ってい
る蛋白質および天然の有機分子を除いた割合が、重量に
して少なくとも60%である抗体を意味する。好ましく
は、この標品は、重量にして少なくとも75%、さらに好
ましくは90%、最も好ましくは少なくとも99%の抗体、
例えばXAF-1、XAF-2のN端領域、XAF-2L、またはXAF-2S
の特異的抗体である。精製抗体は、例えば、組換えによ
って産生された蛋白質または保存部分のペプチドおよび
標準的手法を用いるアフィニティクロマトグラフィーに
よって得ることができる。
【0122】「特異的に結合する」とは、XAFポリペプ
チドを認識して結合するが、自然の状態では蛋白質を含
む生物試料などの試料中のその他の非XAF分子は実質的
に認識せず結合もしない抗体を意味する。好ましい抗体
は、図1(配列番号:2)のXAF-1ペプチド配列と結合す
る。もう一つの好ましい抗体は、図46(配列番号:4)
のXAF-2 N端ペプチド配列と結合する。またもう一つの
好ましい抗体は、図48および49(配列番号:10)のXAF-
2Lペプチド配列と結合する。さらにもう一つの好ましい
抗体は、図53(配列番号:12)のXAF-2Sペプチド配列と
結合する。さらに好ましい抗体は、XAF-1(配列番号:
2)、XAF-2のN端領域(配列番号:4)、XAF-2L(配列番
号:10)およびXAF-2S(配列番号:12)の2つまたはそ
れ以上と結合する。
【0123】「中和抗体」とは、XAFポリペプチドの生
物活性、特にXAFがアポトーシスに関与する能力の妨げ
となるあらゆる抗体を意味する。中和抗体は、XAFポリ
ペプチドがアポトーシスに関与する能力を好ましくは50
%、さらに好ましくは70%、最も好ましくは90%または
それ以上低下させることができる。中和抗体である可能
性を評価するためには、本明細書に記載したものを含
む、いかなるアポトーシスの標準的な解析を用いてもよ
い。
【0124】本発明のその他の特徴および利点は、その
好ましい態様に関する以下の詳細な説明、および請求の
範囲から明らかになると考えられる。
【0125】
【発明の実施の形態】本発明者らは、IAPと相互作用
し、アポトーシスを調節するTNFαシグナル伝達経路に
関与する新規の蛋白質のファミリーであるXAFを発見し
た。
【0126】TNF受容体スーパーファミリーは、システ
インに富む特徴的な細胞外反復をさまざまな数で伴う2
つの同一なサブユニットを含む、少なくとも13種類のI
型膜通過糖蛋白質を含む。これらのメンバーに含まれる
ものに、TNF受容体1(TNF-R1)、TNF受容体2(TNF-R
2)、CD40、Fas、およびCD30がある。これらの受容体に
対応するリガンドは一般に、相互作用する細胞の表面上
に発現したII型膜通過糖蛋白質である。場合によって
は、特にリンホトキシン-α(TNFβとしても知られる)
および腫瘍壊死因子-α(TNFα)の大半については、リ
ガンドが細胞から分泌される。
【0127】結合状態のTNF受容体スーパーファミリー
のメンバーによって生じたシグナルは、標的細胞の性質
および活性化状態に依存して、刺激性のことも抑制性の
こともある。しかし、種々のシグナル伝達経路にはかな
りの重複がある。例えば、TNF-R1、TNF-R2、CD30、およ
びCD40(キトソン(Kitson)ら、Nature 384: 275〜372,
1996)の結合はいずれも、I-κBと呼ばれる抑制性蛋白
質と結合した状態で細胞内に潜在することが知られる転
写因子であるNF-κBの活性化を引き起こす。受容体への
結合により、I-κBのリン酸化が誘導され、これによりI
-κBはユビキチン化およびそれに続く分解を受けやすく
なる。I-κBの分解によってNF-κBの核トランスロケー
ションシグナルが顕在化し、NF-κB依存性プロモーター
からの転写の核内局在化および活性化が可能となる(グ
リリ(Grilli)ら、Int. Rev. Cytol. 143: 1〜60, 1993
の総説を参照のこと)。
【0128】腫瘍壊死因子-α(TNF-α)は、55〜60kDa
のTNF-R1受容体および75〜80kDaのTNF-R2受容体の両方
を介して多様な作用を媒介する。TNF-R1およびTNF-R2の
細胞質ドメインは保存されておらず、これは細胞質ドメ
インと関連した蛋白質因子および受容体刺激の結果の両
者において反映されている。TNF-R2を介するTNF-αのシ
グナル伝達は、細胞の種類および活性化状態に依存し
て、増殖性反応(すなわち、胸腺細胞および単核球の増
殖、タータグリア(Tartaglia)ら、Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 88: 9292〜9296, 1991、タータグリアら、J. I
mmunol. 151: 4637〜4641, 1993、ゲール(Gehr)ら、J.
Immunol. 149: 911〜917, 1992)または細胞溶解性反応
(ヘラー(Heller)ら、Cell 70: 47〜52, 1992、グレル
(Grell)ら、Lymphokine Cytokine Res. 12: 143〜148,
1993)のいずれを誘導することもある。
【0129】TNF-R2複合体の免疫沈降および関連する蛋
白質のペプチド配列解析により、非刺激状態のTNF-R2シ
グナル伝達複合体の成分としてHIAP-1およびHIAP-2が同
定された。蛋白質-蛋白質相互作用解析により、HIAP-1
およびHIAP-2のBIRドメインが、TRAF1およびTRAF2のTRA
F-Nドメインと互換的に結合しうることが確認された
(ロゼ(Rothe)ら、Cell 83: 1243〜1252, 1995)。現在
までのところ、受容体結合後のTNF-R2複合体の蛋白質成
分の分布および機能についてはほとんど不明である。同
じく、TNF-R2受容体複合体におけるHIAP-1およびHIAP-2
の機能的重要性も明らかでない。
【0130】これに対して、TNF-R1受容体シグナル伝達
複合体におけるHIAP-2の役割ははるかに明確になってい
る。
【0131】TNF-R1の細胞内ドメインは、低親和性神経
成長因子およびFas受容体においても見いだされる、
「細胞死誘導領域」と呼ばれる約80アミノ酸の蛋白質-
蛋白質相互作用部分を含む。TNF-R1の細胞質にある細胞
死誘導領域は、リガンド結合以前にはシグナル伝達経路
の成分と会合しないように思われる。TNF-R1凝集による
主要な作用は、NF-κBの活性化およびアポトーシスであ
る。これらの作用は、それぞれの細胞死誘導領域を介し
て、TNF-R1とTRADD(TNF-R1関連細胞死誘導領域蛋白
質、フシュ(Hsu)ら、Cell 81: 495〜504, 1995)との相
互作用に依存している。TRADDは、種々の蛋白質をシグ
ナル伝達複合体に補充する能力を有するアダプター分子
として働く。いずれのシグナル伝達複合体が形成される
かによって、細胞の最終的な運命が決まると考えられ
る。
【0132】一定の状況の下では、TRADDは、DISC(細
胞死誘導性シグナル伝達複合体)と呼ばれる蛋白質複合
体の形成を誘発する能力を有する。DISCの形成は、再び
細胞死誘導領域を介して、TNF-R1/TRADD複合体にFADDが
補充された場合に起こる(チナイヤン(Chinnaiyan)ら、
Cell 81: 505〜512, 1995、チナイヤンら、J. Biol.Che
m. 271: 4961〜4965, 1996)。FADDはカルボキシ端末の
細胞死誘導領域のほかに、FLICE(カスパーゼ-8)を補
充することによってアポトーシスを誘発する、アミノ端
末の「細胞死エフェクター領域」(DED)を有してい
る。FLICEは、FADD DEDと結合する2つのDED相同配列を
含む著しく長いアミノ端末プロドメインを有する。FLIC
E分子同士を近接させることにより、蛋白質分解的な自
己活性化が引き起こされる。また、FLICEを活性化させ
るこの開裂現象によって、DISCから酵素が放出され、こ
れはこの部位でその他のカスパーゼを蛋白質分解的に活
性化し、最終的にはアポトーシスを引き起こす(ムジオ
(Muzio)ら、Cell 85: 817〜827, 1996、ボルディン(Bol
din)ら、85:803〜815, 1996)。FADDのドミナントネガ
ティブ変異体はFasまたはTNF-R1を介してアポトーシス
を阻害するが、これはFADD成分がいずれかの受容体を介
して生じた細胞死シグナルの伝達に関与することを示し
ている(チナイヤン(Chinnaiyan)ら、J. Biol. Chem. 2
71: 4961〜4965, 1996)。
【0133】しかし、TNF-R1と結合したTNFαは、すべ
ての場合にアポトーシスを引き起こすとは限らない。TN
Fαの反応の柔軟性には、もう一つのシグナル伝達複合
体の形成が寄与している。DISCに対応する「生存複合
体」は、TRADDがTRAF2(TNF受容体関連因子-2)およびH
IAP-2(フシュ(Hsu)ら、Immunity 4: 387〜389, 199
6、フシュ(Hsu)ら、Cell 84: 299〜308, 1996)と結合
したものを含む。HIAP-2は、TNF-R1による刺激の前にTR
AF2と結合体を作る(フシュ(Hsu)ら、Cell 84: 299〜30
8, 1996)。この蛋白質相互作用は、TRADDとの結合に関
するTRAF2の親和性を高め、それによってTRADD/FADD/FL
ICE DISCよりもTRADD/TRAF2複合体が形成されやすくな
ると考えられる。また、HIAP-2は、それがなければ発生
するアポトーシス性シグナルを抑制するような様式で、
カスパーゼなどのアポトーシス経路のその他の成分と相
互作用すると考えられる。
【0134】以上により、本発明者は、XAFファミリー
のメンバーがIAPと相互作用すること、および哺乳類細
胞におけるアポトーシス性およびNF-κB誘導性のシグナ
ル伝達経路に関与していることを明示した。形質転換細
胞では、XAF-1の過剰発現は細胞死の原因となる。興味
深いことに、非形質転換細胞における過剰発現は単に増
殖(細胞周期)停止をもたらすのみである。形質転換細
胞および単に増殖中の細胞の機能の違いは驚くべきこと
であり、意義も大きい。本発明者らの行ったウェスタン
およびノーザンブロット解析では、XAF-1が種々の組織
および細胞型において発現していることが示された。ア
ポトーシスは何らかの特殊な細胞または組織型に特異的
に生じる現象ではないため、これらの知見は、XAF-1蛋
白質がさまざまな状況においてアポトーシスに関与する
ことと一致する。
【0135】また、本発明者らは、XAFファミリーの第2
のメンバーであるXAF-2Lも発見した。XAF-2Lは、XAF-1
と同じように、7つのジンクフィンガー結合領域を有す
る。これよりも短い第2のXAF-2スプライスバリアントで
あるXAF-2Sも発見された。
【0136】I.XAF-1遺伝子 XIAPを「おとり(bait)」蛋白質として用いた、ヒト胎
盤cDNAライブラリーの酵母ツーハイブリッド系によるス
クリーニングにより、XAF-1(XIAP関連因子1)と命名さ
れた37kDaのジンクフィンガー蛋白質が同定された。XAF
-1とTRAFファミリーのメンバー、特にTRAF6との間には
明らかな相同性が認められたが、TRAF-CおよびTRAF-Nド
メインは含んでいなかった。
【0137】II. XAF蛋白質の合成 クローニングされたたXAF遺伝子配列の特徴は、その配
列をさまざまな種類の細胞に導入すること、またはイン
ビトロの細胞外系を用いることによって解析することが
できる。続いて、さまざまな生理的条件の下でXAF蛋白
質の機能を検討することができる。例えば、XAF-1遺伝
子および遺伝子産物の発現を理解するための研究では、
XAF-1をコードするDNA配列を操作する。また、XAF遺伝
子産物を過剰発現する細胞系列を作製することにより、
生化学的特徴分析、大量産生、抗体産生、および患者の
治療に用いるためのXAFを精製することもできる。
【0138】蛋白質の発現のためには、真核生物および
原核生物の発現系を作製し、そこでプラスミドまたはそ
の他のベクター内にXAF遺伝子配列を導入した後、生き
た細胞を形質転換するためにそれを用いる。オープンリ
ーディングフレーム全体を含むXAF cDNAを含んだ構築物
を発現プラスミド内に正しい方向で挿入することも、蛋
白質発現のために用いられる。また、野生型または変異
型のXAF配列を含むXAF遺伝子配列の一部を挿入してもよ
い。原核生物および真核生物の発現系により、重要な機
能を有するXAF蛋白質のさまざまなドメインを融合蛋白
質として回収することができ、続いてそれを結合性、構
造および機能の試験ならびに適した抗体の作製のために
用いることもできる。XAF-1蛋白質の発現によって不死
化した細胞におけるアポトーシスが増強するため、この
蛋白質は誘導性プロモーターの制御下で発現させること
が望ましいと考えられる。
【0139】典型的な発現ベクターは、プラスミドを含
む細胞に挿入されたXAF核酸に対応するmRNAの大量な合
成を促すプロモーターを含む。また、それらは、宿主生
物体内部におけるそれらの自律的複製を可能にする真核
生物または原核生物由来の複製配列、それらがなければ
毒物となる薬剤の存在下においてベクターを含む細胞の
選択を可能とする遺伝的特徴をコードする配列、および
合成されたmRNAが翻訳される効率を高める配列をも含
む。安定な長期的ベクターは、例えば、ウイルスの調節
要素(例えば、エプスタインバール(Epstein Barr)ウイ
ルスのゲノムから得られたOrip配列)を用いることによ
り、自由複製物として維持することができる。ゲノムDN
A内にベクターが組み込まれた細胞系列を作製すること
もでき、この方法を用いて連続的に遺伝子産物を産生す
ることができる。
【0140】大腸菌などの細菌内で外来性配列を発現さ
せるには、XAF核酸配列を細菌発現ベクターに挿入する
必要がある。このプラスミドベクターは、細菌内におけ
るプラスミドの増殖、およびプラスミドを有する細菌に
よるプラスミドの挿入されたDNAの発現に必要ないくつ
かの要素を含む。プラスミドを有する細菌のみを増殖さ
せるには、それがなければ毒物となる薬剤の存在下での
プラスミドを有する細菌の増殖を可能とする選択可能な
マーカーをコードする配列をプラスミドに導入すること
によって達成される。また、このプラスミドは、クロー
ニングされたmRNAを大量に産生する能力を有する転写プ
ロモーターも含む。このようなプロモーターは、誘導時
に転写を開始する誘導性プロモーターであってもそうで
なくてもよい。また、このプラスミドは、好ましくは、
遺伝子のベクター内への正しい方向での挿入を容易にす
るためのポリリンカーを含む。lacプロモーターを用い
る単純な大腸菌発現ベクターでは、発現ベクタープラス
ミドは、lacプロモーターおよび隣接するlacZ遺伝子を
含む大腸菌染色体の断片を含む。ラクトース類似体であ
るIPTGの存在下において、RNAポリメラーゼは通常、lac
Z mRNAを産生するlacZ遺伝子を転写し、このmRNAからコ
ードされた蛋白質であるβ-ガラクトシダーゼが翻訳さ
れる。制限酵素を用いて発現ベクターからlacZ遺伝子を
切り出し、XAF遺伝子配列またはその断片、融合体もし
くは変異体を置換することもできる。この結果生じるプ
ラスミドを大腸菌にトランスフェクションすると、IPTG
の付加およびそれに続くlacプロモーターからの転写が
起こってXAF mRNAが産生され、それがXAFポリペプチド
に翻訳される。
【0141】いったんXAF遺伝子またはその断片、融合
体もしくは変異体を含む適切な発現ベクターが構築され
れば、リン酸カルシウム法、DEAE-デキストラントラン
スフェクション、電気穿孔、マイクロインジェクショ
ン、プロトプラスト融合、およびリポソームを介するト
ランスフェクションなどの形質導入技術によって、それ
を適切な宿主細胞に導入する。本発明のベクターを用い
てトランスフェクションされた宿主細胞は、大腸菌、シ
ュードモナス、枯草菌もしくはその他のバチルス属細
菌、その他の細菌、酵母、真菌、昆虫(発現には例えば
バキュロウイルスを用いる)、マウスもしくはその他の
動物またはヒトの組織細胞からなる群より選択すること
ができる。また、哺乳類細胞は、アウスーベル(Ausube
l)ら(分子生物学の最新プロトコール(Current Protoc
ols in Molecular Biology)、John Wiley & Sons, NY,
1994)に記載されたワクシニアウイルス発現系を用い
て、XAF-1蛋白質の発現に用いることもできる。
【0142】クローニングされたDNAによってコードさ
れたXAF蛋白質、融合体、ポリペプチド断片または変異
体のインビトロ発現は、T7後期プロモーター発現系を用
いても可能である。この系は、バクテリオファージT7の
DNAにコードされた酵素であるT7 RNAポリメラーゼの調
節された発現に依存している。このT7 RNAポリメラーゼ
は、T7後期プロモーターと呼ばれる特異的な23bpのプロ
モーター配列から始まるDNAを転写する。T7後期プロモ
ーターのコピーはT7ゲノムの7つの部位に位置するが、
大腸菌染色体DNAにはいずれも存在しない。その結果と
して、T7感染細胞ではT7 RNAポリメラーゼがウイルス遺
伝子の転写を触媒するが、大腸菌遺伝子の転写は触媒さ
れない。この発現系で、lacプロモーターに続いてT7 RN
Aポリメラーゼをコードする遺伝子を載せるように操作
されたのは、組換え大腸菌細胞が最初である。IPTGの存
在下において、これらの細胞はT7ポリメラーゼ遺伝子を
高い速度で転写し、豊富な量のT7 RNAポリメラーゼを合
成する。続いて、T7後期プロモーター蛋白質のコピーを
載せたプラスミドベクターを用いてこれらの細胞を形質
転換する。これらの形質転換された大腸菌細胞を含む培
養液にIPTGを添加すると、多量のT7 RNAポリメラーゼが
産生される。続いてこのポリメラーゼは、挿入されたcD
NAの転写を高い速度で触媒しながら、プラスミド発現ベ
クター上のT7lateプロモーターと結合する。それぞれの
大腸菌は発現ベクターの多数のコピーを含むため、この
系ではクローニングされたcDNAに対応するmRNAが大量に
産生され、その結果生じる蛋白質に放射性標識を施すこ
とができる。また、lateプロモーターならびにT3、T5お
よびSP6などの関連したバクテリオファージから得た対
応するRNAポリメラーゼを含むプラスミドベクターを、
クローニングしたDNAからの蛋白質のインビトロ産生に
用いることもできる。大腸菌を、M13ファージmGPI-2の
感染による発現のために用いることもできる。また、大
腸菌ベクターを、融合蛋白質ベクター、マルトース結合
蛋白質融合体、またはグルタチオン-S-トランスフェラ
ーゼ融合蛋白質により、ファージラムダ調節配列ととも
に用いることもできる。
【0143】真核生物発現系では、発現した蛋白質に対
する適切な翻訳後修飾を行うことができる。真核生物発
現プラスミドによる一過性トランスフェクションによ
り、トランスフェクションされた宿主細胞においてXAF
ポリペプチドの一過性発現が起こる。XAF蛋白質は、安
定的にトランスフェクションされた哺乳類細胞系列によ
って産生することもできる。哺乳類細胞の安定的トラン
スフェクションのために適した多くのベクターは、この
ような細胞系列を構築する方法と同じく(例えば、アウ
スーベル(Ausubel)ら、前記、を参照)、一般に入手す
ることができる(例えば、パウエル(Pouwels)ら、クロ
ーニングベクター:実験室手引き(Cloning Vectors: A L
aboratory Manual), 1985, Supp. 1987を参照)。一つ
の例においては、XAF-1蛋白質、融合体、変異体、また
はポリペプチド断片をコードするcDNAを、ジヒドロ葉酸
レダクターゼ(DHFR)遺伝子を含む発現ベクターにクロ
ーニングする。細胞培養液に0.01〜300μMのメトトレキ
セートを添加することにより、宿主細胞染色体へのプラ
スミドが組み込まれ、したがってXAF-1をコードする遺
伝子が組み込まれたものが選択される(アウスーベル(A
usubel)ら、前記、に記載された方法により)。この優
性選択法は、ほとんどの種類の細胞に対して実施するこ
とができる。組換え蛋白質の発現は、トランスフェクシ
ョンした遺伝子にDHFRを介する増幅を施すことによって
増強させることができる。遺伝子増幅を有する細胞系列
を選択する方法は、アウスーベルら(前記)に記載され
ている。これらの方法は一般に、培地に含まれるメトト
レキセートの濃度を徐々に高めていきながら継続培養す
ることを含む。最も多く用いられるDHFRを含む発現ベク
ターは、pCVSEII-DHFRおよびpAdD26SV(A)である(アウ
スーベル(Ausubel)ら、前記、に記載)。上記の宿主細
胞または、好ましくはDHFR欠損CHO細胞系列(例えば、C
HO DHFR-細胞、ATCC寄託番号CRL 9096)は、安定的にト
ランスフェクションされた細胞系列またはDHFRを介した
遺伝子増幅のDHFRによる選択のために最適な細胞の一部
である。
【0144】真核細胞におけるXAF蛋白質の発現によ
り、生物活性のために適した発現および翻訳後修飾の決
定、XAF遺伝子の5'領域に位置する調節要素およびXAF蛋
白質発現の組織での調節におけるその役割の同定を含
む、XAF遺伝子および遺伝子産物に関する種々の研究が
可能となる。また、野生型および変異型の蛋白質を単離
および精製のために大量に産生すること、およびXAF蛋
白質を発現している細胞を、その蛋白質に対して作製さ
れた抗体の機能的解析系として用いることもできる。XA
F蛋白質を発現している真核細胞を、XAF関連アポトーシ
スに対する薬学的物質の有効性を試験するために、また
はシグナル伝達系の成分としてのXAF蛋白質を研究する
手段として用いることもできる。真核細胞におけるXAF
蛋白質、融合体、変異体、およびポリペプチド断片の発
現により、正常な完全蛋白質、蛋白質の特殊な部分、ま
たは天然の多形および人工的に作製された変異型蛋白質
のの機能を研究することも可能となる。制限酵素による
分解、DNAポリメラーゼによる書き込み、エキソヌクレ
アーゼによる除去、ターミナルデオキシヌクレオチドト
ランスフェラーゼによる延長、合成またはクローニング
されたDNA配列の連結、および特異的オリゴヌクレオチ
ドとともにPCRを用いる部位指定配列改変などの当業者
に周知の手法を用いて、XAFのDNA配列を改変することも
できる。
【0145】もう一つの好ましい真核生物発現系は、ク
ローンテック社(Clontech)(Palo Alto, CA)から入手
することができるベクターpBacPAK9などを用いるバキュ
ロウイルス系である。必要に応じて、この系は、例えば
エヴァン(Evan)ら(Mol. Cell Biol. 5: 3610〜3616,
1985)に記載されているmycタッグ法などのその他の蛋
白質発現法と組み合わせて用いてもよい。
【0146】いったん組換え蛋白質が発現すれば、細胞
溶解を行った後に、アフィニティクロマトグラフィなど
の蛋白質精製法を用いることにより、発現細胞からそれ
を単離することができる。この例では、本明細書に記載
した方法によって産生することができる抗XAF抗体をカ
ラムに結合し、組換えXAF蛋白質を単離するために用い
ることができる。アフィニティクロマトグラフィの前に
実施するXAF蛋白質を有する細胞の溶解および分画化
は、標準的手法によって行うことができる(例えばアウ
スーベル(Ausubel)ら、前記、を参照)。いったん単離
されれば、この組換え蛋白質は、必要に応じて、例え
ば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC、例えばフィッ
シャー(Fisher)、生化学および分子生物学における実験
技術(Laboratory Technique in Biochemistry And Mole
cular Biology),ワーク(Work)およびバードン(Burdon)
編、Elsevier, 1980を参照)などによってさらに精製す
ることができる。
【0147】本発明のポリペプチド、特にXAF-1蛋白質
のN端およびC端の短いXAF-1断片およびそれよりも長い
断片を、化学合成によって産生することもできる(例え
ば、固相ペプチド合成(Solid Phase Peptide Synthesi
s)、第2版、 1984, The PierceChemical Co., Rockfor
d, IL)に記載された方法による)。ポリペプチドの発
現および精製に関するこれらの一般的手法は、本明細書
に記載した通り、有用なXAF-1ポリペプチド断片または
類似体の産生および単離に用いることもできる。
【0148】分子生物学に関する当業者には、組換えXA
F蛋白質を産生するために極めて多岐にわたる発現系を
用られることが理解されると考えられる。使用する宿主
細胞の正確な種類は、本発明に関して決定的に重要では
ない。XAF蛋白質の産生には、原核生物宿主(例えば大
腸菌)または真核生物宿主(例えば、酵母、Sf9細胞な
どの昆虫細胞、またはCOS-1、NIH 3T3もしくはHela細胞
などの哺乳類細胞)のいずれを用いてもよい。これらの
細胞は、例えば、アメリカンタイプカルチャーコレクシ
ョン(American Type Culture Collection)、Rockville,
MD(アウスーベル(Ausubel)ら、前記、も参照)から入
手することができる。形質転換の方法および発現媒介物
(例えば、発現ベクター)の選択は、選択した宿主細胞
によって異なる。形質転換およびトランスフェクション
の方法は、例えばアウスーベルら(前記)に記載されて
おり、発現媒介物は、例えばパウエル(Pouwel)ら(前
記)に提示されているものから選択してもよい。
【0149】III.XAFの生物活性の有無に関する試験 XAF-1およびXAF-2スプライスバリアントを同定すること
により、アポトーシス関連の生物現象におけるXAFの生
物活性の研究が可能となる。例えば、XAF-1蛋白質、ま
たはそのポリペプチド断片の投与はアポトーシス誘導能
を示す可能性があり、それは当業者に周知であって本明
細書に記載したアポトーシス解析によって測定すること
ができる。XAF試薬(例えば、XAF-1中和抗体またはアン
チセンスXAF-1核酸などの、XAF-1の生物的機能を低下さ
せる化合物)のアポトーシス抑制量も同様にして評価す
ることができる。このような解析は、内因性XAF-1を発
現する細胞、または外因性因子となる量のXAF-1ポリペ
プチドが導入された細胞のいずれかにおいて実施するこ
とができる。好ましくは、この細胞はアポトーシスを起
こす能力を有する。アポトーシスまたはその抑制は、こ
れらのXAF発現細胞において評価することができ、ここ
でこのようなアポトーシス誘導活性または抑制活性はXA
Fポリペプチドの発現レベルに基づいて測定される。
【0150】もう一つの手法は、TNFを介したシグナル
伝達における核転写因子NF-κB(クンケル(Kunkel)ら、
Crit. Rev. Immunol. 9: 93〜117, 1989)の活性化を利
用する。この系では、I-κB分解解析などの当業者に周
知の種々の解析系において、NF-κB活性化におけるXAF
の役割が容易に明らかにされると思われる。NF-κB活性
を迅速に測定するためのもう一つの方法は、プロモータ
ーを含むNF-κB結合部位によって発現が引き起こされる
レポーター遺伝子を用いることである(ザイヒナー(Zei
chner)ら、J. Virol. 65: 2436〜2444, 1991)。発現ベ
クターは、好ましくは、アポトーシスを起こす能力があ
るか、TNF受容体ファミリーを介したシグナル伝達への
反応性を有する細胞に人為的に挿入される。レポーター
遺伝子の発現レベルの変化を検出することにより、XAF
のNF-κB誘導能を容易に評価することができる。また、
この方法は、TNF受容体シグナル伝達経路の別の成分
(例えばTRAF6)によってNF-κB活性化が誘発される場
合に、XAFのNF-κB抑制能を検出するために用いること
もできる。
【0151】これらの分析を、XAF-1または他のXAF蛋白
質(例えばXAF-2L)を用いて実施してもよいことは理解
されると考えられる。
【0152】IV.XAF-1の細胞分布 本発明者らは、放射性標識を施したアンチセンスXAF-1
DNAを用いてXAF-1 mRNAの発現の分布を観察し、XAF-1 m
RNAが少なくとも以下の成体組織で発現していることを
見いだした:心臓、脳、胎盤、肝臓、骨格筋、腎臓、膵
臓、脾臓、胸腺、前立腺、精巣、卵巣、虫垂、気管、小
腸、結腸の粘膜下内壁、および末梢血白血球。さらに、
XAF-1 mRNAは、胎児脳、胎児心臓、胎児腎臓、胎児肝
臓、胎児脾臓、胎児胸腺、および胎児肺を含む胎児組織
でも発現していることが判明した。
【0153】V.XAF-1断片 XAF蛋白質のさまざまな部分が組み込まれたポリペプチ
ド断片は、XAF蛋白質の生物活性に重要なドメインの同
定に有用である。このような断片を作製する方法は、本
明細書に提示したヌクレオチド配列を用い、当業者には
周知である(例えば、Ausubelら、前記、を参照)。例
えば、XAF-1(配列番号:1)核酸配列に基づいてデザイ
ンされたオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、希望
する断片のPCR増幅によってXAF蛋白質断片を作製しても
よい。好ましくは、このオリゴヌクレオチドプライマー
は、哺乳類発現ベクターのクローニング部位への断片の
挿入を容易にするための独自の制限酵素部位を含む。続
いてこのベクターを、当業者に周知であって本明細書に
記載した種々の手法を用いて哺乳類細胞に人為的に導入
し、XAF遺伝子断片の産生が起こるようにする。
【0154】一つの手法では、XAF-1ポリペプチド断片
が、NF-κBの調節に関与する蛋白質の部分を評価するた
めに用いられている。特に、XAF蛋白質のアミノ端末お
よびカルボキシ端末のポリペプチド断片は、TNF受容体
シグナル伝達経路のその他の種々の因子(例えばTRAF
6)による活性誘導の誘導または防止のために用いられ
た。
【0155】もう一つの手法では、XAF-1蛋白質のさま
ざまな部分のポリペプチド断片が、XAF-1を介したアポ
トーシスの調節のために利用されており、それを当業者
に周知である方法および本明細書に記載した種々のアポ
トーシス解析によって評価することができる。全長XAF-
1が例えばそれ自体と結合してXAF-1:XAF-1ホモ二量体を
形成すること、別のXAF蛋白質(例えばXAF-2)と結合し
てXAF-1:XAF-2ヘテロ二量体を形成すること、またはXIA
Pと結合してXAF-1:XIAPヘテロ二量体を形成することを
抑制することにより、XAF-1を介したアポトーシスを変
調させるためにXAFポリペプチド断片を用いることもで
きる。好ましくは、このような断片は、XAF-1:XAF-1結
合ドメイン、XAF-1:XAF-2結合ドメイン、またはXAF-1:X
IAP結合ドメインを含む。
【0156】VI.XAF抗体 ポリクローナル抗体を調製するために、XAF蛋白質、XAF
蛋白質の断片、またはXAF蛋白質の規定の部分を含む融
合蛋白質を、適したクローニング媒体に載せた対応する
DNA配列を発現させることにより、細菌内で合成するこ
とができる。抗体を産生するための抗原の供給源には、
融合蛋白質が一般に用いられる。大腸菌に関して広く使
用される2つの発現系は、pUR系列のベクターを用いるla
cZ融合体、およびpATHベクターを用いるtrpE融合体であ
る。この蛋白質を精製し、続いてキャリア蛋白質と連結
して(選択した動物による抗原反応の誘発を補助するた
めに)フロイントアジュバントと混合し、ウサギまたは
その他の実験動物に注入することができる。また、XAF
を発現している培養細胞から蛋白質を単離することもで
きる。2週間間隔でブースター注入を行った後、ウサギ
またはその他の実験動物に瀉血を施し、血清を単離す
る。血清は直接使用してもよく、プロテインA-セファロ
ース、抗原セファロース、および抗マウスIg-セファロ
ースなどの試薬を用いるアフィニティクロマトグラフィ
ーを含むさまざまな手法により、使用前に精製してもよ
い。続いて、XAF蛋白質を同定するために、ポリアクリ
ルアミドゲルにかけたXAF発現組織から蛋白質抽出物を
検出するために血清を用いることもできる。また、蛋白
質の抗原性部分に対応する合成ペプチドを作製し、動物
に接種することもできる。
【0157】例えばXAF-1特異的抗体などの作製に使用
するためのペプチドまたは全長蛋白質を作製するため
に、例えば、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GS
T;スミス(Smith)ら、Gene 67: 31〜40, 1988)とのC端
融合体として、XAF-1コード配列を発現させることがで
きる。この融合蛋白質は、グルタチオン-セファロース
ビーズ上で精製し、グルタチオンを溶出し、トロンビン
を用いて切断し(操作によって作成した切断部分におい
て)、ウサギを十分に免疫化するために必要な程度まで
精製することができる。一次免疫化はフロイント完全ア
ジュバントによって行うことができ、その後の免疫化は
フロイント不完全アジュバントを用いて実施される。抗
体価の測定は、GST-XAF-1融合蛋白質のトロンビン切断X
AF-1断片を用いるウェスタンブロットおよび免疫沈降分
析によって行われる。CNBr-セファロースを連結したXAF
-1蛋白質を用いて、免疫血清のアフィニティ精製を行
う。抗血清の特異性は、一連の非関連GST蛋白質(GSTp5
3、Rb、HPV-16 E6、およびE6-APを含む)およびGST-ト
リプシン(既知の配列を用いるPCRによって作成された
もの)を用いて決定される。
【0158】また、当業者には、XAFを発現している培
養細胞から単離したXAF蛋白質または組織から単離したX
AF蛋白質を抗原として用いることによって、モノクロー
ナルXAF抗体を産生することもできることが理解されて
いる。XAF蛋白質を含む細胞抽出物または組換え蛋白質
抽出物を、例えばフロイントアジュバントとともにマウ
スに注入してもよい。注入の後、マウスの脾臓を摘出し
てリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に再懸濁することも
できる。この脾細胞はリンパ球の供給源として役立てる
ことができ、その一部は適した特異性を有する抗体を産
生する。続いて、これらを永久増殖性の骨髄腫パートナ
ー細胞と融合させ、ヒポキサンチン、アミノプテリン、
およびチミジン(HAT)などの選択性薬剤の存在下にお
いて、融合産物を多数の組織培養皿に平板培養する。続
いて、ELISAによって、XAF蛋白質またはそのポリペプチ
ド断片もしくは変異体に対する結合能を有する抗体を産
生している細胞を含む培養皿をスクリーニングする。続
いて、それらを再び平板培養して一定期間増殖させた
後、抗体産生細胞を同定するためにそれらの培養皿を再
びスクリーニングする。90%を超える培養皿が、抗体産
生に関して陽性である単一クローンを含むようになるま
で、何回かのクローニング手順を実施する。この手順に
よって、抗体を産生するクローンの安定系列が確立され
る。続いて、プロテインAセファロース、イオン交換ク
ロマトグラフィーに加えてこれらの手法の変法および組
み合わせを用いるアフィニティクロマトグラフィーによ
り、モノクローナル抗体を精製することができる。ま
た、適した宿主において希望するモノクローナル抗体断
片を発現するプラスミドを作製する組換え法によって、
切断型のモノクローナル抗体を産生することもできる。
【0159】GST融合蛋白質に対する代替的または付属
的な免疫原として、例えばXAF-1の比較的特定の親和性
領域に対応するペプチドを作製し、導入したC端リジン
を介してキーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH)
と連結させてもよい。これらのペプチドのそれぞれに対
する抗血清を、BSAと共役させたペプチド上で同様にア
フィニティ精製し、ペプチド共役体を用いるELISAおよ
びウェスタンブロット、およびGST融合蛋白質として発
現したXAF-1を用いるウェスタンブロットおよび免疫沈
降法によって特異性を検討する。
【0160】また、上記のXAF蛋白質および標準的なハ
イブリドーマ技術を用いてモノクローナル抗体を作製す
ることもできる(例えば、ケラー(Kohler)ら、Nature 2
56:495, 1975、ケラーら、Eur. J. Immunol. 6: 511, 1
976、ケラーら、Eur. J. Immunol. 6: 292, 1976、ハン
マーリング(Hammerling)ら、モノクローナル抗体および
T細胞ハイブリドーマ( Monoclonal Antibodies and T C
ell Hybridomas), Elsevier, New York, NY, 1981、ア
ウスーベル(Ausubel)ら、前記、を参照)。いったん産
生されたモノクローナル抗体には、ウェスタンブロット
または免疫沈降分析によって(アウスーベル(Ausubel)
ら、前記、に記載された方法により)、XAF蛋白質の特
異的認識に関する検査を行うこともできる。
【0161】XAF-1 C端ドメインを含む本明細書に記載
されたような、XAF蛋白質(またはその断片)を特異的
に認識するモノクローナルおよびポリクローナル抗体
は、本発明に有用であると考えられる。例えばそれら
を、XAF蛋白質のNF-κB誘導作用(TRAF6を介する)を観
測するためのレポーター遺伝子解析に用いることができ
る。本明細書に記載したXAF-1を抑制する抗体は、望ま
しくない細胞死または増殖停止を起こしつつある細胞に
おけるアポトーシスを防止するために特に有用であると
考えられる。
【0162】本発明の抗体は、高度に保存された領域内
に位置していないXAFアミノ酸配列を用いて産生するこ
ともでき、ジェームソン(Jameson)およびウルフ(Wol
f)のアルゴリズム(CABIOS 4: 181, 1988)を用いてペ
プチド構造プログラム(Genetics Computer Group Sequ
ence Analysis Package, Program Manual for the GCG
Package, Version 7, 1991)によって示される基準など
による解析では、抗原性があると考えられる。これらの
断片は、PCRなどの標準的手法によって作製し、pGEX発
現ベクターにクローニングすることができる(アウスー
ベル(Ausubel)ら、前記)。GST融合蛋白質は大腸菌内で
発現し、アウスーベル(Ausubel)ら(前記)に記載さ
れた通り、グルタチオンアガロースアフィニティマトリ
ックスを用いて精製される。ウサギポリクローナル抗体
を作製し、しかもXAFに対して非特異的または低親和性
の結合を示す抗血清が得られる可能性を極めて少なくす
るためには、それぞれの蛋白質について2種類または3種
類の融合体を作製し、それぞれの融合体を少なくとも2
匹のウサギに注入する。何回かの連続注入、好ましくは
少なくとも3回のブースター注入によって抗血清が得ら
れる。
【0163】さらに、本発明の抗体を、高度に保存され
た領域に位置するXAFアミノ酸配列を用いて産生するこ
ともできる。例えば、XAF-1またはXAF-2のいずれかのN
端の150アミノ酸からのアミノ酸配列を、XAF-1およびXA
F-2の両方に特異的であり、おそらくはXAFファミリーの
蛋白質のその他のメンバーに対しても特異的と考えられ
る抗体を作製するための抗体として用いることができ
る。これらの抗体は上記の方法によってスクリーニング
することができる。
【0164】完全型のモノクローナルおよびポリクロー
ナル抗-XAF-1抗体のほかに、本発明は、種々の遺伝的な
操作を受けた抗体、ヒト化抗体、ならびにF(ab')、Fa
b'、Fab、FvおよびsFv断片を含む抗体断片を特徴とす
る。抗体は、例えば、ヒト化された形で市販されている
希望する結合特異性を有するモノクローナル抗体(Scot
gene, Scotland; Oxford Molecular, Palo Alto, CA)
などの当業者に周知の方法によってヒト化することがで
きる。また、トランスジェニック動物で発現するような
完全なヒト抗体も本発明の特徴である(グリーン(Gree
n)ら、Nature Genetics 7' 13〜21, 1994)。
【0165】ラドナー(Ladner)(米国特許第4,946,77
8号および第4,704,692号)は、単一ポリペプチド鎖抗体
を作製する方法を記載している。ワード(Ward)(Natu
re 341' 544〜546, 1989)らは、重鎖可変領域の作製法
を記載し、それを「単一領域抗体」と命名しており、そ
れは高い抗体結合親和性を有する。マッカファーティー
(MacCafferty)ら(Nature 348、552〜554, 1990)
は、完全な抗体V領域がfdバクテリオファージの表面に
提示され、このファージが抗体と特異的に結合し、ファ
ージのごく一部(100万個に一つ)をアフィニティクロ
マトグラフィーによって単離することができることを示
している。ボス(Boss)ら(米国特許第4,816,397号)
は、免疫グロブリン、および単一宿主細胞において少な
くとも重鎖および軽鎖の可変領域を含んでいて免疫機能
を有するその断片を産生するためのさまざまな方法を記
載している。キャビリー(Cabilly)ら(米国特許4,81
6,567号)はキメラ型抗体を作製する方法を記載してい
る。
【0166】VII.XAF-1の利用 XAF蛋白質に対する抗体は、上記の通り、XAF蛋白質の検
出またはXAF蛋白質の生物活性を抑制のために用いるこ
とができる。さらにこの抗体を、画像化および治療のた
めの放射性ヌクレオチドならびに化合物を特異的な組織
部位に到達させるためのリポソームなどの、診断的およ
び/または治療的利用のための化合物と結合させること
もできる。
【0167】VIII.XAF遺伝子の発現の検出 記載した通り、上記の抗体を、XAF蛋白質の発現を観測
するために用いることができる。さらにインサイチュー
ハイブリダイゼーションも、XAF遺伝子の発現を検出す
るために用いることができる。蛍光インサイチューハイ
ブリダイゼーション(FISH)などのインサイチューハイ
ブリダイゼーション法は、特異的に標識化された核酸プ
ローブと、個々の細胞または組織中の細胞RNAとのハイ
ブリダイゼーションに基づく。したがって、これによ
り、心臓などの完全な組織の内部のmRNAの同定が可能と
なる。この方法では、XAF遺伝子の特定の部分に対応す
るオリゴヌクレオチドまたはクローニングしたヌクレオ
チド(RNAまたはDNA)の断片を、例えば心臓内の特異的
mRNA種を検出するために用いる。多数のその他の遺伝子
発現検出法が当業者に周知であり、本明細書で使用する
ことができる。
【0168】IX.XAF蛋白質の発現を調節する化合物の
同定 本発明者らの結果に基づいて、本発明者らは、ヒト患者
に用いることができる治療的化合物(例えば、抗アポト
ーシス性またはアポトーシス誘導性を有するもの)を同
定するための数多くのスクリーニング手順を開発した。
特殊な例において、XAF蛋白質の発現をダウンレギュレ
ーションする化合物は、神経変性疾患などの過剰量のア
ポトーシスを特徴とする疾患を治療するために、本発明
において有用であると考えられる。同様に、XAF蛋白質
をアップレギュレーションまたは活性化する化合物も、
癌などのアポトーシス低下を特徴とする疾患を治療する
ために、本発明において有用であると考えられる。一般
に、本発明のスクリーニング法は、任意の数のインビト
ロまたはインビボ実験系を使用することによる、治療的
に活性な任意の数の化合物のスクリーニングを含む。
【0169】本発明の方法により、アポトーシスの量が
不適切であることが関与し、状況に応じて過剰であるこ
とも不十分であることもある種々の状態の評価、同定、
治療のための活性を有する薬剤の開発、および予防が容
易となる。これらのスクリーニング法は、さらに評価し
て活性および選択性のあるわずかな材料を絞り込む必要
のある大集団から関心のある天然産物抽出物または化合
物を選択するための容易な手段を提供する。続いて、そ
れらの抗アポトーシス活性またはアポトーシス誘導活性
を決定するために、本発明の方法において、このプール
の構成要素は精製され、評価される。
【0170】一般に、適切なレベルのアポトーシスが関
与している状態を治療するための新規薬剤は、当業者に
周知の方法に従って、天然産物および合成(または半合
成)抽出物の両方の大規模ライブラリーまたは化学ライ
ブラリーから同定される。薬剤の発見および開発の分野
に関する当業者であれば、本発明のスクリーニング手順
(手順群)にとって、被験抽出物または化合物の正確な
供給源は最重要な部分ではないことが理解されると考え
られる。したがって、本明細書に記載した具体的方法を
用いて、事実上いかなる数の化学的抽出物または化合物
もスクリーニングすることができる。このような抽出物
または化合物の例には、植物、真菌、原核生物、または
動物に由来する抽出物、発酵液、および合成化合物のほ
か、実在する化合物の修飾体が含まれるが、それらに限
定されない。また、任意の数の化合物を無作為または目
標を定められた合成(例えば、半合成または全合成)に
よって作製するには数多くの方法を用いることができ、
その化合物には、糖、脂質、ペプチド、および核酸に基
づく化合物が含まれるが、それらに限定されない。合成
化合物ライブラリーはブランドンアソシエーツ社(Brand
on Associates)(Merrimack, NH)およびアルドリッヒ
ケミカル社(Aldrich Chemical)(Milwaukee,WI)から購
入することができる。また、細菌、真菌、植物、および
動物抽出物の形の天然化合物のライブラリーも、バイオ
ティクス社(Biotics)(Sussex, UK)、ゼノバ社(Xenov
a)(Slough, UK)、Harbor Branch Oceangraphics Inst
itute(Ft. Pierce, FL)およびファーママー社(Pharma
Mar)(Cambridge, MA, U.S.A.)を含む多数の供給源か
ら購入することができる。さらに、必要に応じて、標準
的な抽出法および分画法などの当業者に周知の方法に従
って、天然および合成的に作成されたライブラリーを作
成することもできる。さらに、必要に応じて、標準的な
化学的、物理的、または生化学的方法を用いて、いかな
るライブラリーまたは化合物にも容易に修飾を加えるこ
とができる。
【0171】また、薬剤の発見および開発に関する当業
者であれば、抗アポトーシス活性またはアポトーシス誘
導活性がすでに知られている材料の複製物もしくは反復
の脱複製(dereplication)(例えば、分類的脱複製、
生物的脱複製、化学的脱複製、またはそれらのあらゆる
組み合わせ)または除去ための方法を、可能であれば常
に使用する必要があることを容易に理解しうる。
【0172】粗抽出物が抗アポトーシス活性もしくはア
ポトーシス誘導活性またはその両方を有することが判明
した場合は、観察された作用に関与する化学的構成要素
を単離するために、さらに活性陽性のリード抽出物を分
画化することが必要である。このため、抽出、分画、お
よび精製過程の目的は、抗アポトーシス活性またはアポ
トーシス誘導活性を有する粗抽出物内部の化学的実体の
特徴分析および同定を慎重に行うことにある。本明細書
に記載した、化合物の混合体の活性検出のためのインビ
ボおよびインビトロ解析と同じ方法を、活性成分の精製
およびその誘導体の検査のために用いることができる。
このような不均質な抽出物の分画化および精製の方法は
当業者に周知である。必要に応じて、病原性の治療に有
用な薬剤であることが示された化合物を、当業者に周知
の方法に従って化学的に修飾してもよい。治療的価値が
あると同定された化合物は引き続き、当業者に周知の変
性疾患または癌の標準的動物モデルを用いて分析する。
【0173】以下に、本発明者らは、抗アポトーシス性
またはアポトーシス誘導性の薬剤としての化合物の有効
性の同定および評価のためのスクリーニング法を説明す
る。これらの方法は、本発明の請求の範囲を例示するた
めのもので、それを限定するためのものではない。
【0174】a)XAF蛋白質の発現に影響を及ぼす化合物
のスクリーニング XAF cDNAは、XAF蛋白質の発現を増強または減弱させる
化合物の同定を容易にするために用いることができる。
一つの手法では、XAF mRNAを発現している細胞の培養液
に種々の濃度の候補化合物を添加する。続いて、例え
ば、XAF DNA、またはcDNAもしくはRNA断片をハイブリダ
イゼーションプローブとして用いるノーザンブロット分
析(アウスーベル(Ausubel)ら、前記)により、XAF mRN
Aの発現を測定する。その他のすべての因子(例えば、
細胞の種類および培養条件)を同一にして、候補化合物
の存在下におけるXAF mRNAの発現レベルを、候補化合物
の非存在下におけるXAF mRNAの発現レベルと比較する。
【0175】代わりに、XAFを介したアポトーシスに対
する候補化合物の作用を、XAF特異的抗体(例えば、本
明細書に記載したXAF-1特異的抗体)を用いるウェスタ
ンブロットまたは免疫沈降などの標準的蛋白質検出法と
ともに、上記の一般的な手法を用いることによって翻訳
のレベルで測定することもできる。
【0176】転写のレベルでXAF-1を調節する化合物を
検出するためのもう一つの手法では、XAF遺伝子プロモ
ーターによって発現が引き起こされるレポーター遺伝子
を調節する候補化合物の能力を調べる。例えば、アポト
ーシスを起こす可能性が低いと考えられる細胞に対し
て、XAF-1プロモーターと機能的に結合したルシフェラ
ーゼレポーター遺伝子を含む発現プラスミドによるトラ
ンスフェクションを施す。続いて、その細胞の培養液に
種々の濃度の候補化合物を添加する。続いて、化合物を
投与したトランスフェクション細胞を、本明細書で用い
たPromega社から購入することができるルシフェラーゼ
解析系キットなどの当業者に周知の標準的ルシフェラー
ゼ解析によって処理し、ルシフェラーゼ活性のレベルを
照度計で直ちに評価することによって、ルシフェラーゼ
の発現レベルを測定する。その他のすべての因子(例え
ば、細胞の種類および培養条件)を同一にして、候補化
合物の存在下におけるルシフェラーゼの発現レベルを、
候補化合物の非存在下におけるルシフェラーゼの発現レ
ベルと比較する。
【0177】XAF蛋白質の発現レベルを調節する化合物
は、精製しても、実質的に精製しても、または細胞、哺
乳類血清、もしくは哺乳類細胞をそこで培養した増殖培
地から採取した抽出物または上清などの化合物の混合体
の一つの要素であってもよい(アウスーベル(Ausubel)
ら、前記)。化合物の混合体の一つの解析では、化合物
プール(例えば、HPLCまたはFPLCなどの標準的精製手法
によって作製したもの)のサブセットの大きさを段階的
に小さくしていきながら、XAF蛋白質の発現を調節する
単一の化合物または効力のある最小数の化合物が示され
るまで、XAF蛋白質の発現の検討を続ける。
【0178】b)XAFの生物活性に影響を及ぼす化合物の
スクリーニング 化合物を、例えば、XAF-1アポトーシス誘導活性を調節
する能力に基づいてスクリーニングすることもできる。
この手法では、候補化合物の存在下におけるアポトーシ
スの程度と、非存在下におけるアポトーシスの程度とを
同一条件下で比較する。また、候補化合物プールを用い
てスクリーニングを開始し、そこから一つまたはそれ以
上の有用な調節性化合物を段階的に単離してもよい。ア
ポトーシス活性は、例えば本明細書に記載したものなど
のあらゆる標準的な解析によって測定することができ
る。
【0179】XAFのアポトーシス誘導活性を調節する化
合物を検出するためのもう一つの方法は、ある任意のXA
F蛋白質、例えばXAF-1と物理的に相互作用する化合物の
スクリーニングのための方法である。これらの化合物
は、当業者に周知の酵母ツーハイブリッド発現系を適合
させることによって検出された。これらの系は、転写活
性化解析を用いて蛋白質相互作用を検出することがで
き、ギュリス(Gyuris)ら(Cell 75: 791〜803, 199
3)およびフィールド(Field)ら(Nature 340: 245〜2
46, 1989)に一般的に記載されており、クローンテック
(Clontech)社(PaloAlto, CA)から購入することができ
る。さらに、PCT出願公告(Publication)国際公開公報第
95/28497号には酵母2ハイブリッド解析が記載されてお
り、そこではアポトーシスに関与する蛋白質が、BCL-2
との相互作用を利用して検出されている。同様の方法
は、XAF-1と相互作用する蛋白質およびその他の化合物
を同定するために用いられてきており、XAF-2スプライ
スバリアント相互作用因子を同定するためにも用いられ
ている。
【0180】例えばXAF-1などのXAF蛋白質の発現または
生物活性の増強を促進する化合物は、本発明において特
に有用と考えられる。このような分子は、例えば、XAF-
1の細胞レベルを高め、それによってアポトーシスを誘
導するXAF-1ポリペプチドの能力を引き出す治療薬とし
て用いることができる。これは、アポトーシス不全が関
与する疾患(例えば癌)の治療に有用と考えられる。
【0181】また、XAF-1活性を低下させる化合物(例
えば、XAF-1遺伝子の発現または生物活性の減弱によ
る)は、細胞増殖を増強するために用いることもでき
る。これは、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー
病、ハンチントン病)またはその他の組織特異的変性疾
患(例えば、肝硬変、AIDSにおけるTリンパ球枯渇、毛
髪減少)などの変性疾患の治療に有用と考えられる。
【0182】上記の方法によって、XAF遺伝子の発現ま
たはポリペプチド活性を変化させることが分かった分子
を、動物モデルでさらにテストすることになる。これら
の分子が、インビボの状態でもうまく機能すれば、アポ
トーシスを阻害するか促進するための、どちらか適当な
治療薬として用いることができると考えられる。
【0183】X. 治療法 治療法は、XAF遺伝子の欠損またはXAF遺伝子発現の不十
分さを回避ないし克服し、それによって、アポトーシス
の量が充分でないために起こる症状を変化させ、場合に
よっては、緩和させるように設計されうる。これまで調
べられたところによると、XAF-1は、すべての組織で発
現されている。したがって、さまざまな治療法を考える
と、この治療法は、XAF-1を発現することが示されたす
べての組織を目的とすることができることが分かる。特
に、XAF-1遺伝子の発現を上昇させる治療は、癌細胞に
おけるアポトーシスを促進させるのに有用である。アポ
トーシスを誘導するXAF-1試薬に制限はないが、全長のX
AF-1ポリペプチド、またはその断片、XAF-1 mRNA、また
は、XAF-1のアポトーシス誘導活性を上昇させる化合物
などが含まれうる。
【0184】a)蛋白質治療 変異XAF蛋白質または余分なXAF蛋白質を正常な蛋白質で
置き換えたり、変異蛋白質の機能を変化させたり、正常
なXAF蛋白質を適当な細胞に輸送することによって、不
十分なアポトーシスを治療ないし予防することができ
る。また、生理学的欠陥を修正するために蛋白質が関与
する病態生理学的経路(例えば、シグナル伝達経路)を
改変することも可能である。
【0185】変異蛋白質を正常な蛋白質で置き換えた
り、充分な量のXAFを発現しなくなった細胞に蛋白質を
加えたりするためには、この蛋白質を発現することがで
きる培養細胞系から、大量の精製XAF蛋白質を得る必要
がある。そして、適当なパッケージング・システムまた
は投与システムを用いて、変質した組織(例えば、癌化
した組織)に蛋白質を輸送することができる。または、
XAF作用薬として作用させ、また、このようにして所期
の生理学的効果を発生させるために、小さな分子類似体
を用いて投与してもよい。
【0186】b)遺伝子治療 遺伝子治療はもう一つの見込みのある治療法で、選択し
た組織に正常なXAF遺伝子のコピーか、XAFのアンチセン
スRNAをコードする核酸を導入して、細胞死の速度を不
当に抑制する(例えば、癌化卵巣細胞)か、細胞死の速
度を不当に促進させている(例えば、病気をもたらす神
経細胞死)細胞が、それぞれ正常で豊富な蛋白質か、XA
FのアンチセンスRNAを首尾よくコードするようにさせる
治療法である。遺伝子は、これらの細胞に取り込まれる
ような形で輸送され、また、有効な機能を提供するのに
十分な蛋白質をコードしていなければならない。また
は、いくつかの変異体においては、該遺伝子に第二の変
異を有するか、変異を変更するような相同遺伝子のコピ
ーをもう一つ導入してアポトーシスを促進したり、負の
効果を遮断するために別の遺伝子を用いることもでき
る。
【0187】体細胞の遺伝子治療には、レトロウイルス
・ベクターの導入を利用することができる。これは、特
に、感染効率が高く、安定した取り込みと発現が行われ
るからである。しかし、標的となる細胞は、分裂できる
ものでなければならず、正常な蛋白質の発現レベルが高
くなければならない。例えば、全長XAF-1遺伝子、また
は、その一部をレトロウイルス・ベクターにクローニン
グして、この遺伝子が本来有するプロモーターか、レト
ロウイルスの長い末端反復配列、または、目的とする標
的細胞型(例えば、ニューロン)に特異的なプロモータ
ーを作用させることができる。その他利用することがで
きるウイルスベクターには、アデノウイルス、アデノ関
連ウイルス、ワクシニアウイルス、ウシパピローマウイ
ルス、エプスタイン-バーウイルスなどのヘルペスウイ
ルスが含まれる。
【0188】インビトロでの遺伝子導入が必要な非ウイ
ルス法を用いて、遺伝子導入を行なってもよい。これに
は、リン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、エレク
トロポレーション法、および、プロトプラスト融合法が
含まれうる。リポソーム法も、細胞にDNAを輸送する上
で利点があるかもしれない。これらの方法を利用するこ
とができるが、これらの多くは効率が悪い。
【0189】患者の変質した細胞に正常な遺伝子を移植
することも有用な治療法であると考えられる。この方法
においては、正常なXAF遺伝子を外生的または内生的
に、培養可能な細胞型に導入する。そして、これらの細
胞を血清学的にに標的細胞に注射する。
【0190】治療用XAF遺伝子構築物の遺伝子輸送シス
テムとして、アポトーシスに関係すると思われる細胞
(例えば、上皮細胞)に対して適当な親和性を有するレ
トロウイルス・ベクター、アデノウイルス・ベクター、
アデノ関連ウイルス・ベクター、または、その他のウイ
ルスベクターを用いることもできる。この目的に有用
な、多くのベクターが一般的に知られている(ミラー(M
iller), ヒト遺伝子治療(Human Gene Therapy)、15〜
14, 1990;フリードマン(Freidman), Science 244:1275
〜1281, 1989;エグリティス(Eglitis)およびアンダーソ
ン(Anderson), BioTechniques 6: 608〜614, 1988;トル
ストシェフ(Tolstoshev)およびアンダーソン(Anderso
n), Curr. Opin.Biotech. 1: 55〜61, 1990;シャープ(S
harp), The Lancet 337: 1277〜1278, 1991;コルネッタ
(Cornetta)ら、 Nucl. Acid Res. and Mol. Biol. 36:
311〜322, 1987;アンダーソン(Anderson), Science226:
401〜409, 1984;モーン(Moen), Blood Cells 17: 407
〜416, 1991;ミラー(Miller)ら、Biotech. 7: 980〜99
0, 1989; レガルラサレ(Le Gal La Salle)ら、Science
259:988〜990,1993;ジョンソン(Johnson), Chest 107:
77S〜83S, 1995)。レトロウイルス・ベクターが、特に
よく開発されており、臨床現場でも用いられている(ロ
ーゼンバーグ(Rosenberg)ら、N. Engl. J. Med. 323: 3
70, 1990;アンダーソン(Anderson)ら、米国特許番号5,3
99,346)。遺伝子導入しないとアポトーシスを起こすこ
とが予想される細胞に治療用DNAを導入するため、非ウ
イルス的方法を用いることもできる。例えば、リポフェ
クション(フェルグナー(Felgner)ら、Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA 84: 7413, 1987;オノ(Ono)ら、Neurosci.
Lett. 117: 259, 1990;ブリガム(Brigham)ら、Am. J. M
ed. Sci. 298: 278,1989;シュタウビンガー(Staubinge
r)ら、Meth. Enz. 101: 512, 1983)、アシアロオロソ
ムコイド-ポリリシン結合(ウー(Wu)ら、J. Biol. Che
m. 263: 14621, 1988;ウー(Wu)ら、J. Biol. Chem. 26
4: 16985, 1989)、または、より好ましくはないが、外
科的な条件の下でのマイクロインジェクション(ウルフ
(Wolff)ら、Science 247: 1465, 1990)によって、XAF
をニューロンまたはT細胞の中に導入してもよい。
【0191】上記の方法すべてとともに利用できる、別
の方法において、好ましくは、アポトーシス現象を起こ
したい部位に治療用XAF DNA構築物を(例えば、注射に
よって)入れる。しかし、アポトーシス現象を起こした
い部位の近くにある組織またはアポトーシスを起させた
い細胞(例えば、癌細胞)を供給する血管に治療用XAF
DNA構築物を入れてもよい。
【0192】説明した構築物において、XAF cDNAの発現
は、適当なプロモーター(例えば、ヒト・サイトメガロ
ウイルス(CMV)、シミアンウイルス40(SV40)または
メタロチオネインなど)のいずれから誘発してもよい
し、適切な哺乳類の調節因子のいずれによって制御させ
てもよい。例えば、望ましい場合には、神経細胞、リン
パ球または筋肉細胞で選択的に遺伝子発現を誘発するこ
とが知られているエンハンサーを用いてXAFの発現を誘
発してもよい。用いられるエンハンサーには制限はない
が、その発現が組織ないし細胞特異的であるという特徴
を有するものが含まれる。または、XAFのゲノミック・
クローンを治療用構築物として(例えば、上記のXAF cD
NAとのハイブリダイゼーションによって単離した後に)
用いるのであれば、同じ遺伝子の調節配列によって制御
してもよいし、必要であれば、上記のプロモーターまた
は調節因子を含む、別の遺伝子に由来する調節配列によ
って制御してもよい。
【0193】アンチセンスに基づく方法が、XAF遺伝子
の機能を調べるためおよび治療薬設計の基礎として用い
られてきた。この原理は、細胞の中でmRNAとそれに相補
的なアンチセンス分子種との間にハイブリッドが形成さ
れることによって、遺伝子発現を配列特異的に抑制する
ことができるという仮説に基づいている。そして、ハイ
ブリッド形成したRNA二本鎖は、プロセッシング/輸送
/翻訳、および/または、標的となったXAF mRNAの安定
化を妨げる。アンチセンス法は、アンチセンス・オリゴ
ヌクレオチドを用いたり、アンチセンスRNAを注入する
など、さまざまな方法を用いることができる。XAF-1遺
伝子の機能を解析するために、本発明者らは、アンチセ
ンスRNA発現ベクターを標的細胞に導入する方法を用い
た。アンチセンス効果は、制御(センス鎖)配列によっ
て誘導することができるが、表現形質上の変化は非常に
さまざまであった。アンチセンス効果によって誘導され
る表現形質的な効果は、蛋白質レベル、蛋白質活性測
定、および標的mRNAのレベルなどの変化に基づいて判断
される。
【0194】例えば、望ましくないアポトーシスが起き
ると予想される細胞に、アンチセンスXAF mRNAを直接投
与することによって、XAF-1遺伝子治療を行うことがで
きる。アンチセンスXAF mRNAは、標準的な手法によって
産生させ、単離することができるが、高効率プロモータ
ー(例えば、T7プロモーター)による制御下で、アンチ
センスXAF cDNAを用いたインビトロ転写によって産生す
るのが最も簡易である。核酸を直接投与するための、上
記の方法のいずれかによって、アンチセンスXAF mRNAを
細胞に投与することができる。
【0195】本発明に含まれる別の治療法は、アポトー
シスを起こさせたい部位に(例えば、注射によって)直
接、または、(例えば、従来からの組み換え蛋白質投与
法によって)全身に、組み換えXAFポリペプチドを投与
することを含む。XAFの用量は、各患者の体格および健
康状態など、多くの要因に依存するが、通常、一日当た
り0.1 mgから100 mgを、製薬上認められた処方剤にして
投与する。
【0196】XI. XAFポリペプチド、XAF遺伝子、また
は、XAF合成または機能の調節因子の投与 薬学的に許容される希釈剤、担体または賦形剤の中に入
れ、一用量単位の形にして、XAF蛋白質、遺伝子または
調節因子を投与することができる。過剰なアポトーシス
によって起こる病気(例えば、変性病)を患う患者に、
中和用XAF抗体またはXAF阻害化合物(例えば、アンチセ
ンスXAF-1またはXAF-1の優性ネガティブ変異体)を投与
するのに適した処方剤ないし組成物を提供するために、
従来からある医薬診療法を用いることもできる。患者に
病徴が現れる前に投与を開始する。適当な投与経路を用
いればよいが、例えば、投与は、非経口で、静脈内に、
動脈内に、皮下に、筋肉内に、頭蓋内に、眼窩内に、眼
から、心室内に、包内に、脊椎内に、槽内に、腹腔内
に、鼻腔内に、エアゾールで、座剤によって、または、
経口投与で行われうる。治療用処方剤は、溶液状または
懸濁液状でよいが、経口投与のためには、処方剤は錠剤
またはカプセル剤の形でもよい、また、鼻腔用処方剤と
しては、粉末状、鼻腔ドロップまたはエアゾールの形状
でもよい。
【0197】処方剤を作成するための、当業においてよ
く知られた方法が、例えば、「レミントンの製薬科学(R
emington's Pharmaceutical Sciences)(第18版)A. Ge
nnaro, 1990, ペンシルバニア州、イーストン、マック
出版社(Mack Publishing Company)に記載されてい
る。例えば、非経口投与のための処方剤は、賦形剤、滅
菌水または食塩水、ポリエチレングリコールなどのポリ
アルキリングリコール、植物性油脂、または、水素添加
したナフタレンを含んでいるかもしれない。生物親和性
で生物分解性のラクチドポリマー、ラクチド/グリコリ
ドコポリマー、または、ポリオキシエチレン-ポリオキ
シプロピレンコポリマーを化合物の放出を制御するため
に用いることができる。XAF調節化合物の非経口的輸送
システムとして役に立つ可能性のあるものには、エチレ
ン-ビニル酢酸コポリマー粒子、浸透ポンプ、包埋可能
な注入システム、リポソームが含まれる。吸入用処方剤
は、例えば、ラクトースなどの賦形剤を含むか、例え
ば、ポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル、グリコ
コール酸、およびデオキシコール酸などを含む水溶液で
もよく、鼻腔用ドロップの形で投与するための油性溶液
またはゲルでもよい。
【0198】必要に応じて、XAF蛋白質、遺伝子、また
は調節化合物を用いる治療を、過剰なアポトーシスに関
連した病気に対する、より伝統的な治療法、例えば、手
術、ステロイド治療、自己免疫疾患に対する化学療法
(例えば、エイズに対する抗ウイルス療法、および虚血
性傷害に対する組織プラスミノーゲン活性化因子(TP
A))などと組み合わせてもよい。同様に、XAF蛋白質、
遺伝子、または調節化合物を、不十分なアポトーシスに
関連した病気に対する、より慣習的な治療法、例えば、
手術、放射線療法、癌に対する化学療法などと組み合わ
せてもよい。
【0199】XII. アポトーシス異常に関連する病状の
検出 アポトーシス異常に関連する病状を検出したり観察した
りするときに、XAFのアミノ酸配列と塩基配列を診断に
使用できることがわかった。例えば、ヒトにおいて、XA
F-1の発現低下は、アポトーシスの減少と相関するかも
しれない。従って、XAF-1産生レベルの減少または増加
は、有害な状態の徴候を示すものとなるかもしれない。
標準的な技術によって、XAFの発現レベルを測定するこ
とができる。例えば、標準的なノザンブロット解析によ
って、生物試料(例えば、生検試料)におけるXAF発現
をモニターしてもよく、PCRを利用してもよい(例え
ば、アウスーベル(Ausubel)ら、前記;PCR技術:DNA増
幅のための原理と応用(PCR Technology: Principles an
d Applications for DNA Amplification)、H. A. Ehrli
ch, Ed. Stockton Press, NY;ヤップ(Yap)ら、Nucl. A
cid Res. 19: 4294, 1991)。
【0200】または、不適合検出法を用いて、XAFの塩
基配列における1個以上の突然変異について、患者から
得た生物試料を解析してもよい。一般的に、これらの技
術には、患者の試料から塩基配列をPCR増幅し、その
後、ハイブリッド形成の変化、電気泳動ゲルの移動の異
常さ、不適合蛋白質が媒介する結合もしくは切断、また
は、直接の塩基配列決定のいずれかによって、変異(す
なわち、不適合)を同定することが含まれる。XAF変異
の検出を容易にするために、これらの技術の何れを用い
ることもでき、また、これらのいずれも当業においてよ
く知られている。特定の技術の例が、オリタ(Orita)
ら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 2766〜2770, 19
89)とシェフィールド(Sheffield)ら(Proc. Natl. A
cad. Sci. USA 86: 232〜236, 1989)において説明さ
れているが、これらだけには制限されない。
【0201】さらに別の方法では、生物試料において、
XAF蛋白質を検出またはモニターするために免疫測定法
が用いられる。XAFポリペプチドのレベルを測定するた
めの、どの標準的な免疫測定方式(例えば、ELISA、ウ
ェスタンブロット、RIA)においても、XAF特異的なポリ
クローナル抗体またはモノクローナル抗体(上記のよう
にして産生されたもの)が用いられうる。これらのレベ
ルを、野生型のXAFレベルと比較する。例えば、XAF-1産
生の減少は、不十分なアポトーシスに関連した状態を示
すかもしれない。免疫測定法の実施例は、例えば、「ア
ウスウーベル(Ausubel)ら、前記」で説明されてい
る。XAF検出のために、免疫組織化学的手法を利用する
こともできる。例えば、患者から組織試料を採取して、
切片にし、抗XAF抗体と標準的な検出システム(例え
ば、ホースラディッシュ・パーオキシダーゼを結合した
二次抗体を含むシステム)のいずれかとを用いて、XAF
が存在するかを見るために染色してもよい。このような
技術に関する一般的な手引きは、例えば、バンクロフト
(Bancroft)およびスティーブンス(Stevens)(組織
学的技術の理論と実際(Theory and Practice of Histol
ogical Techuniques)、Churchill Livingstone,198
2)、および「アウスウーベル(Ausubel)ら、前記」の
中にある。
【0202】好ましい実施例の一つにおいて、XAF蛋白
質の産生を評価すること(例えば、免疫学的手法、また
は、蛋白質短縮試験(protein truncation test)(ホル
ゲロースト(Horgerrorst)ら、Nature Genetics 10: 20
8〜212, 1995))で始まり、より微細なXAFの変異(例
えば、点突然変異)を同定するために設計された、核酸
に依拠する検出技術も含む組み合わせ診断法が用いられ
るかもしれない。上記のように、当業者は、数多くの不
適合検出法を利用することができ、どれでも好ましい技
術を用いればよい。XAFの発現がなくなるか、正常なXAF
の生物活性を失わせるような、XAFにおける突然変異が
検出されるかもしれない。この組み合わせ診断法を変化
させた方法において、適当なアポトーシス測定システム
(例えば、本明細書で説明されているシステム)を用い
て、アポトーシスの誘導活性としてのXAF-1の生物活性
を測定する。
【0203】不適合検出法は、また、不適切なアポトー
シスが原因で起き、XAFが介在する疾病素質を診断する
機会を提供する。例えば、XAF-1の過剰発現を誘導するX
AF-1変異に関してヘテロ接合の患者は、臨床上の病徴は
示さないかもしれないが、それでもなお、神経変性、脊
髄形成異常、または虚血症の重篤な後遺症などのいくつ
かのタイプを発症させる可能性は正常な場合よりも高
い。この診断が与えられていれば、患者は、有害な環境
因子(例えば、紫外線被曝または化学的な変異原)に曝
される機会を最少にするよう注意したり、自分の医学的
状態を注意深くモニターする(例えば、頻繁に健康診断
を受ける)よう注意するかもしれない。また、このよう
なタイプのXAF-1診断法は、出生前のスクリーニング
で、XAF-1変異を検出するために用いられるかもしれな
い。上記のXAF-1診断測定法は、XAF-1が正常に発現する
生物学的試料(例えば、何らかの生検試料、または、他
の組織)を用いて行われるかもしれない。被験試料にし
た、これらの試料を用いて、変異XAF-1遺伝子の同定を
行うこともできる。
【0204】または、特に、XAFに関連した変性病の素
質に関する診断の一部として、何らかの細胞からのDNA
試料を用いて、例えば、不適合検出技術によって、XAF
変異をテストしてもよい。好ましくは、解析の前に、DN
A試料をPCR増幅しておく。 XIII. 予防的抗アポトーシス治療 XAF-1変異に関してヘテロ接合であるか、XAF-1変異また
は異常なXAF発現に感受性であると(これらの変異また
は発現パターンが、未だにXAFの過剰発現またはXAFの生
物活性の上昇をもたらしていなくても)診断された患
者、変性病(例えば、SMAまたはALS病のような運動ニュ
ーロン変性病)を有すると診断された患者、またはHIV
陽性であると診断された患者においては、病気の表出が
起こる前に、上記の治療法が施されることになる。例え
ば、この治療法は、HIV陽性であるが、まだT細胞数の
減少またはその他AIDS明白な徴候を示していない患者に
対して提供される。特に、変性病を有する患者には、標
準的な投与用量と投与経路によって、XAF-1発現またはX
AF-1の生物活性を減少させることが分かっている化合物
が投与されることになると考えられる(上述したところ
を参照のこと)。または、変性病が発症する前に細胞の
欠損を元に戻すか予防するために、アンチセンスXAF-1
mRNA発現構築物を用いた遺伝子治療が行われるかもしれ
ない。
【0205】哺乳動物、例えば、ヒト、ペット、または
家畜において、本明細書に説明されている疾患を緩和し
たり、診断したりするために本発明の方法が用いられる
かもしれない。ヒトでない哺乳動物を治療したり、診断
したりするときには、XAFポリペプチド、核酸または抗
体は、その生物種に特異的なものであることが好まし
い。
【0206】XIV.別のXAF遺伝子の同定 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびDNAハイブリダイゼ
ーションなど、標準的な技術を用いて、他の生物種にお
ける、さらに別のXAF相同遺伝子をクローニングしても
よい。ヒトXAFに特異的なプローブを用いて、低い厳密
度で、マウスのゲノムDNAのサザンブロットによって、X
AFおよび/または、それに関連したファミリーの蛋白質
に一致するバンドが現れる。このように、低い厳密度の
ハイブリダイゼーションを用いて、さらに別のXAF配列
が容易に同定されうる。さらに、RT-PCRによって、さら
に別のXAF関連遺伝子をクローニングするために、マウ
スとヒトのXAF特異的なプライマーを用いもよい。
【0207】これまでのところ、本発明者らは、XAF-1
に有意な相同性を有する複数のESTをデータベースの中
から同定している。EST配列から、オリゴプライマー
と、PCRでクローン化した「XAF-2」を作成した。XAF-2
蛋白質は、N末端には、XAF-1のアミノ末端にあるジンク
フィンガーのうち5個があり、さらに2個のRINGジンク
フィンガーを含む固有のカルボキシ末端を有する。この
ため、XAF-2蛋白質全体で、XAF-1と同じように、7個の
ジンクフィンガーを有する。
【0208】XV. XAF活性の特徴と細胞内での局在調査 XAF蛋白質がアポトーシスを変えられることを、アポト
ーシスの変化を検出できるインビトロ・システムで明ら
かにすることができる。哺乳動物での発現する構築物
で、全長または欠失したXAF cDNAを有するものを、CH
O、NIH 3T3、HL60、Rat-1、またはジャーカット細胞な
どの細胞系に導入することができる。さらに、SF9昆虫
細胞を用いてもよいが、その場合には、昆虫バキュロウ
イルスの発現システムを用いてXAFを発現させるのが好
ましい。形質転換した後、標準的な方法によってアポト
ーシスを誘導することができるが、これには、血清停止
(serum withdrawal)またはスタウロスポリン、メナジオ
ン(遊離基形成を通してアポトーシスを誘導する)、ま
たは抗Fasもしくは抗TNF-R1抗体を注入することが含ま
れる。対照として、アポトーシスが起こるように誘導す
る条件と同じ条件の下で細胞を培養するが、細胞は形質
転換されていないか、XAF挿入配列を持たないベクター
で形質転換されている。各XAF構築物がその発現によっ
てアポトーシスを誘導ないし阻害できる能力を、生き残
った対照細胞に対する、生き残った形質転換細胞の比率
を示す、細胞の生残指数を計算することによって定量す
ることができる。これらの実験によって、全長XAF-1蛋
白質にアポトーシスを誘導する活性があることを確認す
ることができ、下記で検討されるように、XAF-1蛋白質
の機能的領域を決定することができる。また、XAF発現
によってアポトーシスを変える化合物を同定するため
に、さらに別の化合物の注入を組み合わせて、これらの
解析を行なってもよい。
【0209】XVI.さらに別のアポトーシスの測定法の
実施例 アポトーシスの測定法の特別な実施例が、以下の参考文
献において提供されている。リンパ球におけるアポトー
シスの測定法が、リー(Li)ら「HIV-1 Tat蛋白質によ
る、非感染リンパ球におけるアポトーシスの誘導(Induc
tion of apoptosis in uninfected lymphocytes by HIV
-1 Tat protein)」、Science 268: 429〜431, 1995; ジ
ベリーニ(Gibellini)ら、「Tatを発現するジャーカッ
ト細胞は、1型急性ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)感
染などの異なるアポトーシス刺激に対する抵抗性の増加
を示す(Tat-expressing Jurkat cells show an increas
ed resistance to deffferent apoptotic stimuli, inc
luding acute human immunodeficiency virus-type 1(H
IV-1) infection)」、Br. J. Haematol. 89: 24〜33, 1
995; マーチン(Martin)ら、「インビトロでのヒトCD4
+T細胞のHIV-1感染。これらの細胞における特異的なア
ポトーシス誘導(HIV-1 infection of human CD4+ T cel
ls in vitro. Differential inducrion of apoptosis i
n thesecells.)」、J. Immunol. 152: 330〜342, 1994;
テライ(Terai)ら、「HIV-1に急性感染した培養Tリ
ンパ芽球における細胞死のメカニズムとしてのアポトー
シス(Apoptosis as a mechanism of cell death in cul
tured T lymphoblasts acutely infected with HIV-
1)」、J. Clin. Invest. 87: 1710〜1715, 1991; ドハ
イン(Dhein)ら、「APO-1/(Fas/CD95)によって媒介さ
れる自己分泌T細胞の自殺(Autocrine T-cell suicide
mediated by APO-1/(Fas/CD95))」、Nature 373:438〜4
41, 1995; カツィキス(Katsikis)ら、「ヒト免疫不全
ウイルスに感染した個体では、Fas抗原刺激によってT
リンパ球の顕著なアポトーシスが誘導される(Fas antig
en stimulation induces marked apoptosis of T lymph
ocytes in human immunodeficiency virus-infected in
dividuals)」、J. Exp. Med. 1815: 2029〜2036, 1995;
ウエステンドープ(Westendorp)ら、「CD95が媒介す
る、HIV-1 Tatとgp120によるアポトーシスに対するT細
胞の感作(Sensitization of T cells to CD95-mediated
apoptosis by HIV-1 Tat and gp120)」、Nature 375:
497, 1995; デロッシ(DeRossi)ら、Virology 198: 23
4〜244, 1994によって開示されている。
【0210】繊維芽細胞におけるアポトーシスを測定す
る方法が、ボスベックら(Vossbeckら)、「ラット繊維
芽細胞に対するTGF-βの直接的な形質転換活性(Direct
transforming activity of TGF-beta on rat fibroblas
ts)」、Int. J. Cancer 61:92〜97, 1995; ゴルッピ(G
oruppi)ら、「NIH 3T3繊維芽細胞のS期誘導に関係す
るc-mycドメインの解剖(Dissection of c-myc domains
involved in S phaseinduction of NIH3T3 fibroblast
s)」、Oncogene 9: 1537〜44, 1994; フェルナンデス
(Fernandez)ら、「腫瘍壊死因子に対する、正常なC3H
マウス胚繊維芽細胞とHa-rasで形質転換したC3Hマウス
胚繊維芽細胞の特異的な感受性:抵抗性細胞における、
bcl-2とc-myc、マンガン・スーパーオキシドジスムター
ゼの誘導(Differential sensitivity of normal and Ha
-ras transformed C3H mouse embryo fibroblasts to t
umor necrosis factor: induction of bcl-2, c-myc, a
nd manganese superoxide dismutase in resistant cel
ls)」、Oncogene 9: 2009〜2017, 1994; ハリントン(H
arrington)ら、「繊維芽細胞におけるc-Myc誘導のアポ
トーシスは、特異的なサイトカインによって阻害される
(c-Myc-induced apoptosis in fibroblasts is inhibit
ed by specific cytokines)」、EMBOJ. 13: 3286〜329
5, 1994; イトウ(Ito)ら、「アポトーシスに必要な新
しい蛋白質ドメイン。ヒトFas抗原の突然変異解析(A no
vel protein domain required for aoptosis. Mutation
al analysis of human Fas antigen)」、J. Biol. Che
m. 268: 10932〜10937, 1993によって開示されている。
【0211】ニューロン細胞におけるアポトーシスの測
定法が、メリノ(Melino)ら、「組織トランスグルタミ
ナーゼとアポトーシス:ヒト神経芽腫細胞を用いた、セ
ンス鎖とアンチセンス鎖による形質転換実験(Tissue tr
ansglutaminase and apoptosis: sense and antisense
transfection studies with human neuroblastoma cell
s)」、Mol. Cell Biol. 14: 6584〜6596, 1994;ローゼ
ンバウム(Rosenbaum)ら、「培養したニューロンの、
低酸素に誘導されるプログラムされた細胞死に関する証
拠(Evidence for hypoxia-induced, programmed cell d
eath of culturedneurons)」、Ann. Neurol. 36: 864〜
870, 1994; サトウ(Sato)ら、「bcl-2による細胞死を
予防した結果起きるPC12細胞の神経分化(Neuronal diff
erentiation of PC12 cells as a result of preventio
n of cell death by bcl-2)」、J. Neurobiol. 25: 122
7〜1234, 1994; フェラーリ(Ferrari)ら、「N-アセチ
ルシステインのD型とL型立体異性体は、神経細胞のアポ
トーシス死を防止する(N-acetylcysteine D- and L-ste
reoisomers prevents apoptotic death of neuronal ce
lls)」、J. Neurosci. 1516: 2857〜2866, 1995; タリ
ー(Talley)ら、「ヒトのニューロン細胞における、腫
瘍壊死因子αに誘導されたアポトーシス:酸化防止剤N-
アセチルシステイン、bcl-2遺伝子およびcrmA遺伝子に
よる予防(Tumor necrosis facvtor alpha-induced apop
tosis in human neuronal cells: protection by the a
ntioxidant N-acetylcysteine and the genes bcl-2 an
d crmA)」、Mol. Cell Biol. 1585:2359〜2366, 1995;
ウォーキンショー(Walkinshaw)ら、「カテコールアミ
ンが関与するPC12細胞における、L-DOPAによるアポトー
シスの誘導(Induction of apoptosis in catecholamine
rgic PC12 cells by L-DOPA. Implications for the tr
eatment of Parkinson's disease.)」、J. Clin.Inves
t. 95: 2458〜2464, 1995によって開示されている。
【0212】昆虫細胞におけるアポトーシスの測定法
が、クレム(Clem)ら、「昆虫細胞を感染したときの、
バキュロウイルスの遺伝子によるアポトーシスの防止(P
revention of apoptosis by a baculovirus gene durin
g infection of insect cells)」、Science 254: 1388
〜1390, 1991; クルック(Crook)ら、「ジンクフィン
ガー様モチーフを有する、アポトーシスを阻害するバキ
ュロウイルスの遺伝子(Anapoptosis-inhibiting baculo
virus gene with a zinc finger-like motif)」、J. Vi
rol. 67: 2168〜2174, 1993; ラビザデー(Rabizadeh)
ら、「バキュロウイルスのp35遺伝子の発現は、哺乳動
物の神経細胞の死を阻害する(Expression of the bacul
ovirus p35 gene inhibits mammalian neural cell dea
th)」、J. Neurochem. 61: 2318〜2321, 1993; ビルン
バウム(Birnbaum)ら、「Cys/His配列モチーフを有す
るポリペプチドをコードする核多角体病ウイルスに由来
するアポトーシス阻害遺伝子(An apoptosis inhibiting
gene from a nuclear polyhedrosis virus encoding a
polypeptide with Cys/His sequence motifs)」、J. V
irol. 68: 2521〜2528, 1994; クレム(Clem)ら、Mol.
Cell Biol. 14:5212〜5222, 1994によって開示されて
いる。
【0213】XVII.トランスジェニック動物の構築 XAF遺伝子の特徴を調べることによって、相同的組み換
えによる、XAFノックアウト動物モデルの作出に必要な
情報が提供される。このモデルは、哺乳動物であるのが
好ましく、マウスが最も好ましい。同様に、標準的なト
ランスジェニック技術によって、1個以上のXAF配列を
ゲノムに組み込んで、XAFを過剰産生する動物モデルを
作成してもよい。
【0214】例えば、129/Sv系統(ストラタジーン社(S
tratagene Inc.)、カリフォルニア州ラホヤ)のマウス
などに由来する同質遺伝子系のゲノミッククローンを用
いて、ノックアウトモデルを作出するために用いること
ができる置換型のターゲティング・ベクターを構築する
ことができる。このターゲティング・ベクターをエレク
トロポレーションによって適当な細胞株に由来する胚幹
(ES)細胞に導入し、XAF遺伝子を広範に削った形で有
するES細胞系を作成する。キメラの始祖マウスを作成す
るために、標的となった細胞系をマウス胞胚期胚に注入
する。ヘテロ接合の子孫マウスを交配してホモ接合体を
得る。ノックアウトマウスにより、XAF依存的な経路で
アポトーシスを変える治療薬となる化合物をインビボで
スクリーニングするための方法が提供されると考えられ
る。染色体上に複数のXAF遺伝子(すなわち、XAF-1およ
びそれとは別のXAFポリペプチドをコードする遺伝子)
のコピーがあるときに、このようなマウスを作出するに
は、loxP部位を利用する必要がある(サワー(Sauer)お
よびヘンダーソン(Henderson), Nucleic Acids Res.17:
147〜61, 1989を参照のこと)。
【0215】
【実施例】以下の実施例は、本発明を具体的に説明する
ものであり、いかなる意味でも、本発明を制約するもの
ではない。
【0216】実施例I クローニングされたヒトXAF-1のcDNA配列と推定アミノ
酸配列 XIAPを「おとり」蛋白質とする酵母のツー-ハイブリッ
ド解析(米国特許出願第08/511,485号および関連出願を
参照のこと)によって、XAF-1(XIAP関連因子1)と名
付けられた、37 kDaのRINGジンクフィンガー蛋白質を同
定した。 方法 クローンテック(Clonetech)社から購入することがで
きるプラスミドpAS2の中に、XIAPの全長をコードする領
域を挿入して、GAL4 DNA結合ドメインと全長XIAPとの融
合蛋白質をコードするプラスミドpAS2-XIAPを構築し
た。そして、PAS2-XIAPを、クローンテック(Clonetec
h)社から購入可能なヒト胎盤cDNA ライブラリーの、酵
母ツー-ハイブリッドを用いたスクリーニングにおける
「おとり」として用いた。この酵母ツー-ハイブリッド
解析と陽性クローンの単離、および、それに続く相互作
用解析を、既述されたところ(PCT公告国際公開公報第9
5/28497号)に従って実施した。アプライドバイオシス
テムズ・モデル373A自動シークエンサーによって、DNA
配列決定を行なった。
【0217】結果 図1に示したのは、コード鎖について決定されたXAF-1 c
DNAの完全な配列(配列番号:1;EMBLアクセション番
号:X99699)で、その下に、それにコードされる蛋白質
が一文字コードで示してある。アスタリスクは、終止コ
ドンを表す。XAF-1蛋白質全体で7個のジンクフィンガ
ー結合ドメインを有すると推定されているが、そのうち
6個が、N末側178アミノ酸の中に位置している。XAF-1
は、TRAFファミリーの蛋白質、特に、TRAF6に有意な相
同性を示すが、TRAF-CドメインとTRAF-Nドメインをもた
ない。
【0218】実施例II XAF-1のアミノ末端側の推定ジンクフィンガー 結果 図2に示されているのは、XAF-1のN末側178アミノ酸に
対応する、6個の推定ジンクフィンガー結合ドメインの
概略図である。
【0219】実施例III 多数のヒト組織におけるXAF-1 mRNAのノザンブロット解
析 方法 当技術分野において説明されている方法(例えば、アウ
スーベル(Ausubel)ら、前記、を参照のこと)を用い
て、心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、膵臓、
脾臓、胸腺、前立腺、精巣、卵巣、小腸、結腸の粘膜内
層、末梢血白血球から採った組織からmRNAを抽出した。
以下の細胞系からもmRNAを抽出した: HL-60、全骨髄球白血病; HeLa/S3、子宮頸部上皮様癌; K-562、慢性骨髄性白血病; MOLT-4、リンパ芽球性白血病; Raji、バーキットリンパ腫; SW480、大腸腺腫; A549、肺癌腫;および G361、黒色腫。
【0220】mRNA試料を電気泳動によって分離して、ニ
トロセルロース膜に移動させた後、(アウスーベル(Aus
ubel)ら、前記、で説明されているように)放射性同位
元素で標識したXAF-1 cDNAをプローブに用いて、XAF-1
mRNAの存在とその発現レベルについてノザンブロット解
析を行なった。
【0221】これに加えて、肺、気管、胎盤からmRNAを
抽出し、また、脳、心臓、精巣、腎臓および胎児組織の
さまざまなサブユニットからもmRNAを抽出した。酵母と
大腸菌からもRNAを抽出した。このRNAと、ヒト、大腸菌
および酵母から抽出したDNAとをドット-ブロット装置に
よってドット-ブロットし、電気泳動によってニトロセ
ルロース膜に移動させた。そして、放射性同位元素で標
識したXAF-1 cDNAをプローブに用いて、XAF-1 mRNAの存
在とその発現レベルを検索した。
【0222】結果 さまざまな組織の正常な細胞の中で、XAF-1をコードす
るmRNAは明らかに発現している。図3は、ノザンブロッ
ト解析によって、XAF-1 mRNAが、調査した多様な組織の
中に広く分布していることが明らかになり、心臓、胎
盤、脾臓、胸腺、卵巣、小腸、結腸の粘膜内層および末
梢血白血球で発現レベルが最も高いことを示している。
また、白血病細胞系のK-562とMOLT-4の中にも、XAF-1 m
RNAが存在している。
【0223】図4に示されているさまざまな組織のドッ
ト-ブロット解析によって、XAF-1 mRNAは、脳、心臓、
精巣、腎臓、肺、気管、胎盤および胎児組織の、図に示
されたさまざまな領域に広く分布していることが明らか
になった。しかし、XAF-1 mRNAは、酵母と大腸菌の中に
は見られなかった。
【0224】実施例IV XAF-1のゲノミックサザンブロット解析 方法 ATCC(メリーランド州ベセスダ)から入手可能なヒト子
宮内膜腺癌細胞HEC38-0とRaji細胞からゲノムDNAを調製
して、制限酵素BamH1とEcoR1、HindIIIで消化し、電気
泳動によって分離して、ニトロセルロース膜に移動させ
た。放射性同位元素で標識したXAF-1 cDNAをプローブに
用いて、膜に結合したDNAについて、サザンブロット解
析を行なった。
【0225】結果 図5が示すように、ヒトのゲノムにおいて、XAF-1をコー
ドする遺伝子のコピー数は限られているように見え、そ
の数はHEC38-0とRaji細胞の両方とも同じである。この
ことは、XAF-1をコードする遺伝子はただ一つであると
いうのが妥当で、また、調べられた2つの細胞系におい
て、この遺伝子が同じものであることを示している。
【0226】実施例V さまざまな細胞系におけるXAF-1のウェスタンブロット
解析 方法 いくつかの形質転換細胞系と不死化細胞系と、一つの初
期細胞系について、マウスのポリクローナルな抗XAF-1
抗血清を用いたウェスタンブロット解析により、XAF-1
mRNAの存在とその発現レベルを調べた。この抗体は、XA
F-1とXIAPのGST融合蛋白質を免疫原としてMBL社(日
本)に提供して得られたものである。細胞を溶解し、こ
の溶解物をSDS-PAGEで分離し、電気泳動によってナイロ
ン膜に移動させ、抗XAF-1ポリクローナル抗血清によっ
て免疫ブロットした。そして、膜に結合した蛋白質を、
市販されている抗マウス二次抗体を結合したホースラデ
ィッシュ・パーオキシダーゼでブロッティングし、化学
発光基質を用いて可視化した。ウェスタンブロット解析
に用いた細胞系は、 HeLa:上皮様癌、子宮頸部、ヒト; A431:類表皮癌、ヒト; SUDHL6:ホジキンリンパ腫、ヒト; P19:胎生期癌、マウス; cos-7:腎臓繊維芽、SV40による形質転換細胞、アフリ
カミドリザル; 293T:5型アデノウイルスで形質転換した初期胚腎臓、
ヒト; CHO:チャイニーズ・ハムスターの卵巣であった。
【0227】ウェスタンブロット解析のための陽性対照
として用いるために、mycで標識したXAF-1蛋白質を一過
的に発現している293T細胞を、以下の方法で作成した:
マイラス(Mirus)社から購入できるTrans-ITリポフェ
クチン試薬を用いた標準的な方法によって、293T細胞
(2×105)を、XAF-1をコードしている4μgのプラスミ
ドDNAで形質転換した。
【0228】結果 図6には、XAF-1発現に関する、さまざまな細胞系のウェ
スタンブロット解析が示されている。このタイプの解析
によれば、XAF-1の発現は普遍的で、多くの形質転換細
胞系では低いレベルで見られた。
【0229】実施例VI XAF-1の構築と発現 方法 全長XAF-1か、XAF-1のN末側173アミノ酸で、6個の予
想ジンクフィンガーをもち、TRAF4とTRAF6(XAF-1N)に
有意な相同性を有する領域を含むアミノ酸か、1個の予
想ジンクフィンガードメインを含むC末側173〜317のア
ミノ酸(XAF-1C)をコードする、哺乳動物の発現ベク
ターを、N末c-mycエピトープ配列を含むpcDNA3-myc発
現ベクター(これと同じベクターをインビトロゲン社か
ら購入することができる)に、各コード領域を挿入して
構築した。XAF-1のアンチセンス構築物を作成するため
に、XAF-1の723-1番目の塩基配列に当たる720 bpの断片
を(非コーディング方向に)、発現ベクターpcDNA3(イ
ンビトロゲン社)の中にクローニングした。
【0230】マイラス(Mirus)社から購入できるTrans
-ITリポフェクチン試薬を用いた標準的な方法によっ
て、XAF-1、XAF-1N、または、XAF-1Cをコードする4μg
のプラスミドDNAで293T細胞(2×105)を一過性形質転
換した。形質転換してから約48時間後に細胞を溶解し、
細胞106個分をSDS-PAGEで分離し、電気泳動によってナ
イロン膜に移動させた。そして、膜に結合した蛋白質
を、抗mycモノクローナル抗体(9E10)(アマシャム・
ライフサイエンス(Amersham Life Science)社)によ
って免疫ブロットした後、抗マウス二次抗体を結合した
市販のホースラディッシュ・パーオキシダーゼでイムノ
ブロッティングした。免疫反応を起こした蛋白質を、基
質を加えた後の化学発光によって可視化した。
【0231】結果 図7に示されているのは、さまざまなXAF-1構築物によっ
てコードされるポリペプチドの概要図である。ここで
は、アンチセンスXAF-1は、「コーディング」方向に示
されているが、ベクターの中では、「非コーディング」
方向に挿入し、発現される。
【0232】図8に示されているのは、XAF-1、XAF-1Nま
たはXAF-1Cで一過性形質転換して、抗c-myc抗体で検出
した、293T細胞のウェスタンブロット解析である。発現
された蛋白質は、アミノ酸配列から予想された通りの電
気泳動移動度を示している。
【0233】実施例VII XAF-1の過剰発現が細胞の生存に与える効果 方法 LacZ蛋白質(陰性対照)、p53(細胞周期停止の陽性対
照)またはXAF-1蛋白質のいずれかを過剰発現する組み
換えアデノウイルスを構築した。感染多重度(MOI)10
で、HeLa(子宮頸癌、メリーランド州ベセスダのATCCか
ら入手可能)とHEL(ヒト胚の肺上皮細胞、メリーラン
ド州ベセスダのATCCから入手可能)に、組み換えアデノ
ウイルスを感染させた。3回実験した[独立の]感染細
胞の試料を、感染後t=0、24、48、72、96時間経過した
時に感染細胞を回収した。標準的なMTT解析を用いて細
胞の生存力を調べた。簡単にいうと、ウェルから培地を
取り除き、10分の1容量のMTT(臭化3-[4,5-ジメチルチ
アゾル-2-イル]-2,5-ジフェニルテトラゾリウム、シグ
マ(Sigma)社から購入可能)入りリン酸緩衝食塩水で
置換して、37℃で4時間インキュベートした。そして、
酸性イソプロパノール(100%イソプロパノール中0.1 N
HCl)を用いて、変色した色素を抽出し、分光光度計の
中で、570 nmでの吸光度を測定した。生細胞では活性が
あるが、死細胞では活性のないミトコンドリアの酵素に
よって、570 nmで吸光する色素への基質の転換が行われ
る。
【0234】さらに、この方法は、「ジェイ・カーマイ
ケル(Carmichael, J.)ら、CancerRes. 47: 936〜94
2」および、「エス・ミヤケ(Miyake,S)ら、Proc. Nat
l. Acad. Sci.USA 93: 1320〜1324」でも説明されてい
る。
【0235】結果 図9および10から分かるように、アデノウイルス-LacZ
は、細胞の生存力に影響しなかった(感染していない対
照であるCONと比較のこと)。これに対して、HEL細胞の
初期培養を用いると、p53によって、生存力のある細胞
の数が大幅に減少した(図9)が、HeLa癌細胞系では減
少しなかった(図10)。XAF-1を発現するアデノウイル
スは、HEL細胞とHeLa細胞系の両方で、生存細胞の数を
同じように減少させた。したがって、HeLa細胞系におけ
る生存力の低下は、p53とは無関係であると考えられ
る。写真には、アデノ-LacZ、アデノ-p53、アデノ-XAF-
1を感染させたHEL細胞(図11、12、13)とHeLa細胞(図
14、15、16)が含まれる。XAF-1を過剰発現するHEL細胞
の形態は、細胞停止したものと一致する。これとは対照
的に、XAF-1を過剰発現するHeLa細胞は、核濃縮および
広範な気泡を生じるなど、典型的なアポトーシスの特徴
を示す。標準的な位相差倒立組織培養顕微鏡を用いて、
感染後4日目に撮影した。
【0236】実施例VIII XAF-1を過剰発現するHEL細胞とHeLa細胞の細胞周期解析 方法 LacZを発現する(陰性対照)か、p53を発現する(細胞
周期停止に関する陽性対照)か、XAF-1を発現する組み
換えアデノウイルスを用いて、1×105個のHeLa細胞かHE
L細胞をMOI 10 で感染させた。感染後96時間で細胞を回
収し、PBSで洗浄した後、100%エタノールで固定した。
固定した細胞は、1000RPMで遠心分離してエタノールを
除去し、細胞を1 mlのPBSで再懸濁した。0.1 mg/mlのRN
Aseを100μl加えてから、37℃で30分間、細胞をインキ
ュベートした。DNA含有物を染色するために、1 mg/mlの
プロピジウムヨウ素(propidium iodine)を加えた。そ
して、FACS機で細胞を解析し、細胞周期効果を調べた。
【0237】結果 HEL細胞では、アデノ-LacZ感染は、細胞周期プロフィー
ルに対して何の効果ももたなかった(図17[非感染]を
図18[LacZ感染]と比較のこと)。これに対して、アデ
ノウイルスを発現しているp53(図19)とXAF-1(図20)
の両者は、実質的に完全な細胞周期停止と、G1休止をも
たらした(S期細胞が見られないことと、G1休止細胞が
蓄積されることに注意)。p53とXAF-1の効果は同じであ
る。図21および22から分かるように、LacZウイルスを感
染させても効果はなかった。HEL細胞とは対照的に、ア
デノ-p53ウイルスで感染させても、HeLa細胞は停止しな
かった(図23)。アデノ-XAF-1ウイルスを感染させた場
合には、HeLa細胞はG1期で休止しなかったが、アポトー
シスを起こした(図23)。(注意:FACSの出力スケール
を変えると、G2休止[すなわち、2n DNAを有する細胞]
が起きたように見える。実際には、S期とG2期の細胞の
数は、有意には変化しなかった)。G1細胞がなくなり、
1n DNAよりも含有量が少ない細胞の数が増加するため、
アポトーシスを起こしたことがわかる。
【0238】実施例IX 蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FISH)に
よるXAF-1遺伝子の染色体上の位置づけ 方法 15%ウシ胎児血清と3μg/mlのコンカナバリンA、10μg
/mlのリポ多糖、および、50 nMのメルカプトエタノール
を含むRPMI1640培地の中で培養されていたマウス脾臓リ
ンパ球の単離されたばかり細胞でFISHを行なった。180
μg/mlのBrdUで14時間処理し、2.5μg/mlのチミジンを
含むα-MEMで4時間増殖させて、リンパ球を同調させ
た。低張溶解を用いて、スライド上に染色体を展開した
ものを調製し、その後、染色体を固定化して風乾した。
XAF-1特異的なゲノムのファージクローンから採った1μ
gのDNAプローブを、BRL社のBioNick標識キットを用い15
℃で1時間インキュベートして(ギブコ(Gibco) BRL
社)、ビオチン化dATPで標識した。スライドを55℃で1
時間ベークして、RNAseAで処理した後、染色体を、2XSS
C中70%のホルムアミドの中、70℃で2分間変性し、その
後、エタノール脱水を行なった。50%ホルムアミドと10
%硫酸デキストラン、1μg/mlのマウスcotI DNAの中
で、変性した染色体に対するプローブハイブリダイゼー
ションを一晩行なった。スライドを2XSSC/50%ホルムア
ミドで洗浄した後、42℃の2XSSC中に置いた。アビジン
と抗アビジン抗体とを結合したフルオロセイン・イソチ
オシアネートを用いて、ビオチン標識したDNAを増幅し
て検出した(図25A)。染色体をギムザ液で対比染色し
て、写真撮影した(図25B)。
【0239】結果 XAF-1遺伝子は、17番染色体の最末端の、p13.3領域にマ
ップされることが分かった。この領域は、未同定の腫瘍
抑制遺伝子をコードしていることが分かっている。この
腫瘍抑制遺伝子は、子宮頸部癌(パーク(Park)ら、Canc
er Genet. Cytogenet. 79: 74〜78, 1995)、乳癌(コ
ーネリス(Cornelis)ら、Cancer Res. 54:4200〜4206, 1
994;メルロ(Merlo)ら、Cancer Genet. Cytogenet. 76:
106〜111, 1994 )、胃癌(キム(Kim)ら、Lab. Invest.
72: 232〜236, 1995)、卵巣上皮癌(ウェルセイム(We
rtheim)ら、Oncogene 12: 2147〜2153, 1996)、小児髄
芽腫(マクドナルド(McDonald)ら、Genomics 23: 229
〜232, 1994,コーガン(Cogan)およびマクドナルド(McDo
nald)による総説、J. of Neuro-Oncology 29: 103〜11
2, 1996)、肺癌(ホワイト(White)ら、Br. J. Cancer
74: 863〜870, 1996)などの、多くの腫瘍型に関与して
いると考えられている。このように、XAF-1は腫瘍抑制
遺伝子と思われるため、癌細胞でXAF-1を過剰発現する
ように設計した治療法(すなわち、遺伝子治療、内在性
XAF-1を促進制御する化合物、または、XAF-1経路を活性
化する化合物)が有効だと考えられる。さらに、XAF-1
は、XAF-1遺伝子座の中のマイクロサテライトのPCRによ
る検出を用いるLOH型解析の発達による癌診断におい
て、重要な病期分類/予後病徴の指標を提供する。
【0240】実施例X XAF-1蛋白質の細胞分画での局在 方法 HeLa細胞(ATCC、メリーランド州ベセスダ)の3回反復
プレートに、ニワトリのβ-アクチンプロモーターの制
御下、MOI10でXAF-1の読み枠を発現する組み換えアデノ
ウイルスを感染させた。感染後48時間に、細胞を回収し
て、5 mlのリン酸緩衝食塩水にいれ、低速遠心分離(ベ
ックマンJA-10ローターで、4℃、1000 rpm、5分間)に
よって沈澱させ、以下のようにして、細胞抽出物を調製
した。 −等張のトリス緩衝食塩水(pH 7.0)で洗浄した。 −細胞抽出バッファー(50 mM PIPES, 50 mM KCl, 5 mM
EGTA, 2mM MgCl2, 1 mMDTT, 20μMサイトカラシンB)
の中で、凍結融解を5回繰り返して細胞を破砕した。 −JA-10ローター中、5000 RPMで5分間遠心分離して、
核を沈澱させた。核沈殿物を等張のトリスpH 7.0に再懸
濁し、-80℃で凍結させた。 −さらに、細胞質抽出物を、TA 100.3ローター中、60,0
00 RPMで30分間遠心分離して処理した。上清(細胞質抽
出物)を-80℃で凍結させた。沈澱物質(膜画分)を等
張のトリスpH 7.0に再懸濁し、凍結させた。 −核画分、膜画分、細胞質画分を、12.5%のSDSアクリ
ルアミドゲルで電気泳動して、PVDF膜上にエレクトロブ
ロットした。 −まず、0.5%NP-40と3%スキムミルク粉末を含むトリ
ス緩衝食塩水中、1:1,500の濃度でウサギのポリクロー
ナル抗XAF-1抗体を用いて、ウェスタンブロットを行な
った。二次抗体は、ホースラディッシュ・パーオキシダ
ーゼを結合したヤギ抗ウサギIgG(アマシャム(Amersha
m)社)を、同 じバッファーシステムで1:2000の希釈率
で用いた。アマシャム社のECLキットを用い、製造業者
の指示に従って、結合抗体の化学発光検出を行なった。
そして、ポリクローナル抗XIAP抗体を1:2000の希釈率で
用いて、この膜を再検出し、上記したように処理した。
【0241】結果 図26は、大多数のアデノウイルスが、XAF-1蛋白質とし
て分画されたものを核区分で発現させたことを示してい
る。この蛋白質の僅かな分画が膜画分で見つけられた
が、核画分と膜画分の分離が完全に行われなかったため
と考えられる。この蛋白質は、細胞質画分には全く見ら
れなかった。図27は、XAF-1蛋白質の過剰発現によっ
て、内在性のXIAP蛋白質の1/2以上が、細胞質画分から
核画分へ再分布する結果になったことを示している。こ
れに対する説明としては、XAF-1の機能として、XIAP蛋
白質を「本当の」作用部位である核に再局在させること
にあるともいえる。または、XIAPは、XAF-1の核での機
能を妨害するのかもしれない。
【0242】実施例XI XAF-1蛋白質が核の中にあることが、GFP染色によって分
かった 方法 pGFP-XAF-1と名付けた発現ベクターを構築して、緑色蛍
光蛋白質(GFP)とXAF-1(クローンテック(Clontech)
社)との融合蛋白質を作成した。GFPのコード領域を、
全長XAF-1のコード領域のアミノ末端に融合させた。CHO
-K1細胞か、フィッシャーラット胎児由来の3Y1初期ラッ
ト胚繊維芽細胞(日本のつくば市にある理研ジーンバン
ク(Riken gene bank)から入手可能)を、マイラス(Mir
us)社から購入できるTrans-ITリポフェクチン試薬を用
いた標準的なリポフェクチン法によって、pGFPまたはpG
FP-XAF-1で一過性形質転換した。形質転換して24時間後
に、青色のフィルターを用いた蛍光顕微鏡で細胞を可視
化した。
【0243】すべての細胞を、エバンスブルーで対比染
色した。
【0244】結果 図28のA、BおよびCは、形質転換されたCHO-K1細胞の写
真である。図28のAおよびBは、pGFP-XAF-1で一過性形質
転換されたCHO-K1細胞の中で、GFPで標識されたXAF-1蛋
白質が核に局在したことを示している。これは、図28C
に示されているように、pGFPで一過性形質転換されたCH
O-K1細胞の中では、GFPが細胞質にも核にも均一に分布
したことと対照的である。
【0245】図29のAおよびBは、pGFPで一過性形質転換
された3Y1細胞の中で、GFPが細胞質にも核にも均一に分
布したことを示している。
【0246】図30のAおよびBは、pGFP-XAF-1で一過性形
質転換された3Y1細胞の中で、GFPで標識されたXAF-1蛋
白質が核に局在したことを示している。
【0247】さらに、本発明者らは、XAF-1の発現によ
って、XIAP蛋白質が細胞質から核へ再分布するようにな
ることを明らかにした。
【0248】実施例XII XAF-1の過剰発現も、哺乳動物のIAPの過剰発現も、293
T細胞の中でNF-κBの活性化を誘導することができない
増大しているTRAF蛋白質ファミリーを構成する蛋白質は
すべて、アミノ末端にRINGジンクフィンガー、および/
または、別のジンクフィンガー、ロイシンジッパーを有
する。また、このファミリーを特徴づける、固有の保存
されたカルボキシ末端コイル化コイルモチーフのTRAF-C
ドメインを有する。TRAF1とTRAF2が、TNF-R2シグナル複
合体(ロゼ(Rothe)ら、Cell 78: 681〜692, 1994)の構
成要素として最初に同定された。TRAF蛋白質間の相互作
用は複雑で、それ自体は明らかな酵素活性を示さないア
ダプター分子としての推定機能を反映している。
【0249】方法 N末端c-mycエピトープ配列を含むpcDNA3-myc発現ベク
ター(インビトロゲン社から市販されているベクターと
同じ)の中に、各コード領域を挿入して、XAF-1、HIAP-
1、HIAP-2、XIAP、TRAF1、TRAF2、TRAF3、TRAF4、TRAF
5、TRAF6、RIP、および、TRADDをコードする哺乳動物発
現ベクターを構築した。PCR増幅した-730番目から52番
目のEセレクチン・プロモーター配列を、プロメガ社(Pr
omega)から購入可能なpGL3-ベーシックベクターの中に
挿入して、NF-κB蛍ルシフェラーゼレポータープラスミ
ドpELAM-Luを構築した。
【0250】コラーゲンでコートした6穴プレートの中
に、形質転換の24時間前に、各ウェル当たり2×105個の
293T細胞を接種した。そして、マイラス(Mirus)社か
ら購入できるTrans-ITリポフェクチン試薬を用いた標準
的なリポフェクチン法によって、0.5μgのpELAM-Luレポ
ータープラスミドと0.05μgのpRL-CMV、1μgのそれぞれ
示された発現プラスミド、および、DNA全量を4μgにす
る量のpCMV-myc対照プラスミドで形質転換した。形質転
換して24時間後に、PBSで細胞を洗浄し、プロメガ社(Pr
omega)から市販されているパッシブ・リーシスバッファ
ー(Passive Lysis Buffer)400μlで細胞を溶解した。
各試料からの溶解物(20μl)を蛍ルシフェラーゼ活性
の測定に用いた。蛍ルシフェラーゼ活性を測定して、Re
nillaのルシフェラーゼ発現レベルを基準に標準化し
た。製造業者(プロメガ(Promega)社)のプロトコール
にしたがって、2元ルシフェラーゼ測定システムを用い
て、モデルTD20/20ルミノメータで測定した。示された
数値は、形質転換を2回ずつ反復した実験の平均値であ
る。
【0251】結果 XAF-1、HIAP-1、HIAP-2およびXIAPは、293T細胞の中でN
F-κB活性を誘導しなかった。図31に示されているよう
に、293T細胞の中で単独で発現させると、どのIAPも、X
AF-1も、ルシフェラーゼ活性で測定するかぎり、NF-κB
活性は測定できるほどなかった。しかし、TRAF2、TRAF
5、TRAF6、RIPおよびTRADDを発現するプラスミドはすべ
て、レポーター遺伝子を活性化した。TRAF1、TRAF3およ
びTRAF4は、レポーター遺伝子を活性化しなかった。
【0252】また、本発明者らは、XIAPがHeLa細胞の中
でNF-κBを活性化できることを示すデータも得た。
【0253】実施例XIII XAF-1と哺乳動物のIAPの同時発現は、293T細胞の中でN
F-κBの活性化を誘導しない 方法 コラーゲンでコートした6穴プレートの中に、形質転換
の24時間前に、各ウェル当たり2×105個の293T細胞を接
種した。そして、マイラス(Mirus)社から購入できるT
rans-ITリポフェクチン試薬を用いた標準的なリポフェ
クチン法によって、0.5μgのpELAM-Luレポータープラス
ミドと0.05μgのpRL-CMV、4μgのそれぞれ示された発現
プラスミド、および、DNA全量を5μgにする量のpCMV-my
c対照プラスミドで形質転換した。形質転換して24時間
後に、PBSで細胞を洗浄し、プロメガ社(Promega)から市
販されているパッシブ・リーシスバッファー(Passive
Lysis Buffer)400μlで細胞を溶解した。各試料からの
溶解物(20μl)を蛍ルシフェラーゼ活性の測定に用い
た。蛍ルシフェラーゼ活性を測定して、Renillaのルシ
フェラーゼ発現レベルを基準に標準化した。製造業者
(プロメガ(Promega)社)のプロトコールにしたがっ
て、2元ルシフェラーゼ測定システムを用いて、モデル
TD20/20ルミノメータで測定した。示された数値は、形
質転換を2回ずつ反復した実験の平均値である。
【0254】結果 図32に示されているように、IAPはすべて、単独でも、X
AF-1と組み合わせても、293T細胞の中で発現させたとき
には、NF-κBを測定可能なほどには活性化しなかった。
ここで、陽性対照のTRAF6は、NF-κBの活性化を誘導し
た。
【0255】実施例XIV TRAF6が媒介するNF-κBの活性化に対するXAF-1発現の用
量応答効果 方法 コラーゲンでコートした6穴プレートの中に、形質転換
の24時間前に、各ウェル当たり2×105個の293T細胞を接
種した。そして、マイラス(Mirus)社から購入できるT
rans-ITリポフェクチン試薬を用いた標準的なリポフェ
クチン法によって、0.5μgのpELAM-Luレポータープラス
ミドと0.1μgのpRL-CMV、0.5μgのpCMV-TRAF6、それぞ
れ示された量のpCMV-XAF-1、および、DNA全量を4μgに
する量のpCMV-myc対照プラスミドで形質転換した。形質
転換して24時間後に、PBSで細胞を洗浄し、プロメガ社
(Promega)から市販されているパッシブ・リーシスバッ
ファー(Passive Lysis Buffer)400μlで細胞を溶解し
た。各試料からの溶解物(20μl)を蛍ルシフェラーゼ
活性の測定に用いた。蛍ルシフェラーゼ活性を測定し
て、Renillaのルシフェラーゼ発現レベルを基準に標準
化した。製造業者(プロメガ(Promega)社)のプロトコ
ールにしたがって、2元ルシフェラーゼ測定システムを
用いて、モデルTD20/20ルミノメータで測定した。示さ
れた数値は、形質転換を2回ずつ反復した実験の平均値
である。
【0256】結果 図33に示された結果から、TRAF6の発現だけでも、NF-κ
B活性を誘導することができるが、XAF-1と同時にTRAF6
を発現させると、NF-κB活性のレベルは増加し、XAF-1
発現が増加するにつれて、NF-κB活性のレベルも増加す
る。したがって、XAF-1は、TRAF6のNF-κB誘導能力を高
めることができる。
【0257】実施例XV TRAF6が媒介するNF-κB活性化に対するXIAP発現の用量
応答効果 方法 コラーゲンでコートした6穴プレートの中に、形質転換
の24時間前に、各ウェル当たり2×105個の293T細胞を接
種した。そして、マイラス(Mirus)社から購入できるT
rans-ITリポフェクチン試薬を用いた標準的なリポフェ
クチン法によって、0.5μgのpELAM-Luレポータープラス
ミドと0.1μgのpRL-CMV、0.5μgのpCMV-TRAF6、それぞ
れ示された量のpCMV-XIAP、および、DNA全量を4μgにす
る量のpCMV-myc対照プラスミドで形質転換した。形質転
換して24時間後に、PBSで細胞を洗浄し、プロメガ社(Pr
omega)から市販されているパッシブ・リーシスバッファ
ー(Passive Lysis Buffer)400μlで細胞を溶解した。
各試料からの溶解物(20μl)を蛍ルシフェラーゼ活性
の測定に用いた。蛍ルシフェラーゼ活性を測定して、Re
nillaのルシフェラーゼ発現レベルを基準に標準化し
た。製造業者(プロメガ(Promega)社)のプロトコール
にしたがって、2元ルシフェラーゼ測定システムを用い
て、モデルTD20/20ルミノメータで測定した。示された
数値は、形質転換を2回ずつ反復した実験の平均値であ
る。
【0258】結果 図34に示された結果から、TRAF6の発現だけでも、NF-κ
B活性を誘導することができるが、XIAPと同時にTRAF6を
発現させると、NF-κB活性のレベルは増加し、XIAP発現
が増加するにつれて、NF-κB活性のレベルも増加する。
したがって、XIAPは、TRAF6のNF-κB誘導能力を高める
ことができる。
【0259】実施例XVI TRAF6-とTRAF2-が媒介するNF-κB活性化に対するXAF-1
発現とXIAP発現の協同効果方法 コラーゲンでコートした6穴プレートの中に、形質転換
の24時間前に、各ウェル当たり2×105個の293T細胞を接
種した。そして、Trans-ITリポフェクチン試薬(マイラ
ス社)を用いた標準的なリポフェクチン法によって、0.
5μgのpELAM-Lu(pGL3-E-セレクチン・プロモーター)
と0.05μgのpRL-CMV、1μgのpCMV-TRAF6か1μgのpCMV-T
RAF2、1μgのpCMV-XAF-1および/またはpCMV-XIAP、およ
び、DNA全量を4μgにする量のpCMV-myc対照プラスミド
で形質転換した。形質転換して24時間後に、PBSで細胞
を洗浄し、パッシブ・リーシスバッファー(Passive Ly
sisBuffer)(プロメガ社(Promega))400μlで細胞を溶
解した。各試料からの溶解物(20μl)を蛍ルシフェラ
ーゼ活性の測定に用いた。蛍ルシフェラーゼ活性を測定
して、Renillaのルシフェラーゼ発現レベルを基準に標
準化した。製造業者(プロメガ(Promega)社)のプロト
コールにしたがって、2元ルシフェラーゼ測定システム
を用いて、モデルTD20/20ルミノメータ(プロメガ社(Pr
omega))で測定した。示された数値は、形質転換を2回
ずつ反復した実験の平均値である。
【0260】結果 図35に示されているように、TRAF6が媒介するNF-κB活
性化に対するXIAPとXAF-1の効果は相加的であった。図3
6は、XIAPとXAF-1が、TRAF6が媒介するNF-κB活性化を
助長するよりも、その程度は低いが、TRAF2が媒介するN
F-κBの活性化も助長できたことを示している。このよ
うに、XIAPとXAF-1は、シグナル伝達能力において、協
同的に作用する。
【0261】実施例XVII XAF-1のC末端は、TRAF6が媒介するNF-κBの活性化を促
進する 方法 TRAF4とTRAF6に有意な相同性を有する領域を含み、6個
の推定ジンクフィンガーを有するXAF-1のアミノ末端ド
メイン(XAF-1N)か、1個の推定ジンクフィンガードメ
インを有するカルボキシ末端(XAF-1C)を発現する発現
プラスミドの、TRAF6が媒介するNF-κBの活性化を増加
する能力について調べた。
【0262】293T細胞(2×105)を、0.5μgのpELAM-Lu
レポータープラスミドと、0.1μgの、プロメガ(Promeg
a)社から購入可能なpRL-TK、0.5μgのpCMV-TRAF6、1μg
の指示された発現プラスミド、および、DNA全量を4μg
にする量のpCMV-myc対照プラスミドで形質転換した。形
質転換して24時間後に蛍ルシフェラーゼ活性を測定し
て、Renillaのルシフェラーゼ発現レベルを基準に標準
化した。示された数値は、形質転換を2回ずつ反復した
実験の平均値である。
【0263】結果 図37で示されているように、XAF-1蛋白質のカルボキシ
末端が、NF-κBのTRAF6誘導に対するXAF-1の相加的効果
を媒介することが分かった。XAF-1Nの発現は、NF-κBを
誘導するTRAF6の能力を強化しなかったが、XAF-1Cは、T
RAF6によるNF-κB誘導を実質的に強化した。前の図32で
示したように、全長XAF-1は、NF-κBのTRAF6誘導を明ら
かに増加させた。
【0264】実施例XVIII 293T細胞におけるTRAF5-とTRAF6-が媒介するNF-κBの活
性化に対するアンチセンスXAF-1発現の阻害効果 方法 bcl-2アンチセンス構築物を作成するために、1.5 kbのb
cl-2のEcoRI断片を、インビトロゲン(Invitrogene)社が
市販しているpcDNA3プラスミドの中に、非コーディング
方向になるようクローニングした。
【0265】293T細胞(2×105)を、0.5μgのpELAM-Lu
レポータープラスミドと、0.1μgの、プロメガ(Promeg
a)社が市販しているpRL-TK、0.5μgのpCMV-TRAF5かpCMV
-TRAF6、3μgの指示されたアンチセンスプラスミド:ア
ンチセンスXAF-1(240-1)かアンチセンスbcl-2(450-2
3)、および、DNA全量を5μgにする量のpCMV-myc対照プ
ラスミドで形質転換した。形質転換して24時間後に蛍ル
シフェラーゼ活性を測定して、Renillaのルシフェラー
ゼ発現レベルを基準に標準化した。示された数値は、形
質転換を2回ずつ反復した実験の平均値である。
【0266】結果 図38は、アンチセンスXAF-1の発現が、TRAF6に誘導され
るNF-κBの活性化を有意に阻害し、その程度は低いが、
TRAF5に誘導されるNF-κBの活性化も阻害することを示
している。アンチセンスbcl-2は同じ効果を示さなかっ
たため、この阻害はXAF-1に特異的であった。
【0267】実施例XIX IL-1βに誘導されるNF-κB活性化に対するアンチセンス
XAF-1発現の阻害効果 方法 293T細胞(2×105)を、0.5μgのpELAM-Luレポータープ
ラスミド、0.1μgの、プロメガ(Promega)社が市販して
いるpRL-TK、指示された量のアンチセンスプラスミド:
アンチセンスXAF-1(240-1)かアンチセンスbcl-2(148
6-23)、および、DNA全量を5μgにする量のpCMV-myc対
照プラスミドで形質転換した。形質転換して24時間後
に、20 ng/mlのインターロイキン-1β(IL-1β)で6時
間細胞を処理した。IL-1β処理後、蛍ルシフェラーゼ活
性を測定して、Renillaのルシフェラーゼ発現レベルを
基準に標準化した。示された数値は、形質転換を2回ず
つ反復した実験の平均値である。
【0268】結果 図39に示されているように、アンチセンスXAF-1の発現
は、インターロイキン-1βに誘導されるNF-κBの活性化
を有意に阻害した。アンチセンスbcl-2は同じ効果を示
さなかったので、この阻害はXAF-1に特異的であった。
【0269】実施例XX IL-1βに誘導されるNF-κB活性化に対するアンチセンス
XAF-1の用量応答効果 方法 293T細胞(2×105)を、0.5μgのpELAM-Luレポータープ
ラスミド、0.1μgの、プロメガ(Promega)社が市販して
いるpRL-TK、指示された量のpCMV-XAF-1、および、DNA
全量を5μgにする量のpCMV-myc対照プラスミドで形質転
換した。形質転換して24時間後に、20 ng/mlのインター
ロイキン-1β(IL-1β)で6時間細胞を処理した。IL-1
β処理後、蛍ルシフェラーゼ活性を測定して、Renilla
のルシフェラーゼ発現レベルを基準に標準化した。示さ
れた数値は、形質転換を2回ずつ反復した実験の平均値
である。
【0270】結果 図40に示されているように、全長XAF-1の発現は、イン
ターロイキン-1βに媒介されるNF-κBの誘導を用量依存
的に増強する。
【0271】実施例XXI TRAF2-、TRAF5-およびTRAF6が媒介するNF-κB活性化に
対して、A20発現が有する阻害効果 A20蛋白質はNF-κBに誘導され、再びTRAF-Cを通して、T
RAF1とTRAF2の両方に結合する。A20のTRAF2への結合
は、負のフィードバックループにおけるNF-κB活性化を
阻害する(ソング(Song)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA 93:6721〜6725, 1996)。A20の過剰発現は、細胞にT
NFαのアポトーシス効果に対する抵抗性を付与し(オポ
パリ(Opopari)ら、J. Biol. Chem. 267: 12424〜12427,
1992)、また、CD40シグナルが送られた後に起きるア
ポトーシスに対する抵抗性を、B細胞に付与するのに関
与するかもしれないことが、以前から確証されていた
(サルマ(Sarma)ら、270: 12353〜12346, 1995)。
【0272】方法 293T細胞(2×105)を、0.5μgのpELAM-Luレポータープ
ラスミド、0.1μgの、プロメガ(Promega)社が市販して
いるpRL-TK、0.5μgのpCMV-TRAF2、pCMV-TRAF5またはpC
MV-TRAF6、0.5μgのpCMV-A20、および、DNA全量を4μg
にする量のpCMV-myc対照プラスミドで形質転換した。形
質転換して24時間後に、蛍ルシフェラーゼ活性を測定し
て、Renillaのルシフェラーゼ発現レベルを基準に標準
化した。示された数値は、形質転換を2回ずつ反復した
実験の平均値である。
【0273】結果 図41に示した実験において、A20をTRAF2、TRAF5またはT
RAF6と同時に形質転換したところ、事実上NF-κB活性化
の完全な阻害が起きた。
【0274】実施例XXII XAF-1は、TRAF6が媒介するNF-κB活性化に対するA20発
現の効果を抑制する 方法 293T細胞(2×105)を、0.5μgのpELAM-Luレポータープ
ラスミド、0.1μgの、プロメガ(Promega)社が市販して
いるpRL-TK、0.5μgのpCMV-TRAF6、2μgのpCMV-XAF-1、
指示された量のpCMV-A20、および、DNA全量を5μgにす
る量のpCMV-myc対照プラスミドで形質転換した。形質転
換して24時間後に、蛍ルシフェラーゼ活性を測定して、
Renillaのルシフェラーゼ発現レベルを基準に標準化し
た。示された数値は、形質転換を2回ずつ反復した実験
の平均値である。
【0275】結果 図42に示されているように、XAF-1発現には、TRAF6が媒
介するNF-κB活性化をA20の媒介によって阻害する機能
を部分的に中和する効果があった。
【0276】実施例XXIII さまざまなTRAFおよび哺乳動物のIAPとXAF-1との相互作
用 方法 XIAPとXAF-1をコードする領域を、ファルマシア(Pharm
acia)社から購入可能なpGEX-4T-1発現ベクターに、読
み枠を合わせてクローニングした。主に、製造業者のプ
ロトコール(ファルマシア社)にしたがって、GST融合
蛋白質の発現と精製を行なった。
【0277】mycエピトープで標識したTRAFおよび哺乳
動物のIAP発現ベクター(5μg)を用いて、293T細胞を
一過性形質転換した。36時間後、細胞を溶解して、10μ
lのグルタチオンビーズに固定したGST-XAF-1融合蛋白質
かGST-対照蛋白質(日本住血吸虫(Schistosoma japoni
cum)に由来するグルタチオン-s-トランスフェラーゼ)
と一緒にインキュベートした。ビーズに吸着した蛋白質
をSDS-PAGEによって解析してから、抗c-mycモノクロー
ナル抗体(9E10)を用いてウェスタンブロットを行なっ
た。各レーンには、以下の試料を泳動した: レーン1:HIAP-2、 レーン2:TRAF1、 レーン3:TRAF2、 レーン4:TRAF3、 レーン5:A20。 Aレーンの蛋白質は、GST-XAF-1融合蛋白質でアフィニテ
ィー精製されたものである。Bレーンの蛋白質は、GST
対照蛋白質でアフィニティー精製されたものである。
【0278】結果 図43に示すように、GST相互作用解析により、XAF-1が、
HIAP-2、TRAF1、TRAF2、およびA20を含むさまざまな細
胞内蛋白質と複合体を形成できることが明らかになっ
た。このタイプの解析では、間接的な相互作用と直接的
な結合とを区別することはできない。例えば、XAF-1は
(2ハイブリッド解析によって示されたところによる
と)TRAF2に直接結合するようであるが、今度は、このT
RAF2がTRAF1かA20と相互作用することができる。
【0279】実施例XXIV インビトロで翻訳されたTRAF2とHIAP-1は、XAF-1に結合
する方法 pCDNA3-mycの中に作成したさまざまなTRAF2とHIAP-1の
発現構築物とTNT T7結合網状赤血球ライセートシステム
とを用いて、製造業者の説明(プロメガ社(Promega))
とデュポン/NEN(DuPont/NEN)社が市販している35
標識メチオニンによって、インビトロで翻訳した35S標
識蛋白質を作成した。
【0280】インビトロで翻訳した35S標識蛋白質を、
10μlのグルタチオンビーズに固定したGST-XAF-1融合蛋
白質かGST-対照蛋白質と一緒にインキュベートした。ビ
ーズに吸着した蛋白質をSDS-PAGEで解析した。そして、
蛋白質を含むゲルを乾燥させて、吸着した蛋白質を、ゲ
ルのオートラジオグラフィーによって検出した。各レー
ンには、以下の試料を泳動した: レーン1:HIAP1、 レーン2:TRAF2。 Aレーンの蛋白質は、GST-XAF-1融合蛋白質でアフィニテ
ィー精製されたものである。Bレーンの蛋白質は、GST
対照蛋白質でアフィニティー精製されたものである。
【0281】結果 図44に示したように、インビトロで翻訳されたHIAP-1と
TRAF2は両方とも、GST-XAF-1融合蛋白質に結合したが、
GST対照蛋白質には結合しなかった。この実験は、無細
胞系で行なったので、本発明者らは、HIAP-1:XAF-1とTR
AF2:XAF-1という相互作用は直接的なものであることを
明らかにした。
【0282】実施例XXV XAF-1は、XIAP、HIAP-1、HIAP-2およびTRAF2と直接的に
相互作用する 方法 捕食蛋白質(活性化ドメインハイブリッド)として、XI
AP、HIAP-1、HIAP-2、TRAF2、TRAF4およびXAF-1をコー
ドするpGAD GHプラスミド(クローンテック(Clontech)
社から購入可能)の2ハイブリッドスクリーニングにお
いて、プラスミドpAS2-XIAP、pAS2-HIAP-1、pAS2-HIAP-
2、pAS2-TRAF2、pAS2-TRAF4、pAS2-XAF-1、および、指
示された全長の蛋白質に融合したGAL4 DNA結合ドメイン
をコードするpAS2(ベクターのみ)をおとり蛋白質(DN
A結合ドメインハイブリッド)として用いた。この酵母
2ハイブリッド解析と陽性クローンの単離、および、そ
の後の相互作用解析は、他の文献(PCT公告国際公開公
報第95/28497号)で説明されているところにしたがって
行なった。DNAの配列決定は、アプライドバイオシステ
ムズ・モデル(Applied Biosystems Model)373A自動DNA
シークエンサー(Automated DNA sequencer)で行なっ
た。
【0283】結果 図45に示したのは、酵母2ハイブリッド解析で明らかに
なった、XAF-1の、哺乳動物IAPまたはTRAFとの相互作用
の一覧表である。本発明者らの結果は、XAF-1が、XIA
P、HIAP-1、HIAP-2およびTRAF2と直接相互作用する
(が、TRAF4とは相互作用しない)ことを明らかにし
た。文献で確証されているように、TRAF2は、TRAF1かA2
0と相互作用することができる。本発明者らは、本明細
書で、酵母2ハイブリッド解析において、XAF-1がTRAF2
に直接結合することを示したが、この相互作用を通し
て、XAF-1は、本発明者らが図43に示したようなTRAF1お
よびA20との複合体を形成できるのかもしれない。
【0284】実施例XXVI ヒトXAF-2の同定とクローニング 方法 本発明者らは、データベースをスクリーニングして、XA
F-1と有意な相同性を有するESTを捜した。このようなES
Tが数多く確認された。EST配列から、オリゴヌクレオチ
ドプライマーを作成して、本発明者らが「XAF-2」と名
付けた蛋白質をコードするcDNAをPCRによってクローニ
ングした。
【0285】結果 図46は、XAF-2の長いスプライス変異体の5'側の塩基配
列(配列番号:3)とN末端側のアミノ酸配列(配列番
号:4)を示している。XAF-2蛋白質のN末端には、N
末側150アミノ酸の中にジンクフィンガーが5個あり、X
AF-1(配列番号:2)と38%のアミノ酸相同性を示す。
XAF-2は、また、2個のRINGジンクフィンガーを含む独
自のC末端を有するため、XAF-2蛋白質全体では、XAF-1
と同じに、7個のジンクフィンガードメインを持ってい
る。図47は、図46の塩基配列から約250ヌクレオチド分
C末端側に位置する3'側非翻訳領域(UTR)の配列を示
している。XAF-2には、少なくとも2つのスプライシン
グによる変異体がある。図48および49は、XAF-2の長い
スプライス変異体(XAF-2L)の5'側からの全長の塩基配
列(上;配列番号:9)とアミノ酸配列(下;配列番
号:10)を示したものである。XAF-2の短いスプライス
変異体(XAF-2S)は、図48および49に示したところでス
プライシングされるが、XAF-2Sをコードする塩基配列は
図50の下の配列(配列番号:11)に示されている。図5
1、52、53は、それぞれ、XAF-1、XAF-2LおよびXAF-2Sの
アミノ酸配列(配列番号:12)の表の中に、ジンクフィ
ンガー結合ドメインと指摘されたところを示したもので
ある。XAF-2LとXAF-1は、アミノ酸配列全体で27%の同
一性を示すが、XAF-2Lの最初の135アミノ酸と、XAF-1の
最初の131アミノ酸とでは、アミノ酸配列の同一性は40
%である(図54)。図55に示されているように、XAF-1
とXAF-2Lにおけるジンクフィンガー結合ドメインの配置
は同じではない。つまり、XAF-2Lの6番目のジンクドメ
インは、XAF-1の7番目のジンクドメインと並ぶ。しか
し、XAF蛋白質は二つとも、全体で7個のジンクフィン
ガー結合ドメインをもっている。
【0286】実施例XXVII XAF-1の発現を変える候補化合物のスクリーニング 化合物が、XAF-1プロモーターに操作的に結合されたル
シフェラーゼ・レポーター遺伝子の発現を変化させるこ
とができるかを調べることによって、XAF-1発現を変化
させることができる化合物をスクリーニングする。
【0287】方法 プロメガ(Promega)社から購入可能なpGL3-Basic(ベー
シック)ベクターなどのベクターの中に、PCRで増幅し
たXAF-1のプロモーター配列を挿入することによって、X
AF-1プロモーターを含む蛍ルシフェラーゼレポータープ
ラスミドpXAF-1プロム-Luを構築した。
【0288】形質転換の24時間前に、6穴プレートの中
に、各ウェル当たり2×105個のCOS細胞を接種した。そ
して、マイラス(Mirus)社から購入可能なTrans-ITリポ
フェクチン試薬を用いた標準的なリポフェクチン法によ
って、1μgのpXAF-1プロム-Luレポータープラスミドと
3.0μgのpCMV-myc対照プラスミドで形質転換した。形質
転換して24時間後に、形質転換された細胞の培養上清に
さまざまな濃度の異なった化合物を加えて、一つの化合
物、または、それを組み合わせたもの一つのウェルに入
るようにする。化合物で処理した12時間後に、PBSで細
胞を洗浄し、プロメガ社(Promega)から購入可能なパッ
シブ・リーシスバッファー(Passive Lysis Buffer)40
0μlで細胞を溶解した。各試料からの溶解物(20μl)
を蛍ルシフェラーゼ活性の測定に用いた。蛍ルシフェラ
ーゼ活性を測定して、Renillaのルシフェラーゼ発現レ
ベルを基準に標準化した。製造業者(プロメガ(Promeg
a)社)のプロトコールにしたがって、2元ルシフェラー
ゼ測定システムを用いて、モデルTD20/20ルミノメータ
(プロメガ(Promega)社)で測定した。
【0289】結果 化合物で処理した細胞で、対照の非処理細胞と比較し
て、蛍ルシフェラーゼ活性の増加を示したものは、XAF-
1活性を高める能力を有する化合物であることを示して
いる。化合物で処理した細胞で、対照の非処理細胞と比
較して、蛍ルシフェラーゼ活性の減少を示したものは、
XAF-1活性を低下させる能力を有する化合物であること
を示している。
【0290】
【発明の効果】本発明により、新規なXAF核酸配列、XAF
ポリペプチド、抗XAF抗体、アポトーシスを調節するた
めの方法、アポトーシスを調節する化合物を検出するた
めの方法が提供された。XAF遺伝子ファミリーのメンバ
ーは、IAPと相互作用し、アポトーシスと関連した蛋白
質をコードしている。本発明により、アポトーシスが関
与する疾患の発見および治療を目的とした、診断、予後
評価および治療のための化合物ならびに方法の開発が可
能となる。
【0291】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1326 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ATGGAAGGAG ACTTCTCGGT GTGCAGGAAC TGTAAAAGAC ATGTAGTCTC TGCCAACTTC 60 ACCCTCCATG AGGCTTACTG CCTGCGGTTC CTGGTCCTGT GTCCGGAGTG TGAGGAGCCT 120 GTCCCCAAGG AAACCATGGA GGAGCACTGC AAGCTTGAGC ACCAGCAGGT TGGGTGTACG 180 ATGTGTCAGC AGAGCATGCA GAAGTCCTCG CTGGAGTTTC ATAAGGCCAA TGAGTGCCAG 240 GAGCGCCCTG TTGAGTGTAA GTTCTGCAAA CTGGACATGC AGCTCAGCAA GCTGGAGCTC 300 CACGAGTCCT ACTGTGGCAG CCGGACAGAG CTCTGCCAAG GCTGTGGCCA GTTCATCATG 360 CACCGCATGC TCGCCCAGCA CAGAGATGTC TGTCGGAGTG AACAGGCCCA GCTCGGGAAA 420 GGGGAAAGAA TTTCAGCTCC TGAAAGGGAA ATCTACTGTC ATTATTGCAA CCAAATGATT 480 CCAGAAAATA AGTATTTCCA CCATATGGGT AAATGTTGTC CAGACTCAGA GTTTAAGAAA 540 CACTTTCCTG TTGGAAATCC AGAAATTCTT CCTTCATCTC TTCCAAGTCA AGCTGCTGAA 600 AATCAAACTT CCACGATGGA GAAAGATGTT CGTCCAAAGA CAAGAAGTAT AAACAGATTT 660 CCTCTTCATT CTGAAAGTTC ATCAAAGAAA GCACCAAGAA GCAAAAACAA AACCTTGGAT 720 CCACTTTTGA TGTCAGAGCC CAAGCCCAGG ACCAGCTCCC CTAGAGGAGA TAAAGCAGCC 780 TATGACATTC TGAGGAGATG TTCTCAGTGT GGCATCCTGC TTCCCCTGCC GATCCTAAAT 840 CAACATCAGG AGAAATGCCG GTGGTTAGCT TCATCAAAAA GGAAAACAAG TGAGAAATTT 900 CAGCTAGATT TGGAAAAGGA AAGGTACTAC AAATTCAAAA GATTTCACTT TTAACACTGG 960 CATTCCTGCC TACTTGCTGT GGTGGTCTTG TGAAAGGTGA TGGGTTTTAT TCGTTGGGCT 1020 TTAAAAGAAA AGGTTTGGCA GAACTAAAAA CAAAACTCAC GTATCATCTC AATAGATACA 1080 GAAAAGGCTT TTGATAAAAT TCAACTTGAC TTCATGTTAA AAACCCTCAA CAAACCAGGC 1140 GTCGAAGGAA CATACCTCAA AATAATAAGA GCCATCTATG ACAAAACCAC AGCCAACATC 1200 ATACTGAATG AGCAAAAGCT GGAGCATTAC TCTTGAGAAG TAGAACAAGG CACTTCAGTC 1260 CTATTCAACA TAGTACTGGA AGTCTCGCCA CAGCAATCAG GCAAGAGAAA GAAGTAAAAG 1320 GCACCC 1326 配列番号:2 配列の長さ:317 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Glu Gly Asp Phe Ser Val Cys Arg Asn Cys Lys Arg His Val Val 1 5 10 15 Ser Ala Asn Phe Thr Leu His Glu Ala Tyr Cys Leu Arg Phe Leu Val 20 25 30 Leu Cys Pro Glu Cys Glu Glu Pro Val Pro Lys Glu Thr Met Glu Glu 35 40 45 His Cys Lys Leu Glu His Gln Gln Val Gly Cys Thr Met Cys Gln Gln 50 55 60 Ser Met Gln Lys Ser Ser Leu Glu Phe His Lys Ala Asn Glu Cys Gln 65 70 75 80 Glu Arg Pro Val Glu Cys Lys Phe Cys Lys Leu Asp Met Gln Leu Ser 85 90 95 Lys Leu Glu Leu His Glu Ser Tyr Cys Gly Ser Arg Thr Glu Leu Cys 100 105 110 Gln Gly Cys Gly Gln Phe Ile Met His Arg Met Leu Ala Gln His Arg 115 120 125 Asp Val Cys Arg Ser Glu Gln Ala Gln Leu Gly Lys Gly Glu Arg Ile 130 135 140 Ser Ala Pro Glu Arg Glu Ile Tyr Cys His Tyr Cys Asn Gln Met Ile 145 150 155 160 Pro Glu Asn Lys Tyr Phe His His Met Gly Lys Cys Cys Pro Asp Ser 165 170 175 Glu Phe Lys Lys His Phe Pro Val Gly Asn Pro Glu Ile Leu Pro Ser 180 185 190 Ser Leu Pro Ser Gln Ala Ala Glu Asn Gln Thr Ser Thr Met Glu Lys 195 200 205 Asp Val Arg Pro Lys Thr Arg Ser Ile Asn Arg Phe Pro Leu His Ser 210 215 220 Glu Ser Ser Ser Lys Lys Ala Pro Arg Ser Lys Asn Lys Thr Leu Asp 225 230 235 240 Pro Leu Leu Met Ser Glu Pro Lys Pro Arg Thr Ser Ser Pro Arg Gly 245 250 255 Asp Lys Ala Ala Tyr Asp Ile Leu Arg Arg Cys Ser Gln Cys Gly Ile 260 265 270 Leu Leu Pro Leu Pro Ile Leu Asn Gln His Gln Glu Lys Cys Arg Trp 275 280 285 Leu Ala Ser Ser Lys Arg Lys Thr Ser Glu Lys Phe Gln Leu Asp Leu 290 295 300 Glu Lys Glu Arg Tyr Tyr Lys Phe Lys Arg Phe His Phe 305 310 315 配列番号:3 配列の長さ:1311 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 GCAGCTAGTG TGTCATTTCA GCGTTTCTCC TCTCGTCCCT GGAAGAGCTA AAGATGGCTG 60 AATTTCTAGA TGACCAGGAA ACTCGACTGT GTGACAACTG CAAAAAAGAA ATTCCTGTGT 120 TTAACTTTAC CATCCATGAG ATCCACTGTC AAAGGAACAT TGGTATGTGT CCTACCTGTA 180 AGGAACCATT TCCCAAATCT GACATGGAGA CTCACATGGC TGCAGAACAC TGTCAGGTGA 240 CCTGCAAATG TAACAAGAAG TTGGAGAAGA GGCTGTTAAA GAAGCATGAG GAGACTGAGT 300 GCCCTTTGCG GCTTGCTGTC TGCCAGCACT GTGATTTAGA ACTTTCCATT CTCAAACTGA 360 AGGAACATGA AGATTATTGT GGTGCCCGGA CGGAACTATG TGGCAACTGT GGTCGCAATG 420 TCCTTGTGAA AGATCTGAAG ACTCACCCTG AAGTTTGTGG GAGAGAGGGG GAGGAAAAGA 480 GAAATGAGGT TGCCATACCT CCTAATGCAT ATGATGAATC TTGGGGTCAG GATGGAATCT 540 GGATTGCATC CCAACTCCTC AGACAAATTG AGGCTCTGGA CCCACCCATG AGGCTGCCGC 600 GAAGGCCCCT GAGAGCCTTT GAATCAGATG TTTTCCACAA TAGAACTACC AACCAAAGGA 660 ACATTACAGC CCAGGTTTCA ATTCAGAATA ATCTGTTTGA AGAACAAGAG AGGCAGGAAA 720 GGAATAGAGG CCAACAGCCC CCCAAAGAGG GTGGTGAAGA GAGTGCAAAC TTGGACTTCA 780 TGTTGGCCCT AAGTCTGCAA AATGAAGGCC AAGCCTCCAG TGTGGCAGAG CAGGACTTCT 840 GGAGGGCCGT ATGTGAGGCC GACCAGTCTC ATGGCGGTCC CAGGTCTCTC AGTGACATAA 900 AGGGTGCAGC TGACGAGATC ATGTTGCCTT GTGAATTTTG TGAGGAGCTC TACCCAGAGG 960 AACTGCTGAT TGACCATCAG ACAAGCTGTA ACCCTTCACG TGCCTTACCT TCACTCAATA 1020 CTGGCAGCTC TTCCCCCAGA GGGGTGGAGG AACCTGATGT CATCTTCCAG AACTCCTTGC 1080 AACAGGCTGC AAGTAACCAG TTAGACTCTT TGATGGGCCT GAGCAATTCA CACCCTGTGG 1140 AGGAGAGCAT CATTATCCCA TGTGAATTCT GTGGGGTACA GCTGGAAGAG GAGGTGCTGT 1200 TCCATCACCA GGACCAGTGT GACCAACGCC CAGCCACTGC AACCAACCAT GTGACAGAGG 1260 GGATTCCTAG ACTGGATTCC CAGCCTCAAG AGCCCCTTCC CCTTGTTTTT A 1311 配列番号:4 配列の長さ:419 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 フラグメント:N末端フラグメント 配列 Met Ala Glu Phe Leu Asp Asp Gln Glu Thr Arg Leu Cys Asp Asn Cys 1 5 10 15 Lys Lys Glu Ile Pro Val Phe Asn Phe Thr Ile His Glu Ile His Cys 20 25 30 Gln Arg Asn Ile Gly Met Cys Pro Thr Cys Lys Glu Pro Phe Pro Lys 35 40 45 Ser Asp Met Glu Thr His Met Ala Ala Glu His Cys Gln Val Thr Cys 50 55 60 Lys Cys Asn Lys Lys Leu Glu Lys Arg Leu Leu Lys Lys His Glu Glu 65 70 75 80 Thr Glu Cys Pro Leu Arg Leu Ala Val Cys Gln His Cys Asp Leu Glu 85 90 95 Leu Ser Ile Leu Lys Leu Lys Glu His Glu Asp Tyr Cys Gly Ala Arg 100 105 110 Thr Glu Leu Cys Gly Asn Cys Gly Arg Asn Val Leu Val Lys Asp Leu 115 120 125 Lys Thr His Pro Glu Val Cys Gly Arg Glu Gly Glu Glu Lys Arg Asn 130 135 140 Glu Val Ala Ile Pro Pro Asn Ala Tyr Asp Glu Ser Trp Gly Gln Asp 145 150 155 160 Gly Ile Trp Ile Ala Ser Gln Leu Leu Arg Gln Ile Glu Ala Leu Asp 165 170 175 Pro Pro Met Arg Leu Pro Arg Arg Pro Leu Arg Ala Phe Glu Ser Asp 180 185 190 Val Phe His Asn Arg Thr Thr Asn Gln Arg Asn Ile Thr Ala Gln Val 195 200 205 Ser Ile Gln Asn Asn Leu Phe Glu Glu Gln Glu Arg Gln Glu Arg Asn 210 215 220 Arg Gly Gln Gln Pro Pro Lys Glu Gly Gly Glu Glu Ser Ala Asn Leu 225 230 235 240 Asp Phe Met Leu Ala Leu Ser Leu Gln Asn Glu Gly Gln Ala Ser Ser 245 250 255 Val Ala Glu Gln Asp Phe Trp Arg Ala Val Cys Glu Ala Asp Gln Ser 260 265 270 His Gly Gly Pro Arg Ser Leu Ser Asp Ile Lys Gly Ala Ala Asp Glu 275 280 285 Ile Met Leu Pro Cys Glu Phe Cys Glu Glu Leu Tyr Pro Glu Glu Leu 290 295 300 Leu Ile Asp His Gln Thr Ser Cys Asn Pro Ser Arg Ala Leu Pro Ser 305 310 315 320 Leu Asn Thr Gly Ser Ser Ser Pro Arg Gly Val Glu Glu Pro Asp Val 325 330 335 Ile Phe Gln Asn Ser Leu Gln Gln Ala Ala Ser Asn Gln Leu Asp Ser 340 345 350 Leu Met Gly Leu Ser Asn Ser His Pro Val Glu Glu Ser Ile Ile Ile 355 360 365 Pro Cys Glu Phe Cys Gly Val Gln Leu Glu Glu Glu Val Leu Phe His 370 375 380 His Gln Asp Gln Cys Asp Gln Arg Pro Ala Thr Ala Thr Asn His Val 385 390 395 400 Thr Glu Gly Ile Pro Arg Leu Asp Ser Gln Pro Gln Glu Pro Leu Pro 405 410 415 Leu Val Phe 配列番号:5 配列の長さ:1169 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 TGGGTGCCAG CCCAGCTCTC CTTGTGTGCC GAAGCTCAGC AACTCAGACA GCCAGGACAT 60 CCAGGGGCGG AATCGAGACA GCCAGAATGG GGCCATAGCC CCTGGGCACG TTTCAGTGAT 120 TCGCCCTCCT CAAAATCTCT ACCCAGAAAA CATTGTGCCC TCTTTCTCCC GTGGGCCTTC 180 AGGGAGATAC GGAGCTAGTG GTAGGAGTGA AGGTGGCAGG AATTCCCGGG TCACCCCTGC 240 AGCTGCCAAC TACCGCAGCA GAACTGCAAA GGCAAAGCCT TCCAAGCAAC AGGGAGCTGG 300 GGATGCAGAA GAGGAAGAGG AGGAGTAATG GTGTCTCCAG AGACTTTACA TCGGTTCCTG 360 TCTTCTGTGC ACAGCAGCAC TTGCCGCTGT GCAGGCCCAC CTCTTTGGCT CTTTGGGTGG 420 GAGAGTTTTT CCAGATTTTA GATTTTTCTA GGTTATGGCC ATTTTGTGTC TTTTGAGGTT 480 GTGCTGTGGG GGTTTGGGTT TGAGGGAAGG GAGCAGGGTG GCGGTTGAGG AACGCTTCAG 540 CCTTAGCTGC TACCTTTCGG CAGCAGTGAA ATACAAGCTG CAGCCTCGGC TGCCAGGGCT 600 CCCTTTTGAC TTATTGTCGC CACTGCCCCT TGGTGCTGTG TGGTCCCAGT GGAAGGAGGG 660 GAAGATTTTG GAAACCTGGT AGCCACCAGT AAGGTGATTC TCTGCCCTGT TGGGGCCTAA 720 ATTTGGGGGC TTTTGGGCAA CCTCTCCGTG TACTGCGTCT GTCCACACTC GATTGGGCCC 780 CAGGTGTGTA TGAGGCGCTC TGGTAAGGTG CTCAGGCCAG TTGCAATGTC TGTCAGTAAC 840 GAGGCTTTTG ATGTGTTGAG CTGGAGGTGA GTGGACCGGG GGCTGTGTTT TAAGCTGCTT 900 CCTTGGCATT TGGCATCACT GCCTTCTGTT CCCGGGGGAG CATGGATCTT TTGTCCTCAC 960 TGCTTTCTAA TGGGGAGGGC TGAGGGCTCC CTGTCCCCAC AGCAGGTATG GTTGCTCTGC 1020 CCCAGCCCCA CACTTGCTCT GAAAACCAAG TGTCAGAGCC CCTTCCCCTT GTTTTTATTT 1080 TACTGTTATA ATAATTATTA ACTTCCTTGT AATAGAAATA AAGTTTGTAC TTGGAAAAAA 1140 AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAA 1169 配列番号:6 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 フラグメント:中間部フラグメント 配列の特徴:Other 1st,4th Xaa is 2-5; 2nd Xaa is 1
1-18;3rd, 5th Xaa is Cys or His 配列番号:7 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 フラグメント:中間部フラグメント 配列の特徴:Other 1st Xaa is 1-2; 2nd Xaa is 11; 3
rd Xaa is 3-5 配列番号:8 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 フラグメント:中間部フラグメント 配列 Cys Xaa Xaa His Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa His 1 5 10 15 Xaa Xaa Xaa Cys 20 配列番号:9 配列の長さ:2643 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 GCAGCTAGTG TGTCATTTCA GCGTTTCTCC TCTCGTCCCT GGAAGAGCTA AAGATGGCTG 60 AATTTCTAGA TGACCAGGAA ACTCGACTGT GTGACAACTG CAAAAAAGAA ATTCCTGTGT 120 TTAACTTTAC CATCCATGAG ATCCACTGTC AAAGGAACAT TGGTATGTGT CCTACCTGTA 180 AGGAACCATT TCCCAAATCT GACATGGAGA CTCACATGGC TGCAGAACAC TGTCAGGTGA 240 CCTGCAAATG TAACAAGAAG TTGGAGAAGA GGCTGTTAAA GAAGCATGAG GAGACTGAGT 300 GCCCTTTGCG GCTTGCTGTC TGCCAGCACT GTGATTTAGA ACTTTCCATT CTCAAACTGA 360 AGGAACATGA AGATTATTGT GGTGCCCGGA CGGAACTATG TGGCAACTGT GGTCGCAATG 420 TCCTTGTGAA AGATCTGAAG ACTCACCCTG AAGTTTGTGG GAGAGAGGGG GAGGAAAAGA 480 GAAATGAGGT TGCCATACCT CCTAATGCAT ATGATGAATC TTGGGGTCAG GATGGAATCT 540 GGATTGCATC CCAACTCCTC AGACAAATTG AGGCTCTGGA CCCACCCATG AGGCTGCCGC 600 GAAGGCCCCT GAGAGCCTTT GAATCAGATG TTTTCCACAA TAGAACTACC AACCAAAGGA 660 ACATTACAGC CCAGGTTTCA ATTCAGAATA ATCTGTTTGA AGAACAAGAG AGGCAGGAAA 720 GGAATAGAGG CCAACAGCCC CCCAAAGAGG GTGGTGAAGA GAGTGCAAAC TTGGACTTCA 780 TGTTGGCCCT AAGTCTGCAA AATGAAGGCC AAGCCTCCAG TGTGGCAGAG CAGGACTTCT 840 GGAGGGCCGT ATGTGAGGCC GACCAGTCTC ATGGCGGTCC CAGGTCTCTC AGTGACATAA 900 AGGGTGCAGC TGACGAGATC ATGTTGCCTT GTGAATTTTG TGAGGAGCTC TACCCAGAGG 960 AACTGCTGAT TGACCATCAG ACAAGCTGTA ACCCTTCACG TGCCTTACCT TCACTCAATA 1020 CTGGCAGCTC TTCCCCCAGA GGGGTGGAGG AACCTGATGT CATCTTCCAG AACTTCTTGC 1080 AACAGGCTGC AAGTAACCAG TTAGACTCTT TGATGGGCCT GAGCAATTCA CACCCTGTGG 1140 AGGAGAGCAT CATTATCCCA TGTGAATTCT GTGGGGTACA GCTGGAAGAG GAGGTGCTGT 1200 TCCATCACCA GGACCAGTGT GACCAACGCC CAGCCACTGC AACCAACCAT GTGACAGAGG 1260 GGATTCCTAG ACTGGATTCC CAGCCTCAAG AGACCCCACC AGAGCTGCCC AGGAGGCGTG 1320 TCAGACACCA GGGAGACCTG TCTTCTGGTT ACCTGGATGA TACTAAGCAG GAAACAGCTA 1380 ATGGGCCCAC CTCCTGTCTG CCTCCCAGCC GACCCATTAA CAATATGACA GCTACCTATA 1440 ACCAGCTATC GAGATCAACA TCAGGCCCCA GACCTGGGTG CCAGCCCAGC TCTCCTTGTG 1500 TGCCGAAGCT CAGCAACTCA GACAGCCAGG ACATCCAGGG GCGGAATCGA GACAGCCAGA 1560 ATGGGGCCAT AGCCCCTGGG CACGTTTCAG TGATTCGCCC TCCTCAAAAT CTCTACCCAG 1620 AAAACATTGT GCCCTCTTTC TCCCCTGGGC CTTCAGGGAG ATACGGAGCT AGTGGTAGGA 1680 GTGAAGGTGG CAGGAATTCC CGGGTCACCC CTGCAGCTGC CAACTACCGC AGCAGAACTG 1740 CAAAGGCAAA GCCTTCCAAG CAACAGGGAG CTGGGGATGC AGAAGAGGAA GAGGAGGAGT 1800 AATGGTGTCT CCAGAGACTT TACATCGGTT CCTGTCTTCT GTGCACAGCA GCACTTGCCG 1860 CTGTGCAGGC CCACCTCTTT GGCTCTTTGG GTGGGAGAGT TTTTCCAGAT TTTAGATTTT 1920 TCTAGGTTAT GGCCATTTTG TGTCTTTTGA GGTTGTGCTG TGGGGGTTTG GGTTTGAGGG 1980 AAGGGAGCAG GGTGGCGGTT GAGGAACGCT TCAGCCTTAG CTGCTACCTT TCGGCAGCAG 2040 TGAAATACAA GCTGCAGCCT CGGCTGCCAG GGCTCCCTTT TGACTTATTG TCGCCACTGC 2100 CCCTTGGTGC TGTGTGGTCC CAGTGGAAGG AGGGGAAGAT TTTGGAAACC TGGTAGCCAC 2160 CAGTAAGGTG ATTCTCTGCC CTGTTGGGGC CTAAATTTGG GGGCTTTTGG GCAACCTCTC 2220 CGTGTACTGC GTCTGTCCAC ACTCGATTGG GCCCCAGGTG TGTATGAGGC GCTCTGGTAA 2280 GGTGCTCAGG CCAGTTGCAA TGTCTGTCAG TAACGAGGCT TTTGATGTGT TGAGCTGGAG 2340 GTGAGTGGAC CGGGGGCTGT GTTTTAAGCT GCTTCCTTGG CATTTGGCAT CACTGCCTTC 2400 TGTTCCCGGG GGAGCATGGA TCTTTTGTCC TCACTGCTTT CTAATGGGGA GGGCTGAGGG 2460 CTCCCTGTCC CCACAGCAGG TATGGTTGCT CTGCCCCAGC CCCACACTTG CTCTGAAAAC 2520 CAAGTGTCAG AGCCCCTTCC CCTTGTTTTT ATTTTACTGT TATAATAATT ATTAACTTCC 2580 TTGTAATAGA AATAAAGTTT GTACTTGGAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA 2640 AAA 2643 配列番号:10 配列の長さ:582 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Ala Glu Phe Leu Asp Asp Gln Glu Thr Arg Leu Cys Asp Asn Cys 1 5 10 15 Lys Lys Glu Ile Pro Val Phe Asn Phe Thr Ile His Glu Ile His Cys 20 25 30 Gln Arg Asn Ile Gly Met Cys Pro Thr Cys Lys Glu Pro Phe Pro Lys 35 40 45 Ser Asp Met Glu Thr His Met Ala Ala Glu His Cys Gln Val Thr Cys 50 55 60 Lys Cys Asn Lys Lys Leu Glu Lys Arg Leu Leu Lys Lys His Glu Glu 65 70 75 80 Thr Glu Cys Pro Leu Arg Leu Ala Val Cys Gln His Cys Asp Leu Glu 85 90 95 Leu Ser Ile Leu Lys Leu Lys Glu His Glu Asp Tyr Cys Gly Ala Arg 100 105 110 Thr Glu Leu Cys Gly Asn Cys Gly Arg Asn Val Leu Val Lys Asp Leu 115 120 125 Lys Thr His Pro Glu Val Cys Gly Arg Glu Gly Glu Glu Lys Arg Asn 130 135 140 Glu Val Ala Ile Pro Pro Asn Ala Tyr Asp Glu Ser Trp Gly Gln Asp 145 150 155 160 Gly Ile Trp Ile Ala Ser Gln Leu Leu Arg Gln Ile Glu Ala Leu Asp 165 170 175 Pro Pro Met Arg Leu Pro Arg Arg Pro Leu Arg Ala Phe Glu Ser Asp 180 185 190 Val Phe His Asn Arg Thr Thr Asn Gln Arg Asn Ile Thr Ala Gln Val 195 200 205 Ser Ile Gln Asn Asn Leu Phe Glu Glu Gln Glu Arg Gln Glu Arg Asn 210 215 220 Arg Gly Gln Gln Pro Pro Lys Glu Gly Gly Glu Glu Ser Ala Asn Leu 225 230 235 240 Asp Phe Met Leu Ala Leu Ser Leu Gln Asn Glu Gly Gln Ala Ser Ser 245 250 255 Val Ala Glu Gln Asp Phe Trp Arg Ala Val Cys Glu Ala Asp Gln Ser 260 265 270 His Gly Gly Pro Arg Ser Leu Ser Asp Ile Lys Gly Ala Ala Asp Glu 275 280 285 Ile Met Leu Pro Cys Glu Phe Cys Glu Glu Leu Tyr Pro Glu Glu Leu 290 295 300 Leu Ile Asp His Gln Thr Ser Cys Asn Pro Ser Arg Ala Leu Pro Ser 305 310 315 320 Leu Asn Thr Gly Ser Ser Ser Pro Arg Gly Val Glu Glu Pro Asp Val 325 330 335 Ile Phe Gln Asn Phe Leu Gln Gln Ala Ala Ser Asn Gln Leu Asp Ser 340 345 350 Leu Met Gly Leu Ser Asn Ser His Pro Val Glu Glu Ser Ile Ile Ile 355 360 365 Pro Cys Glu Phe Cys Gly Val Gln Leu Glu Glu Glu Val Leu Phe His 370 375 380 His Gln Asp Gln Cys Asp Gln Arg Pro Ala Thr Ala Thr Asn His Val 385 390 395 400 Thr Glu Gly Ile Pro Arg Leu Asp Ser Gln Pro Gln Glu Thr Pro Pro 405 410 415 Glu Leu Pro Arg Arg Arg Val Arg His Gln Gly Asp Leu Ser Ser Gly 420 425 430 Tyr Leu Asp Asp Thr Lys Gln Glu Thr Ala Asn Gly Pro Thr Ser Cys 435 440 445 Leu Pro Pro Ser Arg Pro Ile Asn Asn Met Thr Ala Thr Tyr Asn Gln 450 455 460 Leu Ser Arg Ser Thr Ser Gly Pro Arg Pro Gly Cys Gln Pro Ser Ser 465 470 475 480 Pro Cys Val Pro Lys Leu Ser Asn Ser Asp Ser Gln Asp Ile Gln Gly 485 490 495 Arg Asn Arg Asp Ser Gln Asn Gly Ala Ile Ala Pro Gly His Val Ser 500 505 510 Val Ile Arg Pro Pro Gln Asn Leu Tyr Pro Glu Asn Ile Val Pro Ser 515 520 525 Phe Ser Pro Gly Pro Ser Gly Arg Tyr Gly Ala Ser Gly Arg Ser Glu 530 535 540 Gly Gly Arg Asn Ser Arg Val Thr Pro Ala Ala Ala Asn Tyr Arg Ser 545 550 555 560 Arg Thr Ala Lys Ala Lys Pro Ser Lys Gln Gln Gly Ala Gly Asp Ala 565 570 575 Glu Glu Glu Glu Glu Glu 580 配列番号:11 配列の長さ:1302 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 GCAGCTAGTG TGTCATTTCA GCGTTTCTCC TCTCGTCCCT GGAAGAGCTA AAGATGGCTG 60 AATTTCTAGA TGACCAGGAA ACTCGACTGT GTGACAACTG CAAAAAAGAA ATTCCTGTGT 120 TTAACTTTAC CATCCATGAG ATCCACTGTC AAAGGAACAT TGGTATGTGT CCTACCTGTA 180 AGGAACCATT TCCCAAATCT GACATGGAGA CTCACATGGC TGCAGAACAC TGTCAGGTGA 240 CCTGCAAATG TAACAAGAAG TTGGAGAAGA GGCTGTTAAA GAAGCATGAG GAGACTGAGT 300 GCCCTTTGCG GCTTGCTGTC TGCCAGCACT GTGATTTAGA ACTTTCCATT CTCAAACTGA 360 AGGTCACCCC TGCAGCTGCC AACTACCGCA GCAGAACTGC AAAGGCAAAG CCTTCCAAGC 420 AACAGGGAGC TGGGGATGCA GAAGAGGAAG AGGAGGAGTA ATGGTGTCTC CAGAGACTTT 480 ACATCGGTTC CTGTCTTCTG TGCACAGCAG CACTTGCCGC TGTGCAGGCC CACCTCTTTG 540 GCTCTTTGGG TGGGAGAGTT TTTCCAGATT TTAGATTTTT CTAGGTTATG GCCATTTTGT 600 GTCTTTTGAG GTTGTGCTGT GGGGGTTTGG GTTTGAGGGA AGGGAGCAGG GTGGCGGTTG 660 AGGAACGCTT CAGCCTTAGC TGCTACCTTT CGGCAGCAGT GAAATACAAG CTGCAGCCTC 720 GGCTGCCAGG GCTCCCTTTT GACTTATTGT CGCCACTGCC CCTTGGTGCT GTGTGGTCCC 780 AGTGGAAGGA GGGGAAGATT TTGGAAACCT GGTAGCCACC AGTAAGGTGA TTCTCTGCCC 840 TGTTGGGGCC TAAATTTGGG GGCTTTTGGG CAACCTCTCC GTGTACTGCG TCTGTCCACA 900 CTCGATTGGG CCCCAGGTGT GTATGAGGCG CTCTGGTAAG GTGCTCAGGC CAGTTGCAAT 960 GTCTGTCAGT AACGAGGCTT TTGATGTGTT GAGCTGGAGG TGAGTGGACC GGGGGCTGTG 1020 TTTTAAGCTG CTTCCTTGGC ATTTGGCATC ACTGCCTTCT GTTCCCGGGG GAGCATGGAT 1080 CTTTTGTCCT CACTGCTTTC TAATGGGGAG GGCTGAGGGC TCCCTGTCCC CACAGCAGGT 1140 ATGGTTGCTC TGCCCCAGCC CCACACTTGC TCTGAAAACC AAGTGTCAGA GCCCCTTCCC 1200 CTTGTTTTTA TTTTACTGTT ATAATAATTA TTAACTTCCT TGTAATAGAA ATAAAGTTTG 1260 TACTTGGAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AA 1302 配列番号:12 配列の長さ:135 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Ala Glu Phe Leu Asp Asp Gln Glu Thr Arg Leu Cys Asp Asn Cys 1 5 10 15 Lys Lys Glu Ile Pro Val Phe Asn Phe Thr Ile His Glu Ile His Cys 20 25 30 Gln Arg Asn Ile Gly Met Cys Pro Thr Cys Lys Glu Pro Phe Pro Lys 35 40 45 Ser Asp Met Glu Thr His Met Ala Ala Glu His Cys Gln Val Thr Cys 50 55 60 Lys Cys Asn Lys Lys Leu Glu Lys Arg Leu Leu Lys Lys His Glu Glu 65 70 75 80 Thr Glu Cys Pro Leu Arg Leu Ala Val Cys Gln His Cys Asp Leu Glu 85 90 95 Leu Ser Ile Leu Lys Leu Lys Val Thr Pro Ala Ala Ala Asn Tyr Arg 100 105 110 Ser Arg Thr Ala Lys Ala Lys Pro Ser Lys Gln Gln Gly Ala Gly Asp 115 120 125 Ala Glu Glu Glu Glu Glu Glu 130 135
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトXAF-1のcDNA配列(上;配列番号:1)お
よびアミノ酸の推定配列(下;配列番号:2)を示す図
である。
【図2】XAF-1のN末178アミノ酸配列に相当する、6個
の推定Znフィンガー結合ドメインの概略を示す図であ
る。
【図3】ヒトの多数の組織とさまざまな細胞系における
XAF-1 mRNAのノザンブロット解析を示す図である。
【図4】ヒトの成体および胎児の多数の組織におけるXA
F-1 mRNAのノザンドットブロット解析を示す図である。
【図5】XAF-1のゲノミック・サザンブロット解析を示
す図である。
【図6】さまざまな細胞系におけるXAF-1蛋白質の発現
レベルのウェスタンブロット解析を示す図である。
【図7】XAF-1構築の概略を示す図である。
【図8】293T細胞において一過的に発現させたときの、
XAF-1、XAF-1NおよびXAF-1Cの蛋白質発現レベルのウェ
スタンブロット解析を示す図である。
【図9】p53およびXAFの過剰発現がHEL細胞の生存に及
ぼす影響を示すグラフを示す図である。
【図10】p53およびXAFの過剰発現がHeLa細胞の生存に
及ぼす影響を示すグラフを示す図である。
【図11】アデノ-LacZに感染したHEL細胞の写真であ
る。
【図12】アデノ-p53に感染したHEL細胞の写真であ
る。
【図13】アデノ-XAF-1に感染したHEL細胞の写真であ
る。
【図14】アデノ-LacZに感染したHeLa細胞の写真であ
る。
【図15】アデノ-p53に感染したHeLa細胞の写真であ
る。
【図16】アデノ-XAF-1に感染したHeLa細胞の写真であ
る。
【図17】形質転換されていないHEL細胞の細胞周期プ
ロフィールを示す写真である。
【図18】アデノ-LacZで形質転換されたHEL細胞の細胞
周期プロフィールを示す写真である。
【図19】アデノ-p53で形質転換されたHEL細胞の細胞
周期プロフィールを示す写真である。
【図20】アデノ-XAF-1で形質転換されたHEL細胞の細
胞周期プロフィールを示す写真である。
【図21】形質転換されていないHeLa細胞の細胞周期プ
ロフィールを示す写真である。
【図22】アデノ-LacZで形質転換されたHeLa細胞の細
胞周期プロフィールを示す写真である。
【図23】アデノ-p53で形質転換されたHeLa細胞の細胞
周期プロフィールを示す写真である。
【図24】アデノ-XAF-1で形質転換されたHeLa細胞の細
胞周期プロフィールを示す写真である。
【図25】ヒトXAF-1の局在をFISHによって示す図であ
る。Aは、XAF-1ゲノミックプローブとハイブリダイズさ
せた細胞分裂中期[の細胞]の展開物である。Bは、ギ
ムザ染色によるGバンド形成後の細胞分裂中期[の細
胞]の展開物である。17p13.3上の特異的な蛍光シグナ
ルを矢印で示す。
【図26】亜細胞のXAF-1蛋白質の局在を示す図であ
る。
【図27】亜細胞のXAF-1蛋白質の局在を示す図であ
る。
【図28】緑色蛍光蛋白質(GFP)で標識したXAF-1を発
現しているCHO-K1細胞の蛍光顕微鏡写真である。
【図29】GFPを発現している3Y1細胞の蛍光顕微鏡写真
である。
【図30】GFPで標識したXAF-1を発現している3Y1細胞
の蛍光顕微鏡写真である。
【図31】図に示す蛋白質の発現がNF-κBを活性化する
ことによって誘導されるルシフェラーゼの相対的活性を
示すグラフを示す図である。
【図32】図に示す蛋白質の同時発現がNF-κBを活性化
することによって誘導されるルシフェラーゼの相対的活
性を示すグラフを示す図である。
【図33】図に示した量のXAF-1蛋白質とともに発現さ
れたTRAF6がNF-κBを活性化することによって誘導され
るルシフェラーゼの相対的活性を示すグラフを示す図で
ある。
【図34】図に示した量のXIAP蛋白質と同時に発現され
たTRAF6がNF-κBを活性化することによって誘導される
ルシフェラーゼの相対的活性を示すグラフを示す図であ
る。
【図35】XIAP蛋白質およびXAF-1蛋白質と同時に発現
されたTRAF6がNF-κBを活性化することによって誘導さ
れるルシフェラーゼの相対的活性を示すグラフを示す図
である。
【図36】XIAP蛋白質およびXAF-1蛋白質と同時に発現
されたTRAF2がNF-κBを活性化することによって誘導さ
れるルシフェラーゼの相対的活性を示すグラフを示す図
である。
【図37】全長のXAF-1蛋白質か、XAF-1蛋白質のN末を
発現する断片、または、XAF-1蛋白質のC末を発現する
断片と同時に発現されたTRAF6がNF-κBを活性化するこ
とによって誘導されるルシフェラーゼの相対的活性を示
すグラフを示す図である。
【図38】XAF-1アンチセンスDNAかBcl-2アンチセンスD
NAと同時に発現されたときに、TRAF5かTRAF6のいずれか
がNF-κBを活性化することによって誘導されるルシフェ
ラーゼの相対的活性を示すグラフを示す図である。
【図39】XAF-1アンチセンスRNAかBcl-2アンチセンスR
NAが発現しているところで、インターロイキン-1β(IL
-1β)がNF-κBを活性化することによって誘導されるル
シフェラーゼの相対的活性を示すグラフを示す図であ
る。
【図40】XAF-1蛋白質をコードするDNAの存在下で、イ
ンターロイキン-1β(IL-1β)がNF-κBを活性化するこ
とによって誘導されるルシフェラーゼの相対的活性を示
すグラフを示す図である。
【図41】A20蛋白質と同時に発現されたTRAF2かTRAF5
またはTRAF6がNF-κBを活性化することによって誘導さ
れるルシフェラーゼの相対的活性を示すグラフを示す図
である。
【図42】TRAF6のみと、またはXAF-1と組み合わせたTR
AF6と同時に発現されたA20蛋白質の量を増加させてNF-
κBを活性化することによって誘導されるルシフェラー
ゼの相対的活性を示すグラフを示す図である。
【図43】対照GSTとGST-XAF-1融合蛋白質でアフィニテ
ィー精製したmyc標識蛋白質のウェスタンブロット解析
を示す図である。
【図44】インビトロで翻訳させたHIAP-1蛋白質または
TRAF2蛋白質と、対照GSTまたはGST-XAF-1融合蛋白質と
のインビトロ結合解析のオートラジオグラフ図である。
【図45】酵母のツーハイブリッド・アッセイによる相
互作用の結果の一覧表を示す図である。
【図46】ヒトXAF-2のN末側のcDNA配列(上;配列番
号:3)およびアミノ酸の推定配列(下;配列番号:
4)を示す図である。7個のジンクフィンガー・モチー
フを四角で囲み、ローマ数字を付記した。
【図47】配列番号:3から約250 bpC末に位置する、
ヒトXAF-2の非翻訳領域(UTR)のDNA配列(上;配列番
号:5)を示す図である。
【図48】XAF-2の長いスプライス変異体(XAF-2L)の
5'側からの全長の塩基配列(上;配列番号:9)および
アミノ酸配列(下;配列番号:10)(前半)を並べて示
す図である。短いスプライス変異体(XAF-2S)は、図に
示した部位でスプライシングされる。
【図49】XAF-2の長いスプライス変異体(XAF-2L)の
5'側からの全長の塩基配列(上;配列番号:9)および
アミノ酸配列(下;配列番号:10)(後半)を並べて示
す図である。短いスプライス変異体(XAF-2S)は、図に
示した部位でスプライシングされる。
【図50】XAF-2L(上)の配列を、XAF-2S(下;配列番
号:11)の全配列および比較を示すアラインメント図で
ある。
【図51】XAF-1のアミノ酸配列を示す図である。ジン
クフィンガー・ドメインが示されている。
【図52】XAF-2Lのアミノ酸配列を示す図である。ジン
クフィンガー・ドメインが示されている。
【図53】XAF-2Sのアミノ酸配列(配列番号:12)を示
す図である。ジンクフィンガー・ドメインが示されてい
る。
【図54】XAF-2L(上)の、最初の396アミノ酸の配列
を、XAF-1の全アミノ酸配列と比較したアラインメント
図である。
【図55】XAF-1(上)およびXAF-2L(下)におけるジ
ンクフィンガー結合ドメインの配列を示す概略図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 14/47 C07K 16/18 16/18 C12P 21/02 C C12N 5/10 21/08 C12P 21/02 C12Q 1/68 A 21/08 G01N 33/15 Z C12Q 1/68 33/53 D G01N 33/15 33/577 B 33/53 A61K 37/02 ADU 33/577 C12N 5/00 B (72)発明者 ピーター リストン カナダ国 オンタリオ州 オタワ セカン ド アベニュー #1 (72)発明者 アレキサンダー イー.マッケンジー カナダ国 オンタリオ州 オタワ ロック クリフ ウェイ 35 (72)発明者 ステファン バード カナダ国 オンタリオ州 オタワ ジュリ アン アベニュー 20

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 XAFポリペプチドをコードする実質的に
    純粋な核酸。
  2. 【請求項2】 XAFの生物活性を十分に低下させるアン
    チセンス核酸である、XAFポリペプチドをコードする少
    なくとも15ヌクレオチドの核酸に対応する実質的に純粋
    な核酸。
  3. 【請求項3】 XAFポリペプチドをコードする実質的に
    純粋な核酸を含むベクターであって、該ベクターを含む
    細胞においてXAFポリペプチドの発現を指向する能力を
    有するベクター。
  4. 【請求項4】 XAFポリペプチドをコードする実質的に
    純粋な核酸を含む細胞。
  5. 【請求項5】 XAFポリペプチドをコードする核酸を欠
    失するように遺伝的に操作された細胞から作製されたト
    ランスジェニック動物であって、該XAFポリペプチドを
    発現しないトランスジェニック動物。
  6. 【請求項6】 XAFポリペプチドをコードするDNAと置換
    された実質的に純粋な核酸を含む細胞から作製されたト
    ランスジェニック動物であって、該核酸が該トランスジ
    ェニック動物において発現されるトランスジェニック動
    物。
  7. 【請求項7】 (a)XAF遺伝子を含む細胞の提供、(b)該
    細胞と候補化合物との接触、および(c)遺伝子の発現レ
    ベルの変化からアポトーシスを調節する化合物が示され
    るような該XAF遺伝子の発現のモニター、を含む、アポ
    トーシスを調節する化合物を同定する方法。
  8. 【請求項8】 (a)XAF遺伝子からのプロモーターと機能
    的に結合したレポーター遺伝子を含む細胞の提供、(b)
    該細胞と候補化合物との接触、および(c)候補化合物と
    の反応による該発現の変化からアポトーシスを調節する
    能力を有する化合物が同定されるような、該レポーター
    遺伝子の発現の測定、を含むアポトーシスを調節する化
    合物を同定する方法。
  9. 【請求項9】 (a)アポトーシスを誘導する量のXAFを発
    現している細胞を提供する段階、(b)該細胞と候補化合
    物とを接触させる段階、および(c)該候補化合物と接触
    していない細胞におけるレベルとの対比における該レベ
    ルの低下からXAFを介したアポトーシスを抑制する能力
    を有する化合物が示されるように、該細胞におけるアポ
    トーシスのレベルを測定する段階を含む、XAFを介した
    アポトーシスを抑制する能力を有する化合物を同定する
    方法。
  10. 【請求項10】 (a)アポトーシスを誘導する量のXAFを
    発現している細胞を提供する段階、(b)該細胞と候補化
    合物とを接触させる段階、および(c)該候補化合物と接
    触していない細胞におけるレベルとの対比における該レ
    ベルの増加からXAFを介したアポトーシスを誘導する能
    力を有する化合物が示されるように、該細胞におけるア
    ポトーシスのレベルを測定する段階を含む、XAFを介し
    たアポトーシスを誘導する能力を有する化合物を同定す
    る方法。
  11. 【請求項11】 (a)TRAFポリペプチド、XAFポリペプチ
    ド、およびNF-κB結合部位を含むDNAと機能的に結合し
    たレポーター遺伝子を発現している細胞の提供、(b)該
    細胞と候補化合物との接触、および(c)該化合物との反
    応による発現の変化から該化合物がアポトーシスを調節
    する能力を有することが示されるような、レポーター遺
    伝子の発現の測定、を含む、アポトーシスを調節する化
    合物を同定する方法。
  12. 【請求項12】 (a)TRAFポリペプチド、XAFポリペプチ
    ド、IAPポリペプチド、およびNF-κB結合部位を含むDNA
    と機能的に結合したレポーター遺伝子を発現している細
    胞の提供、(b)該細胞と候補化合物との接触、および(c)
    該化合物との反応による発現の変化から該化合物がアポ
    トーシスを調節する能力を有することが示されるよう
    な、レポーター遺伝子の発現の測定、を含むアポトーシ
    スを調節する化合物を同定する方法。
  13. 【請求項13】 アポトーシスを調節する能力を有する
    化合物を検出するための方法であって、(a)(i)DNA結合
    蛋白質認識部位と機能的に結合したレポーター遺伝子、
    (ii)該DNA結合蛋白質認識部位と特異的に結合すること
    ができる結合部分と共有結合したXAFポリペプチドを含
    む第1の融合蛋白質を発現する能力を有する第1の融合遺
    伝子、および(iii)遺伝子活性化部分と共有結合した第
    二のXAFポリペプチドを含む第2の融合蛋白質を発現する
    能力を有する第2の融合遺伝子、を有する細胞の作製、
    (b)該細胞の該化合物への曝露、ならびに(c)レポーター
    遺伝子の発現の変化から該化合物がアポトーシスを調節
    する能力を有することが示されるような、該細胞におけ
    るレポーター遺伝子の発現の測定、を含む方法。
  14. 【請求項14】 アポトーシスを調節する能力を有する
    化合物を検出するための方法であって、(a)(i)DNA結合
    蛋白質認識部位と機能的に結合したレポーター遺伝子、
    (ii)該DNA結合蛋白質認識部位と特異的に結合すること
    ができる結合部分と共有結合したXAFポリペプチドを含
    む第1の融合蛋白質を発現する能力を有する第1の融合遺
    伝子、および(iii)遺伝子活性化部分と共有結合したIAP
    ポリペプチドを含む第2の融合蛋白質を発現する能力を
    有する第2の融合遺伝子、を有する細胞の提供、(b)該細
    胞の該化合物への曝露、ならびに(c)該レポーター遺伝
    子の発現の変化から該化合物がアポトーシスを調節する
    能力を有することが示されるような、該細胞におけるレ
    ポーター遺伝子の発現の測定、を含む方法。
  15. 【請求項15】 アポトーシスを調節する能力を有する
    化合物を検出するための方法であって、(a)(i)DNA結合
    蛋白質認識部位と機能的に結合したレポーター遺伝子、
    (ii)該DNA結合蛋白質認識部位と特異的に結合すること
    ができる結合部分と共有結合したIAPポリペプチドを含
    む第1の融合蛋白質を発現する能力を有する第1の融合遺
    伝子、および(iii)遺伝子活性化部分と共有結合したXAF
    ポリペプチドを含む第2の融合蛋白質を発現する能力を
    有する第2の融合遺伝子を有する細胞の提供、(b)該細胞
    の該化合物への曝露、ならびに(c)該レポーター遺伝子
    の発現の変化から該化合物がアポトーシスを調節する能
    力を有することが示されるような該細胞におけるレポー
    ター遺伝子の発現の測定、を含む方法。
  16. 【請求項16】 アポトーシスを調節する能力を有する
    化合物を検出するための方法であって、(a)固相基質上
    に固定されている第1のXAFポリペプチドの提供、(b)該
    第1のXAFポリペプチドと第2のXAFポリペプチドとの接
    触、(c)該第1のXAFポリペプチドおよび該第2のXAFポリ
    ペプチドと化合物との接触、ならびに(d)該化合物と接
    触していない場合の量との対比における該量の変化から
    該化合物がアポトーシスを調節する能力を有することが
    示されるような、該第1のXAFポリペプチドと該第2のXAF
    ポリペプチドとの結合量の測定、を含む方法。
  17. 【請求項17】 アポトーシスを調節する能力を有する
    化合物を検出するための方法であって、(a)固相基質上
    に固定されているXAFポリペプチドの提供、(b)該XAFポ
    リペプチドとIAPポリペプチドとの接触、(c)該XAFポリ
    ペプチドおよび該IAPポリペプチドと化合物との接触、
    ならびに(d)該化合物と接触していない場合の量との対
    比における該量の変化から該化合物がアポトーシスを調
    節する能力を有することが示されるような、該XAFポリ
    ペプチドと該IAPポリペプチドとの結合量の測定、を含
    む方法。
  18. 【請求項18】 アポトーシスを調節する能力を有する
    化合物を検出するための方法であって、(a)固相基質上
    に固定されているIAPポリペプチドの提供、(b)該IAPポ
    リペプチドとXAFポリペプチドとの接触、(c)該IAPポリ
    ペプチドおよび該XAFポリペプチドと化合物との接触、
    ならびに(d)該化合物と接触していない場合の量との対
    比における該量の変化から該化合物がアポトーシスを調
    節する能力を有することが示されるような、該IAPポリ
    ペプチドと該XAFポリペプチドとの結合量の測定、を含
    む方法。
  19. 【請求項19】 アポトーシスを誘導する量のXAFポリ
    ペプチドまたはその断片を細胞に投与することを含む、
    細胞においてアポトーシスを増加させる方法。
  20. 【請求項20】 XAFポリペプチドまたはその断片をコ
    ードする導入遺伝子を非ヒト哺乳類の細胞に投与するこ
    とを含み、該導入遺伝子が該細胞で発現する位置に置か
    れている、非ヒト哺乳類においてアポトーシスを増加さ
    せる方法。
  21. 【請求項21】 XAFの生物活性を高める化合物を投与
    することを含む、細胞においてアポトーシスを増加させ
    る方法。
  22. 【請求項22】 アポトーシスを抑制する量のXAFポリ
    ペプチドまたはその断片を細胞に投与することを含む、
    細胞においてアポトーシスを抑制する方法。
  23. 【請求項23】 XAFポリペプチドまたはその断片をコ
    ードする導入遺伝子を非ヒト哺乳類の細胞に投与するこ
    とを含み、該導入遺伝子が該細胞で発現する位置に置か
    れている、非ヒト哺乳類においてアポトーシスを抑制す
    る方法。
  24. 【請求項24】 XAFの生物活性を低下させる化合物を
    投与することを含む、細胞においてアポトーシスを抑制
    させる方法。
  25. 【請求項25】 非ヒト哺乳類からの核酸試料の単離、
    および該核酸がXAF変異体を含むか否かの判定を含み、
    該変異体の存在から該非ヒト哺乳類がアポトーシス性疾
    患に罹患しているかまたはアポトーシスが関与する疾患
    を発症する可能性が高いことが示される、非ヒト哺乳類
    がアポトーシスの変調が関与する疾患を有するか否かま
    たはアポトーシスの変調が関与する疾患を発症する可能
    性が高いか否かを診断する方法。
  26. 【請求項26】 非ヒト哺乳類からの試料におけるXAF
    遺伝子の発現の測定を含み、罹患していない非ヒト哺乳
    類由来試料との対比における該発現の変化から該非ヒト
    哺乳類がアポトーシス性疾患に罹患しているかまたはア
    ポトーシス性疾患を発症する可能性が高いことが示され
    る、非ヒト哺乳類がアポトーシスの変調が関与する疾患
    を有するか否かまたはアポトーシスの変調が関与する疾
    患を発症する可能性が高いか否かを診断する方法。
  27. 【請求項27】 XAFポリペプチドと特異的に結合する
    実質的に純粋な抗体を含む、哺乳類がアポトーシスの変
    調が関与する疾患を有するか否かまたはアポトーシスの
    変調が関与する疾患を発症する可能性が高いか否かを診
    断するためのキット。
  28. 【請求項28】 XAF RNAを測定するための材料を含
    む、哺乳類がアポトーシスの変調が関与する疾患を有す
    るか否かまたはアポトーシスの変調が関与する疾患を発
    症する可能性が高いか否かを診断するためのキット。
  29. 【請求項29】 哺乳類がアポトーシスの変調が関与す
    る疾患を有するかどうか、またはアポトーシスの変調が
    関与する疾患を発症する可能性が高いかどうかを診断す
    るためのキットであって、a)XAFポリペプチドと特異的
    に結合する実質的に純粋な抗体、およびb)XAF RNAを測
    定するための材料、を含むキット。
  30. 【請求項30】 (a)XAFポリペプチドをコードするDNA
    を有する細胞であり、該DNAが該細胞において発現する
    ような位置に置かれている細胞の提供、(b)該DNAが発現
    する条件下における細胞の培養、および(c)XAFポリペプ
    チドの単離、を含むXAFポリペプチドを入手する方法。
  31. 【請求項31】 オリゴヌクレオチドプライマーを用い
    るポリメラーゼ連鎖反応によるXAF遺伝子またはその一
    部の増幅、および該XAF遺伝子またはその一部の単離を
    含む、XAF遺伝子またはヒトXAF-1と同一の配列を有する
    その一部を単離する方法であって、該プライマーが、
    (a)それぞれの長さが13ヌクレオチド以上であり、(b)そ
    れぞれが図1のヌクレオチド配列の領域の逆DNA鎖に対し
    て相補的な領域を有し、(c)増幅産物内に制限酵素切断
    部位を作成する能力を有する配列を選択的に含む、方
    法。
  32. 【請求項32】 オリゴヌクレオチドプライマーを用い
    るポリメラーゼ連鎖反応によるXAF遺伝子またはその一
    部の増幅、および該XAF遺伝子またはその一部の単離を
    含む、XAF遺伝子またはヒトXAF-2LもしくはXAF-2Sと同
    一の配列を有するその一部を単離する方法であって、該
    プライマーが、(a)それぞれの長さが13ヌクレオチド以
    上であり、(b)それぞれが図48および49のヌクレオチド
    配列の領域の逆DNA鎖に対して相補的な領域を有し、(c)
    増幅産物内に制限酵素切断部位を作成する能力を有する
    配列を選択的に含む、方法。
  33. 【請求項33】 (a)細胞DNAの試料の提供、(b)XAF遺伝
    子の保存領域と相同な配列を有する1対のオリゴヌクレ
    オチドの提供、(c)ポリメラーゼ連鎖反応を介するDNA増
    幅に適した条件下における、該1対のオリゴヌクレオチ
    ドと該細胞DNA試料の混合、および(d)増幅された該XAF
    遺伝子またはその断片の単離、を含む、XAF遺伝子また
    はその断片を細胞から単離する方法。
  34. 【請求項34】 (a)哺乳類細胞DNA調製物の提供、(b)
    検出可能に標識した、第2の既知のXAF遺伝子の保存領域
    と同一なDNA配列の提供、(c)該検出可能に標識したDNA
    配列とヌクレオチド配列の50%またはそれ以上が同一で
    ある遺伝子が検出されるようなハイブリダイゼーション
    条件下における、該細胞DNA調製物と該検出可能に標識
    したDNA配列との接触、および(d)該XAF遺伝子の同定、
    を含む、哺乳類細胞においてXAF遺伝子を同定する方
    法。
  35. 【請求項35】 (a)哺乳類細胞試料の提供、(b)形質転
    換による該細胞試料へのXAF候補遺伝子の導入、(c)該細
    胞試料における該XAF候補遺伝子の発現、および(d)アポ
    トーシスのレベルの変化によってXAF遺伝子が同定され
    るような、該試料がアポトーシスのレベルの変化を示す
    か否かの判定、を含む、XAF遺伝子を同定する方法。
  36. 【請求項36】 アポトーシスの調節に用いるためのXA
    Fポリペプチド。
  37. 【請求項37】 アポトーシスの調節のための医薬品を
    製造するためのXAFポリペプチド。
  38. 【請求項38】 アポトーシスの調節に用いるためのXA
    F核酸。
  39. 【請求項39】 アポトーシスの調節のための医薬品を
    製造するためのXAF核酸。
  40. 【請求項40】 XAFポリペプチドまたはその断片もし
    くは変異体と特異的に結合する実質的に純粋な抗体。
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