JPH11327653A - 磁気浮上体の位置決め装置 - Google Patents

磁気浮上体の位置決め装置

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JPH11327653A
JPH11327653A JP13867498A JP13867498A JPH11327653A JP H11327653 A JPH11327653 A JP H11327653A JP 13867498 A JP13867498 A JP 13867498A JP 13867498 A JP13867498 A JP 13867498A JP H11327653 A JPH11327653 A JP H11327653A
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electromagnet
levitation body
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positioning
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 磁気浮上体を目標軌道に沿って移動させつ
つ、高精度に位置決めする。 【解決手段】 磁気浮上体1の外側に対向して配設され
る一対のコイルP1、N1を一組とする電磁石11に対
し、所定の電磁力を発生させるため、制御信号v1
出力するコントローラ16は、入力装置22よりコント
ローラ16へ入力された目標軌道に沿って、浮上体1を
移動させつつ位置決めを行うため、浮上体1に対する電
磁石11の非線形な力学特性を得る各種の演算手段を有
し、位置検出手段6により検出された浮上体1の位置と
目標軌道上の位置との差異に基づいて、電磁石11等の
推定された力学特性を反復修正し、該推定された力学特
性を電磁石11等の現実の力学特性に一致させる。これ
により、位置決め装置は、電磁石11等の現実の力学特
性に基づいて、電磁石11等を制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気浮上体を目標
とする位置へ精度よく位置決めできる磁気浮上体の位置
決め装置であって、特に、磁気浮上体を移動させつつ位
置決めできるものに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気浮上体の位置決め装置は、空中に浮
上された磁気浮上体を、所定の電力の供給による電磁石
の電磁力によって非接触支持し、目標とする特定の位置
に位置決めするものである。
【0003】この磁気浮上体の位置決め装置により、磁
気浮上体を目標とする位置へ位置決めする概略は以下の
とおりである。
【0004】位置決め装置に備わる変位センサ等により
磁気浮上体の現在位置が検出されると、電磁石を制御す
る制御装置が、その内部の演算手段によって、磁気浮上
体を現在位置から目標位置へ位置決めする上で作用させ
るべき電磁力、および該電磁力に対応して電磁石に供給
するべき電力を求める。そして、磁気浮上体は、求めら
れた所定の電磁力の作用によって、目標位置に位置決め
られるようになっている。
【0005】かかる磁気浮上体の位置決め装置は、位置
決めを非接触で行える機構であることから、以下の利点
がある。即ち、機械的な位置決め機構であれば、機械的
な摺動部材を介して位置決めされるので、該摺動部材の
機械的な歪みや摩擦等に起因して位置決め精度に限界が
あった。従って、例えば微細加工であれば、要請される
加工精度の高さに対応して加工器具の位置決めも高精度
に行う必要があるが、該加工器具の位置決め精度には限
界があり、従って、加工精度の向上にも限界があった。
【0006】そして、磁気浮上体の位置決め装置によれ
ば、機械的な摺動部材を介さず、非接触な機構により位
置決めできるので、上記加工器具等を高精度に位置決め
することが可能である。また、前記微細加工の例であれ
ば、加工される対象によっては、機械的な摺動機構が生
ずる微粉塵を嫌うものもあるが、磁気浮上体の位置決め
装置であれば、非接触に位置決めできることから、かか
る微粉塵の問題を解決することもできる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここで、従来の磁気浮
上体の位置決め装置にあっては、例えば、磁気軸受けの
位置決めに見られるように、特定の目標位置に位置決め
して静止させるように制御することを目的としていた。
従って、磁気浮上体を、時間とともに変化する目標位置
へ順次に位置決めすること、即ち、位置決めしようとす
る複数の目標位置からなる目標軌道に沿って移動させつ
つ位置決めすることはできなかった。
【0008】従って、微細加工を行う場合であれば、加
工器具を目標軌道に沿って移動させ、高精度に位置決め
して加工したい場合があるが、従来の磁気浮上体の位置
決め装置によれば、移動させつつ高精度に位置決めする
ことはできなかった。
【0009】そこで、本発明は、磁気浮上体を目標軌道
に沿って移動させつつ高精度に位置決めすることができ
る磁気浮上体の位置決め装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の磁気浮上体の位置決め装置は、磁気浮上体
の外側に対向して配設される一対のコイルを一組として
磁気浮上体に所定の電磁力を作用させる電磁石であっ
て、磁気浮上体に対する非線形な力学特性が複数の基本
関数の組み合わせにより近似され得る電磁石と、前記電
磁石に所定の電磁力を発生させるための電力に対応する
制御信号を出力する制御手段と、磁気浮上体の位置を検
出する位置検出手段と、磁気浮上体の位置決め目標位置
であって時間とともに変化する目標位置からなる目標軌
道を入力する目標軌道入力手段とを備え、前記制御手段
は、磁気浮上体に対する指令位置を前記目標軌道に基づ
いて演算する指令位置演算手段と、前記指令位置と磁気
浮上体の位置とから制御信号を演算する制御信号演算手
段であって、比例ゲインと微分ゲインとからなるゲイン
パラメーターと外力消去項とを含む前記電磁石の力学特
性に基づく非線形パラメーターを含んだ演算を行う制御
信号演算手段と、前記非線形パラメーターを修正するパ
ラメータ修正手段とを含み、該パラメータ修正手段は、
磁気浮上体の位置と目標位置との誤差に基づく第一修正
因子と前記基本関数と修正信号因子とに基づいて前記ゲ
インパラメーターを修正し、前記第一修正因子と前記基
本関数とに基づいて外力消去項を修正し、磁気浮上体を
前記目標軌道に沿って移動させるように構成される(請
求項1)。
【0011】本来、磁気浮上体を電磁石によって特定の
目標位置に位置決めしようとする場合、磁気浮上体に作
用させるべき電磁力は、浮上体と電磁石との間の力学特
性に基づいて決められるべきものである。この浮上体と
電磁石との間の力学特性は、電磁石と浮上体との間の距
離であるギャップと電磁力とが比例する関係にない非線
形性を示す。
【0012】ところで、従来の磁気浮上体の位置決め装
置にあっては、かかる電磁石の非線形な特性を考慮して
前記電磁石を制御する必要は必ずしもなかった。即ち、
従来の磁気浮上体の位置決めにあっては、例えば、磁気
軸受けの位置決めに見られるように、目標位置に位置決
めして静止させることを目的としていた。そのため、電
磁石の制御は、電磁石の力学特性を前記ギャップが小さ
い領域における線形近似によって容易に行うことができ
た。
【0013】しかし、磁気浮上体を時間とともに変化す
る目標位置へ順次に位置決めしたい場合、即ち、磁気浮
上体を目標軌道に沿って移動させたい場合にあっては、
前記ギャップが大きい領域において電磁石を制御できる
必要があり、かかる場合には、電磁石に作用させるべき
電磁力は、浮上体と電磁石との間の非線形な力学特性に
基づいて求められる必要がある。即ち、浮上体と電磁石
との間の関係について、その非線形な力学特性を反映さ
せた制御を行えることが必要となる。
【0014】本発明の位置決め装置によると、以下のよ
うに、電磁石の非線形な力学特性を反映させた制御が可
能であるので、磁気浮上体を目標軌道に沿って移動させ
つつ位置決めすることができる。
【0015】本発明の位置決め装置は、前記制御信号演
算手段が、前記指令位置演算手段によって演算された指
令位置と、電磁石の非線形な力学特性に対応付けられる
前記非線形パラメーターとを含んだ演算によって、電磁
石に対する制御信号の演算を行う。
【0016】ここで、前記指令位置演算手段による目標
軌道に基づく指令位置の演算は、目標軌道を構成する目
標位置、該目標位置に対する時間による一階の微分係
数、および該目標位置に対する時間による二階の微分係
数を含んでいる。
【0017】そして、前記電磁石の力学特性に対応付け
られる非線形パラメーターは、前記位置検出手段により
検出される浮上テーブルの位置を前記目標軌道の目標位
置と一致させることができるまで、前記パラメーター修
正手段により、繰り返し修正される。これにより、本発
明の位置決め装置によると、前記非線形パラメーター
が、浮上体と電磁石との間の非線形な力学特性を反映す
るまで修正を加えられる。これにより、前記制御手段よ
り電磁石に対して出力される制御信号は電磁石の非線形
な力学特性を反映したものとされるので、浮上テーブル
の位置決めを行うにあたり、電磁石の力学特性に基づい
て行うことができる。
【0018】従って、本発明の位置決め装置によると、
前記ギャップが大きい領域における電磁石の制御が可能
であり、浮上テーブルを目標軌道に沿って移動させつつ
位置決めすることができる。
【0019】また、前記基本関数が基底関数である場合
には(請求項2)、前記パラメータ修正手段により非線
形パラメーターを修正するにあたり、前記浮上体と電磁
石との間の非線形な力学特性をより効率的に反映させる
ことができるので、非線形パラメーターの修正が容易で
ある。
【0020】また、前記電磁石が、直交する二軸の一軸
に沿って配設されるコイルの二組と、他の一軸に沿って
配設されるコイルの一組とを備え、前記指令位置演算手
段が、非線形パラメーターである磁気浮上体の慣性パラ
メータを含んだ演算を行い、前記パラメータ修正手段
が、磁気浮上体の位置と目標位置との誤差に基づく第二
修正因子と、前記目標軌道にかかる加速度因子とに基づ
いて前記慣性パラメータを修正するように構成される場
合には(請求項3)、磁気浮上体の回転を抑制すること
ができるので、磁気浮上体の位置決めをより高精度に行
うことができる。即ち、磁気浮上体の回転の制御に関係
する前記慣性パラメータについても、位置検出手段によ
り検出される浮上テーブルの位置を前記目標軌道を構成
する目標位置と一致させることができるまで、前記パラ
メーター修正手段により繰り返し修正される。これによ
り、前記制御手段より電磁石に対して出力される制御信
号は、電磁石の力学特性に基づく回転を抑制できるもの
となる。
【0021】ここで、慣性パラメータには、磁気浮上体
の慣性モーメントと重心位置とがある。
【0022】また、前記目標軌道にかかる加速度因子に
は、磁気浮上体の直線運動にかかる加速度と、回転運動
にかかる角加速度がある。
【0023】また、前記制御手段が、磁気浮上体の位置
の検出と、該磁気浮上体の位置に基づく前記制御信号の
演算が分散処理されるように構成され、該分散処理が、
前記パラメータ修正手段によるパラメータの修正が一回
行われる間に、制御信号の演算が複数回行われるように
構成され、該複数回演算された制御信号のフィルタリン
グ処理がなされるように構成される場合には(請求項
4)、制御信号よりノイズ成分を除去することができ、
電磁石に対して出力される制御信号の精度を高めること
により、電磁石に対する制御をより高精度に行うことが
でき、位置決めの精度をより高めることができる。ま
た、制御手段による演算処理の分散を図ることにより、
各演算処理装置単体の演算負荷を軽減することができ
る。これにより、装置の製造コストを軽減することもで
きる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
1乃至図6に基づいて説明する。
【0025】図1は本発明にかかる磁気浮上体の位置決
め装置の一例についての全体構成を示す斜視図であり、
図2は本装置により位置決められる浮上テーブル1の周
辺を上方から眺めた平面図である。
【0026】磁気浮上体である浮上テーブル1は、本装
置により目標軌道に沿って移動しつつ位置決められる対
象であり、鉄等の磁気的性質を有する材料を含んで形成
されており、後に説明する電磁石が発生する電磁力の作
用を受ける。
【0027】浮上テーブル1は、図1、図2に示される
ように、正方形をなす板状に形成されており、二次元の
XY直交座標系で表される空間内において後に説明する
ように目標軌道に沿った位置決めが行われる。また、浮
上テーブル1は、かかる位置決めが開始される前におい
ては、図1、図2に示されるように、その正方形の中心
(X0,Y0)が前記XY直交座標系の原点と一致するよ
うに、また、その正方形の各辺がX軸方向、Y軸方向に
沿うように配置されている。また、この実施の形態にお
いては、浮上テーブル1の前記中心(X0,Y0)は、浮
上テーブル1の重心位置(XG,YG)とは必ずしも一致
しないものとし、後に説明するように浮上テーブル1の
重心位置(XG,YG)を求め得る構成とされている。
【0028】浮上テーブル1には、該テーブル1本体と
同一の材質からなる第一位置検出片2と第二位置検出片
3と第三位置検出片4とが付設されている。これらの位
置検出片は浮上テーブル1の位置を検出するためのもの
であり、後に説明する変位センサにより検出される位置
検出片の位置が浮上テーブル1の位置とされる。
【0029】第一位置検出片2は後に説明する第一電磁
石11による電磁力に伴うテーブル1のX軸方向への移
動を検出できるように付設されており、第二位置検出片
3は第二電磁石12による電磁力に伴うテーブル1のX
軸方向への移動を検出できるように付設されており、第
三位置検出片4は第三電磁石13による電磁力に伴うテ
ーブル1のY軸方向への移動を検出できるように付設さ
れている。
【0030】そして、変位センサとして、第一位置検出
センサ6と第二位置検出センサ7と第三位置検出センサ
8とが配設されている。これらの変位センサは、図2に
示されるように、各変位センサの座標軸からの距離がl
sとなる位置に配設されている。第一位置検出センサ6
は第一位置検出片2の位置y1を検出し、第二位置検出
センサ7は第二位置検出片3の位置y2を検出し、第三
位置検出センサ8は第三位置検出片4の位置y3を検出
する。かかる変位センサとして、渦電流式非接触変位セ
ンサを用いることができる。
【0031】そして、前記変位センサの各々より出力さ
れる浮上テーブル1の位置y1、y2、y3を表す各信号
は後に説明するコントローラ16に入力される。
【0032】なお、この位置決め装置には、テーブル1
の上方に配設される図1に二点鎖線によって示される三
つのコイル10と、テーブル1の下側に配設される特に
図示していないコイル10に対向する三つの変位センサ
とを備えてなるテーブル浮上機構が備わっている。即
ち、テーブル浮上機構により、コイル10が生ずる磁力
によってテーブル1を空中に浮上させ、テーブル1を水
平に支持できるようになっている。かかるテーブル浮上
機構は、後に説明する浮上プログラムが実行されること
により、テーブル1を浮上させるようになっている。
【0033】第一電磁石11等の電磁石は、浮上テーブ
ル1に対して所定の電磁力を作用させる。各電磁石は、
例えば第一電磁石11により説明すると、コイルP1と
コイルN1とを一組とし、該コイルP1とコイルN1と
は、浮上テーブル1の外側に、二つのコイルの中心線が
中心線C1に一致するように対向して配設されている。
そして、コイルP1とコイルN1は、浮上テーブル1に
対して、ともに吸引力として作用する電磁力を作用させ
る。このコイルP1、N1等が浮上テーブル1に作用さ
せる電磁力は後に説明するようにコイルに供給される電
力に応じて決まる。また、一組のコイルに対していずれ
の方向にテーブル1を移動させ得るかはP1による吸引
力とN1による吸引力の相対的な差によって決まるよう
になっている。
【0034】また、この実施の形態にあっては、上記第
一電磁石11と、コイルP2とN2とからなる第二電磁
石12と、コイルP3とN3とからなる第三電磁石13
の三組の電磁石が配設されている。第一電磁石11と第
二電磁石12とは、図1、図2に示されるように、それ
らの一組のコイルの中心線C1、C2がX軸方向に沿う
ように配設されており、浮上テーブル1に対してX軸方
向に沿って電磁力を作用させる。また、第一電磁石11
と第二電磁石12は、前記中心線C1とC2とがX軸に
対して対称をなし、X軸から中心線C1までの距離がl
M となるように、また、X軸から中心線C2までの距離
がlM となるように配設されている。
【0035】第三電磁石13は、その一組のコイルの中
心線C3がY軸方向に沿うように配設されており、浮上
テーブル1に対してY軸方向に沿って電磁力を作用させ
る。また、第三電磁石13は、中心線C3のY軸に対す
る距離がlM となるように配設されている。
【0036】本発明の位置決め装置によると、このよう
に三組の電磁石を備えるので、X軸方向とY軸方向とに
沿って浮上テーブル1を位置決めできることに加え、浮
上テーブル1の回転を抑制することもできる。即ち、X
軸方向に沿って二組の電磁石が配設されるので、テーブ
ル1の重心の位置に対する各電磁石の位置にかかわら
ず、浮上テーブル1の回転の発生を抑えて高精度の位置
決めを行うことができる。
【0037】そして、各電磁石は、電磁力を作用させる
ための必要な電力を増幅器15より供給される。増幅器
15は、入力された信号を線形増幅することができるリ
ニアアンプにより構成できる。そして、増幅器15は、
後に説明するコントローラ16より各電磁石に対する制
御信号vi(i=1、2、3)が出力されると、各電磁
石に備わる二つのコイル対して式(1)、(2)により
表される端子電圧VPi、VNiを供給する。
【0038】
【数1】
【0039】
【数2】
【0040】(1)式、(2)式において、iは三つの
電磁石に対応しており、i=1が第一電磁石11に対応
することを表し、i=2が第二電磁石12に対応するこ
とを表し、i=3が第三電磁石13に対応することを表
す。そして、例えば、VP1は第一電磁石11の一方のコ
イルP1に印加される電圧を表し、VN1は第一電磁石1
1の他方のコイルN1に印加される電圧を表す。また、
(1)式、(2)式において、gi は増幅器15の増幅
率を表し、VB はコントローラ15より出力される一定
のバイアス電圧に対応する信号を表す。
【0041】各電磁石に前記電圧VPi、VNiが印加され
ると、(3)式、(4)式により表される電流IPi、I
Niが、各電磁石の駆動電流として導通する。
【0042】
【数3】
【0043】
【数4】
【0044】(3)式、(4)式において、iが三つの
電磁石に対応すること、また、Piが各電磁石の一方の
コイルを表し、Niが各電磁石の他方のコイルを表すこ
とについては、上記(1)式、(2)式と同様である。
そして、(3)式、(4)式において、RPiは各電磁石
の一方のコイルの抵抗を表し、RNiは各電磁石の他方の
コイルの抵抗を表す。
【0045】次に、前記駆動電流IPi、INiにより各電
磁石が浮上テーブル1に作用させる電磁力の力学特性に
ついて説明する。
【0046】前記駆動電流IPi、INiにより各電磁石が
浮上テーブル1に作用させる電磁力は、(5)式により
表される。
【0047】
【数5】
【0048】この(5)式において、kPi(yi)、k
Ni(yi)は、浮上テーブル1と電磁石との間隙である
ギャップに依存する浮上体と電磁石との間の非線形な力
学特性を表す関数である。そして、前記(1)式乃至
(5)式より、(6)式乃至(8)式が得られる。
【0049】
【数6】
【0050】
【数7】
【0051】
【数8】
【0052】上記(6)式におけるki(yi)が(7)
式により表され、上記(6)式におけるfDi(yi) が
(8)式により表される。また、(6)式におけるfDi
(yi)は、浮上テーブル1の位置決め制御を行うにあ
たり、外力として作用する項を表す。
【0053】ここで、浮上テーブル1に上記電磁石の電
磁力と同様の方向に作用する力f1、f2、f3を作用さ
せた場合、即ち、X軸方向に沿ったf1、f2 とY軸方
向に沿ったf3を作用させた場合における、XY座標系
により表される一般的な運動方程式は(9)式により表
される。
【0054】
【数9】
【0055】(9)式において、mは浮上テーブル1の
質量を表し、X”は浮上テーブル1に生ずる加速度のX
軸方向の成分を表し、Y”は浮上テーブル1に生ずる加
速度のY軸方向の成分を表す。また、(9)式におい
て、Izは浮上テーブル1の慣性モーメントを表し、
θ”は浮上テーブル1の回転角θで表される回転に伴う
角加速度を表す。なお、上記「”」は付される変数につ
いての時間による二回の微分係数を表す。また、「’」
は時間による一回の微分係数を表す。以下、本実施の形
態において同様に表す。
【0056】そして、(9)式を、座標変換式(10)
式を用いることにより、前記変位センサにより検出され
る浮上テーブル1の位置yi(i=1,2,3)に対す
る運動方程式(11)乃至(17)式に変換する。
【0057】
【数10】
【0058】
【数11】
【0059】
【数12】
【0060】
【数13】
【0061】
【数14】
【0062】
【数15】
【0063】
【数16】
【0064】
【数17】
【0065】(10)式において、θは浮上テーブル1
の回転角を表す。
【0066】(11)式は行列による表現であり、行列
Mは(12)式により表され、行列y”は(13)式に
より表され、行列Lは(14)式により表され、行列K
は(15)式により表され、行列fDの各要素は(1
6)式により表される。
【0067】また、上記(13)式、(16)式、(1
7)式における「T」は転置行列であることを表し、
(15)式における「diag」は対角行列であること
を表している。
【0068】ここで、運動方程式(11)式に含まれる
行列Kの各要素ki(yi)(i=1,2,3)、および
行列fD の各要素fDi(yi)(i=1,2,3)は、
前記電磁石の非線形な力学特性に基づき定まるものであ
る。そして、(11)式に示されるように、浮上テーブ
ル1の位置を制御するために出力するべき制御信号v
i は、上記ki(yi)、fDi(yi)との関係で決ま
る。そして、このki(yi)、fDi(yi)は、基本関
数の線形結合によって表現することができる。
【0069】図3に、基本関数の例を示す。図3は、基
本関数の一例であり、前記電磁石の非線形な特性の表現
に用いることができる基底関数φj(yi)のセットを示
している。この図3において、横軸は電磁石のギャップ
に対応するテーブルの位置yi(i=1,2,3) に対
応し、縦軸は関数φj(yi)(j=1,2,3,4,
5,6)の関数値に対応している。
【0070】図3に示されるφj(yi)は、(18)式
により表される。
【0071】
【数18】
【0072】図3に示されるように、また、(18)式
により、φj(yi)は、各θjを中心とした分布をなす
関数であり、φj(yi)の広がりは(18)式における
σによって決まる。
【0073】そして、本発明の位置決め装置にあって
は、上記ki(yi)、fDi(yi)が、(19)式、
(20)式により表され得るとの推定に基づき、後に詳
しく説明するように、(19)式の係数wij Kの推定値
ij K* の修正を繰り返すことによるki(yi)の推定
値ki *(yi)の修正によって、また、(20)式の係
数wij Dの推定値wij D*の修正を繰り返ことによるfDi
(yi)の推定値fDi *(yi)の修正によって、電磁石
の力学特性を正確に反映するki(yi)、fDi(yi
の推定値ki *(yi)、fDi *(yi)を最終的に得るこ
とができるように構成されている。
【0074】
【数19】
【0075】
【数20】
【0076】なお、上記wij K* 等に付される「*」
は、これが付されるパラメーターが推定値であることを
意味する。
【0077】また、本発明の位置決め装置は、前記(1
1)式の要素として含まれる慣性モーメントIzおよび
重心位置(XG,YG)についても、後に詳しく説明する
ように、Izおよび重心位置(XG,YG)の推定値Iz
*、(XG *,YG *) の修正を繰り返すことにより、電磁
石の浮上テーブル1に対する正確な力学特性に基づいて
定まるIzおよび重心位置(XG,YG)の推定値I
*、(XG *,YG *)を最終的に得ることができるよう
に構成されている。
【0078】次に、上記電磁石を制御するコントローラ
16について、全体のブロック図を示す図4に基づいて
説明する。このコントローラ16として、パーソナルコ
ンピュータを用いることができる。
【0079】コントローラ16は第一I/O部17を備
えており、前記変位センサにより検出された浮上テーブ
ル1の位置が、第一I/O部17を介してコントローラ
16に入力され、後に説明する第二記憶部21に位置デ
ータyi(i=1,2,3)として格納されるようにな
っている。また、コントローラ16は第二I/O部18
を備えており、後に説明する位置決め制御ルーチンによ
り演算される制御信号vi(i=1,2,3)が第二I
/O部18を介して前記増幅器15に出力されるように
なっている。
【0080】そして、コントローラ16は、演算部19
と第一記憶部20と第二記憶部21とを備えている。
【0081】演算部19は位置決め制御ルーチンの実行
に伴う各種の演算を行う。第一記憶部20には、後に説
明する図5、図6に処理手順が示される位置決め制御ル
ーチン、および浮上テーブル1を空中に浮上させるため
の浮上プログラムが格納されている。第二記憶部21に
は、位置決め制御ルーチンの実行に伴う各種のパラメー
タ等を格納するための領域が形成されている。即ち、図
4に示されるように、位置データ領域21aと、非線形
パラメータ領域21bと、目標軌道データ領域21cと
が形成されている。
【0082】位置データ領域21aには、変位センサに
より検出された浮上テーブル1の位置yi(i=1,
2,3)が格納される。非線形パラメータ領域21bに
は、前記力学特性に対応するパラメータであるki *(y
i)、wij K*が格納される。
【0083】また、非線形パラメータ領域21bには、
前記力学特性に対応するパラメータであるf
Di *(yi)、wij D*が格納される。また、非線形パラメ
ータ領域21bには、微分ゲインkdi(yi)や比例ゲ
インkpi(yi)、前記fDi *(yi)に基づいて求めら
れる外力消去項uBi(yi)も格納される。また、非線
形パラメータ領域21bには、前記基底関数φj(yi
を表す定数データであるσやθj(j=1,2,3,
4,5,6)も格納される。
【0084】また、非線形パラメータ領域21bには、
慣性パラメータである慣性モーメントの推定値I* Zやテ
ーブル1の重心位置の推定値(X* G,Y* G)、また、こ
れらのパラメータを求めるための係数wO I*、wO X*、w
O Y*も格納される。また、非線形パラメータ領域21b
には、定数データである係数a、b、c、αK、αD、α
I、αX、αY 、および初期データWK0、WD0、W
I0、WX0、WY0、JI0、JX0、JY0が格納
されている。また、浮上テーブルの初期位置データYD
i(i=1,2,3)や、該YDiに基づいて求められる
初期データVDi(i=1,2,3)も非線形パラメー
タ領域21bに格納される。
【0085】また、非線形パラメータ領域21bには、
浮上テーブル1の位置yiと目標位置yMiとの誤差
i 、および該誤差ei に基づいて求められる拡張誤
差εiが格納されている(i=1,2,3)。
【0086】目標軌道データ領域21cには、浮上テー
ブル1の位置決めの目標位置に基づく目標軌道のデータ
が格納されている。この目標軌道のデータは、以下のよ
うに格納されている。即ち、変位センサにより検出され
る浮上テーブル1の三つの位置に対応させた位置yM1
M2,yM3が、一回移動することによる位置決めの目標
位置の1セットとして格納されている。また、目標軌道
にかかるデータとして、その時間による一階の微分係数
M1’,yM2’,yM3’、および二回の微分係数
M1”,yM2”,yM3”についても1セットとして格納
されている。また、浮上テーブル1のX軸方向に沿った
加速度のデータXM”、Y軸方向に沿った加速度のデー
タYM”、および浮上テーブル1の角加速度θM”のデー
タについても1セットとして格納されている。
【0087】即ち、目標軌道のデータとして、[yM1
M2,yM3,yM1’,yM2’,yM3’,yM1”,
M2”,yM3”,XM”,YM”,θM”]を1セットと
している。そして、目標軌道上の全ての目標位置につい
ての上記1セットが、浮上テーブル1を順次に位置決め
しようとする目標位置の順序に従って格納されている。
そして、後に説明する位置決め制御ルーチンの実行にお
いては、位置決め変数imに設定される数値に応じて、
位置決めしようとする目標位置の順序に従って上記1セ
ットずつ順次に読み込まれるようになっている。また、
この目標軌道データ領域21cには、前記位置決めの目
標位置の数CM も格納されている。
【0088】なお、前記目標軌道の1セットについて、
後に説明する入力装置22により目標位置yM1,yM2
M3のみを入力し、微分係数として表される他のデータ
については、入力された目標位置に基づく数値演算によ
り求めることもできる。かかる数値演算により微分係数
を求める場合には、コントローラ16が位置決め制御ル
ーチンを実行するサンプリングレートの一周期に対応す
る時間幅Δtによる近似計算を用いることができる。
【0089】また、コントローラ16には前記目標軌道
データを入力するための入力装置22が備わっている。
即ち、入力装置22の操作を介して目標軌道データが前
記第二記憶部21に格納されるようになっている。入力
装置22として、キーボードの操作を介して目標軌道デ
ータを入力する構成とすることもできる。また、入力装
置としてフロッピィディスクドライブを備えることによ
り、フロッピィディスクに記憶された目標軌道データを
入力する構成とするのであってもよい。また、その他に
もハードディスク等の外部の記憶媒体より、コントロー
ラ16に目標軌道データを入力できるようにするのであ
ってもよい。
【0090】上記構成において、磁気浮上体の位置決め
装置の動作について説明する。コントローラ16により
浮上プログラムを実行し浮上テーブル1を空中に浮上さ
せる。そして、テーブル1が浮上して静止している位置
i が検出され、浮上テーブル1の初期位置データY
i(i=1,2,3)として格納される。
【0091】そして、この後に、図5、図6に示される
位置決め制御ルーチンが実行される。
【0092】まず、位置決め変数imが1に設定され
(S1)、浮上テーブル1の最初の位置決めにかかる目
標軌道のデータの1セットが読み込まれる(S2)。次
に、行列J* の要素が設定される(S3)。
【0093】この行列J* は、(21)式、(22)式
により求められる。
【0094】
【数21】
【0095】
【数22】
【0096】ここで、位置決め変数imが1である場合
には、J* に含まれる要素のうち、前記IZ *について
は初期データJI0が設定され、前記XG *については初
期データJX0が設定され、前記YG * についてはJY
0が設定される。
【0097】次に、指令位置uiが求められる(S
4)。指令位置ui は(23)式に基づいて求められ
る。
【0098】
【数23】
【0099】(23)式におけるuは指令位置ui(i
=1,2,3)を要素とする三行一列の行列を表してお
り、即ち、ui は行列uの要素として求められる。ま
た、(23)式におけるyM”、yM’、yMは、各々に
Mi”、yMi’、yMi(i=1,2,3)を要素とする
三行一列の行列を表している。また、(23)式におけ
るa、b、cは定数データである。
【0100】また、電磁石が一組である場合には、指令
位置u1 は(24)式により求められる。
【0101】
【数24】
【0102】次に、電磁石の力学特性に対応するパラメ
ータであるki *(yi)、fDi *(yi)が求められる
(S5)。ki *(yi)は(25)式により表され、f
Di *(yi)は(26)式により表される。
【0103】
【数25】
【0104】
【数26】
【0105】ここで、位置決め変数imが1である場合
には、wij K*の各要素には初期データWK0が設定さ
れ、また、wij D の各要素には初期データWD0が設定
される。
【0106】次に、ゲインパラメータである微分ゲイン
di(yi)、比例ゲインkpi(yi)が求められ、ま
た、外力消去項uBi が求められる(S6)。微分ゲイ
ンkdi(yi)は(27)式により表され、比例ゲイン
pi(yi)は(28)式により表され、外力消去項u
Biは(29)式により表される。
【0107】
【数27】
【0108】
【数28】
【0109】
【数29】
【0110】次に、制御信号vi が求められる(S
7)。制御信号vi は(30)式により表される。
【0111】
【数30】
【0112】(30)式において、制御信号viは、フ
ィードバック制御則に従って求められる。かかる制御信
号viが前記増幅器15に出力されると、該信号viに対
応する電圧が電磁石に出力され、電磁石の電磁力によっ
て浮上テーブル1が移動する。
【0113】次に、浮上テーブル1の位置yiが検出さ
れ(S8)、S2で読み込まれた目標軌道のデータのう
ちの目標位置との差が誤差eiとして求められる(S
9)。誤差eiは(31)式で表される。
【0114】
【数31】
【0115】次に、拡張誤差εiが求められる(S1
0)。拡張誤差εiは(32)式により求められる。
【0116】
【数32】
【0117】次に、ゲインパラメータである微分ゲイン
di(yi)と比例ゲインkpi(yi)を修正するための
ゲイン修正因子と外力消去項を修正するための外力消去
項修正因子が求められる(S11)。
【0118】ゲイン修正因子は(33)式により表され
る。
【0119】
【数33】
【0120】(33)式に示されるように、ゲイン修正
因子は、係数wij K*の時間による一階の微分係数
ij K*’が、第一修正因子である前記拡張誤差εiと基
底関数φj(yi)と修正信号因子vFBiとによって与え
られる。S11において、位置決め変数がim>1であ
る場合における(33)式の修正信号因子vFBiとし
て、先に得られた位置決め変数(im−1)における信
号viが設定される。S11において、位置決め変数i
mが1である場合には、修正信号因子vFBi は、初期デ
ータWK0、WD0を用いて(34)式により求められ
る。
【0121】
【数34】
【0122】(34)式におけるyi(i=1,2,
3)には初期位置データYDi(i=1,2,3)が設
定される。また、(34)式におけるyi’(i=1,
2,3)には0が設定される。そして、かかる(34)
式のvFBiは、初期データVDi(i=1,2,3)とさ
れる。
【0123】外力消去項修正因子は(35)式により表
される。
【0124】
【数35】
【0125】(35)式に示されるように、外力消去項
修正因子は、係数wij D*の時間による一階の微分係数w
ij D*’が、第一修正因子である前記拡張誤差εiと基底
関数φj(yi)とによって与えられる。
【0126】次に、S5における係数wij K*、wij D*
修正される(S12)。S12における修正は(36)
式、(37)式により表される。
【0127】
【数36】
【0128】
【数37】
【0129】なお、(36)式、(37)式におけるΔ
tについて、コントローラ16のサンプリングレートの
一周期に対応する時間幅を用いることができる。
【0130】次に、慣性パラメータである慣性モーメン
トIZ *を修正するための慣性モーメント修正因子と、慣
性パラメーターである重心位置(XG *,YG *)を修正す
るための重心位置修正因子とが求められる(S13)。
慣性モーメント修正因子は(38)式により表され、重
心位置修正因子は(39)式、(40)式により表され
る。
【0131】
【数38】
【0132】
【数39】
【0133】
【数40】
【0134】(38)式に示されるように、慣性モーメ
ント修正因子は、係数wO I*の時間による一階の微分係
数wO I*’が、前記拡張誤差より求まる第二修正因子
(ε1−ε2)と目標軌道にかかる角加速度θM”とによ
って与えられる。また、(39)式、(40)式に示さ
れるように、重心位置修正因子は、係数wO X*の時間に
よる一階の微分係数wO X*’が前記拡張誤差より求まる
第二修正因子(ε1−ε2)と目標軌道にかかる加速度Y
M”とによって与えられ、係数wO Y*の時間による一階の
微分係数wO Y*’が前記拡張誤差より求まる第二修正因
子(ε1−ε2)と目標軌道にかかる加速度XM”とによ
って与えられる。
【0135】次に、係数wO I* 、wO X* 、wO Y* が、
(41)式、(42)式、(43)式により求められ、
修正される(S14)。
【0136】
【数41】
【0137】
【数42】
【0138】
【数43】
【0139】S14において、位置決め変数imが1で
ある場合には、修正前のwO I* には初期データWI0が
設定され、修正前のwO X* には初期データWX0が設定
され、修正前のwO Y* には初期データWY0が設定され
る。
【0140】次に、慣性モーメントIZ *、重心位置(X
G *,YG *)が、(44)式、(45)式、(46)式に
より求められ、修正される(S15)。
【0141】
【数44】
【0142】
【数45】
【0143】
【数46】
【0144】なお、S15において求められたIZ *
(XG *,YG *)は、後に説明するようにS2以降が再実
行される場合に、S3において行列J*の要素として設
定される。
【0145】次に、位置決め変数imがCMに等しくない
場合には(S16、N)、imに1が追加され(S1
7)、上記S2から再実行される。
【0146】また、上記S17において、位置決め変数
imがCMに等しい場合には(S16、Y)、目標軌道に
かかる全ての目標位置の移動を終了したことが判断さ
れ、位置決め制御ルーチンは終了する(S18)。
【0147】以上に説明したように、本発明の磁気浮上
体の位置決め装置によると、浮上テーブル1を、二次元
の平面内において、目標軌道に沿って順次に移動させつ
つ位置決めすることができる。また、X軸方向に沿って
配設される二組の電磁石と、Y軸方向に沿って配設され
る一組の電磁石とを備え、浮上テーブル1の重心と慣性
モーメントとを求めることによって、かかる三組の電磁
石を制御するので、浮上テーブル1の回転を抑制するこ
とができ、浮上テーブル1を高精度に位置決めすること
ができる。
【0148】また、上記位置決め制御ルーチンのうち、
制御信号viを求める演算処理(S7)とテーブルの位
置を検出する処理(S8)とが分散処理される構成とす
ることもできる。即ち、上記コントローラ16につい
て、前記演算部19を第一演算部とし、第一演算部より
高速処理が可能な特に図示しない分散処理用の第二演算
部を備える構成とする。そして、上記位置決め制御ルー
チンについて、S7とS8の手順と、該手順以外の各パ
ラメータの修正にかかる処理手順の部分とを並行して処
理できるようにする。そして、S8により検出されたテ
ーブルの位置をS7に直接にフィードバックする処理手
順を構成し、かかる処理手順の部分が前記第二演算部に
より処理されるようにする。そして、各パラメータの修
正にかかる演算処理を第一演算部により1回行う間に、
前記S8よりS7にフィードバックされる処理手順を第
二演算部により複数回実行させる。そして、該複数回に
わたって検出されたテーブルの位置の信号yiに対する
フィルタリング処理を行うようにする。これにより、信
号yiよりノイズ成分を除去することができるので、電
磁石に対して出力される信号vi の精度を高めること
ができ、電磁石に対する制御をより高精度に行うことが
でき、位置決めの精度をより高めることができる。この
フィルタリング処理の例として、複数回にわたって得ら
れた信号の平均値を求める平均値処理がある。
【0149】また、このように分散処理する構成とする
と、演算処理の分散を図ることにより、コントローラ1
6が一つの演算部を備える場合に比べ、各演算処理装置
単体の演算負荷を軽減することができる。これにより、
位置決め装置を構成するにあたり、製造コストを軽減す
ることもできる。
【0150】
【実施例】本発明の実施例について以下に説明する。実
施例として、実施の形態で説明したのと同様に磁気浮上
体の位置置決め装置を構成した。即ち、実施の形態で説
明したように、電磁石を三組備える構成とし、コントロ
ーラ16により浮上テーブル1について三自由度の制御
を行える構成とした。
【0151】実施例に用いた定数データを表1に示す。
【0152】
【表1】
【0153】表1に示される以外の定数について、初期
データについては、WI0を0.45に設定し、WX0
とWY0を0に設定し、WD0の全ての要素を0に設定
し、WK0の全ての要素を400に設定した。また、J
I0、JX0、JY0については、WI0とWX0とW
Y0と後に説明するテーブル1の質量mや寸法等の条件
より求めた数値を設定した。
【0154】基底関数については、6つの基底関数を用
い(n=6)、全ての基底関数について、その広がりを
決める定数σを6.0に設定した。そして、基底関数の
中心θjについて、テーブル1の最大移動距離より大き
い2mmの距離を6等分することに基づく位置とする設
定とした。
【0155】浮上テーブル1として、1辺の寸法が80
mmの正方形の形状からなり、厚さが2mmの板状に形
成される質量0.15kgの鉄板を用いた。コントロー
ラ16として、パーソナルコンピュータ(i486,c
lock20MHz)を用い、100Hzでサンプリン
グを行った。また、この実施例にあっては、前記分散処
理を行う構成とした。そして、分散処理用の演算装置と
してディジタルシグナルプロセッサー(DSP;TMS
320C30、clock33MHz)を用い、該DS
Pボードをパーソナルコンピュータに搭載して用いた。
このDSPは、そのサンプリングを5kHzとし、パー
ソナルコンピュータのCPUが1回サンプリングする間
に、DSPにより50回サンプリングできるようにし
た。そして、前記制御信号vi(i=1,2,3)を求
めるにあたり、フィルタリング処理を行ったが、フィル
タリング処理としてyi(i=1,2,3)に対する5
0回の平均値処理を行った。
【0156】そして、目標軌道として図7の点線に示さ
れる軌道30を与えた。即ち、図7に示されるように、
XY平面内において、1辺が1mmの正方形の周回に沿
う軌道を目標軌道として与えた。また、図7に示される
目標軌道において、400点からなる位置決めの目標位
置を設定した。なお、図7に示されるXY座標系で表さ
れる目標軌道の各位置は、前記(10)式により、前記
変位センサにより検出される位置に対応する目標軌道の
位置に変換することができる。
【0157】浮上テーブル1の位置決めを行った結果を
図8に示す。図8に示される軌道31は実施例にかかる
軌道である。即ち、本発明の位置決め装置により、上記
電磁石の力学特性に基づく各パラメータの修正が行われ
た後の浮上テーブル1の軌道を示している。一方、図8
に示される軌道32は、比較例であり、前記各パラメー
タの修正を行わずに位置決めした場合における浮上テー
ブル1の軌道の一例である。
【0158】図8から判るように、本発明の位置決め装
置によれば、前記パラメータの修正を行うことにより、
浮上テーブル1を目標軌道に略一致させ得ることが確認
される。
【0159】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1記載の
発明は、電磁石の非線形な力学特性に基づいて磁気浮上
体を広範囲にわたって位置決めすることができ、磁気浮
上体を目標軌道に沿って移動させつつ順次に位置決めす
ることができるという効果を奏する。
【0160】請求項2記載の発明は、基本関数を基底関
数とするので、電磁石の非線形な力学特性をより効率的
に反映させることができ、非線形パラメーターの修正が
容易であるという効果を奏する。
【0161】請求項3記載の発明は、磁気浮上体の回転
を抑制することができ、磁気浮上体の位置決めをより高
精度に行うことができるという効果を奏する。
【0162】請求項4記載の発明は、電磁石に対する制
御をより高精度に行うことができ、位置決めの精度をよ
り高めることができるという効果を奏する。また、各演
算処理装置単体の演算負荷を軽減することができ、装置
の製造コストを軽減することもできるという効果も奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気浮上体の位置決め装置の斜視図である。
【図2】浮上テーブル周辺を上部から眺めた平面図であ
る。
【図3】基底関数の特性を示す図である。
【図4】位置決め装置のブロック図である。
【図5】位置決め制御ルーチンを示す図である。
【図6】位置決め制御ルーチンを示す図である。
【図7】浮上テーブルに対する目標軌道を示す図であ
る。
【図8】浮上テーブルが移動した軌道を示す図である。
【符号の説明】
1 浮上テーブル 2 第一位置検出片 3 第二位置検出片 4 第三位置検出片 6 第一位置検出センサ 7 第二位置検出センサ 8 第三位置検出センサ 10 (テーブル浮上用)コイル 11 第一電磁石 12 第二電磁石 13 第三電磁石 15 増幅器 16 コントローラ 17 第一I/O部 18 第二I/O部 19 演算部 20 第一記憶部 21 第二記憶部 21a 位置データ領域 21b 非線形パラメータ領域 21c 目標軌道データ領域 30 目標軌道 31 実施例にかかる浮上テーブルの軌道 32 比較例の軌道

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気浮上体の外側に対向して配設される
    一対のコイルを一組として磁気浮上体に所定の電磁力を
    作用させる電磁石であって、磁気浮上体に対する非線形
    な力学特性が複数の基本関数の組み合わせにより近似さ
    れ得る電磁石と、 前記電磁石に所定の電磁力を発生させるための電力に対
    応する制御信号を出力する制御手段と、 磁気浮上体の位置を検出する位置検出手段と、 磁気浮上体の位置決め目標位置であって時間とともに変
    化する目標位置からなる目標軌道を入力する目標軌道入
    力手段とを備え、 前記制御手段は、 磁気浮上体に対する指令位置を前記目標軌道に基づいて
    演算する指令位置演算手段と、 前記指令位置と磁気浮上体の位置とから制御信号を演算
    する制御信号演算手段であって、比例ゲインと微分ゲイ
    ンとからなるゲインパラメーターと外力消去項とを含む
    前記電磁石の力学特性に対応付けられる非線形パラメー
    ターを含んだ演算を行う制御信号演算手段と、 前記非線形パラメーターを修正するパラメータ修正手段
    とを含み、 該パラメータ修正手段は、磁気浮上体の位置と目標位置
    との誤差に基づく第一修正因子と前記基本関数と修正信
    号因子とに基づいて前記ゲインパラメーターを修正し、
    前記第一修正因子と前記基本関数とに基づいて外力消去
    項を修正し、 磁気浮上体を前記目標軌道に沿って移動させるように構
    成される磁気浮上体の位置決め装置。
  2. 【請求項2】 前記基本関数が基底関数であることを特
    徴とする請求項1記載の磁気浮上体の位置決め装置。
  3. 【請求項3】 前記電磁石が、直交する二軸の一軸に沿
    って配設されるコイルの二組と、他の一軸に沿って配設
    されるコイルの一組とを備え、 前記指令位置演算手段が、非線形パラメーターである磁
    気浮上体の慣性パラメータを含んだ演算を行い、 前記パラメータ修正手段は、磁気浮上体の位置と目標位
    置との誤差に基づく第二修正因子と、前記目標軌道にか
    かる加速度因子とに基づいて前記慣性パラメータを修正
    することを特徴とする請求項1または請求項2記載の磁
    気浮上体の位置決め装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、磁気浮上体の位置の検
    出と、該磁気浮上体の位置に基づく前記制御信号の演算
    が分散処理されるように構成され、 該分散処理は、前記パラメータ修正手段によるパラメー
    タの修正が一回行われる間に、制御信号の演算が複数回
    行われるように構成され、 該複数回演算された制御信号のフィルタリング処理がな
    されるように構成される請求項1乃至請求項3のいずれ
    かに記載の磁気浮上体の位置決め装置。
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