JPH1132433A - 電力系統電圧安定度評価装置とそれらのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

電力系統電圧安定度評価装置とそれらのプログラムを記録した記録媒体

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JPH1132433A
JPH1132433A JP9197795A JP19779597A JPH1132433A JP H1132433 A JPH1132433 A JP H1132433A JP 9197795 A JP9197795 A JP 9197795A JP 19779597 A JP19779597 A JP 19779597A JP H1132433 A JPH1132433 A JP H1132433A
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Masahito Yamamoto
将人 山本
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Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
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Tokyo Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷の安定受電状態をより正確に表わし、か
つ簡易に電力系統電圧安定度の指標を得ること。 【解決手段】 電力系統の接続状態及び電力需給状態を
系統情報として収集し、前記収集したオンラインデータ
に基づいて電力系統の電圧安定度を評価監視する電力系
統電圧安定度評価装置において、収集された系統情報及
び系統設備データに基づいて現在の系統の潮流状態を算
出(2)し、その状態の系統電圧安定度を負荷の平衡力
の大きさを用いた指標として算出すると共に、想定され
る需給状態,系統構成の変化及び偶発事故発生時の系統
状態を算出(5)し、その状態の電圧安定度を前記同様
に負荷の平衡力の大きさを用いた指標として算出して評
価する手段(6)を備えた.

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統からのオ
ンラインデータを入力し、これを用いて電圧安定性指標
を算出することにより、系統運用状態を適正に保つため
の評価監視をする電力系統電圧安定度評価装置とそれら
のプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】電力会社における需給制御の最大の目的
は、良質な電力を安定に供給することにあったが、近
年、良質な電力を安定に供給することに加えて電圧の安
定性を保ちながら運用することが求められている。
【0003】又、系統電圧の安定性は系統データ監視や
潮流計算によって得られる母線電圧,母線及び線路潮流
をみただけでは判定が困難であり、それらの系統状態の
電圧安定度を表わす指標を用いる必要がある。
【0004】そして、これまで各種の電圧安定指標が提
案されているが、代表的なものとしては、例えば(イ)
一対の電圧高め解と低め解の接近度に基づくもの、
(ロ)安定限界までの余裕量を負荷量や電圧で表わすも
の、(ハ)無効電力又は電圧感度を用いるもの及び潮流
計算におけるヤコビ行列に基づくもの等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来方式のもの
は、いずれも系統の負荷と電圧の関係を示す特性を利用
して求めるもので、負荷が有する安定制御作用との関係
付けが十分ではない。又、指標を計算するために通常の
運転では実際には発生しないような低い電圧領域の特性
までを用いなければならなかった。
【0006】上記方式では計算が複雑であるばかりか、
その計算結果は安定限界に近い重負荷領域においてのみ
有効であり、軽負荷及び中負荷領域では指標値の表わす
意味が曖昧であった。したがって、得られた指標は利用
が限定されていた。
【0007】近年、電力系統に課せられた負荷需要は益
々大きくなり、又、その需要も時々刻々と変動するた
め、実時間にその状態を把握して適切な運用対策を施す
必要がある。そのためには、系統負荷の安定作用と系統
の電圧特性とを反映した安定度を的確かつ迅速に評価
し、把握する必要がある。
【0008】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、負荷の安定受電状態をより正確に表わす
と共に、より計算が簡易、かつ効率的な電力系統電圧安
定度評価装置とそれらのプログラムを記録した記録媒体
を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の[請求項1]に
係る電力系統電圧安定度評価装置は、電力系統の接続状
態及び電力需給状態を系統情報として収集し、前記収集
したオンラインデータに基づいて電力系統の電圧安定度
を評価監視する電力系統電圧安定度評価装置において、
収集された系統情報及び系統設備データに基づいて現在
の系統の潮流状態を算出し、その状態の系統電圧安定度
を負荷の平衡力の大きさを用いた指標として算出すると
共に、想定される需給状態,系統構成の変化及び偶発事
故発生時の系統状態を算出し、その状態の電圧安定度を
前記同様に負荷の平衡力の大きさを用いた指標として算
出して評価する手段を備えた。
【0010】本発明の[請求項2]に係る電力系統電圧
安定度評価装置は、請求項1において、指標は評価しよ
うとする系統状態における負荷の受電電圧及び負荷のア
ドミッタンスと、前記系統状態から、その系統にかかる
負荷需要の大きさをわずかに変化させた系統状態におけ
る負荷の受電電圧及び負荷のコンダクタンスとの差を用
いて算出する方式を用いた。
【0011】本発明の[請求項3]に係る電力系統電圧
安定度評価装置は、請求項1又は請求項2において、指
標は下記の式で表わされるものである。 記
【数1】
【0012】本発明の[請求項4]に係る媒体は、電力
系統の接続状態及び電力需給状態を系統情報として収集
し、前記収集したオンラインデータに基づいて電力系統
の電圧安定度を評価監視する電力系統電圧安定度評価装
置において、収集された系統情報及び系統設備データに
基づいて現在の系統の潮流状態を算出し、その状態の系
統電圧安定度を負荷の平衡力の大きさを用いた指標とし
て算出すると共に、想定される需給状態,系統構成の変
化及び偶発事故発生時の系統状態を算出し、その状態の
電圧安定度を前記同様に負荷の平衡力の大きさを用いた
指標として算出して評価するプログラムを記録した記録
媒体である。
【0013】
【作用】上記の電力系統電圧安定度評価装置は以下に示
す3段階で作用する。先ず、第1段階では、電力系統の
需給運用中において、定時間周期で、電力系統の接続状
態や需給状態に関する系統情報が、別の電力系統監視装
置に収集されることにより、その情報を潮流状態演算手
段に入力する。潮流状態演算手段では、入力された情報
データと予め記憶している系統設備データとに基づいて
現在の潮流状態を算出する。
【0014】前記系統情報によらず、現在から変化する
と予想される需要と系統の接続状態及び偶発事故を組み
合わせたいくつかの想定上の潮流状態を算出する場合
は、想定状態設定手段により設定される想定上の系統情
報を潮流状態演算手段に入力する。
【0015】次の第2段階では、状態微小変化演算手段
により、前記現在の潮流状態及びいくつかの想定上の潮
流状態夫々について、電力需要条件を微小変化させた潮
流状態を算出する。
【0016】続いて第3段階では、指標演算手段(後述
する)により、1個の潮流状態について、第1段階と第
2段階の2回の潮流状態演算結果データを用いて、本発
明で提供する指標算式により、現在及び想定されるいく
つかの潮流状態について電圧安定度指標を算出する。そ
の結果は運転員に提示され、系統を安定的に運用するこ
とに資する。
【0017】以下に上記した第1から第3段階の各種算
出の方法について説明する。第1段階の現実の電力系統
から実時間で収集された系統情報データを用いて現在の
潮流状態を算出する方法は、統計学で用いられる最小2
乗法を電力系統に応用したもので、一般的に用いられて
いる方法である(例えば、田村他“悪条件な電力系統に
対する状態推定法”電気学会論文誌B分冊昭和62年1
月号)。
【0018】又、現実の電力系統から収集された系統情
報データを用いず、想定した系統状態についての潮流状
態算出法は一般に行なわれている方法を用いる(例え
ば、関根「電力系統解析理論」電気書院、昭和46
年)。
【0019】この潮流状態算出の条件として与える電力
需要は有効電力と無効電力で表わしたものであるが、系
統からの受電電圧が変化すると有効電力及び無効電力の
値が変化して、電力需要の大きさを表わすのに不便であ
るので、受電電圧Vrが変化しても一定の量、即ち、
「平衡負荷量」(山本“系統電圧安定性解析のための動
的負荷モデル”電気学会論文誌B分冊平成6年12月
号)なる考え方を用いる。
【0020】先ず、本発明では負荷が受電を安定的に行
なうために平衡作用を働かせていることに着目し、その
作用の大きさを平衡力と名付けて数式化し、これを用い
て電圧安定度指標を提案するものである。そして、この
指標は系統特性を組み入れた負荷の平衡力特性で成り立
ち、例えば電圧安定限界は、従来いわれている安定限界
と一致するものが検出できるばかりか、中間状態の指標
値も負荷の平衡力の大きさを示しているため広く利用で
きる。
【0021】ここで、負荷の平衡メカニズムについて説
明し、この平衡力を数式で示す。一般に電力系統に接続
されている受電中の負荷は、系統からの受電電圧の変動
などで受電均衡が乱れても、運転点をわずかに移動させ
ながら自己の需要と受電電力を均衡させて定常的運転状
態を維持し、安定的に受電を継続する。
【0022】代表的な例では定トルク運転中の誘導電動
機があり、受電電力が不足すれば滑り率を大きくして回
転数を減らし、電力需要を減らしている。一方で滑り率
が大きくなることにより電動機のアドミッタンスが増大
し、受電電力を大きくして両者で平衡する。このように
特別な制御機構を装備していない機器の平衡メカニズム
は自己制御性と呼ばれている。
【0023】又、負荷時タップ切替装置のように自動制
御機構を装備した機器についても、受電電力が変動して
低下すれば巻数比を大きくして、結果的にアドミッタン
スを大きくし、自己の需要に見合うように受電量を大き
くしている。
【0024】このようにして、一般に、負荷は電圧変動
に対して自己の電力要求を変化させ、一方でアドミッタ
ンス変化による受電量を増減することと併せて平衡する
作用がある。負荷の受電電圧による需要電力は(1)式
で示される。
【0025】
【数2】
【0026】又、負荷の受電電力を受電電圧と負荷のア
ドミッタンスとで表わすと(2)式となる。
【数3】 Pr =Gl Vr 2 ,Qr =−Bl Vr 2 ……………(2) 但し、Pr ,Qr :受電有効電力,受電無効電力。 Gl ,Bl :負荷アドミッタンスの有効成分であるコン
ダクタンス,無効成分であるサセプタンス。
【0027】(1)式の第1式と第2式は独立に表記さ
れているが、Pd とQd との間には負荷力率によって
(3)式のように関係づけができる。
【数4】 Qd =Pd tan θ ………………………(3) 但し、θは負荷力率角 cos-1(負荷力率)。
【0028】(1)式の第1式は受電電圧が低下したと
きの負荷需要の減少(α>0)を示しているが、平衡状
態では(1)式で示すPd と(2)式で示すPr とが等
しいことを利用して、両式を(4)式のように変形し平
衡負荷量Ld を導く。
【数5】
【0029】(4)式で示す平衡負荷量の意味は、負荷
側での需要増減がないときは、受電電圧が変化してもL
d は平衡状態では一定である、又は一定に保たれるよう
に平衡状態を作ることを示している。
【0030】要するに(1)式で表わされるPd で負荷
量を表わすとき、受電電圧の変化による負荷変化と、負
荷自身の需要増減による負荷変化とが明確に分離でき
ず、系統電圧を解析するときに扱いが複雑になるのに対
して、平衡負荷量Ld は受電電圧が変化しても、負荷需
要の増減がないときは一定として扱えばよいため、電圧
変化のみ対応する平衡メカニズムを論ずる場合に、負荷
需要を正確に扱うこともできる。
【0031】一方で、負荷が平衡状態を得ようとしてい
る過渡状態では、負荷の要求しているLd に等しくなっ
ておらず、受電している負荷量をLr とすれば、(5)
式となり、Lr =Ld となって始めて平衡状態といえ
る。負荷が平衡を保つメカニズムは、前記した通り負荷
機器により応動の仕方は異なるが、系統側からみればこ
れら各負荷機器の応動は全て負荷アドミッタンスの変化
となる。
【数6】 Lr =Gl Vr 2-α ……………………(5)
【0032】上記した(4)式から(6)式が得られ
る。
【数7】 Po =Ld Vo α , Qo =Po tan θ …………(6) 但し、θは力率角。 したがって潮流状態算出の方程式には、平衡負荷量と受
電電圧とを用いて(6)式で表わした有効電力Po ,無
効電力Qo を与える。
【0033】次に第2段階では、先に算出した潮流状態
の平衡負荷量を用いた電力需要に微小な電力需要変化を
加えて、潮流状態を算出する。ここで「微小」とは、電
力需要と系統にある電気所の電気量の関係を示す曲線が
直線近似できるわずかな大きさであり、例えば電力需要
の百分の一ないし千分の一程度をいう。
【0034】又、変電所母線(負荷母線という)の電力
需要の微小変化は、変電所母線毎に変化率を想定するも
のとし、発電機の出力微小変化は、系統電力需要の変化
分の発電機毎の分担量によって決める。
【0035】続いて、上記した第1段階の潮流状態算出
結果と第2段階の潮流状態算出結果から、負荷母線毎に
負荷需要の有効電力と受電電圧とから、夫々の潮流状態
のときの負荷のコンダクタンス(負荷のアドミッタンス
の有効分)を算出する。そして、第1段階と第2段階の
潮流状態算出結果を利用して、負荷母線毎の受電電圧差
分及び負荷のコンダクタンス差分を算出する。
【0036】第2段階の潮流状態算出を簡略にする方法
として、電力変化の大きさを与えて、直接に電圧変化の
大きさを算出する方法も可能である。前述した潮流状態
算出法が、非線形方程式を解く問題で収束まで反復する
のに対して、この算出は線形方程式になるように近似し
たものであり、1回の演算で解が得られ簡略である。但
し、系統の潮流状態が中程度以下の場合には比較的良い
数値解が得られるが、電圧安定限界に近づくにつれて、
近似誤差が無視できない程大きくなる。
【0037】第3段階では、第2段階で算出した負荷母
線毎の受電電圧差ΔVr 及び負荷のコンダクタンス差Δ
Gl を利用して負荷の平衡力、即ち、電圧安定度指標E
Fを算出する。
【0038】今、アドミッタンスの変化に対する受電負
荷量の変化を(5)式から導くと、(5)式を全微分す
ると(7)式が得られる。
【数8】 dLr =Vr 2-αdGl +(2−α)Gl Vr 1-αdVr ……(7)
【0039】(7)式の右辺第1項はGl の変化分によ
る受電負荷量の変化分であり、第2項はGl の変化に伴
なう受電電圧変化による受電負荷量の変化分を示してい
る。即ち、(7)式を第1項のみで表わせば、負荷のア
ドミッタンスの変化による受電電圧変化がない理想母線
(無限大母線)に接続されている場合の、受電負荷量の
変化を示している。
【0040】今、第1項で(7)式の両辺を除すると
(8)式となり、この(8)式は無限大母線に接続され
ている場合に対して、実際の受電状態の平衡を得る量の
能力を示しており、この式で示される量を平衡力EF
(EquilibrationFaculty)と称す
る。
【0041】
【数9】
【0042】負荷の平衡力の大きさEFは、負荷の有効
電力需要と有効受電電力の間に不均衡が生じた場合に、
負荷が自らのコンダクタンスを変化させて受電電力を調
整するとき、コンダクタンスの変化に対する需要不均衡
回復量の大きさの割合を示している。
【0043】即ち、理想的な電力系統から受電する場合
は、EFは1を示し、コンダクタンスを変化させても回
復量が0で回復可能限界(電圧安定限界)点ではEFは
0を示す。両者の中間の値を示すEFの場合は、相当の
安定度を示すのでこれを電圧安定度指標として、系統の
安定度状態把握に資する。
【0044】電圧安定度指標は1個の潮流状態について
負荷母線毎に算出されるので、夫々の負荷母線の電圧安
定度指標を任意に組み合わせて、系統の安定度状態を表
わす電力系統電圧安定度指標ができる。組み合わせは任
意であるが、系統を安定限界に近い状態から余裕を持っ
て運転するためには、最小の指標を示す母線の指標を電
力系統電圧安定度指標とすると、的確な状態管理が可能
となる。
【0045】
【発明の実施の形態】図1は本発明による電力系統電圧
安定度評価装置の実施の形態を示す構成図である。図1
においてSは電力系統、G1 〜Gn はこの電力系統に並
列運転をして電力を供給している発電機、L1 〜Lm は
この電力系統から電力を受電している負荷である。Mは
各発電所や変電所から伝送されてくる前記電力系統Sの
接続状態(例えば、断路器やしゃ断器等の開閉状態)や
需給状態(発電所や変電所の母線及び送電線を通過する
有効電力P,無効電力Q及び発電所や変電所の母線の電
圧V)に関する系統情報を収集する電力系統監視装置で
ある。
【0046】1は前記電力系統監視装置から伝送された
前記系統情報を格納する系統情報記憶部、2は前記系統
情報と系統設備記憶部3に記憶されている系統設備デー
タとに基づいて、現在系統又は想定系統状態設定部4に
記憶された想定系統データ(例えば、電力需要の増減予
測データ,仮想事故発生データ)に基づく系統との潮流
状態を算出する潮流状態演算部である。
【0047】5は電力需要微小変化時の各負荷母線の受
電電圧変化の大きさ及び負荷コンダクタンスの変化の大
きさを算出する状態微小変化演算部、6は前記各負荷母
線の受電電圧変化及び前記負荷コンダクタンス変化を用
いて電力系統電圧安定度指標を演算する電力系統電圧安
定度指標演算部である。
【0048】図2は電力系統電圧安定度評価装置の処理
内容を示すフローチャートである。電力系統Sから定時
間周期で伝送されてくる電力系統の接続状態及び電力需
給状態の系統情報データは、電力系統監視装置Mにおい
て収集し、系統情報記憶部1に伝送し、系統情報記憶部
1では前記系統情報データを一時格納する。この系統情
報記憶部1に記憶された系統情報データは潮流状態演算
部2に取り込まれ、系統設備記憶部3に予め記憶され、
そこより潮流状態演算部2に取り込まれた系統設備デー
タをと用いて、潮流状態演算部2において現在の潮流状
態が演算される(ステップS1)。
【0049】この演算結果は状態微小変化演算部5に入
力される。状態微小変化演算部5では潮流状態演算部2
で算出された前記潮流状態から、電力需要を微小変化さ
せた潮流状態を演算し(ステップS2)、それと上述の
潮流状態演算部2で算出された潮流状態から、各負荷母
線の受電電圧変化の大きさ及び負荷コンダクタンス変化
の大きさをを算出する(ステップS3)。
【0050】この算出結果は電力系統電圧安定度指標演
算部6に入力される。電力系統電圧安定度指標演算部6
では入力された各負荷母線の受電電圧変化の大きさ及び
負荷コンダクタンス変化の大きさを用い、(9)式によ
り各負荷母線のEFを算出する(ステップS4)。算出
された各母線の前記EFの中で最も小さいものを現在の
系統状態の電力系統電圧安定度指標とし、それを与える
変電所母線名と前記電力系統電圧安定度指標の値は、図
示していない表示装置に出力され、電力系統の運転員に
提示される。
【0051】次に潮流状態演算部2に戻り、ここで想定
系統状態設定部4より取り込まれた1個の想定系統と系
統設備記憶部3より取り込まれた系統設備データとを用
いて、想定系統の潮流状態が演算される(ステップS
5)。この演算結果は状態微小変化演算部5に入力され
る。状態微小演算部5では潮流状態演算部2で算出され
た前記潮流状態から、電力需要を微小変化させた潮流状
態を演算し、それと上述の潮流状態演算部2で算出され
た潮流状態から、各負荷母線の受電電圧変化の大きさ及
び負荷コンダクタンス変化の大きさを算出する。
【0052】この算出結果は電力系統電圧安定度指標演
算部6に入力される。電力系統電圧安定度指標演算部6
では入力された各負荷母線の受電電圧変化の大きさ及び
負荷コンダクタンス変化の大きさを用い、(9)式によ
り各負荷母線のEFを算出する。算出された各母線の前
記EFの中で最も小さいものを想定系統状態の電力系統
電圧安定度指標とし、想定系統状態を識別する名称,指
標EFを決める変電所母線名と前記電力系統電圧安定度
指標の値は、図示していない表示装置に出力され、電力
系統の運転員に提示される。
【0053】次に、再び潮流状態演算部2に戻り、別に
予定した想定系統状態について、前記潮流状態演算,状
態微小変化潮流状態演算及び電力系統電圧安定度指標演
算と表示を行ない、予め予定した個数の想定系統状態の
一連の演算,表示が終了するまで繰り返す(ステップS
6)。
【0054】図3は実系統を想定した供試モデルを示
し、30母線系統を用いた場合である。この場合は電源
母線が5、無負荷を含む負荷母線が25の場合である。
本検証で系統需要を変えたときの大きさはこのベース需
要の倍数で表わし、又、系統需要の大きさを変えるとき
の各分担量は電源母線,負荷母線ともにベース系統需要
のときの各母線分担比率を保つものとし、負荷力率もベ
ース系統需要のときの力率を保つものとした。そして負
荷特性定数αは0.1とした。
【0055】図4は算出された電圧安定度指標を示す図
であり、縦軸に電圧安定度指標EFを、横軸に系統需要
を10.290puの倍数で示した。図に示されるよう
に1.95倍の需要で母線11の電圧安定度指標が十分
に0に近づき、次に増加させた系統需要では潮流計算が
不可能となり、安定限界とみなすことができる。
【0056】系統需要を増加させたとき、有負荷母線の
うち、母線11はどのレベルの系統需要でも電圧安定度
指標が最小であり、母線22は最大である。又、母線8
及び15は中位近くにあり、電圧安定度指標の大きさ順
が途中で入れ替わった。そして、安定度指標を示す曲線
はいずれの母線においても、系統需要の増加と共に単調
に減少することを示している。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば収
集された現状の系統状態データに基づいて、現状の系統
状態の電圧安定度と、想定されるいくつかの系統状態の
電圧安定度を、複雑かつ時間を必要とする解析計算を行
なわずに、従来のものより的確,簡単で、時間を必要と
しない指標を算出して、運転員に提示することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すブロック図。
【図2】電力系統電圧安定度指標の算出法を説明するた
めのフローチャート。
【図3】電力系統電圧安定度指標算出のための供試モデ
ル図。
【図4】供試モデルによって算出された電圧安定度指
標。
【符号の説明】
1 系統情報記憶部 2 潮流状態演算部 3 系統設備記憶部 4 想定系統状態設定部 5 状態微小変化演算部 6 電力系統電圧安定度指標演算部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の接続状態及び電力需給状態を
    系統情報として収集し、前記収集したオンラインデータ
    に基づいて電力系統の電圧安定度を評価監視する電力系
    統電圧安定度評価装置において、収集された系統情報及
    び系統設備データに基づいて現在の系統の潮流状態を算
    出し、その状態の系統電圧安定度を負荷の平衡力の大き
    さを用いた指標として算出すると共に、想定される需給
    状態,系統構成の変化及び偶発事故発生時の系統状態を
    算出し、その状態の電圧安定度を前記同様に負荷の平衡
    力の大きさを用いた指標として算出して評価する手段を
    備えたことを特徴とする電力系統電圧安定度評価装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電力系統電圧安定度評価
    装置において、前記指標は評価しようとする系統状態に
    おける負荷の受電電圧及び負荷のアドミッタンスと、前
    記系統状態から、その系統にかかる負荷需要の大きさを
    わずかに変化させた系統状態における負荷の受電電圧及
    び負荷のコンダクタンスとの差を用いて算出する方式を
    用いたことを特徴とする電力系統電圧安定度評価装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の電力系統電
    圧安定度評価装置において、前記指標は下記の式で表わ
    されるものであることを特徴とする電力系統電圧安定度
    評価装置。 記 【数1】
  4. 【請求項4】 電力系統の接続状態及び電力需給状態を
    系統情報として収集し、前記収集したオンラインデータ
    に基づいて電力系統の電圧安定度を評価監視する電力系
    統電圧安定度評価装置において、収集された系統情報及
    び系統設備データに基づいて現在の系統の潮流状態を算
    出し、その状態の系統電圧安定度を負荷の平衡力の大き
    さを用いた指標として算出すると共に、想定される需給
    状態,系統構成の変化及び偶発事故発生時の系統状態を
    算出し、その状態の電圧安定度を前記同様に負荷の平衡
    力の大きさを用いた指標として算出して評価するプログ
    ラムを記録した記録媒体。
JP9197795A 1997-07-08 1997-07-08 電力系統電圧安定度評価装置とそれらのプログラムを記録した記録媒体 Pending JPH1132433A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100397377B1 (ko) * 2000-10-25 2003-09-13 한국전력공사 최적화 조류측정방법을 이용한 전압안정도 해석방법 및 그시스템
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