JPH11301733A - 慶弔用引出物及びその納品方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 慶弔用引出物は三品又は五品を一品単位で包
装し、それらを寄せ集めて袋詰めにする。経験則によれ
ば、そのような形態では一品一品の価格が高くつく傾向
にあり、また、一品単位で包装しているため包装紙を無
駄に使用し且つ余計な人件費が掛かる。そして、袋詰め
になっているから宅配便で送ると輸送中に傷みやすい、
などの不具合があった。 【解決手段】 積重ね可能な直方体形状で剛性構造の把
手付き容器である携帯型ボックス２と、贈答品３と、被
贈答者が選択権を行使するための通信手段を添付した選
択権付きの商品目録４とからなり、前記携帯型ボックス
２の中に贈答品３と選択権付きの商品目録４とを同梱す
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、結婚式、葬式など
慶弔の儀式に際して、来客への贈答品であるいわゆる慶
弔用引出物及びその納品方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の慶弔用引出物について結婚式を例
に説明する。先ず引出物の贈答品としては、鰹節、海苔
等の乾物類や、バームクーヘンなどの菓子類が多く使わ
れる。そして、これに食器類や時計のような記念に残る
品物を加えて、三品か五品の組み合わせにするケースが
多い。また、現在は、選択権付きの商品目録を箱詰めし
て引出物とし、被贈答者がその商品目録の中から商品を
選択して希望の品を指定葉書で通知すると後日配送され
る、という新しい引出物のシステムが定着しつつある。
このシステムは、引出物が軽くなって持ち帰りに好都合
であり、また、自分の希望する品物が気兼ね無く選べ
る、などの理由で概ね好評であり、今後益々増加するも
のと予想される。

【０００３】次ぎに従来の慶弔用引出物の式場への納品
方法について同じく結婚式を例に図３により説明する。
先ず引出物の品物としては上記のように三品か五品の組
み合わせにするケースが多いのであるが、これらは通常
一品ごとに取り扱い業者Ａ，Ａ…が異なっていて一品ご
とに独立して包装され、結婚式の前日か又は当日に式場
Ｂの指定の場所（荷物置き場Ｃの所定の棚Ｄ）に各業者
Ａ，Ａ…から搬入される。そして、それを式場Ｂの複数
の担当者が荷物置き場Ｃで前記三品又は五品を一つの手
提げ袋に詰め合わせて各席に運ぶのである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の慶弔用引出物
は、前記のように三品又は五品を一品単位で包装し、そ
れらを寄せ集めて袋詰めにするのであるが、経験則によ
れば、そのような形態では一品一品の価格が高くつく。
例えば、一品が乾物である場合、鰹節一つのセットでは
貧弱で見栄えがしないため、鰹節と海苔の詰め合わせ
を、という具合になってしまう。また、従来は一品単位
で包装しているため、包装紙を無駄に使用し且つ余計な
人件費が掛かる、などの問題点があった。

【０００５】また、来客の中には引出物を宅配便にして
自宅宛に送る場合があるが、従来の引出物は袋詰めにな
っているから口の部分をガムテープで止める程度の簡易
な梱包になり、輸送の途中で中身が傷みやすい不具合も
あった。

【０００６】ところで、結婚式は、週末や祝日など特定
の日に集中して行われる場合が多い。従って、一つの式
場で一日に複数組みの結婚式が入れ替わり行われること
になるが、その場合に大変なのが手提げ袋に引出物を詰
め合わせる作業である。というのも、短い準備時間の間
に引出物の袋詰めを間違いなく行う必要があり、もし仮
に一品でも過不足が生じた場合には全ての手提げ袋の見
直しを徹底して行わなければならないからである。

【０００７】このような引出物の袋詰め作業を正確且つ
迅速に行うためには、手慣れた質の高い従業員の存在が
不可欠であるが、結婚式が激減する平日の余剰人員を考
えれば質の高い従業員による完全対応は極めて難しい。
結局、その不足人員を補うのは主として学生アルバイト
ということになるが、経験不足や職業意識の低さからト
ラブル発生の不安があった。

【０００８】また、近年、例えば料理店やホテルなどで
結婚式を行うカップルが増加しつつあるが、そのような
場所では専門の結婚式場と違って上記引出物の取り扱い
に対するノウハウの蓄積や図３の荷物置き場Ｃのような
引出物の保管スペースがないため引出物の取り扱いが営
業上相当な重荷になっている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑みなさ
れたもので、積み重ね可能な形態で剛性構造の把手付き
容器である携帯型ボックスと、贈答品と、被贈答者が選
択権を行使するための通信手段を添付した選択権付きの
商品目録とからなり、前記携帯型ボックスの中に前記贈
答品と選択権付きの商品目録とを同梱するようにした慶
弔用引出物を提供する。

【００１０】上記慶弔用引出物は、贈答品と選択権付き
商品目録とを携帯型ボックスに同梱するようにしたた
め、贈答品が嵩を稼いで贈答者・被贈答者を視覚的に満
足させ、一方、選択権付き商品目録が掲載商品の豊富
さ、面白さにより贈答者・被贈答者を心理的に満足させ
る。従って、贈答品の単価を低く抑えても慶弔用引出物
全体の総合力で贈答者・被贈答者に高い満足度を与える
ことができる。また、本発明の慶弔用引出物は、積み重
ね可能な形態で剛性構造の携帯型ボックスに入っている
ため、複数個を上に積み重ねてコンパクトに保管するこ
とができ、宅配便などでの輸送も簡単且つ安全に行え
る。その上、把手付きであるため、持ち運びが容易で取
り扱いやすい。

【００１１】また、本発明は、請求項２に記載したよう
に、積み重ね可能な形態で剛性構造の把手付き容器であ
って、贈答品を入れるスペースと、被贈答者が選択権を
行使するための通信手段を添付した選択権付きの商品目
録を入れるスペースとを併設してなる携帯型ボックスを
使用し、式場に搬入する前に予め携帯型ボックスに贈答
品と選択権付きの商品目録とを一緒に詰め合わせて引出
物を完成させ、その完成させた引出物を式場の指定の場
所に搬入するようにした慶弔用引出物の納品方法を提供
する。

【００１２】この慶弔用引出物の納品方法によれば、式
場における引出物の袋詰め作業が完全に不要になるた
め、第一に詰め忘れのような引出物に関するトラブル発
生のおそれがなく、第二に式場側の人員を削減して経営
の効率化が可能であり、第三に結婚式などを専門にして
いない料理店やホテルなどでも引出物の取り扱いが簡単
に行える。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。なお、図１は慶弔用引出物の分
解斜視図、図２は慶弔用引出物の完成斜視図である。

【００１４】本発明の慶弔用引出物１は、携帯型ボック
ス２と、贈答品３，３と、商品目録４とからなり、携帯
型ボックス２に贈答品３，３と商品目録４とを同梱する
ようにしたものである。

【００１５】携帯型ボックス２は、段ボール製の箱本体
２ａに同じく段ボール製の蓋２ｂを被せるようにした剛
性構造の容器であり、箱本体２ａに合成樹脂製の把手２
ｃを設け、その把手２ｃを蓋２ｂの把手孔２ｄから突出
させるようにしてある。携帯型ボックス２の大きさは、
前記贈答品３，３が入るスペースに商品目録４が入るス
ペースを加えたものである。贈答品３，３を入れるスペ
ースと商品目録４を入れるスペースは上下左右のどこに
配置してもよい。図１の実施形態では商品目録４のスペ
ースを贈答品３，３のスペースの下に配置し、両スペー
スの間を窓孔２ｅ付きの仕切板２ｆで仕切るようにして
ある。なお、仕切板２ｆの窓孔２ｅは、贈答品３，３を
出した時に必ず商品目録４の存在が判るようにするため
のものであり、商品目録４の出し忘れを防止する効果が
ある。

【００１６】贈答品３，３は例えば箱詰めした鰹節と海
苔の二品であり、図示したように段ボール製の台枠２ｇ
に嵌め込むことによって携帯型ボックス２の中にしっか
り固定する。商品目録４（カタログともいう。）は、多
数の商品を掲載した複数頁の冊子であって、蓋５ａ付き
の化粧箱５に収められている。商品目録４には、被贈答
者に掲載商品の中から指定の品数（多くの場合は一品）
だけ選択する権利が与えられており、その選択権を行使
するための通信手段として指定業者宛の葉書（図示せ
ず）が添付されている。従って、被贈答者は葉書に希望
する商品を記載し、それを郵送すればよい。そうすると
指定業者が被贈答者宛に商品を発送し、その結果を贈答
者に報告する。

【００１７】次ぎに慶弔用引出物１の納品方法を結婚式
場を例に説明する。先ず、図１のように携帯型ボックス
２の箱本体２ａの底に選択権付きの商品目録４を入れた
化粧箱５をセットし、その化粧箱５の上に仕切板２ｆを
載せる。次ぎに仕切板２ｆの上面に台枠２ｇを被せ、そ
の台枠２ｇの開口部２ｈ，２ｈに贈答品３，３をセット
する。そして最後に箱本体２ａに蓋２ｂを被せると図２
のように慶弔用引出物１が完成する。なお、本発明の慶
弔用引出物１には包装紙を使用する必要が一切なく、従
って、包装紙代と包装に要する人件費を大幅に削減する
ことができる。

【００１８】ここまでの作業は式場に搬入する前に専門
業者によって行われ、結婚式の前日又は当日に式場の指
定場所（例えば図３の荷物置き場Ｃ）に運び込まれる。
このとき慶弔用引出物１に把手２ｃがあるため作業性が
頗るよく、また、携帯型ボックス２が積み重ね可能な直
方体の形態で段ボールによる剛性構造であるため、車両
の荷台に積み重ねて効率よく輸送することができ、さら
にまた、式場においても図２二点鎖線のように上に積み
重ねるようにすれば、狭いスペースに効率よく保管する
ことができる。

【００１９】上記のようにして搬入された慶弔用引出物
１は完全に出来上がっていて手を加える必要がないた
め、式場では結婚式の準備時間に前記慶弔用引出物１を
各席に運ぶだけでよい。一方、慶弔用引出物１を受け取
る側の来客（被贈答者）は、携帯型ボックス２の把手２
ｃを使って簡単且つスマートに持ち帰ることができ、ま
た、携帯型ボックス２の箱本体２ａと蓋２ｂにガムテー
プなどを貼り付けて蓋２ｂの開きを防止すると共に適当
な場所に荷札を貼り付けるようにすれば、簡単且つ安全
に発送することができる。

【００２０】以上本発明を実施の形態について説明した
が、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるもので
はない。例えば、実施形態では携帯型ボックス２の蓋２
ｂを箱本体２ａから完全に外れる構造にしたが、箱本体
２ａに対して蓋２ｂを開閉自在なように鋲着するように
してもよい。また、実施形態では箱本体２ａに把手２ｃ
を設けるようにしたが、例えば箱本体２ａと蓋２ｂをす
っぽり包み込むスリーブを使用し、そのスリーブに把手
を取り付けるようにすることもできる。また、実施形態
では商品目録４と二品の贈答品３，３の詰め合わせを例
示したが、商品目録プラス贈答品の組合せであれば、品
数は如何様でもよい。

【００２１】また、実施形態は結婚式を例に説明した
が、あらゆる慶弔の儀式において本発明は有用である。
また、実施形態では選択権を行使するための通信手段と
して葉書を例示したが、その通信手段はどのようなもの
であってもよい。例えば、電話、ファクシミリ、コンピ
ュータによる電子メールなども通信手段であり、その場
合、商品目録４には夫々の番号を明示するカードが添付
される。

【００２２】

【発明の効果】本発明の慶弔用引出物は、贈答品と選択
権付き商品目録とを携帯型ボックスに同梱するようにし
たため、贈答品が嵩を稼いで贈答者・被贈答者を視覚的
に満足させ、一方、選択権付き商品目録が掲載商品の豊
富さ、面白さにより贈答者・被贈答者を心理的に満足さ
せる。従って、贈答品の単価を低く抑えても慶弔用引出
物全体の総合力で贈答者・被贈答者に高い満足度を与え
ることができる。また、本発明の慶弔用引出物は、積み
重ね可能な形態で剛性構造の携帯型ボックスに入ってい
るため、複数個を上に積み重ねてコンパクトに保管する
ことができ、宅配便などでの輸送も簡単且つ安全に行え
る。その上、把手付きであるため、持ち運びが容易で、
鞄感覚のスマートさで慶弔用引出物が持ち帰れる、など
の効果がある。

【００２３】また、請求項２の慶弔用引出物の納品方法
によれば、式場における引出物の袋詰め作業が完全に不
要になるため、第一に詰め忘れのような引出物に関する
トラブル発生のおそれがなく、第二に式場側の人員を削
減して経営の効率化を図ることが可能であり、第三に結
婚式などを専門にしていない料理店やホテルなどでも引
出物の取り扱いが簡単に行える、などの優れた効果を発
揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 慶弔用引出物の分解斜視図である。

【図２】 慶弔用引出物の完成斜視図である。

【図３】 従来の納品方法を示すブロック図である。

【符号の説明】

１ …慶弔用引出物 ２ …携帯型ボックス ２ｃ…把手 ３ …贈答品 ４ …商品目録 Ｂ …式場 Ｃ …荷物置き場（指定の場所）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 積み重ね可能な形態で剛性構造の把手付
   き容器である携帯型ボックスと、 贈答品と、 被贈答者が選択権を行使するための通信手段を添付した
   選択権付きの商品目録と、からなり、 前記携帯型ボックスの中に前記贈答品と選択権付きの商
   品目録とを同梱するようにしたことを特徴とする慶弔用
   引出物。
2. 【請求項２】 積み重ね可能な形態で剛性構造の把手付
   き容器であって、贈答品を入れるスペースと、被贈答者
   が選択権を行使するための通信手段を添付した選択権付
   きの商品目録を入れるスペースとを併設してなる携帯型
   ボックスを使用し、 式場に搬入する前に予め携帯型ボックスに贈答品と選択
   権付きの商品目録とを一緒に詰め合わせて引出物を完成
   させ、その完成させた引出物を式場の指定の場所に搬入
   するようにしたことを特徴とする慶弔用引出物の納品方
   法。