JPH11299830A - 排便・排尿検知可能おむつとそれに用いるサンプリング管 - Google Patents

排便・排尿検知可能おむつとそれに用いるサンプリング管

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JPH11299830A
JPH11299830A JP10106634A JP10663498A JPH11299830A JP H11299830 A JPH11299830 A JP H11299830A JP 10106634 A JP10106634 A JP 10106634A JP 10663498 A JP10663498 A JP 10663498A JP H11299830 A JPH11299830 A JP H11299830A
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JP
Japan
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gas
diaper
liquid separation
water
separation membrane
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JP10106634A
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English (en)
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Takahiro Oga
隆裕 大賀
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Original Assignee
Japan Gore Tex Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 おむつ内のガスを外部へ導出して排泄の有無
を検知する場合に、おむつ内に気液分離膜を挿入して、
位置決めが容易かつ対象者の運動によってずれにくい構
造であり、おむつと胴部との間に隙間を作らず、既存の
紙おむつの構造を極力変更せずに気液分離膜を内蔵させ
るような簡易かつ確実な手法を提供する。 【解決手段】 紙おむつの最外層の防水シート2に、お
むつ内部と外部との開口部6を設け、開口部から気液セ
パレータを挿入可能にするとともに、開口部において気
液分離膜7と紙おむつ防水シートとを水密的に連結する
コネクターを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排便・排尿検知可能
おむつおよびそれに用いるサンプリング管に関する。こ
れらは、おむつにより排泄介護が必要な老人、病人、乳
幼児、また尿/便失禁の治療、診断を必要とする者に対
し、おむつ内のガス成分のみをおむつ外へ吸引、導出
し、適当なガス分析手段によって排便、排尿を検知する
システムに適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】特開平8−159934号公報には、撥
水性通気膜をガスサンプリング導管の経路に有する気体
分析システムが記載されている。この発明によれば、撥
水性通気膜のチューブまたはフィルムからなる気液分離
膜をおむつ内に留置し、ここからおむつ内の気体のみを
吸引、サンプリングして、サンプリング路の途中経路に
設けられたセンサー部に導き、必要な分析、例えば、湿
度あるいはアルコール系ガスや含イオウガスの分析を実
施することで、排泄の有無を検知することが可能にな
る。
【0003】このとき、老人介護などの現場で使用され
る紙おむつは、対象者の胴部を外周する部分に伸縮性の
素材を用い、胴部を軽く緊縛しておむつを固定すると共
に排泄物が漏れないように工夫したり、あるいは特に伸
縮性素材を用いないタイプのものでも胴部はやはり排泄
物が漏れないように胴部を締めつけて固定するものが一
般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなおむつで
は、下記の如き問題がある。紙おむつは各種素材の多層
構造になっているが、体表面から最も外側の層は排泄物
を洩らさないようポリオレフィン系フィルムが使用され
ている例が殆どである。そのフィルムは水および気体も
比較的通過しにくいため、排泄臭をサンプリングするに
はおむつ外側からでは困難である。従って、効率的にガ
スサンプリングを実施するには気液分離膜部分を直接お
むつ内へ挿入してガスを吸引する必要があるが、気液分
離膜部が直接肌に接触するため、特に若干固いチューブ
型の気液分離膜などで異物感、不快感を覚えることもあ
る。
【0005】気液分離膜をおむつ内へ直接挿入すると、
排泄物で気液分離膜が汚染されやすく、比較的短い周期
で交換する必要がある。サンプリング管をおむつ外へ取
り出す場合、通常は対象者の胴部を外周する部分から取
り出すことになるが、サンプリング管は圧力損失を抑制
するためにある程度太径のチューブが適用されるため、
胴部を外周する部分に隙間を生じてしまう。従って、排
泄物が漏れてしまう危険性がある。
【0006】サンプリング管が胴部肌に直接接触し、異
物感・不快感を覚えることがある。気液分離膜部分のお
むつ内での位置を一定に保ちにくい。設置にあたって予
め設定した位置へ気液分離膜を設置する様、気を使う必
要があるが、仮にそうした場合でも対象者の寝返り運動
などで位置がずれやすい。位置ずれを起こしてしまうと
適切な場所、即ち排泄箇所である会陰部近傍からガス吸
引ができず、排便・排尿を検知できない例がある。
【0007】気液分離膜部分が比較的柔軟なフィルム状
撥水性通気膜からなるパッド状である場合、対象者の寝
返り運動によってパッド部がよじれた状態になり必要な
気液分離面積を欠くことがある。そこで、本発明は、お
むつ内のガスを外部へ吸引・導出し、しかる後に適当な
手段でガス成分分析を実施して排泄の有無を検知する場
合において、おむつ内の所定位置へ気液分離膜を挿入す
るにあたり、位置決めが容易かつ対象者の運動によって
ずれにくい設置であり、気液分離膜からのサンプリング
管が胴部を経由せず、おむつと胴部との間に隙間を作ら
ず、しかも既存の紙おむつの構造を極力変更せずに気液
分離膜を内蔵させるような簡易かつ確実な手法を開発す
ると共に、その手法によって適切な気液分離膜内蔵式の
おむつおよびそのために使用するサンプリング用具を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは以上の課題
をふまえ、鋭意研究を重ねた結果、紙おむつの最外層の
防水シート部におむつ内部と外部との開口部を設け、該
開口部から気液分離膜を挿入可能にすると共に、該開口
部において気液分離膜と紙おむつ防水シートとを水密的
に連結するコネクターを設けることにより実用上極めて
優れた気液分離膜内蔵式のおむつが得られることを見い
出した。
【0009】即ち、本発明は、最内層とそれより外側層
として水不通過性シート層を含む多層構造を有するおむ
つの前記水不通過性シート層に設けた開口部を通して、
前記水不通過性シート層と前記最内層との間に、中空管
に連結された撥水通気性素材からなる気液分離膜が挿入
されることを特徴とする排便・排尿検知可能おむつにあ
る。
【0010】また、本発明によれば、この排便・排尿検
知可能おむつに用いるための、撥水通気性素材からなる
気液分離膜とそれに連結した中空管とからなることを特
徴とする排便・排尿検知用サンプリング管も提供され
る。
【0011】
【発明の実施の形態】図面を参照しながら説明する。図
1に示す通り、市販の紙おむつ1は体表より最も外側に
ポリオレフィン系素材からなる防水シート2と、この防
水シート2にホットメルトで一体化されたポリエステル
やポリオレフィン系材料の不織布3を有するのが一般的
である。なお、不織布のほか、織布、編布などの帛布で
もよい。このホットメルトはおむつの略長手方向に対
し、平行線状に塗布されており、ホットメルトのライン
4の間隙は防水シート2と接着しておらず封筒状の通路
5を形成する。
【0012】そこで、図2の如く防水シート2の不織布
3と一体化していない部分に開口部6を設け、ここから
気液分離膜7を挿入してやれば、おむつ内の特に会陰部
周辺に適切に気液分離膜7を設置でき、また、寝返りな
どの運動によってもホットメルトのラインに妨げられて
横方向へ位置がずれにくい。但し、単純に開口部を設け
て気液分離膜を挿入しただけでもよいが、この開口部か
ら排泄物が漏れる可能性があるため、図3の如く、気液
分離膜のサンプリング管部分8に水密的に嵌合するコネ
クター9を設けるのがよい。このコネクター9は防水シ
ート1と水密的に接着されるが、接着剤や両面テープ、
ホットメルトのほか熱融着などの方法が採られる。
【0013】なお、コネクターはポリカーボネイト、ポ
リオレフィン、ポリエステル等の比較的硬質の合成樹脂
で製造しても差し支えないが、弾性を有する合成樹脂、
例えば軟質塩化ビニール、ポリウレタン、シリコーン樹
脂等で製作するのが好適である。また、コネクターは、
図3のように端面につばを有するチューブ状9の他、図
4のような肉厚のシート状10であってよく、シート1
0では貫通した開口部10aを有する。チューブ9の通
路(開口部)あるいはシート10の開口部を通じて気液
分離膜をおむつ内に挿入する。
【0014】このとき、図5に示すように、気液分離膜
7はサンプリング管8に接続するが、途中にストッパー
11を設け、ストッパー11の大きさをチューブ9の内
径(あるいはシート10の開口部10a)より大きくし
て、圧入するようにすると封止できて好適である。スト
ッパーあるいはコネクターの開口部にテーパを設けた
り、抜け止めとなる突起を設けることができる。あるい
は、開口部に対して、気液分離膜を挿入したサンプリン
グ管をテープなどで封止するだけでもよい。
【0015】また、コネクターとストッパーの材質を、
例えば、硬質素材と弾性素材で構成して、圧入による封
止あるいは固定を容易化することもできる。さらに、気
液分離膜に対してストッパーとコネクターを一体に形成
し、防水シートには単純な開口部を設け、一体型コネク
ターの防水シート接触面に、あるいは防水シートの開口
部の周辺に、両面テープや接着剤で固定手段を設けてお
いて、両者を固定するようにしてもよい。
【0016】図6のようなチューブ8途中につば12を
設け、防水シートへの固定面積を増加させておくのが好
ましいが、単純なチューブを防水シートの開口部に挿入
し、周囲をホットメルト等で封止したものでもかまわな
い。つば12はサンプリング管に対し直角になる形状の
ほか、つば13の如く角度をつけてもよい。これらの形
状はあくまでも一例であって、サンプリング管を水密的
におむつ防水シート内へ導入する機能を有すればどのよ
うな構成・形状をも取りうる。
【0017】また、図7の如く、コネクター14も防水
シートに対して角度をつけることができる。こうして、
気液分離膜を防水シートの開口部を通しておむつ内に挿
入したとき、おむつ内の気液分離膜の左右位置は挿入す
る封筒状の通路によって定まり(図1参照)、前後位置
は図8の通り、挿入されるサンプリング管の長さによっ
て定まる。図8(ア)は挿入されるサンプリング管が長
い場合で、気液分離膜の位置が開口部から遠くにある
が、図8(イ)は挿入されるサンプリング管が短い場合
で、気液分離膜の位置が開口部から近くにある。これら
の位置は、例えば、対象者の性別や、排便と排尿のいず
れを検知するのが目的かなどによって任意に設定可能で
ある。気液分離膜の位置決めをより簡便・正確に行うた
めに、前記のようにサンプリング管の途中に設けたスト
ッパーを利用することができる。ストッパーは、図3の
如く、コネクターの内径より若干大きな外径を有する例
えばテーパー状の合成樹脂等で成型し、位置決めと共に
弾性を有するコネクターに圧入する事で容易にシール性
を高めることに役立つ。
【0018】また、図9に示すように、気液分離膜の挿
入時には特に気液分離膜がチューブ状あるいは略封筒状
の構造である場合、気液分離膜内部に気液分離膜全長
(サンプリング管を含む)より若干短い剛性を有する棒
状素材を予め挿入しておくなどして、気液分離膜部をお
むつ内へ挿入しやすくすることができる。図9の16は
センサーへの取付け部を示す。
【0019】ここで、市販紙おむつの構造につき更に詳
述すると図10の通り、多層構造となっているのが一般
的である。上述部では防水シート1に最も近い不織布層
3との間に気液分離膜を挿入したが、更に肌に近い層に
も挿入することも可能である。図10において、17、
18は第2および第3の不織布層、19、20は第1お
よび第2の吸水層である。このとき、気液分離膜の挿入
位置21は、肌に近づくに従い、排泄ガスの吸引には有
利になるが、一方で排泄物による汚染とおむつ左右方向
への位置固定精度は不利になる。
【0020】本発明で用いる気液分離膜は、おむつ内か
ら気体を選択的に導出する一方、液体によるセンサーへ
の危害を防止するために、気体透過性かつ液体不透過性
の素材(撥水性通気性素材)で構成され、サンプリング
管に接続されるものである。このような撥水性通気膜と
しては、水(液体)を通さず、気体だけを通過する膜で
あれば特に限定されることなく使用できるが、撥水性を
持つ有機ポリマーの多孔質膜、特に延伸多孔質ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)膜、あるいは例えばポ
リプロピレンやポリエチレンなどの多孔質膜、またこの
ような多孔質膜を多孔質高分子基材としてその骨格を撥
水性有機ポリマーで被覆した連続多孔質膜などを用いる
ことができる。耐水圧の高さ、褥創を持つ病人への適用
を考えた場合、高圧蒸気滅菌が可能な延伸多孔質PTF
E膜が好適である。
【0021】多孔質高分子基材の骨格を撥水性有機ポリ
マーで被覆した連続多孔質膜の基材の材質としては、上
記したポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル等の樹脂、あ
るいはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエ
チレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ
化ビニル、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂など
を用いることができる。なかでも、延伸多孔質ポリテト
ラフルオロエチレンのフィルム、チューブは、撥水性、
耐熱性、耐薬品性などに優れている。
【0022】多孔質高分子基材の骨格を撥水性有機ポリ
マーで被覆した連続多孔質膜の撥水性有機ポリマーとし
ては、撥水性を有する有機ポリマーであれば特に限定さ
れないが、フッ素化有機側鎖を繰り返し表われるペンダ
ント基として有するポリマーが好適である。この有機ポ
リマーはポリマー鎖のペンダント基が高くフッ素化され
ているので、基材である多孔質高分子材料の撥水性およ
び撥油性を増大する働きがある。この有機ポリマーの具
体例は特表平8−511040号、特表平10−501
294号公報等に開示されているが、一例を挙げると、
下記式
【0023】
【化1】
【0024】(式中、nは3〜13の整数であり、Rは
H又はCH3 である。)のフルオロアルキルアクリレー
ト及びフルオロアルキルメタクリレートがある。また、
「AFポリマー」(デュポン社の商品名)、「サイトッ
プ」(旭硝子社の商品名)なども使用できる。さらに、
これらの有機ポリマーを構成するモノマーの共重合体も
使用できる。
【0025】このような撥水性を有する有機ポリマーを
多孔質高分子基材の骨格に被覆して基材に撥水性(及び
撥油性)を付与しながら基材の持つ連続気孔を維持する
ことが必要であるが、これは、例えば「フロリナート」
(3M社商品名)などの不活性溶剤にこれらのポリマー
を溶解させ、多孔質高分子基材に含浸させた後、溶剤を
蒸発除去することによって可能である。
【0026】また有機ポリマーを平均粒径が0.01〜
0.5μm 程度の微粒子とすることにより、多孔質基材
の微細構造によく入り込み、その骨格組織に均一な厚み
の被覆を形成することが可能である。このような微細な
ポリマー粒子を含む水性ラテックスは、モノマーのマイ
クロエマルジョンを注意深く選択することにより可能に
される(特表平8−511040号公報)。例えば、フ
ルオロアルキル基を有する不飽和有機モノマー、フルオ
ロ界面活性剤、及び任意に補助溶剤又は無機塩を混合し
てモノマーマイクロエマルジョンを調製し、重合開始剤
を導入するなどして重合させる。モノマーマイクロエマ
ルジョンはモノマー1〜40重量%、好ましくは5〜1
5重量%、界面活性剤1〜40重量%、好ましくは2〜
25重量%、残部水である。
【0027】このようにして製造したポリマーの水性ラ
テックスを基材に適用できる。また、基材にモノマーマ
イクロエマルジョンを適用してから、それを重合させて
基材にポリマーを被覆することも可能である。基材にポ
リマーを適用後、残っている水、界面活性剤、重合開始
剤などを適宜除去する。次いで、あるいはその除去操作
と同一の処理で、基材の気孔内に残ったポリマーを溶融
させることにより、多孔質基材の骨格をポリマーで被覆
しかつ連続気孔を維持することができる。
【0028】本発明の撥水性通気膜の好ましい物性とし
ては、10μm 以下、より好ましくは3μm 以下の孔
径、30%以上、より好ましくは50%以上の気孔率で
ある。例えば延伸多孔質PTFEの場合、孔径が10μ
m を超えると耐水圧が小さくなってしまい、減圧度の大
きい吸引手段では液体が浸入してしまう。また、空孔率
が小さいと撥水性通気膜での圧力損失が大きくなり好ま
しくない。また膜厚は特に限定されないが、孔径、気孔
率を損なわないで入手できるならば耐久性(強度)の面
から厚くすることもできる。さらに、強度の面から、必
要に応じて不織布などとラミネートして使用してもよ
い。
【0029】本発明のサンプリング管に用いられる中空
管としてはキンク、つぶれが少なく、柔軟であるものが
好ましく、ポリ塩化ビニルその他の樹脂製導管が好適で
あるが、内面をフッ素樹脂などでライニング加工して、
耐腐食性を向上させることもできる。気液分離膜の形状
は、特に限定されないが、コネクターを通しておむつ内
へ挿入することが前提となるため、比較的断面積の小さ
い形状、即ち、ごく幅狭の封筒状か、チューブ状にする
のが望ましい。特に、内腔に気体通過路を確保するた
め、スペーサーを有するようにしてよい。
【0030】チューブは、多孔質チューブ押出品でも、
多孔質フィルムをラッピングして、チューブ状に成形し
たものでもよい。このようなチューブ状撥水性通気膜
は、好ましくは押出ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)チューブを延伸多孔質化して得ることができる
が、一軸延伸チューブでは耐水性が若干低くなることが
ある。その対策としては、前記した撥水性・撥油性有
機ポリマーで被覆する表面処理、一軸延伸チューブの
外周を、耐水圧76cmHg以上の一軸延伸または二軸
延伸した延伸多孔質PTFEフヘルムで被覆する方法が
採用できる。図11にその様子を示す。図11(ア)の
如く一軸延伸多孔質PTFEチューブ22の外周をフィ
ルム23で螺旋巻きするか、図11(イ)の如く平行に
巻き付ける。このフィルム23はチューブ22に対して
部分接着してもよいが、簡単かつ確実な方法としては未
焼成の一軸または二軸延伸した延伸多孔質PTFEフィ
ルムで被覆した後加熱焼成して一体化する方法がよい。
そのほか、チューブ状撥水性通気膜は、未焼成のフィル
ム状の延伸多孔質PTFEをステンレス、銅などの心材
にらせん状或いは平行様に巻き付けて焼成した後に心材
を取出してチューブ状の延伸多孔質PTFEを得ること
もできる。
【0031】本発明のおむつに取りつけた排便・排尿検
知用サンプリング管は、吸引手段を介してガスセンサー
あるいはガス分析手段に接続される。吸引手段としては
吸引ポンプ、アスピレータなど各種の吸引手段のいずれ
でもよい。ガスセンサーは、システムの分析目的に応じ
て使用される各種の分析手段のいずれでもよい。おむつ
の大便検出用としてはプロパンガス、メタンガス、アル
コールなどのセンサーが簡単で小型であることから好適
である。しかし、目的に応じて、酸素、水素などのセン
サーも用いられ、さらには例えば赤外分析装置の如く大
型の分析手段でもよい。
【0032】〔作用〕本発明の方法によれば、市販の紙
おむつ構造には大きな変更なしに気液分離膜内蔵式おむ
つを製造することができる。即ち、紙おむつの構成そ
のものは市販品のままであり、既存工程で紙おむつを成
型した後にコネクターを固定化するだけでよい。コネ
クターによってサンプリング管が水密的におむつ外へ導
出されているため、胴部周囲からの排泄物の漏れあるい
はサンプリング管の肌への刺激がない。気液分離膜の
位置決めが容易かつずれにくい。これにより、対象者の
運動に妨げられず、また、性差などによる気液分離膜位
置不適切による排泄検知精度の低下もない。気液分離
膜が直接肌に触れないため、肌への刺激がなく、また、
排泄物による汚染が少ない。コネクターに圧入されて
いる気液分離膜は容易に抜去でき、汚染がない場合は複
数回再利用して、1回あたりコストを低減できると共
に、気液分離膜の材質によっては分別廃棄しやすい。
【0033】
【実施例】(実施例)この実施例は図5に示す態様であ
る。外径1.86mm、内径1.05mm、空孔率50%、
長さ305mmの延伸多孔質PTFE製チューブ7を、外
径3.8mm、内径2.5mm、長さ930mmの塩化ビニー
ル製チューブ8の先端に2液混合性エポキシ接着剤で固
定し、先端開口部をポリウレタン樹脂で封管した気液分
離膜7を作製した。なお、塩化ビニール製チューブ8の
PTFEチューブ接続端から75mmの位置には最大径7
mmの硬質塩化ビニール製テーパー部品11を接着した。
【0034】市販の成人用紙おむつの防水シート2に直
径約5mmの開口部を設け、その外側に内径6mmの軟質塩
化ビニール製つばつきコネクター9をホットメルトによ
り水密的に接続した。コネクター9の内腔を通し、気液
分離膜7を防水シート2と不織布3の間に挿入し、紙お
むつを成人臀部の模型に固定した。
【0035】(参考例)気液分離膜は実施例1と同様に
して製造した。但し、テーパー部品は用いなかった。成
人臀部模型の会陰部に気液分離膜を仮置きし、市販の成
人用紙おむつで抑えるようにして固定した。
【0036】〔発明の効果〕参考例では紙おむつの胴部
にサンプリング管による隙間が形成された。この隙間を
小さくするよう胴部締め付け力を増すとサンプリング管
がつぶれ気体の吸引ができなくなることが判明した。一
方、実施例では胴部を経由するサンプリング管は存在せ
ず、隙間も形成されなかった。
【0037】臀部模型を左右に90°ずつ横転させ、寝
返り運動を模倣した。左右に各5回横転させたところ、
参考例では気液分離膜先端が会陰部からずれるのが確認
されたが、実施例では挿入した位置から移動することは
なかった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、おむつ内のガスを外部
へ吸引・導出し、しかる後に適当な手段でガス成分分析
を実施して排泄の有無を検知する場合において、おむつ
内の所定位置へ気液分離膜を挿入するにあたり、位置決
めが容易でかつ対象者の運動によってずれにくい構造で
あり、気液分離膜に続くサンプリング管が胴部を経由せ
ず、おむつと胴部との間に隙間を作らず、しかも既存の
紙おむつの構造を極力変更せずに気液分離膜を内蔵させ
るような簡易かつ確実な手法を開発すると共に、その手
法を実現するための適切な気液分離膜内蔵式のおむつお
よびそのために使用するサンプリング用具を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】おむつの構造を示す。
【図2】本発明の基本構成を説明する図。
【図3】おむつにつば付チューブ状コネクターを設置し
た例。
【図4】平板状コネクターの例。
【図5】ストッパーを設けてコネクターに水密封止する
実施例を示す。
【図6】ストッパーの他の例。
【図7】角度を設けたコネククターの例。
【図8】挿入される気液分離膜の長さと位置の関係を示
す。
【図9】気液分離膜をおむつ内に挿入するための補助具
を説明する図。
【図10】気液分離膜の挿入位置を示すためのおむつの
断面図。
【図11】気液分離膜としてのチューブ状撥水性通気性
膜の製造例を説明する図。
【符号の説明】
1…おむつ 2…防水シート 3…不織布 4…ホットメルトライン 5…間隙 6…開口部 7…気液分離膜 8…サンフリング管 9,10…コネクター 11…ストッパー 15…挿入補助治具 17,18…不織布層 19,20…吸水層 21…気液分離膜挿入位置 22…一軸延伸多孔質PTFEチューブ 23…フィルム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最内層とそれより外側層として水不通過
    性シート層を含む多層構造を有するおむつの前記水不通
    過性シート層に設けた開口部を通して、前記水不通過性
    シート層と前記最内層との間に、中空管に連結された撥
    水通気性素材からなる気液分離膜が挿入されることを特
    徴とする排便・排尿検知可能おむつ。
  2. 【請求項2】 前記おむつが、前記水不通過性シート層
    の内側に布帛層を有し、前記布帛層が前記水不通過性シ
    ート層に部分接着されて、前記水不通過性シート層と前
    記布帛層の間に区画された間隙を有するものであり、そ
    して、前記中空管に連結された前記気液分離膜が前記区
    画された間隙に挿入される請求項1に記載の排便・排尿
    検知可能おむつ。
  3. 【請求項3】 前記水不通過性シート層にコネクターを
    有し、前記中空管が前記コネクターを通して前記おむつ
    の前記多層構造内に挿入され、前記中空管が前記コネク
    ターによって前記水不通過性シート層に封止される請求
    項1または2に記載の排便・排尿検知可能おむつ。
  4. 【請求項4】 前記中空管が前記コネクターと係合して
    水密封止可能なストッパーを有する請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の排便・排尿検知可能おむつ。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の排便・排尿検知可能お
    むつに用いる、撥水通気性素材からなる気液分離膜とそ
    れに連結した中空管とからなることを特徴とする排便・
    排尿検知用サンプリング管。
  6. 【請求項6】 排便・排尿検知可能おむつにに設置され
    たコネクターと係合して水密封止可能なストッパーを前
    記中空管の途中に有する請求項5に記載の排便・排尿検
    知用サンプリング管。
  7. 【請求項7】 前記気液分離膜が延伸多孔性ポリテトラ
    フルオロエチレン製である請求項5または6に記載の排
    便・排尿検知用サンプリング管。
JP10106634A 1998-04-16 1998-04-16 排便・排尿検知可能おむつとそれに用いるサンプリング管 Pending JPH11299830A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI572337B (zh) * 2015-03-26 2017-03-01 Urine prompt and test system
US9937082B2 (en) 2015-03-26 2018-04-10 I-Ding Medical Equipment Co., Ltd. Wetness notification system
JP2020530573A (ja) * 2017-08-14 2020-10-22 トラシス・エス・アー ガスクロマトグラフ用の液体試料を調製するための装置

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