JPH11281699A - 漏電検出方法およびこれを使用した漏電遮断器 - Google Patents

漏電検出方法およびこれを使用した漏電遮断器

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JPH11281699A
JPH11281699A JP10085508A JP8550898A JPH11281699A JP H11281699 A JPH11281699 A JP H11281699A JP 10085508 A JP10085508 A JP 10085508A JP 8550898 A JP8550898 A JP 8550898A JP H11281699 A JPH11281699 A JP H11281699A
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JP
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magnetic
primary
leakage
wire
wires
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Application number
JP10085508A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichiro Shimizu
憲一郎 志水
Takehiko Okada
健彦 岡田
晋治 ▲高▼山
Shinji Takayama
Takuya Kagawa
卓也 香川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
  • Measuring Instrument Details And Bridges, And Automatic Balancing Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 交流と直流とのいずれに関しても漏電の発生
を検出できる漏電検出方法を使用し、かつ小型化され
た、漏電検出装置を提供する。 【解決手段】 複数の1次電線L1 、L2 、L3 は、所
定方向A1 に平行に配設され、複数の1次電線の所定方
向での長さLは、磁気検出素子1と1次電線との間の距
離である素子電線間距離r1 、r2 、r3 を無視できる
ほど長いものであり、磁気検出素子の配置位置は、検出
方向に垂直な平面βと各素子電線間距離の方向とがなす
角度である素子電線角度θ1 、θ2 、θ3 に関する余弦
の値と、素子電線間距離とが、いずれの素子電線間距離
についても同一の比率になる位置に決定されており、磁
気検出素子によって検出方向に関して得られる磁気成分
の総和Hs は、複数の1次電線に流れる各電流の合成値
を基にして得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負荷に電源を供給
する複数の1次電線に関して漏電発生を検出する漏電検
出方法と、この漏電検出方法を使用した漏電遮断器とに
関する。
【0002】
【従来の技術】図10と図11を用いて従来の漏電検出
方法を説明する。図10は従来の漏電検出方法の第1の
例を示す図で、零相変流器をあらわす斜視図である。図
11は従来の漏電検出方法の第2の例を示す図で、ホー
ル素子を使用した漏電検出方法の要部をあらわす斜視図
である。
【0003】図10に示す零相変流器は、2本の1次電
線L1 、L2 が挿通する環状磁性体の鉄心Tと、鉄心T
の一部に巻回される2次側巻線Ls とを備えて構成され
ている。ここで、2本の1次電線L1 、L2 は、交流電
源eと負荷Zとに接続して閉ループCを形成する。
【0004】漏電が発生していない場合においては、1
次電線L1 に流れる電流I1 と、1次電線L2 に流れる
電流I2 とは、同じ大きさで互いに逆向きである。従っ
て電流I1 が鉄心T内に生じる磁束φ1 と、電流I2
鉄心T内に生じる磁束φ2 とは、同じ大きさで互いに逆
向きであるため互いに打ち消しあって、鉄心T内には結
果として磁束が零となり、2次側巻線Ls の両端間の電
位差は零となる。
【0005】だが、図示するように1次電線L2 の事故
点Pで漏電が発生する場合においては、事故点Pから漏
電電流IL が漏電し、1次電線L1 に流れる電流I
1 と、1次電線L2 に流れる電流I2 とは、大きさが等
しくなくなる。従って電流I1 が鉄心T内に生じる磁束
φ1 と、電流I2 が鉄心T内に生じる磁束φ2 とは、大
きさが等しくなくなり、互いに打ち消しあえず、鉄心T
内には結果として漏電電流IL に相当する分の磁束φL
が生じ、2次側巻線Ls の両端間には、磁束φL によっ
て誘導起電力VL が誘起される。このような2次側巻線
s の両端間にかかる誘導起電力VL を計測して、閉ル
ープCの漏電を検出する。
【0006】図11に示す従来の第2の漏電検出方法
は、2次側巻線Ls のかわりにホール素子を使用した漏
電検出方法であって、磁性体からなりギャップGを備え
る略矩形の鉄心Tと、ギャップG間に位置してギャップ
Gの端面間を貫く磁束を検出するホール素子などの磁気
検出素子1とを備えて構成されている。鉄心Tの略矩形
の中央空間には、2本の1次電線L1 、L2 が挿通して
いる。2本の1次電線L 1 、L2 は、従来の第1の漏電
検出方法と同様に、交流電源と負荷とに接続して閉ルー
プを形成する。なお、磁気検出素子1は、ギャップGの
端面間を貫く方向の磁束のみを検出する。
【0007】漏電が発生していない場合においては、1
次電線L1 に流れる電流I1 と、1次電線L2 に流れる
電流I2 とは、同じ大きさで互いに逆向きである。従っ
て電流I1 が鉄心T内に生じる磁束φ1 と、電流I2
鉄心T内に生じる磁束φ2 とは、同じ大きさで互いに逆
向きであるため互いに打ち消しあって、鉄心T内には結
果として磁束が零となり、磁気検出素子1を貫く磁束が
生じず、磁気検出素子1の電圧出力が零となる。
【0008】だが、図示するように1次電線L2 の事故
点Pで漏電が発生する場合においては、事故点Pから漏
電電流IL が漏電し、1次電線L1 に流れる電流I
1 と、1次電線L2 に流れる電流I2 とは、大きさが等
しくなくなる。従って電流I1 が鉄心T内に生じる磁束
φ1 と、電流I2 が鉄心T内に生じる磁束φ2 とは、大
きさが等しくなくなり、互いに打ち消しあえず、鉄心T
内には結果として漏電電流IL に相当する分の磁束φL
が生じ、この磁束φL が磁気検出素子1を貫いて、磁気
検出素子1は磁束φL に相当する電圧を出力する。この
ような磁気検出素子1の出力電圧値を計測して、1次電
線L1 、L2 の漏電を検出する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来の第1の漏電検出方法においては、誘導起電
力VL を基にして漏電の発生を検出する構成になってい
るため、直流について漏電の発生を検出することが困難
であった。また、従来の第1および第2の漏電検出方法
においては、誘導磁路として鉄心Tを使用する構成にな
っているため、鉄心Tをなくすことはできず、漏電を検
出する装置の小型化が困難であった。
【0010】本発明は、上述のような問題点を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、交流
と直流とのいずれに関しても漏電の発生を検出でき、装
置の小型化が可能な漏電検出方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明にあ
っては、負荷に接続して電源供給の電路となる複数の1
次電線と、所定の検出方向に関して磁気成分を検出する
磁気検出素子とを備え、前記複数の1次電線の周囲に発
生する磁気を前記磁気検出素子を使って検出することに
よって、前記1次電線の漏電を検出する漏電検出方法で
あって、前記複数の1次電線は、所定方向に平行に配設
され、前記複数の1次電線の前記所定方向での長さは、
前記磁気検出素子と前記1次電線との間の距離である素
子電線間距離を無視できるほど長いものであり、前記磁
気検出素子の配置位置は、前記検出方向に垂直な平面と
各前記素子電線間距離の方向とがなす角度である素子電
線角度に関する余弦の値と、前記素子電線間距離とが、
いずれの前記素子電線間距離についても同一の比率にな
る位置に決定されており、前記磁気検出素子によって前
記検出方向に関して得られる磁気成分の総和は、前記複
数の1次電線に流れる各電流の合成値を基にして得られ
ることを特徴とする。
【0012】請求項2記載の発明にあっては、請求項1
記載の漏電検出方法であって、非磁性体の材質からなり
前記磁気検出素子を前記1次電線の近傍に付設する位置
固定部材を使用することを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明にあっては、請求項1
記載の漏電検出方法であって、前記磁気検出素子の近傍
に、磁性体を付設したことを特徴とする。
【0014】請求項4記載の発明にあっては、前記複数
の1次電線の電気導通を開閉可能な漏電遮断器であっ
て、請求項1乃至3記載の漏電検出方法によって前記1
次電線の漏電を検出すると、前記1次電線の電気導通を
強制カットするものであることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る漏電検出方法
の第1の実施の形態を図1および図2に基づいて、第2
の実施の形態を図3に基づいて、第3の実施の形態を図
4乃至図6に基づいて、第4の実施の形態を図7に基づ
いて、第5の実施の形態を図8に基づいて、第6の実施
の形態を図9に基づいて、それぞれ詳細に説明する。
【0016】[第1の実施の形態]図1は漏電検出方法
の説明図であり、(a) は3本の1次電線および磁気検出
素子を示す斜視図、(b) は(a) において3本の1次電線
および磁気検出素子に垂直な断面側面図、(c) は磁気検
出素子の検出方向の説明図である。図2は漏電検出方法
を説明する回路図である。
【0017】図1および図2を用いて説明する漏電検出
方法は、単相3線式の電路である3本の1次電線L1
2 、L3 に関する漏電を、1次電線L1 、L2 、L3
の周囲に発生する磁気の変化として扱い、磁気抵抗素子
(MR素子)で例示する磁気検出素子1によって、検出
する方法である。
【0018】3本の1次電線L1 、L2 、L3 は、所定
方向A1 に平行に配設されている。3本の1次電線
1 、L2 、L3 は、三相式の交流電源eと負荷Zとに
接続して閉ループCを形成し、負荷Zへの電源供給の電
路となる。磁気検出素子1は、所定の検出方向A2 に関
してのみ磁気成分を検出するものであり、3本の1次電
線L1 、L2 、L3 の近傍に配設固定される。ここで、
磁気検出素子1を配設固定するための固定用部材は、図
示はしないが、磁気検出素子1の周囲の磁束に変化を与
えることがない材質によって形成されていることが望ま
しい。すなわち、磁気検出素子1を配設固定するための
固定用部材は、鉄などの磁場を乱しやすい材質で形成さ
れるのではなく、例えば合成樹脂などの非磁性体で形成
されているものが望ましい。
【0019】3本の1次電線L1 、L2 、L3 の所定方
向A1 に沿った長さLは、素子電線間距離r1 、r2
3 をいずれも無視できるほど長いものである。この長
さ関係の理由は、後述する式1を成立させるためには、
そもそも長さLが無限長であることが前提にあるからで
ある。換言すれば、r1 <<Lかつr2 <<Lかつr 3
<<Lである条件は、長さLが無限長である条件の、代
替えになっている。ここで、素子電線間距離r1
2 、r3 とは、素子電線間距離r1 が、磁気検出素子
1の中心1aから1次電線L1 へ下ろした垂線の距離で
あり、素子電線間距離r2 が、磁気検出素子1の中心1
aから1次電線L2 へ下ろした垂線の距離であり、素子
電線間距離r3 が、磁気検出素子1の中心1aから1次
電線L3 へ下ろした垂線の距離である。これら素子電線
間距離r1 、r2 、r3 は、当然ながら磁気検出素子1
の中心1aおよび所定の検出方向A2 を含む補助平面α
内に存在する。なお、図1(b) は、補助平面αをあらわ
している。次に、磁気検出素子1の配置位置を、図1
(b) で説明する。
【0020】補助平面αにおいて、所定の検出方向A2
に垂直で磁気検出素子1の中心1aを通る直線s1 を想
定する。この直線s1 と素子電線間距離r1 、r2 、r
3 とのなす角度を、素子電線角度と称することにして、
直線s1 と素子電線間距離r 1 とのなす素子電線角度を
符号θ1 であらわし、直線s1 と素子電線間距離r2
のなす素子電線角度を符号θ2 であらわし、直線s1
素子電線間距離r3 とのなす素子電線角度を符号θ3
あらわすものとする。
【0021】磁気検出素子1は、素子電線間距離r1
素子電線角度θ1 の余弦cosθ1との比率cosθ1
/r1 と、素子電線間距離r2 と素子電線角度θ2 の余
弦cosθ2 との比率cosθ2 /r2 と、素子電線間
距離r3 と素子電線角度θ3の余弦cosθ3 との比率
cosθ3 /r3 とが、同一の比率になるような位置に
配置されている。すなわち、磁気検出素子1の配置位置
は、次式1の関係を保つ位置に限られることとする。
【0022】
【数1】
【0023】以下に、磁気検出素子1による、3本の1
次電線L1 、L2 、L3 に関する漏電検出を説明する。
【0024】図1(c) に示すように、1次電線L1 が磁
気検出素子1の中心1a付近につくる磁界H1 は、向き
が、所定の検出方向A2 と素子電線角度θ1 をなし、大
きさが次式2で与えられる。ここで、符号I1 は1次電
線L1 に流れる電流をあらわす。
【0025】
【数2】
【0026】磁界H1 と同様に、1次電線L2 が磁気検
出素子1の中心1a付近につくる磁界H2 は、図示はし
ないが、向きが、所定の検出方向A2 と素子電線角度θ
2 をなし、大きさが次式3で与えられる。ここで、符号
2 は1次電線L2 に流れる電流をあらわす。
【0027】
【数3】
【0028】また、1次電線L3 が磁気検出素子1の中
心1a付近につくる磁界H3 は、図示はしないが、向き
が、所定の検出方向A3 と素子電線角度θ3 をなし、大
きさが次式4で与えられる。ここで、符号I3 は1次電
線L3 に流れる電流をあらわす。
【0029】
【数4】
【0030】式2より、磁界H1 のうち、磁気検出素子
1で検出可能な成分、すなわち所定の検出方向A2 に関
する磁界H1 の成分である検出方向成分H1sは、次式5
で与えられる。
【0031】
【数5】
【0032】式3より、磁界H2 のうち、磁気検出素子
1で検出可能な成分、すなわち所定の検出方向A2 に関
する磁界H2 の成分である検出方向成分H2sは、次式6
で与えられる。
【0033】
【数6】
【0034】式4より、磁界H3 のうち、磁気検出素子
1で検出可能な成分、すなわち所定の検出方向A2 に関
する磁界H3 の成分である検出方向成分H3sは、次式7
で与えられる。
【0035】
【数7】
【0036】式5、式6、式7より、磁気検出素子1で
検出可能な成分、すなわち所定の検出方向A2 に関する
磁界の総和Hs は、次式8で与えられる。
【0037】
【数8】
【0038】ここで、式8に式1を代入すると、次式9
が得られる。
【0039】
【数9】
【0040】1次電線L1 、L2 、L3 は三相3線式の
電路であるため、1次電線L1 に流れる電流I1 を次式
10で与え、1次電線L2 に流れる電流I2 を次式11
で与えるものとし、さらに、1次電線L3 に流れる電流
3 を次式12で与えるものとする。ここで、Im は電
流の最大値、ωは電流の角周波数をあらわす。
【0041】
【数10】
【0042】
【数11】
【0043】
【数12】
【0044】電流I1 と電流I2 と電流I3 とは、位相
が2π/3ずつずれており、総和をとれば零となる。つ
まり、式9は、電流I1 と電流I2 と電流I3 との総和
を含むので、漏電が発生していない場合においては、零
となる。従って所定の検出方向A2 に関する磁界の総和
s は、漏電が発生していない場合においては、零とな
る。結果として、磁気検出素子11を貫く磁束が生じ
ず、磁気検出素子1の電圧出力も零となる。
【0045】だが、1次電線L1 、L2 、L3 に事故が
生じ、地絡してしまうなどのアクシデントが発生する
と、事故点Pから漏電電流IL が漏電し、電流I1 、電
流I2、電流I3 の総和が、零でなくなる。従って所定
の検出方向A2 に関する磁界の総和Hs は、漏電が発生
している場合においては、零とならない。結果として、
磁気検出素子1を貫く磁束が生じ、磁気検出素子1の電
圧出力も零でなく、漏電電流IL に応じた電圧出力が行
われることになる。このような磁気検出素子1の出力電
圧値を計測して、1次電線L1 、L2 、L3 の漏電を検
出する。
【0046】従って、本発明の漏電検出方法は、磁気検
出素子1の配置位置を式1の関係を保つ位置に限ってい
るため、磁気検出素子1によって検出方向A2 に関して
得られる磁気成分の総和Hs を、3本の1次電線L1
2 、L3 に流れる各電流量I1 、I2 、I3 の値の合
成値に対応させて得る漏電検出方法を提供できる。ま
た、磁気検出素子1が磁気抵抗素子であるため、誘導磁
路として鉄心などの磁性体を使用する所謂零相変流器と
は違って、誘導起電力を基にして漏電の発生を検出する
構成にはなっておらず、交流のみならず直流についても
漏電の発生を検出することが可能となる。
【0047】また、磁場など磁気を検出するために鉄心
など誘導磁路としての磁性体を使用する構成にはなって
いないため、1次電線L1 、L2 、L3 の周囲を囲むほ
ど大きい鉄心を使用することもなく、漏電を検出する装
置の小型化がし易くなる。
【0048】また、1次電線L1 、L2 、L3 を三相3
線式の電路としているため、三相3線式において交流の
みならず直流についても漏電の発生を検出することが可
能な漏電検出方法および同漏電検出方法を使用した漏電
検出装置を提供することができる。
【0049】なお、上記実施の形態においては、磁気検
出素子1として磁気抵抗素子を例示したが、本発明はこ
れに限らず、磁気検出素子は、一方向の磁束を検出す
る、フラックスゲート素子または磁気インダクタンス素
子のいずれかであってもよい。
【0050】[第2の実施の形態]図3は漏電検出方法
の説明図であり、図3(a) は磁気検出素子および3本の
1次電線を示す斜視図、図3(b) は図3(a) において磁
気検出素子および3本の1次電線に垂直な断面側面図で
ある。なお、前述の第1の実施の形態と同一の箇所には
同じ符号を付し、同一の箇所の詳細な説明は省略する。
【0051】この第2の実施の形態の漏電検出方法が前
述の第1の実施の形態の漏電検出方法と異なり特徴とな
る構成は、3本の1次電線が、単相3線式の電路であ
り、補助平面に垂直かつ磁気検出素子の中心を通る平面
に関して、対称に配設された点である。
【0052】3本の1次電線L1 、L2 、L3 のうち、
1次電線L3 は、図3(b) で示すように、直線s1 を含
み補助平面αに垂直な平面βに位置する。1次電線L1
と1次電線L2 とは、平面βに関して対称に位置する。
従って、素子電線間距離r1と素子電線間距離r2 とは
等しく、次式13のようになる。
【0053】
【数13】
【0054】また、素子電線角度θ1 と素子電線角度θ
2 とは等しい。さらには、素子電線角度θ3 は零とな
り、次式14のようになる。
【0055】
【数14】
【0056】漏電が発生していない場合、電流I1 と電
流I2 とは、向きが同じで大きさが等しい。さらに、電
流I3 は、向きが電流I1 または電流I2 とは逆で、大
きさが電流I1 と電流I2 との和に等しく、次式15の
ようになる。
【0057】
【数15】
【0058】以上の式15は上記第1の実施例と同じ結
果であり、式15を式9に代入すれば、磁界の総和Hs
は、漏電が発生していない場合では零となり、漏電が発
生している場合では零とならない。つまり、磁気検出素
子1は、漏電電流IL に応じた電圧出力を行うことにな
る。
【0059】従って、このようにしても、本発明の漏電
検出方法は、磁気検出素子1の配置位置を式1の関係を
保つ位置に限っているため、磁気検出素子1によって検
出方向A2 に関して得られる磁気成分の総和Hs を、3
本の1次電線L1 、L2 、L 3 に流れる各電流量I1
2 、I3 の値の合成値に対応させて得る漏電検出方法
を提供できる。また、磁気検出素子1が磁気抵抗素子で
あるため、誘導磁路として鉄心などの磁性体を使用する
所謂零相変流器とは違って、誘導起電力を基にして漏電
の発生を検出する構成にはなっておらず、交流のみなら
ず直流についても漏電の発生を検出することが可能とな
る。
【0060】また、磁場など磁気を検出するために鉄心
など誘導磁路としての磁性体を使用する構成にはなって
いないため、1次電線L1 、L2 、L3 の周囲を囲むほ
ど大きい鉄心を使用することもなく、漏電を検出する装
置の小型化がし易くなる。
【0061】また、3本の1次電線が単相3線式の電路
であるため、単相3線式において交流のみならず直流に
ついても漏電の発生を検出することが可能な漏電検出方
法および同漏電検出方法を使用した漏電検出装置を提供
することができる。
【0062】なお、上記実施の形態においては、3本の
1次電線が、補助平面に垂直かつ磁気検出素子の中心を
通る平面に関して、対称に配設されたものを例示した
が、本発明はこれに限らず、磁気検出素子の配置位置
が、上記第1実施例の式1の関係を保つ位置に限られて
いればどの位置でもよい。
【0063】なお、上記実施の形態においては、磁気検
出素子1として磁気抵抗素子を例示したが、本発明はこ
れに限らず、磁気検出素子は、一方向の磁束を検出す
る、フラックスゲート素子または磁気インダクタンス素
子のいずれかであってもよい。 [第3の実施の形態]図4は漏電検出方法の説明図であ
り、図4(a) は磁気検出素子および2本の1次電線を示
す斜視図、図4(b) は図4(a) において磁気検出素子お
よび2本の1次電線に垂直な断面側面図である。図5は
交流漏電の実験結果についての説明図で、図5(a) は交
流漏電を模擬した回路図、図5(b) は交流漏電の測定結
果を示すグラフである。図6は直流漏電の実験結果につ
いての説明図で、図6(a) は直流漏電を模擬した回路
図、図6(b) は直流漏電の測定結果を示すグラフであ
る。なお、前述の第1の実施の形態と同一の箇所には同
じ符号を付し、同一の箇所の詳細な説明は省略する。
【0064】この第3の実施の形態の漏電検出方法が前
述の第2の実施の漏電検出方法と異なり特徴となる構成
は、1次電線L3 をなくして1次電線L1 、L2 を単相
2線式の電路とした点である。
【0065】漏電が発生していない場合、電流I1 と電
流I2 とは、向きが逆で大きさが等しい。漏電が発生し
ている場合、電流I1 と電流I2 とは、漏電電流IL
ために、大きさが等しくなくなる。
【0066】次に、図5と図6とを使って、漏電検出の
模擬試験を行った結果を説明する。図5(a) に示すよう
に、交流電源e1 と負荷Zとを1次電線L1 、L2 で接
続して、閉ループCが形成されている。閉ループCに
は、実効値7Aの交流電流が流される。図5に示すよう
に、漏電を模擬的に行うため、1次電線L2 は、漏電模
擬用交流電源e2 から、模擬漏電電流IL2が供給されて
いる。模擬漏電電流IL2は、10mAから250mAま
での範囲の値で流される。図5(b) に、測定結果を示
す。図5(b) に示すように、発明者は、磁気検出素子1
の電圧出力が模擬漏電電流IL2の値に関して略比例関係
であり、交流漏電を検出できることを、確認している。
【0067】また、直流の漏電検出に関する結果を、図
6に示す。図6(a) に示すように、直流電流源Si1と負
荷Zとを1次電線L1 、L2 で接続して、閉ループCが
形成されている。閉ループCには、一定値10Aの直流
電流が流される。漏電を模擬的に行うため、1次電線L
2 は、漏電模擬用直流電流源Si2から、模擬漏電電流I
L2が供給されている。模擬漏電電流IL2は、10mAか
ら250mAまでの範囲の値で流される。図6(b) に、
測定結果を示す。図6(b) に示すように、発明者は、磁
気検出素子1の電圧出力が模擬漏電電流IL2の値に関し
て略比例関係であり、直流漏電を検出できることを、確
認している。
【0068】従って、このようにしても、本発明の漏電
検出方法は、磁気検出素子1の配置位置を式1の関係を
保つ位置に限っているため、磁気検出素子1によって検
出方向A2 に関して得られる磁気成分の総和Hs を、2
本の1次電線L1 、L2 に流れる各電流量I1 、I2
値の合成値に対応させて得る漏電検出方法を提供でき
る。また、磁気検出素子1が磁気抵抗素子であるため、
誘導磁路として鉄心などの磁性体を使用する所謂零相変
流器とは違って、誘導起電力を基にして漏電の発生を検
出する構成にはなっておらず、交流のみならず直流につ
いても漏電の発生を検出することが可能となる。
【0069】また、磁場など磁気を検出するために鉄心
など誘導磁路としての磁性体を使用する構成にはなって
いないため、1次電線L1 、L2 の周囲を囲むほど大き
い鉄心を使用することもなく、漏電を検出する装置の小
型化がし易くなる。
【0070】また、2本の1次電線が単相2線式の電路
であるため、単相2線式において交流のみならず直流に
ついても漏電の発生を検出することが可能な漏電検出方
法および同漏電検出方法を使用した漏電検出装置を提供
することができる。
【0071】なお、上記実施の形態においては、磁気検
出素子1の配置位置は、上記第1実施例の式1の関係を
保つ位置に限られていればどの位置でもよい。
【0072】また、上記実施の形態においては、磁気検
出素子1として磁気抵抗素子を例示したが、本発明はこ
れに限らず、磁気検出素子は、一方向の磁束を検出す
る、フラックスゲート素子または磁気インダクタンス素
子のいずれかであってもよい。
【0073】[第4の実施の形態]図7は、磁気検出素
子を1次電線の近傍に付設する位置固定部材の説明図で
あり、図7(a) は磁気検出素子を内蔵する箱体状の位置
固定部材の斜視図、図7(b) は磁気検出素子を固定載置
する位置固定部材の斜視図である。なお、前述の第3の
実施の形態と同一の箇所には同じ符号を付し、同一の箇
所の詳細な説明は省略する。
【0074】この第4の実施の形態の漏電検出方法が前
述の第3の実施の漏電検出方法と異なり特徴となる構成
は、磁気検出素子を、非磁性体の材質からなる位置固定
部材を介して、1次電線に付設するようにした点であ
る。
【0075】位置固定部材2は、合成樹脂など非磁性体
の材質からなり、略直方体状に形成されている。位置固
定部材2は、磁気検出素子1が内蔵され、2本の1次電
線L 1 、L2 が挿通し、磁気検出素子1を2本の1次電
線L1 、L2 の近傍に、上記第1実施例での式1を満た
す位置に配設固定する構造を有している。
【0076】従って、このようにしても、本発明の漏電
検出方法は、磁気検出素子1の配置位置を式1の関係を
保つ位置に限っているため、磁気検出素子1によって検
出方向A2 に関して得られる磁気成分の総和Hs を、2
本の1次電線L1 、L2 に流れる各電流量I1 、I2
値の合成値に対応させて得る漏電検出方法を提供でき
る。また、磁気検出素子1が磁気抵抗素子であるため、
誘導磁路として鉄心などの磁性体を使用する所謂零相変
流器とは違って、誘導起電力を基にして漏電の発生を検
出する構成にはなっておらず、交流のみならず直流につ
いても漏電の発生を検出することが可能となる。
【0077】また、磁場など磁気を検出するために鉄心
など誘導磁路としての磁性体を使用する構成にはなって
いないため、1次電線L1 、L2 の周囲を囲むほど大き
い鉄心を使用することもなく、漏電を検出する装置の小
型化がし易くなる。
【0078】また、非磁性体の材質からなり磁気検出素
子を1次電線L1 、L2 の近傍に付設する位置固定部材
2を使用したため、位置固定部材2によって磁気検出素
子1を上記式1の関係を保つ位置に付設すれば、1次電
線L1 、L2 から発生する磁気を、位置固定部材2で妨
げずに磁気検出素子によって検出できる。
【0079】なお、上記実施の形態においては、磁気検
出素子1の配置位置は、上記第1実施例の式1の関係を
保つ位置に限られていればどの位置でもよい。
【0080】また、上記実施の形態においては、磁気検
出素子1として磁気抵抗素子を例示したが、本発明はこ
れに限らず、磁気検出素子は、一方向の磁束を検出す
る、フラックスゲート素子または磁気インダクタンス素
子のいずれかであってもよい。
【0081】また、上記実施の形態においては、位置固
定部材2は、図7(a) に示すように磁気検出素子1を内
蔵する箱体状のものを例示したが、本発明はこれに限ら
ず、位置固定部材は、図7(b) に示すように、磁気検出
素子を固定載置する形状に形成してもよい。
【0082】また、上記実施の形態においては、位置固
定部材2は、合成樹脂など非磁性体の材質からなるもの
を例示したが、本発明はこれに限らず、位置固定部材
は、合成樹脂に磁性体を充填して電磁シールド効果を有
するものであってもよい。 [第5の実施の形態]図8は、磁気検出素子の近傍に磁
性体を配設した状態を示す説明図であり、図8(a) は磁
気検出素子と1次電線との間に磁性体を配設した状態を
示す斜視図、図8(b) は磁束が磁気検出素子のみを通過
する様子をあらわした模式図、図8(c) は磁束が磁気検
出素子と磁性体とを通過する様子をあらわした模式図、
図8(d) は磁気検出素子の一部のみを覆うように磁性体
を配設した状態を示す斜視図、図8(e) は磁気検出素子
の上部を覆うように磁性体を配設した状態を示す斜視図
である。なお、前述の第3の実施の形態と同一の箇所に
は同じ符号を付し、同一の箇所の詳細な説明は省略す
る。
【0083】この第5の実施の形態の漏電検出方法が前
述の第3の実施の漏電検出方法と異なり特徴となる構成
は、磁気検出素子と2本の1次電線との間に、磁性体を
付設した点である。
【0084】磁性体3は、図8(a) に示すように、磁気
検出素子1と2本の1次電線L1 、L2 との間に位置し
て配設されている。図8(b) に示すように磁気検出素子
1の周囲に磁性体3が存在しない場合には、漏電電流に
よって発生する磁束Φは、略全てが磁気検出素子1を貫
くが、図8(c) の磁束分布の模式図に示すように磁気検
出素子1の周囲に磁性体3が存在する場合には、磁束Φ
の大部分は、磁性体3を貫き、磁気検出素子1を貫く磁
束Φが減少する。従って、磁気検出素子1で検出される
磁束Φが減少するため、磁気検出素子1で検出する漏電
電流は、大きい値であっても検出できるようになる。
【0085】従って、このようにしても、本発明の漏電
検出方法は、磁気検出素子1の配置位置を式1の関係を
保つ位置に限っているため、磁気検出素子1によって検
出方向A2 に関して得られる磁気成分の総和Hs を、2
本の1次電線L1 、L2 に流れる各電流量I1 、I2
値の合成値に対応させて得る漏電検出方法を提供でき
る。また、磁気検出素子1が磁気抵抗素子であるため、
誘導磁路として鉄心などの磁性体を使用する所謂零相変
流器とは違って、誘導起電力を基にして漏電の発生を検
出する構成にはなっておらず、交流のみならず直流につ
いても漏電の発生を検出することが可能となる。
【0086】また、磁場など磁気を検出するために鉄心
など誘導磁路としての磁性体を使用する構成にはなって
いないため、1次電線L1 、L2 の周囲を囲むほど大き
い鉄心を使用することもなく、漏電を検出する装置の小
型化がし易くなる。
【0087】また、磁気検出素子1と1次電線L1 、L
2 との間に、誘導磁路としての鉄心とは異なる目的を有
する磁性体である、磁性体3を付設したため、磁性体3
は、漏電を検出する装置の小型化の妨げにはならない。
さらに、磁性体3は、磁気検出素子1を貫く磁束Φを減
少できる。このため、磁気検出素子1で検出可能な最大
漏電電流値は、大きい値であっても検出できるようにな
る。
【0088】なお、上記実施の形態においては、磁性体
3が磁気検出素子と2本の1次電線との間に位置する例
を示したが、本発明はこれに限らず、磁気検出素子が磁
性体と2本の1次電線との間に位置するものであっても
よく、要するに、磁性体は、磁気検出素子との間の距離
が、減少したい磁束の量に応じて磁気検出素子の近傍に
位置するように決まればよいのである。
【0089】また、上記実施の形態においては、磁気検
出素子の配置位置は、上記第1実施例の式1の関係を保
つ位置に限られていればどの位置でもよい。
【0090】また、上記実施の形態においては、磁気検
出素子1として磁気抵抗素子を例示したが、本発明はこ
れに限らず、磁気検出素子は、一方向の磁束を検出す
る、フラックスゲート素子または磁気インダクタンス素
子のいずれかであってもよい。
【0091】また、上記実施の形態においては、磁性体
3は、図8(a) に示すように磁気検出素子1と2本の1
次電線L1 、L2 との間に位置して配設されるものを例
示したが、磁性体は、磁気検出素子と1次電線との間に
位置して配設されるならば、例えば図8(d) に示すよう
に磁気検出素子の一部のみを覆うように配設してもよ
く、また例えば図8(e) に示すように磁気検出素子の上
部を覆うように配設してもよい。
【0092】[第6の実施の形態]図9は、本発明に係
る漏電検出方法を使用した漏電遮断器の要部のブロック
図である。なお、前述の第3の実施の形態と同一の箇所
には同じ符号を付し、同一の箇所の詳細な説明は省略す
る。
【0093】この第6の実施の形態の漏電検出方法が前
述の第3の実施の漏電検出方法と異なり特徴となる構成
は、1次電線の電気導通を開閉可能な接点が備えられた
漏電遮断器であって、1次電線の漏電を検出すると、接
点で1次電線の電気導通を強制カットするようにした点
である。
【0094】漏電遮断器10は、増幅器4と、判別回路
部5と、引き外し回路部6と、接点7とを備えて構成さ
れている。増幅器4は、上記代の実施例での式1を満た
す位置に配置された磁気検出素子1から出力される電圧
値を増幅して、判別回路部5に伝達する。判別回路部5
は、増幅器4からの入力値を基にして、漏電の発生を検
知する。判別回路部5は、漏電の発生を検知すると、引
き外し回路部6によって、1次電線L1 、L2 を開閉す
る接点7を開極し、1次電線L1 、L2 の導電を強制ス
トップする。なお、引き外し回路部6は、接点7の開閉
を行うために用いるリレー本体などの回路部である。
【0095】従って、このようにしても、本発明の漏電
遮断器10は、磁気検出素子1の配置位置を式1の関係
を保つ位置に限っているため、磁気検出素子1によって
検出方向A2 に関して得られる磁気成分の総和Hs を、
2本の1次電線L1 、L2 に流れる各電流量I1 、I2
の値の合成値に対応させて得ることができる漏電遮断器
となる。また、磁気検出素子1が磁気抵抗素子であるた
め、誘導磁路として鉄心などの磁性体を使用する所謂零
相変流器とは違って、誘導起電力を基にして漏電の発生
を検出する構成にはなっておらず、交流のみならず直流
についても漏電の発生を検出することが可能となる。
【0096】また、磁場など磁気を検出するために鉄心
など誘導磁路としての磁性体を使用する構成にはなって
いないため、1次電線L1 、L2 の周囲を囲むほど大き
い鉄心を使用することもなく、漏電を検出する装置の小
型化がし易くなる。
【0097】なお、上記実施の形態においては、磁気検
出素子1の配置位置は、上記第1実施例の式1の関係を
保つ位置に限られていればどの位置でもよい。
【0098】また、上記実施の形態においては、磁気検
出素子1として磁気抵抗素子を例示したが、本発明はこ
れに限らず、磁気検出素子は、一方向の磁束を検出す
る、フラックスゲート素子または磁気インダクタンス素
子のいずれかであってもよい。また、上記実施の形態に
おいては、複数の1次電線L1 、L2 が、単相2線式の
電路であったが、本発明はこれに限らず、複数の1次電
線は、単相3線式、または三相3線式のいずれであって
もよい。
【0099】なお、上記第1から第6までの各実施の形
態においては、1次電線L1 、L2、L3 を、三相3線
式や、単相3線式や、単相2線式などとして例示した
が、1次電線は、三相3線式または単相3線式または単
相2線式に限るものではなく、漏電検出を行うべき電線
であれば本発明の実施の対象となる。すなわち、1次電
線は、漏電検出を行うべき電線であれば、磁気検出素子
との相対位置を上記第1の実施例の式1を成立する位置
にしておき、さらに漏電が起きていないときに電流の総
和が零であり漏電が起きているときに電流の総和が零を
基準に漏電電流分だけ不足するようになっていれば、1
次電線の本数は2本や3本に限られるものではない。
【0100】
【発明の効果】請求項1記載の発明にあっては、負荷に
接続して電源供給の電路となる複数の1次電線と、所定
の検出方向に関して磁気成分を検出する磁気検出素子と
を備え、複数の1次電線の周囲に発生する磁気を磁気検
出素子を使って検出することによって、1次電線の漏電
を検出する漏電検出方法であって、複数の1次電線は、
所定方向に平行に配設され、複数の1次電線の所定方向
での長さは、磁気検出素子と1次電線との間の距離であ
る素子電線間距離を無視できるほど長いものであり、磁
気検出素子の配置位置は、検出方向に垂直な平面と各素
子電線間距離の方向とがなす角度である素子電線角度に
関する余弦の値と、素子電線間距離とが、いずれの素子
電線間距離についても同一の比率になる位置に決定され
ており、磁気検出素子によって検出方向に関して得られ
る磁気成分の総和は、複数の1次電線に流れる各電流の
合成値を基にして得られるようにしたため、磁気検出素
子によって検出方向に関して得られる磁気成分の総和
を、複数の1次電線に流れる各電流量の値の合成値に対
応させて得る漏電検出方法を提供できる。また、磁気検
出素子による磁気検出作業を介して漏電検出作業を行っ
ているため、誘導磁路として鉄心などの磁性体を使用す
る所謂零相変流器とは違って、誘導起電力を基にして漏
電の発生を検出する構成にはなっておらず、交流のみな
らず直流についても漏電の発生を検出することが可能と
なる。
【0101】また、磁場など磁気を検出するために鉄心
など誘導磁路としての磁性体を使用する構成にはなって
いないため、1次電線の周囲を囲むほど大きい鉄心を使
用することもなく、漏電を検出する装置の小型化がし易
くなる。
【0102】請求項2記載の発明にあっては、請求項1
記載の発明の効果に加えて、磁気検出素子を1次電線の
近傍に付設する位置固定部材を使用するようにしたた
め、磁気検出素子を1次電線の近傍に付設できる。しか
も位置固定部材が非磁性体の材質からなるため、磁気検
出素子は、1次電線から発生する磁気を、位置固定部材
で妨げられることなく、検出できる。
【0103】請求項3記載の発明にあっては、請求項1
記載の発明の効果に加えて、磁気検出素子の近傍に、磁
性体を付設したため、磁気検出素子を貫く磁束が減少で
きて、磁気検出素子は、漏電電流を、大きい値であって
も検出できるようになる。
【0104】請求項4記載の発明にあっては、請求項1
乃至3記載の発明の効果に加えて、1次電線の電気導通
を開閉可能な漏電遮断器であって、請求項1乃至3記載
の漏電検出方法によって1次電線の漏電を検出すると、
1次電線の電気導通を強制カットするものであるように
したため、磁気検出素子によって検出方向に関して得ら
れる磁気成分の総和を、複数の1次電線に流れる各電流
量の値の合成値に対応させて得ることができる漏電遮断
器となる。また、磁気検出素子による磁気検出作業を介
して漏電検出作業を行っているため、誘導磁路として鉄
心などの磁性体を使用する所謂零相変流器とは違って、
誘導起電力を基にして漏電の発生を検出する構成にはな
っておらず、交流のみならず直流についても漏電の発生
を検出することが可能となる。
【0105】また、磁場など磁気を検出するために鉄心
など誘導磁路としての磁性体を使用する構成にはなって
いないため、1次電線の周囲を囲むほど大きい鉄心を使
用することもなく、漏電を検出する装置の小型化がし易
くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態の漏電検出方法
の説明図である。
【図2】同上の漏電検出方法を説明する回路図である。
【図3】本発明に係る第2の実施の形態の漏電検出方法
の説明図である。
【図4】本発明に係る第3の実施の形態の漏電検出方法
の説明図である。
【図5】同上の交流漏電の実験結果についての説明図で
ある。
【図6】同上の直流漏電の実験結果についての説明図で
ある。
【図7】本発明に係る第4の実施の形態の漏電検出方法
の説明図である。
【図8】本発明に係る第5の実施の形態の漏電検出方法
の説明図である。
【図9】本発明に係る漏電検出方法を使用した漏電遮断
器の要部のブロック図である。
【図10】従来の漏電検出方法の一例である零相変流器
を示す斜視図である。
【図11】従来の漏電検出方法の別の一例の要部を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 磁気検出素子 2 位置固定部材 3 磁性体 10 漏電遮断器 A1 所定方向 A2 所定の検出方向 e 電源(交流) Hs 磁気成分の総和 IL 漏電(電流) L 所定方向での1次電線の長さ L1 、L2 、L3 1次電線 r1 、r2 、r3 素子電線間距離 Z 負荷 β 平面 θ1 、θ2 、θ3 素子電線角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 香川 卓也 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負荷に接続して電源供給の電路となる複
    数の1次電線と、所定の検出方向に関して磁気成分を検
    出する磁気検出素子とを備え、前記複数の1次電線の周
    囲に発生する磁気を前記磁気検出素子を使って検出する
    ことによって、前記1次電線の漏電を検出する漏電検出
    方法であって、前記複数の1次電線は、所定方向に平行
    に配設され、前記複数の1次電線の前記所定方向での長
    さは、前記磁気検出素子と前記1次電線との間の距離で
    ある素子電線間距離を無視できるほど長いものであり、
    前記磁気検出素子の配置位置は、前記検出方向に垂直な
    平面と各前記素子電線間距離の方向とがなす角度である
    素子電線角度に関する余弦の値と、前記素子電線間距離
    とが、いずれの前記素子電線間距離についても同一の比
    率になる位置に決定されており、前記磁気検出素子によ
    って前記検出方向に関して得られる磁気成分の総和は、
    前記複数の1次電線に流れる各電流の合成値を基にして
    得られることを特徴とする漏電検出方法。
  2. 【請求項2】 非磁性体の材質からなり前記磁気検出素
    子を前記1次電線の近傍に付設する位置固定部材を使用
    することを特徴とする請求項1記載の漏電検出方法。
  3. 【請求項3】 前記磁気検出素子の近傍に、磁性体を付
    設したことを特徴とする請求項1記載の漏電検出方法。
  4. 【請求項4】 前記複数の1次電線の電気導通を開閉可
    能な漏電遮断器であって、請求項1乃至3記載の漏電検
    出方法によって前記1次電線の漏電を検出すると、前記
    1次電線の電気導通を強制カットするものであることを
    特徴とする漏電遮断器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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