JPH11280910A - 円筒面シール装置 - Google Patents

円筒面シール装置

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JPH11280910A
JPH11280910A JP10083793A JP8379398A JPH11280910A JP H11280910 A JPH11280910 A JP H11280910A JP 10083793 A JP10083793 A JP 10083793A JP 8379398 A JP8379398 A JP 8379398A JP H11280910 A JPH11280910 A JP H11280910A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seal ring
runner
peripheral surface
ring
grooves
Prior art date
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Pending
Application number
JP10083793A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruhiro Osada
晴裕 長田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Senshin Zairyo Riyo Gas Generator Kenkyusho KK
Original Assignee
Senshin Zairyo Riyo Gas Generator Kenkyusho KK
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Publication date
Application filed by Senshin Zairyo Riyo Gas Generator Kenkyusho KK filed Critical Senshin Zairyo Riyo Gas Generator Kenkyusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高負荷(高温、高速、高差圧)条件下におい
て、安定したシール性を発揮できる円筒面シール装置を
提供する。 【解決手段】 ハウジング側にシールリングキットを取
り付け、回転軸側にランナー9を取り付ける。シールリ
ングキットは、内周面がランナー9の外周面に摺動接触
するシールリングと、シールリングの外周面に装着され
るカバーリングと、カバーリング及びシールリングをラ
ンナー9の方向に付勢するエキステンションスプリング
と、カバーリング及びシールリングをハウジングの方向
に付勢するコンプレッションスプリング等から構成され
る。ランナー9の摺動面には所定の方向を向く溝10が
所定の間隔ごとに複数設けられる。回転軸が回転する
と、複数の溝10によって動圧が発生し、シールリング
とランナー9の摺動面間の接触面圧が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は固定体と回転体と
の間をシールする円筒面シール装置に関し、特に、高負
荷(高温、高速、高差圧)環境下で使用される円筒面シ
ール装置に関するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】従来、この種の円筒面シ
ール装置として、図3に示すようなものが公知となって
いる。すなわち、この円筒面シール装置は、固定体であ
るハウジング35に取り付けられるシールリングキット
21と、回転体である回転軸40に取り付けられるラン
ナー29とを具えている。
【0003】シールリングキット21は、周方向に複数
に分割されたカーボン製のシールリング22と、シール
リング22の外周面に装着される周方向に複数に分割さ
れたカーボン製のカバーリング23と、カバーリング2
3の分割片間に装着されるステンレス製のキー(図示せ
ず)と、カバーリング23及びキーの外周面に装着され
るとともに、カバーリング23、キー及びシールリング
22を半径方向に付勢するエキステンションスプリング
25と、カバーリング23、キー及びシールリング22
を軸方向に付勢するコンプレッションスプリング26
と、コンプレッションスプリング26を保持するスプリ
ングリテーナ27と、スプリングリテーナ27を保持す
るスナップリング28とから構成されている。
【0004】シールリング22の分割部は、軸方向に対
してはシールリング22自体のステップ構造(図示せ
ず)によってシールされるとともに、半径方向に対して
はカバーリング23の分割部をシールリング22の分割
部に対して周方向にずらすように、カバーリング23を
シールリング22の外周面に装着することでシールされ
るようになっている。シールリング22は、ハウジング
35に立設したローテーションロックピン(図示せず)
をキーの溝(図示せず)に係合させることで、ハウジン
グ35に対して相対的に回転するのが阻止されるように
なっている。
【0005】そして、回転軸40の回転時に、エキステ
ンションスプリング25の付勢力によってシールリング
22の内周面をランナー29の外周面に摺動接触させ、
コンプレッションスプリング26の付勢力によってシー
ルリング22及びカバーリング23の軸方向の端面をハ
ウジング35の軸方向の端面に接触させることで、ハウ
ジング35と回転軸40との間がシールされるものであ
る。
【0006】シールリング22の内周面、シールリング
22の軸方向の端面及びカバーリング23の軸方向の端
面には、流体圧力による負荷を軽減するための圧力バラ
ンス溝30がそれぞれ設けられている。また、更に高負
荷の使用条件に対処するため、シールリング22の内周
面にレーリーステップを設け、このレーリーステップに
より動圧を発生させて接触荷重を低減する試みがなされ
ている。
【0007】低負荷の使用条件ではシールリング22の
摩耗速度が小さいので、前述したような構成の円筒面シ
ール装置であっても長時間安定した性能を発揮できる
が、高負荷の使用条件ではシールリング22の摩耗速度
は大きくなるため、圧力バランス溝30やレーリーステ
ップが短時間で摩滅し、急速に接触荷重が増加する。接
触荷重の増加は、摺動による発熱量の増加をもたらし、
シールを構成する金属材料は急激に強度が低下し、壊滅
的なシールの損傷が生じることになる。
【0008】円筒面シール装置が使用される機器とし
て、航空機用エンジンのベアリング室のオイルシールが
あり、この用途においては、近年の省エネ省資源の社会
的要求に応えるため、機器の使用環境の高負荷化が急速
に進んでいる。安全性が重要な性能となるこのような用
途における壊滅的なシールの損傷は克服すべき重要な課
題となっている。
【0009】この発明は以上の点に鑑みなされたもので
あって、シールリングとランナーとの接触面圧を低減す
ることによって、高負荷条件においてもシールに壊滅的
な損傷が生じることがなく、安定した性能を発揮するこ
とができる円筒面シール装置を提供することを目的とす
るものである。
【0010】
【問題点を解決するための手段】上記の問題点を解決す
るためにこの発明は、固定体と回転体との間に設けられ
て両者間をシールする円筒面シール装置であって、前記
回転体に取り付けられるランナーと、前記固定体に取り
付けられるとともに、前記回転体の回転時に内周面が前
記ランナーの外周面に摺動接触するシールリングとを具
え、前記ランナーの摺動面に、前記シールリングの摺動
面の幅よりも短い溝を軸方向に複数列設けた手段を採用
したものである。また、軸方向に隣接する溝同士の軸方
向の間隔がシールリングの内周面の幅の5〜30%とな
るように設定した手段を採用したものである。さらに、
周方向に隣接する溝同士を軸方向にシールリングの内周
面幅の50%以下の距離互いにずらした手段を採用した
ものである。
【0011】
【作用】この発明は上記のような手段を採用したことに
より、回転するランナーの外周面に設けた溝によって動
圧を発生させることができ、この動圧によってシールリ
ングとランナーの摺動面間の接触面圧を低圧に保つこと
ができることになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に示すこの発明の実施
の形態について説明する。図1及び図2には、この発明
による円筒面シール装置の一実施の形態が示されてい
て、図1は全体を示す概略断面図、図2は図1に示すラ
ンナーの外周面の展開図である。
【0013】すなわち、この円筒面シール装置は、前述
した従来のものと同様に、固定体であるハウジング15
側に取り付けられるシールリングキット1と、回転体で
ある回転軸20側に取り付けらるランナー9とを具えて
いる。
【0014】シールリングキット1は、周方向に複数に
分割されたカーボン製のシールリング2と、シールリン
グ2の外周面に装着される周方向に複数に分割されたカ
ーボン製のカバーリング3と、カバーリング3の分割片
間に装着されるステンレス製のキー(図示せず)と、カ
バーリング3及びキーの外周面に装着されるとともに、
カバーリング3、キー及びシールリング2を半径方向に
付勢するエキステンションスプリング5と、カバーリン
グ3、キー及びシールリング2を軸方向に付勢するコン
プレッションスプリング6と、コンプレッションスプリ
ング6を保持するスプリングリテーナ7と、スプリング
リテーナ7を保持するスナップリング8とから構成され
ている。
【0015】シールリング2の分割部は、軸方向に対し
てはシールリング2自体のステップ構造(図示せず)に
よってシールされるとともに、半径方向に対してはカバ
ーリング3の分割部をシールリング2の分割部に対して
周方向にずらすように、カバーリング3をシールリング
2の外周面に装着することでシールされるようになって
いる。シールリング2は、ハウジング15に立設したロ
ーテーションロックピン(図示せず)をキーの溝(図示
せず)に係合させることで、ハウジング15に対して相
対的に回転するのが阻止されるようになっている。
【0016】ランナー9の外周面のうちシールリング2
との摺動面には複数の溝10が設けられている。各溝1
0は、その中心線が回転軸20の軸線に対して約30度
の方向を向くように形成されるとともに、回転軸20の
軸線方向への長さl2 がシールリング2の内周面幅lの
約80%(l2 /l=0.8)となるように形成されて
いる。また、各溝10は、回転軸20の軸方向に隣接す
る溝10、10同士の間隔l1 がシールリング2の内周
面幅lの5〜30%{この実施の形態では約20%(l
1 /l=0.2)}となるように形成されている。さら
に、周方向に隣接する溝10、10同士が回転軸20の
軸線方向にシールリング2の内周面幅lの50%以下
(この実施の形態では33%)の距離互いにずれるよう
に形成されている(l3 /l=0.33)。各溝10の
幅、深さ、回転軸20の軸線方向への長さ、回転軸20
の軸線に対する角度及び本数は、使用条件に応じて適宜
の値に設定することができる。
【0017】複数の溝10を設ける範囲は、回転軸20
の移動範囲を考慮して、回転軸20の移動前後において
シールリング2の内周面全体が常に溝10と相対できる
ような範囲に設定する。この実施の形態においては、シ
ールリング2の内周面幅の約3倍の範囲に複数の溝10
を設けている。
【0018】シールリング2の内周面には、圧力バラン
ス溝やレーリーステップのような動圧を発生させるため
の溝を設ける必要はない。僅かな圧力バランス溝以外は
ランナー9の外周面に形成した複数の溝10によって動
圧を発生させる場合に、悪影響を及ぼすからである。
【0019】各溝10は、フォトエッチングやブラスト
加工等によって高精度に加工する。ランナー9は、ステ
ンレス鋼等の表面に耐摩耗性に優れるクロムメッキ、超
硬合金、セラミックス等の硬質材料をコーティングした
ものであるので、表面に溝10を形成する場合に、加工
能率が低下するものの、高精度に仕上げることができる
ものである。
【0020】シールリングの内周面に圧力バランス溝や
レーリーステップ等を形成する従来の技術では、シール
リングがカーボン材であるために極めて簡単に加工でき
るが、削れやすい分だけ加工精度が劣り、特に、溝深さ
の加工精度は動圧を制御するためには不十分である。そ
のため、従来技術による円筒面シール装置では性能の限
界があった。
【0021】上記のように構成したこの実施の形態によ
る円筒面シール装置にあっては、溝10の回転軸20の
軸線方向への長さをシールリング2の内周面幅lより小
さくしたことにより、高圧側から低圧側への流体の貫通
漏れを防止することができることになる。また、周方向
に隣接する溝10、10同士を軸方向にシールリング2
の内周面幅lの50%以下の距離互いにずらしたことに
より、溝10内へ高圧を導入することができ、発生する
動圧を高めることができるので、シールリング2とラン
ナー9の摺動面間の接触荷重を低減させるのに効果的と
なる。また、溝10を回転軸20の軸線方向に複数列設
けたことにより、回転軸20の膨脹収縮によってランナ
ー9とシールリング2が相対的に移動しても、シールリ
ング2の内周面に対してほぼ同じ数の溝10を相対させ
ることができるので、移動の前後においてもほぼ一定の
接触荷重を低減させる効果が得られることになる。
【0022】
【発明の効果】この発明は前記のように構成して、ラン
ナーの摺動面にシールリングの摺動面の幅よりも短い溝
を軸方向に複数列設けたことにより、回転軸の回転時に
複数の溝によって動圧を発生させることができることに
なる。したがって、ランナーとシールリングの摺動面間
における接触面圧を大幅に低減させることができ、高負
荷(高温、高速、高差圧)条件下においても、シール部
に壊滅的な損傷が生じるようなことはなく、長期的に安
定したシール性を発揮することができることになる。ま
た、ランナー側に溝を設けたことにより、動圧を制御す
るのに十分な加工精度が得られることになる。さらに、
軸方向に隣接する溝同士の軸方向の間隔がシールリング
の内周面の幅の5〜30%となるように設定するととも
に、周方向に隣接する溝同士を軸方向にシールリングの
内周面幅の50%以下の距離互いにずらしたことによ
り、高圧側から低圧側への流体の貫通漏れを防止するこ
とができるとともに、溝内へ高圧を確実に導入すること
ができるので、発生する動圧を高めることができ、摺動
面間の接触荷重を低減させるのに効果的となる等の優れ
た効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による円筒面シール装置の一実施の形
態を示した概略断面図である。
【図2】図1に示すもののランナーの表面の展開図であ
る。
【図3】従来の円筒面シール装置の一例を示した概略断
面図である。
【符号の説明】
1、21……シールリングキット 2、22……シールリング 3、23……カバーリング 5、25……エキステンションスプリング 6、26……コンプレッションスプリング 7、27……スプリングリテーナ 8、28……スナップリング 9、29……ランナー 10……溝 15、35……ハウジング 20、40……回転軸 30……圧力バランス溝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定体と回転体との間に設けられて両者
    間をシールする円筒面シール装置であって、前記回転体
    に取り付けられるランナーと、前記固定体に取り付けら
    れるとともに、前記回転体の回転時に内周面が前記ラン
    ナーの外周面に摺動接触するシールリングとを具え、前
    記ランナーの摺動面に、前記シールリングの摺動面の幅
    よりも短い溝を軸方向に複数列設けたことを特徴とする
    円筒面シール装置。
  2. 【請求項2】 軸方向に隣接する溝同士の軸方向の間隔
    がシールリングの内周面幅の5〜30%となるように設
    定した請求項1記載の円筒面シール装置。
  3. 【請求項3】 周方向に隣接する溝同士を軸方向にシー
    ルリングの内周面幅の50%以下の距離互いにずらした
    請求項1又は2記載の円筒面シール装置。
JP10083793A 1998-03-30 1998-03-30 円筒面シール装置 Pending JPH11280910A (ja)

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JP10083793A JPH11280910A (ja) 1998-03-30 1998-03-30 円筒面シール装置

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JP10083793A JPH11280910A (ja) 1998-03-30 1998-03-30 円筒面シール装置

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ID=13812537

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005249033A (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Nok Corp 密封装置
JP2015528896A (ja) * 2012-06-25 2015-10-01 アレヴァ エヌペ 原子炉冷却材ポンプセットの軸封止システムのための受動停止封止装置
CN105587862A (zh) * 2016-02-05 2016-05-18 沈阳耐蚀合金泵股份有限公司 应用于旋转机械的轴面机械密封
CN110056531A (zh) * 2019-04-29 2019-07-26 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 分瓣浮环、转轴密封装置、压缩机及空调器

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