JPH11280821A - 減衰力調整装置のバルブ押圧機構 - Google Patents

減衰力調整装置のバルブ押圧機構

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JPH11280821A
JPH11280821A JP8592498A JP8592498A JPH11280821A JP H11280821 A JPH11280821 A JP H11280821A JP 8592498 A JP8592498 A JP 8592498A JP 8592498 A JP8592498 A JP 8592498A JP H11280821 A JPH11280821 A JP H11280821A
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JP
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leaf spring
valve
damping
damping force
pressing
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JP8592498A
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Toshiaki Shibata
俊明 柴田
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Showa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減衰バルブに伝達する板ばねの押圧力を小さ
くして減衰力の調整が簡単に行えるようにする。 【解決手段】 油路15bの出口側を塞ぎ且つ油圧によ
って撓み変形する減衰バルブ16aの背面に押圧部材3
4の一端側を当接させ、他端側を板ばね33で押圧して
減衰バルブ16aに背面荷重を加えるようにした減衰力
調整装置5において、板ばね33に対する押圧部材34
の接触部mを円周方向の4ヶ所に限定する。また板ばね
33をフランジ付きスライド筒32に嵌装してナット3
6で締付固定し、このフランジ付きスライド筒32を鍔
付きナット31に摺動自在に嵌装し、鍔部31fにフラ
ンジ付きスライド筒32の先端部を当接させて板ばね3
3に押圧力を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧緩衝器の減衰
力調整装置のバルブ押圧機構に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の油圧緩衝器の減衰力を調整す
る減衰力調整装置として、特開平2−107840号公
報或いは特開平7−208532号公報に開示される装
置が知られている。前者の装置は、シリンダ内を摺動す
るピストンに、油を流通せしめる油路を設け、この油路
の開口部をリーフバルブで覆い、このリーフバルブを板
ばねで押圧される押圧部材で押圧するとともに、板ばね
にコントロールロッドを連結して、このコントロールロ
ッドを移動調整することで、板ばねの押圧力を変化させ
るようにしている。また後者の装置は、上記のような板
ばねに代えて、皿ばねを使用して押圧部材を押圧するよ
うにしている。
【0003】また、板ばねにコントロールロッドを連結
する場合、その連結構造として例えば図9に示す構造が
一般的である。即ち、油路50の出口側50aをリーフ
バルブ56で塞ぎ、油路50に流入する油圧力が高まる
とリーフバルブ56を撓ませて油を流通させるような油
圧緩衝器において、コントロールロッド51の周囲に鍔
部52fを有する板ばね支持筒52を嵌装し、この板ば
ね支持筒52で支持する板ばね53によって押圧部材5
4を介してリーブバルブ56の背面を押圧するととも
に、板ばね支持筒52の一端側をサークリップ55で係
止している。そしてコントロールロッド51を矢印で示
す軸方向に位置変化させることで板ばね53による押圧
力を調整する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、板ばねで押
圧力をかける場合、板ばねの変位−荷重特性が二乗カー
ブ特性になるため、板ばねの変位が微小であっても押圧
力が大幅に変化することになり、これに連れてリーフバ
ルブの減衰力も大幅に増減して、減衰力を微妙に調整し
ようとしても所望の値に調整するのが困難である。また
板ばねの代りに皿ばねを使用する時は、皿ばねを複数枚
積層する時の組付けが難しくて組立工数がかかり、しか
も皿ばねのばね特性がそのままリーフバルブに伝達され
るため、板ばねの場合と同様に、コントロールロッドの
微小な移動でも減衰力の大幅な増減に繋がりやすいとい
う問題がある。
【0005】またコントロールロッドと板ばねの連結構
造として、図9に示す構造にすると、板ばね53の枚数
を変化させるような場合に、板ばね支持筒52の軸方向
の位置がサークリップ55で規制されているため、枚数
の増減によって板ばね53と押圧部材54の当接位置が
変化してリーフバルブ56に対する初期押圧力(プリセ
ット荷重)が変化する。即ち、枚数を増加するとプリセ
ット荷重が増大し、また枚数を減らすと、プリセット荷
重が減ったり、板ばね53と押圧部材54の接触部にガ
タが生じたりする不具合がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、流体圧によって撓み変形する減衰バルブ(リ
ーフバルブ)と、調整ロッド(コントロールロッド)の
進退動によって押圧力が調整可能な板ばねと、減衰バル
ブ及び板ばねの間に挟装される押圧部材を備え、板ばね
の押圧力を押圧部材を介して減衰バルブに伝達するよう
にした減衰力調整装置のバルブ押圧機構において、板ば
ねに接触する押圧部材の一部を非接触状態とし、押圧部
材に対する板ばねの押圧箇所を一部に限定するようにし
た。
【0007】このように板ばねと押圧部材の一部を非接
触状態にして、板ばねから受ける受圧箇所を少なくすれ
ば、板ばねのばね定数を見掛け上、下げることができ、
調整ロッドの移動に対する押圧荷重の変化が小さくなっ
て微妙な調整が可能となる。尚、ばね定数の小さい板ば
ねを用いても同じような効果が得られるが、板ばねのば
ね定数を小さくするためには一般的に厚みを薄くする必
要があり、その結果、耐久性が劣りがちになるととも
に、製作も困難になる。そこで、板ばねから受ける受圧
箇所を一部に限定することで見掛け上のばね定数を下げ
るようにした。具体的には、板ばねに対して円周方向の
全域で当接する押圧部材の一部に切欠きを設ける等によ
って受圧箇所を限定する。
【0008】また、調整ロッドと板ばねの結合構造とし
て、調整ロッドの先端部に、鍔部を外向きにした鍔付き
ナットを螺合させ、この鍔付きナットの外周部に、フラ
ンジ部を内向きにしたフランジ付きスライド筒を摺動自
在に嵌合させるとともに、このフランジ付きスライド筒
の外周部に板ばねを嵌装して締付部材によってフランジ
部に突当てた状態で固着し、フランジ付きスライド筒の
先端部を鍔付きナットの鍔部に当接させて板ばねに押圧
力を発生させるようにした。
【0009】そして、フランジ付きスライド筒に装着し
た板ばねのうち、フランジ部に一番近い板ばねを押圧部
材に接触させ、板ばねの積層枚数を増やす時は、フラン
ジ部とは反対側の外側方向に積層し、減らす時も外側方
向の板ばねを取り除くようにすると、板ばねの増減に拘
らず、押圧部材に接触する板ばねと、フランジ付きスラ
イド筒の先端部の位置関係は狂わない。
【0010】また、フランジ付きスライド筒の先端部を
鍔付きナットの鍔部に当接させて板ばねに押圧力を生じ
させるようにしているため、板ばねの押圧力発生時に
は、押圧部材に接触する板ばねと鍔部の位置関係を常に
一定に保つことができる。そしてこの鍔部の位置は、調
整ロッドに対して一定の位置関係に設定できるため、押
圧力発生時には、押圧部材に当接する板ばねと調整ロッ
ドとの相対位置関係は一定に維持されることになる。こ
のため、板ばねの積層枚数を増減させても、オーバープ
リセットや接触部のガタが生じない。
【0011】尚、調整ロッドに対する鍔付きナットの螺
着位置を軸方向に調整可能にすることが好ましい。この
ように鍔付きナットの螺着位置を調整できるようにすれ
ば、鍔部とフランジ付きスライド筒の当接部を軸方向に
変化させて、押圧部材と板ばねの接触位置を変えること
ができ、プリセット荷重の変更が可能となる。ここで、
螺着位置の調整は、例えば回り止め部材等によって鍔付
きナットを調整ロッドに固定する等によって行う。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。ここで図1は本発明に係る減
衰力調整装置のバルブ押圧機構を適用した油圧緩衝器の
全体図、図2は本発明に係る減衰力調整装置のバルブ押
圧機構の要部断面図、図3は押圧部材の正面図、図4は
図3のA−A線断面図である。
【0013】本発明に係る減衰力調整装置は、例えば車
両等走行時に路面からの衝撃を吸収する油圧緩衝器の減
衰力を調整することのできる自動車用油圧緩衝器用の装
置として構成され、この油圧緩衝器1は、図1に示すよ
うに、ピストン機構を備えたダンパ2と、このダンパ2
にジョイント3を介して接続されるサブタンク4を備え
ており、このサブタンク4内に減衰力調整装置5が設け
られている。
【0014】そして前記ダンパ2は、非圧縮性の作動油
が封入されるダンパケース2cと、このダンパケース2
c内を摺動するピストン7と、このピストン7に連結さ
れて上方に延出するピストンロッド8を備えており、前
記ピストン7によってダンパケース2c内は2つの油室
a、bに仕切られるとともに、ピストン7には2種類の
油路7a、7bが設けられ、この油路7a、7bの出口
側にそれぞれ油圧力によって撓み変形するバルブ9a、
9bが設けられている。
【0015】また前記ジョイント3のジョイントケース
3cは、ダンパケース2c内の一方側の油室bとサブタ
ンク4内の油室dを連通する連通路cを備えており、ダ
ンパケース2c内へのピストンロッド8の進退に伴って
同油室bとサブタンク4内の油室dとの間で油をやりと
りする。
【0016】前記サブタンク4は、タンクケース4c内
を前記油室dとガス室gに仕切るフリーピストン10
と、油室d内に配設される前記減衰力調整装置5を備え
ており、この減衰力調整装置5は、油室d内に油が流通
する時に減衰力を発生させることができる減衰力発生機
構11と、この減衰力を調整する減衰力調整機構を備え
ており、この減衰力調整機構は、装置の組立て時に板ば
ね33の枚数等を調整するプリセット荷重の組立時調整
機構13と、組立て後に減衰バルブ16aに作用する背
面荷重を調整するプリセット荷重の主調整機構14を備
えている。
【0017】また、前記フリーピストン10の中央部に
は、油室d内に油を充填するための油注入孔がピストン
10を貫通して設けられ、ガス室g側から油の注入を終
えると、エア抜き用の角穴付きプラグPがOリングoを
介して嵌め込まれて固定される。
【0018】図2に示すように、減衰力発生機構11
は、ジョイントケース3cとタンクケース4cの接合部
Sに挟装され且つ2種類の油路15a、15bと中央孔
を有する固定ピストン15と、この固定ピストン15の
表裏面側に固着される一対の減衰バルブ16a、16b
と、この減衰バルブ16a、16bを固定するため固定
ピストン15の中央孔を挿通して取付けられるスリーブ
状ボルト17と、このスリーブ状ボルト17の先端部に
螺合するナット18を備えており、前記スリーブ状ボル
ト17の中央孔部に形成される雌ねじ部17nに、前記
減衰力調整機構12を構成する調整ロッド20が螺合し
て所定ストローク進退動可能にされている。そして調整
ロッド20の先端側(油室d内側)に前記プリセット荷
重の組立時調整機構13が設けられ、基端側に前記プリ
セット荷重の主調整機構14の操作部がジョイントケー
ス3c外に突出している。この主調整機構14は、調整
ロッド20と板ばね33とこの板ばね33によって押圧
される押圧部材34とによって主要部が構成される。
【0019】即ち、減衰力発生機構11は、固定ピスト
ン15と一対の減衰バルブ16a、16bとスリーブ状
ボルト17とナット18が小組み状態で一体化され、固
定ピストン15をジョイントケース3cとタンクケース
4cの接合部Sで挟持すれば、全体が一体で固定される
ようになっている。そして前記一方側(下方側)の減衰
バルブ16bは、固定ピストン15とスリーブ状ボルト
17のフランジ部に挟み付けられて、左側の油路15a
の開口部を塞ぐように配設され、他方側(上方側)の減
衰バルブ16aは、ワッシャを介して前記ナット18の
締付けによって、右側の油路15bの開口部を塞ぐよう
に配設されている。
【0020】また前記調整ロッド20の中心軸部には貫
通孔qが設けられ、この貫通孔qの中間部には、オリフ
ィスカラー21が嵌装されるとともに、調整ロッド20
の外周部の中間部には、スリーブ状ボルト17の端面に
当接可能な張出部20hが設けられている。また、この
張出部20hより基端側の調整ロッド20の外周部には
ねじ部が形成され、このねじ部に減衰力基準設定部材2
2が螺合して、ジョイント3に形成される貫通孔3aを
摺動自在に貫いて外部に突出し、減衰力基準設定部材2
2の鍔部22f前面と前記張出部20hの間には、調整
ロッド20の貫通孔qとジョイント3の連通路cを連通
せしめる油通路eが形成されている。
【0021】減衰力基準設定部材22は、調整ロッド2
0の外周面と貫通孔3aの内周面に対してそれぞれのO
リングoによって液密状にされ、固定ねじ23で調整ロ
ッド20に固定され、この状態で減衰力基準設定部材2
2と調整ロッド20とは一体的に回転し、調整ロッド2
0がスリーブ状ボルト17内で回転することで調整ロッ
ド20は螺進し、プリセット荷重の主調整が行われ、ま
た固定ねじ23を緩め減衰力基準設定部材22を調整ロ
ッド20とは独立して回転せしめることで、後述する製
品間のバラツキ調整が行われる。
【0022】更に、調整ロッド20の基端側の貫通孔q
の内周面にはねじ部が設けられ、このねじ部に流路調整
部材24が螺合し、この流路調整部材24の先端先細り
部を進退動させることによってオリフィスカラー21内
に出入れし、オリフィスカラー21との間に形成される
オリフィス通路の通路面積を制御できるようにしてい
る。そしてこの流路調整部材24を進退動させるため、
流路調整部材24の基端側の支持部材47の中心軸部に
は回転自在な操作ロッド25を設け、この操作ロッド2
5先端を流路調整部材24にキー嵌合せしめ、操作ロッ
ド25を回転操作することで流路調整部材24も一体的
に回転せしめ、この回転に伴って流路調整部材24が螺
進するようにしている。そして、この操作ロッド25と
基端側の支持部材47との間には、節度感機構26を設
け、操作ロッド25の回転操作に節度感を与えることが
できるようにしている。
【0023】また前記ジョイント3の貫通孔3aと減衰
力基準設定部材22との間にも、節度感機構27を設け
ており、減衰力基準設定部材22を回転させる際に節度
感が得られるようにしている。
【0024】前記プリセット荷重の組立時調整機構13
は、調整ロッド20の先端の外周ねじ部に螺合する鍔付
きナット31と、この鍔付きナット31の外周部に摺動
自在に嵌装されるフランジ付きスライド筒32と、この
フランジ付きスライド筒32の外周部に嵌装されて固着
される板ばね33と、この板ばね33によって押圧され
る押圧部材34を備え、この押圧部材34によって前記
減衰バルブ16aの背面側に押圧荷重を加えることがで
きるようにしている。
【0025】前記鍔付きナット31は、鍔部31fが外
向きになって螺合され、鍔部31fの端面には回り止め
ねじ35が設けられている。そして、この回り止めねじ
35を締め付けて調整ロッド20の端面に係止すれば、
鍔付きナット31を任意の螺合箇所で固定できるように
している。
【0026】前記フランジ付きスライド筒32は、フラ
ンジ部32fを内向きにして嵌装され、先端面が前記鍔
付きナット31の鍔部31fに当接可能とされている。
またこのスライド付きスライド筒32の先端側の外周面
には、ねじ部が形成されており、このねじ部には締付部
材としてのナット36が螺合可能とされている。
【0027】前記板ばね33は、円盤状の複数枚の単位
ばね板が径の大きさの順で積層することで構成され、フ
ランジ部32f側に一番近い大径のばね板33uが押圧
部材34に接触するとともに、順次径の小さいばね板が
外側に積層されている。そしてこの板ばね33は、ワッ
シャwを介して前記ナット36でフランジ部32fに突
当てた状態で固着されている。因みに、このナット36
の内径、ワッシャwの内径、板ばね33の内径は、鍔付
きナット31の鍔部31fの外径より大きめにし、鍔部
31fを通して装着、または取り外しができるようにし
ている。
【0028】前記押圧部材34は、板ばね33に接触す
る側が大径で且つ減衰バルブ16aに接触する側が小径
の筒型形状とされ、また、板ばね33に接触する側の円
周部の一部が切り欠かれて、板ばね33から受ける受圧
箇所を一部に限定するようにしている。即ち、図3及び
図4に示すように、実施形態では、円周方向の4ヶ所を
等間隔に切欠いて接触部mを周囲4ヶ所とし、見掛け上
のばね定数を下げるようにしている。
【0029】次に、以上のような減衰力調整装置5の作
用等について説明する。先ず、減衰力発生のメカニズム
から説明すると、図1に示す油圧緩衝器1でダンパケー
ス2c内のピストン7が降下し油室bが狭まる場合を考
えると、油室b内の油の一部はピストン7の一方側の油
路7aを通してバルブ9aを撓ませながら他方側の油室
aに流入することで一定の減衰作用が得られる。
【0030】また、ダンパケース2c内へのピストンロ
ッド8の進入体積分に相当する量の作動油はジョイント
3の連通路cを通してサブタンク4の油室dに流入す
る。この際、図2に示すように、一部の油は油通路eを
通って調整ロッド20内のオリフィスカラー21と流路
調整部材24の先端先細り部との間に形成されるオリフ
ィスを通って油室d内に流入し、残余の油は、固定ピス
トン15の油路15bを通して上方の減衰バルブ16a
を撓ませながら油室d内に流入する。そしてこの油室d
に流入した体積増加分はガス室g内のガスの圧縮によっ
て吸収される。そして作動油がオリフィス及び減衰バル
ブ16aを通過する際に一定の減衰作用が得られる。
【0031】ここで、前記減衰バルブ16aは、押圧部
材34を介して板ばね33から背面側に押圧荷重を受け
ており、この背面押圧荷重を変えると、油路15bを通
して油室dに流入する時のバルブの撓み荷重が変化し、
減衰特性を変えることができるが、この減衰バルブ16
aのプリセット荷重(背面押圧荷重)は、主として調整
ロッド20の位置調整によって調整するが、組立て時に
おいて、フランジ付きスライド筒32の位置及び板ばね
33の積層枚数を異ならせることで予備的に調整するこ
とができる。
【0032】本発明に係る減衰力調整装置において、減
衰バルブ16aのプリセット荷重の調整としては、組
立て時の調整、製品間のバラツキをなくすための調整
及び通常の調整がある。以下にそれぞれについて、説
明する。
【0033】組立て時の調整 先ず、フランジ付きスライド筒32に所定枚数の板ばね
33を嵌装し、ワッシャwを介してナット36で締付固
定し小組品としておく。そしてこの小組品を調整ロッド
20の先端に取付けて押圧部材34にプリセット荷重を
負荷する。すなわち、調整ロッド20に押圧部材34を
装着した後、フランジ付きスライド筒32の小組品を鍔
付きナット31の外周部に嵌合させ、この鍔付きナット
31の内周ねじ部を調整ロッド20の先端外周部のねじ
部に螺合させて所定位置までねじ込む。そしてこの鍔付
きナット31を回り止めねじ35によって調整ロッド2
0に固定する。そしてこの固定の際、押圧部材34の一
端側が減衰バルブ16aの背面側に当接し、押圧部材3
4の他端部に板ばね33が接触するようにする。
【0034】そして調整ロッド20を軸方向の所定の位
置にセットすると、フランジ付きスライド筒32の先端
面が鍔部31fに当接して板ばね33が若干撓んで押圧
力を発生し、減衰バルブ16aの背面に所望のプリセッ
ト荷重が加わる。そしてこのプリセット荷重が所望の値
からずれているような時は、例えば板ばね33の積層枚
数を増減させて調整する。尚、この調整において、板ば
ね33の積層枚数を増減しても、押圧部材34に接触す
るばね板33uの位置は変化せず、オーバープリセット
とか、押圧部材34と板ばね33の接触部にガタが生じ
る不具合はない。
【0035】また、組立て時におけるプリセット荷重の
調整においては、板ばね33の積層枚数の変化だけでな
く、鍔付きナット31の螺着位置を変化させることでも
行うことができる。即ち、回り止めねじ35を弛めて鍔
付きナット31の螺合位置を軸方向に変化させ、所望の
箇所で回り止めねじ35を締付固定すれば、フランジ付
きスライド筒32の当接位置が変化し、押圧部材34と
ばね板33uの接触位置を変化させることができる。
【0036】製品間のバラツキをなくすための調整 通常1台の自動車には少なくとも4本、場合によっては
それ以上の本数の油圧緩衝器を使用する。斯かる複数の
油圧緩衝器に上記した組立て時の調整を行っても、全て
の油圧緩衝器において板ばね33による減衰バルブ16
aへの押圧荷重が等しくなるわけではなく、全ての油圧
緩衝器が等しい減衰力特性を発揮するものではない。し
たがって、組立て後に、個々の油圧緩衝器の減衰力調整
を行う必要がでてくるが、この調整を行うに当っては予
め製品間のバラツキをなくすための調整を行っておけば
通常の調整が楽になる。図5乃至図8に基づき製品間の
バラツキをなくすための調整を以下に述べる。
【0037】先ず、すべての製品について板ばね33の
押圧荷重に対応する最小減衰力値と最大減衰力値を測定
し、最大減衰力基準値を設定する。尚、組立て後にあっ
ては板ばね33を直接測定するのは困難であるので、そ
れに代わるものとして減衰力を測定する。即ち、図5に
示すように、調整ロッド20に対して固定ねじ23で減
衰力基準設定部材22を一定の位置関係で固定した状態
で、減衰力基準設定部材22を回転させて調整ロッド2
0を最も上方に螺進させ、張出部20hをスリーブ状ボ
ルト17に当接させた状態にする。これにより、板ばね
33の押圧荷重は最も弱くなり、最小減衰力値が測定さ
れる。
【0038】次に図6に示すように、減衰力基準設定部
材22を回転させて調整ロッド20を最も下方に移動さ
せ、減衰力基準設定部材22の鍔部22fをジョイント
ケース3cの内面に当接させた状態にする。これによ
り、板ばね33の押圧荷重は最も強くなり、最大減衰力
値が測定される。
【0039】そして、すべての油圧緩衝器毎に最大減衰
力値を測定したならば、すべての油圧緩衝器の最大減衰
力値を含むような任意の値の最大減衰力基準値を設定す
る。この最大減衰力基準値はどの油圧緩衝器の最大減衰
力値よりも小さくなる。そこで、それぞれの油圧緩衝器
について最大減衰力基準値と最大減衰力値との差を求
め、この差分だけ板ばね33の圧力を弱めるように調整
する。つまり、この差を調整するためには、調整ロッド
20を所定ストローク上昇させて荷重を弱めれば良い
が、荷重差に応じる調整ロッド20のストローク量は既
知であるため、この差分の調整ロッド20のストローク
修正を行う。
【0040】即ち、減衰力基準設定部材22を回転させ
て、図7に示すように、調整ロッド20を所定ストロー
ク上昇させる。そして調整ロッド20の位置が、板ばね
33に最大減衰力基準値の荷重を与える箇所にセットさ
れると、この位置を最大降下位置にするため、図8に示
すように、固定ねじ23を弛めて調整ロッド20の位置
を保持したまま減衰力基準設定部材22だけを下方に移
動させ、鍔部22fがジョイントケース3cの内面に当
接した時点で固定ねじ23を締付け、減衰力基準設定部
材22と調整ロッド20を再度固定する。
【0041】また、ここで節度感機構27のボール43
が正確に縦溝mの中央に填り込むような調整が行われ
る。即ち、リング体41の固定ねじ45が弛め、リング
体41を円周方向に位相をずらすことによって、ボール
43が縦溝mの中央部に確実に嵌入する位置を求め、こ
の位置で固定ねじ45を締付ける。
【0042】このため、調整ロッド20と一体の減衰力
基準設定部材22が最も下方に降下した時点では、すべ
ての製品(油圧緩衝器)について板ばね33の押圧荷重
(減衰バルブ16aの背面荷重)は最大減衰力基準値と
なり、またこの時点では、節度感機構27のボール43
が縦溝mに正確に嵌入した状態にある。
【0043】このような要領ですべての製品について調
整ロッド20の下限位置で最大減衰力基準値になるよう
に設定すると、減衰バルブ16aの背面荷重(板ばね3
3の押圧荷重)を所望の値にセットする際、最大減衰力
基準値を基準にして調整すれば、すべての製品について
同じ要領で調整することができ、しかも正確に調整でき
る。
【0044】通常の調整 上記した組立て時の調整及び製品間のバラツキをな
くすための調整が終了した油圧緩衝器に対し、走行条件
等に合せて減衰バルブ16aのプリセット荷重を調整す
るのが通常の調整であり、サブタンク4の外部から調整
ロッド20を位置調整することによって行う。尚、本実
施例にあっては調整ロッド20の外周に減衰力基準設定
部材22が固着されているので、減衰力基準設定部材2
2を廻すことで調整ロッド20を回転せしめ、これによ
りスリーブ状ボルト17に対して調整ロッド20を螺進
せしめる。
【0045】即ち、スリーブ状ボルト17の雌ねじ部1
7nに螺合する調整ロッド20を回転して、調整ロッド
20を進退動させると、板ばね33の位置が変化し、減
衰バルブ16aに対する背面荷重が変化する。
【0046】ここで、前記したように、板ばね33に接
触する押圧部材34の接触部mは円周方向の4ヶ所に限
定されており、見掛け上、ばね定数が下げられているた
め、調整ロッド20の位置変化が弱く押圧部材34に伝
達され、調整がしやすくなる。
【0047】尚、調整ロッド20の貫通孔q内の油流路
の調整は、操作ロッド25の操作による流路調整部材2
4の進退動によって行うことができ、この流路調整部材
24の調整を併用することで非常に細かい減衰特性の調
整ができるようにしている。
【0048】尚、本発明は以上の実施形態に限定される
ものではなく、例えばサブタンク4以外のピストン等に
適用するようにしても良い。また、押圧部材34の接触
部mの接触数、形状等は任意である。
【0049】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
板ばねの押圧力を押圧部材を介して減衰バルブに伝達す
るようにした減衰力調整装置のバルブ押圧機構におい
て、板ばねに接触する押圧部材の一部を非接触状態と
し、押圧部材に対する板ばねの押圧箇所を一部に限定す
るようにしたため、板ばねのばね定数を見掛け上、下げ
ることができ、調整ロッドの移動に対する押圧荷重の変
化を小さくして微妙に調整することが可能となる。
【0050】また、調整ロッドと板ばねの結合構造とし
て、調整ロッドの先端部に、鍔部を外向きにした鍔付き
ナットを螺合させ、この鍔付きナットの外周部に、フラ
ンジ部を内向きにしたフランジ付きスライド筒を摺動自
在に嵌合させるとともに、このフランジ付きスライド筒
の外周部に板ばねを嵌装して締付部材によってフランジ
部に突当てた状態で固着し、フランジ付きスライド筒の
先端部を鍔付きナットの鍔部に当接させて板ばねに押圧
力を発生させるようにしたため、板ばねの積層枚数を変
化させても押圧部材と板ばねの接触位置を一定にするこ
とができ、オーバープリセットとか、ガタが生じるよう
な不具合がない。この際、調整ロッドに対する鍔付きナ
ットの螺着位置を軸方向に調整可能にすれば、プリセッ
ト荷重の変更が可能となって便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る減衰力調整装置のバルブ押圧機構
を適用した油圧緩衝器の全体図
【図2】本発明に係る減衰力調整装置のバルブ押圧機構
の要部断面図
【図3】押圧部材の正面図
【図4】図3のA−A線断面図
【図5】減衰力基準設定時の作用図で最小荷重を与える
位置の説明図
【図6】減衰力基準設定時の作用図で最大荷重を与える
位置の説明図
【図7】減衰力基準設定時の作用図で基準荷重を与える
位置の説明図
【図8】減衰力基準設定時の作用図で調整ロッドの降下
位置を規制する時の説明図
【図9】従来の減衰力調整装置バルブ押圧機構の要部を
示す部分図
【符号の説明】
1…油圧緩衝器、5…減衰力調整装置、13…プリセッ
ト荷重の組立時調整機構、14…プリセット荷重の主調
整機構、16a…減衰バルブ、20…調整ロッド、31
…鍔付きナット、31f…鍔部、32…フランジ付きス
ライド筒、32f…フランジ部、33…板ばね、34…
押圧部材、35…回り止めねじ、36…ナット、m…接
触部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体圧によって撓み変形する減衰バルブ
    と、調整ロッドの進退動によって押圧力が調整可能な板
    ばねと、前記減衰バルブ及び板ばねの間に挟装される押
    圧部材を備え、前記板ばねの押圧力を前記押圧部材を介
    して減衰バルブに伝達するようにした減衰力調整装置の
    バルブ押圧機構であって、前記板ばねに接触する押圧部
    材の一部を非接触状態とし、板ばねから受ける受圧箇所
    を局所に限定することを特徴とする減衰力調整装置のバ
    ルブ押圧機構。
  2. 【請求項2】 流体圧によって撓み変形する減衰バルブ
    と、調整ロッドの進退動によって押圧力が調整可能な板
    ばねと、前記減衰バルブ及び板ばねの間に挟装される押
    圧部材を備え、前記板ばねの押圧力を前記押圧部材を介
    して減衰バルブに伝達するようにした減衰力調整装置の
    バルブ押圧機構であって、前記調整ロッドの先端部に、
    鍔部を外向きにした鍔付きナットを螺合させ、この鍔付
    きナットの外周部に、フランジ部を内向きにしたフラン
    ジ付きスライド筒を摺動自在に嵌合させるとともに、こ
    のフランジ付きスライド筒の外周部に板ばねを嵌装して
    締付部材によってフランジ部に突当てた状態で固着し、
    前記フランジ付きスライド筒の先端部を前記鍔付きナッ
    トの鍔部に当接させて前記板ばねに押圧力を発生させる
    ようにしたことを特徴とする減衰力調整装置のバルブ押
    圧機構。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の減衰力調整装置のバル
    ブ押圧機構において、前記鍔付きナットは、前記調整ロ
    ッドに対して軸方向に螺着位置が調整可能とされること
    を特徴とする減衰力調整装置のバルブ押圧機構。
JP8592498A 1998-03-31 1998-03-31 減衰力調整装置のバルブ押圧機構 Withdrawn JPH11280821A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1306574A3 (de) * 2001-10-26 2004-08-04 Sachs Race Engineering GmbH Schwingungsdämpfer mit einstellbarer Dämpfungskraft
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CN102734372A (zh) * 2011-03-30 2012-10-17 株式会社昭和 液压缓冲器
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CN103174788A (zh) * 2013-03-20 2013-06-26 安徽江淮汽车股份有限公司 一种阻尼控制阀及液力减振器阻尼调节结构

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