JPH11271338A - フラミンゴ型光プローブおよびフラミンゴ型光プローブ製造方法と走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

フラミンゴ型光プローブおよびフラミンゴ型光プローブ製造方法と走査型プローブ顕微鏡

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JPH11271338A
JPH11271338A JP7466498A JP7466498A JPH11271338A JP H11271338 A JPH11271338 A JP H11271338A JP 7466498 A JP7466498 A JP 7466498A JP 7466498 A JP7466498 A JP 7466498A JP H11271338 A JPH11271338 A JP H11271338A
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典孝 山本
Tokuo Chiba
徳男 千葉
Hiroshi Muramatsu
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光照射あるいは光検出を行い、試料形状と2
次元光学情報を同時に測定する走査型プローブ顕微鏡に
おいて、光プローブ外径を細くすることによりバネ定数
を小さくした鉤型の光プローブでは、極細化により光て
こに利用するためのミラーが小さくなってしまい光てこ
によるプローブと試料間の制御が使えなくなってしま
う。 【解決手段】 光ファイバー1は、光を伝搬するコア部
2と屈折率の異なるクラッド部3からなる。光プローブ
はその弾性要素として機能する部分の先端部4が鉤型に
曲げられ、かつ支持部5に対して相対的に細く加工され
ている。細く加工されている弾性要素部の先端部4のう
ち鉤型の曲がり部分の径が弾性要素部の径に対して相対
的に太くなっている。曲げられた部分の背面には機械的
な研磨により平らなミラー面9が作製されている。外側
は開口8以外が金属膜7で覆われている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被測定表面のナノメ
ートル領域における形状観察を行うことを目的とする原
子間力顕微鏡(AFM)や被測定物表面を光照射もしく
は光励起することにより、光物性測定や加工を行うこと
を目的とする近接場効果顕微鏡に使用する光プローブと
光プローブ製造法と走査型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスキャピラリおよび光ファイバーを
尖鋭化して作製するアパチャータイプの光プローブが報
告されており、マイクロ加工技術の発達に伴い先端部が
非常に尖ったプローブを作製することができ、従来の光
学顕微鏡の分解能を上まわる光学像が走査型プローブ顕
微鏡により実現できるようになった。また化学エッチン
グの手法により光プローブ外径を細く加工することで光
プローブのバネ弾性を小さくし、軟らかい試料に対して
損傷を与えることなく、またAFMで使われるコンタク
トモードでの動作を可能とした光プローブが利用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のバネ弾
性を小さくするため細く加工した光プローブにおいては
プローブの極細化に伴い、光プローブと対象試料間の距
離制御に使用する光てこのための反射ミラーの大きさが
小さくなってしまうことや、プローブのバネ定数が小さ
いがためにミラーを作製できないという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため光プローブの作製工程において、まず光フ
ァイバーを鉤型に曲げ、続いて極細化することにより、
形状による湿式の化学エッチングレートの差を利用し曲
げ部分をフラミンゴ型に相対的に太く保ちながら弾性要
素部として機能する部分を極細化することを可能とし
た。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例について図
面を参照して説明する。図1(A),は本発明の第一実
施例であるフラミンゴ型光プローブを横から見た断面図
である。光ファイバー1は、光を伝搬するコア部2と屈
折率の異なるクラッド部3からなる。光プローブはその
弾性要素として機能する部分の先端部4が鉤型に曲げら
れ、かつ支持部5に対してステップ状に相対的に細く加
工されている。外側は開口8以外が金属膜7で覆われて
いる。金属膜7としては金、白金、アルミニウム、クロ
ム、ニッケル等の光を反射する材料が用いられる。
【0006】図1(B)は光プローブを上から見た図で
ある。細く加工されている弾性要素部の先端部4のうち
ちょうど曲げられている部分が相対的に太くなってい
る。曲げられた部分の背面には機械的な研磨により平ら
なミラー面9が作製されている。図2は本発明の第二実
施例であるフラミンゴ型光プローブの製作工程の一部を
示した図である。光ファイバー1の末端の1cmから1
0cm程度、合成樹脂の被覆を取り除き、表面を清浄に
する。図2(A)はCO2レーザーなどの局所加熱手段
により、先端部4を鉤型に加工する工程を表している。
熱せられたファイバーは内側と外側で応力の差を生じ熱
源の方向に曲げられる。
【0007】図2(B)は光プローブのエッチング工程
を示したものであり、ファイバーをエッチング液に浸し
た状態を表している。光ファイバー1の末端から0.5
mmから50mmの先端部4をエッチング液の第1の溶
液層10に挿入する。エッチング液は、フッ化水素酸を
主成分とする第1の溶液層11と、第1の溶液層より比
重が小さく、第1の溶液層と互いに反応かつ混合しない
第2の溶液層10の2層で構成されている。第2の溶液
層10としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの
有機溶媒や、鉱物油、植物油、化学合成油などの油脂類
が用いられるが、第1の溶液層11より比重が小さく、
第1の溶液層11またはと互いに反応かつ混合しない他
の溶液も使用可能である。
【0008】支持部5を垂直にエッチング液中に浸し所
望の細さになるまでこの状態を保つ。光プローブ外径を
細くすることにより光プローブのバネ弾性を小さくする
ことができ、軟らかい試料表面の観測に適したフラミン
ゴ型光プローブとなる。先端部4のうち曲げられている
部分は、この形状の効果でイオン拡散における濃度勾配
が生じ、エッチング速度が均一でなくなるために、曲げ
に対してその内側から側面部分のエッチング速度が遅く
なった状態、つまり太く残されエッチングされる。この
ことにより光てこのためのミラー面を作製する部分が大
きくでき、弾性機能部を極細化した光プローブにおいて
もミラー面が作製できなくなることを防ぐことができ
る。
【0009】図2(C)はフラミンゴ型光プローブ先端
を先鋭化する工程を示している。先端部4の曲げから前
方部分が垂直になるようエッチング液に浸し、先端がち
ょうど2層エッチング液の液界面のメニスカス部分とな
るようにする。メニスカス部分でエッチングされること
によりテーパー形状が作製され先端は尖鋭化される。こ
の尖鋭化の工程は、Dennis R.Turnerら
(US 4,469,554)によって開示されてい
る。フッ酸溶液は揮発性が高いために濃度が徐々に変化
してしまうことと人体や環境に対する影響が大きいとい
う問題がある。フッ化水素酸溶液と有機溶液層の2層構
造にすることで揮発を防ぐと共に、大気に放出されるフ
ッ酸を押さえる効果もある。
【0010】図2では、化学エッチングによる尖鋭化の
工程を示したが、先端部の尖鋭化は加熱引き伸ばし方法
によっても実施可能である。図3は本発明の第3実施例
である本光プローブを熱引き法でフラミンゴ型プローブ
を作製する工程を示している。図3(A)に示すよう
に、光ファイバー1の両端を引っ張りながらフラミンゴ
型光プローブの先端となる部分を加熱する。光ファイバ
ー1はテーパー状に引き延ばされ最後に破断する。加熱
の手段としては、CO2レーザー光を集光して当てる方
法や、コイル状に巻いた白金線の中央に光ファイバーを
通し、白金線に電流を流して加熱する方法を用いること
ができる。
【0011】以下は図2で示した工程を使い光プローブ
外形を作製する。熱引き法によりテーパーを作製するこ
とでコア部も先細りに破断されているところが構造的に
異なるが、以下の工程は図2に示したものと変わるとこ
ろはない。図4は、本発明の第4実施例である本光プロ
ーブに金属被覆を行う工程を示している。前工程で成形
した光ファイバーの、開口8を除く部分に金属膜7を堆
積する工程を表した断面図である。金属膜7の堆積方法
としては真空蒸着、スパッタなど異方性を有する薄膜堆
積法が用いられ、膜厚は20nmから1000nmの範
囲で選択される。堆積方向は図6中に矢印で示したとお
り、先端の後方であり、角度Aが、20度から90度の
範囲で選択される。
【0012】図5は本発明の第5実施例である本光プロ
ーブを搭載した光プローブ顕微鏡の例を示している。図
1Bの第2実施例に示した鈎状のフラミンゴ型光プロー
ブ12を、支持部5で振動手段であるバイモルフ13に
設置し、フラミンゴ型光プローブ12の先端を試料14
に対して垂直に振動させ、フラミンゴ型光プローブ12
の先端と試料14の表面の間に作用する原子間力あるい
はその他の相互作用に関わる力をフラミンゴ型光プロー
ブ12の振動特性の変化として変位検出手段15で検出
し、フラミンゴ型光プローブ12の先端と試料14の表
面の間隔を一定に保つように制御手段16で制御しなが
ら、XYZ移動機構17により試料を走査して表面形状
を測定する構成である。同時に、光学特性測定用光源1
8の光をフラミンゴ型光プローブ12に導入し、フラミ
ンゴ型光プローブ12の開口8から試料14に光を照射
し、光学特性測定光検出手段19で検出することによっ
て微小領域の光学特性の測定を行う。
【0013】図5は試料14の裏面で測定光を検出する
透過型の構成を示したが、試料表面で測定光を検出する
反射型の構成や、フラミンゴ型光プローブ12で光を検
出する構成も可能である。また、図5はフラミンゴ型光
プローブ12を振動させる装置構成を示したが、バイモ
ルフ13を振動させないか、バイモルフ13を使用しな
い装置構成とし、コンタクトモードのAFMとして測定
を行うことも可能である。
【0014】さらに、これらの装置にプローブと試料が
液体中に保持されるように液だめの覆いを設けることで
液中における測定を行うことができる。以上では、フラ
ミンゴ型光プローブ12について説明を行ってきたが、
このプローブはAFM専用のプローブとして用いること
ができる。この場合は、金属膜7は不要であり、先端は
より尖鋭な形状にすることができる。プローブ材料とし
ては、光ファイバー、その他、ガラスファイバー、金属
細線等を用いることができる。 AFMプローブとして
用いた場合の特徴としては、特に液中においてプローブ
を振動させて原子間力を検出するモードでは、従来AF
Mプローブが板構造であるため液体の粘性の影響や液体
を伝わる外乱振動の影響を受けるのに対し、きわめて安
定な共振特性を示し、安定に測定することができる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるフラ
ミンゴ型光プローブとフラミンゴ型光プローブの製造法
によれば、従来のスリムタイプ光プローブより弾性機能
部のバネ定数を小さくすることができ、かつ曲げ部分が
相対的に太いということから、光てこに必要なミラーが
小さくなり操作性が悪くなることや、バネ定数が小さい
ことによりミラーが作製すらできないといったことを回
避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフラミンゴ型光プローブの構成を表し
た図である。
【図2】本発明のフラミンゴ型光プローブのエッチング
工程を示した図である。
【図3】本発明のフラミンゴ型光プローブの熱引き工程
を示した図である。
【図4】本発明のフラミンゴ型光プローブに金属膜を被
覆する工程を示した図である。
【図5】本発明のフラミンゴ型光プローブを走査型プロ
ーブ顕微鏡に搭載した例を示した図である。
【符号の説明】
1・・・光ファイバー 2・・・コア部 3・・・クラッド部 4・・・先端部 5・・・支持部 6・・・テーパー部 7・・・金属膜 8・・・開口 9・・・ミラー面 10・・・第1の溶液層 11・・・第2の溶液層 12・・・フラミンゴ型光プローブ 13・・・バイモルフ 14・・・試料 15・・・変位検出手段 16・・・制御手段 17・・・ XYZ移動機構 18・・・光学特性測定用光源 19・・・光学特性測定光検出手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部分がテーパー状に尖鋭化された光
    ファイバーからなり、弾性要素部の端部に光を透過する
    開口を有し、開口以外の部分は金属膜で被覆されるとと
    もに、先端近傍の形状が鉤型をしている光プローブにお
    いて、鉤型の曲がり部分の径が弾性要素部の径に対して
    相対的に太くなっていることを特徴とするフラミンゴ型
    光プローブ。
  2. 【請求項2】 前記光プローブ弾性要素部の外径が基材
    に対してステップ状に細く加工してあることを特徴とす
    る特徴とする請求項1記載のフラミンゴ型光プローブ。
  3. 【請求項3】 前記光プローブはファイバーの先端近傍
    の形状を鉤型に加工する工程と外径を細く加工する工程
    と先端部分をテーパー状に尖鋭化する工程から成ること
    を特徴とするフラミンゴ型光プローブ製造方法。
  4. 【請求項4】 前記光プローブは加熱し、熱引き破断す
    る工程と、ファイバーの先端近傍の形状を鉤型に加工す
    る工程と外径を細く加工する工程から成ることを特徴と
    するフラミンゴ型光プローブ製造方法。
  5. 【請求項5】 前記プローブの先端部と測定すべき試料
    あるいは媒体表面との間隔を、前記プローブ先端部と前
    記表面との間に原子間力あるいはその他の相互作用に関
    わる力が作用する動作距離内に近づけた状態で、2次元
    的な走査手段によって前記試料表面を走査するととも
    に、制御手段によって前記表面の形状に沿って前記プロ
    ーブを制御し、試料形状を測定する走査型プローブ顕微
    鏡において前記プローブの先端と前記表面を相対的に垂
    直方向に振動させる振動手段と、前記プローブの変位を
    検出する変位検出手段と、前記検出手段が出力する検出
    信号に基づいて前記プローブの先端部と前記表面の間隔
    を一定に保つための制御手段を有するとともに、少なく
    とも請求項1および2記載のプローブを有することを特
    徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  6. 【請求項6】 前記プローブの先端部と測定すべき試料
    あるいは媒体表面との間隔を、前記プローブ先端部と前
    記表面との間に原子間力あるいはその他の相互作用に関
    わる力が作用する動作距離内に近づけた状態で、2次元
    的な走査手段によって前記試料表面を走査するととも
    に、制御手段によって前記表面の形状に沿って前記プロ
    ーブを制御し、前記表面の微小領域に対して、光照射あ
    るいは光検出を行い、試料形状と2次元光学情報を同時
    に測定する走査型プローブ顕微鏡において、前記プロー
    ブの先端と前記表面を相対的に垂直方向に振動させる振
    動手段と、前記プローブの変位を検出する変位検出手段
    と、前記検出手段が出力する検出信号に基づいて前記プ
    ローブの先端部と前記表面の間隔を一定に保つための制
    御手段を有するとともに、少なくとも請求項1および2
    記載のプローブを有することを特徴とする走査型プロー
    ブ顕微鏡。
  7. 【請求項7】 前記プローブの先端部と測定すべき試料
    あるいは媒体表面との間隔を、前記プローブ先端部と前
    記表面との間に原子間力あるいはその他の相互作用に関
    わる力が作用する動作距離内に近づけた状態で、2次元
    的な走査手段によって前記試料表面を走査するととも
    に、制御手段によって前記表面の形状に沿って前記プロ
    ーブを制御し、試料形状を測定する走査型プローブ顕微
    鏡おいて、前記プローブの変位を検出する変位検出手段
    と、前記検出手段が出力する検出信号に基づいて前記プ
    ローブの先端部と前記表面の間隔を一定に保つための制
    御手段を有するとともに、少なくとも請求項1および2
    記載のプローブを有することを特徴とする走査型プロー
    ブ顕微鏡。
  8. 【請求項8】 前記プローブの先端部と測定すべき試料
    あるいは媒体表面との間隔を、前記プローブ先端部と前
    記表面との間に原子間力あるいはその他の相互作用に関
    わる力が作用する動作距離内に近づけた状態で、2次元
    的な走査手段によって前記試料表面を走査するととも
    に、制御手段によって前記表面の形状に沿って前記プロ
    ーブを制御し、前記表面の微小領域に対して、光照射あ
    るいは光検出を行い、試料形状と2次元光学情報を同時
    に測定する走査型プローブ顕微鏡において、前記プロー
    ブの変位を検出する変位検出手段と、前記検出手段が出
    力する検出信号に基づいて前記プローブの先端部と前記
    表面の間隔を一定に保つための制御手段と、前記プロー
    ブのねじれを検出するねじれ検出手段を有するととも
    に、少なくとも請求項1および2記載のプローブを有す
    ることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7282157B2 (en) * 2002-11-11 2007-10-16 Sii Nanotechnology Inc. Method of manufacturing light-propagating probe for near-field microscope

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7282157B2 (en) * 2002-11-11 2007-10-16 Sii Nanotechnology Inc. Method of manufacturing light-propagating probe for near-field microscope

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